JP5104103B2 - 電磁波シールド材、その製造方法及びディスプレイ用フィルター - Google Patents

電磁波シールド材、その製造方法及びディスプレイ用フィルター Download PDF

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Description

本発明は、電磁波シールド性と近赤外吸収性をもつ電磁波シールド材及びその製造方法、並びにディスプレイ用フィルターに関する。
テレビやパーソナルコンピュータのモニター等のディスプレイ装置として、例えば、陰極線管ディスプレイ装置(CRT)、液晶ディスプレイ装置(LCD)、プラズマディスプレイ装置(PDP)、電界発光ディスプレイ装置(EL)等が知られている。これらの画像ディスプレイ装置(以下、単に「ディスプレイ装置」又は「ディスプレイ」ともいう。)のうち、大画面ディスプレイ装置の分野で注目されているプラズマディスプレイ装置は、発光にプラズマ放電を利用するため、30MHz〜1GHz帯域の不要な電磁波が外部に漏洩して他の機器(例えば、遠隔制御機器、情報処理装置等)に影響を与えるおそれがある。そのため、プラズマディスプレイ装置に用いられるプラズマディスプレイパネルの前面側(観察者側)に、漏洩する電磁波をシールドするためのフィルム状の電磁波シールド材を設けるのが一般的である。
また、プラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルから発生する波長800nm〜1100nmの近赤外線が他の機器(例えばDVD、HDD、ゲーム機等の遠隔操作機器)に悪影響を及ぼすおそれがあり、その近赤外線が外部に放射するのを遮蔽する必要がある。こうした問題に対し、例えば特許文献1には、電磁波シールド性と近赤外吸収性の両方を備えたディスプレイ用フィルムが提案されている。このディスプレイ用フィルムは、透明基材上に近赤外吸収性材料を含有する接着剤層を形成し、その上に貼り合わせ面を粗面化処理した銅箔をドライラミネートし、その後、貼り合わせた銅箔をフォトエッチング加工して所定パターンの導電層を形成してなるものである。こうして得られたディスプレイ用フィルムは、導電層が形成されていない開口部の接着剤層の表面が粗面化しているので、ディスプレイ用フィルムを透過する映像光がその粗面部で光拡散して「曇り」が発生する等の問題が生じることがある。そのため、同文献1では、粗面化した接着剤層上に透明樹脂をさらに塗布して平滑化を図っているが、工数と材料費がアップしてコスト低減に逆行するという問題がある。また、銅箔の貼り合わせ面の粗面化処理を無くせば、かかる開口部の曇りは解消されるものの、その代り、箔パターンと接着剤層との接着性が低下し、剥離する原因にもなる。そのため、粗面化処理をなくすことによってこの問題を解決することは、実用上できなかった。
なお、近赤外吸収性は有さないが、上記の「曇り」の発生を抑えてコスト低減を図るための検討が種々行われており、例えば特許文献2には、接着剤層が塗布形成された透明基材上に、導電性インキ組成物をメッシュパターンで直接凹版印刷し、そのメッシュパターンに金属層を電気めっきしてなる電磁波シールド材が提案されている。この電磁波シールド材は、メッシュパターン以外の開口部の表面が塗布形成された接着剤層であるので、上記特許文献1で問題になる表面凹凸がなく、「曇り」の問題が生じない。そのため、この接着剤層を、特許文献1に記載の近赤外吸収性材料を含有させて形成すれば、電磁波シールド性と近赤外吸収性の両方を備えた電磁波シールド材を提供可能となる。
特開平10−75087号公報 特開平11−174174号公報
しかしながら、特許文献2に記載の電磁波シールド材の製造方法には以下のような問題がある。すなわち、その製造方法においては、凹版から転写体又は透明基材に転写(転移ともいう。)する際に、未転写部が発生したり、密着性に劣る転写不良が発生したりすることがある。具体的には、図9に示すように、凹版101上に導電性インキ組成物103を塗布した後にドクターブレード102で掻き取って凹部104内に導電性インキ組成物103を充填する際、図9(B)に示すように、ドクターブレード102で掻き取った後の凹部104内の導電性インキ組成物103は、その上部に凹み105が生じる。この凹み105は、その後、凹版101上に透明基材106を圧着して透明基材106上に凹部104内の導電性インキ組成物103を転写する際に、図9(C)に示すように、透明基材106と導電性インキ組成物103との密着を妨げる要因となる。その結果、透明基材106上に、導電性インキ組成物の未転写部が発生したり、密着性に劣る転写不良が発生したりして、電磁波シールド特性を低下させる原因となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、電磁波シールド性と近赤外吸収性の両方の特性を持つとともに低コストで製造されてなる電磁波シールド材と、その電磁波シールド材を備えたディスプレイ用フィルムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、電磁波シールド性と近赤外吸収性の両方の特性を持つ電磁波シールド材を、導電性材料組成物の転写不良に基づくパターンの断線、形状不良、低密着性等の不具合が生じないとともに、低コストで製造することができる、電磁波シールド材の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の電磁波シールド材は、透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に所定のパターンで形成された導電性材料組成物からなる導電層と、を有する電磁波シールド材であって、前記プライマー層のうち前記導電層が形成されている部分の厚さが、前記導電層が形成されていない部分の厚さよりも大きくなっているとともに、前記プライマー層が、800nm〜1100nmの範囲の近赤外波長を吸収する近赤外吸収性材料を含んでいることを特徴とする。
この発明によれば、導電性材料組成物からなる導電層と近赤外吸収性材料を含むプライマー層を有するので、電磁波シールド性と近赤外吸収性の両方の特性を持つ電磁波シールド材とすることができる。
さらに、この発明によれば、透明基材上に設けられたプライマー層のうち導電層が形成されている部分の厚さが、導電層が形成されていない部分の厚さよりも大きくなっているので、上記課題で指摘した凹みを充填するようにプライマー層が設けられている。こうした形態からなるプライマー層は、電磁波シールド材の製造時に、ドクターブレードで掻き取った後の賦形版面の凹部内の導電性材料組成物上部の凹みに充填して形成されたものであり、その結果、プライマー層が導電性材料組成物に空隙なく密着し、導電性材料組成物の転写不良に基づく断線、形状不良、低密着性等の不具合が生じない電磁波シールド材を低コストで提供できる。また、この発明によれば、導電層は導電性材料組成物の転移性が改善されて設けられるので、通常のグラビア印刷等の凹版を利用する方法に比べ、転移後の導電性材料組成物の厚さを厚くすることができ、その結果、導電層を厚くでき、電磁波シールドに必要な導電性を確保することができる。
本発明の電磁波シールド材の好ましい態様は、前記近赤外吸収性材料がセシウムタングステン複合酸化物又はフタロシアニン系化合物であるように構成する。近赤外吸収性材料としては各種のものを用いることができるが、特にセシウムタングステン複合酸化物又はフタロシアニン系化合物が好ましい。
本発明の電磁波シールド材の好ましい態様は、前記プライマー層が、電離放射線硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂からなる層であるように構成する。
上記課題を解決するための本発明のディスプレイ用フィルターは、上記本発明の電磁波シールド材を有し、ディスプレイの前面側に設けられることを特徴とする。
この発明によれば、電磁波シールド性と近赤外吸収性を有する低コストの電磁波シールド材を有し、ディスプレイの前面側に設けられるので、例えばプラズマディスプレイパネルから発生する不要な電磁波と近赤外線が外部に漏洩又は放射するのを遮蔽することができ、他の機器(例えば、遠隔制御機器、情報処理装置、DVD、HDD、ゲーム機等の遠隔操作機器)に影響を与えるのを防ぐことができる。
上記課題を解決するための本発明の第1態様に係る電磁波シールド材の製造方法は、透明基材の一方の面に所定のパターンで導電層が形成されているとともに、800nm〜1100nmの範囲の近赤外波長を吸収する近赤外吸収性を有する電磁波シールド材の製造方法であって、透明基材の一方の面に、近赤外吸収性材料を含むとともに硬化するまで流動性を保持できるプライマー層を塗布形成するプライマー層塗布工程と、所定のパターンで凹部が形成された板状又は円筒状の版面に、硬化後に導電層を形成できる導電性材料組成物を塗布した後、前記凹部内以外に付着した該導電性材料組成物を掻き取って該凹部内に該導電性材料組成物を充填する導電性材料組成物充填工程と、前記プライマー層塗布工程後の透明基材のプライマー層側と前記導電性材料組成物充填工程後の版面の凹部側とを圧着して、前記プライマー層と前記凹部内の導電性材料組成物とを空隙なく密着する圧着工程と、前記圧着工程後に前記プライマー層を硬化するプライマー層硬化工程と、前記プライマー層硬化工程後に前記透明基材及び前記プライマー層を前記版面から剥がして前記凹部内の導電性材料組成物を前記プライマー層上に転写する転写工程と、前記転写工程後、前記プライマー層上に所定のパターンで形成された導電性材料組成物を硬化させて導電層を形成する導電性材料組成物硬化工程と、を有することを特徴とする。
本発明の第1態様に係る電磁波シールド材の製造方法の好ましい態様は、前記導電性材料組成物充填工程において、前記導電性材料組成物は、硬化後に電気めっきできる導電層を形成できる組成物であり、前記導電性材料組成物硬化工程後、前記プライマー層上に所定のパターンで形成された導電層上に金属層を電気めっきするめっき工程を有するように構成する。
上記課題を解決するための本発明の第2態様に係る電磁波シールド材の製造方法は、透明基材の一方の面に所定のパターンで導電層が形成されているとともに、800nm〜1100nmの範囲の近赤外波長を吸収する近赤外吸収性を有する電磁波シールド材の製造方法であって、透明基材の一方の面に、近赤外吸収性材料を含むとともに硬化するまで流動性を保持できるプライマー層を塗布形成するプライマー層塗布工程と、所定のパターンで凹部が形成された板状又は円筒状の版面に、硬化後に導電層を形成できる導電性材料組成物を塗布した後、前記凹部内以外に付着した該導電性材料組成物を掻き取って該凹部内に該導電性材料組成物を充填する導電性材料組成物充填工程と、前記プライマー層塗布工程後の透明基材のプライマー層側と前記導電性材料組成物充填工程後の版面の凹部側とを圧着して、前記プライマー層と前記凹部内の導電性材料組成物とを空隙なく密着する圧着工程と、前記圧着工程後に前記プライマー層と導電性材料組成物を同時に硬化する同時硬化工程と、前記同時硬化工程後に前記透明基材及び前記プライマー層を前記版面から剥がして前記凹部内の導電性材料組成物を導電層として前記プライマー層上に転写する転写工程と、を有することを特徴とする。
本発明の第2態様に係る電磁波シールド材の製造方法において、前記導電性材料組成物充填工程において、前記導電性材料組成物は、硬化後に電気めっきできる導電層を形成できる組成物であり、前記転写工程後、前記プライマー層上に所定のパターンで形成された導電層上に金属層を電気めっきするめっき工程を有するように構成してもよい。
これら第1及び第2態様に係る発明によれば、流動性を保持したプライマー層が形成された透明基材のプライマー層側と、導電性材料組成物充填工程後の版面の凹部側とを圧着するので、凹部内の導電性材料組成物上部に生じやすい凹みに流動性のあるプライマー層が充填される。その結果、プライマー層が導電性材料組成物に空隙なく密着するので、凹部内の導電性材料組成物を透明基材側に未転写部のない状態で正確に転写させることができる。こうして、導電性材料組成物の転写不良に基づく断線、形状不良、低密着性等の不具合が生じない、電磁波シールド性と近赤外吸収性の両方の特性をもつ電磁波シールド材を低コストで製造することができる。
本発明の第1及び第2態様に係る電磁波シールド材の製造方法の好ましい態様は、前記プライマー層が電離放射線硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂からなる層であり、該プライマー層の流動性の保持を電離放射線の未照射又は加熱によって行うように構成する。
本発明の第1及び第2態様に係る電磁波シールド材の製造方法の好ましい態様は、前記導電性材料組成物が、導電性粉末及び樹脂を含み、該樹脂が熱可塑性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂であるように構成する。前記導電性材料組成物は、必要に応じて樹脂を溶解する溶剤が含み、乾燥や電離放射線照射等の硬化手段により導電層を形成可能な組成物であって、前記導電性材料組成物充填工程において版面の凹部に充填可能な流動性を有していることが好ましい。
本発明の第1及び第2態様に係る電磁波シールド材の製造方法の好ましい態様は、前記転写工程後において、前記プライマー層のうち前記導電性材料組成物が転写された部分の厚さは、前記導電性材料組成物が転写されていない部分の厚さよりも大きいように構成する。
この発明によれば、流動性を保持したプライマー層が形成された透明基材のプライマー層側と、導電性材料組成物充填工程後の版面の凹部側とを圧着することにより、凹部内の導電性材料組成物上部に生じやすい凹みに流動性のあるプライマー層が充填され、その後プライマー層を硬化させるので、最終的に得られた形態は、透明基材上に設けられたプライマー層のうち導電層が形成されている部分の厚さは導電層が形成されていない部分の厚さよりも大きい形態(すなわち、食い込んだ形態)になる。得られた電磁波シールド材はこうした形態を有するので、導電層の転写不良に基づく断線、形状不良、低密着性等の不具合が生じない。
本発明の電磁波シールド材によれば、近赤外吸収性を持つプライマー層が上記課題で指摘した凹みを充填するように設けられているので、導電層の転写不良に基づく断線、形状不良、低密着性等の不具合が生じない電磁波シールド材を低コストで提供することができる。特に、近赤外吸収層として新たな層を設けるのではなく、プライマー層を近赤外吸収層として利用するので、層数を増すことなく近赤外吸収性を付与することができ、コスト低減を図ることができる。
本発明のディスプレイ用フィルターによれば、例えばプラズマディスプレイパネルから発生する不要な電磁波と近赤外線が外部に漏洩又は放射するのを遮蔽することができ、他の機器(例えば、遠隔制御機器、情報処理装置、DVD、HDD、ゲーム機等の遠隔操作機器)に影響を与えるのを防ぐことができる。
本発明の電磁波シールドの製造方法によれば、凹部内の導電性材料組成物上部に生じやすい凹みに流動性のあるプライマー層が充填されるので、そのプライマー層が導電性材料組成物に空隙なく密着する。その結果、凹部内の導電性材料組成物を透明基材側に未転写部のない状態で正確に転写させることができる。こうして、導電性材料組成物の転写不良に基づく断線、形状不良、低密着性等の不具合が生じない、電磁波シールド性と近赤外吸収性の両方の特性をもつ電磁波シールド材を低コストで製造することができる。また、凹部内の導電性材料組成物の転移率も向上するため、プライマーを用いない場合に比べ、厚い導電層パターンを形成することができ、電磁波シールドに必要な導電性を高めることができる。また、近赤外吸収層として新たな層を設けるのではなく、プライマー層を近赤外吸収層として利用するので、新たな層を形成するための工数を増すことなく近赤外吸収性を付与することができ、コスト低減を図ることができる。
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[電磁波シールド材]
図1は、本発明の電磁波シールド材の一例を示す模式的な平面図であり、図2は、図1におけるA−A’断面の拡大図である。また、図3は、図2の一部をさらに拡大して示す模式的な断面図であり、(A)は導電層上に金属層を設けない例であり、(B)は導電層上に更に金属層を設けた例である。本発明の電磁波シールド材10は、透明基材1と、透明基材1上に形成されたプライマー層2と、プライマー層2上に所定のパターンで形成された導電層3とを有し、プライマー層2は近赤外吸収性材料を含んでいる。この電磁波シールド材10は、必要に応じて導電層3上に形成された金属層4を有し、必要に応じてさらに保護層9を有する。なお、図1中、符号7は、中央部に位置し、ディスプレイ装置の画像表示領域に対峙する電磁波遮蔽パターン部であり、符号8は、その電磁波遮蔽パターン部の周縁部の少なくとも一部に存在する接地部である。この接地部8において、接地能力上好ましくは、図1に示すように、電磁波遮蔽パターン部7の周縁部の全周を囲繞する形態が好ましい。また、その接地部8は、メッシュ等の開口部を有するパターン状に形成されていてもよいが、より好ましくは、図1に示すように、開口部非形成(ベタ状)の導電層(或いは導電層及び金屬層)からなる。また、「所定のパターン」とは、電磁波シールド材10の電磁波遮蔽パターンとして一般的な、メッシュ状又はストライプ状のパターンである。以下、本発明の構成を詳しく説明する。
(透明基材)
透明基材1は、電磁波シールド材10の基材であり、所望の透明性、機械的強度、プライマー層2との接着性等の要求適正を勘案の上、各種材料の各種厚さのものを選択すればよい。透明基材1の材料としては、樹脂基材であってもよいし、硝子基材等の無機材であってもよい。また、厚さ形態としては、フィルム状でもシート状でも板状でもよい。通常は、樹脂製の透明フィルムが好ましく用いられる。そうした透明フィルムとしては、アクリル(乃至メタクリル)樹脂、ポリエステル樹脂等をベースとするフィルムが好ましいが、これに限定されない。フィルムに使用する樹脂材料として、具体的には、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース等のセルロース系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、トリメチルペンテン、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等の含ハロゲン樹脂、ポリエーテルサルホン、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン、(メタ)アクリロニトリル等が使用できる。中でも、二軸延伸PETフィルムが透明性、耐久性に優れ、しかもその後の工程で紫外線照射処理や加熱処理を経た場合でも熱変形等しない耐熱性を有する点で好適である。
また、板に使用する材料として、樹脂としては、前記の樹脂フィルムで例示した樹脂を利用でき、無機材としては、ソーダ硝子、カリ硝子、硼珪酸硝子等の硝子を利用できる。
透明基材1は、ロール・トウ・ロールの長尺帯状フィルムであってもよいし、所定の大きさからなる枚葉フィルムであってもよい。透明基材1の厚さは、通常、フィルムの場合は8μm〜300μm程度が好ましく、板の場合は500μm〜5000μm程度が好ましいが、これに限定されない。透明基材1の光透過率としては、100%のものが理想であるが、透過率80%以上のものを選択することが好ましい。透明基材1の表面には、必要に応じて、後述するプライマー層2と透明基材1との密着性を改善するために易接着層を設けたり、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理等の表面処理を行ってもよい。易接着層は、透明基材1とプライマー層2との両方に接着性のある樹脂から構成する。易接着層の樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン等の樹脂の中から適宜選択する。
(プライマー層)
プライマー層2は、近赤外吸収性材料を含有し、透明基材1上に密着性よく設けられる。そして、このプライマー層2上には導電層3が密着性よく設けられる。したがって、プライマー層2は、透明基材1と導電層3の両方に対して密着性がよいことが好ましく、また、当然のことながら可視光線に対して透明であることが好ましい。例えば、電離放射線硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を塗工してなる層であることが好ましい。また、密着性、耐久性改善、各種物性付与のために各種添加剤や変性樹脂を使用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂としては、電離放射線で架橋等の反応により重合硬化するモノマー(単量体)、或いはプレポリマーやオリゴマーが用いられる。モノマーとしては、例えば、ラジカル重合性モノマー、具体的には、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートが挙げられる。また、プレポリマー(乃至はオリゴマー)としては、例えば、ラジカル重合性プレポリマー、具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートプレポリマー、不飽和ポリエステルプレポリマー等が挙げられる。その他、カチオン重合性プレポリマー、例えば、ノボラック系型エポキシ樹脂プレポリマー、芳香族ビニルエーテル系樹脂プレポリマー等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートという表記は、アクリレート又はメタクリレートという意味である。
これらモノマー、或いはプレポリマーは、要求される性能、塗布適性等に応じて、1種類単独で用いる他、モノマーを2種類以上混合したり、プレポリマーを2種類以上混合したり、或いはモノマー1種類以上とプレポリマー1種類以上とを混合して用いたりすることができる。
光重合開始剤としては、ラジカル重合性のモノマー又はプレポリマーの場合には、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン系等の化合物が、また、カチオン重合系のモノマー又はプレポリマーの場合には、メタロセン系、芳香族スルホニウム系、芳香族ヨードニウム系等の化合物が用いられる。これら光重合開始剤は、上記モノマー及び/又はプレポリマーからなる組成物100重量部に対して0.1重量部〜5重量部程度添加する。
なお、電離放射線としては、紫外線又は電子線が代表的なものであるが、この他、可視光線、X線、γ線等の電磁波、或いはα線等の荷電粒子線を用いることもできる。
近赤外吸収性材料は、プライマー層2に含まれている。そうした近赤外吸収性材料を含むプライマー層2は、近赤外線を吸収し、800nm〜1100nmの範囲の近赤外波長を透過率30%以下、より好ましくは10%以下にすることができる。近赤外吸収性材料は、かかる近赤外線透過率を有し且つ可視光線領域で透明なものであれば、特に限定されず、各種のものを用いることができるが、少なくともプライマー層2中に含まれてもプライマー層2が透明性を維持できる材料と含有量である必要がある。
こうした近赤外吸収性材料としては、例えば有機色素や無機顔料を使用することができ、具体的には、有機色素としては、イモニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、アミニウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ポリメチン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ジチオール系化合物、ピリリウム系化合物、セリリウム系化合物、スクワリリウム系化合物、銅錯体類、ニッケル錯体類、ジチオール系金属錯体類等を用いることができ、無機顔料としては、WO2005/037932号公報等に記載のセシウムタングステン複合酸化物(代表的組成としては、Cs0.33WO)、ITO(酸化インジウム錫)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、六塩化タングステン、酸化鉄、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化ランタン等の粒子を用いることができる。中でも、近赤外域の吸収が大きく、吸収域が広く、可視域の透過率が高く、製造工程中での近赤外吸収性材料の安定性や耐久性が高い点から、セシウムタングステン複合酸化物とフタロシアニン系化合物を好ましく用いることができる。
上記近赤外吸収性材料は、通常、粒子状(一次粒子)であり、プライマー層形成用の樹脂組成物中には、近赤外吸収特性を考慮して任意の粒径のものが選択される。その粒子径が近赤外線の波長よりも大きすぎると、近赤外線の遮蔽効率は向上するが、粒子表面で乱反射が起き、ヘイズが増大して透明性が低下することがある。一方、粒子径が近赤外線の波長に比べて短かすぎると、近赤外線の遮蔽効果が低下する傾向になる。好ましい粒子径としては、平均粒子径で0.01μm〜5μm、好ましくは0.1μm〜0.8μmである。
プライマー層2中に含まれる近赤外吸収性材料の含有率は、プライマー層2の近赤外波長の透過率が800nm〜1100nmの範囲で30%以下になるように設定され、通常、プライマー層2の全重量に対して0.5重量%〜10重量%の範囲内となる。近赤外吸収性材料の含有率が0.5重量%未満では、近赤外吸収性材料が少なすぎて所望の透過率を満たさないことがあり、一方、近赤外吸収性材料の含有率が10重量%を超えると、プライマー層2と透明基材1との密着性やプライマー層2と導電層3との密着性が劣ったり、可視域の透過率が低下したりすることがある。
なお、近赤外吸収性材料を含有するプライマー層2は、380nm〜780nmの可視光域では透明であることが望ましい。ここで、「透明」とは、380nm〜780nmの可視光において、透過率が40%以上である場合をいう。
また、本発明においては、上記のような近赤外吸収性材料を含有するプライマー層2が、流動状態と硬化状態の2つの状態を保持できることに特徴がある。具体的には、プライマー層2は、塗工後においては流動性を保持できる状態で透明基材1上に設けられており、その後、プライマー層2上に導電性材料組成物層3’(図4参照)が転写形成された際においては短時間で流動状態から硬化状態に変化させることができるものであることが必要である。こうしたプライマー層2を透明基材1上に形成することにより、プライマー層2上に導電性材料組成物層3’を転写する際に、その導電性材料組成物層3’とプライマー層2との間に空隙がない状態で転写することができるので、従来生じるおそれがあった導電性材料組成物層3’とプライマー層2との間の隙間の発生をなくすことができ、その隙間の存在による転写不良、密着不良の問題が生じない。
なお、本願で言う「流動性」又は「流動状態」とは、プライマー層2を導電性材料組成物が充填された版面に圧着する際の圧力によって流動(変形)する性質又は状態をいい、水のように低粘度である必要はない。塗工に適した粘度に調整され、透明基材1上に塗布した後、プライマー層2が熱可塑性樹脂である場合は、版面に圧着する際に流動(変形)すればよく、プライマー層2は圧着時において流動(変形)する温度になっていればよい。この場合、軟化状態と言い換えてもよい。
そうしたプライマー層2の流動性状態は、プライマー層用樹脂組成物として電離放射線硬化性樹脂を用いた場合には、電離放射線硬化性を持ったインキを透明基材1上に塗布するだけで得られる。電離放射線硬化型インキは、一般に前記のごとき電離放射線硬化性を持つモノマーやオリゴマーからなり、必要に応じて、更に、光重合開始剤(紫外線硬化、或いは光硬化の場合)、各種添加剤等を含み、電離放射線で硬化させるまでは流動性を示す。このインキは溶剤を含んでもよいが、その場合、塗布後に乾燥工程が必要であるため、インキは溶剤を含まないタイプ(いわゆるノンソルベントタイプ)であることが好ましい。
また、プライマー層用樹脂組成物として熱可塑性樹脂組成物を用いた場合には、透明基材1上に熱可塑性樹脂組成物を塗布し、流動性状態になる程度(例えば、50℃〜200℃程度)で加熱することにより、流動性状態を生じさせることができる。こうした流動性状態のプライマー層2を、後述するように導電性材料組成物が充填された版面に圧着した後、冷却することで硬化させて転写すれば、その導電性材料組成物層3’とプライマー層2との間に空隙がない状態で転写することができる。ここで、透明基材1上に熱可塑性樹脂組成物を塗布する方法としては、熱可塑性樹脂組成物の溶液を塗布した後に乾燥する方法や、ホットメルト状態の樹脂を塗布する方法がある。また、透明基材1上に塗布された熱可塑性樹脂組成物の加熱は、導電性材料組成物が充填された版面に接触する前に行ってもよく、版面に圧着する際に加熱ロール等を用いて圧着と加熱を同時に行ってもよいが、いずれにしろ、導電性材料組成物層3’をプライマー層2に転移する際にはプライマー層の流動性がなくなる程度まで冷却されている必要がある。
プライマー層2の厚さは特に限定されないが、通常は硬化後の厚さで1μm〜100μm程度、好ましくは1μm〜10μm程度となるように形成される。なお、後の製造方法の説明欄で詳述するが、導電性材料組成物層3’がプライマー層2上に転写され、さらにその導電性材料組成物層3’を硬化させて電磁波シールド材を製造した後におけるプライマー層2は、図3に示すように、導電層3が形成されている部分Aの厚さTが、導電層3が形成されていない部分Bの厚さTよりも大きい。そして、そのプライマー層2において、厚さの大きい部分Aのサイドエッジ5,5は、厚さの小さい部分Bの側に導電層3が回り込んだ形態になっている。
図3に示す形態は、硬化させる前の流動性保持状態のプライマー層2を、凹版内に設けられた導電性材料組成物に圧着した後、プライマー層2を硬化させ、導電性材料組成物を充填した所定のパターンの賦形版面とを圧着して、プライマー層2と導電性材料組成物とを空隙なく密着した後に、プライマー層2を硬化し、又はプライマー層2と導電性材料組成物とを同時硬化し、その後に転写したことよって生じたものである。具体的には、図3に示す形態は、後述の図4の製造工程図に示すように、透明基材1上に形成したプライマー層2を流動状態とし、そのプライマー層2を、導電性材料組成物15を凹部内に充填した版面に圧着し、プライマー層2を硬化し、その後に転写することにより生じる。版面は、ドクターブレードによって凹部内以外の余分な導電性材料組成物が掻き取られるが、その際に、凹部内の導電性材料組成物の上部には凹み6が生じやすく、その凹み6を有した状態で版面にプライマー層2を圧着することにより、流動性のあるプライマー層2がその凹み6内に充填されて、図3に示すような形態になる。
なお、こうしたプライマー層2には、添加剤として、例えば、熱安定剤、ラジカル捕捉剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素(着色染料、着色)顔料、体質顔料等を含有させてもよい。
(導電層)
導電層3は、プライマー層2上に、例えばメッシュ状又はストライプ状の所定の電磁遮蔽パターンで設けられている。この導電層3を形成する導電性材料組成物は、導電性粉末とバインダー樹脂とで主に構成されている。電磁遮蔽パターンは、電磁波シールド材に通常採用されるメッシュ状であってもストライプ状であってもよく、その線幅と線間ピッチも通常採用されている寸法であればよい。例えば、線幅は5μm〜30μmとすることができ、線間ピッチは100μm〜500μmとすることができる。また、メッシュやストライプ形状の電磁遮蔽パターンとは別に、それと導通を保ちつつ隣接した全ベタ等の接地パターンが設けられる場合もある。
導電性材料組成物は、導電性粉末と樹脂とを含み、さらに必要に応じてその樹脂を溶解する溶剤を含んだ流動性を有するインキ又はペースト状の材料であり、この導電性材料組成物からなる導電層は、導電性材料組成物を乾燥ないし硬化させた後の固形物からなる塗膜のことである。
導電性材料組成物を構成するバインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用可能である。熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ポリエステル−メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、熱硬化型ポリウレタン樹脂等の樹脂を挙げることができ、電離放射線硬化性樹脂としては、プライマー層用の材料として前記したものを挙げることができ、熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂等の樹脂を挙げることができる。なお、熱硬化性樹脂を使用する場合、必要に応じて硬化触媒を添加してもよい。光硬化性樹脂等の電離放射線硬化性樹脂を用いる場合は、必要に応じて重合開始剤を添加してもよい。
また、版の凹部への充填に適した流動性を得るために、これら樹脂は通常、溶剤に溶けたワニスとして使用する。溶剤の種類には特に制限はなく、一般的に印刷インキに用いられる溶剤を使用できる。溶剤の含有量は通常、10重量%〜70重量%程度であるが、必要な流動性が得られる範囲でなるべく少ないほうが好ましい。また、光硬化性樹脂等の電離放射線硬化型性樹脂を用いる場合には、もともと流動性があるため、必ずしも溶剤を必要としない。
また、導電性材料組成物を構成する導電性粉末としては、金、銀、白金、銅、錫、パラジウムニッケル、アルミニウム等の低抵抗率金属粉末、表面が金や銀等の低抵抗率金属でめっきされた粉末(上記低抵抗率金属以外の金属粉末、アクリル樹脂、メラミン樹脂等の樹脂粉末、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、ゼオリット等の無機粉末)、グラファイト粉末、カーボンブラック粉末等を好ましく挙げることができ、形状も球状、回転楕円体状、多面体状、鱗片状、円盤状、繊維状等から選ぶことができる。これらの材料や形状は適宜混合して用いてもよい。導電性粉末の大きさは種類に応じて任意に選択されるので一概に特定できないが、例えば、鱗片状の銀粉末の場合には粉末の平均粒子径が0.1μm〜10μm程度のものを用いることができ、カーボンブラック粉末の場合には平均粒子径が0.01μm〜1μm程度のものを用いることができる。
導電性材料組成物中の導電性粉末の含有量は、導電性粉末の導電性や粉末の形態に応じて任意に選択されるが、例えば導電性材料組成物の固形分100重量部のうち、導電性粉末を40重量部〜99重量部の範囲で含有させることができる。なお、本願において、平均粒子径というときは、粒度分布径、又はTEM観察で測定した値を指している。
また、導電性材料組成物には、品質向上等を目的に適当な添加物を加えてもよい。例えば、カーボンブラックはそれ自体が黒色であるので必要ないが、黒色顔料や黒色染料を必要に応じて所定量添加することで、電磁波シールドパネルを構成したときのコントラストを向上させ、視認性を向上させることができる。また、後述する金属めっき層の金属光沢による透明基板裏面の反射防止、色ムラ、金属色等の抑制のためには、こうした黒色顔料や黒色染料を含有させることが望ましい。黒色顔料としては、導電性粉末としても機能するカーボンブラック、Fe、CuO−Cr、CuO−Fe−Mn、CoO−Fe−Cr等が挙げられるが、その種類や形状は特に制限はなく、バインダー樹脂中に分散容易な平均粒子径0.1μm以下の着色力の大きな黒色顔料又は黒色染料が好ましい。なお、カーボンブラックを用いる場合には、チャンネルブラック、ファーネスブラック又はランプブラック等の色材用カーボンブラックや、導電性カーボンブラック、アセチレンブラック等を挙げることができ、中でも平均粒子径が20nm以下のものが好ましく用いられる。また、黒色染料としては、アニリンブラック等の染料を用いることができる。また、導電性材料組成物の流動性や安定性を改善するために、導電性や、プライマー層との密着性に悪影響を与えない限りにおいて、適宜フィラーや増粘剤、界面活性剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
導電層3の形成は、後述の図4の製造工程図に示すように、先ず、所定のメッシュ状又はストライプ状等のパターンで凹部が形成された板状又は円筒状の版面に導電性材料組成物を塗布した後、その凹部内以外に付着した導電性材料組成物を掻き取って凹部内に導電性材料組成物を充填する。次に、透明基材1の一方の面S1に、近赤外吸収性材料を含むとともに硬化するまで流動性を保持できるプライマー層2を塗布形成し、その透明基材1のプライマー層2側と、導電性材料組成物を凹部内に充填した版面とを圧着することにより、導電性材料組成物とプライマー層2とを隙間なく密着させ、その状態でプライマー層2の流動性をなくした(硬化させた)後、導電性材料組成物をプライマー層2上に転写し、所定のメッシュ状又はストライプ状等のパターンからなる導電性材料組成物層3’を形成する。なお、導電性材料組成物層3’をプライマー層2上に転写した後においては、硬化処理(例えば、乾燥処理、紫外線・電子線照射処理、加熱処理、冷却処理等)を行って導電層3が形成される。
本発明においては、上記したように、ドクターブレードによって凹部内以外の余分な導電性材料組成物が掻き取られる際に、凹部内の導電性材料組成物の上部に生じる凹み6内に、流動性を保持したプライマー層2が充填し、導電性材料組成物とプライマー層2とを隙間なく密着した状態でプライマー層2が硬化するので、プライマー層2上に導電性材料組成物を転写不良なく転写することができる。
(金属層)
金属層4は、導電層3のみでは所望の導電率に不足する場合に、導電率を更に向上させるために、必要に応じて形成するものである。通常、導電層3上にめっきにより形成される。めっきの方法としては、電気めっき、無電解めっき等の方法があるが、電気めっきは無電解めっきに比べて通電量を増やすことでめっき速度を数倍に上げることができ、生産性を著しく向上させることができるため好ましい。
電気めっきの場合、導電層3への給電は導電層3が形成された面に接触させた通電ロール等の電極から行われるが、導電層3が電気めっき可能な程度の導電性(例えば、100Ω/□以下)を有するので、電気めっきを問題なく行うことができる。金属層4を構成する材料としては、導電性が高く容易にめっき可能な、銅、銀、金、クロム、ニッケルを挙げることができる。金属層4は導電層3に比べると一般的に体積抵抗率が1桁以上小さいため、導電層単体で電磁波シールド性を確保する場合に比べて、必要な導電材料の量を減らせるという利点がある。
なお、金属層4を形成した後においては、必要に応じて、その金属層4を黒化処理したり、図2に示すような保護層9を設けたりしてもよい。黒化処理は、例えば黒化ニッケルめっき、銅−コバルト合金めっき等の処理を例示でき、また、保護層9は、例えばアクリル系の光硬化性樹脂を用いて形成することができる。
以上、本発明の電磁波シールド材10の構成について説明したが、本発明の電磁波シールド材10は、透明基材1上に設けられたプライマー層2のうち、導電層3が形成されている部分Aの厚さTは導電層3が形成されていない部分Bの厚さTよりも大きい形態になっているので、上記課題で指摘した凹み6(図9の符号105も参照)を充填するようにプライマー層2が設けられている。こうした形態からなるプライマー層2は、電磁波シールド材10の製造時に、ドクターブレードで掻き取った後の凹部内の導電性材料組成物上部の凹み6に充填して形成されたものであり、その結果、近赤外吸収性を持つプライマー層2に導電性材料組成物が密着性よく圧着し、導電性材料組成物層3’の転写不良に基づく断線、形状不良、低密着性等の不具合が生じない電磁波シールド材10を低コストで提供できるという効果がある。特に、近赤外吸収層として新たな層を設けるのではなく、プライマー層2を近赤外吸収層として利用するので、層数を増すことなく近赤外吸収性を付与することができ、コスト低減を図ることができる。
[電磁波シールド材の製造方法]
図4は、本発明の電磁波シールドの製造方法の一例を示す工程図である。また、図5は、本発明の製造方法を実施する装置の概略構成図であり、図6は、導電性材料組成物をプライマー層上に転写する転写工程を実施する装置の概略構成図である。
本発明の電磁波シールドの製造方法は、図4〜図6に示すように、透明基材1の一方の面に所定のパターンで導電層3が形成されているとともに、800nm〜1100nmの範囲の近赤外波長を透過率30%以下にする近赤外吸収性を有する電磁波シールド材10(図2を参照)の製造方法である。
第1態様に係る製造方法は、透明基材1の一方の面S1に、近赤外吸収性材料を含むとともに硬化するまで流動性を保持できるプライマー層2を塗布形成するプライマー層塗布工程と、所定のパターンで凹部64が形成された板状又は円筒状の版面63に、硬化後に導電層3を形成できる導電性材料組成物15を塗布した後、その凹部内以外に付着した導電性材料組成物を掻き取って凹部64内に導電性材料組成物15を充填する導電性材料組成物充填工程(図4(b)参照)と、プライマー層塗布工程後の透明基材1のプライマー層2側と導電性材料組成物充填工程後の版面63の凹部64側とを圧着して、プライマー層2と凹部64内の導電性材料組成物15とを空隙なく密着する圧着工程(図4(c)参照)と、圧着工程後にプライマー層2を硬化するプライマー層硬化工程と、プライマー層硬化工程後に透明基材1とプライマー層2を版面63から剥がして凹部内の導電性材料組成物15をプライマー層2上に転写する転写工程(図4(d)参照)と、転写工程後、プライマー層2上に所定のパターンで形成された導電性組成物層3’を硬化させて導電層3を形成する導電性材料組成物硬化工程と、を少なくとも有するものである。
また、第2態様に係る製造方法は、透明基材1の一方の面S1に、近赤外吸収性材料を含むとともに硬化するまで流動性を保持できるプライマー層2を塗布形成するプライマー層塗布工程と、所定のパターンで凹部64が形成された板状又は円筒状の版面63に、硬化後に導電層3を形成できる導電性材料組成物15を塗布した後、その凹部内以外に付着した導電性材料組成物を掻き取って凹部64内に導電性材料組成物15を充填する導電性材料組成物充填工程(図4(b)参照)と、プライマー層塗布工程後の透明基材1のプライマー層2側と導電性材料組成物充填工程後の版面63の凹部64側とを圧着して、プライマー層2と凹部64内の導電性材料組成物15とを空隙なく密着する圧着工程(図4(c)参照)と、圧着工程後にプライマー層2と導電性材料組成物15を同時に硬化する同時硬化工程(図4(c)参照)と、同時硬化工程後に透明基材1とプライマー層2を版面64から剥がして凹部内の硬化した導電性材料組成物15を導電層3としてプライマー層2上に転写する転写工程(図4(d)参照)と、を少なくとも有するものである。
上記第1及び第2態様に係る電磁波シールド材の製造方法においては、導電性材料組成物15は、硬化後に電気めっきできる導電層を形成できる導電性材料組成物であってもよく、その場合、上記第1態様においては、導電性材料組成物硬化工程後、プライマー層2上に所定のパターンで形成された導電層3上に金属層4を電気めっきするめっき工程(図4(e)参照)をさらに有するように構成してもよい。また、上記第2態様においては、転写工程後、プライマー層2上に所定のパターンで形成された導電層3上に金属層4を電気めっきするめっき工程をさらに有するように構成してもよい。
以下、各工程について図面を参照して説明する。
(プライマー層塗布工程)
プライマー層塗布工程は、透明基材1の一方の面S1に、近赤外吸収性材料を含むとともに硬化するまで流動性を保持できるプライマー層2を塗布形成する工程である。プライマー層2はプライマー層用樹脂組成物を透明基材1上に塗布して形成するが、こうしたプライマー層用樹脂組成物は上述したとおりであるのでここではその説明を省略する。プライマー層2を有する透明基材1は、図5に示すような塗布法で形成したものであり、後述する圧着工程時に、プライマー層2が流動性を保持した状態であることが必要である。
例えば、プライマー層用樹脂組成物として電離放射線硬化性樹脂組成物を用いた場合には、電離放射線を照射しない未照射状態で、その電離放射線硬化性樹脂組成物中の溶剤のみを乾燥除去し、透明基材1上に流動状態からなるプライマー層2を塗膜として形成しておき、その状態で後述する圧着工程に供給することが好ましい。もちろん、ここで用いる電離放射線硬化性の樹脂組成物が溶剤を含まない、いわゆるノンソルベントタイプの場合には、プライマー層2を形成する際の乾燥工程は不要である。
また、プライマー層用樹脂組成物として熱可塑性樹脂組成物を用いた場合には、後述する圧着工程において加熱による流動状態となっていればよく、圧着工程の直前にプライマー層2の加熱処理を行ってもよく、熱ロール等でプライマー層2の加熱と版面63への圧着を同時に行ってもよい。
なお、プライマー層を塗布する方法については各種コーティング方式が使用でき、例えばグラビアコート、コンマコート、ダイコート、ロールコート等の各種方式から適宜選ぶことができる。
図5に示す塗布法はグラビアリバースコートの一例であり、ロール状に巻かれたフィルム状の透明基材1をグラビアロール51とバックアップロール52との間に導入してプライマー層用の電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布する方法である。この場合において、グラビアロール51は電離放射線硬化性樹脂組成物充填容器53に下方で接触し、電離放射線硬化性樹脂組成物を引き上げて透明基材1の一方の面に塗布する。このとき、余分な電離放射線硬化性樹脂組成物をドクターブレード54で掻き取る。透明基材1上に電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布した後においては、必要に応じて樹脂組成物に含まれる溶剤の乾燥処理を施す。この乾燥処理は、例えば、コーティング装置に適した粘度に調整された電離放射線硬化性樹脂組成物中の溶剤のみを乾燥除去して、続く圧着工程に供する流動状態のプライマー層2を形成する処理である。コーティング装置に適した粘度を持つノンソルベントタイプの電離放射線硬化性樹脂組成物を用いる場合は、乾燥装置は不要である。流動性を保持したプライマー層2を有する透明基材1は、その後に圧着工程に供給される。
(樹脂充填工程)
樹脂充填工程は、図4(a)(b)に示すように、メッシュ状又はストライプ状の所定のパターンで凹部64が形成された板状又は円筒状の版面63に、硬化後に導電層3を形成できる導電性材料組成物15を塗布した後、その凹部内以外に付着した導電性材料組成物を掻き取って凹部内に導電性材料組成物15を充填する工程である。導電性材料組成物15は上述したとおりであるのでここではその説明を省略する。
プライマー層用樹脂組成物に対する導電性材料組成物の組み合わせは特に限定されず、プライマー層用樹脂組成物の硬化処理と導電性材料組成物の硬化処理が異なっていてもよいが、導電性材料組成物15として導電性粉末を含む電離放射線硬化性樹脂を採用する場合には、プライマー層用樹脂組成物も電離放射線硬化性樹脂組成物であることが好ましい。そうした組み合わせにすることにより、この樹脂充填工程後の圧着工程とそれに続くプライマー層の硬化工程時の電離放射線照射処理によって、プライマー層2の硬化と導電性材料組成物層3の硬化を同時に行うことができる。このとき、一般に導電性粉末は色がついているため、照射する電離放射線が光、或いは紫外線の場合には、適切な光重合開始剤と光硬化性樹脂との組み合わせを選ぶことにより硬化させることができる。また、電子線を照射する場合には、特に導電性粉末の色は考慮する必要はない。
なお、図5及び図6に示す塗布法は、プライマー層2を有する透明基材1を凹版ロール62に圧着する前に行われる工程の一例であり、具体的には、ピックアップロール61は導電性材料組成物充填容器68に下方で接触し、導電性材料組成物15を引き上げて凹版ロール62の版面63に塗布する。このとき、版面63上の凹部64以外の部分に導電性材料組成物15が乗らないように、ドクターブレード65で掻き落とす。
(圧着工程)
圧着工程は、図4(c)及び図6に示すように、樹脂充填工程後の版面63の凹部64側と、プライマー層塗布工程後の透明基材1のプライマー層2側とを圧着して、凹部64内の導電性材料組成物15とプライマー層2とを空隙なく密着する工程である。圧着はニップロール66で行われ、凹版ロール62に対して所定の圧力で付勢されている。そのニップロール66は付勢圧力の調整手段を備えており、その付勢圧力は、プライマー層2の流動性に応じて任意に調整される。
なお、プライマー層2が熱可塑性樹脂である場合は、ニップロール66は加熱可能なロールにすることが好ましい。この場合、加熱圧着によってプライマー層2が軟化し流動可能となる。
(硬化工程)
硬化工程は、ニップロール66の付勢力による圧着工程後にプライマー層2を硬化する工程であり、圧着した後の状態で硬化処理することにより、プライマー層2と導電性材料組成物15とが密着した状態で硬化させることができる。具体的には、プライマー層用樹脂組成物が電離放射線硬化型樹脂組成物である場合には、照射ゾーン(図6の例ではUVゾーンと記載している。)で電離放射線が照射され、硬化処理される。この場合、プライマー層2は透明基材1と版面63に挟まれた態様になり、空気中の酸素による硬化阻害を受けないため、窒素パージ装置等は必ずしも必要ない。なお、硬化処理は、上記と同様、プライマー層用樹脂組成物と導電性材料組成物の種類に応じて選択され、例えば、電離放射線照射処理、冷却処理等の硬化処理が施される。
なお、上記のように、プライマー層用樹脂組成物と導電性材料組成物の両方を電離放射線硬化性樹脂とした場合には、圧着工程に続く硬化工程時に電離放射線照射処理を施す、同時硬化工程とすることもできる。
(転写工程)
転写工程は、図4(d)に示すように、硬化工程後に透明基材1とプライマー層2を凹版ロール62の版面63から剥がして凹部64内の導電性材料組成物15をプライマー層2上に転写する工程である。プライマー層2は、この工程前のプライマー層硬化工程で硬化しているので、透明基材1とプライマー層2を凹版ロール62の版面63から剥がすことにより、プライマー層2に密着した導電性材料組成物15は凹部内から離れてプライマー層2上にきれいに転写し、導電性材料組成物層3’となる。引き剥がしは、図5と図6に示すように、出口側に設けられたニップロール67により行われる。
なお、転写工程において、導電性材料組成物15は必ずしも硬化させる必要はなく、導電性材料組成物15に溶剤が含まれた状態でも転移させることができる。この理由は今のところ不明であるが、空隙なく密着した状態で硬化させたプライマー層2と導電性材料組成物15との間の密着力が、凹版ロールの凹部64の内壁と導電性材料組成物15との間の密着力よりも大きくなっているためと推測される。
図7は、凹部64内の導電性材料組成物15の凹み6にプライマー層2を充填し、その導電性材料組成物15が転写する形態を示す模式図である。図7(C)に示すように、転写工程後のプライマー層2の形態と導電性材料組成物層3’の形態を観察すると、プライマー層2のうち導電性材料組成物層3’が転写された部分Aの厚さTは、導電性材料組成物層3’が転写されていない部分Bの厚さTよりも大きい。そして、厚さの大きい部分Aのサイドエッジ5,5は、厚さの小さい部分Bの側に導電性材料組成物層3’が回り込んでいる。こうした形態は、流動性を保持したプライマー層2が形成された透明基材1のプライマー層2側と、樹脂充填工程後の版面63の凹部64側とを図7(A)(B)に示すように圧着することにより、凹部64内の導電性材料組成物上部に生じやすい凹み6に流動性のあるプライマー層2が充填するので、転写後の形態は、図7(C)に示すように、透明基材1上に設けられたプライマー層2のうち導電性材料組成物層3’が形成されている部分Aの厚さTは導電性材料組成物層3’が形成されていない部分Bの厚さTよりも大きくなり、さらに、厚さの大きい部分Aのサイドエッジ5,5は厚さの小さい部分Bの側に導電性材料組成物層3’が回り込んだ形態になる。
通常、導電性材料組成物層3’が形成されている部分Aにおけるプライマー層2の厚さTは、図3に示すように、その部分の中央部に行く程厚さが厚くなる。すなわち、電磁波遮蔽用パターン部の横断面(例えば図3を参照)において、プライマー層2の断面形状は、透明基材1から遠ざかる方向に向かって凸になった、半円、半楕円等のいわゆる釣鐘型形状、3角形、台形、5角形等のいわゆる山形形状、或いはこれらに類似の形状をなす。
また、プライマー層2と導電性材料組成物層3’乃至導電層3との界面は、単に物理的又は化学的に接着しているのみの形態の他、界面近傍において、両層の材料が相互に溶解、浸透、乃至は拡散し合っている形態であってもよい。両層の材料の選定、製造条件の選定いかんにより、何れの形態も実現できる。両層間の接着性の点からいうと、後者の形態(界面近傍において、両層の材料が相互に溶解、浸透、乃至は拡散し合っている形態)の方が好ましい。
本発明の製造方法で得られた電磁波シールド材10はこうした形態を有するので、導電層3を形成する導電性材料組成物の転写不良に基づく断線や形状不良、密着性等の不具合が生じないという効果を奏する。
なお、転写工程後においては、必要に応じて乾燥処理、硬化処理等が施される。また、さらに抵抗を下げる必要があれば、その後のめっき工程に供される。めっき工程には、そのままインラインで供されてもよいし、一旦巻き取られた後に、別個のめっきラインに供給されてもよい。
(めっき工程)
めっき工程は、図4(e)及び図5に示すように、転写工程後、プライマー層2上に所定のパターン(プライマー層2の形成パターンと同じ。)で形成された導電層3上に金属層4を電気めっきする工程である。めっきする金属としては、銅、銀、金等が挙げられ、特に価格が安く導電性も高い銅めっきが好ましい。銅めっき液は、市販のめっき液を利用できるが、中でも均一めっき性を向上させた銅めっき液が好ましく採用される。なお、めっき工程に供される際には、通常の前処理(例えば、洗浄処理等)が施されるが、上記のように転写工程からそのままインラインで供給されてもよいし、別個のめっきラインに供されてもよい。めっき工程後には、必要に応じてさらに他の工程(例えば、金属層4の黒化処理工程や防錆工程、図2に示すような保護層9の形成工程)を経た後にそのまま巻き取られてもよいし、所定の寸法に切断されて枚葉シートとしてもよい。
こうしてロール状又はシート状の電磁波シールド材10が製造されるが、以上説明したように、本発明の電磁波シールドの製造方法によれば、プライマー層2と導電層3とをその間に空隙なく密着させることができるので、プライマー層2上への導電層3の転写不良に基づく断線、形状不良、低密着性等の不具合が生じない、電磁波シールド性と近赤外吸収性の両方の特性をもつ電磁波シールド材10を低コストで製造することができる。また、高い転移率で転移可能になるため、導電層3の厚さを厚くすることができ、電磁波シールド性を向上させることができる。また、近赤外吸収層として新たな層を設けるのではなく、プライマー層を近赤外吸収層として利用するので、新たな層を形成するための工数を増すことなく近赤外吸収性を付与することができ、コスト低減を図ることができる。
[ディスプレイ用フィルター]
図8は、本発明のディスプレイ用フィルターを有するプラズマディスプレイ装置の一例を示す模式的な断面図である。本発明のディスプレイ用フィルター71は、図8に示すように、上述した本発明の電磁波シールド材10を少なくとも有し、プラズマディスプレイ装置70の前面側(視聴者側)に設けられる。すなわち、電磁波シールド材10は、ディスプレイ用フィルター71の一部又は全部として設けられ、それ単独でディスプレイ用フィルター71として用いてもよいし、図8に示すように、電磁波シールド材10と他の機能部材を複合させて用いてもよい。
機能部材としては、従来公知のものを適用でき、例えばネオン光吸収材、紫外線吸収材、反射防止材、ハードコート材、防汚材、及び防眩材等を挙げることができる。これらの機能部材は、電磁波シールド材10上に、例えばネオン光吸収材料、紫外線吸収材料、反射防止材料、ハードコート材料、防汚材料、防眩材料等から選ばれる1種又は2種以上の材料を塗布組成物として層状に塗布形成したものであってもよいし、また、透明基材内に、それらの材料を含有させて構成したものであってもよい。
図8に示す一例は、電磁波シールド材10の導電層3側の表面に、粘着剤層72を介して、紫外線吸収材料を含有した透明基材73を貼り合わせ、さらにその透明基材73上にAR層(反射防止層)74を塗布形成してなるディスプレイ用フィルター71を示している。このディスプレイ用フィルター71は、プラズマディスプレイパネル76の前面側(視聴者側)に粘着剤層75を介して貼り合わされている。なお、本発明のディスプレイ用フィルターは、図8に示す構成に限らず、電磁波シールド材10を一部又は全部に有するものであれば、他の種々の形態であってもよい・
こうしたディスプレイ用フィルター71によれば、電磁波シールド性と近赤外吸収性を有する低コストの電磁波シールド材10を前面側に備えるので、例えばプラズマディスプレイパネル76から発生する不要な電磁波と近赤外線が外部に漏洩又は放射するのを遮蔽することができ、他の機器(例えば、遠隔制御機器、情報処理装置、DVD、HDD、ゲーム機等の遠隔操作機器)に影響を与えるのを防ぐことができる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
図5及び図6に示す装置により電磁波シールド材を製造した。先ず、透明基材1として、片面に易接着処理がされた幅1000mmで厚さ100μmの長尺ロール巻ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績株式会社、A4100)を用いた。供給部にセットしたPETフィルムを繰り出し、易接着処理面にプライマー層用の光硬化性樹脂組成物を乾燥膜厚が5μmとなるように塗布形成した。塗布方式は、通常のグラビアリバース法を採用し、光硬化性樹脂組成物としては、エポキシアクリレート35重量部、ウレタンアクリレート12重量部、単官能モノマー44重量部、3官能モノマー9重量部、さらに光開始剤としてイルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)3重量部、さらに近赤外吸収性材料としてセシウムタングステン複合酸化物微粒子分散液(住友金属鉱山株式会社、YMF−02)を5.28重量部添加したものを使用した。このときの粘度は約1400cps(at25℃、B型粘度計)であり、塗布後のプライマー層2は触ると流動性を示すものの、PETフィルム上から流れ落ちることはなかった。
次に、流動性保持状態のプライマー層2が形成されたPETフィルムを転写工程を行う凹版ロール62に供するが、それに先だって、線幅が20μmで線ピッチが300μm、版深10μmの格子状のメッシュパターンとなる凹部が形成された凹版ロール62の版面63に、導電性材料組成物15である銀ペースト(藤倉化成株式会社、FA−333)をピックアップロール61で塗布し、ドクターブレード65で凹部64内以外の導電性材料組成物を掻き取って凹部64内のみに導電性材料組成物15を充填させた。導電性材料組成物15を凹部64内に充填させた状態の凹版ロール62と、ニップロール66との間に、流動性保持状態のプライマー層2が形成されたPETフィルムを供し、凹版ロール62に対するニップロール66の押圧力(付勢力)によって、流動性保持状態のプライマー層2を凹部64内に存在する導電性材料組成物15の凹み6に流入させ、導電性材料組成物15と流動性保持状態のプライマー層2とを隙間なく密着させた。
次いで、さらに凹版ロール62が回転してUVランプによって紫外線が照射され、光硬化性樹脂組成物からなる流動性保持状態のプライマー層2が硬化する。プライマー層2の硬化により、凹版ロール62の凹部64内の導電性材料組成物は硬化したプライマー層2と密着し、その後、出口側のニップロール67によってフィルムが凹版ロール62から剥離され、プライマー層2上には導電性材料組成物層3’(図4参照)が転写形成される。このようにして得られた転写フィルムを、110℃の乾燥ゾーンを通過させて銀ペーストの溶剤を蒸発させ、プライマー層2上にメッシュパターンからなる導電層3を形成した。このときの導電層3の厚さ(導電層3が形成されているメッシュパターン部分とそれ以外の部分との厚さの差)は約9μmであり、版の凹部64内の銀ペーストが高い転移率で転移していた。また、断線や形状不良も見られなかった。
次いで、得られた転写フィルムに対し、銅めっきを行った。銅めっき法としては、得られた転写フィルムを硫酸銅めっき液に浸漬し、その表面に形成されたメッシュ状の導電層パターンを陰極として、銅板を陽極として、2A/dmの電流を流して電解銅めっきを行った。銅めっき膜は、その導電層3上に選択的に、厚さ2μmで形成した。こうして本発明に係る実施例1の電磁波シールド材を作製した。
(実施例2)
実施例1において、近赤外吸収性材料として、セシウムタングステン複合酸化物分散液の代わりに、フタロシアニン系近赤外線吸収色素イーエクスカラーIR−12(日本触媒株式会社)を0.63質量部、IR−14(日本触媒株式会社)を0.36質量部、IR−910(日本触媒株式会社)を0.88質量部を用いた他は、実施例1と同様にして、実施例2の電磁波シールド材を作製した。このときの粘度は約700cps(at25℃、B型粘度計)であり、塗布後のプライマー層2は触ると流動性を示すものの、PETフィルム上から流れ落ちることはなかった。得られた電磁波シールド材において、導電層の厚さは約9μmであり、版の凹部64内の銀ペーストが高い転移率で転移していた。また、断線や形状不良も見られなかった。
(比較例1)
実施例1において、PETフィルムの易接着処理面に、近赤外吸収性材料を含む硬化したプライマー層を予め塗布形成し、硬化したプライマー層2が形成されたPETフィルムを転写工程を行う凹版ロール62に供する他は、実施例1と同様にして導電性材料組成物を転写させた。しかしながら、その際、PETフィルム上への導電性材料組成物の転写は十分でなく、断線やパターン抜けが多発した。また、乾燥後のパターン厚さも1μm程度であり、転移率が著しく悪かった。その後の電気銅めっきも均一にめっきすることはできなかった。この理由は、ドクターブレード65にて凹部64以外の導電性材料組成物を除去する際に、凹部64内からも少なからず導電性材料組成物15が掻き出されて凹部64内の導電性材料組成物15には凹み6が生じるが、その凹み6の存在により、導電性材料組成物15がPETフィルム上に密着よく転写されないためと考えられる。
(評価結果)
実施例1,2及び比較例1で作製した電磁波シールド材について、近赤外吸収性及び電磁波シールド性を評価した。近赤外吸収性は、分光光度計(島津製作所社製、UV−3100PC)を用いて800nm〜1100nmの範囲の近赤外波長の透過率を測定し、得られた透過率の平均値を用いた。その結果、実施例1の電磁波シールド材の透過率は7%であり、実施例2の電磁波シールド材の透過率は5%であった。また、電磁波シールド性は、シールド材評価器((株)アドバンテスト製、TR17301A)を用いて測定した。その結果、実施例1,2の電磁波シールド材は、200〜600MHzの範囲で−30デシベル程度以下の良好なシールド特性を有していた。
本発明の電磁波シールド材の一例を示す模式的な平面図である。 図1におけるA−A’断面の拡大図である。 図2の一部をさらに拡大して示す模式的な断面図である。 本発明の電磁波シールドの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の製造方法を実施する装置の概略構成図である。 導電性材料組成物をプライマー層上に転写する転写工程を実施する装置の概略構成図である。 凹部内の導電性材料組成物の凹みにプライマー層を充填し、その導電性材料組成物が転写する形態を示す模式図である。 本発明のディスプレイ用フィルターを有するプラズマディスプレイ装置の一例を示す模式的な断面図である。 透明基材上に導電性インキ組成物の未転写部が発生する従来の現象の説明図である。
符号の説明
1 透明基材
2 プライマー層
3 導電層
3’ 導電性材料組成物層
4 金属層
5 サイドエッジ
6 凹み
7 電磁波遮蔽パターン部
8 接地部
9 保護層
10 電磁波シールド材
15 導電性材料組成物
51 グラビアロール
52 バックアップロール
53 樹脂組成物充填容器
54 ドクターブレード
61 ピックアップロール
62 凹版ロール
63 版面
64 凹部
65 ドクターブレード
66 ニップロール
67 ニップロール
68 充填容器
70 プラズマディスプレイ装置
71 ディスプレイ用フィルター
72 粘着剤層
73 透明基材
74 AR層
75 粘着剤層
76 プラズマディスプレイパネル
A 導電層が形成されている部分
Aの厚さ
B 導電層が形成されていない部分
Bの厚さ

Claims (8)

  1. 透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に所定のパターンで形成された導電性材料組成物からなる導電層と、を有する電磁波シールド材であって、
    前記プライマー層のうち前記導電層が形成されている部分の厚さが、前記導電層が形成されていない部分の厚さよりも大きくなっているとともに、
    前記プライマー層は、該プライマー層を硬化する前に硬化前の前記導電層に圧着し、前記導電層を硬化する前に硬化して形成され、800nm〜1100nmの範囲の近赤外波長を吸収する近赤外吸収性材料を含む電離放射線硬化性樹脂からなる層であり、
    前記導電性材料組成物が、導電性粉末及び樹脂を含み、該樹脂が熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂であることを特徴とする電磁波シールド材。
  2. 前記近赤外吸収性材料がセシウムタングステン複合酸化物又はフタロシアニン系化合物である、請求項1に記載の電磁波シールド材。
  3. 請求項1又は2に記載の電磁波シールド材を有し、ディスプレイの前面側に設けられることを特徴とするディスプレイ用フィルター。
  4. 透明基材の一方の面に所定のパターンで導電層が形成されているとともに、800nm〜1100nmの範囲の近赤外波長を吸収する近赤外吸収性を有する電磁波シールド材の製造方法であって、
    透明基材の一方の面に、近赤外吸収性材料を含むとともに硬化するまで流動性を保持できるプライマー層を塗布形成するプライマー層塗布工程と、
    所定のパターンで凹部が形成された板状又は円筒状の版面に、硬化後に導電層を形成できる導電性材料組成物を塗布した後、前記凹部内以外に付着した該導電性材料組成物を掻き取って該凹部内に該導電性材料組成物を充填する導電性材料組成物充填工程と、
    前記プライマー層塗布工程後の透明基材のプライマー層側と前記導電性材料組成物充填工程後の版面の凹部側とを圧着して、前記プライマー層と前記凹部内の導電性材料組成物とを空隙なく密着する圧着工程と、
    前記圧着工程後に前記プライマー層を硬化するプライマー層硬化工程と、
    前記プライマー層硬化工程後に前記透明基材及び前記プライマー層を前記版面から剥がして前記凹部内の導電性材料組成物を前記プライマー層上に転写する転写工程と、
    前記転写工程後、前記プライマー層上に所定のパターンで形成された導電性材料組成物を硬化させて導電層を形成する導電性材料組成物硬化工程と、を有することを特徴とする電磁波シールド材の製造方法。
  5. 前記導電性材料組成物充填工程において、前記導電性材料組成物は、硬化後に電気めっきできる導電層を形成できる組成物であり、
    前記導電性材料組成物硬化工程後、前記プライマー層上に所定のパターンで形成された導電層上に金属層を電気めっきするめっき工程を有する、請求項に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  6. 前記プライマー層が電離放射線硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂からなる層であり、該プライマー層の流動性の保持を電離放射線の未照射又は加熱によって行う、請求項4又は5に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  7. 前記導電性材料組成物が、導電性粉末及び樹脂を含み、該樹脂が熱可塑性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂である、請求項のいずれかに記載の電磁波シールド材の製造方法。
  8. 前記転写工程後において、前記プライマー層のうち前記導電性材料組成物が転写された部分の厚さは、前記導電性材料組成物が転写されていない部分の厚さよりも大きい、請求項のいずれかに記載の電磁波シールド材の製造方法。
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