JP2012185431A - 近赤外反射フィルム及びその製造方法、並びに近赤外反射体 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属酸化物が高濃度で、かつ凝集を生じることなく、屈折率層中に分散されており、また有機溶剤使用量を低減して環境に配慮しつつも、近赤外反射性、可視光透過性、膜柔軟性及び基材との密着性に優れた、近赤外反射フィルムとその製造方法を提供する。
【解決手段】支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層したユニットを少なくとも1つ含む近赤外反射フィルムにおいて、該高屈折率層の少なくとも1層が、体積平均粒径100nm以下の金属酸化物粒子、ゼラチン類、及び、活性エネルギー線により重合性化合物を硬化させた硬化樹脂を含有することを特徴とする近赤外反射フィルム及びその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、近赤外反射フィルム及びその製造方法、並びに近赤外反射体に関し、更に詳しくは、近赤外反射性、可視光透過性及び柔軟性、密着性に優れた近赤外反射フィルム及びその製造方法、並びに近赤外反射体に関する。
近年、省エネルギー対策への関心の高まりから、冷房設備にかかる負荷を減らす観点から、建物や車両の窓ガラスに装着させて、太陽光の熱線の透過を遮断する近赤外反射フィルムの要望が高まってきている。
近赤外反射フィルムの形成方法としては、主には、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた構成からなる積層膜を、蒸着法、スパッタ法などのドライ製膜法を用いて形成する方法が提案されている。しかし、ドライ製膜法は、形成に用いる真空装置等が大型になり、製造コストが高く、大面積化が困難であり、しかも、基材として耐熱性素材に限定される等の課題を抱えている。
一方、塗布法で作製する方法として、熱硬化樹脂を用いる方法(例えば、特許文献1参照)や、UV硬化樹脂を用いる方法(例えば、特許文献2参照)が開示されている。しかし、これらの方法はどちらも大量に有機溶媒を用いる方法であり、環境上好ましくない。
さらに、溶剤系のUV硬化樹脂や熱硬化性樹脂を用いた方法では形成した層の柔軟性が不十分で得られた近赤外反射フィルムのハンドリング等で性能が劣化することがあった。
更に、水系の高屈折率層、低屈折率層形成用の塗布液として、水系UV硬化樹脂と金属酸化物微粒子を用いる方法について検討した結果、高屈折率層形成の際に金属酸化物粒子、特にルチル型の酸化チタンを使う際に凝集が起こりやすく酸化チタンの配合比率をあげられなかった。しかも、出来上がった膜の平面性が十分とは言えず、またできた膜の耐久性(柔軟性)、基材との密着性も十分とは言えなかった。
特開平8−110401号公報 特開2004−123766号公報
本発明の目的は、金属酸化物が高濃度で、かつ凝集を生じることなく、屈折率層中に分散されており、また有機溶剤使用量を低減して環境に配慮しつつも、近赤外反射性、可視光透過性、膜柔軟性及び基材との密着性に優れた、近赤外反射フィルムとその製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層したユニットを少なくとも1つ含む近赤外反射フィルムにおいて、該高屈折率層の少なくとも1層が、体積平均粒径100nm以下の金属酸化物粒子、ゼラチン類、及び、活性エネルギー線により重合性化合物を硬化させた硬化樹脂を含有することを特徴とする近赤外反射フィルム。
2.前記重合性化合物が水溶性または親水性化合物であることを特徴とする前記1に記載の近赤外反射フィルム。
3.前記重合性化合物が水分散性の化合物であることを特徴とする前記1に記載の近赤外反射フィルム。
4.前記金属酸化物粒子が、ルチル型酸化チタン粒子であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
5.前記低屈折率層の少なくとも1層が、体積平均粒径100nm以下の金属酸化物粒子、ゼラチン類、及び、活性エネルギー線により重合性化合物を硬化させた硬化樹脂を含有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
6.前記高屈折率層、及び、前記低屈折率層の少なくとも1層が、さらにセルロース類、増粘多糖類、及び反応性官能基を有するポリマーの少なくとも1つを含有することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
7.前記1〜6のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムが基体の少なくとも一方の面に設けられたことを特徴とする近赤外反射体。
8.前記1〜6のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムの製造方法において、体積平均粒径100nm以下の金属酸化物粒子、ゼラチン類、水系溶媒、及び活性エネルギー線により硬化する重合性化合物を含む組成物に、活性エネルギー線を照射することによって高屈折率層、及び、低屈折率層の少なくとも1層を構成することを特徴とする近赤外反射フィルムの製造方法。
本発明によれば、金属酸化物が高濃度で、かつ凝集を生じることなく、屈折率層中に分散されており、また有機溶剤使用量を低減して環境に配慮しつつも、近赤外反射性、可視光透過性、膜柔軟性及び基材との密着性に優れた、近赤外反射フィルムとその製造方法を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は、支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層したユニットを少なくとも1つ含む近赤外反射フィルムであって、該高屈折率層の少なくとも1層が、体積平均粒径100nm以下の金属酸化物粒子、ゼラチン類、及び、活性エネルギー線により重合性化合物を硬化させた硬化樹脂を含有する近赤外反射フィルムである。
本発明者は、鋭意検討し、体積平均粒径100nm以下の金属酸化物粒子と、活性エネルギー線により重合性化合物とを含む高屈折率層又は低屈折率層の水系塗布液にゼラチンを加えることで上記目的を、達成できることを見出して、本発明を成した。
〔近赤外反射フィルム〕
本発明の近赤外反射フィルムは、支持体上に互いに屈折率が異なる高屈折率層と低屈折率層とを積層させた多層積層体を有することを特徴とし、JIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率が50%以上で、かつ、波長900nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差は大きいほど、赤外反射率が高くなり好ましい。
特定波長領域の反射率は、隣接する2層の屈折率差と積層数で決まり、屈折率の差が大きいほど、少ない層数で同じ反射率を得られる。この屈折率差と必要な層数については、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。例えば、赤外反射率90%以上を得るためには、屈折率差が0.3より小さいと、20層以上の積層が必要になり、生産性が低下するだけでなく、積層界面での散乱が大きくなり、透明性が低下し、また故障なく製造することも非常に困難になる。反射率の向上と層数を少なくする観点からは、屈折率差に上限はないが、実質的には限界がある。
次いで、本発明の近赤外反射フィルムにおける高屈折率層と低屈折率層の基本的な構成概要について説明する。
本発明の近赤外反射フィルムにおいては、隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.3以上であることが望ましいが、高屈折率層と低屈折率層を上記のようにそれぞれ複数層有する場合には、全ての屈折率層が本発明で規定する要件を満たすことが好ましい。ただし、最表層に関しては、本発明で規定する要件外の構成であっても良い。
また、本発明の近赤外反射フィルムにおいては、高屈折率層の好ましい屈折率としては1.80〜2.50であり、より好ましくは1.90〜2.20である。
〔支持体〕
本発明の近赤外反射フィルムに適用する支持体としてはフィルム支持体であることが好ましく、フィルム支持体は、透明であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
本発明に係るフィルム支持体の厚みは、50〜300μm、特に80〜250μmであることが好ましい。また、本発明のフィルム支持体は、2枚を重ねたものであっても良く、この場合、その種類が同じでも異なってもよい。
また、本発明においては、近赤外反射膜を形成する前に樹脂フィルム支持体をコロナ放電処理してもよい。
さらに、本発明に係る支持体表面には、蒸着膜との密着性の向上を目的としてアンカーコート剤層を形成してもよい。このアンカーコート剤層に用いられるアンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコーン樹脂、及びアルキルチタネート等を、1または2種以上併せて使用することができる。これらのアンカーコート剤には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記のアンカーコート剤は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法により支持体上にコーティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥除去することによりアンカーコーティングすることができる。上記のアンカーコート剤の塗布量としては、0.1〜5g/m(乾燥状態)程度が好ましい。
(高屈折率層の金属酸化物粒子)
本発明の高屈折率層の少なくとも1層は、体積平均粒径が100nm以下の金属酸化物粒子を含有する。当該金属酸化物粒子としては、屈折率が2.0以上であることが好ましい。金属酸化物粒子としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン等を挙げることができるが、特に、ルチル型酸化チタン粒子が好ましい。
〈ルチル型酸化チタン〉
本発明においては、金属酸化物粒子が、体積平均粒径が100nm以下のルチル型(正方晶形)の酸化チタン粒子であることが好ましい。体積平均粒径が100nm以下であれと、ヘイズが少なく可視光透過性に優れるためである。ルチル型酸化チタン粒子の体積平均粒径は、4nm以上、50nm以下であることがより好ましく、更に好ましくは4nm以上、30nm以下である。
本発明に係るルチル型酸化チタン粒子の体積平均粒径とは、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、それぞれd、d・・・d・dの粒径を持つ粒子がそれぞれn、n・・・n・n個存在する金属酸化物粒子の集団において、粒子1個当りの表面積をa、体積をvとした場合に、体積平均粒径mv={Σ(v・d)}/{Σ(v)}で表される体積で重み付けされた平均粒径である。
一方、媒体中に分散された一次粒子または二次粒子の平均粒径は、下記で示す方法で測定された体積で重み付けされた平均粒径であり、レーザー回折/散乱法、動的光散乱法等により測定された体積で重み付けされた平均粒径として算出できる。
さらに、本発明に係る酸化チタン粒子は、単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以下をいう。更に好ましくは30%以下であり、特に好ましくは0.1〜20%となる粒子である。
単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
〈ルチル型酸化チタンゾルの製造方法〉
本発明においては、近赤外反射フィルムを製造する方法として、水系高屈折率層塗布液を調製する際に、ルチル型酸化チタンとして、pHが1.0以上、3.0以下で、かつチタン粒子のゼータ電位が正である水系の酸化チタンゾルを用いることが好ましい。
一般的に酸化チタン粒子は、粒子表面の光触媒活性の抑制や、溶媒等への分散性を向上する目的で表面処理を施された状態で使用されることが多く、例えば、酸化チタン粒子表面をシリカからなる被覆層で覆われ、粒子表面が負電荷を帯びたものや、アルミニウム酸化物からなる被覆層が形成されたpH8〜10で表面が正電荷を帯びたものが知られているが、本発明においては、前記のような表面処理が施されていないpHが1.0〜3.0で、かつゼータ電位が正である酸化チタンの水系ゾルを塗布液作製の原料に用いることが好ましい。
本発明で用いることのできるルチル型酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等に記載された事項を参照にすることができる。
また、本発明に係るルチル型酸化チタンのその他の製造方法については、例えば、「酸化チタン−物性と応用技術」清野学 p255〜258(2000年)技報堂出版株式会社、或いはWO2007/039953号明細書の段落番号0011〜0023の記載の工程(2)の方法を参考にすることができる。
上記工程(2)による製造方法とは、二酸化チタン水和物をアルカリ金属の水酸物又はアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選択される、少なくとも1種の塩基性化合物で処理する工程(1)の後に、得られた二酸化チタン分散物を、カルボン酸基含有化合物及び無機酸で処理する工程(2)からなる。本発明では、工程(2)により得られた無機酸によりpHを1.0〜3.0に調整されたルチル型酸化チタンの水系ゾルを用いることができる。
(活性エネルギー線により重合する重合性化合物)
高屈折率層の少なくとも1層が含有する活性エネルギー線により重合性化合物について説明する。本発明に係る重合性化合物は活性エネルギー線で硬化可能な化合物であればよく、オリゴマー、モノマーであってもよい。特には、当該重合性化合物は水溶性または親水性化合物あるいは、水分散性の化合物であることが好ましい。
水溶性または親水性化合物あるいは、水分散性の化合物を採用することにより、本願課題の解決に貢献し、特に有機溶剤使用量を低減のために、水系塗布液を使用することが容易になる。重合性化合物を水溶性または親水性化合物あるいは、水分散性とするには、例えば分子内の水溶性基の数またはその能力を適宜変更することにより、性質を変更することは可能である。
感光性オリゴマー
分子量500〜3000程度であり、骨格中に少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するアクリル系オリゴマー、ポリウレタンの(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート等でありその骨格中に水溶化または水分散性化可能な水溶性部分を有するものである。水溶性または水分散性を付与するための構造としてはポリオキシエチレン、カルボン酸及びその塩、スルホン酸基及びその塩、アンモニウム基及びその塩、アミド基、水酸基等が挙げられる。これらオリゴマーが水溶性または水分散性を有さない場合には、塗布液の安定性を低下させる恐れがあり、コーティング組成物への配合量を少なくせざるを得なくなり、配合量が少なくなると得られる皮膜の物性低下を招く原因となる。また、大量に使用した場合には、水溶性、水分散性を有していても系の粘度が高くなる恐れがあり、良好な塗工適性が得られないことがある。
感光性モノマー
炭素−炭素二重結合を有する感光性モノマーのうち単官能のものとしては、
(1)(メタ)アクリル化合物としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル酸のC1〜C18のアルキルエステル:グリシジル(メタ)アクリレート:アリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のC2〜C8のアルケニルエステル:(メタ)アクリル酸のC2〜C8ヒドロキシアルキルエステル:(メタ)アクリル酸のC3〜C19のアルケニルオキシルアルキルエステル:(メタ)アクリル酸等、
(2)ビニル芳香族化合物としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン等、
(3)その他アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルプロピオネート等が挙げられる。
また、硬化皮膜を三次元架橋させるための、2つ以上の炭素−炭素二重結合を有する多官能モノマーとしては、
(1)(メタ)アクリレート系としてはトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステル、エチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル等、
(2)少なくとも2つ以上の重合性不飽和二重結合をもつ低分子化合物が挙げられる。
水溶性、親水性という観点では、アルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルキレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、或いはポリオールのアルキレンオキシド付加物のモノ又はポリ(メタ)アクリレート等が好ましい。
これら炭素−炭素二重結合を有する感光性モノマーを使用しない場合には得られる皮膜の架橋密度が低くなり、強度が低下したり、耐水性、耐溶剤性が低下したりする。また、逆に添加量が非常に多い場合にはコーティング組成物の安定性を低下させたり、必要以上に架橋密度が高くなり得られる皮膜の可とう性が低下し脆くなりやすい。
活性エネルギー線としては例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等の光源を使用することができる。この中でも、人体への危険性や取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線、紫外線が好ましい。本発明では特に紫外線が好ましい。
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が好ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果は得られず、30Mradを超えると支持体等を劣化させる可能性があるため好ましくない。
紫外線を用いる場合には、光源として、低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長をもつキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知のものが用いられる。
活性エネルギー線として、紫外線照射による硬化を行う場合には、水系塗布液中に光重合開始剤を添加するが、電子線による硬化を行う場合には光重合開始剤を添加する必要はない。
光重合開始剤としては、水溶性又は親水性の光重合開始剤が好ましく、公知のものから適宜選択することができるが、具体的には、イルガキュア2959、ダロキュア1173、1116、イルガキュア184(いずれもBASFジャパン製)、カンタキュアABQ、BTC、QTX(いずれもシェル化学製)等が挙げられる。光重合開始剤は前記重合性化合物に対して0.1〜10質量%使用することが好ましい。
(ゼラチン)
本発明に適用可能なゼラチンとしては、従来、ハロゲン化銀写真感光材料分野で広く用いられてきた各種ゼラチンを適用することができ、例えば、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他に、ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチン及びゼラチン誘導体、すなわち分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を持ち、それと反応して得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。ゼラチンの一般的製造法に関しては良く知られており、例えばT.H.James:The Theory of Photographic Process 4th. ed. 1977(Macmillan)55項、科学写真便覧(上)72〜75項(丸善)、写真工学の基礎−銀塩写真編119〜124(コロナ社)等の記載を参考にすることができる。また、リサーチ・ディスクロージャー誌第176巻、No.17643(1978年12月)のIX項に記載されているゼラチンを挙げることができる。
〈低分子量ゼラチン〉
本発明に係る低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドは、重量平均分子量が3万以下であるものを言い、更には質量分子量が10万以上の高分子ゼラチン成分の含有量が1.0質量%以下であることが好ましい。
本発明でいうコラーゲンペプチドとは、ゼラチンに低分子化処理を施して、ゾルゲル変化を発現させなくしたタンパク質であると定義する。
本発明に係る低分子量ゼラチンやコラーゲンペプチドの重量平均分子量はより好ましくは2,000〜30,000であり、特に好ましくは5,000〜25,000である。
低分子量ゼラチンの重量平均分子量を3万以下とすることにより、本発明の効果をより良好に奏することができ、また重量平均分子量が2000以上のゼラチンやコラーゲンペプチドは容易に製造することができる。
低分子量ゼラチンやコラーゲンペプチドの重量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィーで測定することができる。低分子量ゼラチンあるいはコラーゲンペプチドは、通常用いられる重量平均分子量10万程度の高分子ゼラチンの水溶液にゼラチン分解酵素を加えて酵素分解したり、酸またはアルカリを加えて加熱し加水分解したり、大気圧下または加圧下での加熱により熱分解したり、超音波照射して分解したり、それらの方法を併用したりして得ることができる。
より具体的には、本発明に係る低分子量ゼラチンやコラーゲンペプチドは、次のようにして調製することができる。
通常用いられる重量平均分子量が10万以上の高分子ゼラチンを水に溶かし、ゼラチン分解酵素を加えて、ゼラチン分子を酵素分解する。この方法については、R.J.Cox.Photographic Gelatin II,Academic Press,London,1976年、P233〜251、P335〜P346の記載を参考にすることができる。この場合、酵素が分解する結合位置は決まっているため、比較的分子量分布の狭い低分子量ゼラチンが得られ、好ましい。この場合、酵素分解時間を長くする程、より低分子量化する。その他、低pH(pH1〜3)もしくは高pH(pH10〜12)雰囲気下で加熱し、加水分解する方法もある。
本発明に係る低分子ゼラチンやコラーゲンペプチドにおいては、上記低分子ゼラチンやコラーゲンペプチドの調製工程において、原料として用いる重量平均分子量が10万以上の高分子ゼラチンの分解を十分に行い、その含有量を1.0質量%以下となる様に、高分子ゼラチン分子の酵素分解を最適に行う様に、ゼラチン分解酵素の種類、添加量や、酵素分解時の温度や時間等の条件を適宜設定することが好ましい。
〈高分子ゼラチン〉
本発明においては、少なくとも高屈率層が、重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンを含有することが好ましい。高分子量ゼラチンの重量平均分子量としては、10万以上、20万以下の範囲にあることが好ましい。
本発明において、用いられる高分子量ゼラチンの重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によって測定することができる。ゼラチンの分子量分布及び重量平均分子量についても、一般的な公知の方法であるゲルパーミエーションクロマトグラ法(GPC法)によって測定することができる。
ゼラチンの分子量については、D.Lorry and M.Vedrines,Proceedings of the 4th IAG Conference,Sept.1983,P.35、大野隆司、小林裕幸、水澤伸也、日本写真学会誌、47,237(1984)等に記載されているように、コラーゲンの構成単位であるα成分(分子量約10万)及び、その二量体、三量体であるβ成分、γ成分、単量体である高分子両性分、更にはこれらの成分が不規則に切断された低分子量成分からなるのが一般的である。
本発明に係る重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンとしては、上記各成分の中でも、コラーゲンの構成単位であるα成分(分子量約10万)及び、その二量体、三量体であるβ成分、γ成分が主体のゼラチンである。
ゼラチン分子量分布の測定は、上記文献や特開昭60−80838号、同62−87952号、同62−265645号、同62−279329号、同64−46742号の各公報に記載されているように、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によって行われる。本発明においては、ゼラチンの各分子量成分の割合は、以下の条件でGPC法によって求める。
a)カラム:Asahipak、GS−620(旭化成工業社製)
2本直列接続 カラム温度50℃
b)溶離液:0.1モル/L KHPOと0.1モル/L NaHPOとの等量混合溶液
pH6.8 流速1.0ml/min
c)試料:ゼラチンの0.2%溶離液溶液
注入量 100μl
d)検出:紫外線吸収分光光度計(UV波長230nm)
リテンションタイム(Retention Time)による230nmの吸収の変化をみると、先ず排除限界のピークが現れ、次にゼラチンのγ成分、β成分、α成分によるピークが順次現れ、更にリテンションタイムが長くなるにつれて、徐々に減衰するような形となる。標準サンプルにて校正した流出曲線のリテンションタイム(Retention Time)から分子量を求めることができる。
α成分は、分子量約10万のポリペプチド鎖で構成され、α鎖の二量体(β成分)、三量体(γ成分)等ゼラチンは種々の分子量を持つゼラチン分子の集合体となっており、またゼラチンメーカーから所定の平均分子量を有するゼラチンを入手することもできる。
また、本発明に係る重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンの製法としては、例えば、下記の方法などが挙げられる。
1)ゼラチン製造中の抽出操作で、抽出後期の抽出物を使用して抽出初期のもの(低分子量成分)は排除する。
2)前記製法において、抽出以後乾燥までの工程において、処理温度を40℃未満とする。
3)ゼラチンを冷水(15℃)透析する。
上記の方法を単独又は併用して用いることにより、重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンを得ることができる。
本発明においては、本発明に係る高屈折率層が、1)重量平均分子量が3万以下である低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチド及び2)重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンを含有することが好ましい。高屈折率層が規定する上記要件を満たしているか否かは、下記の方法で確認することができる。
近赤外反射フィルムを構成する高屈折率層を削り取る等で単離した後、上記ゲルパーミエーションクロマトグラ法(GPC法)によってゼラチンの分子量分布を測定した後、横軸にゼラチンの分子量を、縦軸に含有量をプロットして、分子量分布曲線を作製した後、分子量が3万以下と、分子量が10万以上に2つの含有量の極大ピークが出現することで判定する。
〈ゼラチンの硬膜剤〉
本発明に係る高屈折率層塗布液及び低屈折率層塗布液には、層形成した後に、ゼラチン塗膜を硬化するため、必要に応じて硬化剤を添加することもできる。
用いることのできる硬膜剤としては、通常の写真乳剤層の硬膜剤として使用されている公知の化合物を使用でき、例えば、ビニルスルホン化合物、尿素−ホルマリン縮合物、メラニン−ホルマリン縮合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、活性オレフィン類、イソシアネート系化合物などの有機硬膜剤、クロム、アルミニウム、ジルコニウムなどの無機多価金属塩類などを挙げることができる。
ゼラチンは、さらに、コラーゲンペプチド、セルロース類、増粘多糖類及び反応性官能基を有するポリマー類等の少なくとも1種以上を併用してもよい。
〈セルロース類〉
本発明で用いることのできるセルロース類としては、水溶性のセルロース誘導体が好ましく用いることができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース誘導体や、カルボン酸基含有セルロース類であるカルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、カルボキシエチルセルロース等を挙げることができる。
〈増粘多糖類〉
本発明で用いることのできる増粘多糖類としては、特に制限はなく、例えば、一般に知られている天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類及び合成複合多糖類に挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版),東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
本発明でいう増粘多糖類とは、糖類の重合体であり分子内に水素結合基を多数有するもので、温度により分子間の水素結合力の違いにより、低温時の粘度と高温時の粘度差が大きな特性を備えた多糖類であり、さらに金属酸化物微粒子を添加すると、低温時にその金属酸化物微粒子との水素結合によると思われる粘度上昇を起こすものであり、その粘度上昇幅は、添加することにより15℃における粘度が1.0mPa・s以上の上昇を生じる多糖類であり、好ましくは5.0mPa・s以上であり、更に好ましくは10.0mPa・s以上の粘度上昇能を備えた多糖類である。
本発明に適用可能な増粘多糖類としては、例えば、ガラクタン(例えば、アガロース、アガロペクチン等)、ガラクトマンノグリカン(例えば、ローカストビーンガム、グアラン等)、キシログルカン(例えば、タマリンドガム等)、グルコマンノグリカン(例えば、蒟蒻マンナン、木材由来グルコマンナン、キサンタンガム等)、ガラクトグルコマンノグリカン(例えば、針葉樹材由来グリカン)、アラビノガラクトグリカン(例えば、大豆由来グリカン、微生物由来グリカン等)、グルコラムノグリカン(例えば、ジェランガム等)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸等)、アルギン酸及びアルギン酸塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ファーセレラン等の紅藻類に由来する天然高分子多糖類等が挙げられ、塗布液中に共存する金属酸化微粒子の分散安定性を低下させない観点から、好ましくは、その構成単位がカルボン酸基やスルホン酸基を有しないものが好ましい。その様な多糖類としては、例えば、L−アラビトース、D−リボース、2−デオキシリボース、D−キシロースなどのペントース、D−グルコース、D−フルクトース、D−マンノース、D−ガラクトースなどのヘキソースのみからなる多糖類であることが好ましい。具体的には、主鎖がグルコースであり、側鎖もグルコースであるキシログルカンとして知られるタマリンドシードガムや、主鎖がマンノースで側鎖がグルコースであるガラクトマンナンとして知られるグアーガム、カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、ローカストビーンガム、タラガムや、主鎖がガラクトースで側鎖がアラビノースであるアラビノガラクタンを好ましく使用することができる。本発明においては、特には、タマリンド、グアーガム、カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガムが好ましい。
本発明においては、更には、二種類以上の増粘多糖類を併用することが好ましい。
〈反応性官能基を有するポリマー類〉
本発明において反応性官能基を有するポリマー類を含有することが好ましい。ここで言う反応性官能基とは、例えばアミノ基、チオール基、カルボキシル基、又はヒドロキシ基のような反応性であり且つ重合プロセスに実質的に関与しない基を意味する。例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン類及びそれを含有する共重合体が挙げられる。これらのうち水溶性のポリマー類を選択することが好ましい。
ここでの水溶性とは、選択したポリマー類が最も溶解する温度で、0.5質量%の濃度に水に溶解させた際、G2グラスフィルタ(最大細孔40〜50μm)で濾過した場合に濾別される不溶物の質量が、加えた該ポリマー類の50質量%以内であるものを言う。
反応性官能基を有するポリマー類の重量平均分子量は、1,000以上200,000以下が好ましい。更には、3,000以上40,000以下がより好ましい。
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号および同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
本発明においては、反応性官能基を有するポリマーを使用する場合には、硬化剤を使用してもよい。反応性官能基を有するポリマーがポリビニルアルコールの場合には、ホウ酸及びその塩やエポキシ系硬化剤が好ましい。
(高屈折率層)
本発明に係る高屈折率層においては、活性エネルギー線により硬化させた重合性化合物とゼラチン類を含有する。ゼラチン類としては、1)重量平均分子量が3万以下である低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドと、2)重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンとを含有することが好ましい。本発明において、高屈折率層中における低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドの含有量としては、高屈折率層全質量の5質量%以上、25質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、10質量%以上、20質量%以下である。また、高屈折率層中における高分子量ゼラチンの含有量としては、高屈折率層全質量の5質量%以上、30質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、10質量%以上、25質量%以下である。
本発明においては、上記セルロース類、増粘多糖類及び反応性官能基を有するポリマー類は、総量で高屈折率層の全質量に対し、1.0質量%以上、20質量%以下の範囲で含有させることが好ましく、5質量%以上、15質量%以下がより好ましい。
〔低屈折率層〕
本発明では、上記の高屈折率層よりも屈折率が少なくとも0.1以上低い低屈折率層を有する。低屈折率層は、屈折率が1.6以下であることが好ましい。さらには、1.30〜1.50である。
本発明に係る低屈折率層においては、上記の高屈折率層と同様に活性エネルギー線により硬化させた重合性化合物とゼラチン類を含有することが好ましく、セルロース類、増粘多糖類、反応性官能基を有するポリマー類を使用でき、同一であっても異なってもいても良い。
本発明に係る低屈折率層においては、金属酸化物粒子として二酸化ケイ素を用いることが好ましく、酸性のコロイダルシリカゾルを低屈折率層用の塗布液に用いることが特に好ましい。
本発明においては、二酸化ケイ素粒子が、体積平均粒径が100nm以下あることが好ましい。体積平均粒径が100nm以下であれと、ヘイズが少なく可視光透過性に優れるためである。4nm以上、50nm以下であることがより好ましく、更に好ましくは4nm以上、30nm以下である。
本発明において、高屈折率層、低屈折率層の屈折率は、下記の方法に従って求めることができる。
基材上に屈折率を測定する各屈折率層を単層で塗設したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに断裁した後、下記の方法に従って屈折率を求める。分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定面とは反対側の面(裏面)を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率を25点測定して平均値を求め、その測定結果より平均屈折率を求める。
〔その他の添加剤〕
本発明に係る高屈折率層、低屈折率層には、必要に応じて各種添加剤を用いることができる。例えば、本発明では、金属酸化物の分散安定性付与のためにアミノ酸を添加したり、塗膜の脆弱性を改質するためにエマルジョン樹脂を用いることができる。
〈等電点が6.5以下のアミノ酸〉
本発明でいうアミノ酸とは、同一分子内にアミノ基とカルボキシル基を有する化合物であり、α−、β−、γ−などいずれのタイプのアミノ酸でもよいが、等電点が6.5以下のアミノ酸であることを特徴とする。アミノ酸には光学異性体が存在するものもあるが、本発明においては光学異性体による効果の差はなく、いずれの異性体も単独であるいはラセミ体でも使用することができる。
本発明に係るアミノ酸の詳しい解説は、化学大辞典1縮刷版(共立出版;昭和35年発行)268頁〜270頁の記載を参照することができる。
具体的に好ましいアミノ酸として、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、セリン、等を挙げることができ、特にグリシン、セリンが好ましい。
アミノ酸の等電点とは、アミノ酸は特定のpHにおいて分子内の正・負電荷が釣り合い、全体としての電荷が0となるので、このpH値をいう。本発明においては等電点6.5以下のアミノ酸を用いるが、各アミノ酸の等電点については、低イオン強度での等電点電気泳動で求めることが出来る。
〈エマルジョン樹脂〉
本発明でいうエマルジョン樹脂とは、油溶性のモノマーを、分散剤を含む水溶液中でエマルジョン状態に保ち、重合開始剤を用いて乳化重合させた樹脂微粒子である。
エマルジョンの重合時に使用される分散剤としては、一般的には、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジエチルアミン、エチレンジアミン、4級アンモニウム塩のような低分子の分散剤の他に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエキシエチレンラウリル酸エーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドンのような高分子分散剤が挙げられる。
本発明に係るエマルジョン樹脂とは、水系媒体中に微細な、例えば、平均粒径が0.01〜0.2μm程度の樹脂粒子がエマルジョン状態で分散されている樹脂で、油溶性のモノマーを、水酸基を有する高分子分散剤を用いてエマルジョン重合して得られる。用いる分散剤の種類によって、得られるエマルジョン樹脂のポリマー成分に基本的な違いは見られないが、水酸基を有する高分子分散剤を用いてエマルジョン重合すると、微細な微粒子の少なくとも表面に水酸基の存在が推定され、他の分散剤を用いて重合したエマルジョン樹脂とはエマルジョンの化学的、物理的性質が異なる。
水酸基を含む高分子分散剤とは、重量平均分子量が10000以上の高分子の分散剤で、側鎖または末端に水酸基が置換されたものであり、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミドのようなアクリル系の高分子で2−エチルヘキシルアクリレートが共重合されたもの、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのようなポリエーテル、ポリビニルアルコールなどが挙げられ、特にポリビニルアルコールが好ましい。
高分子分散剤として使用されるポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、カチオン変性したポリビニルアルコールやカルボキシル基のようなアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール、シリル基を有するシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。ポリビニルアルコールは、平均重合度は高い方がインク吸収層を形成する際のクラックの発生を抑制する効果が大きいが、平均重合度が5000以内であると、エマルジョン樹脂の粘度が高くなく、製造時に取り扱いやすい。したがって、平均重合度は300〜5000のものが好ましく、1500〜5000のものがより好ましく、3000〜4500のものが特に好ましい。ポリビニルアルコールのケン化度は70〜100モル%のものが好ましく、80〜99.5モル%のものがより好ましい。
上記の高分子分散剤で乳化重合される樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル系化合物、スチレン系化合物といったエチレン系単量体、ブタジエン、イソプレンといったジエン系化合物の単独重合体または共重合体が挙げられ、例えばアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。
さらに、適用可能な各種の添加剤を以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
〔近赤外反射フィルムの製造方法〕
本発明の近赤外反射フィルムは、支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に塗布、乾燥して積層体を形成する。
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
同時重層塗布を行うことも可能であり、その際の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
塗布および乾燥方法としては、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液を30℃以上に加温して、塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましく、より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。その後、電子線または紫外線を必要量照射することによって強固な塗膜を形成することができる。
〔近赤外反射フィルムの応用〕
本発明の近赤外反射フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。
特に、本発明に係る近赤外反射フィルムが直接もしくは接着剤を介してガラスもしくはガラス代替樹脂基材に貼合されている部材には好適である。
接着剤は、窓ガラスなどに貼り合わせたとき、近赤外反射フィルムが日光(熱線)入射面側にあるように設置する。また近赤外反射フィルムを窓ガラスと基材との間に挟持すると、水分等周囲ガスから封止でき耐久性に好ましい。本発明の近赤外反射フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
本発明に適用可能な接着剤としては、光硬化性もしくは熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
接着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が好ましい。更に粘着特性やコストの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、アクリル系粘着剤において、溶剤系及びエマルジョン系の中で溶剤系が好ましい。アクリル溶剤系粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を用いてもよい。具体的には可塑性ポリビニルブチラール(積水化学工業社製、三菱モンサント社製等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン)、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、メルセンG)等である。なお、接着層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《近赤外反射フィルムの作製》
〔試料1の作製〕
(高屈折率層塗布液1の調製)
下記の添加物1)〜8)をこの順序で添加、混合して、高屈折率層塗布液1を調製した。
はじめに1)酸化チタン粒子ゾルを攪拌しながら50℃まで昇温した後、2)低分子ゼラチンを添加して30分間攪拌して、酸化チタン粒子表面を低分子ゼラチンで被覆した。次いで、3)高分子ゼラチンと4)水溶性ウレタンアクリレートオリゴマー、5)モノマー、6)多官能モノマー、7)光重合開始剤、8)純水を添加し、90分間攪拌した後、9)界面活性剤を添加して、高屈折率層塗布液1を調製した。
1)20質量%酸化チタン粒子ゾル(体積平均粒径35nm、ルチル型酸化チタン粒子) 13.8g
2)5.0質量%低分子量ゼラチン(GelL1)水溶液 10g
3)5.0質量%高分子量ゼラチン(GelH1)水溶液 10g
4)水溶性ウレタンアクリレート(UA−W2、新中村化学(株)製) 0.5g
5)2−ヒドロキシエチルメタクリレート(水溶性モノマー) 0.3g
6)トリメチロールプロパントリメタクリレート 0.2g
7)光重合開始剤 イルガキュア2959 0.05g
8)純水 65g
9)5.0質量%界面活性剤水溶液(コータミン24P、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤、花王社製) 0.1g
GelL1はアルカリ処理により加水分解を施した重量平均分子量が2万の低分子量ゼラチンであり、GelH1は重量平均分子量が13万の酸処理ゼラチン(高分子量ゼラチン)である。
(低屈折率層塗布液1の調製)
下記の添加物1)〜8)をこの順序で添加、混合して、低屈折率層塗布液1を調製した。
はじめに1)コロイダルシリカを攪拌しながら40℃まで昇温した後、2)低分子ゼラチンを添加して10分間攪拌した。次いで、3)高分子ゼラチンと4)水溶性ウレタンアクリレートオリゴマー、5)モノマー、6)多官能モノマー、7)光重合開始剤、8)純水を添加し、10分間攪拌した後、9)界面活性剤を添加して、低屈折率層塗布液1を調製した。
1)20質量%コロイダルシリカ(体積平均粒径 12nm) 12g
2)5.0質量%低分子量ゼラチン(GelL1)水溶液 10g
3)5.0質量%高分子量ゼラチン(GelH1)水溶液 10g
4)水溶性ウレタンアクリレート(UA−W2、新中村化学(株)製) 0.9g
5)2−ヒドロキシエチルメタクリレート 0.3g
6)トリメチロールプロパントリメタクリレート 0.3g
7)光重合開始剤 イルガキュア2959 0.02g
8)純水 57.5g
9)5.0質量%界面活性剤水溶液(コータミン24P、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤、花王社製) 0.1g
GelL1はアルカリ処理により加水分解を施した重量平均分子量が2万の低分子量ゼラチンであり、GelH1は重量平均分子量が13万の酸処理ゼラチン(高分子量ゼラチン)である。
(積層体の形成)
〈高屈折率層1の形成〉
上記調製した高屈折率層用塗布液1を45℃に保温しながら、45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚が135nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けた後、80℃の温風を3分吹き付けて乾燥させた。その後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプを使用して50mJ/cmで硬化し高屈折率層1を形成した。
〈低屈折率層1の形成〉
次いで、低屈折率層用塗布液1を45℃に保温しながら、45℃に加温した上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの高屈折率層1上に、乾燥膜厚が175nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けた後、80℃の温風を3分吹き付けて乾燥させた。その後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプを使用して50mJ/cmで硬化し低屈折率層1を形成した。
〈近赤外反射フィルムの作製〉
上記形成した低屈折率層1上に、同様にして高屈折率層1/低屈折率層1から構成されるユニットを更に5ユニット積層し、それぞれ6層の高屈折率層及び低屈折率層(合計12層)から構成された近赤外反射フィルムである試料1を作製した。
〔試料2の作製〕
上記試料1の作製において、高屈折率層塗布液1に代えて、下記高屈折率層塗布液2を用いた以外は同様にして、試料2を作製した。
(高屈折率層塗布液2の調製)
上記高屈折率層塗布液1の調製において、UV硬化材料((4)+(5)+(6)+(7)の合計)とゼラチン類((2)+(3)の合計)のトータル固形分量中のUV硬化材料とゼラチン類の比率を5/5から8/2に変更して調製した以外は同様にして、高屈折率層塗布液2を調製した。
〔試料3の作製〕
上記試料1の作製において、高屈折率層塗布液1に代えて、下記高屈折率層塗布液3を用いた以外は同様にして、試料3を作製した。
(高屈折率層塗布液3の調製)
上記高屈折率層塗布液1の調製において、UV硬化材料((4)+(5)+(6)+(7)の合計)とゼラチン類((2)+(3)の合計)のトータル固形分量を全てUV硬化材料に置き換えた以外は同様にして、高屈折率層塗布液3を作製した。
〔試料4の作製〕
上記試料1の作製において、低屈折率層塗布液1に代えて、下記低屈折率層塗布液4を用いた以外は同様にして、試料4を作製した。
(低屈折率層塗布液4の調製)
上記低屈折率層塗布液1の調製において、UV硬化オリゴマーUA−W2をUA−7200(新中村化学(株)製、水溶性ウレタンアクリレート)に代えた以外は同様にして低屈折率層塗布液4を調製した。
〔試料5の作製〕
上記試料1に作製において、低屈折率層塗布液1に代えて、下記低屈折率層塗布液5を用いた以外は同様にして、試料5を作製した。
(低屈折率層塗布液5の調製)
上記低屈折率層塗布液1の調製において、UV硬化オリゴマーUA−W2、2−ヒドロキエチルメタクリレート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートをUCECOAT 7772(ダイセルサイテック(株)製、固形分40%、水分散タイプ、脂肪族ウレタンアクリレート)に代え、トータル固形分量が同じになるように添加した以外は同様にして低屈折率層塗布液5を調製した。
〔試料6の作製〕
上記試料1に作製において、低屈折率層塗布液1に代えて、下記低屈折率層塗布液6を用いた以外は同様にして、試料6を作製した。
(低屈折率層塗布液6の調製)
上記低屈折率層塗布液1の作製において、UV硬化オリゴマーUA−W2、2−ヒドロキエチルメタクリレート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートを水性硬化型UV硬化樹脂 UNIDIC V−7400(DIC(株)製、固形分30%、水分散タイプ)に代え、トータル固形分量が同じになるように添加した以外は同様にして低屈折率層塗布液6を調製した。
〔試料7の作製〕
上記試料1の作製において、高屈折率層塗布液1に代えて、下記高屈折率層塗布液7を用いた以外は同様にして、試料7を作製した。
(高屈折率層塗布液7の調製)
上記高屈折率層塗布液1の調製において、酸化チタン粒子に代えて、同量の酸化ジルコニウム粒子(体積平均粒径10nm)を用いた以外は同様にして、高屈折率層塗布液7を調製した。
〔試料8の作製〕
上記試料1の作製において、高屈折率層塗布液1、低屈折率層塗布液1に代えて、それぞれ下記高屈折率層塗布液8、低屈折率層塗布液8を用いた以外は同様にして、試料8を作製した。
(高屈折率層塗布液8の調製)
上記高屈折率層塗布液1の調製において、ヒドロキシエチルセルロースを0.1g添加した以外は同様にして、高屈折率層塗布液8を調製した。
(低屈折率層塗布液8の調製)
上記低屈折率層塗布液1の調製において、ヒドロキシエチルセルロースを0.15g添加した以外は同様にして、低屈折率層塗布液8を調製した。
〔試料9の作製〕
上記試料8の作製において、高屈折率層塗布液8に代えて、下記高屈折率層塗布液9を用いた以外は同様にして、試料9を作製した。
(高屈折率層塗布液9の調製)
上記高屈折率層塗布液8の調製において、ヒドロキシエチルセルロースに代えて、同量のタマリンドシードガムを用いた以外は同様にして、高屈折率層塗布液9を調製した。
〔試料10の作製〕
上記試料8の作製において、高屈折率層塗布液8に代えて、下記高屈折率層塗布液10を用いた以外は同様にして、試料10を作製した。
(高屈折率層塗布液10の調製)
上記高屈折率層塗布液8の調製において、ヒドロキシエチルセルロースに代えて、同量のローカストビーンガム以外は同様にして、高屈折率層塗布液10を調製した。
〔試料11の作製〕
上記試料8の作製において、高屈折率層塗布液8に代えて、下記高屈折率層塗布液11を用いた以外は同様にして、試料11を作製した。
(高屈折率層塗布液11の調製)
上記高屈折率層塗布液8の調製において、ヒドロキシエチルセルロースに代えて、同量のポリビニルアルコール(PVA217、クラレ社製)を用いた以外は同様にして、高屈折率層塗布液11を調製した。
〔試料12の作製〕
上記試料1の作製において、高屈折率層塗布液1に代えて、下記高屈折率層塗布液12を用い、室温で塗布後、80℃3分乾燥した以外は同様にして、試料12を作製した。
(高屈折率層塗布液12の調製)
下記配合品をボールミルにて48時間分散させ、酸化チタンの分散液を作製した。
<分散液配合>
酸化チタン(平均一次粒子径15nm) 40g
分散剤(Disperbyk−101、ビックケミージャパン株式会社) 0.4g
トルエン 58g
得られた分散液中の酸化チタン微粒子の分散粒度分布を電気泳動光散乱光度計(大塚電子(株)製)で測定した。平均分散粒子径は18.2nmであった。
次いで、得られた分散液に熱硬化性アクリル樹脂60体積%と酸化チタン40体積%になるように添加、混合して高屈折率塗布液12を調製した。
なお、表1に略称で記載した水溶性高分子の詳細は、以下の通りである。
HEC:ヒドロキシエチルセルロース
多糖類1:タマリンドシードガム
多糖類2:ローカストビーンガム
PVA:ポリビニルアルコール217((株)クラレ製)
水溶性1:UA−W2(新中村化学)
水溶性2:UA−7200(新中村化学)
水分散1:UCECOAT 7772(ダイセルサイテック) 固形分40%
水分散2:UNIDIC 7400(DIC) 固形分30%
Figure 2012185431
《近赤外反射フィルムの評価》
上記作製した各近赤外反射フィルムについて、下記の特性値の測定及び性能評価を行った。
(各層の屈折率の測定)
基材上に屈折率を測定する対象層(高屈折率層、低屈折率層)をそれぞれ単層で塗設したサンプルを作製し、下記の方法に従って、各高屈折率層及び低屈折率層の屈折率を求めた。
分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率の測定結果より、屈折率を求めた。
なお、試料3、12では、高屈折率層での酸化チタン粒子の凝集が激しく、評価に耐えない膜面品質で、屈折率の測定を行うことができなかったため、表1には,NDと表示した。他の試料の酸化チタンの凝集はほとんどなく、良好な膜面品質であった。
(可視光透過率及び近赤外透過率の測定)
上記分光光度計(積分球使用、日立製作所社製、U−4000型)を用い、各近赤外反射フィルムの300nm〜2000nmの領域における透過率を測定した。可視光透過率は550nmにおける透過率の値を、近赤外透過率は1200nmにおける透過率の値を用いた。
(柔軟性の評価)
上記作製した各近赤外反射フィルムについて、JIS K5600−5−1に準拠した屈曲試験法に基づき、屈曲試験機タイプ1(井元製作所社製、型式IMC−AOF2、マンドレル径φ20mm)を用いて、1000回の屈曲試験を行った後、近赤外反射フィルム表面を目視観察し、下記の基準に従って柔軟性を評価した。
◎:近赤外反射フィルム表面に、折り曲げ跡やひび割れは観察されない
○:近赤外反射フィルム表面に、わずかに折り曲げ跡が観察される
△:近赤外反射フィルム表面に、微小なひび割れが僅かに観察される
×:近赤外反射フィルム表面に、明らかなひび割れが多数発生している
(剥離試験〉
上記作製した各近赤外反射フィルムについて、JIS K5400に準拠した碁盤目試験を行った。形成された薄膜の表面に片刃のカミソリ刃を面に対して90°の角度で切り込みを1mm間隔で縦横11本入れ、1mm角の碁盤目を100個作製した。この上に市販のセロハンテープを貼り付け、その一端を手で持って垂直に力強く引張って剥がし、切り込み線からの貼られたテープ面積に対する薄膜が剥がされた面積の割合を算出し、下記基準で評価した。
A:全く剥離されない
B:剥離された面積割合が10%未満
C:剥離された面積割合が10%以上〜40%未満
D:剥離された面積割合が40%以上
以上により得られた測定結果、評価結果を、表2に示す。
Figure 2012185431
表2に記載の結果より明らかなように、本発明の近赤外反射フィルムは、可視光透過率を低下させることなく、近赤外透過率を低下させることが可能であり、かつ柔軟性、基材フィルムとの密着性に優れていることが分かる。
実施例2
〔近赤外反射体1〜12の作製〕
実施例1で作製した試料1〜12の近赤外反射フィルムを用いて近赤外反射体1〜12を作製した。厚さ5mm、20cm×20cmの透明アクリル樹脂板上に、試料1〜12の近赤外反射フィルムをそれぞれアクリル接着剤で接着して、近赤外反射体1〜12を作製した。
〔評価〕
上記作製した本発明の近赤外反射体1、2、4〜11は、近赤外反射体のサイズが大きいにもかかわらず、容易に利用可能であり、また、本発明の近赤外反射フィルムを利用することで、優れた近赤外反射性を確認することができた。

Claims (8)

  1. 支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層したユニットを少なくとも1つ含む近赤外反射フィルムにおいて、該高屈折率層の少なくとも1層が、体積平均粒径100nm以下の金属酸化物粒子、ゼラチン類、及び、活性エネルギー線により重合性化合物を硬化させた硬化樹脂を含有することを特徴とする近赤外反射フィルム。
  2. 前記重合性化合物が水溶性または親水性化合物であることを特徴とする請求項1に記載の近赤外反射フィルム。
  3. 前記重合性化合物が水分散性の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の近赤外反射フィルム。
  4. 前記金属酸化物粒子が、ルチル型酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
  5. 前記低屈折率層の少なくとも1層が、体積平均粒径100nm以下の金属酸化物粒子、ゼラチン類、及び、活性エネルギー線により重合性化合物を硬化させた硬化樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
  6. 前記高屈折率層、及び、前記低屈折率層の少なくとも1層が、さらにセルロース類、増粘多糖類、及び反応性官能基を有するポリマーの少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムが基体の少なくとも一方の面に設けられたことを特徴とする近赤外反射体。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムの製造方法において、体積平均粒径100nm以下の金属酸化物粒子、ゼラチン類、水系溶媒、及び活性エネルギー線により硬化する重合性化合物を含む組成物に、活性エネルギー線を照射することによって高屈折率層、及び、低屈折率層の少なくとも1層を構成することを特徴とする近赤外反射フィルムの製造方法。
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