JP2011039195A - プラズマディスプレイ用前面フィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像コントラスト向上層100及び電磁波遮蔽シート300を少なくとも備えた積層構造を有し、前記画像コントラスト向上層100が、透明基材の一方の面に、該透明基材の面内方向に沿って、所定の一定の間隔をあけて平行に並設された、光吸収部材を充填してなる複数のストライプ状凹条溝からなる光吸収部2と、隣り合う光吸収部間に透光性領域とを有し、かつ該凹条溝が観察者側から見て、右上がりであって、その延長線と、PDPパネルの水平方向と同一の水平方向をもつ前記透明基材の長辺とがなす角度、及び電磁波遮蔽シート300における導電体パターン層302のメッシュと、光吸収部2とがなす角度が、それぞれ特定の関係式を満たすPDP用前面フィルタ。
【選択図】図1
Description
また、PDPは、外部が明るい条件、すなわち明室条件では、コントラストが不十分となり画像品質が低下するという問題があった。
さらに、PDPは高輝度な表示特性が得られるものの、強度の電磁波を放出し、各種の計器類や人体に対して障害を及ぼすことが示唆されつつある。
また、上記特許文献1で提案されたPDP用前面フィルタを備えたPDP装置においては、PDPパネルの画素と、該前面フィルタを構成するコントラスト向上層における光吸収部と、電磁波遮蔽層との間のそれぞれの周期的パターンの相互干渉による干渉縞(モアレ)の発生の抑制については不十分な点があり、その解決も要請される。
本発明は、このような状況下になされたもので、PDPパネルの前面に装着するのに好適な、画像コントラスト向上機能と電磁波遮蔽機能とを有し、かつ干渉縞(モアレ)の発生を効果的に抑制し得るPDP用前面フィルタを提供することを目的とするものである。
0°<α<5° ・・・(1)
の関係を満たすこと、及び透明基材シート上に設けられた導電体パターン層の観察者側から見て右上がりのメッシュの延長線と、前記PDPパネルの水平方向と同一の水平方向をもつ前記透明基材シートの長辺とがなす角度βとした場合、下記式(2)
40°<β−α<50° ・・・(2)
の関係を満たすことを特徴とする、PDP用前面フィルタを提供する。
本発明のPDP用前面フィルタは、画像コントラスト向上層及び電磁波遮蔽シートを少なくとも備えた積層構造を有し、PDPパネルの観察者側に装着されるフィルタであり、例えば実施形態の一例である図1の模式的断面図に示す構造を有する。具体的には、PDP用前面フィルタ50は、必要に応じて用いられる透明支持体4の一方の面に、画像コントラスト向上層100が設けられ、さらにその上に電磁波遮蔽シート300が接着剤層200を介して設けられた構造を有している。
前記画像コントラスト向上層100は、透明基材3の一方の面に、該透明基材3の面内方向に沿って、所定の一定の間隔をあけて平行に並設された、光吸収部材を充填してなる複数のストライプ状凹条溝2からなる光吸収部と、隣り合う光吸収部間に透光性領域1とを有している。また、電磁波遮蔽シート300は、透明基材シート301上に、導電体パターン層302が設けられた構造を有している。
当該PDP用前面フィルタ50においては、画像コントラスト向上層100と電磁波遮蔽シート300の積層順序については特に制限はなく、またそれぞれの表裏の向きも任意である。さらに、前述した各種機能層以外の機能層、例えば近赤外線吸収層、ネオン光吸収層、調色(着色)層、紫外線吸収層、耐衝撃層などを、適宜積層位置に積層することができる。また、PDP用前面フィルタ50においては、透明支持体4は、透明基材3の種類によっては設けなくてもよい。
なお、前記の透明支持体4、画像コントラスト向上層100、電磁波遮蔽シート300、接着剤層200、粘着剤層500及び層400を含む各種機能層などについては、後で詳述する。
当該PDP用前面フィルタ50における透明支持体4は、透明基材3を支持し、透明基材3の機械的強度を補強したり、あるいは透明基材3の層形成、透明基材3上への凹条溝の形成、光吸収部材の凹条溝内への充填、画像コントラスト向上層100の他部材への積層等の加工工程における加工適性の付与等の目的で必要に応じて設けられるものである。この透明支持体4の材料に特に制限はないが、適度な透明性と耐熱性を有していることが望ましく、例えば、透明性は波長400nmでの光線透過率が80%以上であり、また、耐熱性はガラス転移温度が65℃以上であることが好ましい。具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、ポリアリレート、フッ素系樹脂(PTFE、CTFE、ETFE)、透明ポリイミド、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニルスルフォン、トリアセチルセルロース等が挙げられる。また、透明支持体4の厚みは特に制限されないが、機械的強度の点から50〜300μm程度、好ましくは75〜200μm程度の範囲のものが使用される。
本発明のPDP用前面フィルタにおいて用いる画像コントラスト向上層は、図1の模式的断面図において、符号100で示すように、透明基材3の一方の面に、該透明基材3の面内方向に沿って、所定の一定の間隔をあけて平行に並設された、光吸収部材を充填してなる複数のストライプ状凹条溝2からなる光吸収部と、隣り合う光吸収部間に透光性領域1とを有する。そして該凹条溝2が観察者側から見て、右上がりであって、その延長線と、前記PDPパネルの水平方向と同一の水平方向をもつ前記透明基材3の長辺とがなす角度αが、下記式(1)
0°<α<5° ・・・(1)
の関係を満たすと共に、透明基材シート301上に設けられた導電体パターン層302の観察者側から見て右上がりのメッシュの延長線と、前記PDPパネルの水平方向と同一の水平方向をもつ前記透明基材シート301の長辺とがなす角度をβとした場合、下記式(2)
40°<β−α<50°・・・(2)
の関係を満たすことを要する。
PDPパネルの画素としては、通常水平方向の画素ピッチが120〜500μm、垂直方向の画素ピッチが400〜1200μmであるものが用いられる。
本発明においては、画像コントラスト向上層100を構成する透明基材3の長辺、及び電磁波遮蔽シート300を構成する透明基材シート301の長辺を、それぞれ前記PDPパネルの水平方向と同一の水平方向をもつように設定しているため、本発明のPDP用前面フィルタに対する、PDPパネルにおける画素の位置関係は自ずと固定される。したがって、干渉縞(モアレ)の発生を防止するには、該前面フィルタを構成する画像コントラスト向上層におけるストライプ状の光吸収部(光吸収部材を充填してなるストライプ状の凹条溝2)の延長線と、前記透明基材3の長辺とがなす角度α、及び該前面フィルタを構成する電磁波遮蔽シートにおける導電体パターン層302のメッシュと、前記ストライプ状光吸収部とがなす角度(下記に示す「β−α」)を、それぞれ特定の範囲に設定すればよい。
0°<α<5°・・・(1)
の関係を満たすことを要する。
角度αが上記範囲にあれば、干渉縞の発生を効果的に防止することができる。
なお、画像コントラスト向上層の各構成要素については後で詳述するが、まず、断面が所定の形状を有する凹条溝が形成されてなる透明基材3を準備する。該凹条溝は各種の方法で加工することができる。例えば、加熱した賦形金型を熱可塑性樹脂に押圧する熱プレス法、熱可塑性樹脂組成物を賦形金型上に注入して固化させるキャスティング法、射出成形法、紫外線硬化型樹脂組成物を成形型内に注入して紫外線硬化させるUVキャスティング法、等の方法を任意に選択して形成することができる。これらの方法の中では、量産性に優れたUVキャスティング法がより好ましい。UVキャスティング法は、ロール状の金型を使用し、連続シートを供給しながら凹条溝を連続的に型押しして生産することができる。ロール状の金型は、通常、中空鉄円筒の表面に銅層を積層し、その銅層に形成すべき凹条溝の反転形状を、刃バイトによる螺子切り加工により賦形することによって製作されるが、該αが5°以上の場合、上記螺子切り加工が困難となる。
また、該αが0°の場合、ストライプ状光吸収部とPDPパネルの画素との間の相互干渉による干渉縞(モアレ)が発生することがある。
前記ストライプ状光吸収部(光吸収部材が充填してなるストライプ状凹条溝2)は、線幅5〜30μm、ピッチ40〜100μm及び深さ50〜300μmのものが、PDPにおける明所コントラストの向上効果と正面輝度の維持の両立の観点から好適である。
本発明においては、前記ストライプ状凹条溝の垂直方向断面形状に特に制限はなく、正方形や長方形などの4角形、3角形、5角形等の多角形であってもよいが、好ましくは台形、略台形又は楔型である。
40°<β−α<50°・・・(2)
の関係を満たすことにより、干渉縞(モアレ)の発生はより一層防止される。
なお、上記「β−α」は、前述したように、電磁波遮蔽シートにおける導電体パターン層のメッシュと、前記ストライプ状光吸収部とがなす角度である。
本発明においては、前記導電体パターン層は、線幅5〜30μm、ピッチ150〜350μm及び厚み3〜20μmであるものが、製品が十分な電磁波遮蔽性能を有し、かつ画像光の透過率を高く保つための設計の観点から好適である。
図2は、本発明のPDP用前面フィルタにおいて、画像コントラスト向上層と、電磁波遮蔽シートとを分離して配置した分解斜視図である。
図2において、画像コントラスト向上層100は、透明基材3の一方の面に、該透明基材3の面内方向に沿って、所定の一定の間隔をあけて平行に並設された、光吸収部材を充填してなる複数のストライプ状凹条溝2からなる光吸収部と、隣り合う光吸収部間に透光性領域1とを有する層であって、必要に応じて用いられる透明支持体4上に積層されている。
そして、前記凹条溝2は観察者側から見て、右上がりであって、その延長線と、透明基材3の長辺とがなす角度がαである。なお、本発明のPDP用前面フィルタをPDPパネルに装着した場合、透明基材3は、その長辺が、前記PDPパネルの水平方向と同一の水平方向をもつように設定されている。
一方、電磁波遮蔽シート300は、透明基材シート301上に、導電体パターン層302が設けられた構造を有している。そして前記導電体パターン層302の観察者側から見て右上がりのメッシュの延長線と、前記透明基材シート301の長辺とがなす角度がβである。なお、本発明のPDP用前面フィルタをPDPパネルに装着した場合、透明基材シート301は、その長辺が、前記PDPパネルの水平方向と同一の水平方向をもつように設定されている。
なお、図2においては、観察者側は電磁波遮蔽シート300側である。
(透明基材)
透明基材3としては、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂材料、あるいは硝子等の無機透明材料が各種使用可能である。通常は、凹条溝を形成し易く、軽量で薄くすることが可能であり、可撓性にも優れるという点で、樹脂材料が好ましく用いられる。電離放射線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂については、後述の透明バインダの説明箇所で例示するものと同様のものの中から選択して使用できる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の含ハロゲン樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース等のセルロース樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、等が使用できる。
なお、この凹条溝の垂直方向断面形状については、前述で説明したとおりである。
画像コントラスト向上層における光吸収部は、前述した透明基材3の一方の面に、該透明基材3の面内方向に沿って、所定の一定の間隔をあけて平行に並設された、光吸収部材を充填してなる複数のストライプ状凹条溝2からなる(以下、光吸収部2と称することがある。)。
透明基材3の一方の面に、該透明基材3の面内方向に沿って、所定の一定の間隔をあけて、複数のストライプ状凹条溝を平行に並設する方法、該凹条溝の垂直方向断面形状、該凹条溝の開口幅、ピッチ及び深さなどについては、前述で説明したとおりである。
当該光吸収部3は、このようにして形成されたストライプ状凹条溝に光吸収部材を充填することにより形成することができる。当該光吸収部3は、可視光線波長域の大部分を吸収し、入射する可視光線(外光)を高い割合で吸収することが望ましく、その結果、光吸収部3で反射する外光が目立たず、その反射光が画像光に混入しても画像コントラストの低下が目立たないようになる。したがって、光吸収部3には、そうした作用を発揮する光吸収部材を充填することが望ましい。
光吸収部3の透明バインダとなる材料としては、電離放射線硬化性を有する樹脂や熱硬化性樹脂等の材料を用いるのが好ましい。光吸収部3を構成する光吸収粒子は市販の着色粒子が使用可能であり、バインダとしての透明バインダに分散させてインキ化して用いられる。
製造上の容易さを向上させるため、必要に応じて、脱泡剤やレベリング剤等の添加剤を適宜少量、上記のインキに添加しても良い。
上記の着色粒子の中で、本発明においては、黒色粒子がもっとも光吸収性が高いので好ましい材料である。
また、本発明のPDP用前面フィルタにおける光吸収粒子は、光吸収部3の全体の体積に対して10〜50体積%であることが好ましい。かかる比率を維持することによって、十分な光吸収効果を保ちつつ、容易な製造条件を与えることができる。
インキは、ワイピング法等の方法により、凹条溝に充填した後、電離放射線硬化性樹脂を用いた場合には、紫外線等の電離放射線で硬化、定着させる。
本発明のPDP用前面フィルタにおいて用いる画像コントラスト向上層においては、前述のようにして形成された光吸収部材が充填してなる複数のストライプ状凹条溝からなる光吸収部3と、隣り合う光吸収部3間に、透光性領域1とを有している。この透光性領域1は、透明基材3の一方の面に、前述した複数のストライプ状凹条溝を形成する際に、同時に形成することができる。
外光の種類はPDPの使用環境によって異なるが、通常、室内における使用の場合は主に窓からの入射光や天井の照明であり、屋外での使用の場合は主に太陽光である。これらの外光は、通常、PDP表示面のほぼ正面から入射することは稀であり、PDPの表示面に対して比較的浅い角度で入射する。このような浅い角度で入射する外光を光吸収部によって効率良く吸収することができる。
本発明のPDP用前面フィルタを構成する電磁波遮蔽シート300は、透明基材シート301上に導電体パターン層302を形成したもので、電磁波遮蔽性能と光透過性とを両立させた電磁波遮蔽シートである。
透明基材シート301は、可視領域での透明性(光透過性)、耐熱性、機械的強度等の要求物性を考慮して、公知の材料及び厚みを適宜選択すればよいが、生産性に優れるロール・トゥ・ロールでの連続加工適性を考慮すると、フレキシブルな樹脂フィルム(乃至樹脂シート)が好ましい。
樹脂フィルム、樹脂シートの樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール−1,4シクロヘキサンジメタノール−テレフタール酸共重合体、エチレングリコール−テレフタール酸−イソフタール酸共重合体などのポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリプロピレン、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂等である。なかでも、ポリエチレンテレフタレートはその2軸延伸フィルムが耐熱性、機械的強度、光透過性、コスト等の点で好ましい樹脂である。
透明基材シートの厚みは基本的には特に制限はなく用途等に応じ適宜選択すればよいが、フレキシブルな樹脂フィルムを利用する場合、例えば12〜500μm、好ましくは25〜200μm程度である。
導電体パターン層302は、電磁波遮蔽性能と光透過性とを両立させたパターン層であればよく、金属パターン層、導電性組成物印刷パターン層のいずれでもよい。
該パターンは、電磁波遮蔽層に通常採用される、正方格子、三角格子、カゴメ格子などのメッシュ(格子)状であってよく、その線幅と線間ピッチも通常採用されている寸法であればよい。例えば、線幅は5〜30μmとすることができ、線間ピッチは150〜350μmとすることができる。開口率(電磁波遮蔽パターンの全面積中における開口部の合計面積の占める比率)は、通常、50〜95%程度である。またメッシュやストライプ形状の電磁遮蔽パターンとは別に、それと導通を保ちつつ隣接した全ベタ等の接地パターンが設けられる場合もある。
また、導電体パターン層の厚さは、その導電体パターン層の抵抗値によっても異なるが、電磁波遮蔽性能と該導電体パターン層上への他部材の接着適性との兼ね合いから、その中央部(突起パターンの頂部)での測定において、通常、3〜20μmである。
透明基材シート上への金属パターン層の形成方法としては、次のような方法が挙げられる。
(1)一旦、透明基材シート上に金属厚膜を接着剤層を介して全面連続被覆した後、フォトリソグラフィー等の手法により、不要部分を除去して、所望のパターンに形成する方法。
(2)先ず、透明基材シート上の金属層不要部分直上部をレジスト層で被覆し、しかる後、その上に真空蒸着、スパッタリング、電解又は無電解メッキ等で金属により、レジスト非形成部直上にのみ金属を堆積積層する方法。
(3)先ず、印刷法により、透明基材シート上の金属層必要部分直上部を無電解メッキで所望の金属を析出させ得る触媒層で被覆し、しかる後、その上に無電解メッキで金属層を堆積積層する方法。
(1)WO2008/149969A1(PCT/JP2008/60427)記載の如き、(所謂「引抜プライマー法」と我々が俗称する)凹版印刷法により、導電性組成物層を所望のパターン状に形成する方法。
(2)その他の印刷法(上記(1)以外の従来の通常凹版印刷、シルクスクリーン印刷等)により、導電性組成物層を所望のパターン状に形成する方法。
導電性組成物は、金、銀、白金、銅、ニッケルなどの高導電率の金属粒子、グラファイト粒子、カーボンブラック粒子などから選ばれる導電性粒子と、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂であるバインダー樹脂からなり、凹版印刷のためには、一般的に印刷インキに用いられる溶剤を使用して流動性のあるインキとする(電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、もともと流動性があるため、必ずしも溶剤を必要としない)。
WO2008/149969A1記載の凹版印刷法では、透明基材シート上に形成した未硬化の電離放射線硬化性樹脂である液状プライマー層を介在させることで、凹版凹部内の導電性組成物との密着、及びプライマー層固化後の透明基材シートの離版により、高いインキ転移性を得ることができる。
接着剤層200は、画像コントラスト向上層100と電磁波遮蔽シート300の導電体パターン層側とを貼り合わせる層であり、熱可塑性樹脂の接着剤が好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂の接着剤は、室温(0〜30℃乃至その前後)で固体であり、100℃前後で溶融状態となり、しかる後、融点乃至溶融温度未満に冷却して固体化せしめることにより導電体パターン層と画像コントラスト向上層の両方に対して接着性を持つ材料である。斯かる形態で用いる熱可塑性樹脂の接着剤のことを熱溶融(ホットメルト;Hot Melt)型接着剤、感熱融着型接着剤、熱封着(ヒートシール;Heat Seal)型接着剤等とも呼称する。
そのような熱可塑性樹脂の接着剤の材料としては、例えば、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が好適に使用できる。
ここで、アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−エチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、メチル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシ3フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等が挙げられる(なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する)。
熱可塑性ポリエステル樹脂としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の多価アルコールと、テレフタール酸、イソフタール酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸等の多塩基酸とを縮重合させたものが挙げられる。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、例えば、酢酸ビニル含有量が5〜20質量%程度、平均重合度350〜900程度の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。なお、必要に応じ、更にマレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸等のカルボン酸を共重合させたものでもよい。
一方の面に熱可塑性樹脂の接着剤層を成膜してなる画像コントラスト向上層を、その熱可塑性樹脂の接着剤層側を導電体パターン層に対面する向きで、電磁波遮蔽シート上に重ね合わせて、画像コントラスト向上層の上から熱ローラを当て、一方向に移動させて、熱圧を加える。加熱のみでもよいが、通常は、加熱及び加圧の両方を加える。加熱及び加圧(熱圧の付与)は、通常、鉄等の金屬の円筒状芯材の周囲をシリコンゴム等の耐熱性弾性体で表面を被覆した加熱ローラにて押圧する。斯かる加熱ローラによる熱圧条件としては、温度100〜220℃、圧力0.01〜5MPa、時間1〜60秒が好ましい。加熱、或いは加熱及び加圧し、溶融状態の接着剤が導電体パターンの凹凸を十分に充填し、凹部内の空気と十分に置換した後、該熱可塑性樹脂の接着剤層をその溶融温度乃至融点未満、最終的には室温迄に冷却し、該熱可塑性樹脂の接着剤層を固体化せしめる。斯かる冷却は、室温空気中に放置するのみでも足りるが、より効率的に冷却する場合は、冷風吹き付け、冷却ローラとの接触、冷水中への浸漬等の手段を採用する。
本発明のPDP用前面フィルタは、基本的に、画像コントラスト向上層100、接着剤層200及び電磁波遮蔽シート300で構成されるが、これらの層に加えて、各種の機能層を適宜積層位置に積層することができる。該機能層としては、例えば、図1の如く、透明支持体4の画像コントラスト向上層100とは反対側の面に、反射防止層、防眩層、耐擦傷機能(ハードコート)層、防汚層などの主として観察者側に設けられる機能層400が設けられていてもよい。この機能層400は、単層であっても、2層以上が積層された層であってもよい。また、透明基材シート301の導電体パターン層302とは反対側の面に、必要に応じて粘着剤層500が設けられていてもよい。この粘着剤層500は、本発明のPDP用前記フィルタをPDP装置本体又はPDP装置基板に接着する役割を有する層である。その他、図示は略すが、該機能層としては、近赤外線吸収層、ネオン光吸収層、調色(着色)層、紫外線吸収層、耐衝撃層等が挙げられる。
また、本発明のPDP用前面フィルタにおいて、画像コントラスト向上層の透明基材部、接着剤層、粘着剤層のいずれか1層以上に、近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤、調色光吸収剤、紫外線吸収剤などの各種吸収剤を含有させ、これら層自体を、近赤外線吸収層、ネオン光吸収層、調色(着色)層、紫外線吸収層等と兼用させることもできる。
反射防止層としては、例えば、低屈性率層と高屈折率層とを交互に積層し最表面が低屈折率層となるようにした多層構成が一般的であり、蒸着やスパッタ等の乾式法で、或いは塗工等の湿式法も利用して形成することができる。なお、低屈折率層はケイ素酸化物、フッ化マグネシウム、フッ素含有樹脂等が用いられ、高屈折率層には、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ等が用いられる。
防眩層としては、樹脂バインダ中にシリカなどの無機フィラーを添加した塗膜形成や、或いは賦形シートや賦形版等を用いた賦形加工により、層表面に外光を乱反射する微細凹凸を設けた層として形成することができる。樹脂バインダの樹脂としては、表面層として表面強度が望まれる関係上、硬化性アクリル樹脂や、電離放射線硬化性樹脂等が好適には使用される。
耐擦傷機能(ハードコート)層は、JISK5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものであることが好ましく、このような硬度と十分な透明性を実現できるものであれば、材料は特に限定されない。
耐擦傷機能(ハードコート)層は、通常樹脂硬化層として形成される。
用いる硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂などを要求性能などに応じて適宜採用すればよい。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系などが挙げられる。例えば、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂は、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートプレポリマー、或いは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーを単独で或いはこれらの中から2種以上選択して組み合わせて配合した電離放射線硬化性樹脂を用いた塗膜として形成することができる。
耐擦傷機能(ハードコート)層は上記材料を必要に応じて溶剤で希釈して画像コントラスト向上層上に塗工等の湿式成膜法により形成することができる。
耐擦傷機能層の厚みは特に限定されるものではないが、1.0〜2.0μmが好ましく、より好ましくは3.0〜5μmである。
粘着剤層500は、電磁波遮蔽シートの接着剤層とは接しない面側、透明基材シート301の裏面上に形成され、本発明のPDP前面フィルタをPDP装置本体又はPDP装置基板に接着する役割を有すると共に、後述の各種吸收剤を含有させるのに好ましい層である。
近赤外線吸収剤は、本発明のPDP用前面フィルタにおいては、PDPがキセノンガス放電を利用して発光する際に生じる近赤外線領域、即ち、800nm〜1100nmの波長領域を吸収し、且つ可視光領域、即ち、380nm〜780nmの波長領域では吸収が少なくて十分な光線透過率を有する色素が好ましい。そして、粘着剤層500に添加する場合、上記近赤外線領域での近赤外線の吸収量が、透過率でいえば20%以下、更に好ましくは10%以下となるように、近赤外線吸収剤の種類、近赤外線吸収剤の粘着剤層中での含有量、及び粘着剤層の厚み等を設定するのが好ましい。
このような近赤外線吸収剤としては、具体的には、フタロシアニン系、イモニウム系、ジイモニウム系、ジチオール金属錯体、シアニン系化合物、アゾ化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物系等の有機系化合物からなる有機系近赤外線吸收剤、或いは金属酸化物、金属ホウ(硼)化物、金属窒化物などの無機系化合物から成る無機系近赤外線吸收剤が挙げられ、耐久性の面から、無機系近赤外線吸收剤が好ましい。
金属酸化物としては、例えば、酸化タングステン系化合物、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化セシウムなどの微粒子が挙げられる。十分な可視光線透明性を発現せしめるためには、平均粒子径は可視光線の最低波長である380nm以下、特に平均粒子径40〜200nmのものが好ましい。
金属ホウ化物としては、多ホウ化金属化合物が好ましく、具体的には、ホウ化ランタン(LaB6)、ホウ化プラセオジウム(PrB6)、ホウ化ネオジウム(NdB6)、ホウ化セリウム(CeB6)、ホウ化イットリウム(YB6)、ホウ化チタン(TiB6)、ホウ化ジルコニウム(ZrB6)、ホウ化ハフニウム(HfB6)、ホウ化バナジウム(VB6)、ホウ化タンタル(TaB6)、ホウ化クロム(CrB、CrB6)、ホウ化モリブデン(MoB6、Mo2B5、MoB)、ホウ化タングステン(W2B5)などが挙げられ、また、金属窒化物としては、窒化チタン、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化バナジウムなどが挙げられる。
これらの中で、近赤外線の高吸収率と可視光線の高透過率との両立性、及び高湿高湿度条件下における分光透過率特性の変化に対する耐久性の点から、特開2006−154516号公報等記載の酸化タングステン系化合物が好ましく、特にセシウム含有酸化タングステンが、近赤外線吸収能が高いことから特に好適である。
上記近赤外線吸収剤の含有量は、吸収層中に0.1〜15質量%程度であることが好ましい。
ネオン光吸収剤は、本発明のPDP用前面フィルタにおいては、PDPから放射されるネオン光を吸収させる色素である。該ネオン光は、ネオン原子の発光スペクトル帯域、即ち550〜640nmの波長領域(ネオン光領域)を吸収し、且つ該波長領域を除いた可視光領域380nm〜780nmの波長領域中ではなるべく吸収が少なくて十分な光線透過率を有する色素が好ましい。
そして、粘着剤層500に添加する場合、上記Ne光領域の中心波長を590nmとすれば、該590nmにおける光線の透過率が50%以下になるように、ネオン光吸収剤、ネオン光吸収剤の粘着剤層中での含有量、及び粘着剤層の厚み等を設定するのが好ましい。
このようなネオン光吸収剤としては、具体的には、シアニン系、オキソノール系、メチン系、サブフタロシアニン系もしくはポルフィリン系等が挙げられる。これらの中でもポルフィリン系が好ましく、中でも、テトラアザポルフィリン系色素が、分散性が良好で、且つ耐熱性、耐湿性、耐光性が良好な点から好ましい。
ネオン光吸収剤の含有量は、ネオン光吸収層中に、0.05〜5質量%であることが好ましい。含有量が0.05質量%以上であれば充分なネオン光吸収機能を発現でき、5質量%以下であれば、充分な量の可視光線を透過できる。
調色光吸収剤は、表示画像を好みの色調(天然色、或いは天然色から多少偏移した色)に補正するための色素である。このような調色光吸収剤としては、有機系色素、無機系色素などを1種単独使用、又は2種以上併用することができる。具体的には、アントラキノン系、ナフタレン系、アゾ系、フタロシアニン系、ピロメテン系、テトラアザポルフィリン系、スクアリリウム系、シアニン系等の色素が挙げられる。
調色光吸収剤の含有量は、補正すべき色に合わせて適宜調整され、特に限定されない。通常、調色層中に0.01〜10質量%程度含有する。
紫外線吸収剤としては、例えば、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、トリアジン系等の有機系化合物、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどを微粒子化した粉体、あるいは二酸化チタン微粒子を酸化鉄で複合化処理してなるハイブリッド無機粉体、酸化セリウム微粒子の表面を非結晶性シリカでコーティングしてなるハイブリッド無機粉体等の無機系化合物からなる公知の化合物を用いることができる。
なお、紫外線吸収剤を添加する場合、他の吸収剤(色素)を外来光から保護するために、他の吸収剤(色素)を添加した層と同じ層か、或いはその層よりも観察者側に近い層に添加する。また、耐光性が堅牢な色素を使用する場合は、紫外線吸収剤の添加は不要である。
本発明のPDP用前面フィルタを、このようにしてPDPパネルに装着することにより、画像コントラスト向上機能と電磁波遮蔽機能を良好に発揮し得ると共に、干渉縞(モアレ)の発生を効果的に防止することができる。
(1)画像コントラスト向上層の作製
先ず、透明支持体4として、両面易接着処理された厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(東洋紡績社製;品名A4300)を準備し、その上に、ウレタンアクリレートプレポリマーからなる紫外線硬化性樹脂を厚さ300μmとなるように塗布し、未硬化状態の透明基材を形成した。この未硬化状態の透明基材表面に、表1に示す各種の線幅/ピッチ及び深さが120μmのストライプ状凹条溝(垂直方向断面:台形)を形成し得る各種の金属製賦形型ロールを押し当て、所定形状のストライプ状凹条溝を刻設しながら、背面から紫外線を照射して透明基材3を硬化させた。
次に、透明アクリル系の紫外線硬化性プレポリマー100質量部中に、最小粒径が2μmで最大粒径が3μmの黒い球状ビーズ状粒子50質量部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2質量部を混合して液状の紫外線硬化性樹脂組成物を調製した。この液状樹脂組成物を、上記のようにして得られた透明基材3の該形成面側上に塗工し、その後、ドクターブレードでワイピングした。ワイピングに際しては、同時に背面から紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂である透明樹脂を硬化させた。その結果、該凹条溝には透明樹脂である紫外線硬化性樹脂と黒い球状ビーズが充填され、光吸収部3が形成されると共に、隣り合う光吸収部3間に透光性領域1が形成されてなる、表1に示す線幅/ピッチを有する9種の画像コントラスト向上層を作製した。
(2)モアレが発生しない角度αの値
パネルの水平方向の角度を0度とし、視聴者から見て右上がり(反時計回り)の角度を+の値として、PDPパネルを白色発光させた状態で評価を行った。
PDPパネルとしては、42インチ(パナソニック株式会社製、品番「TH−P42G1」)、50インチ(パナソニック株式会社製、品番「TH−50PZ700」)の2種類を用いた。
まず、PDPパネル上に、上記(1)で得た9種類の画像コントラスト向上層をそれぞれ重ね、回転して、ストライプ状光吸収部2の角度を0°〜5°の範囲で変えて、モアレが発生しない角度αを求めた。結果を表1に示す。
0°<α<5°・・・(1)
の関係を満たせば、画像コントラスト向上層は、いずれもモアレは発生しない。
(1)画像コントラスト向上層の作製
参考例1(1)と同様にして、線幅/ピッチが10μm/50μm、深さが120μmのストライプ状光吸収部2を有する画像コントラスト向上層A、及び線幅/ピッチが17μm/85μm、深さが120μmのストライプ状光吸収部2を有する画像コントラスト向上層Bを作製した。
WO2008/149969A1の実施例1に従って、凹版印刷法(「引抜プライマー法」)により(但し、下記メッシュ状導電体パターン層ができあがる寸法の凹版を使用)、厚さ100μmの透明基材シート(2軸延伸PETフィルム)301上に、線幅/ピッチが11μm/270μm、厚さが10μmのメッシュ状導電体パターン層302が設けられてなる電磁波遮蔽シートを作製した。
上記(1)で作製した画像コントラスト向上層の透明支持体形成面に、アクリル系樹脂からなる紫外線硬化性樹脂(DIC株式会社製、「RC25−750」)をバーコートし、紫外線照射装置(光源Hバルブ)を用いて照射線量760mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させてハードコート層を形成した。該ハードコート層の膜厚は、硬化後の厚みが5μmであった。
続いて、画像コントラスト向上層の透明樹脂層形成面に、熱可塑性ポリエステル系樹脂からなるヒートシール型接着剤(DIC株式会社製、A−970)をバーコートし乾燥させて溶剤を除去することで塗膜を形成した。該接着剤層の膜厚は、乾燥後の厚みが30μmであった。
上記(2)で得た電磁波遮蔽シートのメッシュパターン側と、上記で得た画像コントラスト向上層の片面上に形成されたヒートシール型接着剤層側とを対峙させて重ね合わせた。
画像コントラスト向上層の他方の面上に形成されたハードコート層の上から熱ローラを押し付けることにより、ヒートシール型接着剤が溶融してメッシュ凹部に流入し、気泡を残すことなく該メッシュ凹部内に充填する。そののち、室温(23℃)雰囲気中で冷却して、該ヒ−トシール型接着剤層を固化せしめて、電磁波遮蔽シートのメッシュパターン上に画像コントラスト向上層をラミネートしたPDP用前面フィルタを得た。
ここで、熱ローラによる熱圧条件は、温度100℃、圧力3MPa、時間20秒である。
パネルの水平方向の角度を0度とし、観察者から見て右上がり(反時計回り)の角度を+の値として、PDPパネルを白色発光させた状態で評価を行った。
PDPパネルとしては、42インチ(パナソニック株式会社製、品番「TH−P42G1」)、50インチ(パナソニック株式会社製、品番「TH−50PZ700」)の2種類を用いた。
まず、上記(1)で得た画像コントラスト向上層A(ストライプ状光吸収部の線幅/ピッチ=10μm/50μm)又は画像コントラスト向上層B(ストライプ状光吸収部の線幅/ピッチ=17μm/85μm)を、ストライプ状光吸収部のαが、それぞれ2°又は4.5°になるように、PDPパネルに重ねて固定する。
次に、上記(2)で得た電磁波遮蔽シート(メッシュ状導電体パターン層の線幅/ピッチ=11μm/270μm)を、上記の固定された画像コントラスト向上層に重ねて回転し、該メッシュ導電体パターン層のメッシュと、ストライプ状光吸収部とがなす角度「β−α」を種々変えて、モアレが発生しない角度「β−α」を求めた。
その結果を表2に及び表3に示す。
(1)画像コントラスト向上層の作製
実施例1(1)と同様にして画像コントラスト向上層A及び画像コントラスト向上層Bを作製した。
(2)電磁波遮蔽シートの作製
実施例1(2)と同様にして、厚さ100μmの透明基材シート301上に、表2及び表3に示す線幅/ピッチを有する(ただし線幅/ピッチ=11μm/270μmのものは除く)メッシュ状の導電体パターン層302が設けられてなる26種の電磁波遮蔽シートを作製した。
(3)モアレが発生しない「β−α」の値
上記(2)で得た26種の電磁波遮蔽シートを用い、実施例1(4)と同様な操作を行い、モアレが発生しない角度「β−α」を求めた。
その結果を表2及び表3に示す。
表2及び表3におけるモアレ発生のない角度の数値は、式(2)
40°<β−α<50° ・・・(2)
の関係を少なくとも一部満たすものについて記した。
2 光吸収部材が充填してなるストライプ状凹条溝(光吸収部)
3 透明基材
4 透明支持体
50 PDP用前面フィルタ
100 画像コントラスト向上層
200 接着剤層
300 電磁波遮蔽シート
301 透明基材シート
302 導電体パターン層
400 耐擦傷機能(ハードコート)層などの機能層
500 粘着剤層
Claims (1)
- 画像コントラスト向上層及び透明基材シート上に設けられた導電体パターン層を有する電磁波遮蔽シートを少なくとも備えた積層構造を有し、プラズマディスプレイパネルの観察者側に装着させるプラズマディスプレイ用前面フィルタであって、
前記画像コントラスト向上層が、透明基材の一方の面に、該透明基材の面内方向に沿って、所定の一定の間隔をあけて平行に並設された、光吸収部材を充填してなる複数のストライプ状凹条溝からなる光吸収部と、隣り合う光吸収部間に透光性領域とを有し、かつ該凹条溝が観察者側から見て、右上がりであって、その延長線と、前記プラズマディスプレイパネルの水平方向と同一の水平方向をもつ前記透明基材の長辺とがなす角度αが、下記式(1)
0°<α<5° ・・・(1)
の関係を満たすこと、及び透明基材シート上に設けられた導電体パターン層の観察者側から見て右上がりのメッシュの延長線と、前記プラズマディスプレイパネルの水平方向と同一の水平方向をもつ前記透明基材シートの長辺とがなす角度をβとした場合、下記式(2)
40°<β−α<50°・・・(2)
の関係を満たすことを特徴とする、プラズマディスプレイ用前面フィルタ。
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