JP2012185431A - 近赤外反射フィルム及びその製造方法、並びに近赤外反射体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層したユニットを少なくとも1つ含む近赤外反射フィルムにおいて、該高屈折率層の少なくとも1層が、体積平均粒径100nm以下の金属酸化物粒子、ゼラチン類、及び、活性エネルギー線により重合性化合物を硬化させた硬化樹脂を含有することを特徴とする近赤外反射フィルム及びその製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明の近赤外反射フィルムは、支持体上に互いに屈折率が異なる高屈折率層と低屈折率層とを積層させた多層積層体を有することを特徴とし、JIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率が50%以上で、かつ、波長900nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
本発明の近赤外反射フィルムに適用する支持体としてはフィルム支持体であることが好ましく、フィルム支持体は、透明であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
本発明の高屈折率層の少なくとも1層は、体積平均粒径が100nm以下の金属酸化物粒子を含有する。当該金属酸化物粒子としては、屈折率が2.0以上であることが好ましい。金属酸化物粒子としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン等を挙げることができるが、特に、ルチル型酸化チタン粒子が好ましい。
本発明においては、金属酸化物粒子が、体積平均粒径が100nm以下のルチル型(正方晶形)の酸化チタン粒子であることが好ましい。体積平均粒径が100nm以下であれと、ヘイズが少なく可視光透過性に優れるためである。ルチル型酸化チタン粒子の体積平均粒径は、4nm以上、50nm以下であることがより好ましく、更に好ましくは4nm以上、30nm以下である。
〈ルチル型酸化チタンゾルの製造方法〉
本発明においては、近赤外反射フィルムを製造する方法として、水系高屈折率層塗布液を調製する際に、ルチル型酸化チタンとして、pHが1.0以上、3.0以下で、かつチタン粒子のゼータ電位が正である水系の酸化チタンゾルを用いることが好ましい。
高屈折率層の少なくとも1層が含有する活性エネルギー線により重合性化合物について説明する。本発明に係る重合性化合物は活性エネルギー線で硬化可能な化合物であればよく、オリゴマー、モノマーであってもよい。特には、当該重合性化合物は水溶性または親水性化合物あるいは、水分散性の化合物であることが好ましい。
分子量500〜3000程度であり、骨格中に少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するアクリル系オリゴマー、ポリウレタンの(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート等でありその骨格中に水溶化または水分散性化可能な水溶性部分を有するものである。水溶性または水分散性を付与するための構造としてはポリオキシエチレン、カルボン酸及びその塩、スルホン酸基及びその塩、アンモニウム基及びその塩、アミド基、水酸基等が挙げられる。これらオリゴマーが水溶性または水分散性を有さない場合には、塗布液の安定性を低下させる恐れがあり、コーティング組成物への配合量を少なくせざるを得なくなり、配合量が少なくなると得られる皮膜の物性低下を招く原因となる。また、大量に使用した場合には、水溶性、水分散性を有していても系の粘度が高くなる恐れがあり、良好な塗工適性が得られないことがある。
炭素−炭素二重結合を有する感光性モノマーのうち単官能のものとしては、
(1)(メタ)アクリル化合物としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル酸のC1〜C18のアルキルエステル:グリシジル(メタ)アクリレート:アリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のC2〜C8のアルケニルエステル:(メタ)アクリル酸のC2〜C8ヒドロキシアルキルエステル:(メタ)アクリル酸のC3〜C19のアルケニルオキシルアルキルエステル:(メタ)アクリル酸等、
(2)ビニル芳香族化合物としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン等、
(3)その他アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルプロピオネート等が挙げられる。
(1)(メタ)アクリレート系としてはトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステル、エチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル等、
(2)少なくとも2つ以上の重合性不飽和二重結合をもつ低分子化合物が挙げられる。
本発明に適用可能なゼラチンとしては、従来、ハロゲン化銀写真感光材料分野で広く用いられてきた各種ゼラチンを適用することができ、例えば、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他に、ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチン及びゼラチン誘導体、すなわち分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を持ち、それと反応して得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。ゼラチンの一般的製造法に関しては良く知られており、例えばT.H.James:The Theory of Photographic Process 4th. ed. 1977(Macmillan)55項、科学写真便覧(上)72〜75項(丸善)、写真工学の基礎−銀塩写真編119〜124(コロナ社)等の記載を参考にすることができる。また、リサーチ・ディスクロージャー誌第176巻、No.17643(1978年12月)のIX項に記載されているゼラチンを挙げることができる。
本発明に係る低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドは、重量平均分子量が3万以下であるものを言い、更には質量分子量が10万以上の高分子ゼラチン成分の含有量が1.0質量%以下であることが好ましい。
本発明においては、少なくとも高屈率層が、重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンを含有することが好ましい。高分子量ゼラチンの重量平均分子量としては、10万以上、20万以下の範囲にあることが好ましい。
2本直列接続 カラム温度50℃
b)溶離液:0.1モル/L KH2PO4と0.1モル/L Na2HPO4との等量混合溶液
pH6.8 流速1.0ml/min
c)試料:ゼラチンの0.2%溶離液溶液
注入量 100μl
d)検出:紫外線吸収分光光度計(UV波長230nm)
リテンションタイム(Retention Time)による230nmの吸収の変化をみると、先ず排除限界のピークが現れ、次にゼラチンのγ成分、β成分、α成分によるピークが順次現れ、更にリテンションタイムが長くなるにつれて、徐々に減衰するような形となる。標準サンプルにて校正した流出曲線のリテンションタイム(Retention Time)から分子量を求めることができる。
本発明に係る高屈折率層塗布液及び低屈折率層塗布液には、層形成した後に、ゼラチン塗膜を硬化するため、必要に応じて硬化剤を添加することもできる。
本発明で用いることのできるセルロース類としては、水溶性のセルロース誘導体が好ましく用いることができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース誘導体や、カルボン酸基含有セルロース類であるカルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、カルボキシエチルセルロース等を挙げることができる。
本発明で用いることのできる増粘多糖類としては、特に制限はなく、例えば、一般に知られている天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類及び合成複合多糖類に挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版),東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
本発明において反応性官能基を有するポリマー類を含有することが好ましい。ここで言う反応性官能基とは、例えばアミノ基、チオール基、カルボキシル基、又はヒドロキシ基のような反応性であり且つ重合プロセスに実質的に関与しない基を意味する。例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン類及びそれを含有する共重合体が挙げられる。これらのうち水溶性のポリマー類を選択することが好ましい。
本発明に係る高屈折率層においては、活性エネルギー線により硬化させた重合性化合物とゼラチン類を含有する。ゼラチン類としては、1)重量平均分子量が3万以下である低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドと、2)重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンとを含有することが好ましい。本発明において、高屈折率層中における低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドの含有量としては、高屈折率層全質量の5質量%以上、25質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、10質量%以上、20質量%以下である。また、高屈折率層中における高分子量ゼラチンの含有量としては、高屈折率層全質量の5質量%以上、30質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、10質量%以上、25質量%以下である。
本発明では、上記の高屈折率層よりも屈折率が少なくとも0.1以上低い低屈折率層を有する。低屈折率層は、屈折率が1.6以下であることが好ましい。さらには、1.30〜1.50である。
本発明に係る高屈折率層、低屈折率層には、必要に応じて各種添加剤を用いることができる。例えば、本発明では、金属酸化物の分散安定性付与のためにアミノ酸を添加したり、塗膜の脆弱性を改質するためにエマルジョン樹脂を用いることができる。
本発明でいうアミノ酸とは、同一分子内にアミノ基とカルボキシル基を有する化合物であり、α−、β−、γ−などいずれのタイプのアミノ酸でもよいが、等電点が6.5以下のアミノ酸であることを特徴とする。アミノ酸には光学異性体が存在するものもあるが、本発明においては光学異性体による効果の差はなく、いずれの異性体も単独であるいはラセミ体でも使用することができる。
本発明でいうエマルジョン樹脂とは、油溶性のモノマーを、分散剤を含む水溶液中でエマルジョン状態に保ち、重合開始剤を用いて乳化重合させた樹脂微粒子である。
本発明の近赤外反射フィルムは、支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に塗布、乾燥して積層体を形成する。
本発明の近赤外反射フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。
《近赤外反射フィルムの作製》
〔試料1の作製〕
(高屈折率層塗布液1の調製)
下記の添加物1)〜8)をこの順序で添加、混合して、高屈折率層塗布液1を調製した。
1)20質量%酸化チタン粒子ゾル(体積平均粒径35nm、ルチル型酸化チタン粒子) 13.8g
2)5.0質量%低分子量ゼラチン(GelL1)水溶液 10g
3)5.0質量%高分子量ゼラチン(GelH1)水溶液 10g
4)水溶性ウレタンアクリレート(UA−W2、新中村化学(株)製) 0.5g
5)2−ヒドロキシエチルメタクリレート(水溶性モノマー) 0.3g
6)トリメチロールプロパントリメタクリレート 0.2g
7)光重合開始剤 イルガキュア2959 0.05g
8)純水 65g
9)5.0質量%界面活性剤水溶液(コータミン24P、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤、花王社製) 0.1g
GelL1はアルカリ処理により加水分解を施した重量平均分子量が2万の低分子量ゼラチンであり、GelH1は重量平均分子量が13万の酸処理ゼラチン(高分子量ゼラチン)である。
下記の添加物1)〜8)をこの順序で添加、混合して、低屈折率層塗布液1を調製した。
1)20質量%コロイダルシリカ(体積平均粒径 12nm) 12g
2)5.0質量%低分子量ゼラチン(GelL1)水溶液 10g
3)5.0質量%高分子量ゼラチン(GelH1)水溶液 10g
4)水溶性ウレタンアクリレート(UA−W2、新中村化学(株)製) 0.9g
5)2−ヒドロキシエチルメタクリレート 0.3g
6)トリメチロールプロパントリメタクリレート 0.3g
7)光重合開始剤 イルガキュア2959 0.02g
8)純水 57.5g
9)5.0質量%界面活性剤水溶液(コータミン24P、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤、花王社製) 0.1g
GelL1はアルカリ処理により加水分解を施した重量平均分子量が2万の低分子量ゼラチンであり、GelH1は重量平均分子量が13万の酸処理ゼラチン(高分子量ゼラチン)である。
〈高屈折率層1の形成〉
上記調製した高屈折率層用塗布液1を45℃に保温しながら、45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚が135nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けた後、80℃の温風を3分吹き付けて乾燥させた。その後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプを使用して50mJ/cm2で硬化し高屈折率層1を形成した。
次いで、低屈折率層用塗布液1を45℃に保温しながら、45℃に加温した上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの高屈折率層1上に、乾燥膜厚が175nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けた後、80℃の温風を3分吹き付けて乾燥させた。その後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプを使用して50mJ/cm2で硬化し低屈折率層1を形成した。
上記形成した低屈折率層1上に、同様にして高屈折率層1/低屈折率層1から構成されるユニットを更に5ユニット積層し、それぞれ6層の高屈折率層及び低屈折率層(合計12層)から構成された近赤外反射フィルムである試料1を作製した。
上記試料1の作製において、高屈折率層塗布液1に代えて、下記高屈折率層塗布液2を用いた以外は同様にして、試料2を作製した。
上記高屈折率層塗布液1の調製において、UV硬化材料((4)+(5)+(6)+(7)の合計)とゼラチン類((2)+(3)の合計)のトータル固形分量中のUV硬化材料とゼラチン類の比率を5/5から8/2に変更して調製した以外は同様にして、高屈折率層塗布液2を調製した。
上記試料1の作製において、高屈折率層塗布液1に代えて、下記高屈折率層塗布液3を用いた以外は同様にして、試料3を作製した。
上記高屈折率層塗布液1の調製において、UV硬化材料((4)+(5)+(6)+(7)の合計)とゼラチン類((2)+(3)の合計)のトータル固形分量を全てUV硬化材料に置き換えた以外は同様にして、高屈折率層塗布液3を作製した。
上記試料1の作製において、低屈折率層塗布液1に代えて、下記低屈折率層塗布液4を用いた以外は同様にして、試料4を作製した。
上記低屈折率層塗布液1の調製において、UV硬化オリゴマーUA−W2をUA−7200(新中村化学(株)製、水溶性ウレタンアクリレート)に代えた以外は同様にして低屈折率層塗布液4を調製した。
上記試料1に作製において、低屈折率層塗布液1に代えて、下記低屈折率層塗布液5を用いた以外は同様にして、試料5を作製した。
上記低屈折率層塗布液1の調製において、UV硬化オリゴマーUA−W2、2−ヒドロキエチルメタクリレート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートをUCECOAT 7772(ダイセルサイテック(株)製、固形分40%、水分散タイプ、脂肪族ウレタンアクリレート)に代え、トータル固形分量が同じになるように添加した以外は同様にして低屈折率層塗布液5を調製した。
上記試料1に作製において、低屈折率層塗布液1に代えて、下記低屈折率層塗布液6を用いた以外は同様にして、試料6を作製した。
上記低屈折率層塗布液1の作製において、UV硬化オリゴマーUA−W2、2−ヒドロキエチルメタクリレート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートを水性硬化型UV硬化樹脂 UNIDIC V−7400(DIC(株)製、固形分30%、水分散タイプ)に代え、トータル固形分量が同じになるように添加した以外は同様にして低屈折率層塗布液6を調製した。
上記試料1の作製において、高屈折率層塗布液1に代えて、下記高屈折率層塗布液7を用いた以外は同様にして、試料7を作製した。
上記高屈折率層塗布液1の調製において、酸化チタン粒子に代えて、同量の酸化ジルコニウム粒子(体積平均粒径10nm)を用いた以外は同様にして、高屈折率層塗布液7を調製した。
上記試料1の作製において、高屈折率層塗布液1、低屈折率層塗布液1に代えて、それぞれ下記高屈折率層塗布液8、低屈折率層塗布液8を用いた以外は同様にして、試料8を作製した。
上記高屈折率層塗布液1の調製において、ヒドロキシエチルセルロースを0.1g添加した以外は同様にして、高屈折率層塗布液8を調製した。
上記低屈折率層塗布液1の調製において、ヒドロキシエチルセルロースを0.15g添加した以外は同様にして、低屈折率層塗布液8を調製した。
上記試料8の作製において、高屈折率層塗布液8に代えて、下記高屈折率層塗布液9を用いた以外は同様にして、試料9を作製した。
上記高屈折率層塗布液8の調製において、ヒドロキシエチルセルロースに代えて、同量のタマリンドシードガムを用いた以外は同様にして、高屈折率層塗布液9を調製した。
上記試料8の作製において、高屈折率層塗布液8に代えて、下記高屈折率層塗布液10を用いた以外は同様にして、試料10を作製した。
上記高屈折率層塗布液8の調製において、ヒドロキシエチルセルロースに代えて、同量のローカストビーンガム以外は同様にして、高屈折率層塗布液10を調製した。
上記試料8の作製において、高屈折率層塗布液8に代えて、下記高屈折率層塗布液11を用いた以外は同様にして、試料11を作製した。
上記高屈折率層塗布液8の調製において、ヒドロキシエチルセルロースに代えて、同量のポリビニルアルコール(PVA217、クラレ社製)を用いた以外は同様にして、高屈折率層塗布液11を調製した。
上記試料1の作製において、高屈折率層塗布液1に代えて、下記高屈折率層塗布液12を用い、室温で塗布後、80℃3分乾燥した以外は同様にして、試料12を作製した。
下記配合品をボールミルにて48時間分散させ、酸化チタンの分散液を作製した。
酸化チタン(平均一次粒子径15nm) 40g
分散剤(Disperbyk−101、ビックケミージャパン株式会社) 0.4g
トルエン 58g
得られた分散液中の酸化チタン微粒子の分散粒度分布を電気泳動光散乱光度計(大塚電子(株)製)で測定した。平均分散粒子径は18.2nmであった。
多糖類1:タマリンドシードガム
多糖類2:ローカストビーンガム
PVA:ポリビニルアルコール217((株)クラレ製)
水溶性1:UA−W2(新中村化学)
水溶性2:UA−7200(新中村化学)
水分散1:UCECOAT 7772(ダイセルサイテック) 固形分40%
水分散2:UNIDIC 7400(DIC) 固形分30%
上記作製した各近赤外反射フィルムについて、下記の特性値の測定及び性能評価を行った。
基材上に屈折率を測定する対象層(高屈折率層、低屈折率層)をそれぞれ単層で塗設したサンプルを作製し、下記の方法に従って、各高屈折率層及び低屈折率層の屈折率を求めた。
上記分光光度計(積分球使用、日立製作所社製、U−4000型)を用い、各近赤外反射フィルムの300nm〜2000nmの領域における透過率を測定した。可視光透過率は550nmにおける透過率の値を、近赤外透過率は1200nmにおける透過率の値を用いた。
上記作製した各近赤外反射フィルムについて、JIS K5600−5−1に準拠した屈曲試験法に基づき、屈曲試験機タイプ1(井元製作所社製、型式IMC−AOF2、マンドレル径φ20mm)を用いて、1000回の屈曲試験を行った後、近赤外反射フィルム表面を目視観察し、下記の基準に従って柔軟性を評価した。
○:近赤外反射フィルム表面に、わずかに折り曲げ跡が観察される
△:近赤外反射フィルム表面に、微小なひび割れが僅かに観察される
×:近赤外反射フィルム表面に、明らかなひび割れが多数発生している
(剥離試験〉
上記作製した各近赤外反射フィルムについて、JIS K5400に準拠した碁盤目試験を行った。形成された薄膜の表面に片刃のカミソリ刃を面に対して90°の角度で切り込みを1mm間隔で縦横11本入れ、1mm角の碁盤目を100個作製した。この上に市販のセロハンテープを貼り付け、その一端を手で持って垂直に力強く引張って剥がし、切り込み線からの貼られたテープ面積に対する薄膜が剥がされた面積の割合を算出し、下記基準で評価した。
B:剥離された面積割合が10%未満
C:剥離された面積割合が10%以上〜40%未満
D:剥離された面積割合が40%以上
以上により得られた測定結果、評価結果を、表2に示す。
〔近赤外反射体1〜12の作製〕
実施例1で作製した試料1〜12の近赤外反射フィルムを用いて近赤外反射体1〜12を作製した。厚さ5mm、20cm×20cmの透明アクリル樹脂板上に、試料1〜12の近赤外反射フィルムをそれぞれアクリル接着剤で接着して、近赤外反射体1〜12を作製した。
上記作製した本発明の近赤外反射体1、2、4〜11は、近赤外反射体のサイズが大きいにもかかわらず、容易に利用可能であり、また、本発明の近赤外反射フィルムを利用することで、優れた近赤外反射性を確認することができた。
Claims (8)
- 支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層したユニットを少なくとも1つ含む近赤外反射フィルムにおいて、該高屈折率層の少なくとも1層が、体積平均粒径100nm以下の金属酸化物粒子、ゼラチン類、及び、活性エネルギー線により重合性化合物を硬化させた硬化樹脂を含有することを特徴とする近赤外反射フィルム。
- 前記重合性化合物が水溶性または親水性化合物であることを特徴とする請求項1に記載の近赤外反射フィルム。
- 前記重合性化合物が水分散性の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の近赤外反射フィルム。
- 前記金属酸化物粒子が、ルチル型酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
- 前記低屈折率層の少なくとも1層が、体積平均粒径100nm以下の金属酸化物粒子、ゼラチン類、及び、活性エネルギー線により重合性化合物を硬化させた硬化樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
- 前記高屈折率層、及び、前記低屈折率層の少なくとも1層が、さらにセルロース類、増粘多糖類、及び反応性官能基を有するポリマーの少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムが基体の少なくとも一方の面に設けられたことを特徴とする近赤外反射体。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムの製造方法において、体積平均粒径100nm以下の金属酸化物粒子、ゼラチン類、水系溶媒、及び活性エネルギー線により硬化する重合性化合物を含む組成物に、活性エネルギー線を照射することによって高屈折率層、及び、低屈折率層の少なくとも1層を構成することを特徴とする近赤外反射フィルムの製造方法。
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