JP2011007894A - 光学フィルタ、及びこれを用いたディスプレイ用光学フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】光学フィルタの構成を簡素化するために用いる、ネオンカット色素を配合した粘着剤層を含む光学フィルタであって、ネオンカット色素の耐候性が向上された光学フィルタ、及びこの光学フィルタを用いたディスプレイ用光学フィルタを提供する。
【解決手段】560〜610nmの波長範囲に極大吸収を有する色素及び粘着剤を含むネオンカット層を有し、且つ、紫外線吸収剤が、当該ネオンカット層又は別の層に含まれており、当該紫外線吸収剤を含む層が、紫外線波長領域において透過率1%以下の領域を有し、且つ、その紫外線波長領域の上限が365nm以上であることを特徴とする光学フィルタ。
【選択図】図3

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(電界発光)ディスプレイ等のディスプレイの画像表示部、デジタルサイネージ(電子看板)、ショーウィンドウ等に用いられる光学フィルタに関し、特にネオンカット機能を有する色素を含有する光学フィルタ、及びこれを用いたディスプレイ用光学フィルタに関する。
PDP等のディスプレイには通常、前面フィルタが使用される。この前面フィルタは、近赤外線カット、色再現性向上(発光色純度向上)、電磁波シールド、明所コントラスト向上(反射防止)、発光パネルの保護、発光パネルからの熱遮断等を目的として使用される。
PDPの発光パネルの発する近赤外線は、家庭用テレビやビデオ等に使用されるリモコンに誤作動を与えることを避けるために、これを低減することが必要である。またPDPの発光パネルの発する電磁波は、人体や精密機器への悪影響を避けるためにこれを抑制することも必要である。またPDPの発光パネルからの発光を、人間の視覚にとって自然な色に感じられるように、フィルタでの補正によって色再現性向上(発光色純度向上)の工夫も求められている。さらにディスプレイの表示は、明るい室内等の明所においても外部からの光の反射等によって妨げられることなく、十分なコントラストで視認されることが望ましい。加えて、ディスプレイ製品に直接に手で触れたような場合でも、使用者がその高温に驚かされるような事態を避けるために、PDPの発光パネルの発する熱が遮断されることが望ましい。
上記の目的に沿ったPDP用光学フィルタとして、一般に、反射防止、近赤外線遮蔽、電磁波遮蔽、更に色再現性向上のためにネオン発光による不要光(波長が560〜610nmの光)をカットする機能(ネオンカット機能)等の各種機能を有する光学フィルタが用いられている。例えば、近赤外線遮蔽機能を有するものとしては、広範囲の波長の近赤外線を遮蔽でき、可視光線透過率が高いセシウム含有酸化タングステンを含むものが開発されている(特許文献1)。また、ネオンカット機能を有するものとしては、特定波長の選択吸収機能を有するスクアリリウム系化合物やアザポルフィリン系化合物を含むものが開発されている(特許文献2)。
ただし、実際は、各種機能を有する機能層(一般に、熱硬化性樹脂組成物や紫外線硬化性樹脂組成物等に上記化合物等を分散又は溶解した塗工液をフィルム上に塗工し、硬化して形成させる)を何層も積層したり、1種又は複数種の機能を有する光学フィルタを適宜組み合わせ、粘着剤層を介して貼り合わせたりすることによりPDP用光学フィルタとして使用されている。このように光学フィルタの構造が複雑になると、各種機能層を積層して塗工する工程や、複数の光学フィルタを貼り合わせる工程が複雑化し、製造コスト上昇の要因になる。
特開2007−21998号公報 特開2005−92196号公報
光学フィルタの製造コストを低減するためには、積層する機能層の層数又は貼り合わせるフィルタ数を少なくし、構成を簡素化する手段が考えられる。本発明者らは、特願2009−71267号(未公開)において、近赤外線遮蔽体として有用なタングステン酸化物、複合タングステン酸化物(以下、(複合)タングステン酸化物とも言う)を粘着剤層に含有させる技術を開発している。また、特願2008−103393号(未公開)において、粘着剤層に(複合)タングステン酸化物とネオンカット機能を有する色素(ネオンカット色素とも言う)を含有させたものを開発している。この様に光学フィルタの貼り合わせに必ず使用する粘着剤層に機能を付与することにより、光学フィルタの構成を簡素化することができる。
しかしながら、本発明者らの検討によると、粘着剤層にネオンカット色素を配合した場合、上記の熱硬化性樹脂等に配合した場合に比べて、色素の耐候性が劣ることが明らかになった。
従って、本発明の目的は、光学フィルタの構成を簡素化するために用いる、ネオンカット色素を配合した粘着剤層を含む光学フィルタであって、ネオンカット色素の耐候性が向上された光学フィルタを提供することにある。
また、本発明の目的は、この光学フィルタを用いたディスプレイ用光学フィルタを提供することにもある。
ネオンカット色素を粘着剤層に配合した場合に、色素の耐候性が劣る原因として、一般にガラス転移点が低い粘着剤層においては、熱硬化性樹脂層等に比較して光照射によりラジカルが発生し易く、これにより色素の劣化が生じ易いものと考えられる。本発明者らは、この色素の劣化を抑制するため、紫外線吸収剤を検討したが、単に紫外線吸収剤を粘着剤層等に添加しても有効に防止することができなかった。そこで、本発明者らは、更に紫外線吸収剤等の種類や添加量等について検討した結果、色素の劣化を抑制する条件を見出し、本発明に至った。
即ち、上記目的は、560〜610nmの波長範囲に極大吸収を有する色素及び粘着剤を含むネオンカット層を有し、且つ、紫外線吸収剤が、当該ネオンカット層又は別の層に含まれており、当該紫外線吸収剤を含む層が、紫外線波長領域において透過率1%以下の領域を有し、且つ、その領域の紫外線波長の上限が365nm以上であることを特徴とする光学フィルタによって達成される。これにより、粘着剤層に配合したネオンカット色素であっても、その劣化を有効に抑制することができる。なお、本発明において、粘着剤は粘着性樹脂を意味する。
本発明に係る光学フィルタの好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記ネオンカット層が、紫外線吸収剤を含む層である。
これにより、光学フィルタの構成を、より簡素化することができる。
(2)前記色素が、ポルフィリン系色素又はアザポルフィリン系色素である。
(3)前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤又はベンゾフェノン系紫外線吸収剤である。
(4)前記紫外線吸収剤を含む層に対する紫外線吸収剤の含有量が、0.05〜0.3mg/cm2である。
(5)前記紫外線吸収剤を含む層の層厚が、5〜50μmである。
(6)前記ネオンカット層に、更に酸化防止剤を含む。
ネオンカット色素の劣化を更に抑制することができる。
(7)前記粘着剤が、アクリル樹脂系粘着剤である。
(8)前記ネオンカット層が、更に硬化剤(好ましくは、イソシアネート硬化剤、エポキシ硬化剤)を含む。これにより、本発明におけるネオンカット層の粘着性が向上する。
(9)前記ネオンカット層に、更に近赤外遮蔽剤を含む。
本発明におけるネオンカット層は粘着剤層として機能するので、更に近赤外線遮蔽剤を配合することにより、光学フィルタの構成を更に簡素化することができる。
(10)前記近赤外線遮蔽剤が、タングステン酸化物及び/又は複合タングステン酸化物である。
(11)タングステン酸化物が、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素を表し、そして2.2≦z/y≦2.999である)で表され、そして
複合タングステン酸化物が、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素を表し、そして0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3である)で表される。
また、上記目的は、本発明の光学フィルタを含むディスプレイ用光学フィルタによって達成される。
本発明のディスプレイ用光学フィルタは、プラズマディスプレイパネル用に好適である。
本発明の光学フィルタによれば、ネオンカット層(粘着剤層)に配合したネオンカット色素の劣化が有効に抑制されているので、本発明におけるネオンカット層を粘着剤層として用い、その他の必要な機能を有する光学フィルタを貼り合わせることにより、色再現性が向上された耐候性の高い光学フィルタを、簡素化した構成で、低コストで製造することができる。従って、本発明のディスプレイ用光学フィルタについても、同様な効果を得ることができる。
本発明の光学フィルタの代表的な1例を示す概略断面図である。 本発明の光学フィルタの別の1例を示す概略断面図である。 本発明における紫外線吸収を含む層の要件を説明する、種々の紫外線吸収層の紫外線波長領域における透過率スペクトルである。 本発明のディスプレイ用光学フィルタの好適態様の1例を示す概略断面図である。 本発明のディスプレイ用光学フィルタの好適態様の別の1例を示す概略断面図である。 本発明のPDP用光学フィルタの好適態様の1例を示す概略断面図である。
以下に、本発明の光学フィルタについて図面を参照しながら説明する。図1は本発明の光学フィルタの代表的な1例を示す概略断面図である。また、図2は本発明の光学フィルタの別の1例を示す概略断面図である。
本発明の光学フィルタは560〜610nmの波長範囲に極大吸収を有する色素(ネオンカット色素(ネオン発光の選択吸収色素))、及び粘着剤を含むネオンカット層を有し、更に紫外線吸収剤が、ネオンカット層又は別の層に含まれている。図1においては、本発明におけるネオンカット層に紫外線吸収剤が含まれている、ネオンカット層(紫外線吸収剤含)12が図示されている。ネオンカット層(紫外線吸収剤含)12は、粘着剤を含む粘着剤層でもあるため、一般に、プラスチックフィルム製等の透明基板11のような基材表面に形成されている。但し、本発明の光学フィルタはネオンカット層(紫外線吸収剤含)12を有していれば良く、透明基板11は無くても良い。例えば、ネオンカット層(紫外線吸収剤含)12の両表面に剥離シートを設け、粘着剤シート状の独立した光学フィルタとしても良い。
図2においては、本発明におけるネオンカット層22と、紫外線吸収剤を含む層として紫外線吸収層23が別の層として図示されている。この場合、紫外線吸収層23はネオンカット層22の色素劣化を引き起こす光源(太陽光、プラズマディスプレイ等)側に形成されている。例えば、PDP用光学フィルタの場合は、一般に、ネオンカット層22の太陽光側(視聴者側)に紫外線吸収層23が形成される。図2においては、透明基板21表面上に、紫外線吸収層23が形成され、その表面にネオンカット層22が形成されている。ここではネオンカット層22と紫外線吸収層23は隣接しているが、紫外線吸収層23がネオンカット層22の上記光源側にあれば、特に隣接している必要はなく、その他の機能を有する光学フィルタを間に挟んでいても良い。なお、図1の場合と同様に、ネオンカット層22と紫外線吸収層23を有していれば良く、透明基板21は無くても良い。通常は、本発明の光学フィルタと、各種機能を有する他の光学フィルタを組み合わせ、用途(PDP用、デジタルサイネージ用、ショーウィンドウ用等)に応じた光学フィルタを製造する。
本発明においては、紫外線吸収剤を含む層(ネオンカット層(紫外線吸収剤含)12又は紫外線吸収層23)が、紫外線波長領域(10〜430nmの波長領域を言う)において透過率1%以下の領域を有し、且つ、その領域の紫外線波長の上限が365nm以上である。図3に、紫外線吸収剤(A)、(B)、(C)を同一の配合量で含む、同一の層厚の紫外線吸収層を作製し、紫外線の波長を変化させて透過率を測定した場合の透過率スペクトルを示す。図示の通り、各紫外線吸収層は紫外線波長領域において透過率1%(破線で示す)以下の領域を有している。そして、その領域の紫外線波長の範囲は、紫外線吸収剤の種類により異なっている。図示していないが、その範囲は紫外線吸収剤の配合量、紫外線吸収層の層厚によっても異なるものである。本発明者らは、光照射によるネオンカット色素の劣化を抑制する条件を検討した結果、紫外線吸収剤を含む層の、紫外線波長領域における透過率1%以下の領域の紫外線波長の上限(「透過率1%以下の紫外線波長の上限」とも言う)(矢印で示す)が、365nm以上の場合に色素の劣化を有効に抑制することができることを見出した。なお、この場合、色素の劣化を有効に抑制するとは、例えば、キセノンアーク照射試験(キセノンウェザーメーター(XL75、スガ試験機(株)製)により、キセノンアークを240時間照射)により、ネオンカット層の色素の残存率(592nmの吸光度比により求める)が60%以上であることを言う。
紫外線吸収剤を含む層の、上記透過率1%以下の領域の紫外線波長の上限は、高い方がネオンカット色素の劣化の抑制に有効であり、好ましくは370nm以上、更に好ましくは375nm以上、特に380nm以上が好ましい。
なお、上記透過率1%以下の領域の紫外線波長の下限については、特に制限はなく、一般に、210〜280nmである。
本発明においては、紫外線吸収剤が、ネオンカット層に含まれていても、別の層に含まれていても、紫外線吸収剤を含む層が、上記透過率1%以下の領域の紫外線波長の上限を有していれば、色素の劣化を有効に抑制できる。光学フィルタの構成の簡素化のためには、図1示したネオンカット層(紫外線吸収剤含)12のような、ネオンカット層が、紫外線吸収剤を含む層である光学フィルタが好ましい。また、ネオンカット層が、紫外線吸収剤を含む層である場合、色素の劣化に影響を与える光源が両側にある場合にも有効である。
[ネオンカット色素]
本発明において、ネオンカット層に含まれるネオンカット色素は、560〜610nmの波長範囲に極大吸収を有する色素であれば良い。これにより、PDPのネオン発光による不要な光線を吸収することができ、色純度を向上させ、色再現性を向上できる。ネオンカット色素としては、ポルフィリン系色素、アザポルフィリン系色素、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、アントラキノン系色素、フタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ポリアゾ系色素、アズレニウム系色素、ジフェニルメタン系色素、トリフェニルメタン系色素を挙げることができる。このような選択吸収色素は、585nm付近のネオン発光の選択吸収性とそれ以外の可視光波長において吸収が小さいことが必要であるため、吸収極大波長が560〜610nmであり、吸収スペクトル半値幅が40nm以下であるものが好ましい。特に、ポルフィリン環構造を有するポルフィリン系色素又はアザポルフィリン系色素が好ましい。これらの化合物としては、例えば、TAP−2、TAP−5、TAP−9、TAP−10、TAP−12、TAP18、TAP45(以上、山田化学工業社製)等が市販されている。
[紫外線吸収剤]
本発明において、紫外線吸収剤は、上述のように紫外線吸収剤を含む層の、紫外線波長領域における透過率1%以下の領域の紫外線波長の上限を365nm以上とすることができれば、どのようなものを用いても良い。例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシベンゾエート系紫外線吸収剤等の1種又は2種以上を用いることができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−〔2'−ヒドロキシ−5'−(ヒドロキシメチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−5'−t−ブチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−5'−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−メチル−5'−(ヒドロキシメチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−メチル−5'−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−メチル−5'−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−(ヒドロキシメチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−t−オクチル−5'−(ヒドロキシメチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−t−オクチル−5'−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−t−オクチル−5'−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール等、あるいは2,2'−メチレンビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(ヒドロキシメチル)フェノール〕、2,2';−メチレンビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(5−ブロモ−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(3−ヒドロキシプロピル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(3−ヒドロキシプロピル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(5−ブロモ−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(3−ヒドロキシプロピル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(4−ヒドロキシブチル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(4−ヒドロキシブチル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(5−ブロモ−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(4−ヒドロキシブチル)フェノール〕、3,3−{2,2'−ビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−1−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕}プロパン、2,2−{2,2'−ビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−1−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕}ブタン、2,2'−オキシビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕、2,2'−ビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕スルフィド、2,2'−ビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕スルホキシド、2,2'−ビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕スルホン、2,2'−ビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕アミン等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン 、2−(2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−4,6−ジフェニル−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ジフェニル−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル〕−4,6−ジフェニル−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ジフェニル−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシブチル)フェニル〕−4,6−ジフェニル−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシブチル)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシブトキシ)フェニル〕−4,6−ジフェニル−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシブトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン 、2−(2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルフェニル)−4,6−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−4,6−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル〕−4,6−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−s−トリアジン 、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン −2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン −2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジ(2−ヒドロキシエチル)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメトキシ−5,5'−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメトキシ−5,5'−ジ(2−ヒドロキシエチル)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−3,3'−ジ(ヒドロキシメチル)−5,5'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−3,3'−ジ(2−ヒドロキシエチル)−5,5'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4,4−ジメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシベンゾエート 系紫外線吸収剤としては、フェニルサルシレート、4−t−ブチルフェニルサルシレート、2,5−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸n−ヘキサデシルエステル、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3',5−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシベンゾエート 等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、短波長域から長波長域に渡る広範囲の波長の紫外線吸収性が高い点、酢酸エチル等の溶媒への溶解性が高い点で、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の1種又は2種以上を用いるのが好ましく、特に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を用いるのが好ましい。
紫外線吸収剤を含む層の紫外線波長領域の透過率は、紫外線吸収剤を含む層の単位面積当たりの紫外線吸収剤の含有量が影響する。従って、紫外線吸収剤の種類によって、紫外線吸収剤を含む層の、上記透過率1%以下の領域の紫外線波長の上限が、365nm以上になるように、紫外線吸収剤を含む層を形成する組成物に対する紫外線吸収剤の配合量と紫外線吸収剤を含む層の層厚を自由に設定できる。紫外線吸収剤の溶解性やコスト面を考慮すると、紫外線吸収剤の紫外線吸収剤を含む層に対する含有量は0.05〜0.3mg/cm2が好ましく、更に好ましくは0.1〜0.25mg/cm2、特に0.1〜0.2mg/cm2が好ましい。
また、紫外線吸収剤を含む層の層厚は、上記組成物中の紫外線吸収剤の配合量によるが、一般に、1〜50μm、好ましくは5〜50μm、特に10〜50μmが好ましい。
本発明において、ネオンカット層(ネオンカット層(紫外線吸収剤含)を含む)は、更に酸化防止剤を含むことが好ましい。これにより、光照射により生じたラジカルを捕捉することができるため、更にネオンカット色素の劣化を抑制することができる。
[酸化防止剤]
酸化防止剤としては、ラジカル捕捉機能を有するものであれば、どのようなものでも良い。特にヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系が好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、チオジエチレン−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N'−ヘキサン−1,6−ジイルビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド)、ジエチル((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)ホスフェート、3,3',3'',5,5',5''−ヘキサ−t−ブチル−a,a',a''−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス(3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート)、ヘキサメチレン−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス((4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどが挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピベリジルベンゾエート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,1'−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)等が挙げられる。
本発明において、粘着剤は粘着性樹脂であればどのような樹脂でも良い。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル化エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体等のエチレン系共重合体(なお、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を示す)、ゴム系粘着剤、SEBS及びSBS等の熱可塑性エラストマー等も用いることができる。特に、アクリル樹脂系粘着剤が好ましい。
上記好ましいアクリル樹脂の構成成分(モノマー)として、下記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、芳香環含有モノマー、水酸基含有モノマー、分子内にカルボキシル基を有するモノマー、アミノ基含有モノマー等の化合物を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの好ましい例として;炭素数1〜12の分岐していても良いアルキル基を分子内に有する(メタ)アクリレート、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートを挙げることができる((メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの両方を意味する)。特に、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルの特に好ましい例として;メトキシエチル(メタ)アクリレート及びエトキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
芳香環含有モノマー(分子構造中に芳香族基を含む共重合可能な化合物)の好ましい例としては;フェニルアクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル化β−ナフトールアクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン等を挙げることができる。特に、フェニルアクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましい。
水酸基含有モノマーの例としては;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、クロロ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリルアルコール等を挙げることができる。特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
更に、分子内にカルボキシル基を有するモノマーの好ましい例としては、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、3−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、4−カルボキシブチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸及び無水マレイン酸等を挙げることができる。特に、(メタ)アクリル酸が好ましい。
また、アミノ基含有モノマーの好ましい例としては、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン等を挙げることができる。特に、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記モノマー成分は、所望する物性に合わせて適宜採用される。
本発明において、好ましいアクリル樹脂の構成成分(モノマー)混合物の配合量は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/又は(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル:4.5〜89質量%(特に22.7〜69質量%)、芳香環含有モノマー:10〜85質量%(特に30〜70質量%)、水酸基含有モノマー:1〜10質量%(特に0.05〜0.5質量%)、カルボキシル基を有するモノマー:0〜10質量%(特に0〜5質量%)、アミノ基含有モノマー0〜0.5質量%(特に0〜0.3質量%)である。
前記モノマー混合物には、必要に応じて、その他の単量体を混合させても良い。その他の単量体の例としては、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセチル基含有(メタ)アクリレート;酢酸ビニル、塩化ビニル並びに(メタ)アクリロニトリル等を挙げることができる。その他のモノマーの混合比は、0〜10質量%の割合で含ませることができる。
上記アクリル樹脂は、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法及び懸濁重合法等の従来公知の重合法により製造することができるが、乳化剤や懸濁剤等の重合安定剤を含まない溶液重合法及び塊状重合法により製造したものが好ましい。また、前記アクリル系ポリマーのゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)は、80万〜160万であり、好ましくは80万〜150万である。Mwが、80万未満であると、硬化剤配合を好適な範囲に調製しても、熱時の粘着剤の凝集力が十分でなく、高温条件下での発泡が生じやすく、160万を超えると、粘着剤の応力緩和性が低下しやすい。重量平均分子量と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が10〜50であることが好ましい。さらに20〜50であるのが好適である。前記比(Mw/Mn)が大きくなりすぎると、低分子量ポリマーが増加し、発泡が生じやすくなり、逆に前記比(Mw/Mn)が小さくなりすぎると、応力緩和性が低下しやすくなる。
上記アクリル樹脂(粘着剤)は、硬化剤と共に使用することが好ましい。硬化剤としては、エポキシ化合物系架橋剤、イソシアネート化合物系架橋剤、金属キレート化合物系架橋剤、アジリジン化合物系架橋剤及びアミノ樹脂系架橋剤を挙げることができる。中でも、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物系架橋剤、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物系架橋剤、及びアジリジン化合物系架橋剤が好ましく、特に、エポキシ化合物系架橋剤が好ましい。
分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物系架橋剤としては、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N',N'−テトラグリジル−m−キシリレンジアミン、N,N,N',N'−テトラグリジルアミノフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート、m−N,N−ジグリシジルアミノフェニルグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N−ジグリシジルアニリン、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ基を2個以上有する化合物が好ましい。
イソシアネート化合物の例としては、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートモノマー及びこれらイソシアネートモノマーをトリメチロールプロパンなどと付加したイソシアネート化合物やイソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、さらにはポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなど付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネート等を挙げることができる。
さらに、アジリジン化合物系架橋剤の例としては、トリメチロールプロパントリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパントリ-β-(2-メチルアジリジン)プロピオネート、テトラメチロールメタントリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリエチレンメラミン等を挙げることができる。
上記架橋剤の配合量は、アクリル樹脂100質量部に対して0.0001〜2.0質量部であることが好ましい。但し、エポキシ化合物系架橋剤を使用する場合は、0.0001〜0.1質量部が好ましく、特に、0.001〜0.05質量部が好ましい。
本発明において、粘着剤組成物には、透明性、視認性及び本発明の効果を損なわない範囲で有れば、上述の紫外線吸収剤、酸化防止剤の他、防腐剤、防黴剤、粘着付与樹脂、可塑剤、消泡剤及び濡れ性調製剤等を配合しても良い。
本発明においては、ネオンカット層(図1におけるネオンカット層(紫外線吸収剤含)12、又は図2におけるネオンカット層22)に、更に近赤外線遮蔽剤を含むことが好ましい。本発明の光学フィルタを近赤外線遮蔽機能が必要な光学フィルタに使用する場合、粘着剤層として機能するネオンカット層に、更に色素等の近赤外線遮蔽剤を配合することにより、別途、近赤外線遮蔽層を設ける必要が無くなる。これにより、光学フィルタの構成を更に簡素化することができる。本発明においては、紫外線吸収層により粘着剤を含む層におけるラジカルの発生が抑制されているので、結果的に、近赤外線遮蔽剤として配合される色素等についても、ラジカルによる劣化を抑制することになる。
[近赤外線遮蔽剤]
近赤外線遮蔽剤は、一般に800〜1200nmの波長に吸収極大を有する無機系又は有機系色素で、例えば、タングステン酸化物及び/又は複合タングステン酸化物、フタロシアニン系色素、金属錯体系色素、ニッケルジチオレン錯体系色素、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、ポリメチン系色素、アゾメチン系色素、アゾ系色素、ポリアゾ系色素、ジイモニウム系色素、アミニウム系色素、アントラキノン系色素、を挙げることができる。これらの色素は、単独又は組み合わせて使用することができる。
近赤外線遮蔽剤を配合する場合、本発明の光学フィルタの近赤外線吸収特性としては、800〜1100nmの波長範囲の近赤外線における透過率の最小値が、当該波長範囲において30%以下であることが好ましく、特に20%以下が好ましい。これにより、周辺機器のリモコン等の誤作動が指摘されている波長領域の透過度を減少させる効果がある。この場合、光学フィルタの透過光のL***表示系のb*が−15以上であることが好ましい。
特に、耐候性が高く、可視光線の透過率が高いことから、タングステン酸化物及び/又は複合タングステン酸化物が好ましい。この場合、(複合)タングステン酸化物を粘着性樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部、さらに1〜20質量部、特に1〜10質量部含有することが好ましい。
上記タングステン酸化物は、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表される酸化物であり、複合タングステン酸化物は、上記タングステン酸化物に、元素M(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素)を添加した組成を有するものが好ましい。これにより、z/y=3.0の場合も含めて、WyOz中に自由電子が生成され、近赤外線領域に自由電子由来の吸収特性が発現し、1000nm付近の近赤外線吸収材料として有効となる。本発明では、複合タングステン酸化物が好ましい。
上述した一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表記されるタングステン酸化物微粒子において、タングステンと酸素との好ましい組成範囲は、タングステンに対する酸素の組成比が3よりも少なく、さらには、当該赤外線遮蔽材料をWyOzと記載したとき、2.2≦z/y≦2.999である。このz/yの値が、2.2以上であれば、赤外線遮蔽材料中に目的以外であるWO2の結晶相が現れるのを回避することが出来るとともに、材料としての化学的安定性を得ることが出来るので有効な赤外線遮蔽材料として適用できる。一方、このz/yの値が、2.999以下であれば必要とされる量の自由電子が生成され効率よい赤外線遮蔽材料となり得る。
複合タングステン酸化物の微粒子は、安定性の観点から、一般に、MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、(0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3)で表される酸化物であることが好ましい。アルカリ金属は、水素を除く周期表第1族元素、アルカリ土類金属は周期表第2族元素、希土類元素は、Sc、Y及びランタノイド元素である。
特に、赤外線遮蔽材料としての光学特性、耐候性を向上させる観点から、M元素が、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snのうちの1種類以上であるものが好ましい。また複合タングステン酸化物が、シランカップリング剤で処理されていることが好ましい。優れた分散性が得られ、優れた赤外線カット機能、透明性が得られる。
元素Mの添加量を示すx/yの値が0.001より大きければ、十分な量の自由電子が生成され赤外線遮蔽効果を十分に得ることが出来る。元素Mの添加量が多いほど、自由電子の供給量が増加し、赤外線遮蔽効果も上昇するが、x/yの値が1程度で飽和する。また、x/yの値が1より小さければ、微粒子含有層中に不純物相が生成されるのを回避できるので好ましい。
酸素量の制御を示すz/yの値については、MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物においても、上述のWyOzで表記される赤外線遮蔽材料と同様の機構が働くことに加え、z/y=3.0においても、上述した元素Mの添加量による自由電子の供給があるため、2.2≦z/y≦3.0が好ましく、さらに好ましくは2.45≦z/y≦3.0である。
さらに、複合タングステン酸化物微粒子が六方晶の結晶構造を有する場合、当該微粒子の可視光領域の透過が向上し、近赤外領域の吸収が向上する。
この六角形の空隙に元素Mの陽イオンが添加されて存在するとき、可視光領域の透過が向上し、近赤外領域の吸収が向上する。ここで、一般的には、イオン半径の大きな元素Mを添加したとき当該六方晶が形成され、具体的には、Cs、K、Rb、Tl、In、Ba、Sn、Li、Ca、Sr、Feを添加したとき六方晶が形成されやすい。勿論これら以外の元素でも、WO6単位で形成される六角形の空隙に添加元素Mが存在すれば良く、上記元素に限定される訳ではない。
六方晶の結晶構造を有する複合タングステン酸化物微粒子が均一な結晶構造を有するとき、添加元素Mの添加量は、x/yの値で0.2以上0.5以下が好ましく、更に好ましくは0.33である。x/yの値が0.33となることで、添加元素Mが、六角形の空隙の全てに配置されると考えられる。
また、六方晶以外では、正方晶、立方晶のタングステンブロンズも赤外線遮蔽効果がある。そして、これらの結晶構造によって、近赤外線領域の吸収位置が変化する傾向があり、立方晶<正方晶<六方晶の順に、吸収位置が長波長側に移動する傾向がある。また、それに付随して可視光線領域の吸収が少ないのは、六方晶<正方晶<立方晶の順である。このため、より可視光領域の光を透過して、より赤外線領域の光を遮蔽する用途には、六方晶のタングステンブロンズを用いることが好ましい。
本発明で使用される複合タングステン酸化物微粒子の粒径は、透明性を保持する観点から、800nm以下の粒径(平均粒径)を有していることが好ましい。これは、800nmよりも小さい粒子は、散乱により光を完全に遮蔽することが無く、可視光線領域の視認性を保持し、同時に効率良く透明性を保持することができるからである。特に可視光領域の透明性を重視する場合は、さらに粒子による散乱を考慮することが好ましい。この粒子による散乱の低減を重視するとき、粒径は400nm以下、好ましくは200nm以下が良い。
また、本発明の複合タングステン酸化物微粒子の表面が、Si、Ti、Zr、Alの一種類以上を含有する酸化物で被覆されていることは、耐候性の向上の観点から好ましい。
本発明の複合タングステン酸化物微粒子は、例えば下記のようにして製造される。
上記一般式WyOzで表記されるタングステン酸化物微粒子、または/及び、MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物微粒子は、タングステン化合物出発原料を不活性ガス雰囲気もしくは還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。
タングステン化合物出発原料には、3酸化タングステン粉末、もしくは酸化タングステンの水和物、もしくは、6塩化タングステン粉末、もしくはタングステン酸アンモニウム粉末、もしくは、6塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、もしくは、6塩化タングステンをアルコール中に溶解させたのち水を添加して沈殿させこれを乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、もしくはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、金属タングステン粉末から選ばれたいずれか一種類以上であることが好ましい。
ここで、タングステン酸化物微粒子を製造する場合には製造工程の容易さの観点より、タングステン酸化物の水和物粉末、もしくはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、を用いることがさらに好ましく、複合タングステン酸化物微粒子を製造する場合には、出発原料が溶液であると各元素を容易に均一混合可能となる観点より、タングステン酸アンモニウム水溶液や、6塩化タングステン溶液を用いることがさらに好ましい。これら原料を用い、これを不活性ガス雰囲気もしくは還元性ガス雰囲気中で熱処理して、上述した粒径のタングステン酸化物微粒子、または/及び、複合タングステン酸化物微粒子を得ることができる。
また、上記元素Mを含む一般式MxWyOzで表される複合タングステン酸化物微粒子は、上述した一般式WyOzで表されるタングステン酸化物微粒子のタングステン化合物出発原料と同様であり、さらに元素Mを、元素単体または化合物の形で含有するタングステン化合物を出発原料とする。ここで、各成分が分子レベルで均一混合した出発原料を製造するためには各原料を溶液で混合することが好ましく、元素Mを含むタングステン化合物出発原料が、水や有機溶媒等の溶媒に溶解可能なものであることが好ましい。例えば、元素Mを含有するタングステン酸塩、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物、等が挙げられるが、これらに限定されず、溶液状になるものであれば好ましい。
ここで、不活性雰囲気中における熱処理条件としては、650℃以上が好ましい。650℃以上で熱処理された出発原料は、十分な着色力を有し赤外線遮蔽微粒子として効率が良い。不活性ガスとしてはAr、N2等の不活性ガスを用いることが良い。また、還元性雰囲気中の熱処理条件としては、まず出発原料を還元性ガス雰囲気中にて100〜650℃で熱処理し、次いで不活性ガス雰囲気中で650〜1200℃の温度で熱処理することが良い。この時の還元性ガスは、特に限定されないがH2が好ましい。また還元性ガスとしてH2を用いる場合は、還元雰囲気の組成として、H2が体積比で0.1%以上が好ましく、さらに好ましくは2%以上が良い。0.1%以上であれば効率よく還元を進めることができる。
水素で還元された原料粉末はマグネリ相を含み、良好な赤外線遮蔽特性を示し、この状態で赤外線遮蔽微粒子として使用可能である。しかし、酸化タングステン中に含まれる水素が不安定であるため、耐候性の面で応用が限定される可能性がある。そこで、この水素を含む酸化タングステン化合物を、不活性雰囲気中、650℃以上で熱処理することで、さらに安定な赤外線遮蔽微粒子を得ることができる。この650℃以上の熱処理時の雰囲気は特に限定されないが、工業的観点から、N2、Arが好ましい。当該650℃以上の熱処理により、赤外線遮蔽微粒子中にマグネリ相が得られ耐候性が向上する。
本発明の複合タングステン酸化物微粒子は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等のカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。シランカップリング剤が好ましい。これにより中間層、ハードコート層、熱線カット層等のバインダとの親和性が良好となり、透明性、熱線カット性の他、各種物性が向上する。
シランカップリング剤の例として、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシアクリルシランを挙げることができる。ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、トリメトキシアクリルシランが好ましい。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。また上記化合物の含有量は、微粒子100質量部に対して5〜20質量部で使用することが好ましい。
(複合)タングステン酸化物微粒子は、前述のように、一般に分散液(特に水性分散液)の状態で市販されている。
なお、本発明において、ネオンカット層に上記(複合)タングステン酸化物を配合する場合、上述の特願2009−71267号(未公開)に記載したように、(複合)タングステン酸化物の分散性を向上するために、上述の粘着剤が、酸性基を有するものであることが好ましい。酸性基としては、カルボキシル基、スルホ基、スルフィノ基、リン酸基、ホスホン酸基、硫酸基等を挙げることができ、カルボキシル基、スルホ基が好ましく、特にカルボキシル基が好ましい。酸性基は、粘着剤の酸価が、一般に0.5KOHmg/g以上、好ましくは2〜50KOHmg/g、特に好ましくは2〜20KOHmg/gの範囲となるよう、粘着剤の樹脂中に有することが好ましい。
この際、粘着剤をアクリル樹脂系粘着剤とする場合、アクリル樹脂の構成成分(モノマー)混合物の配合量は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/又は(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル:4.5〜89質量%(特に22.7〜69質量%)、芳香環含有モノマー:10〜85質量%(特に30〜70質量%)、水酸基含有モノマー:1〜10質量%(特に0.05〜0.5質量%)、カルボキシル基を有するモノマー:0.05〜10質量%(特に0.05〜5質量%)、アミノ基含有モノマー0〜0.5質量%(特に0〜0.3質量%)とするのが好ましい。
本発明の光学フィルタは、ネオン発光による不要光(波長が560〜610nmの光)をカットする機能が必要な光学フィルタであれば、必要に応じて、各種機能を有する光学フィルタと組み合わせて、どのような用途にも使用することができる。例えば、PDP、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(電界発光)ディスプレイ等のディスプレイ用、デジタルサイネージ(電子看板)用、ショーウィンドウ用等の光学フィルタが挙げられる。特に、色再現性を向上する必要性が高い、ディスプレイ用光学フィルタに好ましく使用することができる。なお、ディスプレイ用光学フィルタにおいては、近赤外線遮蔽機能も必要な場合が多く、本発明におけるネオンカット層に、更に近赤外線遮蔽材を配合した光学フィルタも好ましく使用できる。
図4は、本発明の光学フィルタを含む、本発明のディスプレイ用光学フィルタの好適態様の1例を示す概略断面図である。図示の通り、ディスプレイ用光学フィルタ40は、透明基板31Aと、透明基板31Aの一方の表面に形成された反射防止層34、及び透明基板31Aの他方の表面に形成された、本発明の光学フィルタである粘着剤を含むネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含)32(図1におけるネオンカット層(紫外線吸収剤含)に、近赤外線遮蔽材を配合したもの)を構成に含む。また、別の透明基板31Bと、透明基板31Bの一方の表面に形成されたメッシュ状導電層35、及び透明基板31Bの他方の表面に形成された粘着剤層36を構成に含む。そして、透明基板31Aを含む積層体と、透明基板31Bを含む別の積層体とが、粘着剤を含むネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含)32を介して接着されている。本発明では、ネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含)32により、2種の積層体を接着しているので、別途粘着剤層を設けることなく、層構成が簡素化されている。また、本発明の光学フィルタを使用しているので、ネオンカット色素や近赤外線遮蔽剤の劣化が抑制され、耐候性の高いディスプレイ用光学フィルタとなっている。ネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含)32は、図2に示したように、紫外線吸収剤を含む別の層が、ネオンカット/近赤外遮蔽層の例えば太陽光側(視聴者側)に形成されていても良い。また、本発明のディスプレイ用光学フィルタにおいては、近赤外線遮蔽層を別の層として形成されていても良い。この場合、例えば、近赤外線遮蔽剤を、粘着剤層36に配合しても良く、ネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含)32の位置に、近赤外線遮蔽層を設け、その表面に本発明の光学フィルタ(ネオンカット層(紫外線吸収剤含))を設けても良い。また、粘着剤層36の位置に本発明の光学フィルタ(ネオンカット層(紫外線吸収剤含)又はネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含))を設けても良い。
近赤外線遮蔽剤として、タングステン酸化物及び/又は複合タングステン酸化物を用いた場合、一般に800〜1100nmの波長領域の近赤外線の光の透過率の最小値が30%以下とすることができる。
なお、導電層35から外部への導通を図るため、ディスプレイ用光学フィルタ40には、導電性粘着テープを導電層35に挟みこんで外部に接地させる等の構造が含まれる(図示していない)。また、ハンドリング向上のため、粘着剤層36上に剥離シートを設けても良い。
ディスプレイ用光学フィルタ40は、粘着剤層36を介してディスプレイ表面に接着されるか、粘着剤層36を介してガラス板に接着されPDPの前面に配置されるのが一般的である。
図5は、本発明の光学フィルタを含む、本発明のディスプレイ用光学フィルタの好適態様の別の1例を示す概略断面図である。図示の通り、ディスプレイ用光学フィルタ50においては、透明基板41の一方の表面にメッシュ状の導電層(電磁波シールド層)45が設けられ、さらに導電層45の上に反射防止層44が設けられ、透明基板41の他方の表面に粘着剤を含むネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含)42が設けられている。従って、ディスプレイ用光学フィルタ50は、透明基板として透明基板41を1枚のみ使用しており、図4のディスプレイ用光学フィルタ40に比較して薄く、更に簡素な構成となっている。また、本発明の光学フィルタを使用しているので、ネオンカット色素や近赤外線遮蔽剤の劣化が抑制され、耐候性の高いディスプレイ用光学フィルタとなっている。ネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含)42は、図2に示したように、紫外線吸収を含む別の層が、ネオンカット/近赤外遮蔽層の、例えばパネル側に形成されていても良い。また、本発明のディスプレイ用光学フィルタにおいては、近赤外線遮蔽層も別の層として形成されていても良い。この場合、例えば、近赤外線遮蔽剤を、反射防止層44に配合しても良く、ネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含)42の位置に、近赤外線遮蔽層を設け、その表面に本発明の光学フィルタ(ネオンカット層(紫外線吸収剤含))を設けても良い。
近赤外線遮蔽剤として、タングステン酸化物及び/又は複合タングステン酸化物を用いた場合、一般に800〜1100nmの波長領域の近赤外線の光の透過率の最小値が30%以下とすることができる。
なお、導電層45から外部への導通を図るため、ディスプレイ用光学フィルタ50には、光学フィルタの周囲の反射防止層44をレーザー照射等により除去して導電層45を露出させたり、導電性粘着テープを導電層45に挟みこんで外部に接地させたりする等の構造が含まれる(図示していない)。また、ハンドリング向上のため、ネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含)42上に剥離シートを設けても良い。
ディスプレイ用光学フィルタ50は、粘着剤を含むネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含)42を介してディスプレイ表面に接着されるか、ネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含)42を介してガラス板に接着されPDPの前面に配置されるのが一般的である。ディスプレイ表面やガラス板への、より強力な接着のために、別の粘着剤層を設けても良い。
本発明のディスプレイ用光学フィルタは、本発明の光学フィルタを含んでいればどのような構成を有していても良く、図4又は5に示した以外の構成を有するもの、例えば、上記で示した層の位置は適宜変更したものであっても良く、用途に応じて、反射防止層を省略しても良い。
また、本発明のディスプレイ用光学フィルタは、特に、画像表示の発光部に高周波パルス放電を行っており、ネオン発光による不要光の発生が顕著なプラズマディスプレイパネル用光学フィルタに適している。
図6は、本発明のPDP用光学フィルタの好適態様の1例を示す概略断面図である。図示の通り、PDP用光学フィルタ70は、透明基板51Aの一方の表面に形成されたハードコート層54、及び透明基板51Aの他方の表面に形成された粘着剤層56を構成に含む。また、別の透明基板51Bと、透明基板51Bの一方の表面に形成されたメッシュ状導電層55、及び透明基板51Bの他方の表面に形成された、本発明の光学フィルタである粘着剤を含むネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含)52、及びガラス板60を構成に含む。そして、透明基板51Aを含む積層体と、透明基板51Bを含む積層体とが、粘着剤層56を介して接着され、更に透明基板51Bを含む積層体と、ガラス板60とが、ネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含)52を介して接着されている。本発明では、ネオンカット/近赤外線遮蔽層(紫外線吸収剤含)52により、上記積層体をガラス板に接着しているので、別途粘着層を設けることなく、層構成簡素化されている。また、本発明の光学フィルタを使用しているので、ネオンカット色素や近赤外線遮蔽剤の劣化が抑制され、耐候性の高いディスプレイ用光学フィルタとなっている。なお、導電層55から外部への導通を図るため、PDP用光学フィルタ70には、導電性粘着テープを導電層55に挟みこんで外部に接地させたりする等の構造が含まれる(図示していない)。本発明のPDP用光学フィルタは、本発明の光学フィルタを含んでいればどのような構成を有していても良く、図6に示した以外の構成を有するもの、例えば、上記で示した層の位置は適宜変更したものであっても良く、必要に応じて、反射防止層を設けても良い。
図6のような本発明のPDP用光学フィルタは、通常、PDPの前面に配置されて使用される。
本発明のディスプレイ用光学フィルタに使用される材料について以下に説明する。
[透明基板]
透明基板は、特に透明なプラスチックフィルムであることが好ましい。その材料としては、透明(「可視光に対して透明」を意味する。)であれば特に制限はない。プラスチックフィルムの例としては、ポリエステル{例、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート}、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等を挙げることができる。これらの中でも、加工時の負荷(熱、溶剤、折り曲げ等)に対する耐性が高く、透明性が特に高い等の点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が好ましい。特に、PETが、加工性に優れているので好ましい。この他、グリーンガラス、珪酸塩ガラス、無機ガラス板、無着色透明ガラス板などのガラス板も使用することができる。
透明基板の厚さとしては、光学フィルタの用途等によっても異なるが、一般に1μm〜10mm、1μm〜5mm、特に25〜250μmが好ましい。
[導電層]
導電層は、得られる光学フィルタの表面抵抗値が、一般に10Ω/□以下、好ましくは0.001〜5Ω/□の範囲、特に0.005〜5Ω/□のとなるように設定される。メッシュ(格子)状の導電層が好ましい。或いは、導電層は、気相成膜法により得られる層(金属酸化物(ITO等)の透明導電薄膜)でも良い。さらに、ITO等の金属酸化物の誘電体膜とAg等の金属層との交互積層体(例、ITO/銀/ITO/銀/ITOの積層体)であっても良い。
メッシュ状の金属導電層としては金属繊維及び金属被覆有機繊維の金属を網状にしたもの、透明基板上の銅箔等の層を網状にエッチング加工し、開口部を設けたもの、透明基板上に導電性インクをメッシュ状に印刷したもの、等を挙げることができる。
メッシュ状の金属導電層の場合、メッシュとしては、金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維よりなる線幅1μm〜1mm、開口率50%以上のものが好ましい。より好ましい線径は10〜500μm、開口率は50以上95%以下である。メッシュ状の導電層において、線幅が1mmを超えると電磁波シールド性が向上するが、開口率が低下し両立させることができない。1μm未満では、メッシュとしての強度が下がり取扱いが困難となる。また開口率が95%を超えるとメッシュとしての形状を維持することが困難であり、50%未満では光透過性が低下し、ディスプレイからの光量も低下する。
なお、導電性メッシュの開口率とは、当該導電性メッシュの投影面積における開口部分が占める面積割合を言う。
メッシュ状の導電層を構成する金属繊維及び金属被覆有機繊維の金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、錫、鉛、鉄、銀、炭素或いはこれらの合金、好ましくは銅、ステンレス、ニッケルが用いられる。
金属被覆有機繊維の有機材料としては、ポリエステル、ナイロン、塩化ビニリデン、アラミド、ビニロン、セルロース等が用いられる。
金属箔等の導電性の箔をパターンエッチングしたもの場合、金属箔の金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、真鍮、或いはこれらの合金、好ましくは銅、ステンレス、アルミニウムが用いられる。
金属箔の厚さは、薄過ぎると取扱い性やパターンエッチングの作業性等の面で好ましくなく、厚過ぎると得られるフィルムの厚さに影響を及ぼし、エッチング工程の所要時間が長くなることから、1〜200μm程度とするのが好ましい。
エッチングパターンの形状には特に制限はなく、例えば四角形の孔が形成された格子状の金属箔や、円形、六角形、三角形又は楕円形の孔が形成されたパンチングメタル状の金属箔等が挙げられる。また、孔は規則的に並んだものに限らず、ランダムパターンとしても良い。この金属箔の投影面における開口部分の面積割合は、20〜95%であることが好ましい。さらに開口率50%以上のものが好ましく、特に50%以上95%以下である。また線幅は10〜500μmが好ましい。
上記の他に、メッシュ状の金属導電層として、フィルム面に、溶剤に対して可溶な材料によってドットを形成し、フィルム面に溶剤に対して不溶な導電材料からなる導電材料層を形成し、フィルム面を溶剤と接触させてドット及びドット上の導電材料層を除去することによって得られるメッシュ状金属導電層を用いても良い。
導電層は、透明基板上に直接設けられてもよく、粘着剤層又は接着剤層を介して設けられてもよい。この粘着剤層又は接着剤層としては、光学フィルタをディスプレイに接着するための接着剤層として後述するものと同じものを用いることができる。
メッシュ状金属導電層上に、さらに金属メッキ層を、導電性を向上させるためは設けても良い(特に、上記溶剤に対して可溶な材料によってドットを形成する方法の場合)。金属メッキ層は、公知の電解メッキ法、無電解メッキ法により形成することができる。メッキに使用される金属としては、一般に銅、銅合金、ニッケル、アルミ、銀、金、亜鉛又はスズ等を使用することが可能であり、好ましくは銅、銅合金、銀、又はニッケルであり、特に経済性、導電性の点から、銅又は銅合金を使用することが好ましい。
また、防眩性能を付与させても良い。この防眩化処理を行う場合、(メッシュ)導電層の表面に黒化処理を行っても良い。例えば、金属膜の酸化処理、クロム合金等の黒色メッキ、黒又は暗色系のインクの塗布等を行うことができる。
[反射防止層]
反射防止層は、一般にハードコート層とその上に設けられたハードコート層より屈折率の低い低屈折率層との複合膜であるか、或いはハードコート層と低屈折率層との間にさらに高屈折率層が設けられた複合膜である。反射防止膜は透明基板より屈折率の低いハードコート層のみであっても有効である。
ハードコート層としては、アクリル樹脂層、エポキシ樹脂層、ウレタン樹脂層、シリコン樹脂層等の合成樹脂を主成分とする層である。通常その厚さは1〜50μm、好ましくは1〜10μmである。合成樹脂は、一般に熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂であり、紫外線硬化性樹脂が好ましい。紫外線硬化性樹脂は、短時間で硬化させることができ、生産性に優れているので好ましい。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、シリコン樹脂などを挙げることができる。
ハードコート層としては、紫外線硬化性樹脂組成物(紫外線硬化性樹脂(モノマー及び/又はオリゴマー)、光重合開始剤等からなる)を主成分とする層の硬化層が好ましく、通常その厚さは1〜50μm、好ましくは1〜10μmである。
紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類;ポリオール化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸又はこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記、多塩基酸又はこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4′−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2′−4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら化合物は1種又は2種以上、混合して使用することができる。これらの紫外線硬化性樹脂を、熱重合開始剤とともに用いて熱硬化性樹脂として使用してもよい。
ハードコート層とするには、上記の紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)の内、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の硬質の多官能モノマーを主に使用することが好ましい。
紫外線硬化性樹脂の光重合開始剤として、紫外線硬化性樹脂の性質に適した任意の化合物を使用することができる。例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のごとき安息香酸系叉は、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみの1種または2種以上の混合で使用することができる。特に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア184)が好ましい。
光重合開始剤の量は、樹脂組成物に対して一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
さらに、ハードコート層は、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止剤、塗料加工助剤、着色剤等を少量含んでいても良い。特に、紫外線吸収剤(例、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤又はベンゾフェノン系紫外線吸収剤)を含むことが好ましく、これによりフィルタの黄変等の防止が効率的に行うことができる。その量は、樹脂組成物に対して一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
高屈折率層は、ポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂組成物)中に、ITO,ATO,Sb23,SbO2,In23,SnO2,ZnO、AlをドープしたZnO、TiO2が分散した層(硬化層)とすることが好ましい。金属酸化物微粒子としては、平均粒径10〜10000nm、好ましくは10〜50nmのものが好ましい。特にITO(特に平均粒径10〜50nmのもの)が好ましい。屈折率を1.64以上としたものが好適である。膜厚は一般に10〜500nmの範囲、好ましくは20〜200nmである。
なお、高屈折率層が導電層である場合、この高屈折率層の屈折率を1.64以上とすることにより反射防止フィルムの表面反射率の最小反射率を1.5%以内にすることができ、1.69以上、好ましくは1.69〜1.82とすることにより反射防止フィルムの表面反射率の最小反射率を1.0%以内にすることができる。
低屈折率層は、シリカ、フッ素樹脂等の微粒子、好ましくは中空シリカを10〜40質量%(好ましくは10〜30質量%)がポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)中に分散した層(硬化層)であることが好ましい。この低屈折率層の屈折率は、1.45以下が好ましい。この屈折率が1.45超であると、反射防止フィルムの反射防止特性が低下する。膜厚は一般に10〜500nmの範囲、好ましくは20〜200nmである。
中空シリカとしては、平均粒径10〜100nm、好ましくは10〜50nm、比重0.5〜1.0、好ましくは0.8〜0.9のものが好ましい。
ハードコート層は、可視光線透過率が70%以上であることが好ましい。高屈折率層及び低屈折率層の可視光線透過率も、いずれも85%以上であることが好ましい。
反射防止層がハードコート層と上記2層より構成される場合、例えば、ハードコート層の厚さは2〜20μm、高屈折率層の厚さは50〜150nm、低屈折率層の厚さは50〜150nmであることが好ましい。
反射防止層の、各層を形成するには、例えば、前記の通り、ポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)に必要に応じ上記の微粒子を配合し、得られた塗工液を、前記の透明基板表面に塗工し、次いで乾燥した後、紫外線照射して硬化すればよい。この場合、各層を1層ずつ塗工し硬化させてもよく、全層を塗工した後、まとめて硬化させてもよい。
塗工の具体的な方法としては、アクリル系モノマー等を含む紫外線硬化性樹脂をトルエン等の溶媒で溶液にした塗工液をグラビアコータ等によりコーティングし、その後乾燥し、次いで紫外線により硬化する方法を挙げることができる。このウェットコーティング法であれば、高速で均一に且つ安価に成膜できるという利点がある。このコーティング後に例えば紫外線を照射して硬化することにより密着性の向上、膜の硬度の上昇という効果が得られる。前記導電層も同様に形成することができる。
紫外線硬化の場合は、光源として紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザ光等を挙げることができる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数秒〜数分程度である。また、硬化促進のために、予め積層体を40〜120℃に加熱し、これに紫外線を照射してもよい。
反射防止層上には、保護層を設けても良い。保護層は、前記ハードコート層と同様にして形成することが好ましい。
また、ハードコート層の代わりに防眩層を設けることも好ましい。反射防止効果が大きいものが得られやすい。防眩層としては、例えば、ポリマー微粒子(例、アクリルビーズ)等の透明フィラー(好ましくは平均粒径1〜10μm)をバインダに分散させた液を塗布、乾燥することにより得られる防眩層、或いは、前述のハードコート層形成用材料に透明フィラー(ポリマー微粒子;例、アクリルビーズ)を加えた液を塗布、硬化させた、ハードコート機能を有する防眩層を挙げることができ、好ましい。防眩層の層厚は、一般に0.01〜20μmの範囲である。
[近赤外線遮蔽層]
近赤外線遮蔽層は、上述のように本発明のネオンカット層に近赤外線遮蔽剤を配合した場合は不要であるが、別途設ける場合は、一般に、上述のタングステン酸化物又は複合タングステン酸化物又は有機系近赤外線吸収色素、及びバインダ樹脂(好ましくは上記アクリル樹脂)を主成分とする層を適切に形成させる。近赤外線遮蔽層は、例えば上記(複合)タングステン酸化物及びバインダ樹脂等を含む塗工液を塗工、必要により乾燥、そして硬化させることにより得られる。或いは上記(複合)タングステン酸化物及びバインダ樹脂等を含む塗工液を塗工、そして単に乾燥させることによっても得られる。フィルムとして使用する場合は、一般に近赤外線カットフィルムであり、例えば(複合)タングステン酸化物を含有するフィルムである。また、光学特性に大きな影響を与えない限り、さらに着色用の色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を加えても良い。
本発明の光学フィルタの近赤外線吸収特性としては、800〜1100nmの波長範囲の近赤外線における透過率の最小値が、当該波長範囲において30%以下であることが好ましく、特に20%以下が好ましい。これにより、周辺機器のリモコン等の誤作動が指摘されている波長領域の透過度を減少させる効果がある。この場合、上述の通り、光学フィルタの透過光のL***表示系のb*が−15以上であることが好ましい。
近赤外線遮蔽層は、上記(複合)タングステン酸化物をバインダ樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部、さらに1〜20質量部、特に1〜10質量部含有することが好ましい。また近赤外線遮蔽層の厚さは、一般に1〜50μm、好ましくは5〜50μmである。
[粘着剤層]
本発明における光学フィルタのネオンカット層以外の通常の粘着剤層は、主として本発明の光学フィルムをディスプレイに接着するための層であり、接着機能を有するものであればどのような樹脂でも使用することができる。例えば、ブチルアクリレート等から形成されたアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、SEBS(スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン)及びSBS(スチレン/ブタジエン/スチレン)等の熱可塑性エラストマー(TPE)を主成分とするTPE系粘着剤及び接着剤等も用いることができる。
その層厚は、一般に5〜500μm、特に10〜100μmの範囲が好ましい。光学フィルタは、一般に上記粘着剤層をディスプレイのガラス板に圧着することによる装備することができる。
本発明において透明基板2枚を使用する場合、これらの接着に、本発明の光学フィルタのネオンカット層を用いない場合は、粘着剤層として、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、アクリル樹脂(例、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、金属イオン架橋エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体)、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル化エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体等のエチレン系共重合体を使用することができる(なお、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を示す。)。その他、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ゴム系粘着剤、SEBS及びSBS等の熱可塑性エラストマー等も用いることができるが、良好な接着性が得られやすいのはアクリル樹脂系粘着剤、エポキシ樹脂である。その層厚は、10〜100μmの範囲が好ましい。
前記粘着剤層の材料として、EVAも使用する場合、EVAとしては酢酸ビニル含有量が5〜50質量%、好ましくは15〜40質量%のものが使用される。酢酸ビニル含有量が5質量%より少ないと透明性に問題があり、また40質量%を超すと機械的性質が著しく低下する上に、成膜が困難となり、フィルム相互のブロッキングが生じ易い。
架橋剤としては加熱架橋する場合は、有機過酸化物が適当であり、シート加工温度、架橋温度、貯蔵安定性等を考慮して選ばれる。有機過酸化物は通常EVAに対し押出機、ロールミル等で混練されるが、有機溶媒、可塑剤、ビニルモノマー等に溶解し、EVAのフィルムに含浸法により添加しても良い。
上記接着のための粘着剤層は、例えばEVAと上述の添加剤とを混合し、押出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の成膜法により所定の形状にシート成形することにより製造される。
[剥離シート]
粘着剤層上に設けられる剥離シートの材料としては、ガラス転移温度が50℃以上の透明のポリマーが好ましく、このような材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等のポリマーを主成分とする樹脂を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いることができる。厚さは10〜200μmが好ましく、特に30〜100μmが好ましい。
以下、本発明を実施例により説明する。
[実施例1〜8、及び比較例1〜3]
(1)ネオンカット色素含有光学フィルタ試験体の作製
下記の配合:
アクリル樹脂系粘着剤(SKダイン1811L(綜研化学社製)、固形分20%酢酸エチル溶液); 100質量部、
イソシアネート系硬化剤(L−45(綜研化学社製)); 1質量部、
アザポルフィリン系ネオンカット色素(TAP18(山田化学工業社製)); 0.05質量部、
紫外線吸収剤(表1に示した各紫外線吸収剤); 各層を形成した際に、表1に示した単位面積当たりの添加量になる配合量、
を混合して得た塗工液を、ポリエチレンテレフタレート製透明基板(厚さ100μm)の表面にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥させた。これにより、近赤外線吸収層上に厚さ25〜50μmの粘着剤を含むネオンカット層(紫外線吸収剤含)を形成した。その上に、ガラス板を圧着して貼り付け、試験体を作製した。
(2)試験体の評価方法
(a)透過率1%以下の紫外線波長の上限
各試験体について、吸光度を分光光度計(UV3100PC(島津製作所(株)製))を用いて、紫外線の波長を変化させて透過率スペクトルを分析し、透過率1%以下の紫外線波長の上限を求めた。
(b)紫外線によるネオンカット色素の劣化抑制効果
各試験体のガラス板側から、キセノンウェザーメーター(XL75、スガ試験機(株)製)により、キセノンアークを240h照射した。キセノンアーク照射前後で、試験体の592nm(使用したネオンカット色素の極大吸収波長)の吸光度を分光光度計(UV3100PC(島津製作所(株)製))で測定し、吸光度比をネオンカット色素の残存率とした。残存率が60%以上を合格とした。
(3)評価結果
表1に実施例1〜8、及び比較例1〜3の評価結果を示す。実施例1〜8の試験体の透過率1%以下の紫外線波長の上限は、370nm〜395nmであった。ネオンカット色素の残存率は、全ての実施例で60%以上であり、合格であった。一方、比較例1〜3の試験体は、透過率1%以下の紫外線波長の上限は350〜363nmであり、ネオンカット色素の残存率は55%以下で、不合格であった。従って、透過率1%以下の紫外線波長の上限が、365nm以上の場合に、ネオンカット色素の劣化抑制効果があることが示された。
Figure 2011007894
[実施例9〜10、及び比較例4]
(1)ネオンカット色素含有光学フィルタ試験体の作製
塗工液の配合を、
下記の配合:
アクリル樹脂系粘着剤(SKダイン1811L(綜研化学社製)、固形分20%酢酸エチル溶液); 100質量部、
イソシアネート系硬化剤(L−45(綜研化学社製)); 1質量部、
アザポルフィリン系ネオンカット色素(TAP18(山田化学工業社製)); 0.05質量部、
紫外線吸収剤(表2に示した各紫外線吸収剤); 各層を形成した際に、表2に示した単位面積当たりの添加量になる配合量、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(IRGANOX1010(チバ・ジャパン社製); 表2に示した添加量、
とした以外は、上記実施例1の場合と同様に試験体を作製した。
(2)試験体の評価方法
(a)透過率1%以下の紫外線波長の上限
各試験体について、上記実施例1の場合と同様に、透過率1%以下の紫外線波長の上限を求めた。
(b)紫外線によるネオンカット色素の劣化抑制効果
キセノンアークを250h照射した以外は、上記実施例1の場合と同様に評価した。
(3)評価結果
実施例9〜10、及び比較例4の評価結果を表2に示す。実施例9及び10の試験体の透過率1%以下の紫外線波長の上限は、どちらも385nmであった。ネオンカット色素の残存率は、どちらの実施例でも60%以上で合格であった。但し、酸化防止剤を配合した実施例10の方が、ネオンカット色素の残存率が高く、酸化防止剤を含む方が、色素劣化を更に抑制することが認められた。一方、比較例4は透過率1%以下の紫外線波長の上限が363nmであり、ネオンカット色素の残存率は55%で、不合格であった。
Figure 2011007894
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、耐候性が高いディスプレイ用光学フィルタを低コストで提供することができる。
11、21、31A、31B、41、51A、51B 透明基板
12 ネオンカット層(紫外線吸収剤含)
22 ネオンカット層
23 紫外線吸収層
32、42、52 ネオンカット/近赤外遮蔽層(紫外線吸収剤含)
34、44 反射防止層
35、45、55 導電層
36、56 粘着剤層
40、50 ディスプレイ用光学フィルタ
54 ハードコート層
60 ガラス板
70 PDP用光学フィルタ

Claims (14)

  1. 560〜610nmの波長範囲に極大吸収を有する色素及び粘着剤を含むネオンカット層を有し、且つ、紫外線吸収剤が、当該ネオンカット層又は別の層に含まれており、
    当該紫外線吸収剤を含む層が、紫外線波長領域において透過率1%以下の領域を有し、且つ、その領域の紫外線波長の上限が365nm以上であることを特徴とする光学フィルタ。
  2. 前記ネオンカット層が、紫外線吸収剤を含む層である請求項1に記載の光学フィルタ。
  3. 前記色素が、ポルフィリン系色素又はアザポルフィリン系色素である請求項1又は2に記載の光学フィルタ。
  4. 前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤又はベンゾフェノン系紫外線吸収剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  5. 前記紫外線吸収剤を含む層に対する紫外線吸収剤の含有量が、0.05〜0.3mg/cm2である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  6. 前記紫外線吸収剤を含む層の層厚が、5〜50μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  7. 前記ネオンカット層に、更に酸化防止剤を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  8. 前記粘着剤が、アクリル樹脂系粘着剤である請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  9. 前記ネオンカット層が、更に硬化剤を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  10. 前記ネオンカット層に、更に近赤外遮蔽剤を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  11. 前記近赤外線遮蔽剤が、タングステン酸化物及び/又は複合タングステン酸化物である請求項10に記載の光学フィルタ。
  12. タングステン酸化物が、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素を表し、そして2.2≦z/y≦2.999である)で表され、そして
    複合タングステン酸化物が、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素を表し、そして0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3である)で表される請求項11に記載の光学フィルタ。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学フィルタを含むディスプレイ用光学フィルタ。
  14. プラズマディスプレイパネル用である請求項13のディスプレイ用光学フィルタ。
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