JP2009218423A - 表示装置用前面フィルター - Google Patents
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Abstract
【課題】最小限の層数及び製造工程数で構成し、かつ、パターン状の電磁波遮蔽層において断線がなく、アスペクト比が高く、導電性、電磁波遮蔽性にすぐれている画像表示装置用前面フィルターを提供する。
【解決手段】透明基材1の一方の面に、プライマー層2、導電性組成物からなるパターン層3、及び防眩層、反射防止層又はハードコート層のいずれかから選択された表面調整層4がこの順に形成され、透明基材1の他方の面に粘着剤層5が形成されており、粘着剤層5、透明基材1、プライマー層2又は表面調整層4のいずれか1層以上に、近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤、調色光吸収剤又は紫外線吸収剤の中から選択されるいずれか1種以上の吸収剤を含有してなる表示装置用前面フィルターであって、プライマー層2の厚みは、パターン層3が形成されている部分の厚みがパターン層3が形成されていない部分の厚みよりも厚い。
【選択図】図1
【解決手段】透明基材1の一方の面に、プライマー層2、導電性組成物からなるパターン層3、及び防眩層、反射防止層又はハードコート層のいずれかから選択された表面調整層4がこの順に形成され、透明基材1の他方の面に粘着剤層5が形成されており、粘着剤層5、透明基材1、プライマー層2又は表面調整層4のいずれか1層以上に、近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤、調色光吸収剤又は紫外線吸収剤の中から選択されるいずれか1種以上の吸収剤を含有してなる表示装置用前面フィルターであって、プライマー層2の厚みは、パターン層3が形成されている部分の厚みがパターン層3が形成されていない部分の厚みよりも厚い。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像表示装置の前面に配置するフィルターに関し、特に、プラズマディスプレイパネル(以下「PDP」と記載することがある。)用のフィルターとして好適で、電磁波遮蔽機能と共に、外来光反射防止、近赤外線吸収等の画像表示装置に求められる光学フィルター機能を有する画像表示装置用前面フィルターに関する。
近年、画像表示装置(ディスプレイとも呼称する。)の大型化、薄型化に伴い、PDPが注目を集めている。
PDPは、発光にプラズマ放電を利用するため、30MHz〜1GHz帯域の不要な電磁波が外部に漏洩して他の機器(例えば、遠隔制御機器、情報処理装置等)に影響を与えるおそれがある。そのため、プラズマディスプレイ装置に用いられるプラズマディスプレイパネルの前面側(観察者側)に、画像光の透過性は維持した上で、漏洩する電磁波を遮蔽(シールド)するためのフィルム状の電磁波シールド部材を設けるのが一般的である。
PDPは、発光にプラズマ放電を利用するため、30MHz〜1GHz帯域の不要な電磁波が外部に漏洩して他の機器(例えば、遠隔制御機器、情報処理装置等)に影響を与えるおそれがある。そのため、プラズマディスプレイ装置に用いられるプラズマディスプレイパネルの前面側(観察者側)に、画像光の透過性は維持した上で、漏洩する電磁波を遮蔽(シールド)するためのフィルム状の電磁波シールド部材を設けるのが一般的である。
プラズマディスプレイの前面などに用いることができる電磁波シールド部材用材料としては、銀スパッタ薄膜、銅メッシュなどがあるが、銀スパッタ薄膜はコストが高く、また全面を被覆しているため可視光(線)透明性と電磁波遮蔽性との両立性に劣る。銅メッシュは開口部分があるため透明性は高いが、銅箔をフォトリソグラフィー法でエッチングしてメッシュ形状を作成するため、捨てる材料が多く低コスト化が難しい。
近年、透明基材の上に導電性ペーストや無電解めっきの触媒を含むインキをグラビア印刷などパターン印刷し、その上に銅をめっきで析出させ細線パターンを形成した電磁波シールド部材などが提案されており(特許文献1、2)、銅箔エッチング法などよりも経済性、生産性にすぐれた方法といえる。
近年、透明基材の上に導電性ペーストや無電解めっきの触媒を含むインキをグラビア印刷などパターン印刷し、その上に銅をめっきで析出させ細線パターンを形成した電磁波シールド部材などが提案されており(特許文献1、2)、銅箔エッチング法などよりも経済性、生産性にすぐれた方法といえる。
しかしながら、導電性インキ(導電性ペースト)のような高粘度のインキをグラビア印刷のような凹部を持つ版を用いる方法にて微細パターンで印刷しようとすると、印刷できないことはないがインキの転移性が悪くインキ抜けなどが多発し、断線があって、安定したパターンが形成できないと云う問題、及び凹版凹部内のインキの転移率が低下するという問題があった。インキ抜けは、凹版上にインキを塗布し、余分なインキをドクターブレードで掻き取った後の凹部内のインキがその上部に凹みを生じることが原因である。この凹みは、凹版上に透明基材を圧着して透明基材上に凹部内のインキを転写する際に、透明基材とインキとの密着を妨げ、透明基材上に、インキの未転写部が発生したり、密着性に劣る転写不良が発生する。また、転移率低下は、高粘度で流動性の悪いインキは、凹版凹部内の全充填インキの一部しか透明基材上に転移しないことが原因である。両者とも、印刷された導電インキパターンの導電率の低下を招き、電磁波遮蔽特性を低下させる。
また、PDPは上記周波数帯域の電磁波の他、近赤外線、ネオン原子の発光スペクトル光(ネオン光とも呼称する)等の不要の輻射があり、これらを吸収、遮蔽する必要もある。さらに、日光、照明光等の外来光が画面に反射して反射すると外来光の映り込み、画面の白化、画像コントラストの低下等を誘発するため、これら外来光の反射を低減する必要もある。これらの要求を満たすために、電磁波遮蔽フィルターと所望の機能を有する各種光学フィルターとを積層し、複合化した構成の画像表示装置用フィルターが提案されている。
例えば、特許文献3では、透明基材フィルムの一方の面に導電体メッシュ層、更にディスプレイに貼り付けるための粘着剤層を順次形成し、該透明基材フィルムの他方の面に、近赤外線吸収フィルターフィルムなどをラミネートした複合フィルターが提案されている。
例えば、特許文献3では、透明基材フィルムの一方の面に導電体メッシュ層、更にディスプレイに貼り付けるための粘着剤層を順次形成し、該透明基材フィルムの他方の面に、近赤外線吸収フィルターフィルムなどをラミネートした複合フィルターが提案されている。
しかしながら、特許文献3のような構成では、近赤外線吸収フィルターなどのフィルター機能は、各1層は単一のフィルター機能のみ具備し、しかも各機能のフィルター毎に基材フィルムを有し、なおかつ各フィルター毎に他層と積層するための接着剤層も必要なため、追加するフィルター機能の分だけ、複合フィルターとしての総厚が厚くなり、且つ製造工程数も増えるという問題があった。
本発明の課題は、近赤外線吸収、外来光反射防止等の画像表示装置に求められる所望の光学フィルター機能、高透明性、及び電磁波遮蔽機能を有する画像表示装置用フィルターを、最小限の層数及び製造工程数で構成し、かつ、パターン状の電磁波遮蔽層において断線がなく、アスペクト比が高く、導電性、電磁波遮蔽性にすぐれている画像表示装置用前面フィルターを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、1枚の透明基材の両面に、画像表示装置にとっての必要機能を持たせた構成とし、かつ、電磁波遮蔽層を特定の構造(形態)とすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、透明基材の一方の面に、プライマー層、導電性組成物からなるパターン層、及び防眩層、反射防止層又はハードコート層のいずれかから選択された表面調整層がこの順に形成され、該透明基材の他方の面に粘着剤層が形成されており、前記粘着剤層、透明基材、プライマー層又は表面調整層のいずれか1層以上に、近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤、調色光吸収剤又は紫外線吸収剤の中から選択されるいずれか1種以上の吸収剤を含有してなる表示装置用前面フィルターであって、前記プライマー層の厚みは、前記パターン層が形成されている部分の厚みが前記パターン層が形成されていない部分の厚みよりも厚いことを特徴とする表示装置用前面フィルターを提供するものである。
すなわち、本発明は、透明基材の一方の面に、プライマー層、導電性組成物からなるパターン層、及び防眩層、反射防止層又はハードコート層のいずれかから選択された表面調整層がこの順に形成され、該透明基材の他方の面に粘着剤層が形成されており、前記粘着剤層、透明基材、プライマー層又は表面調整層のいずれか1層以上に、近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤、調色光吸収剤又は紫外線吸収剤の中から選択されるいずれか1種以上の吸収剤を含有してなる表示装置用前面フィルターであって、前記プライマー層の厚みは、前記パターン層が形成されている部分の厚みが前記パターン層が形成されていない部分の厚みよりも厚いことを特徴とする表示装置用前面フィルターを提供するものである。
本発明によれば、近赤外線吸収、外来光反射防止等の画像表示装置に求められる所望の光学フィルター機能、高透明性、及び電磁波遮蔽機能を有する画像表示装置用前面フィルターを、単純な層構成により構成し、かつ、パターン状の電磁波遮蔽層において断線がなく、アスペクト比が高く、導電性、電磁波遮蔽性にすぐれている画像表示装置用前面フィルターを提供することができる。
図1は、本発明の画像表示装置用前面フィルターの層構成を示す断面の概念図である。
本発明の画像表示装置用前面フィルターは、透明基材1の一方の面に、プライマー層2、導電性組成物からなるパターン層(以下、単に「パターン層」ともいう。)3、表面調整層4がこの順に形成され、該透明基材1の他方の面に粘着剤層5が形成されている。図1において、上方が観察者(視聴者)側であり、下方が画像表示装置側であって、粘着剤層5を用いて画像表示装置本体又は画像表示装置基板に設置される。
図2は、導電性組成物からなるパターン層3がプライマー層2上に所定のパターンで形成された本発明の電磁波遮蔽層の拡大図であり、プライマー層2の厚みは、パターン層3が形成されている部分の厚みTAがパターン層3が形成されていない部分の厚みTBよりも厚いという特徴的な形態を有する。こうした形態は、平坦面からなるプライマー層上にパターン層3が形成されている場合に比べ、プライマー層2とパターン層3との密着性にすぐれるという形態由来の効果がある。
かかるパターン状の電磁波遮蔽層の特徴的な形態は、プライマー層の流動状態と固化状態を利用した導電性組成物の新規な印刷方法(後述)により実現されるものである。
以下、本発明の画像表示装置用前面フィルターの構成につき、詳細に説明する。
本発明の画像表示装置用前面フィルターは、透明基材1の一方の面に、プライマー層2、導電性組成物からなるパターン層(以下、単に「パターン層」ともいう。)3、表面調整層4がこの順に形成され、該透明基材1の他方の面に粘着剤層5が形成されている。図1において、上方が観察者(視聴者)側であり、下方が画像表示装置側であって、粘着剤層5を用いて画像表示装置本体又は画像表示装置基板に設置される。
図2は、導電性組成物からなるパターン層3がプライマー層2上に所定のパターンで形成された本発明の電磁波遮蔽層の拡大図であり、プライマー層2の厚みは、パターン層3が形成されている部分の厚みTAがパターン層3が形成されていない部分の厚みTBよりも厚いという特徴的な形態を有する。こうした形態は、平坦面からなるプライマー層上にパターン層3が形成されている場合に比べ、プライマー層2とパターン層3との密着性にすぐれるという形態由来の効果がある。
かかるパターン状の電磁波遮蔽層の特徴的な形態は、プライマー層の流動状態と固化状態を利用した導電性組成物の新規な印刷方法(後述)により実現されるものである。
以下、本発明の画像表示装置用前面フィルターの構成につき、詳細に説明する。
(透明基材)
透明基材1は、所望の透明性、機械的強度、プライマー層2との接着性等の要求適性を勘案の上各種材料の各種厚みのものを選択すればよい。材料としては樹脂、硝子等が、厚み形態としてはフィルム(乃至はシート)、或いは板の形態で用いられる。通常は、樹脂製の透明フィルムが好ましく用いられる。
そうした透明フィルムとしては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル樹脂等をベースとするフィルムが好ましいが、これに限定されない。具体的には、透明フィルムの材料としては、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース等のセルロース樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、トリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の含ハロゲン樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、(メタ)アクリロニトリル樹脂等が使用できる。なかでも、二軸延伸PETフィルムが透明性、耐久性に優れ、しかもその後の工程で電離放射線照射処理を経た場合でも熱変形等しない耐熱性を有する点で好適である。
透明基材1は、所望の透明性、機械的強度、プライマー層2との接着性等の要求適性を勘案の上各種材料の各種厚みのものを選択すればよい。材料としては樹脂、硝子等が、厚み形態としてはフィルム(乃至はシート)、或いは板の形態で用いられる。通常は、樹脂製の透明フィルムが好ましく用いられる。
そうした透明フィルムとしては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル樹脂等をベースとするフィルムが好ましいが、これに限定されない。具体的には、透明フィルムの材料としては、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース等のセルロース樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、トリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の含ハロゲン樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、(メタ)アクリロニトリル樹脂等が使用できる。なかでも、二軸延伸PETフィルムが透明性、耐久性に優れ、しかもその後の工程で電離放射線照射処理を経た場合でも熱変形等しない耐熱性を有する点で好適である。
透明基材1は、ロール・トウ・ロール(巻取(ロール)から巻き出して供給し、適宜加工後巻取に巻き取って保管乃至搬送する形態)で取扱可能な長尺帯状フィルムであってもよいし、所定の大きさからなる枚葉フィルムであってもよい。透明基材1の厚さは、通常は8μm〜5000μm程度が好ましいが、これに限定されない。透明基材1の光透過率としては、100%のものが理想であるが、透過率80%以上のものを選択することが好ましい。
透明基材1の表面には、必要に応じて、後述するプライマー層と基材との密着性を改善するために易接着層を設けたり、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理などの表面処理を行ってもよい。該易接着層の樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン等の樹脂の中から適宜選択する。
透明基材1の表面には、必要に応じて、後述するプライマー層と基材との密着性を改善するために易接着層を設けたり、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理などの表面処理を行ってもよい。該易接着層の樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン等の樹脂の中から適宜選択する。
(プライマー層)
プライマー層2は、その主目的がパターン層3の印刷形成時に、版から被印刷物へのインキ転移性を向上させ、転移後の導電性組成物と被印刷物との密着性を向上させるための層である。すなわち、透明基材及びパターン層の双方に密着性が良く、また開口部(パターン層非形成部)の光透過性確保のために透明な層でもある。
更に、このプライマー層2は、流動性を保持できる状態で透明基材1上に設けられ、凹版印刷時の凹版に接触している間に液状から固化させる層として形成される層であり、最終的な電磁波遮蔽層が形成されたときに固化している層である。
プライマー層2は、その主目的がパターン層3の印刷形成時に、版から被印刷物へのインキ転移性を向上させ、転移後の導電性組成物と被印刷物との密着性を向上させるための層である。すなわち、透明基材及びパターン層の双方に密着性が良く、また開口部(パターン層非形成部)の光透過性確保のために透明な層でもある。
更に、このプライマー層2は、流動性を保持できる状態で透明基材1上に設けられ、凹版印刷時の凹版に接触している間に液状から固化させる層として形成される層であり、最終的な電磁波遮蔽層が形成されたときに固化している層である。
かかるプライマー層を構成する材料としては、本来特に限定はないが、本発明では、未硬化状態において液状(流動性)の電離放射線重合性化合物を含む電離放射線硬化性組成物を塗工、硬化(固体化)してなる層が好適に用いられる。以下、この材料を中心に詳述する。
該電離放射線重合性化合物としては、電離放射線で架橋等の反応により重合硬化するモノマー及び/又はプレポリマーが用いられる。
かかるモノマーとしては、ラジカル重合性モノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート類、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート類等の各種(メタ)アクリレートが挙げられる。尚、ここで(メタ)アクリレートとの表記は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。カチオン重合性モノマーとして、例えば、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートなどの脂環式エポキシド類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどグリシジルエーテル類、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルなどビニルエーテル類、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなどオキセタン類等が挙げられる。
また、かかるプレポリマーとしては、ラジカル重合性プレポリマーとして、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートプレポリマー、不飽和ポリエステルプレポリマー等が挙げられる。その他、カチオン重合性プレポリマーとして、例えば、ノボラック系型エポキシ樹脂プレポリマー、芳香族ビニルエーテル系樹脂プレポリマー等が挙げられる。
これらモノマー、或いはプレポリマーは、要求される性能、塗布適性等に応じて、1種類単独で用いる他、モノマーを2種類以上混合したり、プレポリマーを2種類以上混合したり、或いはモノマー1種類以上とプレポリマー1種類以上とを混合して用いたりすることができる。
該電離放射線重合性化合物としては、電離放射線で架橋等の反応により重合硬化するモノマー及び/又はプレポリマーが用いられる。
かかるモノマーとしては、ラジカル重合性モノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート類、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート類等の各種(メタ)アクリレートが挙げられる。尚、ここで(メタ)アクリレートとの表記は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。カチオン重合性モノマーとして、例えば、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートなどの脂環式エポキシド類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどグリシジルエーテル類、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルなどビニルエーテル類、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなどオキセタン類等が挙げられる。
また、かかるプレポリマーとしては、ラジカル重合性プレポリマーとして、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートプレポリマー、不飽和ポリエステルプレポリマー等が挙げられる。その他、カチオン重合性プレポリマーとして、例えば、ノボラック系型エポキシ樹脂プレポリマー、芳香族ビニルエーテル系樹脂プレポリマー等が挙げられる。
これらモノマー、或いはプレポリマーは、要求される性能、塗布適性等に応じて、1種類単独で用いる他、モノマーを2種類以上混合したり、プレポリマーを2種類以上混合したり、或いはモノマー1種類以上とプレポリマー1種類以上とを混合して用いたりすることができる。
電離放射線として、紫外線、又は可視光線を採用する場合には、通常は、光重合開始剤を添加する。光重合開始剤としては、ラジカル重合性のモノマー又はプレポリマーの場合には、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン系等の化合物が、又カチオン重合系のモノマー又はプレポリマーの場合には、メタロセン系、芳香族スルホニウム系、芳香族ヨードニウム系等の化合物が用いられる。これら光重合開始剤は、上記モノマー及び/又はプレポリマーからなる組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加する。
なお、電離放射線としては、紫外線、又は電子線が代表的なものであるが、この他、可視光線、X線、γ線等の電磁波、或いはα線等の荷電粒子線を用いることもできる。
なお、電離放射線としては、紫外線、又は電子線が代表的なものであるが、この他、可視光線、X線、γ線等の電磁波、或いはα線等の荷電粒子線を用いることもできる。
当該電離放射線硬化性組成物は、溶剤を含んでもよいが、その場合塗布後に乾燥工程が必要となるため、溶剤を含まないタイプ(ノンソルベントタイプ)であることが好ましい。
プライマー層2の厚さは特に限定されないが、通常は硬化後の厚さで1μm〜100μm程度(図2の厚さTB)となるように形成される。また、プライマー層2の厚さ(TB)は、通常は、パターン層3とプライマー層2との合計値(総厚。図2で言うとパターン層3の頂部と透明基材1の表面との高度差)の1〜50%程度である。
(導電性組成物からなるパターン層)
本発明における電磁波遮蔽層は、導電性組成物からなるパターン層3が、プライマー層2上に所定のパターンで設けられたものである。該パターンは、電磁波遮蔽層に通常採用されるメッシュ状であってもストライプ状であってもよく、その線幅と線間ピッチも通常採用されている寸法であればよい。例えば、線幅は5〜50μmとすることができ、線間ピッチは100〜500μmとすることができる。開口率(電磁波遮蔽パターンの全面積中における開口部の合計面積の占める比率)は、通常、50〜95%程度である。またメッシュやストライプ形状の電磁遮蔽パターンとは別に、それと導通を保ちつつ隣接した全ベタ等の接地パターンが設けられる場合もある。
また、パターン層3の厚さは、そのパターン層3の抵抗値によっても異なるが、電磁波遮蔽性能と該パターン層上への他部材の接着適性との兼ね合いから、その中央部(突起パターンの頂部)での測定において、通常、2μm以上50μm以下であり、好ましくは、5μm以上20μm以下である。
このパターン層3は、導電性粒子とバインダー樹脂を含む導電性組成物を、後述する凹版印刷法によりプライマー層2上に所定のパターンで形成することで得ることができる。
本発明における電磁波遮蔽層は、導電性組成物からなるパターン層3が、プライマー層2上に所定のパターンで設けられたものである。該パターンは、電磁波遮蔽層に通常採用されるメッシュ状であってもストライプ状であってもよく、その線幅と線間ピッチも通常採用されている寸法であればよい。例えば、線幅は5〜50μmとすることができ、線間ピッチは100〜500μmとすることができる。開口率(電磁波遮蔽パターンの全面積中における開口部の合計面積の占める比率)は、通常、50〜95%程度である。またメッシュやストライプ形状の電磁遮蔽パターンとは別に、それと導通を保ちつつ隣接した全ベタ等の接地パターンが設けられる場合もある。
また、パターン層3の厚さは、そのパターン層3の抵抗値によっても異なるが、電磁波遮蔽性能と該パターン層上への他部材の接着適性との兼ね合いから、その中央部(突起パターンの頂部)での測定において、通常、2μm以上50μm以下であり、好ましくは、5μm以上20μm以下である。
このパターン層3は、導電性粒子とバインダー樹脂を含む導電性組成物を、後述する凹版印刷法によりプライマー層2上に所定のパターンで形成することで得ることができる。
導電性組成物を構成する導電性粒子としては、金、銀、白金、銅、ニッケル、錫、アルミニウムなどの低抵抗率金属の粒子、表面が金や銀などの低抵抗率金属でめっきされた粒子(高抵抗率金属粒子、樹脂粒子、無機粒子)等を好ましく挙げることができ、形状も球状、回転楕円体状、多面体状、鱗片状、円盤状、樹枝状、繊維状等から選ぶことができる。これらの材料や形状は適宜混合して用いてもよい。導電性粒子の大きさは種類に応じて任意に選択されるので一概に特定できないが、例えば、鱗片状の銀粒子の場合には粒子の平均粒子径が0.1〜10μm程度のものを用いることができる。導電性組成物中の導電性粒子の含有量は、導電性粒子の導電性や粒子の形態に応じて任意に選択されるが、例えば導電性組成物の固形分100質量部のうち、導電性粒子を40〜99質量部の範囲で含有させることができる。なお、本明細書において、平均粒子径というときは、粒度分布計、またはTEM(透過型電子顕微鏡)観察で測定した値を指している。
導電性組成物を構成するバインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用可能である。熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ポリエステル−メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂等の樹脂を挙げることができ、電離放射線硬化性樹脂としては、プライマーの材料として前記した物を挙げることができ、熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂等の樹脂を挙げることができる。なお、熱硬化性樹脂を使用する場合、必要に応じて硬化触媒を添加してもよい。電離放射線硬化性樹脂を用いる場合は必要に応じて光重合開始剤を添加してもよい。
また、版の凹部への充填に適した流動性を得るために、これら樹脂は通常、溶剤に溶けたワニスとして使用する。溶剤の種類には特に制限はなく、一般的に印刷インキに用いられる溶剤を使用できる。溶剤の含有量は通常、10〜70質量%程度であるが、必要な流動性が得られる範囲でなるべく少ないほうが好ましい。また、電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、もともと流動性があるため、必ずしも溶剤を必要としない。
また、版の凹部への充填に適した流動性を得るために、これら樹脂は通常、溶剤に溶けたワニスとして使用する。溶剤の種類には特に制限はなく、一般的に印刷インキに用いられる溶剤を使用できる。溶剤の含有量は通常、10〜70質量%程度であるが、必要な流動性が得られる範囲でなるべく少ないほうが好ましい。また、電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、もともと流動性があるため、必ずしも溶剤を必要としない。
また、導電性組成物の流動性や安定性を改善するために、導電性や、プライマー層との密着性に悪影響を与えない限りにおいて適宜フィラーや増粘剤、界面活性剤、酸化防止剤などを添加してもよい。
(導電性組成物からなるパターン層の形成方法)
所定のパターンの導電性組成物からなるパターン層3を形成するには、導電性組成物を次のように凹版印刷する。
例えば、凹版の凹部のみにドクターブレードなどを利用して導電性組成物を充填し、これに液状プライマー層を片面に形成済みの透明基材を、該プライマー層が凹版に接する向きで加圧ローラで圧着するなどして該プライマー層を接触させて、接触している状態でプライマー層を液状から固体状に固化させた後、透明基材を凹版から離して離版させることで、透明基材上の固化したプライマー層上に導電性組成物を転移させて、印刷することができる。
所定のパターンの導電性組成物からなるパターン層3を形成するには、導電性組成物を次のように凹版印刷する。
例えば、凹版の凹部のみにドクターブレードなどを利用して導電性組成物を充填し、これに液状プライマー層を片面に形成済みの透明基材を、該プライマー層が凹版に接する向きで加圧ローラで圧着するなどして該プライマー層を接触させて、接触している状態でプライマー層を液状から固体状に固化させた後、透明基材を凹版から離して離版させることで、透明基材上の固化したプライマー層上に導電性組成物を転移させて、印刷することができる。
印刷後、つまり離版後、まだ液状であるパターン層3に対しては、乾燥操作、加熱操作、冷却操作、化学反応操作などを適宜行い、固化せしめて導電性のパターン層3を完成させる。例えば、乾燥操作は、導電性組成物中の溶剤など不要な揮発成分を除去するため、加熱操作は、該乾燥や導電性組成物の熱硬化などの必要な化学反応を促進させるため、冷却操作は、加熱熔融した熱可塑性樹脂の導電性組成物やプライマー層の固化促進のため、化学反応操作は、加熱によらない電離放射線照射などのその他の手段による導電性組成物やプライマー層の化学反応を進行させるために行う。
また、導電性組成物は、版上で半硬化固化させ離版後に完全硬化させてもよい。
また、導電性組成物は、版上で半硬化固化させ離版後に完全硬化させてもよい。
また、導電性組成物の固化は凹版接触中に行ってもよい。版接触中に導電性組成物を固化させるときは、凹版は導電性組成物に対しても賦形型として機能し、プライマー層も含めて凹版は完全な賦形型として用いることになる。この際、導電性組成物の固化方法はプライマー層で採用する固化方法と同じ方法でもよく、異なる方法でもよい。但し、例えば電離放射線照射など同じ方法を採用すれば、装置・工程的に簡素化でき、また類似の化学反応を採用すれば密着性の点でも有利である。
本発明では、このようにして印刷することで、凹版凹部内に充填された導電性組成物の上部に窪み(凹み)が生じても、液状で流動性のプライマー層を介して印刷するので、印刷中にプライマー層を該窪みに流し込み隙間なく密着させた状態にでき、その後、プライマー層を固化させてから透明基材を凹版から離すので、透明基材上に固化したプライマー層2を介して所定パターンのパターン層3を、細線でも、転移不足による断線や形状不良、インキ密着性不足などの印刷不良の発生なく形成できる。凹版印刷工程において、かくの如く凹版凹部内に充填されたインキの表面に生じる窪みをプライマー層が流入、充填する結果、得られた本発明の表示装置用前面フィルターは、図2に示す如く、プライマー層の厚みが、前記パターン層が形成されている部分の厚みTAが、前記パターン層が形成されていない部分の厚みTBよりも厚くなる。勿論、上記の如くの本発明特有のプライマー層の厚みと導電性組成物のパターン層の関係が得られる方法であれば、上記の特定の凹版印刷方法以外の方法によってもよい。
(パターン層とプライマー層の界面形態)
本発明における導電性組成物からなるパターン層3は、該パターン層3とプライマー層2の界面形態が図3〜5に示すような3つの態様をとり得るものであり、パターン層3とプライマー層2との界面において、両層の材料が相互に拡散し合って混在し、この界面状態が密着性、導電性組成物の転移性の点で好ましい結果を与えている。
本発明における導電性組成物からなるパターン層3は、該パターン層3とプライマー層2の界面形態が図3〜5に示すような3つの態様をとり得るものであり、パターン層3とプライマー層2との界面において、両層の材料が相互に拡散し合って混在し、この界面状態が密着性、導電性組成物の転移性の点で好ましい結果を与えている。
界面形態の第1態様は、図3に示すように、プライマー層2とパターン層3との界面11が、プライマー層2側とパターン層3側とに交互に入り組んだ形態である。
なお、この界面形態の第1態様において、入り組んだ界面は、全体としては中央が高い山型の断面形態となっている。
なお、この界面形態の第1態様において、入り組んだ界面は、全体としては中央が高い山型の断面形態となっている。
こうした界面形態の第1態様は、そもそも平坦面でない山型のプライマー層2上にパターン層3が形成されていることをもってしても密着性がよいのに加え、上記のように界面11が入り組んだ形態になっているので、所謂投錨効果により、プライマー層2とパターン層3との密着性が著しく高くなっている。さらに、こういう界面形態をとるゆえに、版凹部内に充填された導電性組成物がプライマー層2上に極めて高い転移率(ほぼ100%)で転写されるという格別の効果を備えている。
界面形態の第2態様は、図4に示すように、プライマー層2とパターン層3との界面11の近傍に、プライマー層に含まれるプライマー成分と、パターン層を構成する成分とが混合する領域21が存在している形態である。図4では界面が明確に現れているが、実際には、明瞭でない曖昧な界面が現れる。また、図4では混合領域21は、界面11を上下に挟むように存在する。この場合は、プライマー層中のプライマー成分とパターン層3中の任意の成分とが両層内に相互に侵入する場合である。なお、混合領域21は界面11の上側(透明基材とは反対側)に存在しても下側(透明基材側)に存在してもよい。混合領域21が界面11の上側に存在する場合としては、プライマー層中のプライマー成分がパターン層内に侵入し、パターン層中の成分がプライマー層内に侵入しない場合であり、一方、混合領域21が界面11の下側に存在する場合としては、パターン層中の任意の成分がプライマー層内に侵入し、プライマー層中のプライマー成分がパターン層内に侵入しない場合である。
こうした界面形態の第2態様も上記第1態様の場合と同様、そもそも平坦面でない山型のプライマー層2上にパターン層3が形成されていることをもってしても密着性がよいのに加え、上記のように界面11近傍に混合領域21を有するので、プライマー層2とパターン層3との密着性が著しく高くなっている。さらに、こういう界面形態をとるゆえに、版凹部内に充填された導電性組成物がプライマー層2上に極めて高い転移率(ほぼ100%)で転写されるという格別の効果を備えている。
界面形態の第3態様は、図5に示すように、パターン層3中に広く、プライマー層2に含まれるプライマー成分31が存在している形態である。図5ではプライマー成分31が界面11付近で多く、頂部に向かって少なくなって態様を模式的に表しているが、こうした態様には特に限定されない。プライマー成分31は、パターン層3の頂部から検出される程度にパターン層3内に侵入していてもよいし、主として界面近傍で検出される程度であってもよい。なお、第3態様において、特に、プライマー成分31がパターン層内に存在している領域が界面11の近傍に局在化している場合が、上記第2態様において混合領域が界面11の上側にのみ存在する形態に相当するといえる。
こうした界面形態の第3態様も上記第1及び第2形態の場合と同様、そもそも平坦面でない山型のプライマー層2上にパターン層3が形成されていることをもってしても密着性がよいのに加え、上記のようにプライマー成分31がパターン層3に侵入しているので、プライマー層2とパターン層3との密着性が著しく高くなっている。さらに、こういう界面形態をとるゆえに、版凹部内に充填された導電性組成物がプライマー層2上に極めて高い転移率(ほぼ100%)で転写されるという格別の効果を備えている。
本発明における導電性組成物からなるパターン層3とプライマー層2の界面11は、上記の第1〜第3態様の界面形態の特徴を少なくとも1つ有しているが、それらの特徴を2つ以上有していてもよく、3つの全てを有していてもよい。
(パターン層の黒化)
本発明における導電性組成物からなるパターン層3は、少なくとも透明基材1と反対側の表面に黒化層を有することが好ましい。
そして、該黒化層は、最外面が粗化されて光拡散性の微凹凸面であるニッケル柱状結晶集合体層6(図6参照)であることが好ましい。
被めっき物であるパターン層3の表面に形成されたニッケル柱状結晶集合体は、長手方向(柱の長さ方向)がめっき皮膜の厚さ方向に配向した多数の柱状結晶の集合体である。このような柱状結晶集合体であるゆえに、これをエッチング処理することにより、その表面が粗化して光拡散性の微凹凸面となり、黒色外観を呈することとなる。かかる表面のエッチング処理としては、例えば、塩化第2鉄水溶液からなる腐蝕液にて、最表面層近傍のみをエッチングすることにより得られる。
また、このような柱状結晶集合体は、無電解ニッケルめっき液処理により形成することができる。電解ニッケルめっき液処理、無電解銅めっき液処理など他のめっき液処理では柱状結晶集合体は形成されないため、エッチング処理しても黒色外観は得られない。このような柱状結晶化には、無電解ニッケルめっき液に含まれる次亜リン酸塩などに基づくリン(燐)の存在が必要なようである(ニッケル柱状結晶集合体中にも1〜2質量%程度リンが含まれる)。
かかるニッケル柱状結晶集合体層6は黒色外観を呈し、パターン層3の上面、すなわち画像観察者側の面に形成されて、日光、電灯光等の外来光が金属光沢を有するパターン層3表面で反射することに起因する、表示画像の白化、コントラスト低下を防止する機能を有する。また、ニッケル柱状結晶集合体層6はパターン層3の導電性組成物と協働して、十分な電磁波遮蔽機能を発現するだけの導電性を実現する。
パターン層3の表面を被覆するニッケル柱状結晶集合体層の膜厚は、2〜5μm程度であることが好ましい。膜厚が2μm未満であると導電性向上効果が不十分であり、膜厚が5μm以上であると導電性向上効果も飽和する。
本発明における導電性組成物からなるパターン層3は、少なくとも透明基材1と反対側の表面に黒化層を有することが好ましい。
そして、該黒化層は、最外面が粗化されて光拡散性の微凹凸面であるニッケル柱状結晶集合体層6(図6参照)であることが好ましい。
被めっき物であるパターン層3の表面に形成されたニッケル柱状結晶集合体は、長手方向(柱の長さ方向)がめっき皮膜の厚さ方向に配向した多数の柱状結晶の集合体である。このような柱状結晶集合体であるゆえに、これをエッチング処理することにより、その表面が粗化して光拡散性の微凹凸面となり、黒色外観を呈することとなる。かかる表面のエッチング処理としては、例えば、塩化第2鉄水溶液からなる腐蝕液にて、最表面層近傍のみをエッチングすることにより得られる。
また、このような柱状結晶集合体は、無電解ニッケルめっき液処理により形成することができる。電解ニッケルめっき液処理、無電解銅めっき液処理など他のめっき液処理では柱状結晶集合体は形成されないため、エッチング処理しても黒色外観は得られない。このような柱状結晶化には、無電解ニッケルめっき液に含まれる次亜リン酸塩などに基づくリン(燐)の存在が必要なようである(ニッケル柱状結晶集合体中にも1〜2質量%程度リンが含まれる)。
かかるニッケル柱状結晶集合体層6は黒色外観を呈し、パターン層3の上面、すなわち画像観察者側の面に形成されて、日光、電灯光等の外来光が金属光沢を有するパターン層3表面で反射することに起因する、表示画像の白化、コントラスト低下を防止する機能を有する。また、ニッケル柱状結晶集合体層6はパターン層3の導電性組成物と協働して、十分な電磁波遮蔽機能を発現するだけの導電性を実現する。
パターン層3の表面を被覆するニッケル柱状結晶集合体層の膜厚は、2〜5μm程度であることが好ましい。膜厚が2μm未満であると導電性向上効果が不十分であり、膜厚が5μm以上であると導電性向上効果も飽和する。
(表面調整層)
表面調整層4は、パターン層3の上に形成され、防眩層、反射防止層又はハードコート(硬質塗膜)層のいずれかから選択される層である。なお、ここでいう「いずれかから選択される」とは、これら例示の層の中から1層のみ選択する場合((例)防眩層のみ)の他、これら例示の層の中から2層選択する場合((例)防眩層の上に反射防止層を積層、ハードコート層の上に反射防止層を積層等)、或いはこれら例示の層の中から3層選択する場合((例)ハードコート層の上に、防眩層、及び反射防止層を順次積層)も包含する。
表面調整層4として防眩層(Anti Glare層、AG層)を採用する場合、公知の各種形態の採用が可能であり、透明樹脂層の表面にエンボス加工等によって光拡散性の微凹凸を賦形する形態、透明樹脂層中に光拡散剤粒子を含有、分散させた形態が代表的なものである。好適な形態としては、電離放射線硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂をバインダーとし、これに光拡散性粒子として無機フィラー又は有機フィラー(光拡散剤)を含有させ、これを塗膜化する形態が挙げられる。
バインダーに用いる樹脂としては、表面層として表面強度が望まれる場合には、硬化性アクリル樹脂や、上述の電離放射線硬化性樹脂が好適に用いられ、硬質塗膜層としての「機能を兼用することも可能である。
無機フィラーとしては、例えば平均粒子径が0.5〜10μm程度のシリカ粒子や、コロイド状シリカ粒子のアミン化合物による凝集物であって、平均粒子径が0.5〜10μm程度のものなどを挙げることができる。
また、有機フィラーとしては、例えばメラミン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、アクリル−スチレン系共重合体粒子、ポリカーボネート系粒子、ポリエチレン系粒子、ポリスチレン系粒子、ベンゾグアナミン系樹脂粒子などが挙げられる。これらの有機フィラーの平均粒径は、通常2〜10μm程度である。
これらの光拡散性粒子は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、防眩層中の含有量は、通常2〜15質量%、好ましくは3〜8質量%である。
表面調整層4は、パターン層3の上に形成され、防眩層、反射防止層又はハードコート(硬質塗膜)層のいずれかから選択される層である。なお、ここでいう「いずれかから選択される」とは、これら例示の層の中から1層のみ選択する場合((例)防眩層のみ)の他、これら例示の層の中から2層選択する場合((例)防眩層の上に反射防止層を積層、ハードコート層の上に反射防止層を積層等)、或いはこれら例示の層の中から3層選択する場合((例)ハードコート層の上に、防眩層、及び反射防止層を順次積層)も包含する。
表面調整層4として防眩層(Anti Glare層、AG層)を採用する場合、公知の各種形態の採用が可能であり、透明樹脂層の表面にエンボス加工等によって光拡散性の微凹凸を賦形する形態、透明樹脂層中に光拡散剤粒子を含有、分散させた形態が代表的なものである。好適な形態としては、電離放射線硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂をバインダーとし、これに光拡散性粒子として無機フィラー又は有機フィラー(光拡散剤)を含有させ、これを塗膜化する形態が挙げられる。
バインダーに用いる樹脂としては、表面層として表面強度が望まれる場合には、硬化性アクリル樹脂や、上述の電離放射線硬化性樹脂が好適に用いられ、硬質塗膜層としての「機能を兼用することも可能である。
無機フィラーとしては、例えば平均粒子径が0.5〜10μm程度のシリカ粒子や、コロイド状シリカ粒子のアミン化合物による凝集物であって、平均粒子径が0.5〜10μm程度のものなどを挙げることができる。
また、有機フィラーとしては、例えばメラミン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、アクリル−スチレン系共重合体粒子、ポリカーボネート系粒子、ポリエチレン系粒子、ポリスチレン系粒子、ベンゾグアナミン系樹脂粒子などが挙げられる。これらの有機フィラーの平均粒径は、通常2〜10μm程度である。
これらの光拡散性粒子は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、防眩層中の含有量は、通常2〜15質量%、好ましくは3〜8質量%である。
防眩層の厚さについては特に限定されるものではないが、通常、0.07〜20μm程度が好ましい。また、該防眩層の凹凸の平均間隔をSmとし、凹凸部の平均傾斜角をθaとし、凹凸の十点平均粗さをRzとした場合に、Smが60〜250μmであり、θaが0.3度〜1.0度であり、Rzが0.3〜1.0μmであることが好ましい。
なお、上記Sm、θa及びRzはJIS B0601 1994に準拠し、例えば、表面粗さ測定器((株)小坂研究所製「SE−3400」)で測定し得るものである。
なお、上記Sm、θa及びRzはJIS B0601 1994に準拠し、例えば、表面粗さ測定器((株)小坂研究所製「SE−3400」)で測定し得るものである。
また、表面調整層4として反射防止層(Anti Reflection層、AR層)を採用する場合、低屈折率層の単層、或いは、低屈折率層と高屈折率層とを、該低屈折率層が最上層に位置する様に交互に積層した多層構成が一般的であり、蒸着やスパッタ等の乾式成膜法で、或いは塗工等の湿式成膜法を利用して形成するものである。
低屈折率層及び高屈折率層の屈折率については、これらの層間で屈折率差があればよく特に限定されないが、低屈折率層の屈折率については、原理上は、低屈折率層の屈折率を直下の層(透明基材或いは高屈折率層)の屈折率の平方根に設定することが理想的である。透明基材或いは高屈折率層の屈折率が1.49〜2.10の範囲であるとした場合には、低屈折率層の屈折率は1.22〜1.45であることが好ましい。屈折率がこの範囲であると、十分な反射防止性能が得られるが、少々この設計値から外れても、相応の反射防止効果は期待できる。
低屈折率層及び高屈折率層の屈折率については、これらの層間で屈折率差があればよく特に限定されないが、低屈折率層の屈折率については、原理上は、低屈折率層の屈折率を直下の層(透明基材或いは高屈折率層)の屈折率の平方根に設定することが理想的である。透明基材或いは高屈折率層の屈折率が1.49〜2.10の範囲であるとした場合には、低屈折率層の屈折率は1.22〜1.45であることが好ましい。屈折率がこの範囲であると、十分な反射防止性能が得られるが、少々この設計値から外れても、相応の反射防止効果は期待できる。
低屈折率層を構成する材料としては、ケイ素酸化物、フッ化物、フッ素含有樹脂等が用いられ、具体的にはSiO2(屈折率n=1.45)、MgF2(屈折率n=1.38)、LiF(屈折率n=1.4)、3NaF・AlF3(屈折率n=1.4)、AlF3(屈折率n=1.4)、Na3AlF6(屈折率n=1.33)などがある。本発明においては、これらの無機材料を微粒子化し、熱硬化型樹脂、電離放射線硬化性樹等のバインダー樹脂中に分散した材料が、容易に低屈折率層5を設けることができる点で好ましい。
低屈折率層の形成方法としては、まず上記で述べた材料の微粒子を例えば溶剤に希釈し、スピンコーティング、ロールコーティング、印刷等によって塗布し、次いで、乾燥後、熱や電離放射線(紫外線の場合は上述の光重合開始剤を使用する)等により硬化させて形成する湿式コーティング法や、真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVD、イオンプレーティング等による気相法によって、低屈折率層形成材料の薄膜を直接堆積、積層させて形成する乾式コーティング法によって得ることができる。
低屈折率層の形成方法としては、まず上記で述べた材料の微粒子を例えば溶剤に希釈し、スピンコーティング、ロールコーティング、印刷等によって塗布し、次いで、乾燥後、熱や電離放射線(紫外線の場合は上述の光重合開始剤を使用する)等により硬化させて形成する湿式コーティング法や、真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVD、イオンプレーティング等による気相法によって、低屈折率層形成材料の薄膜を直接堆積、積層させて形成する乾式コーティング法によって得ることができる。
また、低屈折率層には、空隙を有する微粒子を用いても良い。空隙を有する微粒子とは、微粒子の内部に低屈折率の該気体としては、例えば空気(屈折率=1.00)が挙げられる。気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を形成し、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の気体の占有率に反比例して屈折率が低下する微粒子を意味する。微粒子の形態、構造、凝集状態、塗膜内部での微粒子の分散状態により、内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。空隙を有する微粒子は、無機物、有機物のいずれでもあってよく、例えば、金属、金属酸化物、樹脂からなるものが挙げられ、好ましくは、酸化珪素(シリカ)微粒子が挙げられる。
さらに、5〜30nmのシリカ超微粒子を水もしくは有機溶剤に分散したゾルとフッ素系の皮膜形成剤を混合した材料を使用することもできる。該5〜30nmのシリカ超微粒子を水もしくは有機溶剤に分散したゾルは、ケイ酸アルカリ塩中のアルカリ金属イオンをイオン交換等で脱アルカリする方法や、ケイ酸アルカリ塩を鉱酸で中和する方法等で知られた活性ケイ酸を縮合して得られる公知のシリカゾル、アルコキシシランを有機溶媒中で塩基性触媒の存在下に加水分解と縮合することにより得られる公知のシリカゾル、さらには上記の水性シリカゾル中の水を蒸留法等により有機溶剤に置換することにより得られる有機溶剤系のシリカゾル(オルガノシリカゾル)が用いられる。これらのシリカゾルは水系及び有機溶剤系のどちらでも使用することができる。有機溶剤系シリカゾルの製造に際し、完全に水を有機溶剤に置換する必要はない。前記シリカゾルはSiO2として0.5〜50質量%濃度の固形分を含有する。シリカゾル中のシリカ超微粒子の構造は球状、針状、板状等様々なものが使用可能である。
反射防止層(低屈折率層)の厚みは、反射率最小となる光波長(反射防止層の残留色)を決定する。低屈折率層の厚みは、低屈折率層の光学厚み(屈折率×幾何学的厚み)が所望の反射率最小としたい光波長の1/4となるように、低屈折率層の幾何学的厚みを設定する。可視光線の波長を380nm〜780nm、低屈折率層の屈折率が1.22〜1.45とすると、低屈折率層の幾何学的厚みは66〜160nmの範囲となる。
なお、本発明の画像表示装置用前面フィルターにおいては、上記低屈折率層と防眩層の両者を設けることもできる。
反射防止層(低屈折率層)の厚みは、反射率最小となる光波長(反射防止層の残留色)を決定する。低屈折率層の厚みは、低屈折率層の光学厚み(屈折率×幾何学的厚み)が所望の反射率最小としたい光波長の1/4となるように、低屈折率層の幾何学的厚みを設定する。可視光線の波長を380nm〜780nm、低屈折率層の屈折率が1.22〜1.45とすると、低屈折率層の幾何学的厚みは66〜160nmの範囲となる。
なお、本発明の画像表示装置用前面フィルターにおいては、上記低屈折率層と防眩層の両者を設けることもできる。
本発明において表面調整層4として使用することができるハードコート層は、透明性を有し、JISK5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものであれば、材料等は特に制限されない。
通常は樹脂硬化層として形成され、用いられる硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂などを要求性能などに応じて適宜採用すればよい。電離放射線硬化性樹脂としては前述のものと同様のものを用いることができる。ハードコート層は、上記材料を必要に応じて溶剤で希釈して、表面側透明基材2上に塗工等の湿式成膜法により形成することができる。ハードコート層の厚みは特に限定されるものではないが、1〜20μmの範囲が好ましく、3〜5μmの範囲がより好ましい。
なお、耐汚染性向上の観点から、該ハードコート層上に更に、防汚染層を設けることができる。シリコーン系化合物、フッ素系化合物などを適宜バインダー樹脂中に添加した塗料組成物をハードコート層上に塗工形成する。
また、防汚染層として、本発明の画像表示装置用フィルターを使用する際に、その表面に不用意な接触や環境からの汚染が原因でごみや汚染物質が付着するのを防止し、あるいは付着しても除去しやすくするために形成される層であっても良い。これらの防汚染層としての厚さは好ましくは100nm以下で、より好ましくは10nm以下であり、更に好ましくは5nm以下である。これらの防汚染層の厚さが100nmを超えると防汚染性の初期値は優れているが、耐久性において劣るものとなる。防汚染性とその耐久性のバランスから5nm以下が最も好ましい。
通常は樹脂硬化層として形成され、用いられる硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂などを要求性能などに応じて適宜採用すればよい。電離放射線硬化性樹脂としては前述のものと同様のものを用いることができる。ハードコート層は、上記材料を必要に応じて溶剤で希釈して、表面側透明基材2上に塗工等の湿式成膜法により形成することができる。ハードコート層の厚みは特に限定されるものではないが、1〜20μmの範囲が好ましく、3〜5μmの範囲がより好ましい。
なお、耐汚染性向上の観点から、該ハードコート層上に更に、防汚染層を設けることができる。シリコーン系化合物、フッ素系化合物などを適宜バインダー樹脂中に添加した塗料組成物をハードコート層上に塗工形成する。
また、防汚染層として、本発明の画像表示装置用フィルターを使用する際に、その表面に不用意な接触や環境からの汚染が原因でごみや汚染物質が付着するのを防止し、あるいは付着しても除去しやすくするために形成される層であっても良い。これらの防汚染層としての厚さは好ましくは100nm以下で、より好ましくは10nm以下であり、更に好ましくは5nm以下である。これらの防汚染層の厚さが100nmを超えると防汚染性の初期値は優れているが、耐久性において劣るものとなる。防汚染性とその耐久性のバランスから5nm以下が最も好ましい。
(粘着剤層)
粘着剤層5は、透明基材1の裏面側に形成され、本発明の画像表示装置用前面フィルターを画像表示装置本体又は画像表示装置基板に接着する役割を有すると共に、後述の各種吸收剤を含有させるのに好ましい層である。
粘着剤層5は、透明基材1の裏面側に形成され、本発明の画像表示装置用前面フィルターを画像表示装置本体又は画像表示装置基板に接着する役割を有すると共に、後述の各種吸收剤を含有させるのに好ましい層である。
粘着剤層5に用いる粘着剤としては、基本的には特に制限はなく、公知の粘着剤の中から、粘着性(接着力)、透明性、塗工適性などを有し、またそれ自体好ましくは無着色のものを適宜選択する。このような粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤などが挙げられる。
ここで、アクリル系粘着剤について更に詳述する。
アクリル系粘着剤としては、モノマーとして少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステルのモノマー(単量体)を重合させた重合体を用いることができる。該重合体としては、炭素原子数1〜18程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体を用いるのが粘着剤としては一般的である。なお、本願明細書において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。また、同じように、以下の(メタ)アクリレートなどもアクリレート又はメタクリレートを意味する。
ここで、アクリル系粘着剤について更に詳述する。
アクリル系粘着剤としては、モノマーとして少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステルのモノマー(単量体)を重合させた重合体を用いることができる。該重合体としては、炭素原子数1〜18程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体を用いるのが粘着剤としては一般的である。なお、本願明細書において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。また、同じように、以下の(メタ)アクリレートなどもアクリレート又はメタクリレートを意味する。
上記のようなモノマーを利用した重合体として、単独重合体や共重合体の具体例を挙げれば、次の様なものを挙げることができる。
例えば、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの単独重合体、つまり(メタ)アクリル酸エステル単独重合体としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸オクチル等が挙げられる。
また、上記アクリル酸エステルモノマー2種以上からなる共重合体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー1種以上とその他モノマー1種以上との共重合体を用いることもできる。その他モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2ヒドロキシ3フェニルオキシプロピル等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等のカルボキシル基を有するビニルモノマー、エチレン、スチレン等が挙げられる。
かかる上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー1種以上とその他モノマー1種以上との共重合体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシ3フェニルオキシプロピル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−エチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル−スチレン共重合体が挙げられる。
例えば、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの単独重合体、つまり(メタ)アクリル酸エステル単独重合体としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸オクチル等が挙げられる。
また、上記アクリル酸エステルモノマー2種以上からなる共重合体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー1種以上とその他モノマー1種以上との共重合体を用いることもできる。その他モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2ヒドロキシ3フェニルオキシプロピル等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等のカルボキシル基を有するビニルモノマー、エチレン、スチレン等が挙げられる。
かかる上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー1種以上とその他モノマー1種以上との共重合体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシ3フェニルオキシプロピル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−エチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル−スチレン共重合体が挙げられる。
本発明の粘着剤層5は、前記粘着剤を適当な溶剤に溶解させた粘着剤溶液からなる塗工液を透明基材1の裏面側に塗工し、塗膜を形成させた後、乾燥させることにより形成される。
溶剤としては、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、メチルイソブチルケトン、イソホロンなどのケトン;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤などが挙げられる。
溶剤としては、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、メチルイソブチルケトン、イソホロンなどのケトン;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤などが挙げられる。
これら粘着剤層5の厚さとしては、5〜800μmの範囲が好ましい。厚さが5μm以上であると、粘着剤としての機能を十分に果たし、硝子基板又は画像表示装置等との十分な接着を得ることができるとともに、所定の吸收剤を添加することによって近赤外線等の所定の不要輻射を十分に吸収することができる。粘着剤層5の厚さは10〜500μmの範囲がさらに好ましく、20〜300μmの範囲が特に好ましい。なお、粘着剤層5の厚さを変えることで近赤外線等の所定の不要輻射の吸収効率を制御することができる。なお、粘着剤層5は、被着体との充分な接着力の確保、及び被着体と画像表示装置用前面フィルターとの間への気泡混入防止の観点から、図1の如く、導電性組成物のパターン層4の凹凸を完全に充填し、該粘着剤層の表面(図1においては下方)が平坦面となるように塗工することが好ましい。また、粘着剤層5の厚さを200μm以上とすることにより、画像表示装置に加わる衝撃力を吸收緩和する耐衝撃層としての機能を持たせることもできる。
本発明においては、粘着剤層、透明基材、プライマー層又は表面調整層のいずれか1層以上に、近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤、調色光吸収剤又は紫外線吸収剤の中から選択されるいずれか1種以上の吸収剤を含有させることにより、本発明の画像表示装置用前面フィルターに、所望の光学フィルター機能を持たせる。前記の如く、これらを添加するのに最も好適な層は粘着剤層5である。
(近赤外線吸収剤)
近赤外線吸収剤は、本発明の画像表示装置用前面フィルターの代表的な用途であるPDPに適用する場合、PDPがキセノンガス放電を利用して発光する際に生じる近赤外線領域、即ち、800nm〜1100nmの波長領域を吸収し、且つ可視光領域、即ち、380nm〜780nmの波長領域では吸収が少なくて十分な光線透過率を有する色素が好ましい。そして、粘着剤層5に添加する場合、上記近赤外線領域での近赤外線の吸収量が、透過率でいえば20%以下、更に好ましくは10%以下となるように、近赤外線吸収剤の種類、近赤外線吸収剤の粘着剤層中での含有量、及び粘着剤層の厚み等を設定するのが好ましい。
このような近赤外線吸収剤としては、具体的には、フタロシアニン系、イモニウム系、ジイモニウム系、ジチオール金屬錯体、シアニン系化合物、アゾ化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物系等の有機系化合物からなる有機系近赤外線吸收剤、或いは金属酸化物、金属ホウ(硼)化物、金属窒化物などの無機系化合物から成る無機系近赤外線吸收剤が挙げられ、耐久性の面から、無機系近赤外線吸收剤が好ましい。
金属酸化物としては、例えば、酸化タングステン系化合物、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化セシウムなどの微粒子が挙げられる。十分な可視光線透明性を発現せしめる為には、平均粒子径は可視光線の最低波長である380nm以下、特に平均粒子径40〜200nmのものが好ましい。
金属ホウ化物としては、多ホウ化金属化合物が好ましく、具体的には、ホウ化ランタン(LaB6)、ホウ化プラセオジウム(PrB6)、ホウ化ネオジウム(NdB6)、ホウ化セリウム(CeB6)、ホウ化イットリウム(YB6)、ホウ化チタン(TiB6)、ホウ化ジルコニウム(ZrB6)、ホウ化ハフニウム(HfB6)、ホウ化バナジウム(VB6)、ホウ化タンタル(TaB6)、ホウ化クロム(CrB、CrB6)、ホウ化モリブデン(MoB6、Mo2B5、MoB)、ホウ化タングステン(W2B5)などが挙げられ、また、金属窒化物としては、窒化チタン、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化バナジウムなどが挙げられる。
これらの中で、近赤外線の高吸収率と可視光線の高透過率との両立性、及び高湿高湿度条件下における分光透過率特性の変化に対する耐久性の点から、特開2006−154516号公報等記載の酸化タングステン系化合物が好ましく、特にセシウム含有酸化タングステンが、近赤外線吸収能が高いことから特に好適である。
上記近赤外線吸収剤の含有量は、吸収層中に0.1〜15質量%程度であることが好ましい。
近赤外線吸収剤は、本発明の画像表示装置用前面フィルターの代表的な用途であるPDPに適用する場合、PDPがキセノンガス放電を利用して発光する際に生じる近赤外線領域、即ち、800nm〜1100nmの波長領域を吸収し、且つ可視光領域、即ち、380nm〜780nmの波長領域では吸収が少なくて十分な光線透過率を有する色素が好ましい。そして、粘着剤層5に添加する場合、上記近赤外線領域での近赤外線の吸収量が、透過率でいえば20%以下、更に好ましくは10%以下となるように、近赤外線吸収剤の種類、近赤外線吸収剤の粘着剤層中での含有量、及び粘着剤層の厚み等を設定するのが好ましい。
このような近赤外線吸収剤としては、具体的には、フタロシアニン系、イモニウム系、ジイモニウム系、ジチオール金屬錯体、シアニン系化合物、アゾ化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物系等の有機系化合物からなる有機系近赤外線吸收剤、或いは金属酸化物、金属ホウ(硼)化物、金属窒化物などの無機系化合物から成る無機系近赤外線吸收剤が挙げられ、耐久性の面から、無機系近赤外線吸收剤が好ましい。
金属酸化物としては、例えば、酸化タングステン系化合物、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化セシウムなどの微粒子が挙げられる。十分な可視光線透明性を発現せしめる為には、平均粒子径は可視光線の最低波長である380nm以下、特に平均粒子径40〜200nmのものが好ましい。
金属ホウ化物としては、多ホウ化金属化合物が好ましく、具体的には、ホウ化ランタン(LaB6)、ホウ化プラセオジウム(PrB6)、ホウ化ネオジウム(NdB6)、ホウ化セリウム(CeB6)、ホウ化イットリウム(YB6)、ホウ化チタン(TiB6)、ホウ化ジルコニウム(ZrB6)、ホウ化ハフニウム(HfB6)、ホウ化バナジウム(VB6)、ホウ化タンタル(TaB6)、ホウ化クロム(CrB、CrB6)、ホウ化モリブデン(MoB6、Mo2B5、MoB)、ホウ化タングステン(W2B5)などが挙げられ、また、金属窒化物としては、窒化チタン、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化バナジウムなどが挙げられる。
これらの中で、近赤外線の高吸収率と可視光線の高透過率との両立性、及び高湿高湿度条件下における分光透過率特性の変化に対する耐久性の点から、特開2006−154516号公報等記載の酸化タングステン系化合物が好ましく、特にセシウム含有酸化タングステンが、近赤外線吸収能が高いことから特に好適である。
上記近赤外線吸収剤の含有量は、吸収層中に0.1〜15質量%程度であることが好ましい。
(ネオン光吸収剤)
ネオン光吸収剤は、本発明の画像表示装置用前面フィルターの代表的な用途であるPDPに適用する場合、PDPから放射されるネオン光を吸収させる色素である。該ネオン光は、ネオン原子の発光スペクトル帯域、即ち550〜640nmの波長領域(ネオン光領域)を吸収し、且つ該波長領域を除いた可視光領域380nm〜780nmの波長領域中ではなるべく吸収が少なくて十分な光線透過率を有する色素が好ましい。
そして、粘着剤層5に添加する場合、上記Ne光領域の中心波長を590nmとすれば、該590nmにおける光線の透過率が50%以下になるように、ネオン光吸収剤、ネオン光吸収剤の粘着剤層中での含有量、及び粘着剤層の厚み等を設定するのが好ましい。
このようなネオン光吸収剤としては、具体的には、シアニン系、オキソノール系、メチン系、サブフタロシアニン系もしくはポルフィリン系等が挙げられる。これらの中でもポルフィリン系が好ましく、中でも、テトラアザポルフィリン系色素が、分散性が良好で、且つ耐熱性、耐湿性、耐光性が良好な点から好ましい。
ネオン光吸収剤の含有量は、ネオン光吸収層中に、0.05〜5質量%であることが好ましい。含有量が0.05質量%以上であれば充分なネオン光吸収機能を発現でき、5質量%以下であれば、充分な量の可視光線を透過できる。
ネオン光吸収剤は、本発明の画像表示装置用前面フィルターの代表的な用途であるPDPに適用する場合、PDPから放射されるネオン光を吸収させる色素である。該ネオン光は、ネオン原子の発光スペクトル帯域、即ち550〜640nmの波長領域(ネオン光領域)を吸収し、且つ該波長領域を除いた可視光領域380nm〜780nmの波長領域中ではなるべく吸収が少なくて十分な光線透過率を有する色素が好ましい。
そして、粘着剤層5に添加する場合、上記Ne光領域の中心波長を590nmとすれば、該590nmにおける光線の透過率が50%以下になるように、ネオン光吸収剤、ネオン光吸収剤の粘着剤層中での含有量、及び粘着剤層の厚み等を設定するのが好ましい。
このようなネオン光吸収剤としては、具体的には、シアニン系、オキソノール系、メチン系、サブフタロシアニン系もしくはポルフィリン系等が挙げられる。これらの中でもポルフィリン系が好ましく、中でも、テトラアザポルフィリン系色素が、分散性が良好で、且つ耐熱性、耐湿性、耐光性が良好な点から好ましい。
ネオン光吸収剤の含有量は、ネオン光吸収層中に、0.05〜5質量%であることが好ましい。含有量が0.05質量%以上であれば充分なネオン光吸収機能を発現でき、5質量%以下であれば、充分な量の可視光線を透過できる。
(調色光吸収剤)
調色光吸収剤は、表示画像を好みの色調(天然色、或いは天然色から多少偏移した色)に補正する為の色素である。このような調色光吸収剤としては、有機系色素、無機系色素などを1種単独使用、又は2種以上併用することができる。具体的には、アントラキノン系、ナフタレン系、アゾ系、フタロシアニン系、ピロメテン系、テトラアザポルフィリン系、スクアリリウム系、シアニン系等の色素が挙げられる。
調色光吸収剤の含有量は、補正すべき色に合わせて適宜調整され、特に限定されない。通常、調色層中に0.01〜10質量%程度含有する。
調色光吸収剤は、表示画像を好みの色調(天然色、或いは天然色から多少偏移した色)に補正する為の色素である。このような調色光吸収剤としては、有機系色素、無機系色素などを1種単独使用、又は2種以上併用することができる。具体的には、アントラキノン系、ナフタレン系、アゾ系、フタロシアニン系、ピロメテン系、テトラアザポルフィリン系、スクアリリウム系、シアニン系等の色素が挙げられる。
調色光吸収剤の含有量は、補正すべき色に合わせて適宜調整され、特に限定されない。通常、調色層中に0.01〜10質量%程度含有する。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、例えば、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、トリアジン系等の有機系化合物、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどを微粒子化した粉体、あるいは二酸化チタン微粒子を酸化鉄で複合化処理してなるハイブリッド無機粉体、酸化セリウム微粒子の表面を非結晶性シリカでコーティングしてなるハイブリッド無機粉体等の無機系化合物からなる公知の化合物を用いることができる。
なお、紫外線吸収剤を添加する場合、他の吸収剤(色素)を外来光から保護するために、他の吸収剤(色素)を添加した層と同じ層か、或いはその層よりも観察者側に近い層に添加する。また、耐光性が堅牢な色素を使用する場合は、紫外線吸収剤の添加は不要である。
紫外線吸収剤としては、例えば、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、トリアジン系等の有機系化合物、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどを微粒子化した粉体、あるいは二酸化チタン微粒子を酸化鉄で複合化処理してなるハイブリッド無機粉体、酸化セリウム微粒子の表面を非結晶性シリカでコーティングしてなるハイブリッド無機粉体等の無機系化合物からなる公知の化合物を用いることができる。
なお、紫外線吸収剤を添加する場合、他の吸収剤(色素)を外来光から保護するために、他の吸収剤(色素)を添加した層と同じ層か、或いはその層よりも観察者側に近い層に添加する。また、耐光性が堅牢な色素を使用する場合は、紫外線吸収剤の添加は不要である。
(画像表示装置用前面フィルターの製造)
本発明の画像表示装置用前面フィルターの代表的な製造方法の1例を以下に示す。
まず、前述した材料、方法により、透明基材1の一方の面に、プライマー層2、導電性組成物からなるパターン層3を形成し、さらに好ましくはパターン層3の表面を最外面が粗化されて光拡散性の微凹凸面であるニッケル柱状結晶集合体層6で被覆する。そして、さらにその上に、防眩層、反射防止層又はハードコート層のいずれかから選択された表面調整層4を形成する。
一方で、前記粘着剤を適当な溶剤に溶解させた粘着剤溶液に、近赤外線吸收剤、ネオン光吸收剤、調色光吸收剤及び紫外線吸收剤から選択される1種以上を含有させた粘着剤層形成用の塗工液を準備する。塗工液の濃度、粘度については、コーティング可能な濃度、粘度であればよく、特に制限されない。
本発明の画像表示装置用前面フィルターの代表的な製造方法の1例を以下に示す。
まず、前述した材料、方法により、透明基材1の一方の面に、プライマー層2、導電性組成物からなるパターン層3を形成し、さらに好ましくはパターン層3の表面を最外面が粗化されて光拡散性の微凹凸面であるニッケル柱状結晶集合体層6で被覆する。そして、さらにその上に、防眩層、反射防止層又はハードコート層のいずれかから選択された表面調整層4を形成する。
一方で、前記粘着剤を適当な溶剤に溶解させた粘着剤溶液に、近赤外線吸收剤、ネオン光吸收剤、調色光吸收剤及び紫外線吸收剤から選択される1種以上を含有させた粘着剤層形成用の塗工液を準備する。塗工液の濃度、粘度については、コーティング可能な濃度、粘度であればよく、特に制限されない。
上記で製造した、導電性組成物からなるパターン層3等を形成した透明基材1の裏面側に上記塗工液を塗工し、塗膜を形成させた後、乾燥させることにより、粘着剤層が形成され、本発明の画像表示装置用前面フィルターが製造される。
上記粘着剤層形成用塗工液を塗工する方法としては、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、コンマコート、グラビアコート法などを用いることができる。
上記粘着剤層形成用塗工液を塗工する方法としては、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、コンマコート、グラビアコート法などを用いることができる。
本発明の画像表示装置用前面フィルターは、プラズマディスプレイ(PDP)、ブラウン管ディスプレイ(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)などの画像表示装置用として好適であり、特にプラズマディスプレイ用として好適である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例により何ら限定されるものではない。
実施例1
(1)粘着剤層形成用塗工液の調製
酸価6.8のアクリル系粘着剤(商品名:SK2094、綜研化学(株)製)に、近赤外線吸收剤としてセシウムタングステン酸化物(Cs0.33WO3)含有量18.5質量%のMIBK分散液(商品名:YMF−01、平均分散粒径44nm、住友金属鉱山(株)製)を10質量%添加し、ネオン光吸收剤としてテトラアザポルフィリン系色素(商品名TAP−2 山田化学株式会社製)を0.009重量%、調色光吸収剤として着色色素(商品名Plast red 8320 有本化学株式会社製)0.005質量%添加し、及び紫外線吸收剤としてベンゾトリアゾール系化合物を0.4質量%添加した。更にMIBKを40質量%添加し撹拌、混合する。これに硬化剤(商品名:E‐5XM、綜研化学(株)製)を添加して、透明粘着剤層5形成用の塗工液を調製した。
(2)パターン状の電磁波遮蔽層の形成
片面に易接着処理がされた幅1000mmで厚さ100μmの長尺ロール巻ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる透明基材1を繰り出し、易接着処理面にプライマー層2形成用の未硬化で流動状態の電離放射線硬化性組成物を厚さ8μmとなるように塗布形成した。塗布方式は、通常のグラビアリバース法を採用し、電離放射線硬化性組成物としては、エポキシアクリレートプレポリマー40質量部、単官能モノマー(フェノキシエチルアクリレートからなる親水性でない単官能アクリレートモノマー混合物)53質量部、3官能モノマー(エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレート)7質量部、さらに光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ))3質量部添加したものを使用した。塗布後の電離放射線硬化性プライマー層は触ると流動性を示すものの、PETフィルム上から流れ落ちることはなかった。
一方で、線幅が20μmで線ピッチが300μm、版深10μmの正方格子状のメッシュパターンとなる凹部が形成された金属製凹版ロールの版面に、金属微粒子として平均粒径約2μmの鱗片状銀粒子93質量部、バインダー樹脂として熱可塑性のポリエステルウレタン樹脂7質量部、溶剤としてブチルカルビトールアセテート25質量部からなる金属ペーストをピックアップロールで塗布し、ドクターブレードで凹部内以外の金属ペーストを掻き取って凹部内のみに金属ペーストを充填させた。なお、該凹部内に充填された金属ペースト表面にはメニスカス状の凹みを生じていた。
そして、金属ペーストを凹部内に充填させた状態の凹版ロールと、ニップロールとの間に、プライマー層が形成されたPETフィルムを供し、凹版ロールに対するニップロールの押圧力(付勢力)によって、電離放射線硬化性プライマー層を凹部内に存在する金属ペーストの該凹みに流入させ、金属ペーストと電離放射線硬化性プライマー層とを隙間なく密着させると共に、該プライマーの一部を該金属ペースト内部に侵入、混在せしめた。
その後、水銀灯からなるUVランプによって紫外線が照射され、電離放射線硬化性組成物からなるプライマー層が硬化(固化)する。プライマー層の硬化により、凹版ロールの凹部内の金属ペーストはプライマー層と密着し、その後、フィルム及び硬化したプライマー層とが凹版ロールから剥離され、該プライマー層上には金属ペーストが転写形成される。このようにして得られた転写フィルムを、110℃の乾燥ゾーンを通過させて銀ペーストの溶剤を蒸発させて固化せしめ、プライマー層2上にメッシュパターンからなるパターン層3を形成した。このときのパターン層3の厚さ(導電材料層が形成されているメッシュパターン部分とそれ以外の部分との厚さの差)は9μmであり、版の凹部内の銀ペーストが高い転移率((転移した金属ペーストの高さ/版凹部深度)の比で定義した転移率は(9/10)×10=90%)で転移していた。また、断線や形状不良も見られなかった。
その中間部材のパターン層3の厚みは9μm、表面抵抗は1.0Ω/□であった。
次に、パターン層3の表面を、無電解ニッケルめっき液を用い、浴温60℃、処理時間35分間で無電解処理した。該めっき液は、酢酸2.8%、硫酸ニッケル6水和物8.8%、次亜燐酸ナトリウム1水和物7.1%、錯化剤9.2%、イオン交換水72.1%の混合物で、原液を250ml/Lになるように希釈して使用した。濃度は230ml/Lであった。その時にpHは6.5であった。
得られたリン1.5質量%含有ニッケル皮膜の膜厚(無電解ニッケルめっきによる導電性メッシュの厚みの増加)は、4.1μmであった。
その後、エッチング(腐蝕)液を用い、浴温25℃、処理時間30秒で化成処理した。該エッチング液は、塩化第2鉄38%、塩酸0.12%、イオン交換水61.88%の混合物で、原液を2倍希釈(500ml/L)で使用し、パターン層3の表面に、最外面が光拡散性の微凹凸面を有するニッケル柱状結晶集合体層層6を形成した。そして、該パターン層3及び該ニッケル柱状結晶集合体層6とでメッシュパターン状の電磁波遮蔽層を構成した。
エッチング前の電磁波遮蔽層の外観色は灰色、エッチング後の電磁波遮蔽層の外観色は黒色、エッチング後の電磁波遮蔽層の表面抵抗は0.6Ω/□であった。
(3)表面調整層の形成
表面調整層4を、ダイコート法によって、上記のニッケル柱状結晶集合体層6が形成された黒化処理パターン層3(導電体メッシュ層)上に、その接地用領域は被覆せずメッシュ領域は被覆するように部分的に形成した。具体的には、先ず、電離放射線硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを100質量部(日本化薬(株)製)と、光硬化開始剤として商品名イルガキュア184を4.0質量部(チバガイギ(株)製)と、溶剤としてメチルイソブチルケトンを52質量部とを、十分混合して、表面調整層形成用の塗工液を調製した。
次に、上記導電性組成物からなる黒化処理パターン層3(導電体メッシュ層)の上から、該塗布液を、ドライにて膜厚10μmとなるようにダイコーターを用いて塗工した後、50℃のオーブンで加熱乾燥させ、N2雰囲気下でUV照射装置(フィージョンUVシステムジャパン(株)製)のHバルブを光源に用いて硬化し(積算光量200mj)て、ハードコート層となる単層の表面調整層4を形成した。
(4)画像表示装置用前面フィルターの製造
(3)で製造した透明基材1上に、プライマー層2、(黒化処理された)導電性組成物からなるパターン層3、表面調整層4をこの順に形成した積層体の裏面側に上記(1)で調製した透明粘着剤層形成用の粘着剤形成用塗工液を乾燥後の厚さが25μmとなるように、マイヤーバーNo.16で塗布した。次いで、90℃で1分間熱乾乾燥して、近赤外線吸收剤、ネオン光吸收剤、調色光吸收剤、及び紫外線吸收剤を含有してなる透明粘着剤層5とした。
かくして本発明の画像表示装置用前面フィルターを製造した。
(1)粘着剤層形成用塗工液の調製
酸価6.8のアクリル系粘着剤(商品名:SK2094、綜研化学(株)製)に、近赤外線吸收剤としてセシウムタングステン酸化物(Cs0.33WO3)含有量18.5質量%のMIBK分散液(商品名:YMF−01、平均分散粒径44nm、住友金属鉱山(株)製)を10質量%添加し、ネオン光吸收剤としてテトラアザポルフィリン系色素(商品名TAP−2 山田化学株式会社製)を0.009重量%、調色光吸収剤として着色色素(商品名Plast red 8320 有本化学株式会社製)0.005質量%添加し、及び紫外線吸收剤としてベンゾトリアゾール系化合物を0.4質量%添加した。更にMIBKを40質量%添加し撹拌、混合する。これに硬化剤(商品名:E‐5XM、綜研化学(株)製)を添加して、透明粘着剤層5形成用の塗工液を調製した。
(2)パターン状の電磁波遮蔽層の形成
片面に易接着処理がされた幅1000mmで厚さ100μmの長尺ロール巻ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる透明基材1を繰り出し、易接着処理面にプライマー層2形成用の未硬化で流動状態の電離放射線硬化性組成物を厚さ8μmとなるように塗布形成した。塗布方式は、通常のグラビアリバース法を採用し、電離放射線硬化性組成物としては、エポキシアクリレートプレポリマー40質量部、単官能モノマー(フェノキシエチルアクリレートからなる親水性でない単官能アクリレートモノマー混合物)53質量部、3官能モノマー(エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレート)7質量部、さらに光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ))3質量部添加したものを使用した。塗布後の電離放射線硬化性プライマー層は触ると流動性を示すものの、PETフィルム上から流れ落ちることはなかった。
一方で、線幅が20μmで線ピッチが300μm、版深10μmの正方格子状のメッシュパターンとなる凹部が形成された金属製凹版ロールの版面に、金属微粒子として平均粒径約2μmの鱗片状銀粒子93質量部、バインダー樹脂として熱可塑性のポリエステルウレタン樹脂7質量部、溶剤としてブチルカルビトールアセテート25質量部からなる金属ペーストをピックアップロールで塗布し、ドクターブレードで凹部内以外の金属ペーストを掻き取って凹部内のみに金属ペーストを充填させた。なお、該凹部内に充填された金属ペースト表面にはメニスカス状の凹みを生じていた。
そして、金属ペーストを凹部内に充填させた状態の凹版ロールと、ニップロールとの間に、プライマー層が形成されたPETフィルムを供し、凹版ロールに対するニップロールの押圧力(付勢力)によって、電離放射線硬化性プライマー層を凹部内に存在する金属ペーストの該凹みに流入させ、金属ペーストと電離放射線硬化性プライマー層とを隙間なく密着させると共に、該プライマーの一部を該金属ペースト内部に侵入、混在せしめた。
その後、水銀灯からなるUVランプによって紫外線が照射され、電離放射線硬化性組成物からなるプライマー層が硬化(固化)する。プライマー層の硬化により、凹版ロールの凹部内の金属ペーストはプライマー層と密着し、その後、フィルム及び硬化したプライマー層とが凹版ロールから剥離され、該プライマー層上には金属ペーストが転写形成される。このようにして得られた転写フィルムを、110℃の乾燥ゾーンを通過させて銀ペーストの溶剤を蒸発させて固化せしめ、プライマー層2上にメッシュパターンからなるパターン層3を形成した。このときのパターン層3の厚さ(導電材料層が形成されているメッシュパターン部分とそれ以外の部分との厚さの差)は9μmであり、版の凹部内の銀ペーストが高い転移率((転移した金属ペーストの高さ/版凹部深度)の比で定義した転移率は(9/10)×10=90%)で転移していた。また、断線や形状不良も見られなかった。
その中間部材のパターン層3の厚みは9μm、表面抵抗は1.0Ω/□であった。
次に、パターン層3の表面を、無電解ニッケルめっき液を用い、浴温60℃、処理時間35分間で無電解処理した。該めっき液は、酢酸2.8%、硫酸ニッケル6水和物8.8%、次亜燐酸ナトリウム1水和物7.1%、錯化剤9.2%、イオン交換水72.1%の混合物で、原液を250ml/Lになるように希釈して使用した。濃度は230ml/Lであった。その時にpHは6.5であった。
得られたリン1.5質量%含有ニッケル皮膜の膜厚(無電解ニッケルめっきによる導電性メッシュの厚みの増加)は、4.1μmであった。
その後、エッチング(腐蝕)液を用い、浴温25℃、処理時間30秒で化成処理した。該エッチング液は、塩化第2鉄38%、塩酸0.12%、イオン交換水61.88%の混合物で、原液を2倍希釈(500ml/L)で使用し、パターン層3の表面に、最外面が光拡散性の微凹凸面を有するニッケル柱状結晶集合体層層6を形成した。そして、該パターン層3及び該ニッケル柱状結晶集合体層6とでメッシュパターン状の電磁波遮蔽層を構成した。
エッチング前の電磁波遮蔽層の外観色は灰色、エッチング後の電磁波遮蔽層の外観色は黒色、エッチング後の電磁波遮蔽層の表面抵抗は0.6Ω/□であった。
(3)表面調整層の形成
表面調整層4を、ダイコート法によって、上記のニッケル柱状結晶集合体層6が形成された黒化処理パターン層3(導電体メッシュ層)上に、その接地用領域は被覆せずメッシュ領域は被覆するように部分的に形成した。具体的には、先ず、電離放射線硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを100質量部(日本化薬(株)製)と、光硬化開始剤として商品名イルガキュア184を4.0質量部(チバガイギ(株)製)と、溶剤としてメチルイソブチルケトンを52質量部とを、十分混合して、表面調整層形成用の塗工液を調製した。
次に、上記導電性組成物からなる黒化処理パターン層3(導電体メッシュ層)の上から、該塗布液を、ドライにて膜厚10μmとなるようにダイコーターを用いて塗工した後、50℃のオーブンで加熱乾燥させ、N2雰囲気下でUV照射装置(フィージョンUVシステムジャパン(株)製)のHバルブを光源に用いて硬化し(積算光量200mj)て、ハードコート層となる単層の表面調整層4を形成した。
(4)画像表示装置用前面フィルターの製造
(3)で製造した透明基材1上に、プライマー層2、(黒化処理された)導電性組成物からなるパターン層3、表面調整層4をこの順に形成した積層体の裏面側に上記(1)で調製した透明粘着剤層形成用の粘着剤形成用塗工液を乾燥後の厚さが25μmとなるように、マイヤーバーNo.16で塗布した。次いで、90℃で1分間熱乾乾燥して、近赤外線吸收剤、ネオン光吸收剤、調色光吸收剤、及び紫外線吸收剤を含有してなる透明粘着剤層5とした。
かくして本発明の画像表示装置用前面フィルターを製造した。
比較例1
実施例1のパターン状の電磁波遮蔽層の形成において、PETフィルムの易接着処理面にプライマー層を塗布しない以外は実施例1と同様にして導電性組成物を転写させた画像表示装置用前面フィルターを製造した。しかしながら、PETフィルム上への導電性組成物の転写は十分でなく、断線やパターン抜けが多発した。また、乾燥後のパターン厚さも1μm程度であり、転移率が著しく悪かった。この理由は、ドクターブレードにて凹部以外の導電性組成物を除去する際に、凹部内からも少なからず導電性組成物が掻き出されて凹部内の導電性組成物には凹みが生じるが、その凹みの存在により、導電性組成物がPETフィルム上に密着よく転写されずに部分的に導電性層が断線し、めっきに必要な導通(電位差)が得られないためと考えられる。
実施例1のパターン状の電磁波遮蔽層の形成において、PETフィルムの易接着処理面にプライマー層を塗布しない以外は実施例1と同様にして導電性組成物を転写させた画像表示装置用前面フィルターを製造した。しかしながら、PETフィルム上への導電性組成物の転写は十分でなく、断線やパターン抜けが多発した。また、乾燥後のパターン厚さも1μm程度であり、転移率が著しく悪かった。この理由は、ドクターブレードにて凹部以外の導電性組成物を除去する際に、凹部内からも少なからず導電性組成物が掻き出されて凹部内の導電性組成物には凹みが生じるが、その凹みの存在により、導電性組成物がPETフィルム上に密着よく転写されずに部分的に導電性層が断線し、めっきに必要な導通(電位差)が得られないためと考えられる。
1 透明基材
2 プライマー層
3 導電性組成物からなるパターン層
4 表面調整層
5 粘着剤層
6 ニッケル柱状結晶集合体層
11 プライマー層とパターン層との界面
12 麓部分
13 第1の山
14 第2の山
21 混合領域
31 プライマー成分
TA パターン層が形成されている部分の厚さ
TB パターン層が形成されていない部分の厚さ
2 プライマー層
3 導電性組成物からなるパターン層
4 表面調整層
5 粘着剤層
6 ニッケル柱状結晶集合体層
11 プライマー層とパターン層との界面
12 麓部分
13 第1の山
14 第2の山
21 混合領域
31 プライマー成分
TA パターン層が形成されている部分の厚さ
TB パターン層が形成されていない部分の厚さ
Claims (6)
- 透明基材の一方の面に、プライマー層、導電性組成物からなるパターン層、及び防眩層、反射防止層又はハードコート層のいずれかから選択された表面調整層がこの順に形成され、該透明基材の他方の面に粘着剤層が形成されており、
前記粘着剤層、透明基材、プライマー層又は表面調整層のいずれか1層以上に、近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤、調色光吸収剤又は紫外線吸収剤の中から選択されるいずれか1種以上の吸収剤を含有してなる表示装置用前面フィルターであって、
前記プライマー層の厚みは、前記パターン層が形成されている部分の厚みが前記パターン層が形成されていない部分の厚みよりも厚いことを特徴とする表示装置用前面フィルター。 - 前記プライマー層と前記パターン層との界面が交互に入り組んでいることを特徴とする請求項1に記載の表示装置用前面フィルター。
- 前記プライマー層と前記パターン層との界面近傍には、プライマー成分とパターン層成分とが混在している領域が存在することを特徴とする請求項1に記載の表示装置用前面フィルター。
- 前記パターン層中に、前記プライマー層に含まれるプライマー成分が存在することを特徴とする請求項1に記載の表示装置用前面フィルター。
- 前記パターン層が、少なくとも透明基材と反対側の表面に黒化層を有する請求項1〜4に記載の表示装置用前面フィルター。
- 黒化層が、その最外面が光拡散性の微凹凸面となっているニッケル柱状結晶集合体層である請求項5に記載の表示装置用前面フィルター。
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2008
- 2008-03-11 JP JP2008061509A patent/JP2009218423A/ja active Pending
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