JP2012098664A - ディスプレイパネル、及びそれを用いた画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ディスプレイパネル10は、プラズマディスプレイパネルや液晶パネル等からなるディスプレイパネル本体1の前面に配置するコントラスト向上フィルタ5について、主切断面形状がディスプレイパネル本体から離れるほど先細りの楔形状のプリズム要素2が多数配列され、プリズム要素間は光透過要素3とする。しかも、プリズム要素はディスプレイパネル本体側を光吸収部2a、残りの部分を透明部2bとして、プリズム要素の屈折率npと光透過要素の屈折率ntをnp<ntとする。画像表示装置はこのディスプレイパネルを備えたものとする。
【選択図】図1
Description
なお、図5のコントラスト向上フィルタ25は、暗色線条部22と透明樹脂層とを有するコントラスト向上層24が、透明基材26上に積層され支持された構成例である。
(1)ディスプレイパネル本体と、該ディスプレイパネル本体の前面に配置されるコントラスト向上フィルタとを、少なくとも備え、
該コントラスト向上フィルタは、主切断面形状が前記ディスプレイパネル本体から離れるほど先細りの楔形状のプリズム要素が、その延在方向を互いに平行にして且つ該延在方向と直交する方向に多数配列し、該プリズム要素の間には画像光を透過する光透過要素を備え、且つ前記プリズム要素は、光吸収部を前記ディスプレイパネル本体側に備え他方の側に光透過性の透明部を備え、該プリズム要素と前記光透過要素との界面に於ける両要素の屈折率が、プリズム要素の屈折率npが光透過要素の屈折率ntよりも小さく、np<ntである、ディスプレイパネル。
(3)上記(1)又は(2)のディスプレイパネルを備えた画像表示装置。
(2)更に、本発明によるディスプレイパネルは、画面の法線方向から大きく傾斜した画像光も透過出来る為、画像の視野角も広くなる。
(3)本発明による画像表示装置によれば、上記ディスプレイパネルを用いているので、上記した効果が得られる。その結果、明室コントラスト向上に伴う輝度低下が抑制され、広視野角となった画像表示装置となる。
先ず、図1は、本発明によるディスプレイパネルの一実施形態を、概念的に示す断面図である。同図に示すディスプレイパネル10は、ディスプレイパネル本体1の前面(図面下方)に、コントラスト向上フィルタ5を備えた構成のものである。ディスプレイパネル本体1とコントラスト向上フィルタ5との間には、本実施形態では中間層Aとして空気層が存在する。
また、概念図でもある同図では、説明の簡素化の為、空気層からなる中間層Aとの界面(表面)に於ける光の屈折は省略し屈折や反射は生じないものとして説明する。また、同様に、コントラスト向上フィルタ5の(画像光の)出光面側での光の屈折や反射も生じないものとして説明する。
そして、本実施形態では、該コントラスト向上フィルタ5は、光吸収部2aと透明部2bとを備えたプリズム要素2と、該プリズム要素2間で画像光を透過させる光透過要素3を備えたコントラスト向上層4を有する。
そして、本実施形態では、該コントラスト向上フィルタ5は、主切断面形状がディスプレイパネル本体1から離れるほど先細りの楔形状のプリズム要素2が、その延在方向を互いに平行にしてフィルタ面Pに平行な方向であると共に該延在方向と直交する方向に多数配列している。プリズム要素2の延在方向は、同図で紙面に垂直方向であり直線状に延在している。従って、プリズム要素2は柱状プリズム要素でもある。また、本実施形態に於ける該プリズム要素2の主切断面形状の楔形状は台形形状であり、広幅の下底がディスプレイパネル本体1側、狭幅の上底が該ディスプレイパネル本体1による表示される画像を観察する観察者V側の向きである。また、該楔形状は台形であるのでその両斜辺は夫々一本の直線から構成される。
このプリズム要素2は、コントラスト向上層4内で位置的に、図4及び図5で説明した従来のコントラスト向上フィルタ20に於ける暗色線条部22に該当する光学要素である。
本実施形態では、光吸収部2aの大きさは、プリズム要素2のディスプレイパネル本体1側の部分である下底のフィルタ面P内に於ける形状及び寸法に等しい。また、光吸収部2aの厚み(図面では上下方向の寸法)は一定である。なお、図1では、この厚み一定の光吸収部2aは、コントラストフィルタ5のフィルタ面Pに対して、ディスプレイパネル本体1側に突出した位置に設けてある。言い換えると、光吸収部2aの全部分は透明部2b内には侵入せず、フィルタ面Pよりもディスプレイパネル本体1側に存在する(該光吸収部2aを備えるプリズム要素2表面が、光透過要素3部分のフィルタ面Pに対して僅かに凸となっている)。また、該光吸収部2aの厚みは、プリズム要素2の厚みに対して、1/10以下の厚みとなっている。従って、本実施形態では、プリズム要素2の体積の大部分は透明部2bとなっている。
また、多数配列したプリズム要素2同士の間には、ディスプレイパネル本体1からの画像光を観察者V側に透過させる光透過要素3を備えている。この光透過要素3は、コントラスト向上層4内で位置的には、図4及び図5で説明した従来のコントラスト向上フィルタ20に於ける透明樹脂層23に該当する光学要素である。
なお、図1の実施形態では、光透過要素3はプリズム要素2の透明部2bを(両側)側面の2方向から支持している例である。
なお、光透過要素3の厚みは、例えば100〜300μm程度である。
以上の様に、本発明では、ディスプレイパネル本体1側に光吸収部2aを有し該光吸収部2a以外の部分に透明部2bを有するプリズム要素2と、このプリズム要素2の屈折率npに対して、相対的に大きい屈折率ntとした光透過要素3とを組み合わせた構成のコントラスト向上層4としている。この結果、従来ならば楔形状の暗色線条部22に当たって消失していた画像光を、消失させずに観察者V側に到達させて、輝度の低下を防ぐことができる様になる。その理由を、図1及び図2を参照して、更に説明する。
なお、プリズム要素2の屈折率2pは、少なくとも透明部2bの(少なくとも光透過要素3との界面を形成する部分での)屈折率を意味する。光吸収部2aもプリズム要素2に属するが、光透過要素3との界面に占める割合が少ないので、光吸収部2aの(少なくとも光透過要素3との界面を形成する部分での)屈折率は無視することもできる。
また、光線が屈折率の大きい物質(屈折率n1)から屈折率の小さい物質(屈折率n2)に進行するとき、出射角θ2は入射角θ1よりも大きくなるが、入射角θ1が大きくなるにつれて、出社角θ2も大きくなり、或る入射角θ1では、出射角θ2は90°になる。出射角θ2が90°のときは、もはや屈折率n2の物質中には光線は進入できなくなる。このときの入射角θcが臨界角である。そして、入射角θfが臨界角θc以上に大きい光線Lfは界面Qで全反射して入射角θfに等しい出射角(反射角)θfで元の屈折率n1の物質内に戻ることになる。
この全反射と屈折の現象を利用することで、光透過要素3内を進行しプリズム要素2との界面に臨界角以上の入射角で当たった光線は全反射させ、一方、臨界角未満の入射角で当たった光線はプリズム要素2内に進入させ且つ屈折させることができる。
また、プリズム要素2及び光透過要素3は、通常、硝子或いは樹脂材料で構成するが、その場合、これら材料の屈折率は一般的には1.3〜1.7であり、この中から設定することができる。例えば、屈折率npを1.49、屈折率ntを1.64にする(屈折率差0.15)。なお、np<ntなる屈折率差は、通常0.14以上、全反射の臨界角をより小さくできる点では、0.20以上とすると良い。
次に、元の図1を参照して、画像光及び外光に対するプリズム要素2及び光透過要素3の作用について説明する。
図1に示す様に、ディスプレイパネル本体1から放射された画像光のうち、先ず、コントラスト向上フィルタ5のフィルタ面Pに立てた法線Nに平行に入射する光線L1は、光透過要素3をそのまま(法線Nに平行に)進行し、観察者Vの側に出光する。また、図示はしないが、同じく法線Nに平行に入射する光線L1で、プリズム要素2の光吸収部2aに入射した光は、そこで吸収されて消失する(ここでの輝度の損失は容認する)。
また、ディスプレイパネル本体1から放射される画像光のうち、法線Nに対して角度を付けてコントラスト向上層4に斜めに入射する光線L2は、光透過要素3内を進行してプリズム要素2の側面の斜面(透明部2bと光透過要素3との界面)に臨界角超過の角度で当たり全反射して、光透過要素3内を進行し、観察者Vの側に出光する。
一方、外光は、室内照明等の為、通常、フィルタ面Pに立てた法線Nに対して、通常45°以上の大きな角度でコントラスト向上層4に入射する成分光が多い。
そして、外光に対しては、図1に示す様に、先ず、法線Nに対して比較的大きい角度で、コントラスト向上層4に入射する外光OL1については、光透過要素3内を進行してプリズム要素2の側面の斜面(透明部2bと光透過要素3との界面)に臨界角未満の角度で当たる。すると、そこで屈折して入射角よりも大きい出射角で、つまり法線Nに対する角度をより小さくして、透明部2b内に進行する。そして、透明部2b内を進行する外光OL1が、プリズム要素2のディスプレイパネル本体1側に設けられた光吸収部2aに到達すると、該光吸収部2aで吸収される。
また、図示はしなかったが、前記した画像光に対する図1の説明で屈折した画像光L3についても、その光線が自然光である場合は、一部が屈折光となり、一部が図示しなかった反射光となる。しかし、こちらの場合は、全部が屈折光とならずに一部が反射光となっても、反射光も観察者V側に届けられるので、輝度低下の抑制に有効な画像光である点では同じである。従って、いずれも輝度向上に有効な反射光と屈折光とを、あえて点線で区別して図示していない。
以上の様な、画像光と外光とに対する作用の結果、画像光のうち、特に法線Nに対して相対的に大きい角度でコントラスト向上層4に入射する拡散光的な成分光(画像光L3)について、光透過要素3側からプリズム要素2の透明部2bの側面に入射する光の屈折作用によって法線Nに対する角度を小さくすることができる。その結果、観察者V側に届けることが可能となる。そして、この分、輝度が向上する。
ただ、これと同時に、外光のうち、特に法線Nに対して相対的に小さい角度(フィルタ面Pに垂直に近い角度)でコントラスト向上層4に入射する成分光(外光OL2やOL3)については、ディスプレイパネル本体1側に到達することがある。この為、この分、明室コントラストが低下する事は否めない。但し、通常、外光は、法線Nに対して相対的に小さい角度でコントラスト向上層4に入射する成分光は少ないので、この影響はそれ程ではない。なぜならば、外光のうち、一般的な、法線Nに対して相対的に大きい角度でコントラスト向上層4に入射する成分光は、光透過要素3とプリズム要素2の透明部2bとの側面に於ける光の屈折作用によって、ディスプレイパネル本体1側に備えられた光吸収部2aに到達すると、そこで吸収されるからである。この結果、明室コントラスト向上に伴う輝度の低下を抑制することができる。
次に、ディスプレイパネル本体1、プリズム要素2、光透過要素3、コントラスト向上層4、コントラスト向上フィルタ5、透明基材6について、主として材料面について、更に説明する。なお、プリズム要素2以外の、ディスプレイパネル本体1、光透過要素3、透明基材6については、公知のものを適宜採用することができる。
ディスプレイパネル本体1は、プラズマディスプレイパネル、液晶パネル、EL(電界発光)パネル等の平面画像を表示可能な表示パネルである。また、表示面が平面のブラウン管等でも良い。
ディスプレイパネル本体1は、例えばプラズマディスプレイパネル(本体)の場合は、前面ガラス基板及び背面ガラス基板の表裏2枚のガラス基板の間に形成される密閉空間中にキセノン等の希ガスを密閉して、プラズマ放電させて蛍光体から可視光線を発光させて画像表示する平面型の表示素子である。また、偏光を利用する液晶パネルの場合は、通常表裏基板の表面に偏光板等も有する。
本発明に於けるコントラスト向上フィルタ5は、図4及び図5で例示の様な従来公知のコントラスト向上フィルタに対して、暗色線条部22を透明材料で形成して透明部2bとして、更に該透明部2bのディスプレイパネル本体1側に光吸収部2aを形成して、これらによってプリズム要素2を形成することができる。その際、該プリズム要素2と光透過要素3(従来の透明樹脂層23に該当する)との屈折率の関係を、光透過要素3がプリズム要素2よりも相対的に屈折率を大きくして形成する。なお、従来公知のコントラスト向上フィルタは、例えば、特開2007−272161号公報などに記載の所謂微小ルーバ(暗色線条部22に該当)を用いたフィルタ等である。
従って、本発明によるコントラスト向上フィルタ5は、上記した相違点以外の点は、従来公知のコントラスト向上フィルタと同様な材料、方法で形成することができる。以下、プリズム要素2、光透過要素3などについて、詳述する。
プリズム要素2は、光吸収部2aと透明部2bとを備えるが、先ず、通常、体積の主要(50%超過)な部分を占める透明部2bから説明する。
透明部2bは透明材料から構成すれば良く、該透明材料としては(光透過要素3との屈折率差の設定もあるが)基本的には特に制限はなく、樹脂材料、或いはガラスやセラミックス等の無機材料を用いることができる。なかでも、樹脂材料は、形成が容易な点で好ましい。
また、プリズム要素2の透明部2bは、仮にそれが透明ではなく暗色であるならば、従来のコントラスト向上フィルタに於ける暗色線条部22と同様の暗色材料で形成することが出来る光学要素である。従って、従来のコントラスト向上フィルタに於ける暗色線条部22の形成に用いた暗色材料が、カーボンブラック等の光吸収性色材を樹脂バインダに添加した樹脂組成物であるので、透明部2bの形成には、樹脂バインダに対する該光吸収性色材の添加を省いた透明な樹脂組成物によって形成することが出来る。
該透明な樹脂組成物(上記樹脂バインダ)としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂でも良いが、固化が迅速などの点で、好ましくは、硬化性樹脂、それも、紫外線や電子線で硬化する電離放射線硬化性樹脂を用いるのが良い。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系などの樹脂が挙げられる。
なお、透明部2bの形成は、透明部2bとは逆凹凸形状の凹条部が形成された光透過要素3を先に形成してから(この点については後述する)、該凹条部に透明材料を充填し固化させれば良い。
光吸収部2aは、光吸収性の暗色材料で形成すれば良い。暗色材料としては有機材料、無機材料、いずれでも良い。例えば、該暗色材料は、前記した従来のコントラスト向上フィルタに於ける暗色線条部22の形成に用いていた暗色材料と同様な材料を用いることができる。例えば、カーボンブラックやアニリンブラック等の光吸収性色材を樹脂バインダに含有させた、塗料(乃至はインキ)等の樹脂組成物を用いる。なお、暗色の代表色は黒色だが、画像表示色に悪影響しなければ、低明度の茶褐色、紺色、臙脂色、深緑色等の有彩色もあり得る。
なお、樹脂バインダとしては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂でも良いが、固化が迅速などの点で、好ましくは、硬化性樹脂、それも、紫外線や電子線で硬化する電離放射線硬化性樹脂を用いるのが良い。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系などの樹脂が挙げられる。
なお、光吸収部2aの形成は、光透過要素3と透明部2bとを形成後に、光透過要素3間の表面に露出している透明部2bの幅広の下底側の面にのみ、見当を合わせた印刷等によってパターン形成することで、形成できる。なお、パターンの位置合わせは、光透過要素3の面と、透明部2bとの面に密着性等の表面物性差を設けてこれを利用しても良い。
光透過要素3は、透明材料から構成すれば良く、該透明材料としては(透明部2bとの屈折率差の設定もあるが)基本的には特に制限はなく、樹脂材料、或いはガラスやセラミックス等の無機材料を用いることができる。なかでも、樹脂材料は、形成が容易な点で好ましい。該透明材料としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂でも良いが、固化が迅速などの点で、好ましくは、硬化性樹脂、それも、紫外線や電子線で硬化する電離放射線硬化性樹脂を用いるのが良い。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系などの樹脂が挙げられる。
なお、光透過要素3の厚みは、例えば100〜300μm程度である。光透過要素3はプリズム要素2の高さ(厚さ)よりも大きくなり得ることは前述した通りである。
なお、プリズム要素2の透明部2bとは逆凹凸形状の凹条部が形成された光透過要素3を形成するには、公知の成形法、例えば、加熱された成形型を熱可塑性樹脂層に押圧する熱プレス法、熱可塑性樹脂組成物を成形型内に注入して固化させるキャスティング法、射出成形法、電離放射線硬化型樹脂組成物を成形型上(内)に注入して電離放射線で硬化させる2P法(フォトポリマー法)等を利用できる。これらの成形法の中でも、2P法は生産性に優れる点でより好ましい。2P法では、シリンダ状(円筒状)の成形型を使用して、帯状シートなどを供給しながら連続的に成形できる。帯状シートとして透明基材6を用いれば、透明基材6上に積層された、光透過要素3と、そこに透明部2bとは逆凹凸形状の凹条部が形成される。この凹条部の内部に、電離放射線硬化型樹脂組成物などの透明材料を充填し固化させれば透明部2bが形成される。更に、この透明部2bの露出面の部分に、更に、光吸収部2aを印刷などで形成すれば、コントラスト向上層4を形成できる。また、剥離性とした帯状シートを後から剥離除去すれば、透明基材6が積層されていないコントラスト向上層4も形成できる。
コントラスト向上フィルタ5は、更に、前述した透明基材6の他に、機能層等のその他の層を備えていても良い。
コントラスト向上フィルタ5に於けるコントラスト向上層4は、図1に於いて破線で示した様に、透明基材6を積層させることができる。
透明基材6には、ガラス、樹脂等からなる透明な基材を使用できる。なお、透明基材6が樹脂材料である場合は、特にそれが光透過要素3と同一乃至は略同一の屈折率の場合には、光透過要素3の一部と見做すこともできる(コントラスト向上層4に含まれる)。
透明基材6の樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、或いはアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等である。これら樹脂は、フィルム、シート、板の形態で使用される。なお、「フィルム」、「シート」、「板」は通常厚みにより大まかに区別されが、本発明では単に呼称上の違いのみであり、その意味の区別は特にない。なお、透明基材6の厚みは、例えば12〜500μmである。
機能層は、図示はしないが、従来公知の、コントラスト向上フィルタなどディスプレイ前面用フィルタに於ける各種機能層を適宜採用できる。この様な機能層は、大別すると光学機能を担う光学機能層と、光学機能以外の機能を担う非光学機能層がある。光学機能層の例を挙げれば、近赤外線を吸収する近赤外線吸収層、紫外線を吸収する紫外線吸収層、或いは、視覚上の効果が得られる、プラズマディスプレイパネル本体からのネオン光を吸収するネオン光吸収層、表示画像を好みの色調に補正する色補正機能などの特定光透過層、反射防止層(防眩、反射防止、防眩及び反射防止兼用のいずれか)などがある。
また、非光学機能層の例を挙げれば、ディスプレイからの電磁波を遮蔽する電磁波遮蔽層、表面を保護する表面保護層やハードコート層、帯電防止層、汚染防止層、耐衝撃層、2層間の物質移動を防ぐバリア層、2層間を密着させる接着剤層(含む粘着剤層)などがある。
なお、光学機能層及び非光学機能層の夫々の各層は単層で機能を゜兼用する事もあり、光学機能層と非光学機能層間で兼用する事もある。
また、機能層は、コントラスト向上層4のディスプレイパネル本体1側、或いは観察者V側、或いは両側、いずれでも良い。
なお、ディスプレイパネル10としては、上記したディスプレイパネル本体1及びコントラスト向上フィルタ5を少なくとも含むが、これ以外に、ディスプレイ駆動回路等の各種回路、該駆動回路とディスプレイパネル本体間の配線、これらを一体化するシャーシ、フレーム等を含んでいても良い。従って、ディスプレイパネル10は、「ディスプレイモジュール」乃至は「パネルモジュール」等と呼ぶこともできる。
本発明による画像表示装置は、図示はしないが、上記の様なディスプレイパネル10を備える画像表示装置である。本画像表示装置は、該ディスプレイパネル10以外に、筐体(キャビネット)、入出力部品等の他、画像表示装置の用途に応じて、例えば、テレビジョン受像機の場合はチューナ等の、公知の各種部品を備える。これらのその他の構成要素は、特に制限はなく、用途に応じたものとなる。
また、本発明による、ディスプレイパネル、乃至はそれを用いた画像表示装置は、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、上記説明した以外のその他の層や部材、部品等を含んでも良い。また、上記説明した構成要素についても、上記以外の変形形態としても良い。
なお、この様な光吸収部2a及び透明部2bからなるプリズム要素2を形成するには、先ず、光透過要素3間に形成した透明部2bとは逆凹凸形状の凹条部の内部に、溶剤添加等で固化時に体積収縮する様にした電離放射線硬化型樹脂組成物などの透明材料を充填し固化させて、光吸収部2a側とする表面が窪んで露出した透明部2bを形成する。次いで、窪んだ部分のみに、ドクターブレードで掻き取るいわゆるワイピング法によって暗色材料を充填して固化させることで、光吸収部2aを形成することができる。
厚みが幅方向中央部で厚い形状の光吸収部2aとすることで、透明部形成時の体積収縮とワイピング法を利用して光吸収部2aを形成できる様になる。
この様に透明部2b側に凸状とした光吸収部2aとすることで、透明部2b内を横切る様に進行する外光も凸状部分の光吸収部2aに到達させて吸収することができる。
なお、上記の応用として、プリズム要素2の主切断面形状を楔形状とせずに厚み方向で幅一定の四角形状も考えられる。この場合も、その(フィルタ面Pに)垂直な側面によって、側面が斜面の場合とは異なる形で画像光の視野角を調整でき得る。
なお、通常、外光はディスプレイパネル観察時にその鉛直方向からの成分光が多いため、柱状のプリズム要素2の延在方向は水平方向とするが、ディスプレイパネル本体の配列画素とのモアレ発生を防ぐ為に、水平方向から1.5〜45°程度傾斜させることがある。
本発明によるディスプレイパネルは、各種画像表示装置に於ける、プラズマディスプレイパネル、液晶パネル、EL(電界発光)パネル、FED(Field Emission Display)パネル、SED(surface-conduction electron-emitter display)パネル、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイパネル等を用いた画像表示部として好適である。更に好ましくは、上記の内プラズマディスプレイパネル、ELパネル、またFEDパネル、SEDパネル、LEDディスプレイパネル等、画素が直接発光する方式の自発光型画像表示装置である。また、この様なディスプレイパネルを画像表示部として備える画像表示装置は、テレビジョン受像機、測定機器や計器類、事務用機器、医療機器、電算機器、電話機、電子看板、遊戯機器、デジタルフォトフレーム、公共施設の類に設置される電子多目的表示板等の画像表示装置として好適である。
2 プリズム要素
2a 光吸収部
2b 透明部
3 光透過要素
4 コントラスト向上層
5 コントラスト向上フィルタ
6 透明基材
10 ディスプレイパネル
20 従来のディスプレイパネル
21 ディスプレイパネル本体
22 暗色線条部
23 透明樹脂層
24 コントラスト向上層
25 コントラスト向上フィルタ
26 透明基材
A 中間層(空気層或いは中実層)
L1〜L3 画像光
N 法線
np プリズム要素の屈折率
nt 光透過要素の屈折率
OL1〜OL3 外光
P フィルタ面
Q 界面
T 先端部
V 観察者
θ1 入射角
θ2 出射角
θf 全反射時の入射角及び反射角
θc 臨界角
丸付きH 屈折率が相対的に大きい部分(光透過要素)
丸付きL 屈折率が相対的に小さい部分(プリズム要素)
Claims (3)
- ディスプレイパネル本体と、該ディスプレイパネル本体の前面に配置されるコントラスト向上フィルタとを、少なくとも備え、
該コントラスト向上フィルタは、主切断面形状が前記ディスプレイパネル本体から離れるほど先細りの楔形状のプリズム要素が、その延在方向を互いに平行にして且つ該延在方向と直交する方向に多数配列し、該プリズム要素の間には画像光を透過する光透過要素を備え、且つ前記プリズム要素は、光吸収部を前記ディスプレイパネル本体側に備え他方の側に光透過性の透明部を備え、該プリズム要素と前記光透過要素との界面に於ける両要素の屈折率が、プリズム要素の屈折率npが光透過要素の屈折率ntよりも小さく、np<ntである、ディスプレイパネル。 - 上記ディスプレイパネル本体が、プラズマディスプレイパネルである請求項1記載のディスプレイパネル。
- 請求項1又は2記載のディスプレイパネルを備えた画像表示装置。
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