JP2008149699A - 着色積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】着色剤を使用する基板において、生産性の向上及び外観不良を抑制することができる着色積層体を提供する。
【解決手段】本発明の着色積層体15は、着色層14が第1の透明合成樹脂製基板12の裏面に着色剤を含有する紫外線硬化性樹脂が積層されることにより構成され、さらに着色層14の裏面に第2の透明合成樹脂製基板16が積層されることにより構成される。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の着色積層体15は、着色層14が第1の透明合成樹脂製基板12の裏面に着色剤を含有する紫外線硬化性樹脂が積層されることにより構成され、さらに着色層14の裏面に第2の透明合成樹脂製基板16が積層されることにより構成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、着色剤が使用される着色積層体に係り、詳しくは生産性の向上及び外観不良を抑制することができる着色積層体に関する。
従来より、例えば、照明器具、ディスプレイ、窓貼用着色フィルム、化粧シート等の分野において使用される合成樹脂製品として、着色基板が知られている。かかる着色基板として、例えば、特許文献1に記載される合成樹脂製の着色基板が知られている。かかる着色基板は、基板と防汚性を付与するために紫外線硬化型樹脂(ハードコート層)を該基板表面に積層させた積層構造を有する。従来より、着色基板の着色及び成形方法は、製造工程を少なくするために合成樹脂材料に直接黒色材料、可視光吸収材料等の着色剤を配合し、公知の溶融押出機を用いてシート状に成形することにより行われていた。
特開2000−158599号公報
ところが、上記の方法により合成樹脂製の基板を直接着色する構成を採用する場合、合成樹脂を溶融・押し出した際に着色のために配合する着色剤が溶融押出機内に残留するという問題があった。かかる押出機内に残留した着色剤は、種類によっては完全除去が難しく、特に基板の色替えを行なう場合、押出機内の洗浄に時間がかかり、生産性が低下するという問題があった。また、例えば基板に配合する着色剤として着色フィラーを使用する場合、成形後の基板表面に着色フィラーに由来する微細な凹凸が生じるという問題があった。かかる凹凸形状により、基板表面において色斑の原因となり、外観不良が生ずるという問題があった。
本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、着色剤を使用する基板において、生産性の向上及び外観不良を抑制することができる着色積層体を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の着色積層体は、第1の透明合成樹脂製基板と着色層とを有する着色積層体において、前記着色層は、前記第1の透明合成樹脂製基板の裏面に着色剤を含有する紫外線硬化性樹脂が積層されることにより構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の着色積層体において、さらに前記着色層の裏面に第2の透明合成樹脂製基板が積層されている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の着色積層体において、さらに前記第1の透明合成樹脂製基板の前記着色層とは反対側の面に紫外線硬化性樹脂からなる透明ハードコート層が積層されている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の着色積層体において、さらに前記第1の透明合成樹脂製基板の前記着色層とは反対側の面に紫外線硬化性樹脂からなる透明ハードコート層が積層されている。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の着色積層体において、前記着色層の紫外線硬化性樹脂は、ポリウレタンアクリレート及びポリウレタンメタアクリレートから選択される少なくとも一種から構成される。
本発明によれば、着色剤を使用する基板において、生産性の向上及び外観不良を抑制することができる。
以下、本発明を具体化した着色積層体の一実施形態を図1にしたがって説明する。
本実施形態の着色積層体11は、図1に示されるように第1の透明合成樹脂製基板12(以下、「透明合成樹脂製基板12」という)の表面に透明ハードコート層13、裏面に着色層14が積層及び固着された多層(三層)構造を有する。
本実施形態の着色積層体11は、図1に示されるように第1の透明合成樹脂製基板12(以下、「透明合成樹脂製基板12」という)の表面に透明ハードコート層13、裏面に着色層14が積層及び固着された多層(三層)構造を有する。
透明合成樹脂製基板12を構成する合成樹脂材料としては、成形基板の透明性を大きく損なうことがなければ特に限定されず、公知の合成樹脂材料を適宜選択することができる。例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂材料の単独重合体に限らず共重合体であってもよい。また、これらの樹脂材料は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、単層のみならず2層以上から構成される複層積層体の構成であってもよい。本発明の効果及び透明性を損なわない限り、公知の安定剤、可塑剤、酸化防止剤、強化剤等の添加剤を適宜配合することができる。
また、透明合成樹脂製基板12の「透明」とは、透明合成樹脂製基板12を通して下地である着色層14の色が視認可能であれば「透明」である意である。つまり、本実施形態の透明合成樹脂製基板12の「透明」とは、透明のみならず半透明も含む概念である。
透明ハードコート層13は、着色積層体の耐擦傷性、耐摩耗性、耐汚性等の効果向上のために透明合成樹脂製基板12の表面に積層することができる。透明ハードコート層13は、合成樹脂材料として下層の着色層14の色が視認可能な程度に透明性を有する紫外線硬化性樹脂が採用される。紫外線硬化性樹脂としては、例えばアクリル系、メタクリル系、ビニル系、アリール系、エポキシ系、チオール系、ビニルエーテル系等の1価もしくは多価単量体のモノマーで透明性のあるものを使用することができる。より具体的には、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等のオリゴマーや、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、イソアミルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。これらのうち、透明性を有するとともに耐擦傷性及び硬化性の観点からポリウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。これらの樹脂材料は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、単層のみならず2層以上から構成される積層体であってもよい。
透明ハードコート層13は、紫外線硬化性樹脂に重合触媒が添加された樹脂材料に紫外線が照射されることより硬化される。重合触媒としては各種の有機酸及びそれらの酸無水物、窒素含有有機化合物、各種金属錯化合物、金属アルコキシド、アルカリ金属の有機カルボン酸塩や炭酸塩等の各種塩や過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン系、フォスフィンオキシド系、α−ヒドロキシケトン等のラジカル重合開始剤が挙げられる。これらは2種以上混合して使用することも可能である。また、単層のみならず2層以上から構成される積層体であってもよい。透明性や本発明の効果を損なわない範囲で酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、増感剤等の添加剤を配合することができる。
透明合成樹脂製基板12に被覆される透明ハードコート層13の膜厚は、使用される着色積層体11の目的に応じ適宜設定できるが、好ましくは3〜20μm、より好ましくは5〜7μmである。透明ハードコート層13の膜厚が3μm未満であると耐擦傷性の低下を招くおそれがある。一方、透明ハードコート層13の膜厚が20μmを超えると光透過性の低下を招くとともに反りやうねりを生ずるおそれがある。
また、透明ハードコート層13の「透明」とは、透明ハードコート層13を通して下地である着色層14の色が視認可能であれば「透明」である意である。つまり、本実施形態の透明ハードコート層13の「透明」とは、透明のみならず半透明も含む概念である。
着色層14は透明合成樹脂製基板12の裏面に積層され、透明合成樹脂製基板12及び透明ハードコート層13を透光することにより着色積層体11に対し色調を与える。着色層14を構成する樹脂材料としては、上述した透明ハードコート層13において使用される紫外線硬化性樹脂が挙げられる。着色層14は、透明ハードコート層13で選択された樹脂材料と同一の樹脂材料を使用して積層してもよく、異なる樹脂材料を用いて積層してもよい。着色層14は1種類の樹脂材料で構成されてもよく、2種以上の樹脂材料から構成されてもよい。また、単層のみならず2層以上から構成される積層体であってもよい。
着色層14には、着色層14に色調を与える着色剤が配合される。着色剤としては、顔料、着色フィラー、染料等の一般に合成樹脂に配合可能な着色剤が使用される。着色フィラーとしては、タルク、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、合成マイカ、モンモリロナイト、黒鉛、金属箔、板状炭酸カルシウム、板状アルミナ、炭酸カルシウム、シリカ、各種ビーズ、各種バルーン、アルミナ、酸化チタン、グレー、金属粉、ハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、カーボンブラック、チタン酸バリウム、各種フェライトなどが挙げられる。
顔料としては、無機顔料及び有機顔料とに分けられ、無機顔料としては、着色フィラーとして挙げたものの他、黄鉛、バリウム黄等のクロム酸塩、紺青等のフェロシアン化物、カドミウム黄、硫化亜鉛、アンチモン白、カドミウムレッド等の硫化物、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、硫酸ストロンチウム等の硫酸塩、亜鉛華、チタン白、ベンガラ、鉄黒、酸化クロム等の酸化物、群青等のケイ酸塩、グラファイト等の炭素、酸化チタン被覆合成マイカ(パール顔料)等が挙げられる。有機顔料としては、ナフトールグリーンB、ナフトールグリーンY等のニトロソ系顔料、ナフトールS、リソールファストイエロー2G等のニトロ系顔料、パーマネントレッド4R、ブリリアントファストスカーレット、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー等の不溶性アゾ系顔料、リソールレッド、レーキレッドC、レーキレッドD等の難溶性アゾ系顔料、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッドF5R、ピグメントスカーレット3B、ボルドー10B等の可溶性アゾ系顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー等のフタロシアニン系顔料、ローダミンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、メチルバイオレットレーキ等の塩基性染料系顔料、ピーコックブルーレーキ、エオシンレーキ、キノリンイエローレーキ等の酸性染料系顔料等、イソインドリン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクドリン系顔料、レーキ顔料等が挙げられる。
染料としては、有機顔料として挙げたものの他、分散染料、蛍光染料等の他、トリアリールメタン系、アジン系等の油性染料等が挙げられる。これらの着色剤は単独で配合してもよく、または二種以上を組み合わせて配合してもよい。
透明合成樹脂製基板12に積層される着色層14の膜厚は、使用される着色積層体11の目的に応じ適宜設定できるが、好ましくは5〜20μm、より好ましくは8〜12μmである。着色層14の膜厚が5μm未満であると着色積層体11に対する着色付与効果の低下を招くおそれがある。一方、着色層14の膜厚が20μmを超えると反りやうねりを生ずるおそれがある。着色層14には、着色性及び本発明の効果を損なわない範囲で酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、増感剤等の添加剤を配合してもよい。
透明合成樹脂製基板12の表面(着色層14が積層される側とは反対側の面)に紫外線硬化樹脂を使用した透明ハードコート層13を積層する場合、透明ハードコート層13の表面に図示しない保護フィルム層を設けてもよい。かかる場合、透明ハードコート層13の硬化後に保護フィルム層をその表面に仮接着し、そして使用前に透明ハードコート層13の積層後の透明合成樹脂製基板12から保護フィルムが剥離されるように構成される。
保護フィルムを使用することにより製造工程および流通過程で透明合成樹脂製基板12の表面を保護することができる。また、ハードコート層等の機能層である紫外線硬化樹脂は、保護フィルム側に仮接着しているので、保護フィルムが不要になった場合、保護フィルムを引き剥がせば、機能層が積層した透明合成樹脂製基板の表面に露出して使用に供することができる。
保護フィルムとしては、紫外線照射側に適用する場合には紫外線透過性が求められるとともに、硬化後の紫外線硬化性樹脂との接着力が強い合成樹脂フィルムであれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなどが挙げられ、必要に応じ離型処理を施してもよい。また、保護フィルムを使用する場合、透明ハードコート層13に使用される樹脂材料としては、保護フィルムを剥離可能な、無溶剤の紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
また、着色層14の表面に保護フィルムを設けてもよい。かかる構成により、保護フィルムの接触面に鏡面、エンボス等が形成されている場合には紫外線硬化性樹脂材料の塗工面に転写された状態で、紫外線硬化することができる。また、剥離するまでは塗工面を保護することができる。
保護フィルムとしては、紫外線照射側に適用する場合には紫外線透過性が求められるとともに、硬化後の紫外線硬化性樹脂との接触面から剥離可能なフィルムであれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、低密度ポリエチレンなどのポリエチレンフィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなどが挙げられ、必要に応じ離型処理を施してもよい。
次に、上述のように構成された着色積層体11の製造方法について説明する。
まず、透明合成樹脂製基板12上に透明ハードコート層13を構成する紫外線硬化性樹脂材料が塗工される。また、透明合成樹脂製基板12の裏面にも紫外線硬化性樹脂材料が塗工される。透明ハードコート層13の積層方法としては浸漬により樹脂を塗布するディップ方式、ロールを使用して樹脂を塗布するナチュラルコート方式及びリバースコート方式、カンマコーター方式並びにカバーフィルムを使用するラミネート方式等を使用することができる。
まず、透明合成樹脂製基板12上に透明ハードコート層13を構成する紫外線硬化性樹脂材料が塗工される。また、透明合成樹脂製基板12の裏面にも紫外線硬化性樹脂材料が塗工される。透明ハードコート層13の積層方法としては浸漬により樹脂を塗布するディップ方式、ロールを使用して樹脂を塗布するナチュラルコート方式及びリバースコート方式、カンマコーター方式並びにカバーフィルムを使用するラミネート方式等を使用することができる。
透明合成樹脂製基板12の裏面上への紫外線硬化性樹脂材料の塗布は、透明ハードコート層13と同様にディップ方式、ナチュラルコート方式及びリバースコート方式、カンマコーター方式、ラミネート方式等を使用することができる。
次に、紫外線を照射することにより、透明合成樹脂製基板12の上面及び裏面に塗布された紫外線硬化性樹脂材料が硬化して、それぞれ透明ハードコート層13及び着色層14が形成される。樹脂の硬化を促進させるため紫外線を照射する前に加熱するのが好ましい。加熱温度は樹脂材料により適宜設定される。紫外線硬化性樹脂材料の透明合成樹脂製基板12の上面及び裏面への塗布・硬化は片面ずつ行なってもよく、両面同時に行なってもよい。両面同時に硬化処理を行なった場合、製造工程を簡略化することができるため好ましい。
保護フィルム層をさらに設けるためには、紫外線硬化性樹脂を透明合成樹脂製基板12の表面に塗工した後、透明ハードコート層13上又は着色層14上に保護フィルムを重ね合わせ、一対のラミネートロールを通過させて積層させる。
上記実施形態の着色積層体11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、透明合成樹脂製基板12の裏面に着色剤を含有する着色層14を積層させた。したがって、透明合成樹脂製基板12に直接着色剤を配合する場合と比較して、積層体の色を変化させる場合、基板を成形する際に使用する溶融押出機内を洗浄する必要がない。つまり、基板自体の色替えを行なう必要がなく着色板の生産性が向上する。最終的な着色積層体の色を変化させる場合は、下層の着色層14について、所望の色を選択して透明合成樹脂製基板12に塗布及び積層させることにより達成することができる。
(1)上記実施形態では、透明合成樹脂製基板12の裏面に着色剤を含有する着色層14を積層させた。したがって、透明合成樹脂製基板12に直接着色剤を配合する場合と比較して、積層体の色を変化させる場合、基板を成形する際に使用する溶融押出機内を洗浄する必要がない。つまり、基板自体の色替えを行なう必要がなく着色板の生産性が向上する。最終的な着色積層体の色を変化させる場合は、下層の着色層14について、所望の色を選択して透明合成樹脂製基板12に塗布及び積層させることにより達成することができる。
(2)また、着色剤に着色フィラーを使用した場合に基板表面に着色フィラーに由来する凹凸を生じさせることがない。それにより、基板表面に色むら等を生じさせることがなく外観性が向上する。また、透明合成樹脂製基板12により下層にある着色剤を含有する紫外線硬化性樹脂からなる着色層14を保護することができる。
(3)透明ハードコート層13を構成する紫外線硬化性樹脂材料として、ポリウレタン系(メタ)アクリレートを使用した場合、耐擦傷性、硬化性が向上する。
(4)透明ハードコート層13及び着色層14を構成するそれぞれの紫外線硬化性樹脂材料を同一の樹脂材料を使用した場合、樹脂硬化時の収縮による着色積層体11の反りやうねりを防止することができる。
(4)透明ハードコート層13及び着色層14を構成するそれぞれの紫外線硬化性樹脂材料を同一の樹脂材料を使用した場合、樹脂硬化時の収縮による着色積層体11の反りやうねりを防止することができる。
(5)透明合成樹脂製基板12の上面及び裏面のそれぞれに紫外線硬化性樹脂材料を塗工した後、紫外線を照射して樹脂材料を硬化させた。したがって、一度の紫外線照射作業で上底面の紫外線硬化性樹脂材料を硬化させることができる。
(6)透明ハードコート層13又は着色層14の表面に保護フィルムを被覆使用することができる。かかる構成により、保護フィルムの接触面に鏡面、エンボス等が形成されている場合には紫外線硬化性樹脂材料の塗工面に転写された状態で、紫外線硬化することができる。また、剥離するまでは塗工面を保護することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、第1の透明合成樹脂製基板12の表面に透明ハードコート層13、裏面に着色層14が積層・固着された多層(3層)構造で構成した。しかしながら、透明ハードコート層13を省略して第1の透明合成樹脂製基板12の裏面に着色層14を積層した2層構造で構成してもよい。かかる構成においても、生産性の向上を図ることができるとともに第1の透明合成樹脂製基板12により下層の着色層14を保護することができる。
・上記実施形態では、第1の透明合成樹脂製基板12の表面に透明ハードコート層13、裏面に着色層14が積層・固着された多層(3層)構造で構成した。しかしながら、透明ハードコート層13を省略して第1の透明合成樹脂製基板12の裏面に着色層14を積層した2層構造で構成してもよい。かかる構成においても、生産性の向上を図ることができるとともに第1の透明合成樹脂製基板12により下層の着色層14を保護することができる。
・図2に示されるように、第1の透明合成樹脂製基板12の裏面に着色層14を積層した2層構造において、さらに着色層14の裏面に第2の透明合成樹脂製基板16を積層させた3層構造を有する着色積層体15のように構成してもよい。かかる構成により、着色剤を含有する紫外線硬化性樹脂からなる着色層14は2枚の透明合成樹脂製基板によって挟まれるため着色層14を一層保護することができる。また、着色積層体15の反りやうねりを一層防止することができる。尚、第2の透明合成樹脂製基板16の樹脂材料としては、上述した第1の透明合成樹脂製基板12の樹脂材料と同一のものを使用することができる。
・図示しないが図2に示される第1の透明合成樹脂製基板12、着色層14及び第2の透明合成樹脂製基板16を積層させた3層構造を有する着色積層体15の表面にさらに耐擦傷性向上のために透明ハードコート層を積層させてもよい。
・上記実施形態では、着色積層体11の着色性を付与するために、透明合成樹脂製基板12の裏面に着色層14を設けた。しかしながら、透明合成樹脂製基板12及び透明ハードコート層13にも本発明の効果を損なわない範囲で着色剤を少量添加してもよい。
・上記実施形態において着色層14は、例えば無機顔料を多く配合することにより不透明に構成してよく、また、着色剤の配合量を少量にすることにより透光性を有するよう構成してもよい。着色料の配合量は着色料の種類及び所望の色により適宜設定される。
・上記実施形態の着色積層体11の用途は特に限定されない。例えば、照明器具、ディスプレイ、窓貼用着色フィルム、化粧シート等の合成樹脂製品に使用され得る。
・透明合成樹脂製基板12の上面と裏面上への紫外線硬化性樹脂材料の塗布及び硬化はいずれを先に行なってもよく、また、同時に行なってもよい。
・透明合成樹脂製基板12の上面と裏面上への紫外線硬化性樹脂材料の塗布及び硬化はいずれを先に行なってもよく、また、同時に行なってもよい。
・透明ハードコート層13と着色層14は異なる種類の紫外線硬化性樹脂材料で構成されてもよい。
・透明合成樹脂製基板12、透明ハードコート層13、着色層14及び保護フィルム層の厚みは特に限定されず、目的・用途に応じ適宜設定される。
・透明合成樹脂製基板12、透明ハードコート層13、着色層14及び保護フィルム層の厚みは特に限定されず、目的・用途に応じ適宜設定される。
・上記実施形態の着色積層体11をさらに別の合成樹脂、金属板等の基材及び基板等に積層させてもよい。
次に、実施例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1の着色積層体11としてハードコート積層体の製造工程を説明する。第1の透明合成樹脂製基板12としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)基板(チーメイ社製:商品名アクリレックスを溶融押出成形法を用いて板厚0.8mmに成形したもの)を使用した。その上面に透明ハードコート層13を構成する紫外線硬化性樹脂材料としてウレタンアクリレート系樹脂(日本合成化学工業株式会社製UV7640Bを70質量%に対し、サートマー社製SR213(1,4−ブタンジオールジアクリレート)を30質量%配合し、さらにこの混合物100重量部に対し、ラジカル系光重合開始剤としてメルク社製ダロキュア1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)を4重量部配合)を4番のバーコーターを用いて、厚さ6μmになるように塗工した。その後、塗工層保護用の厚さ100μmのPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーT60)を塗工面に積層した。
(実施例1)
実施例1の着色積層体11としてハードコート積層体の製造工程を説明する。第1の透明合成樹脂製基板12としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)基板(チーメイ社製:商品名アクリレックスを溶融押出成形法を用いて板厚0.8mmに成形したもの)を使用した。その上面に透明ハードコート層13を構成する紫外線硬化性樹脂材料としてウレタンアクリレート系樹脂(日本合成化学工業株式会社製UV7640Bを70質量%に対し、サートマー社製SR213(1,4−ブタンジオールジアクリレート)を30質量%配合し、さらにこの混合物100重量部に対し、ラジカル系光重合開始剤としてメルク社製ダロキュア1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)を4重量部配合)を4番のバーコーターを用いて、厚さ6μmになるように塗工した。その後、塗工層保護用の厚さ100μmのPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーT60)を塗工面に積層した。
次に、上記積層板に着色層14としてPMMA基板の裏面に酸化チタン被覆合成マイカ(ダイヤ工業株式会社製、パール顔料PM635B)を10質量%含有する紫外線硬化性樹脂材料(新中村化学工業株式会社製、U−4HA(ウレタンアクリレート)を70質量%に対し、サートマー社製、SR213(1,4−ブタンジオールジアクリレート)を30質量%配合し、さらに、この混合物100重量部に対し、ラジカル系光重合開始剤としてメルク社製ダロキュア1173を5重量部配合)を6番のバーコーターを用いて、厚さ10μmになるように塗工した。その後、厚さ100μmの塗工層保護用のPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーT60)を塗工面に積層して、線圧12kgでラミネートした。
次に、オーブン中でハードコート層および着色層14の温度が40℃となるように保持しながら紫外線照射(80W/cm、ライン速度2m/min、照射回数2回)を行ないPMMA基板の上面及び裏面の紫外線硬化性樹脂材料をそれぞれ架橋及び硬化させた。その後、塗工層保護用のPETフィルムをそれぞれ剥離して、着色ハードコート積層板を得た。
実施例1により得られた着色ハードコート積層板に反りやうねりが発生することなく外観性が良好であった。また、積層板表面において凹凸が生ずることなく、また色むら等が生ずることもなかった。
(実施例2)
実施例2の着色積層体15の製造工程を以下に説明する。第1の透明合成樹脂製基板12として、ポリメタクリル酸メチル(PMMA:チーメイ社製:商品名アクリレックスCM−205)を溶融押出成形法を用いて板厚0.8mmに成形したものを使用した。着色剤を含有する紫外線硬化性樹脂として、東洋インキ製造株式会社製の紫外線硬化型着色インキFD S ニュー(藍色)を使用した。
実施例2の着色積層体15の製造工程を以下に説明する。第1の透明合成樹脂製基板12として、ポリメタクリル酸メチル(PMMA:チーメイ社製:商品名アクリレックスCM−205)を溶融押出成形法を用いて板厚0.8mmに成形したものを使用した。着色剤を含有する紫外線硬化性樹脂として、東洋インキ製造株式会社製の紫外線硬化型着色インキFD S ニュー(藍色)を使用した。
第1の透明合成樹脂製基板12の裏面に、前記着色剤を含有する紫外線硬化性樹脂を6番のバーコーターを用いて、厚さ10μmになるように塗工して着色層14を形成した。更に着色層14の上に第1の透明合成樹脂製基板12と同一の樹脂材料を用いて板厚0.8mmに成形された第2の透明合成樹脂製基板16を重ね合わせて、一対のラミネートロールで線圧12kgでラミネートし、3層に積層した。
その後、オーブン中で中間の着色層14の温度が40℃となるように保持しながら、両面から紫外線照射(照度80W/cm、ライン速度2m/min、照射回数2回)を行なった。それにより、中間の着色層14を形成する紫外線硬化性樹脂材料を架橋及び硬化させ、3層構造の着色積層体15を得た。
実施例2により得られた着色積層体15に反りやうねりが発生することなく外観性が良好であった。また、積層板表面において凹凸が生ずることなく、また色むら等が生ずることもなかった。
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(a)前記着色層及び/又は透明ハードコート層の表面に保護フィルムが被覆されている着色積層体。
(a)前記着色層及び/又は透明ハードコート層の表面に保護フィルムが被覆されている着色積層体。
11,15…着色積層体、12…第1の透明合成樹脂製基板、13…透明ハードコート層、14…着色層、16…第2の透明合成樹脂製基板。
Claims (4)
- 第1の透明合成樹脂製基板と着色層とを有する着色積層体において、前記着色層は、前記第1の透明合成樹脂製基板の裏面に着色剤を含有する紫外線硬化性樹脂が積層されることにより構成される着色積層体。
- さらに前記着色層の裏面に第2の透明合成樹脂製基板が積層されている請求項1に記載の着色積層体。
- さらに前記第1の透明合成樹脂製基板の前記着色層とは反対側の面に紫外線硬化性樹脂からなる透明ハードコート層が積層されている請求項1又は請求項2に記載の着色積層体。
- 前記着色層の紫外線硬化性樹脂は、ポリウレタンアクリレート及びポリウレタンメタアクリレートから選択される少なくとも一種から構成される請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の着色積層体。
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2007
- 2007-06-20 JP JP2007162715A patent/JP2008149699A/ja active Pending
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