JP5240106B2 - 光学フィルター及び画像表示装置 - Google Patents

光学フィルター及び画像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5240106B2
JP5240106B2 JP2009159912A JP2009159912A JP5240106B2 JP 5240106 B2 JP5240106 B2 JP 5240106B2 JP 2009159912 A JP2009159912 A JP 2009159912A JP 2009159912 A JP2009159912 A JP 2009159912A JP 5240106 B2 JP5240106 B2 JP 5240106B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
optical filter
transparent
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009159912A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011013628A (ja
Inventor
由夏 樋渡
哲也 小尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2009159912A priority Critical patent/JP5240106B2/ja
Publication of JP2011013628A publication Critical patent/JP2011013628A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5240106B2 publication Critical patent/JP5240106B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、各種画像表示装置(ディスプレイ)、中でも特にプラズマディスプレイの表示面に配置されるのに好適な光学フィルター、及びその光学フィルターを備えた画像表示装置に関する。
プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、陰極線管ディスプレイ、電界発光ディスプレイ等の画像表示装置においては、その画像品質を向上させるための検討が行われてきた。
特に画像表示装置の表示面側に機能部材を設けて画質改善を図った例として、例えば特許文献1には、画像のチラツキを防止するため、素線を縦横に編んで交叉させた網状膜を表示面に配置することが提案されている。この網状膜は画像のチラツキを防止する点では効果があったものと考えられるが、日光や電燈光等の外光(外来光ともいう。)が画面に入射すると、画像コントラストが低下するという問題がある。こうした問題に対しては、例えば素線を光吸収性能のある黒色繊維とすることが考えられる。しかし、外光は画面の斜め方向から入射し、一方、画像光は画面と直交方向に出射するので、画像光を吸収せずに外光のみを高効率で吸収して画像コントラストを向上させようとするためには、黒色繊維の奥行き方向(すなわち画像表示装置と観察者とを結ぶ方向、言い換えれば画面の直交方向のこと。)の長さを長くして画面の斜め方向から入射する外光を広い面積で受ける必要がある。ところが、繊維の奥行き方向の長さを長くするためには繊維径を太くする必要があり、そうすると、必然的に幅(画面と平行な方向)が大きくなって観察者側に透過する画像光が黒色繊維で妨げられるという問題が生じる。
また、例えば特許文献2では、カラー陰極線管ディスプレイの画面での反射を防止するためのマイクロメッシュタイプの反射防止フィルターが提案されている。この反射防止フィルターは、ナイロン単繊維をメッシュ状に平織りしたマイクロメッシュからなるものであり、そのマイクロメッシュを、蛍光膜のドットピッチの水平ピッチ及び垂直ピッチに対して一定のピッチ範囲とし、かつそのマイクロメッシュの横糸を水平走査線に対して一定の角度範囲としたものである。こうした反射防止フィルターは、モアレの発生を防止する点では効果があったものと考えられるが、日光や電燈光等の外光が画面に入射すると、画像コントラストが低下するという問題は解決できない。
画像コントラストを向上させるという問題を解決するため、例えば特許文献3では、画面に貼り合わされるプラズマディスプレイ用前面フィルターを構成するコントラスト向上層として、層の面方向に沿った所定方向に直線状に連なり、その延長方向に対して垂直な断面が幅広の下底を観察者側に向ける台形となる形状を有し、且つ、光を透過するレンズ部と、そのレンズ部と平行な方向に直線状に連なり、その延長方向に対して垂直な断面が幅広の下底をプラズマディスプレイの表示面側に向ける楔形となる形状を有し、且つ、光を吸収する光吸収部とを、交互に多数噛み合わせて配列してなるものを提案している。この前面フィルターは、電磁波遮蔽機能を併せ持つ態様で、画像コントラストの向上を図っている。
特公昭34−8069号公報 特開昭62−136741号公報 特開2007−272161号公報 特開2006−154516号公報
上記特許文献3で提案された前面フィルターは、より一層の実用化と高品質化に向けて不十分な点があり、その解決が要請される。すなわち、上記特許文献3で提案された前面フィルターは、楔形の溝に暗色樹脂からなる塗料が充填されて光吸収部を形成しているが、その光吸収部は、楔形の溝部が並設された面に暗色樹脂からなる塗料を塗工した後、ドクターブレード等で掻き取って形成される。しかしながら、ドクターブレード等で掻き取る際に、溝以外の透明基材表面である透光性領域(前記の溝状凹部に対して凸部として現れる。)にも暗色樹脂が残留し、透光性領域の光透過率が低下して表示画像が暗くなるという難点がある。なお、暗色樹脂が透光性領域に残留する原因は、透光性領域の平坦性が硝子板や金属板等の平坦な剛体とは異なり不完全なこと、ドクターブレード等を押圧することにより変形や撓みが生じること、且つ暗色樹脂塗料が液状であり、僅かな隙間にも滲み出すこと、等のために完全に掻き取ることは不可能であることによる。
なお、透光性領域に残留した暗色塗料を、有機溶剤を滲み込ませた布で拭き取ったり、研磨したりすることも可能ではあるが、工程数が増える上に、有機溶剤により透光性領域が膨潤・溶出により白濁したり、研磨に付随して擦り傷が入ったりし、今度はこれらの要因によって表示画像が白濁するという問題が発生する。
一方、各種の画像表示装置、中でも特に、プラズマディスプレイは、原理上その表示面から近赤外線が放射される。特に800〜1100nmの波長域の近赤外線は、家電機器のリモコンに誤動作を生じさせることが知られており、例えば特許文献4では、プラズマディスプレイの表示面に設ける近赤外線吸収フィルターが提案されている(特許文献4)。
しかしながら、プラズマディスプレイの表示面に、近赤外線を吸収でき、しかも高いコントラストを実現できる光学フィルターはなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、外光存在下での高コントラストと近赤外線吸収能を有する画像表示装置用光学フィルターを提供することにある。また、本発明の他の目的は、そうした光学フィルターを表示面に備えた画像表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る光学フィルターは、透明基材の一方の面に、該透明基材の面内方向に平行に並設された直線状の且つその延長方向に直交する断面形状が楔形、台形又は略台形の暗色部と、隣接する前記暗色部間の透光性領域とを有し、前記暗色部はその断面形状が楔形、台形又は略台形の溝状凹部内に暗色粒子と透明樹脂とで充填されてなり、前記透光性領域はその表面が透明樹脂からなる透明保護層で覆われてなり、前記暗色粒子の最小粒径dmin及び最大粒径dmaxと前記透明保護層の厚さtと前記溝状凹部の最大幅W及び深さHとの間に「t<dmin<dmax<W」且つ「t<dmin<dmax<H」の関係が成り立つ画像コントラスト向上フィルターと、
近赤外線吸収能を有する層又はフィルムと、を有することを特徴とする。
この発明によれば、断面形状が楔形、台形又は略台形の溝状凹部内に暗色粒子と透明樹脂とが充填されてなる暗色部と、透明基材の表面が透明樹脂からなる透明保護層で覆われてなる透光性領域とが、透明基材の面内方向に交互に平行に並設されており且つその暗色粒子の最小粒径及び最大粒径と透明保護層の厚さと溝状凹部の最大幅及び深さとが上記関係で構成されるので、その透光性領域には暗色粒子が存在せず、その透光性領域を通過する光の光透過性が低下しない。その結果、表示画像が暗くなって表示画像の視認性を損なうことがなく、しかも、暗色部が外光を効果的に吸収するので、画像のコントラストを向上させることができる。
従来の前面フィルターは、その透光性領には暗色樹脂が残留するものの、基本的には露出状態となっている。最終的には、その透光性領域は何らかの部材(例えば前面板等)で被覆されるが、それまでの間の各種加工工程や、搬送工程や、あるいは保管工程の際に、露出した透光性領域が汚染されたり傷付いたりして、その結果、表示画像の画質が低下するという問題が生じていた。しかし、この発明によれば、透明基材の透光性領域は透明樹脂からなる透明保護層で覆われているので、各種加工工程や搬送工程や保管工程の際においても、画像の透過部位である透光性領域が汚染されたり傷が付いたりしない。その結果、表示画像の画質を低下することがなく、高品質の画像を表示することができる。
さらに、この発明によれば、近赤外線吸収能を有する層又はフィルムを有するので、画像表示装置の表示面に設けたため、ディスプレイから輻射される近赤外線により家電機器のリモコンに誤動作を生じさせるおそれがない。
本発明に係る光学フィルターにおいて、前記近赤外線吸収能を有する層又はフィルムが、前記画像コントラスト向上フィルターを構成する前記透明基材若しくは前記透明保護層内に近赤外線吸収剤を含有させてなるもの、又は、前画像コントラスト向上フィルターの一方の面側若しくは他方の面側に近赤外線吸収剤を含有する層又はフィルムを設けてなるものである。
この発明によれば、光学フィルターを構成するいずれかの層又はフィルムに近赤外線吸収剤を含有させることにより、光学フィルターに近赤外線吸収能を持たせることができる。
本発明に係る光学フィルターにおいて、導電メッシュを有する電磁波遮蔽フィルムをさらに有し、該電磁波遮蔽フィルムが前記画像コントラスト向上フィルターに接着剤層を介して貼り合わされている。この場合において、前記接着剤層が近赤外線吸収剤を含有するように構成することができる。
この発明によれば、電磁波遮蔽能と近赤外線吸収能を有する高コントラスト光学フィルターを提供できる。
本発明に係る光学フィルターにおいて、機能層を有する前面フィルムをさらに有し、該前面フィルムが接着剤層を介して最表面に貼り合わされている。この場合において、前記接着剤層が近赤外線吸収剤を含有するように構成することができる。
この発明によれば、表面保護能と近赤外線吸収能を有する高コントラスト光学フィルターを提供できる。
本発明に係る光学フィルターにおいて、前記画像コントラスト向上フィルターを構成する透明基材の前記透明保護層非形成側の面に、透明支持体をさらに積層してなる。
本発明に係る光学フィルターにおいて、前記近赤外線吸収能を有する層又はフィルムが、ジイモニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、シアニン系化合物及びセシウムタングステン複合酸化物微粒子から選ばれる1種又は2種以上の近赤外線吸収剤を含有する。
この発明によれば、吸収波長域や吸収能及び光透過性に違いのある各種の近赤外線吸収剤を単独で又は複数配合して含有させるので、近赤外線吸収能と透明性の良い光学フィルターを提供することができる。
上記課題を解決するための本発明に係る画像表示装置は、上記本発明に係る光学フィルターを画像表示装置の表示面に配置してなることを特徴とする。
この発明によれば、上記した本発明に係る光学フィルターを表示面側に設けたので、表示画像の品質とコントラストを良好なものとすることができるとともに、近赤外線が表示面から発しない画像表示装置(特にプラズマディスプレイ)を提供できる。
本発明に係る光学フィルターによれば、透光性領域には暗色粒子が存在せず、その透光性領域を通過する光の光透過性が低下しないので、表示画像が暗くなって表示画像の視認性を損なうことがない。しかも、暗色部が外光を効果的に吸収するので、画像のコントラストを向上させることができる。さらに、透明基材の透光性領域は透明樹脂からなる透明保護層で覆われているので、各種加工工程や搬送工程や保管工程の際においても、画像の透過部位である透光性領域が汚染されたり傷が付いたりしない。その結果、表示画像の画質を低下することがなく、高品質の画像を表示することができる。さらに、近赤外線吸収能を有するので、画像表示装置の表示面に設けることにより、家電機器のリモコンに誤動作を生じさせるおそれがない。
本発明に係る画像表示装置によれば、表示画像の品質とコントラストを良好なものとすることができるとともに、近赤外線が表示面から発しない画像表示装置(特にプラズマディスプレイ)を提供できる。
本発明に係る光学フィルターを構成する画像コントラスト向上フィルターの一例を示す模式的な断面図(A)と、これを暗色部側から見た平面図(B)である。 透明支持体を備えた画像コントラスト向上フィルターの斜視図である。 本発明に係る光学フィルターの基本的な構成例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る光学フィルターの具体例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る光学フィルターの他の具体例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る光学フィルターの他の具体例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る光学フィルターの他の具体例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る光学フィルターの他の具体例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る光学フィルターの他の具体例を示す模式的な断面図である。 画像コントラスト向上フィルターの製造方法の一例を示す工程フロー図である。 本発明に係る画像表示装置の一例を示す模式的な斜視図である。
以下、本発明に係る光学フィルター及び画像表示装置について図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の技術的範囲は以下の実施形態に限定解釈されるものではない。
[光学フィルター]
本発明に係る光学フィルター100は、図3の基本的な構成例と図4〜図9の具体例に示すように、画像コントラスト向上フィルター30と、近赤外線吸収能を有する層又はフィルム(以下、便宜的に「近赤外線吸収層90」という)とを少なくとも有している。
画像コントラスト向上フィルター30は、本発明に係る光学フィルター100の特徴的な構成の一つであり、図1及び図2に示すように、透明基材4の一方の面S1に、その透明基材4の面内方向に平行に並設された直線状の且つその延長方向に直交する断面形状が楔形、台形又は略台形の暗色部10と、隣接する暗色部10,10間の透光性領域20とを有している。暗色部10は、断面形状が楔形、台形又は略台形の溝状凹部3内に、暗色粒子1と透明樹脂2とで充填されて構成されている。また、透光性領域20は、透明基材4の平坦部8(溝状凹部3が形成されていない部分、図10(C)参照。)の表面S1が透明樹脂2からなる透明保護層2Lで覆われて構成されている。そして、本発明は、暗色粒子1の最小粒径dmin及び最大粒径dmaxと、透明保護層2Lの厚さtと、溝状凹部3の最大幅W及び深さHとの間に、t<dmin<dmax<W、且つ、t<dmin<dmax<H、の関係が成り立つことを特徴とする。
近赤外線吸収層90も本発明に係る光学フィルター100の特徴的な構成の一つであり、図4に示すように、前面フィルム40、画像コントラスト向上フィルター30及び電磁波遮蔽フィルム50をそれぞれ貼り合わせる接着剤層60,70や、光学フィルター100をプラズマディスプレイ200に貼り合わせる接着剤層80のうちの任意の接着剤層中に近赤外線吸収剤を含有させることにより設けられている。又は、図5〜図9に示すように、前面フィルム40、画像コントラスト向上フィルター30又は電磁波遮蔽フィルム50の一方の面に近赤外線吸収層90として設けられている。
なお、本発明に係る光学フィルター100は、図3に示すように、画像コントラスト向上フィルター30の一方の面及び/又は他方の面に、さらに1層以上の機能層又は機能フィルム(以下、「機能フィルム」という。)を設けてもよい。図3(A)は、暗色部10と透光性領域20が形成された側の面に前面フィルム40を設けた例であり、図3(B)は、暗色部10と透光性領域20が形成された側の反対面S2に電磁波遮蔽フィルム50を設けた例であり、図3(C)は、その両方を設けた例である。特に本発明に係る光学フィルター100をプラズマディスプレイ200用の光学フィルターとして用いる場合には、図4〜図9の具体例に示すように、前面フィルム40及び電磁波遮蔽フィルム50がさらに設けられていることが好ましい。
以下、本発明に係る光学フィルターの各構成要素について詳しく説明する。
<画像コントラスト向上フィルター>
画像コントラスト向上フィルター30は、図1に示すように、透明基材4の一方の面S1に、暗色部10と透光性領域20とを有している。更に好ましくは、図2に示すように、透明基材4の透明保護層非形成側の面S2に、透明支持体6が積層されている。
(透明基材)
透明基材4としては、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂材料、あるいは硝子等の無機透明材料が各種使用可能である。通常は、溝状凹部3を形成し易く、軽量で薄くすることが可能であり、可撓性にも優れるという点で、樹脂材料が好ましく用いられる。電離放射線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂については、後述の透明樹脂の説明箇所で例示したものと同様のものの中から選択して使用できる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の含ハロゲン樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース等のセルロース樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、等が使用できる。
この透明基材4には溝状凹部3が形成されるため、その厚さは溝状凹部3の深さHよりも厚い必要があり、通常、20μm〜5000μm程度の範囲である。すなわち、透明基材4は、その厚さにより、所謂フィルム、シート、或は板の各種形態をとり得る。
(暗色部)
暗色部10は、図1及び図2に示すように、透明基材4の一方の面S1に形成されており、透明基材4の面内方向に平行に並設された直線状の、且つその延長方向に直交する断面形状が楔形、台形又は略台形の形態からなるものである。そして、この暗色部10は、断面形状が楔形、台形又は略台形の溝状凹部3内に、暗色粒子1と透明樹脂2とで充填されて構成されている。
先ず、溝状凹部3の形状について説明する。溝状凹部3は、図1及び図2に示すように、断面形状が楔形、台形又は略台形である。ここで、断面形状とは、直線状に延びる溝状凹部3の延長方向に直交する断面の形状をいう。また、台形の溝状凹部とは、図10(A)に示すように、透明基材4の一方の面S1側の辺(下底)の幅Wが広く、他方の面S2側の辺(上底)の幅が狭い態様で構成されたものである。また、略台形の溝状凹部としては、両辺(上底と下底)の幅の差が小さい形状、すなわち長方形や正方形に近い形状を含んでいる。また、楔形の溝状凹部としては、図4〜図9に模式的に示すように、頂部(先端)が尖った3角形又は3角形に近似する形状を含んでいる。なお、溝状凹部3はこうした楔形、台形又は略台形に限らず、正方形、長方形等の4角形や、3角形、5角形等の多角形であってもよいが、好ましくは上記した楔形、台形又は略台形である。
特に、外光存在下の画像コントラスト向上効果、画像の明るさ(輝度)、及び画像の高視野角との両立性の点では、溝状凹部3は、その断面形状が楔形又は台形で、且つ対向する両辺(上底と下底)の幅に有意差があるものが好ましい。幅広の辺(下底)と幅狭の辺(上底又は頂部)は、画像表示装置の表示面側であって観察者側であってもよいが、いずれの場合も、溝深さHが、幅広の辺(下底)の幅(最大幅)Wよりも大きいことが好ましい。
このように、溝状凹部3は、従来技術の黒色繊維とは異なり、最大幅Wと深さHとを独立に設定することができるので、最大幅Wを小さくし、必要であれば更に溝状凹部間の繰り返し周期を大きくて、開口率を大きくした上で、且つ深さHを大きくし、斜方向から入射する外光の大部分を吸収する暗色部10の側面部(深さH方向に伸びる側面)の表面積を大きくすることが可能である。その結果、黒色繊維メッシュでは不可能であった画像光の高光透過率と外光の高光吸収率との両立が可能となる。なお、ここでの開口率とは、画像コントラスト向上フィルター30の法線方向から見た全面積に対する開口部(暗色部10を形成していない部分、すなわち透光性領域20)の面積の比率をいう。
溝状凹部3と透明基材4との界面からなる斜面5が出光面の法線(画像コントラスト向上フィルター30に対する垂直入射光に平行な線P)となす角度θは、所定の角度に形成されていることが好ましく、例えばθが3°〜15°の範囲であることが好ましい。この角度の範囲は、幅広の辺(下底)と幅狭の辺(上底又は頂部)が画像表示装置の表示面側でも観察者側でも好ましい範囲である。θが3°以上であると、画像表示装置からの表示光が観察者側に十分に到達し、輝度向上効果が得られる。しかも、画面に斜め方向に入射する外光については、十分な斜面面積(斜面5の面積のこと。)を持つ暗色部10で吸収できるため、外光反射を抑止して画像コントラストを向上させることができる。また、θが15°以下であると、外光を吸収する暗色部10の斜面面積を維持しつつ、画像光が通過する透光性領域(暗色部非形成領域)の面積も高く保てるため、画像光の強度(輝度)を高く保つことができる。
なお、溝状凹部3の大きい方の底辺の長さ(すなわち最大幅W)は10μm〜100μm程度であることが好ましく、小さい方の底辺の長さは5μm〜50μm程度であることが好ましく、深さHは10μm〜200μm程度であることが好ましく、溝状凹部3の周期(ピッチ)は10μm〜900μm程度であることが好ましく、開口率は50%〜90%程度であることが好ましい。
次に、暗色部10を構成する材料、すなわち溝状凹部3に充填されてなる材料について説明する。暗色部10は、可視光線波長域の大部分を吸収し、入射する可視光線(外光)を高い割合で吸収することが望ましく、その結果、暗色部10で反射する外光が目立たず、その反射光が画像光に混入しても画像コントラストの低下が目立たないようになる。したがって、暗色部10には、そうした作用を発揮する色に設定することが望ましい。暗色部10の色は完全な黒色が理想であるが、実用上は完全な黒色にする必要はなく、上記の作用を発揮するものであれば有彩色であってもよい。具体的には、黒、濃い灰色等の無彩色、褐色、臙脂色、紺色、深緑色、濃紫色等の低明度の有彩色であってもよい。
暗色部10を構成する暗色粒子1としては、所定の粒径からなる各色の粒子を用いることができる。例えば、黒色粒子としては、カーボンブラック(墨)、黒色酸化鉄等の黒色顔料や、アクリル等の透明粒子をカーボンブラック等の黒色顔料で染色した樹脂粒子等が用いられる。
また、暗色粒子1は、黒色粒子以外の、青色、紫色、黄色、赤色の各種顔料を混合して無彩色化した顔料粒子であってもよいし、それらの顔料で染色した樹脂粒子であってもよい。青色顔料としては、銅フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、コバルトブルー、群青等が用いられ、紫色顔料としては、ジオキサジンバイオレット等が用いられ、黄色顔料としては、ジスアゾイエロー、イソインドリノンイエロー、黄鉛等が用いられ、赤色顔料としては、クロモフタルレッドタイペル、キナクリドンレッド、弁柄等が用いられ、緑色顔料としては、銅フタロシアニングリーン、緑青等が用いられる。また、低明度の有彩色とした暗色粒子1であってもよく、その例としては、前記の青色、紫色、黄色、赤色、又は緑色の各種顔料を1種類又は2種類以上適宜混合分散し、必要に応じ、更に黒色顔料を混合した着色顔料、あるいは、アクリル等の透明粒子をこれら顔料で着色した樹脂粒子であってもよい。これらの暗色粒子1の中では、黒色粒子が最も光吸収性が高く、しかも画像コントラスト向上フィルター30自体の色相に影響を与えないので好ましい。
暗色粒子1の粒子径として、特にその最小粒径dminと最大粒径dmaxが後述する関係を満たすことが必要である。すなわち、少なくとも暗色粒子1の最大粒径dmaxは、溝状凹部3の最大幅Wよりも小さく、且つその深さHよりも小さいことが必要である。一方、暗色粒子1の最小粒径dminは透明保護層2Lの厚さよりは大きいことも必要である。したがって、暗色粒子1の粒子径はそうした条件を満たすものを任意に選択して用いられるが、通常は、0.1μm〜100μmの範囲内から任意に選択される。なお、暗色粒子1の最小粒径dminと最大粒径dmaxは、用いる暗色粒子1を電子顕微鏡観察して測定することができる。
暗色粒子1とともに暗色部10を構成する透明樹脂2としては、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が各種使用可能である。電離放射線硬化性樹脂とは、電磁波又は荷電粒子線、例えば紫外線又は電子線等を照射することにより、架橋又は重合反応にて硬化する樹脂を意味する。このような電離放射線硬化性樹脂としては、例えば電離放射線重合性プレポリマー及び/又は電離放射線重合性モノマーを挙げることができる。
電離放射線重合性プレポリマー(オリゴマーも包含する)としては、例えばポリエステル(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリオール(メタ)アクリレート系、シリコン(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル系等の分子中にラジカル重合性官能基を有する重合性オリゴマー、あるいはノボラック系型エポキシ樹脂プレポリマー、芳香族ビニルエーテル系樹脂プレポリマー等のエポキシ系樹脂等の分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等が挙げられる。これらの電離放射線重合性プレポリマーは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、ここで、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
また、電離放射線重合性モノマー(単量体)としては、分子中にラジカル重合性官能基を有する重合性モノマーである多官能性(メタ)アクリレートが好ましく、具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。カチオン重合性官能基を有するモノマーとして、例えば、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート等の脂環式エポキシド類、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等のオキセタン類、等が挙げられる。これらの電離放射線重合性モノマーは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、前記電離放射線重合性プレポリマーと併用してもよい。
電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、0.1重量部〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されない。
光重合用開始剤としては、分子中にラジカル重合性官能基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール等が挙げられる。また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤等を用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、フェノール−ホルマリン樹脂、尿素樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル−メラミン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリウレタン樹脂、汎用の2液硬化型アクリル樹脂(アクリルポリオール硬化物)等を例示することができる。
(透光性領域)
透光性領域20は、図1及び図2に示すように。隣接する暗色部10,10間に位置し、透明基材4の表面S1が透明保護層2Lで覆われて構成されている。この透明保護層2Lは、溝状凹部3に暗色粒子1とともに充填される透明樹脂2のみが、透明基材4の溝状凹部非形成部(凸部、又は透光性開口部ともいう。)、すなわち透光性領域20を被覆して構成されたものである。透明保護層2Lの厚さtは、用いる暗色粒子1の最小粒径及び最大粒径との関係で規定されるが、後述する関係を満たす範囲であれば、0.1μm〜30μmの範囲であることが好ましい。透明保護層2Lの厚さtが0.1μm未満では、通常の製法において、透明基材4の溝状凹部3以外の平坦部8である凸部上に形成した透明保護層2Lを研磨や拭き取り無しで実現することは困難であるとともに、主に透光性領域20の表面の汚染や擦り傷からの保護層としても不十分となる。また、透明保護層2Lの厚さtが30μmを超えると、表面の保護機能としては過剰品質となり、不要な価格高騰をきたすため、好ましくない。透明保護層2Lを汚染や擦り傷から保護する上では、高硬度で耐擦傷性に優れる電離放射線硬化性樹脂、又は熱硬化性樹脂が好ましい。
(暗色部と透光性領域の関係)
画像コントラスト向上フィルター30の特徴は、暗色部10と透光性領域20の構成要素が以下の関係であるように構成した点にある。すなわち、暗色粒子1の最小粒径dmin及び最大粒径dmaxと、透明保護層2Lの厚さtと、溝状凹部3の最大幅W及び深さHとの間に、t<dmin<dmax<W、且つ、t<dmin<dmax<H、の関係が成り立つように構成されていることに特徴がある。
画像コントラスト向上フィルター30がこうした関係を満たすことにより、暗色粒子1は溝状凹部3内にのみ存在し、透光性領域20には存在しない。一方、透明樹脂2は暗色部10と透光性領域20の両方に渡って存在し、透光性領域20には、透明樹脂2のみからなる透明保護層2Lが被覆される。ここで、暗色粒子1が溝状凹部3内にのみ存在するとは、厳密には図1(A)に示すように、溝状凹部3内に暗色粒子1の一部が掛かっているものを含む。なお、特に最小粒径dminと厚さtの関係では、dmin/t=1.5〜10であることがより好ましく、また、最大粒径dmaxとW乃至Hとの関係では、W/dmax=2〜50であることがより好ましく、H/dmax=2〜100であることがより好ましい。なお、外光を吸収してコントラストをより向上させるという観点からは、H>Wであることがより好ましい。
(透明支持体)
透明支持体6は、図2に示すように、透明基材3の透明保護層非形成側の面S2に必要に応じて設けることができる。なお、本願では、図2に示す透明支持体6を備えた画像コントラスト向上フィルターを符号30Bで表し、図1に示す透明支持体6を備えないフィルターを符号30Aで表している。この透明支持体6は、透明基材4を支持し、透明基材4の機械的強度を補強したり、あるいは透明基材4の層形成、透明基材4上への溝状凹部3の形成、暗色部形成用組成物の溝状凹部3内への充填と透明保護層2Lの形成、画像コントラスト向上フィルター30の他部材への積層等の加工工程における加工適性の付与等の目的で好ましく設けられるものである。この透明支持体6の材料は、上述した透明基材4のところで説明した材料から、透明支持体6を設ける目的に照らして適宜選択して適用できる。また、透明支持体6の厚さも透明支持体6を設ける目的に照らして適宜選択すればよい。
図2の斜視図の例では、暗色部10は、透明基材4の面内方向に平行に多数並設されており、直線状で形成されており、且つその延長方向(図2中ではy方向)に直交する断面形状が台形又は略台形の形態からなっている。
なお、画像コントラスト向上フィルター30を連続帯状シートとして供給し、同じく連続帯状シートとして供給する電磁波遮蔽フィルム50と積層する場合には、暗色部10の延長方向を図2のy軸(画像コントラスト向上フィルター30の長辺方向であると共に光学フィルター100の長辺でもある)と所定の角度(バイアス角)αだけ傾斜させることが好ましい。
かかる構成とすることにより、画像表示装置の画素と暗色部10乃至電磁波遮蔽フィルムの導電メッシュ52とのモアレ縞の発生を防止でき、且つ各層の積層工程の量産性を向上することができる。すなわち、画素とのモアレ縞を最小化できる暗色部10の延長方向と画素(水平)配列方向とのなす角度がαであるとする。連続帯状シートとして供給される画像コントラスト向上フィルター30において、暗色部10の延長方向を図2のy軸に対して所定の角度α傾斜させると、連続帯状の画像コントラスト向上フィルター30と連続帯状の電磁波遮蔽フィルム50及び連続帯状の前面フィルム40とを図4〜図9に示すように各層の長辺を平行に揃えて積層して光学フィルター100とした後、1画面分毎に裁断することになる。その際に、連続帯状の光学フィルター100は、その長辺及び短辺と平行或いは垂直に切断するのみでよく、切断刃の向きは固定できる。こうすることにより、バイアス角αに応じてその都度、変更、調節することが不要である。これは光学フィルター100の辺(長辺及び短辺)が画像表示装置の辺に一致するためである。
図2に示すように、暗色部10の延長方向が画像コントラスト向上フィルター30の長辺方向と平行に形成された連続帯状シートを用いる場合、暗色部10と画素とのバイアス角をαとするためには、打抜く長方形(1画面分)の長辺が該連続帶状シートの長辺と角度αとなるように、斜めに切断する必要がある。その場合、打抜いた1画面分同士の間に利用不能な廃棄される領域の発生が不可避となる。これに対して、最初から、暗色部10の延長方向が画像コントラスト向上フィルター30の長辺方向と角度αとしていれば、打抜く長方形(1画面分)の長辺が該連続帶状シートの長辺と平又は垂直となるため、1画面分同士の間に、かかる利用不能領域の発生を防止できる。そのバイアス角αは、0°<α<45°、特に0°<α<5°が好ましい。
暗色部10の延長方向が画像コントラスト向上フィルター30の長辺方向と角度αをなすようにするためには、暗色部10の基になる溝状凹部3を連続帯状の透明基材4、或いは更に連続帯状の透明支持体6の長辺と角度αで交叉するように賦形すればよい。例えば、透明基材4に溝状凹部3を円柱状の型(版)で賦形する場合、該円柱表面に旋盤を用いて螺子切り加工で溝状凹部3に対応する凸條部を切削する。その際に、該凸條部の延長方向が該円柱の両端面(円柱の底面)と角度αをなすように、該凸條部を切削すればよい。
以上説明した画像コントラスト向上フィルター30によれば、透光性領域20には暗色粒子1が存在せず、その透光性領域を通過する光の光透過性が低下しないので、表示画像が暗くなって表示画像の視認性を損なうことがない。また、暗色部10では、暗色粒子1が外光を効果的に吸収するので、画像のコントラスト(画像の白部と黒部との輝度の比、差等で定義)を向上させることができる。また、透光性領域20が透明保護層2Lで覆われているので、各種加工工程や搬送工程や保管工程の際においても、画像の透過部位である透光性領域20が汚染されたり傷が付いたりせず、表示画像の画質を低下することがなく、高品質の画像を表示することができる。
<電磁波遮蔽フィルム>
本発明に係る光学フィルター100は、導電メッシュ52を有する電磁波遮蔽フィルム50をさらに有していてもよい。特に本発明に係る光学フィルター100をプラズマディスプレイ用として用いる場合には、電磁波遮蔽フィルム50が設けられていることが望ましい。電磁波遮蔽フィルム50は、透明基材51と、その透明基材51上に設けられた導電メッシュ52とを少なくとも有している。
(透明基材)
透明基材51は、所望の透明性、機械的強度、導電メッシュ52との接着性等の要求適性を勘案の上、各種材料の各種厚さのものを選択すればよい。透明基材51としては、アクリル樹脂(ここでは、メタクリル樹脂も包含する概念として用いる。)、ポリエステル樹脂等をベースとするフィルムが好ましいが、これに限定されない。透明基材51の形成材料としては、具体的には、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、テレフタル酸−エチレングリコール−1,4シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の含ハロゲン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン、(メタ)アクリロニトリル等が使用できる。中でも、二軸延伸PETフィルムが透明性、耐久性に優れ、しかもその後の工程で紫外線照射処理や加熱処理を経た場合でも熱変形等しない耐熱性を有する点で好適である。
透明基材51の厚さは、その材質によっても異なるが、好ましく利用されるPET基材の場合には、通常は100μm〜188μm程度が好ましい。透明基材51の表面には、必要に応じて易接着層(図示しない)を設けたり、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理等の表面処理を行ったりしてもよい。易接着層は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン等の樹脂の中から適宜選択して設けられる。
(導電メッシュ)
透明基材51上には、導電メッシュ52が設けられている。導電メッシュ52の態様は特に限定されず、各種の態様のものを挙げることができる。例えば、(1)透明基材51上の全面に金属層を形成し、その後にパターニングして形成した導電メッシュ52であってもよいし、(2)透明基材51上に無電解めっき触媒ペーストをメッシュパターンでシルクスクリーン印刷し、その上に金属層を無電解めっきして形成した導電メッシュ52であってもよいし、(3)導電性インキ組成物をメッシュパターンで転写体に凹版オフセット印刷し、転写体上のメッシュパターンを透明基材51上に転写し、透明基材51上のメッシュパターンに金属層を電気めっきして形成した導電メッシュ52であってもよいし、(4)導電性インキ組成物をメッシュパターンで透明基材51に直接凹版印刷し、その透明基材51上のメッシュパターンに金属層を電気めっきして形成した導電メッシュ52であってもよいし、(5)本出願人がWO2008−149969パンフレットで既に提案する、未硬化の導電性組成物が充填された所定パターンの凹部を有する版面と、その導電性組成物の転写対象である透明基材の一方の面とを、硬化するまで流動性を保持できるプライマー層を介して圧着し、その後、その圧着を保持した状態で少なくとも前記プライマー層を硬化し、その後、前記透明基材及び前記プライマー層を前記版面から剥がして前記導電性組成物を前記プライマー層を介して前記透明基材の一方の面に前記所定のパターンで転写する特定の凹版印刷法で形成した導電メッシュ52であってもよい。
導電メッシュ52を構成する導電材料は、上記(1)〜(5)に例示した形成手段により異なるので一概に言えないが、金、銀、白金、銅、錫、パラジウム、ニッケル、アルミニウム等の良導電性の金属であってもよいし、それらの合金であってもよいし、それらの粒子(導電性粒子)とバインダー樹脂とからなる導電性材料であってもよい。
なお、本出願人が既に提案したWO2008−149969パンフレットに記載の電磁波遮蔽フィルムを適用する場合には、透明基材51上に、熱可塑性樹脂や電離放射線硬化性樹脂からなるプライマー層を介して銀等の導電性金属粒子を樹脂中に分散させた導電性組成物からなる導電メッシュ52が形成されている。この形態において、特に導電メッシュ52の抵抗率を低減する(導電率を高める)ために、印刷し固化した導電性組成物(導電メッシュ52)を水、又は塩酸、硫酸等の酸と接触させることによって、導電メッシュ52中の金属粒子同士を融合接着せしめる処理を行うことが好ましい。該処理を30℃〜80℃程度の加熱状態で行うと、抵抗率低減効果が良好である。かかる処理によって、例えば、導電メッシュ52の表面抵抗を1.5Ω/□程度から0.5Ω/□程度に低減することが可能である。
かかる処理によって、導電メッシュ52の表面抵抗を十分な値まで下げられる場合は、そのまま、表面に金属メッキ無しで十分な電磁波遮蔽性を発現できる。更に低い表面抵抗が所望の場合は、該導電メッシュ上に、銅等の高導電性金属をメッキ被覆する。また、印刷形成した導電メッシ52自体で所望の値以下の表面抵抗値が実現できている場合は、かかる処理を行うことによって、印刷時点の導電メッシュ52の表面抵抗が高めでも良くなるため、導電性組成物中における高価な導電性金属の添加量を節減することができる。
導電メッシュ52のパターンは、電磁波遮蔽パターンとして一般的な、メッシュ(網乃至格子)状、ストライプ(平行線群乃至縞模様)状、螺旋(乃至は渦巻)状、或いは線分群等のパターンである。具体的には、例えば、線幅は5〜200μmとすることができ、線間ピッチは100〜1000μmとすることができ、開口率(導電メッシュパターンの全面積中における開口部の合計面積の占める比率)は、通常、50〜95%程度である。導電メッシュ52の厚さは、導電メッシュの抵抗値によっても異なるが、通常、2μm以上50μm以下であり、好ましくは、5μm以上20μm以下である。
外光(電燈光、日光等)の入射時において、導電メッシュ52表面での外光の反射を低減し、画像コントラストを向上させ、画像を鮮明化するためには、導電メッシュ52の外光入射側の表面に低光反射率の黒化層を形成することが好ましい。該黒化層は、黒色が好ましいが、その他、濃灰色、褐色、紺色、深緑色、臙脂色、濃紫色等の低明度の色(暗色)であっても良い。黒化層の材料としては、銀、白金、銅等の金属、酸化第一銅、酸化第二銅、四三酸化鉄、酸化銀、塩化銀等の金属酸化物、硫化銀、硫化銅等の金属硫化物、銅−コバルト合金等の合金、炭素等が用いられる。これらの材料は、四三酸化鉄等のそれ自体が黒色等の暗色の場合には、一定膜厚の連続体膜として形成しても良いが、金属銅等のそれ自体が暗色では無い場合には、表面を粗面化して(光)乱反表面とするか、或いは微粒子とする。
なお、銀粒子をバインダー樹脂中に分散させた導電性組成物を印刷、固化して形成した導電メッシュ52の場合の黒化層の形成方法としては、例えば、テルルが溶解された塩酸溶液中に該導電メッシュを浸漬し、化学反応により、導電メッシュ表面(の銀粒子表面)に塩化銀から成る黒化層を形成する方法が挙げられる。
なお、前記のように、モアレ縞発生による画像視認性の低下を防止するため、線條部を有する電磁波遮蔽フィルム50の導電メッシュ52、画像コントラスト向上フィルター30の溝状凹部3のうちの一方又は両方の線條部の角度を規定することが好ましい。具体的には、光学フィルター100の長辺(画像表示装置の画素の水平配列方向に対応)に対して、画像コントラスト向上フィルター30の溝状凹部3のなす角度α、電磁波遮蔽フィルム50の導電メッシュ52の線條部のなす角度βについて、例えば、0度<α<5度、40度<β<55度、及び0度<β−α<50度が好ましい。
モアレ縞防止対策として、線條部の角度を規定の他、電磁波遮蔽フィルム50の導電メッシュ52の線條部の輪郭線を完全な直線ではなく、ZIGZAG(ジグザグ)乃至は波線状の折線、突出と後退を交互に繰り返す波状曲線等の形状にすることも効果がある。
電磁波遮蔽フィルム50は、図3〜図9に例示するように、画像コントラスト向上フィルター30に接着剤層70を介して貼り合わされている好ましい。こうした電磁波遮蔽フィルム50を有する光学フィルター100を、30MHz〜1GHz帯域の不要な電磁波が外部に漏洩するプラズマディスプレイの表示面に設けることにより、漏洩する電磁波をシールドして他の機器(例えば、遠隔制御機器、情報処理装置等)に影響を与えるのを防ぐことができるので、好ましく用いることができる。
<前面フィルム>
本発明に係る光学フィルター100は、図3に示すように、光学フィルター100の観察者側の最表面に設けられる前面フィルム40をさらに有していてもよい。この前面フィルム40は、図4〜図9に例示するように、光学フィルター100の観察者側の最表面に設けられて、反射防止機能、防眩機能、及び耐擦傷機能のいずれか1種もしくは2種以上の機能を有する1層又は2層以上の機能層42を有している。前面フィルム40は、透明基材41と、その透明基材41上に設けられた機能層42とを少なくとも有している。
(透明基材)
透明基材41は、所望の透明性、機械的強度、機能層42との接着性等の要求適性を勘案の上、各種材料の各種厚さのものを選択すればよい。透明基材41としては、アクリル樹脂(ここでは、メタクリル樹脂も包含する概念として用いる。)、ポリエステル樹脂等をベースとするフィルムが好ましいが、これに限定されず、上記電磁波遮蔽フィルム50の透明基材51と同様の樹脂材料を使用できる。中でも、二軸延伸PETフィルムが透明性、耐久性に優れている点で好適である。
透明基材41の厚さは、その材質によっても異なるが、好ましく利用されるPET基材の場合には、通常は100μm〜188μm程度が好ましい。透明基材41の表面には、必要に応じて易接着層(図示しない)を設けたり、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理等の表面処理を行ったりしてもよい。易接着層は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン、アイオノマー、シランカップリング剤、アルキルチタネート、イソシアネート化合物等の樹脂の中から適宜選択して設けられる。
なお、かかる易接着層は、要求される隣接基材との接着性に応じて、透明基材41の片面のみ、或いは両面に設ける。また、透明基材41の両面に易接着層を設ける場合において、表裏面に隣接する層の材質、及び表裏面で要求される接着性が同じ場合には、表裏両面の易接着層は同じものを用いれば良い。一方、表裏面に隣接する層の材質が異なったり、表裏面で要求される接着性が異なる場合には、表裏各面の易接着プライマーの種類を表面と裏面とで、各々隣接する層の材料及び要求接着性に応じて、最適なものを別個に選択しても良い。
(機能層)
透明基材41上には、機能層42が設けられている。機能層42は、反射防止機能、防眩機能及び耐擦傷機能から選択される1又は2以上の機能を有する層である。機能層42は、単一層であってもよいし、複数の層が積層された多層であってもよい
反射防止機能を有する反射防止層(Anti Reflection層:AR層)は、特に外光の反射率を抑えるための層であり、機能低屈折率層からなる単層構造、又は、低屈折率層と高屈折率層とを該低屈折率層が表面層になるように配置した2層構造若しくは該低屈折率層が表面層になるように交互に積層した多層構造からなるものである。こうした反射防止層は、透明基材41上に、蒸着やスパッタ等の乾式成膜法又は塗工等の湿式成膜法で形成することができる。低屈折率層の形成材料としては、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、フッ素含有樹脂等が挙げられ、高屈折率層の形成材料としては、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ等が挙げられる。ここで、高屈折率層、低屈折率層とは、隣接する層間の屈折率の相対的関係での表現であり、例えばある層と比較して屈折率が高ければ高い側は高屈折率層である。低い側は低屈折率層となる。なお、反射防止層に更に耐擦傷機能を付与する場合には、後述する耐擦傷機能(ハードコート)層のところで説明する硬度の高い材料を適宜用いて形成することができる。
防眩機能を有する防眩層(Anti Glare層:AG層)は、ぎらつきを防止するための層であり、その表面に外光を乱反射する微細な凹凸を有する層である。こうした防眩層は、バインダー樹脂中にシリカ等の無機フィラーを添加した組成物を透明基材41上に塗布形成したり、塗布形成された層表面を賦形版で賦形加工したりして形成すことができる。バインダーの樹脂としては、前面フィルム40の表面層として機械的強度が望まれる関係上、硬化性アクリル樹脂や、後述するハードコート層と同様の電離放射線硬化性樹脂等が好適に用いられる。
耐擦傷機能を有するハードコート層は、JIS K 5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものである。このような硬度と上記透明樹脂基材と同様な透明性を実現できるものであれば、材料は特に限定されない。ハードコート層の形成材料としては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートプレポリマー、又は、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマー、を単独で又はこれらの中から2種以上選択して配合した電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。また、電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤や光重合促進剤としての増感剤を添加することが好ましい。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する複合的表記である。ハードコート層は、上記の材料を必要に応じて溶剤で希釈し、透明基材41上に塗工等の湿式成膜法により形成することができる。
こうした機能層42を有する前面フィルム40は、図3〜図9に示すように、接着剤層60を介して光学フィルター100の最表面となるように貼り合わされている。
<接着剤層>
本発明に係る光学フィルター100は、図3〜図9に示すように、接着剤層が必要に応じて設けられている。例えば、画像コントラスト向上フィルター30の表面側(観察者側)には接着剤層60を介して前面フィルム40が貼り合わされ、また、画像コントラスト向上フィルター30の背面側(プラズマディスプレイ側)には接着剤層70を介して電磁波遮蔽フィルム50が貼り合わされている。また、光学フィルター100を一体としてプラズマディスプレイ200の表示面に貼り合わせる場合にも、接着剤層80を介して貼り合わされる。
接着剤層の構成材料としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等が挙げられる。これら接着剤用樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、或は電離放射線硬化性樹脂の形態で用いられる。通常は、こうした樹脂材料を含む接着剤層用組成物を対象フィルム上に塗工して接着剤層を形成し、他のフィルムと貼り合わせ、その後、接着剤層用組成物の種類に応じた手段で接着する。
接着の形態としては、該接着剤用樹脂組成物が熱可塑性樹脂の場合には、以下の2形態が用いられる。
(1)加熱溶融型接着剤の形態;該樹脂組成物をその融点乃至は溶融温度以上に加熱し流動状態とさせ、該流動状態の樹脂組成物層を間に介して画像コントラスト向上フィルター30と前面フィルム40とを積層せしめ、しかる後に該樹脂組成物をその融点乃至は溶融温度以下に冷却し、固化せしめて接着剤層60となすことにより画像コントラスト向上フィルター30と前面フィルム40とを接着せしめる。
(2)粘着剤の形態;該熱可塑性成樹脂組成物が室温で粘着性を発現する場合には、該樹脂組成物を間に介して画像コントラスト向上フィルター30と前面フィルム40とを積層せしめ、加圧するのみで画像コントラスト向上フィルター30と前面フィルム40とを接着せしめる。なお、ここで室温とは、本発明の光学フィルターを保管、搬送、乃至使用する雰囲気温度をいう。通常は、0℃〜35℃前後である。なお、このような形態の接着剤は粘着剤とも呼ばれる。
該接着剤用樹脂組成物が熱硬化性樹脂の形態の場合には、該樹脂組成物を間に介して画像コントラスト向上フィルター30と前面フィルム40とを積層せしめ、しかる後に該樹脂組成物を加熱して、架橋反応、重合反応等により固化せしめて接着剤層60となすことにより画像コントラスト向上フィルター30と前面フィルム40とを接着せしめる。
該接着剤用樹脂組成物が電離放射線硬化性樹脂の形態の場合には、該樹脂組成物を間に介して画像コントラスト向上フィルター30と前面フィルム40とを積層せしめ、しかる後に該樹脂組成物を電離放射線照射して、架橋反応、重合反応等により固化せしめて、接着剤層60となすことにより画像コントラスト向上フィルター30と前面フィルム40とを接着せしめる。かかる電離放射線としては、通常、紫外線照射又は電子線が用いられる。
また、接着剤層60の塗工形成は、画像コントラスト向上フィルター30側、前面フィルム40側、或いは両方の側の各々の何れの側に行っても良い。
なお、図3に示すように、画像コントラスト向上フィルター30の暗色部10(暗色粒子1が充填される溝状凹部3)に接する側に接着剤層60が位置する場合には、図3では図示を略してはいるが、暗色粒子1が充填される溝状凹部3の表面(図3で言うと上側の面)を凹陥部とし、該凹陥部に接着剤層60を充填するようにすると、投錨効果により接着が強化されて好ましい。溝状凹部3の表面の凹陥部に接着剤層60を充填する場合には、接着剤として、電離放射線硬化性樹脂或いは粘着剤のように、接着時に十分低粘度で流動性が良好な状態で被着体に接触できる形態のものを用いることが好ましい。
溝状凹部3の表面(図3で言うと上側の面)を凹陥部とするためには、暗色粒子1を分散させる透明樹脂2を硬化時の収縮が大きい熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂としたり、暗色粒子1を分散させた透明樹脂2を揮発性の溶剤で希釈した上で、これを溝状凹部3内に充填し、該溶剤を乾燥せしめて、暗色粒子1を分散させた透明樹脂2の体積を収縮せしめたり、或は溝状凹部3の表面内に暗色粒子1と透明樹脂2を充填する際のドクターブレードの掻き取り条件を制御したりすることにより、実現できる。
接着剤層の厚さは特に限定されないが、通常、1〜500μm程度、好ましくは2〜40μmの範囲である。また、こうした接着剤層には、その接着特性を阻害しない範囲内で、後述する近赤外線吸収剤やその他の機能性材料を含有させてもよい。
<近赤外線吸収層>
本発明に係る光学フィルター100は、図3〜図9に示すように、近赤外線吸収能を有する層又はフィルム(便宜的に「近赤外線吸収層90」という。)を含んでいる。近赤外線吸収能は、光学フィルター100を構成する層又はフィルムに近赤外線吸収剤を含有させて付与したものであってもよいし、及び/又は、近赤外線吸収剤を含む層やフィルムを新たに設けて付与したものであってもよい。「及び/又は」としたのは、光学フィルター100を構成する層又フィルムに近赤外線吸収剤を含有させたものと、近赤外線吸収剤を含む層やフィルムを新たに設けたものとを、両方設けてもよいし、いずれか一方設けてもよいという意味である。
光学フィルター100を構成する層又はフィルムに近赤外線吸収剤を含有させたものとしては、基本的には制限はなく、全構成層中から選択した任意の1層以上の層であれば良いが、例えば、(1)画像コントラスト向上フィルター30を構成する透明基材4に近赤外線吸収剤を含有させたもの、(2)画像コントラスト向上フィルター30を構成する透明支持体6に近赤外線吸収剤を含有させたもの、(3)電磁波遮蔽フィルム50の透明基材51に近赤外線吸収剤を含有させたもの、(4)前面フィルム40の透明基材41に近赤外線吸収剤を含有させたもの、(5)画像コントラスト向上フィルター30と前面フィルム40とを貼り合わせる接着剤層60に近赤外線吸収剤を含有させたもの(図4参照)、(6)画像コントラスト向上フィルター30と電磁波遮蔽フィルム50とを貼り合わせる接着剤層70に近赤外線吸収剤を含有させたもの(図4参照)、(7)光学フィルター100をプラズマディスプレイ200に貼り合わせる接着剤層80に近赤外線吸収剤を含有させたもの(図4参照)、等を挙げることができる。これら(1)〜(7)の態様は、単独でも良いし、複数適用してもよい。
これらのうち、接着剤層60,70,80は、接着剤層用組成物中に近赤外線吸収剤を含有させればよいので、新たな層やフィルムを形成する必要がなく、コスト的にも優位である。そのなかでも、接着剤層70に近赤外線吸収剤を含有させて接着剤層70と近赤外線吸収層90とを兼ねさせ場合には、色素耐久性、フィルターとしての粘着物性の点で特に好ましい。
一方、近赤外線吸収剤を含む層やフィルムを新たに設けて付与したものとしては、例えば、(ア)前面フィルム40を構成する透明基材41と機能層42との間に近赤外線吸収層90を設けたもの(図5参照)、(イ)前面フィルム40の背面側(画像コントラスト向上フィルター30側、プラズマディスプレイ200側)に近赤外線吸収層90を設けたもの(図示しない)、(ウ)画像コントラスト向上フィルター30の表面側(観察者側)に近赤外線吸収層90を設けたもの(図6及び図7参照)、(エ)画像コントラスト向上フィルター30の背面側(電磁波遮蔽フィルム50側、プラズマディスプレイ200側)に近赤外線吸収層90を設けたもの(図8参照)、(オ)電磁波遮蔽フィルム50の背面側(プラズマディスプレイ200側)に近赤外線吸収層90を設けたもの(図9参照)、等を挙げることができる。これら(ア)〜(オ)の態様は、単独でも良いし、複数適用してもよい。
これらのうち、上記(イ)や(エ)は、フィルターとして、金属色を観察者側から覆うためフィルターとしての色味、色素耐久性の点で優位である。
近赤外線吸収剤としては、ジイモニウム系化合物、アミニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、ジチオール系有機金属錯体、シアニン系化合物、アゾ化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、オキソール系化合物等の有機系近赤外線吸収剤を挙げることができる。また、CsWO(セシウム酸化タングステン)等の、特開2006−154516号公報に記載の平均分散粒径が800nm以下のタングステン酸化物微粒子及び/又は複合タングステン酸化物微粒子を含む近赤外線吸収剤、ITO(酸化インジウム錫)微粒子等の無機系近赤外線吸収剤を用いてもよい。或いは又、特許第4038572号公報に記載のフタロシアニン系化合物会合体、特開2002−22935号公報に記載のシアニン系化合物会合体、特開2001−228324号公報、特開2002−90521号公報に記載のポリメチン系化合物会合体、特開2009−109774号公報等に記載のオキソール系化合物会合体、各種ジイモニウム系化合物会合体等の色素会合体を用いても良い。これらの近赤外線吸収剤から選ばれる1種又は2種以上をその特徴に応じて含有させることが望ましい。
これらの近赤外線吸収剤を接着剤層に含有させる場合において、その配合量は、接着機能を阻害せず且つ所望の近赤外線吸収能を発揮でき、さらにはその近赤外線吸収剤に起因する透明性低下が生じない程度の量であることが好ましい。その配合量は、近赤外線吸収剤の種類によっても異なり、しかも近赤外線吸収剤をブレンドして配合する場合もあるので一概に言えないが、通常は、層又はフィルムとして形成した後における含有量として、0.005〜5.0g/mの範囲内である。
一方、新しい層として近赤外線吸収層を設ける場合においては、近赤外線吸収剤をアクリル樹脂、ポリエチレン、プロピレン等のオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂材料中に配合して前面フィルム40、画像コントラスト向上フィルター30又は電磁波遮蔽フィルム50のいずれかに塗布形成して形成することができる。樹脂材料中に含有させる近赤外線吸収剤の配合量は、所望の近赤外線吸収能を発揮でき且つその近赤外線吸収剤に起因する透明性低下が生じない程度の量であることが好ましい。その配合量は、近赤外線吸収剤の種類によっても異なり、しかも近赤外線吸収剤をブレンドして配合する場合もあるので一概に言えないが、上記同様、通常は、層又はフィルムとして形成した後における含有量として、0.005〜5.0g/mの範囲内である。
(プラズマディスプレイ用途の場合)
ところで、本発明に係る光学フィルター100をプラズマディスプレイの表示面(観察者側の面)に設ける場合には、家電機器のリモコンに誤動作を生じさせない程度の近赤外線吸収能を有するとともに、透明性(可視光の透過性)にも優れている必要がある。プラズマディスプレイ200の表示面に光学フィルター100を設ける場合、光学フィルター全体の透明性については、波長380〜780nmの可視光領域での全光線透過率が、その範囲の波長域で平均35%以上であることが好ましい。全光線透過率を平均35%以上とすることにより、十分な明るさにより画像を楽しむことができる。一方、近赤外線吸収能については、波長800〜1100nmの領域での近赤外線透過率が、その範囲の波長域で平均30%以下であることが好ましい。より好ましくは、波長850〜950nmでの透過率が25%以下であり、これにより家電機器のリモコンの誤動作を防ぐことができる。
近赤外線吸収剤の選定に当たっては、こうした可視光領域における全光線透過率と、近赤外領域における近赤外線透過率とを考慮する必要がある。好ましい近赤外線吸収剤としては、波長380〜780nmの可視光領域で低吸収で、波長800〜1100nmの近赤外領域で高吸収のものである。こうした観点からは、ジイモニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、ジチオール系有機金属錯体、及び特開2006−154516号公報に記載のタングステン酸化物微粒子及び/又はセシウムタングステン複合酸化物微粒子を含む近赤外線吸収剤、から選ばれる1種又は2種以上の近赤外線吸収剤を含有させることが好ましい。
ジイモニウム系化合物とシアニン系化合物は、上記の近赤外領域で十分な近赤外線吸収能を有するとともに、波長380〜780nmの可視光領域での全光線透過率を高めに設定し易いという特徴があり、その結果、光学フィルター100全体として、可視光領域での全光線透過率の平均を35%以上とするのに有利である。
一方、フタロシアニン系化合物は、上記の近赤外領域で十分な近赤外線吸収能を有するが、波長380〜780nmの可視光領域での全光線透過率の平均が低めになってしまうという特徴があり、そのため、フタロシアニン系化合物を単独で用いる場合には、その含有量を少なめにする必要がある。好ましくは、フタロシアニン系化合物を上記のジイモニウム系化合物やシアニン系化合物と併合して用いる場合であり、こうした場合には、可視光領域での全光線透過率と近赤外領域での近赤外線透過率の両方を上記透過率の範囲に調整することが容易となる。
特に、フタロシアニン系化合物は800〜900nmの近赤外波長の吸収能がよく、ジイモニウム系化合物は900〜1100nmの近赤外領域の吸収能がよく、セシウムタングステンは800〜1100nmの近赤外領域の全域で吸収能がよいという特性がある。そのため、こうした特性と、可視光領域での透過率を勘案して、フタロシアニン系化合物とジイモニウム系化合物とをブレンドしたり、さらにセシウムタングステンを加えたりして、所望の近赤外線吸収剤とすることが好ましい。
なお、こうした近赤外線吸収剤は、日光等の外光中の紫外線によって劣化する場合がある。そのため、近赤外線吸収剤を含む上記(1)〜(8)や上記(ア)〜(オ)の態様の層又はフィルムには、併せて紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。又は、近赤外線吸収剤を含む層又はフィルムの前面側(観察者側)の層やフィルムに紫外線吸収能を含有させることが好ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等の有機系化合物、微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム等の無機系化合物が挙げられる。独立した層とする場合に用いられるバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、紫外線吸収フィルムとしては、例えば、帝人(株)製 「テトロンフィルムHBタイプ」(商品名)等が挙げられる。
また、紫外線吸収剤の他に、ラジカル補足剤や光安定剤などの添加物を添加してもよい。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤(チバ社 TINUVIN 111、144など)ベンゾエート系光安定剤などが挙げられる。これらの添加剤は、近赤外線吸収層に含有、或は紫外線吸収剤と併用し同一層への添加等が挙げられる。
また、近赤外線吸收層の各材料の耐久性向上のために、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤や酸化防止剤、及び金属不活性剤(例えばチバ社IRGANOX MD1024など)を添加しても良い。
近赤外線吸収剤は粘着剤中では特に色素劣化が生じやすい。特にジイモニウム系色素や、シアニン系色素などの有機色素系は材料によっても変化する。これらの耐久性を改善するために、樹脂(粘着・接着)中で各色素を安定して保持するために層状粘土鉱物を添加する。
層状粘土鉱物とは、天然物又は化学的合成物或は層間にリチウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン等を有するもの、それらの置換体、誘導体又はそれらの混合物を用いることができ、特にスメクタイトが機能性が高く好ましい。上記スメクタイトの中でも、不純物を除去するために精製したスメクタイトが好ましく、高分子バインダー樹脂や有機溶媒と親和性の高い親油性スメクタイトがさらに好ましい。不純物を除去することにより、色素混合物を作製した場合に凝集しにくい。また、膨潤性層状ケイ酸塩の層間に第四級アンモニウムイオンなどが導入され親油化処理を施された粘土鉱物などが好ましい。スメクタイト系粘土としては、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、バイデライト、モンモリロナイト、ノントロナイト又はベントナイト等の天然又は化学的に合成したもの、又はこれらの置換体、誘導体、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
上記スメクタイトとしては市販されているものを使用することもでき、ルーセンタイトSTN、STN−A、SPN、SEN、SAN、SAN2C、SAN210、STF、SSN、SSN−A、SAN312−A、SAN2C−A、SAN210−A(親油性スメクタイト:コープケミカル社製)、クニピアT、クニピアD−36(モンモリロナイト;クニミネ工業社製)、エスベンN−400、エスベンN−400FP(モンモリロナイト:ホージュン社製)、ベントン(東新化成社製)等が挙げられる。中でも不純物を除去するために精製したSTN−A、SSN−A、SAN312−A、SAN2C及びSAN210が、色素化合物と混合した場合に凝集しにくいので好ましい。
これらの、粘土鉱物を添加した場合は、色素耐久性は向上するが近赤外線吸収層のヘイズが向上する傾向がある。そのため、前記近赤外線吸収色素と粘土鉱物を重量比で1:0.01から1:1の割合で含有させることが好ましく、更に好ましくは該重量比が1:0.001から1:0.5である。添加量が多すぎる場合は、粘着層のヘイズが2.5%以上となり、全体に白くなる。添加量が少ないと効果が見られない。ヘイズとしては、0.9から2.5%以内になることが望ましい。
以上のように、光学フィルター100を構成するいずれかの層又はフィルムに近赤外線吸収剤を含有させ、又は近赤外線吸収剤を含有する層又はフィルムを新たに設けてなる光学フィルター100は、(1)プラズマディスプレイ200の表示面から放射する近赤外線を効率よく遮蔽することができ(波長850〜1100nmの近赤外波長領域での近赤外線透過率の平均が30%以下)、(2)可視光透過性能が高く(波長380〜780nmの可視光領域での全光線透過率の平均が35%以上)、(3)自然光等の外光存在下での画像コントラストが高いという効果を奏する。こうした光学フィルター100に使用される、例えば電磁波遮蔽フィルム50やコントラスト向上フィルターは、いずれも、部材単体での透過率が透明基材に比べ低く、光学フィルター100の透過率を左右する部材である。高透過率の近赤外線吸収層を有することで、これら、透過率を下げる部材と併用しても高透過率を維持できる。
<その他の機能>
本発明に係る光学フィルター100は、例えば、ネオン光吸収能、調色機能、紫外線吸収能、耐汚染機能、帯電防止機能等の中から選択される1種又は2種類以上の層又はフィルムを必要に応じて含むように構成してもよい。こうした層又はフィルムは、単一層として設けてもよいし、複数積層して設けてもよい。また、こうした層又はフィルムを、上述した各透明基材4,41,51や透明支持体6に担わせてもよいし、上述した接着剤層60,70,80に担わせてもよい。なお、これらの層又はフィルムについては、特開2007−272161号公報の第0064段落以降の記載のものを適用できる。
また、その他機能を発現する層として、重要な層の1つとして、光重合剤開始剤の遮断層が挙げられる。
すなわち、本発明に係る光学フィルター100において、例えば図6(A)に示すように、近赤外線吸収剤を含む層(乃至フィルム)(図6(A)では近赤外線吸収層90)は、暗色部10と透光性領域20を構成する透明保護層2L(図1を参照。)上に直接接触する積層構造となっている。そして、近赤外線吸収剤がジイモニウム系化合物等の有機系近赤外線吸収剤からなり、且つ透明保護層2Lを構成する透明樹脂2が1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等の光重合用開始剤を含む紫外線硬化性樹脂からなる場合においては、その透明保護層2L中の光重合用開始と透明保護層2Lに隣接する層中の有機系近赤外線吸収剤とが化学反応して近赤外線吸収機能が低下する現象が起き易い。
かかる近赤外線吸収機能の低下を防止するために、図6(B)に示すように、透明保護層2Lとこれに隣接する近赤外線吸収層90(近赤外線吸収剤を含む層乃至フィルム)90との間に、光重合剤開始剤の遮断層35を形成することが好ましい。
その遮断層35は、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンに代表される光重合開始剤及びジイモニウム系化合物に代表される有機系近赤外線吸収剤の両方の透過を遮断するとともに接触をも遮断し、且つ十分な透明性を有する層であれば特に制限は無い。遮断層35の材料としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等のアクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂、ポリオールとイソシアネート化合物との反応によって得られる2液硬化型ウレタン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。遮断層35の厚さは、1〜10μm程度とする。
なお、以上に例示した光学フィルター100を構成する各種機能層は、透明基材41を中核として積層された形態を例示したが、構成層数、総厚、及び材料費を節減するため、透明基材41を省略し、電磁波遮蔽フィルム50上、画像コントラスト向上フィルター30上、或いは両層上に多層塗工して積層形成しても良い。多層塗工の場合、電磁波遮蔽フィルム50の導電メッシュ52上において、後工程で接地処理を行うための周縁部の接地領域上には各機能層を形成しないように長方形状等の所定の平面視形状で間欠塗工することが好ましい。間欠塗工は、ダイコート、スライドコート等の塗工法による。また、各種機能層を所定の平面視形状で複数層積層する場合は、各層の平面内の位置がズレないように見当を合わせて(平面内の位置が一致するように)塗工する。
各機能層を塗工する際に、塗膜表面は平滑、平坦面とすることが、画像を歪ませないために必要である。そのためには、各機能層を形成する塗膜中に界面活性剤の添加、希釈溶剤の添加等により塗膜の表面張力を調整することが好ましい。特に、電磁波遮蔽フィルム50、画像コントラスト向上フィルター30等の凹凸を有する表面、中でも特に電離放射線硬化性樹脂の硬化物からなる面上に塗工される塗膜の場合、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等のジメチルシロキサン系の表面張力調整剤(界面活性剤)を添加することが好ましい。かかる塗膜表面は、水に対する接触角が79°以上とすることが好ましい。そうした塗膜表面は、塗膜が未硬化時に該塗膜表面に平滑面を有する離型性フィルムを積層し、塗膜面に平滑面(鏡面)を付与した状態で該塗膜を硬化させ、しかる後、該離型性フィルムを剥離する方法により実現できる。
[画像コントラスト向上フィルターの製造方法]
次に、本発明に係る光学フィルター100を構成する画像コントラスト向上フィルター30の製造例を説明する。図10は、画像コントラスト向上フィルター30の製造方法の一例を示す工程フロー図である。
先ず、図10(A)に示すように、一方の面S1の面内方向に平行に並設された直線状の、且つその延長方向に直交する断面形状が楔形、台形又は略台形の溝状凹部3が形成されてなる透明基材4を準備する。溝状凹部3は各種の方法で加工することができる。例えば、加熱した賦形金型を熱可塑性樹脂に押圧する熱プレス法、熱可塑性樹脂組成物を賦形金型上に注入して固化させるキャスティング法、射出成形法、紫外線硬化型樹脂組成物を成形型内に注入して紫外線硬化させるUVキャスティング法、等の方法を任意に選択して形成することができる。これらの方法の中では、量産性に優れたUVキャスティング法がより好ましい。UVキャスティング法は、ロール状の金型を使用し、連続シートを供給しながら溝状凹部3を連続的に型押しして生産することができる。ロール状の金型は、例えば中空鉄円筒の表面に銅層を積層し、その銅層に形成すべき溝状凹部3の反転形状を賦形したものを例示できる。
次に、図10(B)に示すように、溝状凹部3が形成された側の面S1に、暗色粒子1と透明樹脂2とを有する液状樹脂組成物7を塗布する。塗布は、ノズル71等を用いて行うことができる。液状樹脂組成物は、既述の暗色粒子1と透明樹脂2を任意に選択し、必要に応じて溶剤を配合して所定の粘度となるように調製したものである。なお、液状樹脂組成物には、製造上の容易さを向上させるため、必要に応じて脱泡剤やレベリング剤等の添加剤を添加してもよい。
次に、図10(C)に示すように、塗布された液状樹脂組成物7を掻き取って、溝状凹部3内には暗色粒子1と透明樹脂2とを充填し、溝状凹部以外の平坦部8には暗色粒子1は存在させずに透明樹脂2のみを所定厚さt’で残す。掻き取りは、例えばドクターブレードやワイピングロール等(以下、ドクターブレード72等という。)を用いたワイピング法により行うことができるが、その際、ドクターブレード72等と平坦部8との間に所定の隙間を形成して行う。このときの所定の隙間としては、掻き取った後に平坦部8上に残る透明樹脂2の厚さt’が、次の固化工程によって形成される透明保護層2Lの厚さt以上となるように形成するとともに、後述の関係を満たすように形成する。
最後に、図10(D)に示すように、透明樹脂2を固化して、溝状凹部3を暗色部10とし、平坦部8を所定厚さtの透明保護層2Lで覆われた透光性領域20とする。こうして画像コントラスト向上フィルター30を製造できる。
こうした各工程を経て画像コントラスト向上フィルター30(30A)を製造するが、得られた画像コントラスト向上フィルター30が以下の関係を有するように製造条件を設定する。すなわち、暗色粒子1の最小粒径dmin及び最大粒径dmaxと、平坦部8に残った透明樹脂2の厚さt’と、溝状凹部3の最大幅W及び深さHとの間に、t’<dmin<dmax<W、且つ、t’<dmin<dmax<H、の関係が成り立つようにする。したがって、準備する透明基材4に形成される溝状凹部3の最大幅Wと深さHの仕様については上記関係を満たすようにするとともに、液状樹脂組成物の調製にあたっても上記関係を満たすような暗色粒子1を選定し、ドクターブレード等72で液状樹脂組成物を掻き落とす際にも上記厚さt’になるようにドクターブレード等72と平坦部8との隙間を調製する。
以上、画像コントラスト向上フィルター30の製造方法によれば、液状樹脂組成物7を掻き取った後の平坦部8に残った所定厚さt’の中には暗色粒子1が存在せず、透明樹脂2のみが存在する。そして、その後に透明樹脂2を固化することにより、溝状凹部3を暗色部10とし、平坦部8を所定厚さtの透明保護層2Lで覆われた透光性領域10としたフィルターを製造できる。こうして製造された画像コントラスト向上フィルター30は、透光性領域20には暗色粒子1が存在しないことから、その透光性領域10を通過する光の光透過性が低下せず、表示画像が暗くなって表示画像の視認性を損なうことがない。しかも、暗色部10が外光を効果的に吸収するので、画像のコントラストを向上させることができる。さらに、透光性領域20が透明保護層2Lで覆われるので、各種加工工程や搬送工程や保管工程等の各構成を経ても、画像の透過部位である透光性領域20が汚染されたり傷が付いたりしない。その結果、表示画像の画質を低下することがなく、高品質の画像を表示することができる。
[プラズマディスプレイ]
図11は、本発明に係るプラズマディスプレイの一例を示す模式的な斜視図である。プラズマディスプレイ200は、図4〜図9及び図11に示すように、上記本発明に係る光学フィルター100を、表示面に配置してなるものである。そして、本発明に係る光学フィルター100を備えることにより、外光存在下での画像コントラストを向上させることができ、さらにプラズマディスプレイ本体から放射する近赤外線を吸収することができる。
光学フィルター100は、図4〜図9に示すように、プラズマディスプレイ200の表示面に接着剤層80を介して貼り合わせてもよいし、接着剤層を介さないで固定したものであってもよい。なお、いわゆる「粘着剤層」も本願でいう「接着剤層」の一形態である。
なお、光学フィルター100は、画像コントラスト向上フィルター30が有する楔形、台形又は略台形からなる暗色部10の幅の大きい方の底辺を観察者の側に向けて配置したもの(図6を参照)であっても、プラズマディスプレイ200の側に向けて配置したもの(図7を参照)であってもよい。いずれの方向であっても、その暗色部10で外光を効果的に吸収することができる。
なお、図7に示すように、暗色部10の幅の大きい方の底辺をプラズマディスプレイ200の側に向けて配置した形態においては、前面フィルム40自体を画像コントラスト向上フィルター30の透明支持体6とを兼用させることにより、透明支持体6及び接着剤層60を省略することが可能である。この場合には、例えば、予め製造した、観察者側から順番に、機能層42、透明基材41、及び近赤外線吸収層90を積層してなる前面フィルム40を透明支持体として用い、該前面フィルム40の近赤外線吸収層90側の面に、前記のような方法にて、透明樹脂4及び溝状凹部3(暗色部10)を形成する。
また、図4〜図7に示すように、電磁波遮蔽フィルム50の導電メッシュ52上に画像コントラスト向上フィルター30及び前面フィルム40を積層する場合において、製造工程上好ましい形態としては以下のものが例示できる。すなわち、接着剤層70として熱可塑性樹脂からなる加熱溶融型接着剤を用い、該接着剤層70を加熱溶融状態にして、電磁波遮蔽フィルム50の導電メッシュ52上における画像表示装置1画面分に相当する領域にのみ間欠的に(部分的に)塗工形成する。次いで、画像コントラスト向上フィルター30及び前面フィルム40の積層体(予め両者を接着剤層60を介して積層してある)を溶融状態の該接着剤層70上に積層し、しかる後に該接着剤層70を冷却、固化せしめて、接着を完了する。次いで、間欠形成した接着剤層70同士の間の接着剤層70非形成領域上において、電磁波遮蔽フィルム50、画像コントラスト向上フィルター30、及び前面フィルム40の積層体を枚葉に裁断して1画面分の光学フィルター100を得るものである。なお、電磁波遮蔽フィルム50の両端部近傍は接着剤層70が非形成であり、画像コントラスト向上フィルター30及び前面フィルム40は導電メッシュ上に非接着で浮いた状態となっている。したがって、画像コントラスト向上フィルター30及び前面フィルム40を捲り上げることによって、該両端部における接地処理を容易に行うことができる。
以上、本発明に係るプラズマディスプレイ200によれば、本発明に係る光学フィルター100を表示面の側に設けたので、表示画像の品質とコントラストを良好なものとすることができるとともに、近赤外線の放射を防ぐことができる。
以上においては、専ら、本発明の光学フィルターをプラズマディスプレイ(PDP)の画像表示面に設置する使用形態について説明した。ただし、本発明の光学フィルターは、その他の各種ディスプレイの画像表示面に設置し、その表示画像品質とコントラストの向上、及び近赤外線の放射防止の効果を奏することが可能である。その他のディスプレイとしては、例えば、ブラウン管ディスプレイ(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、電界発光ディスプレイ(ELD)等が挙げられる。又、プラズマディスプレイ及び上記各種ディスプレイは、テレビジョン受像装置、測定機器や計器類の表示部、事務用機器や電算機器の表示部、電話機の表示部、遊戯機器の表示部、広告宣伝媒体、案内誘導用表示板等に用いられる。或いはディスプレイ用全面フィルターの他にも、住宅、学校、病院、事務所、店舗等の建築物の窓、車両、航空機、船舶等の乗物の窓、電子レンジの窓等の等の各種家電製品の窓等の電磁波遮蔽及び赤外線遮蔽材の用途にも使用可能である。
以下、本発明について実施例と比較例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。なお、実施例中、部は特に特定しない限り重量部(質量部と同義。)を表す。
<画像コントラスト向上フィルターの作製>
先ず、透明支持体6として、両面易接着処理された厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(東洋紡績社製;品名A4300)を準備し、その上に、ウレタンアクリレートプレポリマーからなる紫外線硬化性樹脂を厚さ300μmとなるように塗布し、未硬化状態の透明基材を形成した。この未硬化状態の透明基材表面に、ピッチが70μmで溝状凹部3を形成した側の開口幅が20μmで深さが120μmの溝状凹部3を形成できる金属製賦形型ロールを押し当て、所望の溝状凹部形状を刻設しながら背面から紫外線を照射して透明樹脂4を硬化させた。こうして、ピッチが70μmで溝状凹部3を形成した側の開口幅が20μmで深さが120μmの溝状凹部3を形成した。なお、賦形型ロールは、その円周方向に溝状凹部3が賦形されているので、シート部材上で回転させることにより、シート部材の長手方向に延びるように溝状凹部3を形成することができる。
次に、透明アクリル系の紫外線硬化性プレポリマー100質量部中に、最小粒径が2μmで最大粒径が3μmの黒い球状ビーズ状粒子50質量部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製)2質量部を混合して液状の紫外線硬化性樹脂組成物7を調製した。この液状樹脂組成物7を、上記のようにして得られた溝状凹部形成済みの透明基材4の該溝状凹部形成面側上に塗工し、その後、ドクターブレード72でワイピングした。ワイピングに際しては、同時に背面から紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂である透明樹脂2を硬化させた。ワイピングでは、透明基材4の平坦部8とドクターブレード72との隙間を1.5μmとして行い、そのワイピングを2回繰り返した。その結果、溝状凹部3には透明樹脂2であるUV樹脂と暗色粒子1である黒い球状ビーズが充填され、一方、平坦部8の上には透明樹脂2のみを厚さ1.5μmで残留させることができ、同時に行ったUV照射によりその透明樹脂2を硬化させて厚さ1μmの透明保護層2Lを形成した。こうして、画像コントラスト向上フィルター30を作製した。なお、上記において、[透明樹脂の屈折率]−[球状ビーズの屈折率]=−0.003であった。
<電磁波遮蔽フィルムの作製>
両面易接着処理された厚さ100μmの2軸延伸PETシート(東洋紡績社製;品名A4300)を準備し、その上に、厚さ10μm、線幅10μm、線間隔290μmの網目形状の銅箔からなる導電メッシュを銅箔のフォトエッチング法で形成した。こうして電磁波遮蔽フィルム50を作製した。
<前面フィルムの作製>
両面易接着処理された厚さ100μmの2軸延伸PETシート(東洋紡績社製;品名A4300)を準備し、その上に、酸化ジルコニウム微粒子を分散させたアクリル系樹脂からなる厚さ1μmの屈折率1.93の高屈折率層をグラビアロールコート法で形成した後、さらにその高屈折率層上に中空シリカ微粒子を分散させたアクリレート系樹脂からなる厚さ0.138μmの屈折率1.39の低屈折率層をグラビアロールコート法で形成し反射防止層とした。こうして前面フィルム40を作製した。
<粘着剤(接着剤)層A1の作製>
アクリル系粘着剤に(東洋インキ(株)、感圧性粘着剤「オリバイン」(商品名:BPS6271)、固形分27%)及び硬化剤BXX5627(東洋インキ製造(株))に、近赤外線吸収化合物として、フタロシアニン系化合物「IR12」(商品名、日本触媒(株))を0.05wt%、フタロシアニン系化合物「IR14」(商品名、日本触媒(株))を0.02wt%及びジインモニウム系化合物「IRG−068」(商品名、日本触媒(株))を0.01wt%をそれぞれ配合した。さらに、ネオン光吸収化合物「TAP2」(商品名、山田化学(株))を0.01wt%配合した。更に、紫外線吸収剤として、CyasorbUV24(サイテック社)を4wt%、光安定剤としてTINUVIN144を2wt%化合物と調色色素(KAYASET(日本化薬(株)製)及び、粘土鉱物としてクニピアD36を0.05wt%を配合したアクリル系粘着剤を十分攪拌させて粘着剤層用組成物を作製した。
この粘着剤層用組成物を厚さ38μmの離型フィルム上に厚さ25μmになるように塗布し、100℃・2分間乾燥した後、38μm離型フィルムでラミネートし、粘着剤層A1を離型フィルム間に設けた粘着剤層形成フィルムを作製した。この粘着剤層A1は、フタロシアニン系化合物「IR12」が0.05g/m、フタロシアニン系化合物「IR14」が0.02g/m、ジインモニウム系化合物「IRG−068」が0.01g/mとなるように含まれている。また、ネオン光吸収化合物「TAP2」は0.01g/mとなるように含まれている。
<粘着剤(接着剤)層A2の作製>
アクリル系粘着剤に(東洋インキ(株)、感圧性粘着剤「オリバイン」(商品名:BPS6271)、固形分27%)に、近赤外線吸収化合物として、フタロシアニン系化合物「IR12」(商品名、日本触媒(株))を0.05wt%、フタロシアニン系化合物「IR14」(商品名、日本触媒(株))を0.1wt%及びフタロシアニン系化合物「IR915」(商品名、日本触媒(株))を0.05wt%をそれぞれ配合した。さらに、ネオン光吸収化合物「TAP2」(商品名、山田化学(株))を0.01wt%、更に紫外線吸収剤として、CyasorbUV24(サイテック社)を4wt%、光安定剤としてTINUVIN144を2wt%化合物と調色色素(KAYASET(日本化薬(株)製)を配合した。これらの化合物を配合したアクリル系粘着剤を十分攪拌させて粘着剤層用組成物を作製した。
この粘着剤層用組成物を厚さ38μmの離型フィルム上に厚さ25μmになるように塗布し、100℃・2分間乾燥した後、38μm離型フィルムでラミネートし、粘着剤層A2を離型フィルム間に設けた粘着剤層形成フィルムを作製した。
<粘着剤(接着剤)層A3の作製>
アクリル系粘着剤(綜研科学(株)、感圧性粘着剤SKダインSK2094(商品名)、固形分25%、及び硬化剤E−5XM)に、近赤外線吸収化合物として、セシウム酸化タングステンCs0.33WO粒子分散液(住友金属鉱山(株) YMF−02(20wt%))6g、更に、ネオン光吸収化合物「TAP2」(商品名、山田化学(株))を0.01wt%、紫外線吸収剤として、CyasorbUV24(サイテック社)を4wt%、光安定剤としてTINUVIN144を2wt%と調色色素(KAYASET(日本化薬(株)製)を配合した。これらの化合物を配合したアクリル系粘着剤を十分攪拌させて粘着剤層用組成物を作製した。
この粘着剤層用組成物を厚さ38μmの離型フィルム上に厚さ25μmになるように塗布し、100℃・2分間乾燥した後、38μm離型フィルムでラミネートし、粘着剤層A3を離型フィルム間に設けた粘着剤層形成フィルムを作製した。この粘着剤層A3は、Cs0.33WO粒子が1.2g/mとなるように含まれている。また、ネオン光吸収化合物「TAP2」は0.01g/mとなるように含まれている。
<粘着剤(接着剤)層A4の作製>
アクリル系粘着剤(東洋インキ(株)、感圧性粘着剤「オリバイン」(商品名)、固形分27%)に、1,2,3−ベンゾトリアゾール0.1wt%を混合したものを厚さ38μmの離型フィルム上に厚さ25μmになるように塗布し、100℃・2分間乾燥した後、38μm離型フィルムでラミネートし、近赤外線吸収剤を含まない粘着剤層A3を離型フィルム間に設けた粘着剤層形成フィルムを作製した。
<粘着剤(接着剤)層A5の作製>
アクリル系粘着剤(東洋インキ製造(株)、感圧性粘着剤「オリバイン」(商品名)、固形分27%)に、紫外線吸収剤として、CyasorbUV24(サイテック社)を4wt%、1,2,3−ベンゾトリアゾール0.1wt%を混合し厚さ38μmの離型フィルム上に厚さ25μmになるように塗布し、100℃・2分間乾燥した後、38μm離型フィルムでラミネートし、近赤外線吸収剤を含まない粘着剤層A3を離型フィルム間に設けた粘着剤層形成フィルムを作製した。
何れの粘着剤も、添加物をMEK(メチルエチルケトン)とトルエンの混合溶液に溶解して粘着剤と混合する。
<粘着剤層A6の作製>
アクリル系粘着剤に(東洋インキ(株)、感圧性粘着剤「オリバイン」(商品名)、固形分27%)に、1,2,3−ベンゾトリアゾール0.1wt%、調色色素(KAYASET(日本化薬(株)製を数種)とネオン光吸收色素「TAP2」(商品名、山田化学(株))を0.01wt%、紫外線吸収剤として、CyasorbUV24(サイテック社)を4wt%、光安定剤としてTINUVIN144を2wt%とを添加し混合し厚さ38μmの離型フィルム上に厚さ25μmになるように塗布し、100℃・2分間乾燥した後、38μm離型フィルムでラミネートし、近赤外線吸収剤を含まない粘着剤層A3を離型フィルム間に設けた粘着剤層形成フィルムを作製した。
<接着剤層B1の作製>
UV硬化樹脂ビームセット575(荒川科学工業製)と近赤外線吸収化合物として、セシウム酸化タングステン分散液(住友金属鉱山(株) YMF−02(20wt%))24gと、更に、ネオン光吸収剤としてテトラアザポルフィリン系化合物「TAP2」(商品名、山田化学(株))を0.01wt%配合し、十分攪拌させて接着剤層用組成物を作製した。
接着剤層B1は、上記接着剤層用組成物を任意のフィルム上に塗布し、他のフィルムを貼り合わせた後に紫外線照射することによって両フィルムを接着させた。接着剤層用組成物で厚さ25μmに形成した接着剤層B1は、Cs0.33WO粒子が1.2g/mとなるように含まれている。
<コーティング゛層C1の作製>
アクリル系樹脂にBR−52(三菱レイヨン(株))をMEK:トルエン1:1重量比の混合溶液に溶解し、30wt%溶液を作製した。近赤外線吸収化合物として、フタロシアニン系化合物「IR12」(商品名、日本触媒(株))を0.1wt%、フタロシアニン系化合物「IR14」(商品名、日本触媒(株))を0.05wt%及びジインモニウム系化合物「IRG−068」(商品名、日本触媒(株))を0.03wt%をそれぞれ配合した。更に、ネオン光吸収化合物「TAP2」(商品名、山田化学(株))を0.01wt%配合した。更に、紫外線吸収剤として、CyasorbUV24(サイテック社)を4wt%、光安定剤としてTINUVIN144を2wt%と調色色素(KAYASET;日本化薬(株)製)を配合したコーティング用液を作製した。機能性材料の基材面に乾燥膜厚が10μmになるように塗工した。
[実施例1]
観察者側からプラズマディスプレイ200の表示面側に向かって、前面フィルム40、接着剤層A5、画像コントラスト向上フィルター30、接着剤層A2、電磁波遮蔽フィルム50、粘着剤層A1の順で積層し、図4に示す態様の光学フィルター100を構成した。このとき、画像コントラスト向上フィルター30は、図4に示すように、楔形の溝状凹部3の幅広側が観察者側になるように配置し、電磁波遮蔽フィルム50も、図4に示すように、導電メッシュ52が観察者側になるように配置した。なお、粘着剤層A1は、電磁波遮蔽フィルム50上に粘着剤層形成フィルムから転写した。
[実施例2]
観察者側からプラズマディスプレイ200の表示面側に向かって、前面フィルム40、接着剤層A4、画像コントラスト向上フィルター30、接着剤層A2、電磁波遮蔽フィルム50、粘着剤層A4の順で積層し、図4に示す態様の光学フィルター100を構成した。このとき、画像コントラスト向上フィルター30は、図4に示すように、楔形の溝状凹部3の幅広側が観察者側になるように配置し、電磁波遮蔽フィルム50も、図4に示すように、導電メッシュ52が観察者側になるように配置した。なお、粘着剤層A2は、電磁波遮蔽フィルム50上に粘着剤層形成フィルムから転写した。
[実施例3]
観察者側からプラズマディスプレイ200の表示面側に向かって、前面フィルム40、接着剤層A4、画像コントラスト向上フィルター30、接着剤層A5、電磁波遮蔽フィルム50、粘着剤層A3の順で積層し、図4に示す態様の光学フィルター100を構成した。このとき、画像コントラスト向上フィルター30は、図4に示すように、楔形の溝状凹部3の幅広側が観察者側になるように配置し、電磁波遮蔽フィルム50も、図4に示すように、導電メッシュ52が観察者側になるように配置した。なお、粘着剤層A3は、電磁波遮蔽フィルム50上に粘着剤層形成フィルムから転写した。
[実施例4]
観察者側からプラズマディスプレイ200の表示面側に向かって、前面フィルム40、接着剤層B1、画像コントラスト向上フィルター30、接着剤層A6、電磁波遮蔽フィルム50、粘着剤層A4の順で積層し、図4に示す態様の光学フィルター100を構成した。このとき、画像コントラスト向上フィルター30は、図4に示すように、楔形の溝状凹部3の幅広側が観察者側になるように配置し、電磁波遮蔽フィルム50も、図4に示すように、導電メッシュ52が観察者側になるように配置した。なお、粘着剤層A4は、電磁波遮蔽フィルム50上に粘着剤層形成フィルムから転写した。
[実施例5]
観察者側からプラズマディスプレイ200の表示面側に向かって、前面フィルム40、接着剤層A4、画像コントラスト向上フィルター30、接着剤層B1、電磁波遮蔽フィルム50、粘着剤層A6の順で積層し、図4に示す態様の光学フィルター100を構成した。このとき、画像コントラスト向上フィルター30は、図4に示すように、楔形の溝状凹部3の幅広側が観察者側になるように配置し、電磁波遮蔽フィルム50も、図4に示すように、導電メッシュ52が観察者側になるように配置した。なお、粘着剤層A4は、電磁波遮蔽フィルム50上に粘着剤層形成フィルムから転写した。
[実施例6]
観察者側からプラズマディスプレイ200の表示面側に向かって、前面フィルム40、接着剤層A4、画像コントラスト向上フィルター30、接着剤層A6、電磁波遮蔽フィルム50、粘着剤層A4の順で積層し、図5に示す態様の光学フィルター100を構成した。この実施例6では、前面フィルム40として、透明基材41上に近赤外線吸収層90として上記接着剤層C1を形成し、その上に高屈折率層と低屈折率層をその順で形成した前面フィルム40を用いた。なお、上記実施例と同様に、画像コントラスト向上フィルター30は、図5に示すように、楔形の溝状凹部3の幅広側が観察者側になるように配置し、電磁波遮蔽フィルム50も、図5に示すように、導電メッシュ52が観察者側になるように配置し、粘着剤層A4は、電磁波遮蔽フィルム50上に粘着剤層形成フィルムから転写した。
[実施例7]
観察者側からプラズマディスプレイ200の表示面側に向かって、前面フィルム40、接着剤層A5、画像コントラスト向上フィルター30、接着剤層A4、電磁波遮蔽フィルム50、粘着剤層A4の順で積層し、図7に示す態様の光学フィルター100を構成した。この実施例8では、画像コントラスト向上フィルター30として、透明支持体6上に近赤外線吸収層90として上記接着剤層C1を形成した画像コントラスト向上フィルター30を用いた。なお、画像コントラスト向上フィルター30は、図7に示すように、楔形の溝状凹部3の幅広側がプラズマディスプレイ200の表示面側になるように配置し、電磁波遮蔽フィルム50は、図7に示すように、導電メッシュ52が観察者側になるように配置し、粘着剤層A4は、電磁波遮蔽フィルム50上に粘着剤層形成フィルムから転写した。
[実施例8]
観察者側からプラズマディスプレイ200の表示面側に向かって、前面フィルム40、接着剤層A5、画像コントラスト向上フィルター30、接着剤層A4、電磁波遮蔽フィルム50、粘着剤層A4の順で積層し、図8に示す態様の光学フィルター100を構成した。この実施例9では、画像コントラスト向上フィルター30として、透明支持体6上に近赤外線吸収層90として上記接着剤層C1を形成した画像コントラスト向上フィルター30を用いた。なお、上記実施例と同様に、画像コントラスト向上フィルター30は、図8に示すように、楔形の溝状凹部3の幅広側が観察者側になるように配置し、電磁波遮蔽フィルム50も、図8に示すように、導電メッシュ52が観察者側になるように配置し、粘着剤層A4は、電磁波遮蔽フィルム50上に粘着剤層形成フィルムから転写した。
[実施例9]
観察者側からプラズマディスプレイ200の表示面側に向かって、前面フィルム40、接着剤層A4、画像コントラスト向上フィルター30、接着剤層A5、電磁波遮蔽フィルム50、粘着剤層A4の順で積層し、図9に示す態様の光学フィルター100を構成した。この実施例10では、電磁波遮蔽フィルム50として、透明基材51上に近赤外線吸収層90として上記接着剤層C1を形成した電磁波遮蔽フィルム50を用いた。なお、上記実施例と同様に、画像コントラスト向上フィルター30は、図9に示すように、楔形の溝状凹部3の幅広側が観察者側になるように配置し、電磁波遮蔽フィルム50も、図9に示すように、導電メッシュ52が観察者側になるように配置し、粘着剤層A4は、電磁波遮蔽フィルム50上に粘着剤層形成フィルムから転写した。
[比較例1]
実施例1において、上記球状ビーズ状粒子に代えて、最小粒径が0.2μmで最大粒径が3μmの黒い球状ビーズ状粒子を用い、粘着剤層A1の代わりに粘着剤層A3を用いた他は、実施例1と同様にして比較例1のフィルターを得た。
[測定方法]
(全光線透過率)
日本電色工業(株)製ヘイズメータ(NDH2000)を用いて、実施例1〜10及び比較例1の光学フィルターの全光線透過率を測定した。
(近赤外線透過率)
分光光度計((株)島津製作所製、商品名:「UV−3100PC」)を用い、各々の光学フィルターから切り出した50mm×50mmの大きさの試験片について測定した。
(画像コントラスト)
市販のPDP表示装置(日立製作所社製、品名「W42P−H8000」(42インチ))の前面基板から既存の光学フィルムを除去し、実施例1〜10及び比較例1の光学フィルターを、PDPの表示面に当接し、ゴムローラで加圧して貼着した。そして、光学フィルターを貼り付けたPDPの斜め上方30°の方向(水平距離1570mm、垂直距離907mm)に40Wの白色蛍光灯((株)東芝製、商品名「ネオライン白色FL40S−W」)6本を配置し、PDP表示部表面の中心の照度が輝度計による測定値で100ルクス及び1000ルクスとなるように外光を設定した状態で、PDPの正面(水平距離1570mm)から目視によるコントラストの官能評価を行った。コントラストの評価は、PDPの画像品質(明るさ、及びコントラスト等)を「標準」モードに設定し、無彩色の最高濃度(完全な黒)及び無彩色の最低濃度(完全な白)の画像データからなる2色で碁盤目(方形格子)を交互に配置したパターンの画像データを表示し、目視でそのパターンの白黒の境界がはっきり見えるように感じるか否かで良否を判断した。
実施例1〜9の光学フィルターは、白黒の境界がはっきり見えたが、比較例1の光学フィルターは、はっきり見えなかった。
1 暗色粒子
2 透明樹脂
2L 透明保護層
3 溝状凹部
4 透明基材
5 斜面
6 透明支持体
7 液状樹脂組成物
8 平坦部
10 暗色部
20 透光性領域
30,30A,30B 画像コントラスト向上フィルター
40 前面フィルム
41 透明基材
42 機能層(AR層、AG層等)
50 電磁波遮蔽フィルム(背面フィルム)
51 透明基材
52 導電メッシュ
60,70,80 接着剤層又は近赤外線吸収剤含有接着剤層
90 近赤外線吸収層又はフィルム
100 光学フィルター
200 プラズマディスプレイ
dmin 暗色粒子の最小粒径
dmax 暗色粒子の最大粒径
t 透明保護層の厚さ
t’ 平坦部上の透明樹脂の厚さ
H 溝状凹部の深さ
W 溝状凹部の最大幅
P 法線
θ 斜面と法線との角度

Claims (9)

  1. 透明基材の一方の面に、該透明基材の面内方向に平行に並設された直線状の且つその延長方向に直交する断面形状が楔形、台形又は略台形の暗色部と、隣接する前記暗色部間の透光性領域とを有し、前記暗色部はその断面形状が楔形、台形又は略台形の溝状凹部内に暗色粒子と透明樹脂とで充填されてなり、前記透光性領域はその表面が透明樹脂からなる透明保護層で覆われてなり、前記暗色粒子の最小粒径dmin及び最大粒径dmaxと前記透明保護層の厚さtと前記溝状凹部の最大幅W及び深さHとの間に「t<dmin<dmax<W」「t<dmin<dmax<H」及び「dmin/t=1.5〜10」の関係が成り立つ画像コントラスト向上フィルターと、
    近赤外線吸収能を有する層又はフィルムと、
    を有することを特徴とする光学フィルター。
  2. 前記近赤外線吸収能を有する層又はフィルムが、前記画像コントラスト向上フィルターを構成する前記透明基材若しくは前記透明保護層内に近赤外線吸収剤を含有させてなるもの、又は、前記画像コントラスト向上フィルターの一方の面側若しくは他方の面側に近赤外線吸収剤を含有する層又はフィルムを設けてなるものである、請求項1に記載の光学フィルター。
  3. 導電メッシュを有する電磁波遮蔽フィルムをさらに有し、該電磁波遮蔽フィルムが前記画像コントラスト向上フィルターに接着剤層を介して貼り合わされている、請求項1に記載の光学フィルター。
  4. 前記接着剤層が近赤外線吸収剤を含有する、請求項3に記載の光学フィルター。
  5. 機能層を有する前面フィルムをさらに有し、該前面フィルムが接着剤層を介して最表面に貼り合わされている、請求項1又は3に記載の光学フィルター。
  6. 前記接着剤層が近赤外線吸収剤を含有する、請求項5に記載の光学フィルター。
  7. 前記画像コントラスト向上フィルターを構成する前記透明基材の前記透明保護層非形成側の面に、透明支持体をさらに積層してなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  8. 前記近赤外線吸収能を有する層又はフィルムが、ジイモニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、シアニン系化合物及びセシウムタングステン複合酸化物微粒子から選ばれる1種又は2種以上の近赤外線吸収剤を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学フィルターを、画像表示装置の表示面に配置してなることを特徴とする画像表示装置。
JP2009159912A 2009-07-06 2009-07-06 光学フィルター及び画像表示装置 Expired - Fee Related JP5240106B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009159912A JP5240106B2 (ja) 2009-07-06 2009-07-06 光学フィルター及び画像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009159912A JP5240106B2 (ja) 2009-07-06 2009-07-06 光学フィルター及び画像表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011013628A JP2011013628A (ja) 2011-01-20
JP5240106B2 true JP5240106B2 (ja) 2013-07-17

Family

ID=43592538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009159912A Expired - Fee Related JP5240106B2 (ja) 2009-07-06 2009-07-06 光学フィルター及び画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5240106B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6201623B2 (ja) * 2013-10-22 2017-09-27 大日本印刷株式会社 電極部材、その製造方法、該電極部材を用いたタッチパネル、および該タッチパネルを配置した画像表示装置

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4481125B2 (ja) * 2004-09-17 2010-06-16 大日本印刷株式会社 表示装置
JP2006259028A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Mizuno Corp 透過型スクリーンとその製造法
JP2007034026A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Kuraray Co Ltd 遮光パターン付きレンチキュラーレンズシートおよびその製造方法
JP4735140B2 (ja) * 2005-09-02 2011-07-27 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
JP2007272161A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Dainippon Printing Co Ltd Pdp用前面フィルタ
JP4821484B2 (ja) * 2006-07-28 2011-11-24 大日本印刷株式会社 光拡散シート、透過型スクリーン及び背面投射型表示装置
JP2009069416A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Dainippon Printing Co Ltd 光学シート、表示装置及び光学シートの製造方法
JP2009098521A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Bridgestone Corp ディスプレイ用光学フィルタ、その製造方法及びこのフィルタを備えたディスプレイ並びにプラズマディスプレイパネル
JP5034909B2 (ja) * 2007-12-03 2012-09-26 大日本印刷株式会社 光学シート、及び表示装置
JP5050959B2 (ja) * 2008-03-28 2012-10-17 大日本印刷株式会社 画像コントラスト向上フィルター及び画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011013628A (ja) 2011-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010208035A (ja) 光学フィルム及びその製造方法
US20160109623A1 (en) Display device
JP4101270B2 (ja) 光学フィルム及びそれを用いた画像表示装置用パネル
JP2009031720A (ja) ディスプレイ用複合フィルタ
JP2009222996A (ja) 画像表示装置用前面フィルタ
JP2010205961A (ja) ディスプレイ用フィルターの製造方法
US20120243098A1 (en) Optical sheet roll and method for manufacturing optical sheet roll, optical sheet, and display device
JP5050959B2 (ja) 画像コントラスト向上フィルター及び画像表示装置
KR20080064485A (ko) 광학 시트 및 디스플레이 광학 필터
JP5240106B2 (ja) 光学フィルター及び画像表示装置
JP2011154211A (ja) 画像表示装置前面用複合フィルタ
JP2011039195A (ja) プラズマディスプレイ用前面フィルタ
JP2010066346A (ja) 画像コントラスト向上フィルター、その製造方法及び画像表示装置
JP2007233392A (ja) 光学フィルム及びそれを用いた画像表示装置用パネル
JP2011039196A (ja) 表示装置用前面フィルタ
JP2009015289A (ja) 反射防止フィルム及びそれを用いたディスプレイ用前面板
JP2010197847A (ja) 複合光学フィルタ
JP5157218B2 (ja) ディスプレイ用複合フィルタ
JP5169340B2 (ja) 表示装置用前面フィルター
JP2010014819A (ja) 反射防止フィルム
JP5051187B2 (ja) 光学フィルタ
JP2010080654A (ja) 複合フィルタの製造方法
JP2010139591A (ja) 防眩層、防眩性フィルム、及びディスプレイ用フィルター
JP5104103B2 (ja) 電磁波シールド材、その製造方法及びディスプレイ用フィルター
JP2011154179A (ja) コントラスト向上フィルタ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120806

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121121

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20121129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130318

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160412

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees