JP5338099B2 - 粘着剤組成物及び該粘着剤組成物を用いた近赤外線吸収フィルター - Google Patents
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Description
反射色調が青色となる原因としては、近赤外線吸収材料として用いられる酸化タングステン系粒子の粒子径が小さいことに起因するレイリー散乱によるものと考えられる。レイリー散乱領域における散乱光は、粒子径の6乗に反比例して低減するため、近赤外線吸収材料の粒子径を大きくすることで、該散乱光を抑制することができるが、一定以上の大きさになると、ミー散乱が支配的となり、白濁の問題が生じる。従って、これまでは、近赤外線吸収フィルムの反射色調が青色を呈する点について改善策が見出されていないのが現状であった。
そこで、本発明の課題は、反射色調が青色を示さず、近赤外線を有効に吸収し、かつ可視光線透過率の高い、透明性に優れる近赤外線吸収フィルターを提供することにある。
すなわち、本発明は、平均粒子径40〜200nmの無機近赤外線吸収剤、平均粒子径5〜30nmの金属酸化物微粒子及び樹脂を含有する粘着剤組成物、及び該粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する近赤外線吸収フィルターを提供するものである。
本発明における無機近赤外線吸収剤は、可視光線透明性(以下、単に「透明性」とも云う)と近赤外線吸収性との両立、樹脂中への分散適性等の点から、その平均粒子径が40〜200nmの無機材料であることを要する。無機材料としては、本発明の効果を奏する範囲であれば、材料自体に制限はなく、金属酸化物、金属ホウ化物、金属窒化物などが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、酸化タングステン系化合物、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化セシウムなどが挙げられる。
金属ホウ(硼)化物としては、多ホウ化金属化合物が好ましく、具体的には、ホウ化ランタン(LaB6)、ホウ化プラセオジウム(PrB6)、ホウ化ネオジウム(NdB6)、ホウ化セリウム(CeB6)、ホウ化イットリウム(YB6)、ホウ化チタン(TiB6)、ホウ化ジルコニウム(ZrB6)、ホウ化ハフニウム(HfB6)、ホウ化バナジウム(VB6)、ホウ化タンタル(TaB6)、ホウ化クロム(CrB、CrB6)、ホウ化モリブデン(MoB6、Mo2B5、MoB)、ホウ化タングステン(W2B5)などが挙げられる。
また金属窒化物としては、窒化チタン、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化バナジウムなどが挙げられる。
これらの中で、近赤外線の吸収率が高く、かつ可視光線の透過率が高いことから、酸化タングステン系化合物が好ましく、特には下記一般式(I)で示される酸化タングステン系化合物が好ましい。
ここで、M元素はCs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Wはタングステンを示し、Oは酸素を示す。
上記一般式(I)で示される酸化タングステン系化合物のうち、特にM元素がCsで表わされるセシウム含有酸化タングステンが、近赤外線吸収能が高いことから好適である。
また、上記一般式(I)における酸素の含有量は、タングステンの含有量を基準としたz/yの値として、2.2≦z/y≦3.0の関係を満足することが好ましい。より具体的には、Cs0.33WO3、Rb0.33WO3、K0.33WO3、Ba0.33WO3などを挙げることができる。
上記無機近赤外線吸収剤は1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用することもできる。
なお、本発明における平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡により撮像し、無作為に、例えば50個の無機近赤外線吸収剤を抽出して該粒子径を測定し、これを平均したものである。また、粒子の形状が球形でない場合には、長径を測定して算出したものと定義する。
尚、樹脂中に平均粒子径40〜200nmの無機近赤外線吸収剤を分散させた粘着剤層に、該無機近赤外線吸収剤よりも平均粒子径が小さく、且つ屈折率が近似する金属酸化物微粒子を添加することで、レイリー散乱に起因する青色を低減出来る機構については、未解明であるが、以下のように推察される。
即ち、樹脂の屈折率は通常1.5前後であり、一方、本発明で用いる無機近赤外線吸収剤粒子の屈折率は2.0〜2.5前後である。従って、無機近赤外線吸収剤粒子表面における樹脂との屈折率差は0.5〜1.0前後とかなり高く、しかも屈折率は無機近赤外線吸収剤粒子表面において不連続的に変化する。そのため、無機近赤外線吸収剤粒子表面の光反射率は高くなり、これが散乱強度を高める一因と推測される。
本発明においては、高屈折率で光反射性の強い該無機近赤外線吸収剤粒子の周囲に、これと屈折率は近似するがより小粒子径の該金屬酸化物微粒子がハロー状に包囲し(恐らくは、該近赤外線吸収剤粒子に近づく程、分布密度が濃くなると推測される)、これによって該近赤外線吸収剤粒子の表面近傍において、該近赤外線吸収剤粒子と該金属酸化物微粒子と樹脂とを平均した屈折率が、該近赤外線吸収剤粒子から外方に向かって連続的に低下するようになり(該近赤外線吸収剤粒子表面と樹脂との屈折率の段差を緩和)、そのため、該無機近赤外線吸収剤粒子表面における光反射が低減し、これが散乱強度の低減に寄与するのではないかと推測している。
また、金属微粒子の形状については特に制限はないが、通常、球形が用いられる。
なお、金属酸化物微粒子の平均粒子径は、無機近赤外線吸収剤と同様に透過型電子顕微鏡を用いた方法により測定したものである。
これらのうち、透明性、粘着力(接着力)、耐久性、及び前記無機近赤外線吸收剤の分散性の観点から、アクリル系樹脂が好ましい。
例えば、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの単独重合体、つまり(メタ)アクリル酸エステル単独重合体としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸オクチル等が挙げられる。
また、上記アクリル酸エステルモノマー2種以上からなる共重合体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー1種以上とその他モノマー1種以上との共重合体を用いることもできる。その他モノマーとしては、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等のカルボキシル基を有するビニルモノマー、エチレン、スチレン等が挙げられる。
かかる上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー1種以上とその他モノマー1種以上との共重合体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−エチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル−スチレン共重合体が挙げられる。
また、ポリエステル系樹脂としては、多価カルボン酸と多価アルコールの縮重合によって得られる樹脂であり、例えば、フタル酸とグリセリンを主原料とする熱硬化性のアルキド樹脂、マレイン酸とグリコールを主原料とし、得られた不飽和基をもつポリエステルをスチレンなどのビニル系化合物で架橋反応させる熱硬化性の不飽和ポリエステル樹脂、ジカルボン酸とグリコールを主原料とする熱可塑性の飽和ポリエステルなどが挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが挙げられる。
以下、本発明の粘着剤組成物を用いた粘着剤層を有する近赤外線吸収フィルターについて、図面を参照しながら説明する。
このような構成をとることにより、観察者から見た場合に、反射色調が青色を示さず、近赤外線が有効に吸収され、かつ可視光線透過率の高い、透明性に優れた画像を見ることができる。
また、ガラスとしては、ソーダ硝子、カリ硝子、硼珪酸硝子等のガラス基材も、光学的特性、機械的特性の点から好ましい。
これらのうち、透明性、透明性、機械的強度、耐熱性、コスト等のバランスに優れることからポリエステル樹脂を材料とする厚さ50〜200μm程度のフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
これらの基材の厚さは特に制限はなく、用途に応じたものとすればよいが、透明樹脂フィルムからなる場合は、通常10〜500μm程度、好ましくは15〜250μm、特に好ましくは30〜200μmの範囲である。また、透明樹脂板やガラス板である場合は、通常1〜5mm程度が好適である。また、基材として、上記プラスチックフィルムを用いる場合には、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましい。
電磁波遮蔽層としては、例えば、導電性粒子又は無電解めっき触媒性粒子とバインダー樹脂を含む導電層形成用材料を所定のパターン状に印刷形成したもの、金属層(金属箔)を腐蝕加工によって所望のパターンにする方法により形成したもの、或は銀、ITO(酸化インジウム錫)等から成る可視光線透過性の導電性薄膜を全面に形成したもの等を挙げることができる。
導電性材料を印刷形成した形態について詳しく説明すると、該導電性材料は、導電性粒子とバインダー樹脂を含む材料により形成することができる。具体的には、基材2上に導電性粒子とバインダー樹脂を含む導電性ペーストを用いた印刷により、例えば、線幅が5〜50μm程度、パターン厚みが1〜30μm程度、周期が150〜300μm程度、開口率(全表面積中に於ける開口部の面積率)が80〜95%程度のメッシュパターンを形成するものである。
なお、メッシュパターンの線幅は、PDPの画像の観察に影響を与えない程度に細くすることが良く、且つ十分な電磁波シールド性の確保と外力による破断の防止の為には太くすることが良い。両者の両立を測るためには、メッシュパターンは上記の線幅を有することが好ましい。また、メッシュパターンの厚みも、接着剤層を介して他の部材との貼り合わせをする場合に、開口部内に空気が残留して白濁したり、接着不良を生じないためには薄い方が良く、電磁波遮蔽性の点からは厚いほうが良いが、両者の両立を測るため、上記厚みの範囲とすることが好ましい。
これらの材料や形状のものは適宜混合して用いても良い。また、導電性粒子の大きさは種類に応じて任意に選択されるので一概に特定できないが、例えば、鱗片状の銀粒子の場合には粒子の平均粒子径が0.1〜10μm程度のものを用いることができ、カーボンブラック粒子の場合には平均粒子径が0.01〜1μm程度のものを用いることができる。また、特に無電解めっき触媒として用いるパラジウム粒子の場合にはコロイド粒子(1μm未満)程度の粒径のものを用いる。導電層形成用材料中の導電性粒子の含有量は、導電性粒子の導電性や粒子の形態に応じて任意に選択されるが、例えば導電層形成用材料の固形分100質量部のうち、導電性粒子を40〜99質量部の範囲で含有させることができる。
なお、本願において、平均粒子径というときは、粒度分布径、またはTEM(透過型電子顕微鏡)観察で測定した値を指している。
なお、熱硬化性樹脂を使用する場合、必要に応じて硬化触媒を添加してもよい。光硬化性化合物を用いる場合は必要に応じて重合開始剤を添加してもよい。
このような体積比の導電性パターンは、バインダー樹脂成分と導電性粒子を含むペースト(インキ)を用いて印刷し、溶剤等を揮散させた後、加圧プレスして形成される。
該導電性ペーストそれ自体で十分な導電性が発現する場合はそのままで電磁波遮蔽層として使用できるが、導電性が不十分な場合は、更に印刷した導電性乃至無電解めっき触媒性材料のパターン上に金属層をめっきする。めっきとしては、電解めっき、無電解めっきの何れも適用可能である。電解めっきの場合は、該組成物の印刷パターンに電解めっき可能な程度の導電性は持たせた上で、公知のめっき浴とめっき条件により電解めっきを施す。無電解めっきの場合は、該組成物として無電解めっき触媒性の有るもの(パラジウムが代表的)を選定して印刷し、印刷したパターン上に、公知の浴と条件にて無電解めっきを施す。これら無電解めっき或は電解めっきする金屬としては、金、銀、白金、銅、ニッケル等が用いられる。
一方、金属層(金属箔)を腐蝕加工によって所望のパターンにする方法について説明すると、金属層としては、金、銀、白金、錫、銅、ニッケル、アルミニウム等からなる厚み3〜30μm程度のものが用いられる。該金屬層上に、所望のパターンの形成部のみ被覆し、開口部は露出させたパターンでレジスト層を形成し、塩化第2鉄水溶液等の公知の腐蝕液にて、レジスト非形成部のみ選択的に腐蝕して開口させ、その後、レジストを除去して金属層を所望のパターンとする。パターン化した金属層は、透明基材上に積層されるが、腐蝕加工は、金属層を透明基材2に積層した後でも、或は積層する前でも何れでも良い。金属層の透明基材への積層は、予め成膜してなる金属層(金属箔)を接着剤を介して透明基材上に接着しても良いし、或は透明基材上に、蒸着、スパッタ等により直接金属層を堆積させても良い。
また、厚さが5μm以上であると、粘着剤としての機能を十分に果たし、ガラス基板6又はPDP等との十分な接着を得ることができるとともに、近赤外線を十分に吸収することができる。一方、800μm以下であると接着力、近赤外線吸収性能、及び下記の如き耐衝撃性能とも実用上十分な程度を確保出来た上で、又、性能上過剰な厚みとならず、粘着剤層の当該フィルタ外への流出乃至逸脱、原材料費、厚み、及び重量の不必要な増加に至ら無い等の点で有利である。以上の観点から、粘着剤層4の厚さは10〜500μmの範囲がさらに好ましく、20〜300の範囲が特に好ましい。
又、粘着剤層4の厚さを200μm以上とすることにより、画像表示装置に加わる衝撃力を吸収緩和する耐衝撃層としての機能を持たせることも出来る。
なお、粘着剤層4の厚さを変えることで近赤外線の吸収効率を制御することができる。
本発明においては、無機近赤外線吸収剤及び金属酸化物微粒子を溶剤中に分散させることが重要であり、分散方法としては、乾式法、湿式法等各種挙げられる。本発明においては、湿式法が有効であり、具体的には、ボールミル、サンドミル、媒体攪拌ミル、超音波照射等が挙げられる。また、無機近赤外線吸収剤の分散に際し、溶媒の選定、分散剤の選定及びpHを調整することで無機近赤外線吸収剤を安定に液体中に分散保持することが可能となる。各種分散剤は、使用する溶媒やバインダー等との相性で各種選択が可能である。
また、ここで添加し得る各種添加剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、チキソトロピック付与剤、体質顔料等のなどが挙げられる。
塗工液の濃度、粘度については、コーティング可能な濃度、粘度であればよく、特に制限されない。
観察者は、図1で示した場合と同様に、反射防止層又は防眩層5側から、近赤外線吸収フィルター1を通してPDP等の対象物を観察するが、このような構成をとることにより、観察者から見た際に、反射色調が青色を示さず、近赤外線が有効に吸収され、かつ可視光線透過率の高い、透明性に優れた画像を見ることができる。
バインダーに用いる樹脂としては、表面層として表面強度が望まれる場合には、熱硬化性アクリル樹脂や、熱硬化性ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、或はアクリル系、エポキシ系等の公知の電離放射線硬化性樹脂が好適に用いられる。
無機フィラーとしては、例えば平均粒子径が0.5〜10μm程度のシリカ粒子や、コロイド状シリカ粒子のアミン化合物による凝集物であって、平均粒子径が0.5〜10μm程度のものなどを挙げることができる。
また、有機フィラーとしては、例えばメラミン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、アクリル−スチレン系共重合体粒子、ポリカーボネート系粒子、ポリエチレン系粒子、ポリスチレン系粒子、ベンゾグアナミン系樹脂粒子などが挙げられる。これらの有機フィラーの平均粒径は、通常2〜10μm程度である。
これらの光拡散性粒子7は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、防眩層中の含有量は、通常2〜15質量%、好ましくは3〜8質量%である。
なお、上記Sm、θa及びRzはJIS B0601 1994に準拠し、例えば、表面粗さ測定器((株)小坂研究所製「SE−3400」)で測定し得るものである。
反射防止層(Anti Reflection層、AR層)は、一般に、低屈折率層の単層、或いは、低屈折率層と高屈折率層とを、該低屈折率層が最上層に位置する様に交互に積層した多層構成が一般的であり、蒸着やスパッタ等の乾式成膜法で、或いは塗工等の湿式成膜法を利用して形成するものである。
低屈折率層及び高屈折率層の屈折率については、これらの層間で屈折率差があればよく特に限定されないが、低屈折率層の屈折率については、理論上は、低屈折率層の屈折率がその直下の層の屈折率の平方根になるとき、光の反射率は最小となることが知られている。低屈折率層を透明基材2の上に直接形成する場合は、低屈折率層の最適な屈折率NLは、透明基材2の屈折率N2の平方根√(N2)で計算できる。透明基材2として前記のポリエチレンテレフタレートを採用する場合、ポリエチレンテレフタレートの屈折率N2=1.65程度である為、NL=√(N2)=√(1.65)=1.29である。従って、屈折率がこの値乃至はこれに近似する値であると、十分な反射防止性能が得られる。
低屈折率層の形成方法としては、まず上記で述べた材料を例えば溶剤に希釈し、スピンコーティング、ロールコーティング、グラビアロールコーティング等を用いるウェットコーティング法によって低屈折率層形成材料を塗布し、次いで、乾燥後、熱や電離放射線(紫外線の場合は上述の光重合開始剤を使用する)等により塗膜を硬化せしめる方法、或は、真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVD、イオンプレーティング等による気相法によって、低屈折率層形成材料を堆積せしめる方法等により硬化させることによって得ることができる。
なお、本発明の近赤外線吸収フィルターにおいては、上記低屈折率層と防眩層の両者を設けることもできる。
赤色色素としては、赤色染料及び赤色顔料を使用することができる。赤色染料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.アシッドレッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289等の酸性染料;C.I.ベーシックレッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112等の塩基性染料;C.I.リアクティブレッド1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97等の反応性染料;C.I.ソルベントレッド111、135、179、などが挙げられる。
上記赤色染料及び赤色顔料は、各々1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、赤色染料と赤色顔料を併用してもよい。
特に、上述のように本発明の近赤外線吸収フィルムをPDP用のフィルターとして用いる場合には、PDPの発光がプラズマ放電を利用しているため、これに起因する周波数帯域30〜130MHzの電磁波の漏洩がなく、他の機器に悪影響を与えないように、上述のような電磁波遮蔽層を設けることは重要である。
また、上述の電磁波遮蔽層、ネオン光吸収層、調色層、ハードコート層、紫外線吸収層、表面保護層等は必ずしもこれらを単独にそれぞれ層として有する必要はなく、複数の機能を1つの層に持たせた多機能層とすることもできる。この場合には、以下に記載する各層を構成する材料を複合化することで、多機能層を得ればよい。
ネオン光吸収剤は、少なくとも550〜640nmの波長領域内に吸収極大を有する色素を用いることができる。該色素の具体例としては、シアニン系、オキソノール系、メチン系、サブフタロシアニン系もしくはポルフィリン系等を挙げることができる。これらの中でもポルフィリン系が好ましい。その中でも特に、特許第3834479号公報に開示されるような、テトラアザポルフィリン系色素が、分散性が良好で、且つ耐熱性、耐湿性、耐光性が良好な点から好ましい。
ネオン光吸収剤の含有量は、特に限定されないが、ネオン光吸収層中に、0.05〜5質量%であることが好ましい。含有量が0.05質量%以上であれば充分なネオン光吸収機能を発現でき、5質量%以下であれば、充分な量の可視光線を透過できる。
色補正色素として用いることのできる公知の色素としては、特開2000−275432号公報、特開2001−188121号公報、特開2001−350013号公報、特開2002−131530号公報等に記載の色素が好適に使用できる。さらに、この他にも、黄色光、赤色光、青色光等の可視光を吸収するアントラキノン系、ナフタレン系、アゾ系、フタロシアニン系、ピロメテン系、テトラアザポルフィリン系、スクアリリウム系、シアニン系等の色素を使用することができる。
色補正色素の含有量は、補正すべき色に合わせて適宜調整され、特に限定されない。通常、調色層中に0.01〜10質量%程度含有する。
通常は樹脂硬化層として形成され、用いられる硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂などを要求性能などに応じて適宜採用すればよい。電離放射線硬化性樹脂としては前述のものと同様のものを用いることができる。ハードコート層は、上記材料を必要に応じて溶剤で希釈して、基材や近赤外線吸収層等の上に塗工等の湿式成膜法により形成することができる。ハードコート層の厚みは特に限定されるものではないが、1〜20μmの範囲が好ましく、3〜5μmの範囲がより好ましい。
紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、トリアジン系の紫外線吸収剤を使用することができる。
サリシレート系紫外線吸収剤の例としては、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレートなどが挙げられ、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例としては、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−アミル−5’−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
本発明においては、前記各種の紫外線吸収剤は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、市販の紫外線カットフィルタ、例えば、富士写真フィルム社製の「シャープカットフィルターSC−38」(商品名)、「同SC−39」、「同SC−40」、三菱レーヨン社製の「アクリプレン」(商品名)等を用いることもできる。
また、紫外線吸収層の厚さは特に限定されるものではないが、1〜30μmの範囲が好ましく、10〜20μmの範囲がより好ましい。
また表面保護層は、防汚染層として、本発明の近赤外線吸収フィルターを使用する際に、その表面に不用意な接触や環境からの汚染が原因でごみや汚染物質が付着するのを防止し、あるいは付着しても除去しやすくするために形成される層であっても良い。例えば、フッ素系コート樹脂、シリコン系コート剤、シリコン・フッ素系コート剤等が使用され、中でもシリコン・フッ素系コート剤が好ましく適用される。これらの防汚染層としての厚さは好ましくは100nm以下で、より好ましくは10nm以下であり、更に好ましくは5nm以下である。これらの防汚染層の厚さが100nmを超えると防汚染性の初期値は優れているが、耐久性において劣るものとなる。防汚染性とその耐久性のバランスから5nm以下が最も好ましい。
(評価方法)
(1)無機近赤外線吸収剤及び金属酸化物微粒子の平均粒子径の測定
各実施例及び比較例で得られた粘着剤組成物を樹脂(2液硬化型ポキシ樹脂系)に包埋し、クライオシステムによるダイヤモンドナイフ(DIATOME社製「DIATOME ULTRA CRYO DRY」)が装着されたウルトラミクロトーム(切片作製装置、ライカ(株)製「EM−FCS」)を用いて、トリミングし、面出しをした。次いで、金属酸化物による上記染色を施し、超薄切片作製後、透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製「H−7100FA型」、加速電圧100kV)を用いて観察を実施した。倍率12万倍で電子顕微鏡写真を撮影後、無機近赤外線吸収剤及び金属酸化物微粒子をそれぞれ50個を無作為に選び、粒子の形状が球形でない場合には、長径を測定して平均粒子径を算出した。
(2)青味の評価
各実施例及び比較例で製造した近赤外線吸収フィルターを、黒色アクリル樹脂板の上に、透明粘着剤(日東電工(株)製CS−9621)を用いて貼り合せた後、(株)協真エンジニアリング製オートクレーブ機にて、70℃、0.5MPaの条件で30分保持した。その後、人口太陽燈で光を照射した。アクリル樹脂板上での明るさは、2500ルクスとした。人口太陽燈、人間、アクリル樹脂板の位置関係としては、アクリル板を水平に置き、斜め上方30度の角度(角度はアクリル樹脂板の法線から測る。以下同様。)から観察し、光は斜め上方45度の方向から照射した。評価は人が目視にて行い、評価基準は以下の通りとした。
○;目視で黒く見える
×;目視で青く見える
(3)白濁の評価
各実施例及び比較例で製造した近赤外線吸収フィルターを上記青味の評価時と同様の条件で、人が目視にて評価した。評価基準は以下の通りである。
○;目視で白濁を感じない
△;目視で若干の白濁が見られる
×;目視で白濁して見える
(4)光線透過率
光線透過率の測定は、JIS A 5759に準ずる方法で行った。透過率測定は分光光度計((株)島津製作所製「UV3100」)を使用して、波長300〜2600nmの範囲において5nm間隔で測定し、800〜1100nm(近赤外線波長)の光線透過率及び380〜780nm(可視光線波長)の光線透過率を求めた。評価基準は、以下の通りである。
(近赤外線透過率)
○;850nmにおいて、10%以下
×;850nmにおいて、10%超過
(可視光線透過率)
○;550nmにおいて、50%以上
×;550nmにおいて、50%未満
(5)反射率
分光光度計[日本電飾工業(株)製「ND5000」]により、波長550nmにおける反射率を測定した。
(6)防眩性
上記青味の評価と同様の条件で目視評価し、実施例1を基準として、表面の鏡面反射光による光沢の度合いを比較した。評価基準としては、実施例1(防眩層も低屈折率層も無し)と比較して、光沢が低減した場合を○、光沢が同等の場合を△とした。
(1)粘着剤組成物の調製
アクリル系樹脂の粘着剤[綜研化学(株)製「商品名SK2094」]100質量部に、近赤外線吸収剤[住友金属鉱山(株)製、商品名「YMF−01」、セシウム含有酸化タングステン(平均粒子径44nmのCs0.33WO3、セシウム33モル%含有)]55質量部(固形分換算)、及び金属酸化物微粒子として、酸化ジルコニウム(平均粒子径15nm)15質量部を混合したのち、全体の固形分濃度が30質量%になるようにメチルイソブチルケトン(MIBK)中に分散させ、粘着剤組成物を調製した。
(2)電磁波遮蔽部材シートの製造
平均粒径約1μmの銀粒子92質量部とポリエステル系の樹脂8質量部、溶剤としてエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートからなるインキ(導電性ペースト)を調製し、厚み100μmの2軸延伸した無色透明PETフィルムから成る基材2上にシルクスクリーン印刷した。次いでこれを150℃で熱風乾燥して溶剤を揮散させて、線幅20μm、ピッチ300μm、厚み10μmの格子状パターンを有し開口率87%で実質透明のシートを作製した。
得られたシートをロールプレスにて線圧600kg/cmで、室温(23℃)でプレスしたところ、パターン厚みは約14%減少し、厚み8.6μm、線幅20μmの電磁波遮蔽層3を有する電磁波シールド部材シートを得た。得られた電磁波シールド部材シートの表面抵抗値は、プレス前のシートの表面抵抗値より約30%低減し、6Ω/□であった。
(3)近赤外線吸収フィルターの製造
(2)で製造した電磁波遮蔽部材シートの電磁波遮蔽層3側に上記(1)で調製した粘着剤組成物を硬化後の厚さが20μmとなるように、マイヤーバーで塗布した。次いで、90℃で1分間乾燥させ、粘着剤層4となし、該粘着剤層表面には、厚さ38μmの2軸延伸無色透明PETフィルムの片面にシリコーン樹脂系の離型剤層が形成されて成る剥離性表面保護フィルムを仮接着)して、近赤外線吸収フィルター10を製造した。尚、該剥離性表面保護フィルムを仮接着すると云うのは、該粘着剤層4を被着体に貼着する迄の間だけ、一時的に該粘着剤層表面を被覆保護することを意味する。貼着時は、該剥離性表面保護フィルムは剥離、除去する。
上記(1)の粘着剤組成物及び該近赤外線吸収フィルターについて、上記方法にて評価した。評価結果を第1表に示す。
実施例1において、セシウム含有酸化タングステンに代えて、ルビジウム含有酸化タングステン[平均粒子径41nmのRb0.33WO3、住友金属鉱山(株)製]15質量部(固形分換算)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、近赤外線吸収フィルターを製造した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
実施例1において、近赤外線吸収剤として、平均粒子径40nmのセシウム含有酸化タングステンを用い、近赤外線吸収層の上に、以下のような方法で防眩層を設けたこと以外は実施例1と同様にして近赤外線吸収フィルターを製造した。この近赤外線吸収フィルターについて、実施例1と同様に評価した。評価結果を第1表に示す。
(4)防眩(AG)層の積層
電離放射線硬化性モノマーであるペンタエリスリトールテトラアクリレート100質量部に、光重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア907」(2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパノン−1)]3質量部を添加し、これに光拡散性粒子として平均粒径1μmのシリカ微粒子を28質量部添加して防眩層形成用塗工液を調製した。
実施例1の近赤外線吸収フィルターを用意し、基材2の電磁波遮蔽層及び粘着剤層の非形成側の表面上に、上記防眩層形成用塗工液を硬化後の厚さが6μmとなるように、マイヤーバーで塗布した。次いで、90℃で1分間乾燥したのち、窒素ガス雰囲気下(酸素濃度0.5容量%)で紫外線を光量500mJ/cm2で照射して完全硬化させ、基材2上に防眩層を形成して、実施例3の近赤外線吸収フィルターを製造した。
実施例3において、防眩層に代えて低屈折率層を設けたこと以外は実施例3と同様にして近赤外線吸収フィルターを製造した。この近赤外線吸収フィルターについて、実施例1と同様に評価した。評価結果を第1表に示す。
(5)低屈折率層の積層
電離放射線硬化性モノマーであるペンタエリスリトールテトラアクリレート1.95質量部に、光重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア184」(1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン)]0.1質量部を添加し、これに低屈折率層を構成する材料として、処理シリカゾル含有溶液(空隙を有する微粒子(粒径60nm)、シリカゾル固形分20質量%、溶媒;メチルイソブチルケトン)12.3質量部、シリカ粒子含有溶液(巨大粒子(平均粒径100nm)、シリカ粒子固形分20質量%、商品名;sicastar(ナカライテスク(株))、溶媒;メチルイソブチルケトン)1.23質量部、及び溶剤としてメチルイソブチルケトン83.5質量部を配合して低屈折率層形成用塗工液を調製した。
近赤外線吸収層の塗布後に、90℃で1分間乾燥し、窒素ガス雰囲気下(酸素濃度0.5容量%)、紫外線を光量100mJ/cm2で照射して、半硬化させた。その上に、上記低屈折率層形成用塗工液を乾燥重量0.1g/m2換算で塗布(バーコーティング)し、次いで、40℃にて60秒間乾燥した。低屈折率層の硬化後の膜厚は、約90nmになるように形成した。次いで、90℃で1分間乾燥したのち、窒素ガス雰囲気下(酸素濃度0.5容量%)で紫外線を光量500mJ/cm2で照射して完全硬化させ、PETフィルム上に近赤外線吸収層及び低屈折率層を形成して、反射防止性能を兼ね備えた近赤外線吸収フィルターを製造した。
実施例1において、セシウム含有酸化タングステンに代えて、平均粒子径40nmのホウ化ランタン[LaB6]を用いたこと以外は実施例1と同様にして、近赤外線吸収フィルターを製造した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
実施例1において、金属酸化物微粒子として、酸化ジルコニウムに代えて、平均粒子径14nmの酸化チタン[TiO2]を用いたこと以外は実施例1と同様にして、近赤外線吸収フィルターを製造した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
実施例1において、金属酸化物微粒子を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収フィルターを製造した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
実施例1において、金属酸化物微粒子として添加する酸化ジルコニウムに代えて、平均粒子径50nmの酸化ジルコニウムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、近赤外線吸収フィルターを製造した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
実施例5において、金属酸化物微粒子を用いなかったこと以外は、実施例5と同様にして近赤外線吸収フィルターを製造した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
実施例1において、近赤外線吸収剤として、平均粒子径79nmのセシウム含有酸化タングステン[Cs0.33WO3、セシウム33モル%含有、住友金属鉱山(株)製]25質量部(固形分換算)を用い、金属酸化物微粒子を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収フィルターを製造した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
2、2’ 基材
3 電磁波遮蔽層
4、4’ 粘着剤層
5 反射防止層又は防眩層
6 ガラス基板
10 近赤外線吸収フィルム
20 反射防止フィルム又は防眩フィルム
Claims (16)
- 平均粒子径40〜200nmの無機近赤外線吸収剤、平均粒子径5〜30nmの金属酸化物微粒子及び樹脂を含有する粘着剤組成物であって、前記金属酸化物微粒子の含有量が前記無機近赤外線吸収剤100質量部に対して、50〜400質量部である粘着剤組成物。
- 前記無機近赤外線吸収剤が酸化タングステン系化合物である請求項1に記載の粘着剤組成物。
- 前記酸化タングステン系化合物が、下記一般式(I)で表わされる請求項2に記載の粘着剤組成物。
MxWyOz ・・・(I)
(M元素はCs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1.1、2.2≦z/y≦3.0) - 前記酸化タングステン系化合物がセシウム含有酸化タングステンである請求項3に記載の粘着剤組成物。
- 前記金属酸化物微粒子が酸化ジルコニウム及び/又は酸化チタンである請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤組成物。
- 前記金属酸化物微粒子の含有量が前記無機近赤外線吸収剤100質量部に対して、50〜200質量部である請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤組成物。
- 前記樹脂がアクリル系樹脂、ゴム系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載の粘着剤組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する近赤外線吸収フィルター。
- 基材上に電磁波遮蔽層及び請求項1〜7のいずれかに記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する近赤外線吸収フィルター。
- さらに、防眩層、反射防止層、ネオン光吸収層、調色層、ハードコート層、紫外線吸収層、及び表面保護層から選ばれる少なくとも1層を備える請求項8又は9に記載の近赤外線吸収フィルター。
- 波長380〜780nmの可視光透過率が50%以上であり、波長800〜1100nmの近赤外線透過率が20%以下である請求項8〜10のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
- 前記基材がプラスチックフィルム又はガラスからなる透明基材である請求項9〜11のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
- 粘着剤層、防眩層、反射防止層、調色層、ハードコート層、紫外線吸収層、及び表面保護層の少なくとも1層のいずれか、又は基材に赤色色素を含有する請求項10〜12のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
- 画像表示装置用である請求項8〜13のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
- 前記画像表示装置がプラズマディスプレイである請求項14に記載の近赤外線吸収フィルター。
- 請求項8〜15のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターを前面に貼付した画像表示装置。
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