JP4696492B2 - 水圧転写用フィルムおよび水圧転写体 - Google Patents

水圧転写用フィルムおよび水圧転写体 Download PDF

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本発明は各種成形品などの被転写体の表面に硬化性樹脂層と金属調の装飾層を同時に水圧転写できる水圧転写用フィルム、及び、該水圧転写フィルムの製造方法、ならびに、該水圧転写用フィルムを用いて製造される水圧転写体に関する。
塗装または印刷において、金属調の意匠はアルミなどの金属顔料を含む塗料またはインキを塗装または印刷することにより表現している。金属顔料は一般に、フィルム状や箔状の金属を粉砕しフレーク状としたものであり、偏平な形状を有する。塗工又は印刷面においてより金属らしい意匠を達成するためには、これらの高輝性の金属顔料を配向させることが必要であり、塗布膜厚を薄くして該金属顔料を塗装面に貼り付けるように配向を促している。特に輝度の高いリーフィングタイプの顔料は、塗膜表面に偏析させ、かつ、十分に配向させることが必要であり、そのため、塗装においてはハケ塗りや塗装後の磨き(ラビング)による配向の向上を行ったり、印刷においては、裏刷りによる印刷基材面へのセルフリーフィングを図り、金属光沢による輝度を効率よく発現させている。
一方、金属調の意匠を、水圧転写法により得ようという試みがなされている。
水圧転写法は、意匠性に富む装飾層を複雑な三次元形状の成形品に付与できる方法である(例えば、特許文献1、2参照)。通常は、支持体上に、硬化性樹脂層及びインキ層等の装飾層をこの順に積層した転写層を形成した水圧転写用フィルムを、転写層を上にして、支持体を下にして水に浮かべ、転写層上(即ち装飾層上)に有機溶剤を噴霧することにより転写層を活性化し、転写層を被転写体に転写し、支持体を除去して得られる。
複雑な三次元形状の被転写体の表面に水圧転写フィルムを追従させるため、活性化工程においては水圧転写フィルムは十分な柔軟性を有することが必要となり、通常は、有機溶剤により被膜化した転写層を再溶解させ、柔軟性を得る。
しかし、装飾層がフレーク状の金属顔料を含む場合、活性化工程において装飾層に直接有機溶剤が接触、再溶解される結果、金属顔料は配向が崩れ、輝度が低下してしまう。すなわち、従来のフレーク状の金属顔料を含むインキを使用した水圧転写フィルムでは、充分な金属調装飾を再現した水圧転写品は得ることができなかった。
特開昭64−22378号公報 特開2003−200698号公報
本発明が解決しようとする課題は、金属顔料等のフレーク状の形状を有する顔料(以下、フレーク状顔料と略す)を用い、印刷や塗装と同等の意匠を再現した水圧転写品を製造し得る水圧転写用フィルム及びその製造方法、ならびに、該フィルムを使用した水圧転写体を提供することにある。
本発明者らは、活性化工程において、フレーク状顔料を有する装飾層が有機溶剤の噴霧を直接受けない層構造を有する水圧転写フィルムを使用することで、上記課題を解決した。
即ち、フレーク状顔料を含有する装飾層上に樹脂被膜層を設け、活性化工程時に直接有機溶剤が接触しない層構造とした。
樹脂被膜層を設けることで、フレーク状顔料を有する装飾層は硬化性樹脂層との間に積層された構造となる。従って、フレーク状顔料は直接有機溶剤と接触することがないため、顔料の配向は乱されず、フレーク状顔料を用いた印刷や塗装と同等の意匠をよく再現した水圧転写品を製造できる。
即ち、本発明は、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に設けた有機溶剤に可溶な転写層を有し、前記転写層は、前記支持体フィルム上に、少なくとも、活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な硬化性樹脂層、フレーク状顔料を含有する装飾層、及び、樹脂被膜層がこの順に積層されている水圧転写用フィルムを提供する。
また、本発明は、前記記載の水圧転写フィルムの製造方法であって、
(1)フレーク状顔料を含有する装飾層を形成した剥離性フィルム(a)と、樹脂被膜層を形成した剥離性フィルム(b)を、前記装飾層と前記樹脂被膜層とが相対するようにラミネートした後、剥離性フィルム(a)を剥離し、剥離性フィルム(b)上の前記樹脂被膜層上に前記装飾層を形成する工程、
(2)硬化性樹脂層を形成した支持体フィルムと、前記(1)工程で作製した、樹脂被膜層上に装飾層が形成された剥離性フィルム(b)とを、前記硬化性樹脂層と前記装飾層とが相対するようにラミネートする工程
とを有する水圧転写フィルムの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記記載の水圧転写フィルムの製造方法であって、
(1’)樹脂被膜層又は絵柄層上にフレーク状顔料を含有する装飾層を形成した剥離性フィルム(a')と、樹脂被膜層を形成した剥離性フィルム(b)を、前記装飾層と前記樹脂被膜層とが相対するようにラミネートした後、剥離性フィルム(a')を剥離し、剥離性フィルム(b)上の前記樹脂被膜層上に前記装飾層及び前記樹脂被膜層又は前記絵柄層を順に形成する工程、
(2’)硬化性樹脂層を形成した支持体フィルムと、前記(1’)工程で作製した、樹脂被膜層上に装飾層及び樹脂被膜層又は絵柄層が順に形成された剥離性フィルム(b)とを、前記硬化性樹脂層と、前記樹脂被膜層又は前記絵柄層とが相対するようにラミネートする工程
とを有する水圧転写フィルムの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記記載の水圧転写用フィルムを、前記支持体フィルムを下にして水に浮かべ、有機溶剤により前記転写層を活性化し、前記転写層を被転写体に転写し、前記支持体フィルムを除去し、次いで前記転写層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させた水圧転写体を提供する。
本発明の水圧転写用フィルムは、装飾層上に樹脂被膜層を有するので、活性化の際、金属顔料等のフレーク状顔料が直接有機溶剤と接触せず、該顔料の配向性が乱れることなく、印刷や塗装と同等の意匠をよく再現した水圧転写品を製造できる。
本発明は、金属顔料に限らず、配向することで意匠性を呈するようなフレーク状顔料全てに応用することができ、該フレーク状顔料を使用した場合の、金属感、光輝感、金属光沢、パール調、干渉効果、多色効果、偏光効果、ホログラム装飾等をよく再現した水圧転写品を製造できる。
(支持体フィルム)
本発明の水圧転写用フィルムに用いる支持体フィルムは、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂から成るフィルムである。
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂から成る樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、ポリアクリルアミド、アセチルブチルセルロース、ゼラチン、にかわ、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が使用できる。なかでも一般に水圧転写用フィルムとして用いられているPVAフィルムが水に溶解し易く、入手が容易で、硬化性樹脂層の印刷にも適しており、特に好ましい。これらの樹脂層は単層でも多層でも良く、層厚みは10〜200μm程度が好ましい。
(転写層(硬化性樹脂層、装飾層A、樹脂被膜層))
次に、本発明の水圧転写用フィルムの支持体上に設けられる転写層について説明する。
前記転写層は、前記支持体フィルム上に、少なくとも、
活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な硬化性樹脂層(以下、硬化性樹脂層と略す)、フレーク状顔料を含有する装飾層(以下、装飾層Aと略す)、及び、樹脂被膜層が順に積層されており、最上部の層は樹脂被膜層である。即ち樹脂被膜層が、被転写基材との接着面となる。転写層は、この3層がこの順に積層されている以外に特に限定はなく、互いの層が必ず密着している必要はない。例えば、各層間に、樹脂被膜層、樹脂被膜層、絵柄層、あるいはカラークリア層等を有していても良い。具体的には、転写層は、硬化性樹脂層上に、装飾層A、樹脂被膜層が順に密着して積層した3層構造であってもよいし、硬化性樹脂層と装飾層Aとの間に、樹脂被膜層と同様の材質からなる層や絵柄層を有する4層構造でもよい。
(硬化性樹脂層)
硬化性樹脂層は、水圧転写体において装飾層保護というトップコートとしての役割を有する層である。また、樹脂被膜層とで、装飾層Aをサンドイッチすることにより、配向の乱れを抑制する。
硬化性樹脂層は、活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも1種で硬化可能な硬化性樹脂を含有する。該硬化性樹脂層は、得られる水圧転写体の装飾層の意匠性が良く発現できることから透明であることが好ましいが、転写体の要求特性や意匠性により。基本的に得られる水圧転写体の装飾層の色や柄が透けて見えれば良く、完全に透明であることは要しない。即ち、透明から半透明なものまでを含む。また、着色されていてもよい。
硬化性樹脂層の成分である活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも1種で硬化可能な樹脂は、具体的には下記の(1)〜(6)が挙げられる。
(1)活性エネルギー線硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層。
(2)活性エネルギー線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層。
(3)熱硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層。
(4)熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層。
(5)活性エネルギー線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層。
(6)活性エネルギー線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層。
上記(1)〜(6)には、意匠性、硬化性を阻害しない限り、消泡剤、沈降防止剤、顔料分散剤、流動性改質剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、シリカゾル、オルガノシリカゾルなどの慣用の各種添加剤を加えてもよい。これらの添加剤は液体でも固体でもよいし、溶解するものであっても、分散するだけであってもよい。
次に、硬化性樹脂層の上記具体的構成(1)〜(6)について説明する。
(1)活性エネルギー線硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層
活性エネルギー線硬化性樹脂は、1分子中に活性エネルギー線によって硬化可能な重合性基や構造単位を有するオリゴマーとポリマーである。ここでいう活性エネルギー線とは紫外線と電子線であり、これらにより硬化するオリゴマーとポリマーはいずれも使用可能であるが、特に紫外線硬化性樹脂が好適である。
紫外線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が用いられる。
活性エネルギー線によって硬化可能な重合性基や構造単位は、例えば、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニルエステル、ビニルエーテル、マレイミド基などの重合性不飽和二重結合を有する基や構造単位が挙げられ、なかでも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。なかでも、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性のオリゴマーまたはポリマーが好ましい。より具体的には、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する質量平均分子量が300〜1万、より好ましくは300〜5000の活性エネルギー線硬化性のオリゴマーまたはポリマーが好ましく用いられる。
(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーまたはポリマーは、塗料用樹脂として使用されるものであれば問題なく使用することができ、具体例を挙げれば、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリアクリル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でもポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートおよびエポキシ(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
特に、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する質量平均分子量が300〜1万、より好ましくは300〜5000の紫外線硬化型のポリウレタン(メタ)アクリレートが活性エネルギー線硬化性樹脂として特に好ましく用いられる。これらは、1種類だけでも、2種類以上混合して用いても良い。
これらの活性エネルギー線硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層には、必要に応じて慣用の光重合開始剤や光増感剤が含まれて良い。光重合開始剤の代表的なものとしては、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンの如きアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾイン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドの如きアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系化合物;2,4−ジメチルチオキサントンの如きチオキサントン系化合物;4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノンの如きアミノベンゾフェノン系化合物;ポリエーテル系マレイミドカルボン酸エステル化合物などが挙げられ、これらは併用して使用することもできる。
光重合開始剤の使用量は用いる活性エネルギー線硬化性樹脂に対して、通常、0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜8質量%である。光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルの如きアミン類が挙げられる。さらに、ベンジルスルホニウム塩やベンジルピリジニウム塩、アリールスルホニウム塩などのオニウム塩は、光カチオン開始剤として知られており、これらの開始剤を用いることも可能であり、上記の光重合開始剤と併用することもできる。
(2)活性エネルギー線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層
活性エネルギー線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層は上述した活性エネルギー線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂を活性エネルギー線硬化性樹脂と併せて用いることは硬化性樹脂層の粘着性低減とガラス転移温度(Tg)の向上および硬化性樹脂層の凝集破壊強度の向上に極めて効果的である。但し、硬化性樹脂層に含ませる熱可塑性樹脂の量が多いと硬化性樹脂の硬化反応を阻害するので、硬化性樹脂層の全樹脂量100質量部に対して熱可塑性樹脂は70質量部を超えない範囲で添加することが好ましい。
熱可塑性樹脂は用いる活性エネルギー線硬化性樹脂に相溶できるものであり、具体例としては、ポリメタアクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステルなどが挙げられる。これらはホモポリマーまたは複数のモノマーが共重合したものであって良い。熱可塑性樹脂は、非重合性であることが好ましい。
なかでも、ポリスチレンおよびポリメタアクリレートは、Tgが高く硬化性樹脂層の粘着性低減に適しているために好ましく、特にポリメチルメタアクリレートを主成分としたポリメタアクリレートが透明性、耐溶剤性および耐擦傷性に優れる点で好ましい。
また、熱可塑性樹脂の分子量とTgは塗膜形成能に大きな影響を与える。硬化性樹脂の流動性を抑制し、かつ硬化性樹脂層の有機溶剤による活性化を容易にするために、熱可塑性樹脂の質量平均分子量は好ましくは3,000〜40万、より好ましくは1万〜20万であり、Tgは好ましくは35℃〜200℃、より好ましくは35℃〜150℃である。Tgが35℃付近の比較的低いTgを有する熱可塑性樹脂を用いる場合は、熱可塑性樹脂の質量平均分子量は10万以上であることが好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層としては、これらのなかでも、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する質量平均分子量300〜1万、より好ましくは300〜5000である活性エネルギー線硬化性樹脂と、この活性エネルギー線硬化性樹脂に相溶するTgが35℃〜200℃、好ましくは35℃〜150℃で、質量平均分子量が3000〜40万、好ましくは1万〜20万である熱可塑性樹脂を含有する硬化性樹脂層が好ましい。さらに、前記活性エネルギー線硬化性樹脂が、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン(メタ)アクリレートであり、熱可塑性樹脂がポリメタアクリレート、特にポリメチルメタアクリレートである硬化性樹脂層がとりわけ好ましい。
(3)熱硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層
熱硬化性樹脂は、熱または触媒の作用により重合する官能基を分子中に有する化合物であるか、または主剤となる熱硬化性化合物に硬化剤となる熱反応性化合物を配合したものである。熱または触媒の作用により重合する官能基としては、例えば、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基、エポキシ基、メチロール基、酸無水物、炭素−炭素二重結合などが挙げられる。
炭素−炭素二重結合を分子内に有し重合による架橋反応が可能なものは、活性エネルギー線硬化性樹脂と同種の硬化性樹脂が使用可能であり、これらの硬化性樹脂と加熱によってラジカルソースを発生する熱重合開始剤とを組み合わせることにより熱硬化性樹脂として用いることができる。この際の熱重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどの通常の熱重合開始剤が用いられる。
主剤と硬化剤の具体例的な組み合わせとしては、例えば、水酸基やアミノ基を有する主剤樹脂と硬化剤としてイソシアネート;水酸基やカルボキシル基を有する主剤樹脂と硬化剤としてN−メチロール化またはN−アルコキシメチル化メラミン、ベンゾグアナミン等のアミノ樹脂;エポキシ基や水酸基を有する主剤樹脂と硬化剤として無水フタル酸の如き酸無水物;カルボキシル基や炭素−炭素二重結合、ニトリル基、エポキシ基を有する主剤樹脂と硬化剤としてフェノール樹脂;カルボキシル基やアミノ基を有する主剤樹脂と硬化剤としてエポキシ基含有化合物などを用いることができる。
これらの熱硬化性樹脂は常温でも保存中に徐々に硬化反応が進行するものが多い。保存期間中に硬化反応が進むと、有機溶剤による転写層の活性化が十分行われず転写不良を起こす原因となる。このため、熱硬化性樹脂の中でも主剤としてポリオール、硬化剤としてブロックイソシアネートを用いる系が好ましい。
ブロックイソシアネートはイソシアネート基を慣用のブロック剤で保護したものを用いることができ、これら慣用のブロック剤は、フェノール、クレゾール、芳香族第2アミン、第3級アルコール、ラクタム、オキシムなどが挙げられる。
ブロックイソシアネートは装飾層の耐熱性や被転写体の耐熱性に合わせてブロック基の脱離温度が好適なものを選べば良い。
ポリオールとしては、アクリルポリオール、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ポリエステルポリオール、ポリエチレンビニルアルコール共重合体などが挙げられるが、特にアクリルポリオールが好ましく、なかでも、質量平均分子量が3,000〜10万のアクリルポリオール、より好ましくは1万〜7万のアクリルポリオールが好適である。
熱硬化性樹脂も印刷性または塗工性が必要であることから、硬化前の樹脂の分子量は高いほうが好ましく、質量平均分子量1000〜10万が好ましく、さらに好ましくは3,000〜3万である。より具体的には、質量平均分子量が3,000〜10万、より好ましくは1万〜7万のポリオール(特に好ましくはアクリルポリオール)を主剤とし、ブロックイソシアネートを硬化剤として含むものが好ましく用いられる。
(4)熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層
熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層としては、(3)に記載した熱硬化性樹脂と、(2)に記載した熱可塑性樹脂を含むものである。
用いる熱硬化性樹脂は(3)で記載した熱硬化性樹脂と同様であり、好ましい熱硬化性樹脂も(3)と同様にブロックイソシアネートとポリオールであり、特にポリオールはアクリルポリオールであり、なかでも質量平均分子量が3,000〜10万、より好ましくは1万〜7万のものである。
熱硬化性樹脂としてブロックイソシアネートとポリオールを用いる場合は、一般にポリオールが塗膜形成能を有するので、併用する熱可塑性樹脂の量は少なくてよい。用いる熱可塑性樹脂は用いる熱硬化性樹脂と相溶する必要があり、熱硬化性樹脂としてブロックイソシアネートとポリオールを用いる場合は、ポリオールに溶解する熱可塑性樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂は、Tgが35℃〜200℃、より好ましくはTgが35℃〜150℃、質量平均分子量が3000〜40万の熱可塑性樹脂が好ましく用いられ、中でもポリメタアクリレートとりわけポリメチルメタアクリレートが好ましい。熱可塑性樹脂は、非重合性であることが好ましい。
(5)活性エネルギー線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層
活性エネルギー線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層としては、それぞれ(1)に記載した活性エネルギー線硬化性樹脂と、(3)に記載した熱硬化性樹脂を用いることが出来る。例えば、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートと、ブロックイソシアネートとポリオールとを含むものである。
なかでも、(1)に記載した活性エネルギー線硬化性樹脂の好ましい樹脂と、(3)に記載した熱硬化性樹脂の各々の好ましい樹脂をそれぞれ含むものが好ましく、例えば、質量平均分子量300〜1万、より好ましくは300〜5000の1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーまたはポリマー、なかでも好ましくはポリウレタン(メタ)アクリレート、またはブロックイソシアネートと質量平均分子量が3,000〜10万、より好ましくは1万〜7万のアクリルポリオールを含むものである。
(6)活性エネルギー線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層
活性エネルギー線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層は、(1)に記載した活性エネルギー線硬化性樹脂と、(3)に記載した熱硬化性樹脂、および(2)に記載した活性エネルギー線硬化性樹脂と併用する熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層である。熱可塑性樹脂は、非重合性であることが好ましい。
硬化性樹脂層は、水圧転写の際、有機溶剤によって活性化することが出来なければならない。そのため、硬化性樹脂層は膜厚の増加に伴い、有機溶剤に対する溶解性を向上させなければならない。しかしながら硬化性樹脂層は、未硬化状態の硬化性樹脂層を有する水圧転写用フィルムとしての形状安定性(保存安定性)も必要であり、このような二律背反する要求のバランスを取るために、硬化性樹脂層に熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
本発明の活性化では、活性化剤が転写層に着地し、活性化剤は速やかに浸透し、硬化性樹脂層を溶解(活性化)することができる。また、熱可塑性樹脂を含ませることにより硬化性樹脂層は、活性化剤の浸透に対して、適度の抵抗と、硬化前においてもしっかりした自己保持力を有し、より穏やかに活性化されることが可能になり、急激な活性化による硬化性樹脂層の溶解ムラや装飾層の柄割れなどを抑制することができる。
硬化性樹脂層の転写時における溶解性を確保するためには、溶解性の高い活性エネルギー線と加熱の少なくとも一種で硬化可能な樹脂を45質量%以上用いることが好ましい。
一方、硬化性樹脂層の形成能、乾燥性、保存安定性をより良く確保するためには、硬化性樹脂層中に含まれる熱可塑性樹脂量が25質量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは30質量%以上である。
したがって、本発明の熱可塑性樹脂に対する活性エネルギー線と加熱の少なくとも一種で硬化可能な樹脂の質量比P:(ラジカル重合性化合物の質量総和)/(熱可塑性樹脂の質量総和)は、45/55以上75/25以下が好ましく、50/50以上70/30以下が更に好ましく、最も好適には60/40である。
有機溶剤による活性化をしやすくするためには、熱可塑性樹脂として質量平均分子量2万以上30万以下のポリアクリレート、あるいは質量平均分子量5000以上5万以下のポリエステルを用いることが好ましい。
使用する熱可塑性樹脂の分子量が上記範囲を上回ると、硬化性樹脂層の有機溶剤による活性化が困難になり易い。一方、分子量が上記範囲を下回ると、未硬化の硬化性樹脂層の流動性や粘着性を抑制しにくく、かつ硬化後の塗膜では高温において熱可塑樹脂が塗膜表面に移行して塗膜性能を低下させる。
また、塗膜形成時の乾燥性を高めるには、熱可塑性樹脂として質量平均分子量15万以上のポリアクリレート、あるいは質量平均分子量3万以上のポリエステルを用いることが好ましい。
一方、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、25℃〜250℃、更には50℃〜150℃であることが好ましい。熱可塑性樹脂のTgが20℃未満であると、未硬化の硬化性樹脂層の粘着性を抑制しにくく、かつ硬化後の塗膜の耐熱性に悪影響を及ぼし、反対に250℃を超えて大きいと硬化性樹脂との混和が困難になる。
(硬化性樹脂層 微粒子添加)
前記硬化性樹脂層は、適量の微粒子を含有すると、活性化時における過度の膨潤を防ぐことができ、装飾層保護というトップコートとしての役割の他、装飾層Aの図柄拡大や色斑、色ボケしたりするといった意匠性の低下を防ぐ役割を果たす。
転写時における活性化の目的は、転写層の被転写体の三次元曲面への追従性と密着性を向上させることにある。従って、活性化剤となる有機溶剤は、転写層即ち樹脂被膜層、装飾層A、硬化性樹脂層の全てを溶解する能力を備えている。しかしこのとき、装飾層Aの印刷インキ又は塗料の樹脂成分が有機溶剤に完全に溶解してしまうと、染料や顔料などの着色材粒子が互いに離間したり、混合したりしてしまい、図柄が拡大したり色ボケしたりする原因となる。
微粒子を含有する硬化性樹脂層は、該微粒子が樹脂の膨潤に対して抵抗となり、自らの抑制された膨潤状態により隣接する装飾層Aが過度に膨潤することを抑制することができる。従って、微粒子は、活性化のための有機溶剤や、硬化性樹脂層に使用する樹脂等に溶解または膨潤しないものが好ましい。
更に、該微粒子は活性化状態の硬化性樹脂層にチキソトロピック性を付与するので、硬化性樹脂層が該微粒子を含有していると、得られた水圧転写用フィルムに被転写体を低速度で押し付けていく時、水圧転写用フィルムに掛かる剪断応力に対して抵抗が生じるので、転写工程における転写層の意匠性の低下を抑制でき、三次元曲面に対して追従し、密着しやすくなる。
前記微粒子としては、無機微粒子又は有機微粒子が挙げられる。
無機微粒子としては、無機顔料、カーボン、酸化チタン、クラファイト、亜鉛華等の無機着色顔料;炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー(China Clay)、シリカ粉、珪藻土、タルク、カオリン、アルミナホワイト、硫酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、バライト粉、砥の粉等の無機体質顔料;等の無機顔料や、シリコーン、ガラスビーズなどがあげられる。
有機微粒子としては、有機着色顔料、有機結晶やポリマー微粒子があげられる。有機着色顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、スレン顔料、キナクリドン顔料等の汎用の顔料があげられる。有機着色顔料は、粒径や添加量により、転写層中の装飾層、あるいは装飾層を持たない場合は下地(転写基材)の隠蔽効果が異なるので、要求される意匠によって適宜有機着色顔料の粒径及び添加量を制御すればよい。
有機結晶としては、結晶性ポリ尿素、結晶性ポリウレタン、結晶性ポリアミド、結晶性アミノ酸、結晶性ポリペプチド、結晶性有機金属錯体等が挙げられる。
また、ポリマー微粒子としては、架橋アクリル系微粒子、架橋ポリスチレン系樹脂微粒子、架橋ウレタン微粒子、フェノール樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子、ポリエチレン微粒子、フッ素微粒子、メラミン微粒子、ポリカーボネート微粒子およびフェノール微粒子などをあげることができる。
前記微粒子の中でも、無機顔料、有機結晶、及びポリマー微粒子は膨潤抑制効果が高いので好ましく、無機体質顔料及び有機結晶は特に効果が高いので好ましい。
前記微粒子を含有する場合の含有量は、有機溶剤の吸収量に応じて適宜決定すればよく、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜30質量%、更に好ましくは0.2〜20質量%である。
前記微粒子は、球状でも無定形状でもよいが、球状又はそれに近い形状のものが好ましい。また、該微粒子の大きさは、塗料への分散性、表面の平滑性の観点から、0.001〜30μmであることが好ましい。もちろん、膜厚との関係で最適な粒子径の範囲は異なるが、例えば、20μm程度の膜厚の場合、0.001〜10μmであることが好ましい。
前記微粒子は、転写品外観にも影響を与え、光沢から艶消し調までの意匠をコントロールすることができる。また、微粒子の形状、大きさ等を変化させることにより、平滑表面からエンボス調表面までコントロールすることが可能である。したがって、装飾層等の下地との組み合わせにより、求める意匠になるように微粒子の組成や濃度を調整すれば良い。
特に、前記微粒子の中で、炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー(China Clay)、シリカ粉、珪藻土、タルク、カオリン、アルミナホワイト、硫酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、バライト粉、砥の粉等の無機体質顔料、架橋アクリル系微粒子、架橋ポリスチレン系樹脂微粒子、架橋ウレタン微粒子、フェノール樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子、ポリエチレン微粒子、フッ素微粒子、メラミン微粒子、ポリカーボネート微粒子およびフェノール微粒子などの有機微粒子等は、艶消し剤として使用されており、これらを使用することで、表面物性に優れ、かつ、高級な意匠感を与える艶消し調を呈する水圧転写体を得ることができる。中でも、シリカ粉は、少量の添加で高い艶消し効果が得られ、好ましい。
前記艶消し剤の形状は、球状でも無定形状でもよいが、球状又はそれに近い形状のものが好ましい。また、該微粉末の大きさは、塗料への分散性、効率のより艶消し性、表面の平滑性の観点から、0.05〜30μmであることが好ましい。もちろん、膜厚との関係で最適な粒子径の範囲は異なるが、例えば、20μm程度の膜厚の場合、0.5〜10μmであることが好ましい。
前記艶消し剤の使用方法や添加量は、艶消し剤の汎用の用途である塗料やインキに使用する方法や添加量と同様でよい。例えば、塗料の樹脂固形分に対して20%添加することで艶消し効果の得られる艶消し剤を使用するときは、本発明で使用する硬化性樹脂層の樹脂固形分に対して10%添加することで、水圧転写後、十分な艶消し効果が得られる。
艶消し剤として使用する場合の前記微粒子の屈折率は、より効率よく光を散乱させることができるので、塗料樹脂の屈折率との差が大きいことが好ましいが、本発明による水圧転写用フィルムを用い、水圧転写することにより、効率よく艶消し性を発揮することができるので、特に制限を設ける必要がない。むしろ、下地の柄や色を充分に活かすように、屈折率の差が小さい微粒子を用いることもできる。
艶消し調の程度は、表面光沢により評価することができる。表面光沢が小さい方がより艶消し調であると言うことができる。表面光沢(%)が20以下の光沢であることが好ましい艶消し調を有するということができる。10以下の光沢を有する艶消し調を有することが更に好ましい。
上述した硬化性樹脂層は、その乾燥膜厚が厚いほど、得られる水圧転写体の表面保護効果は大きく、また装飾層の凹凸を吸収する効果が大きいために成形品に優れた光沢を持たせることができて好ましい。したがって、保護層としての機能や装飾層の凹凸を吸収する効果を満足させるためには、硬化性樹脂層の乾燥膜厚は3〜200μmであることが好ましく、未硬化の硬化性樹脂層の保存安定性の観点から100μm以下であることが好ましい。しかし、乾燥膜厚が厚過ぎると有機溶剤による硬化性樹脂層の活性化(可溶化)が不十分になり易い。従って、有機溶剤による硬化性樹脂層の活性化が十分なされ、かつ、保護層としての機能、及び意匠性を満足させるには、5〜30μmであることが好ましい。
(装飾層A)
装飾層Aは、水圧転写体にフレーク状顔料により表現された装飾を付与する役割を有する層である。
装飾層Aは、フレーク状顔料及び樹脂を含有する塗料又はインキを塗布して得られる。フレーク状顔料としては、鱗片状の、アスペクト比を有するような汎用のフレーク状顔料であれば特に制限はないが、中でも、金属調、金属光沢、光輝感、パール調、干渉効果、多色効果、偏光効果、ホログラム等の意匠を表現することができるフレーク状顔料は、本発明の効果が大きく、好適に用いることができる。具体的には、長径が5〜20μmで短径が0.5μm以下であり、箔面積が20〜2000μmの形状の顔料を70%以上含むことが好ましい。(以下、フレーク状顔料及び樹脂を含有する塗料又はインキを、フレーク状顔料塗料又はインキと略す)
フレーク状顔料の例としては、金属調等を呈する顔料として金属粉顔料(アルミ、ブロンズ等)金属箔顔料(アルミ、ブロンズ等)、金属蒸着箔顔料(アルミ、ブロンズ等が蒸着されたプラスチック等のフィルムを粉砕したもの)が挙げられる。パール調、多色効果、偏光効果、ホログラム等を呈する顔料として、パール顔料(天然の真珠を粉砕したもの、マイカ、アルミ、ガラス等薄片状物質に酸化チタン、酸化鉄等を被覆したもの等)等が挙げられる。
その他、汎用の着色剤を含有していてもよい。汎用の顔料としては、例えば、黒色顔料としてカーボンブラック;黄色顔料として、黄鉛、アントラキノンイエロー、ミネラルファストイエロー、チタンイエロー;赤色顔料として、ベンガラ、カドミウムレッド、キナクリドンレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ;青色顔料として、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー;緑色顔料として、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ;白色顔料として、チタンホワイト等が挙げられる。
フレーク状顔料及び着色剤の配合量は装飾目的に応じて適宜決定すればよいが、通常、1〜50質量部の範囲であり、より好ましくは3〜30質量部の範囲である。
フレーク状顔料塗料又はインキに使用する樹脂としては、通常印刷インキ又は塗料に用いられる樹脂を使用すればよく、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレア樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂(塩ビ、酢ビ、塩ビ−酢ビ共重合樹脂)、ビニリデン樹脂(ビニリデンクロライド、ビニリデンフルオネート)、エチレン−ビニルアセテート樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩素化オレフィン樹脂、エチレン−アクリル樹脂、石油系樹脂、セルロース誘導体樹脂などの熱可塑性樹脂が用いられる。これらの中でもポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩ビ−酢ビ共重合樹脂が、有機溶剤への溶解性、流動性、顔料分散性、転写性に優れることから好ましく用いられ、ポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂が好ましく、ポリウレタン樹脂が特に好ましい。
前記ポリウレタン樹脂は、数平均分子量(ポリスチレン検量線によるGPCによる測定値)が2,000以上60,000以下、より好ましくは2,500以上56,000以下、更に好ましくは2,500以上40,000以下であるものが有機溶剤への溶解性および剥離性フィルムを使用した場合の剥離性フィルムとの適度な密着性を有することから好ましい。ポリウレタン樹脂の数平均分子量が2,000より小さいと、耐候性が低下し、数平均分子量が60,000を超えて大きいと、ガラス転移温度が高くなり、印刷インキ又は塗料の密着性、流動性、顔料分散性、転移性が低下する。また、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は、−5℃以上70℃以下であることが、有機溶剤への溶解性および被転写体との適度な密着性を有することから好ましい。
ポリウレタン樹脂の水酸基価は低いものが好ましく、水酸基を有しないポリウレタンが好ましい。ポリウレタン樹脂の水酸基価が大きいほど、ポリウレタン樹脂分子同士が水素結合等により巨大分子化しやすく、ガラス転移温度が高くなり転写性が低下する傾向がある。
前記ポリエステル樹脂は、数平均分子量が2,000〜8,000であると、剥離性フィルムを使用した場合の剥離性フィルムと適度な密着性を有するために好ましく、より好ましくは2,500〜7,500、最も好ましくは2,500〜7,000である。数平均分子量が2,000より小さいと、柔軟性や破断伸度が低下して、転写時の被転写体への追随性が低下し、得られる水圧転写体に形成される装飾層の画質が低下する。数平均分子量が8,000を超えて大きいと、ポリエステル樹脂分子同士が水素結合等により巨大分子化しやすく、ガラス転移温度が高くなり、転写性が低下する。また、印刷インキ又は塗料に用いるポリエステル樹脂のガラス転移温度は、−5℃以上70℃以下であると、被転写体と適度な密着性を有することから好ましい。
ポリエステル樹脂は、水酸基の少ないポリエステルが好ましく、具体的には水酸基価が5以下であるポリエステルが好ましい。ポリエステル樹脂の水酸基価が大きいと、ポリエステル樹脂分子同士が水素結合等により巨大分子化しやすくなり、ガラス転移温度が高くなって、印刷インキ又は塗料の転移性が低下する傾向がある。他の樹脂を配合してインキや塗料のガラス転移温度を低く調製する場合は、ポリエステル樹脂以外の樹脂として、上記のポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
後述する本発明の水圧転写フィルムの製造工程において、剥離性フィルムを使用する場合は、装飾層Aと剥離性フィルムとの剥離力を調整するために、フレーク状顔料塗料又はインキに剥離剤を含有させてもよい。用いる剥離剤は、フレーク状顔料塗料又はインキに分散可能であれば何ら制限されないが、フッ素系化合物やシリコーン系化合物を用いることが好ましく、分子量や化学構造を制御しやすいことから、シリコーン系化合物が特に好ましい。シリコーン系化合物の中でも、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリシロキサン−ポリエーテルブロック共重合体を好適に用いることができる。
フレーク状顔料塗料又はインキ中のシリコーン系化合物の含有量は、不揮発分中0.01質量%以上6.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上4.0質量%以下である。0.01質量%未満では剥離剤の効果が不十分であり、6.0質量%を超えると、後述する多層印刷性時にはじきなどが起こり、印刷性が低下しやすくなる、あるいは、本発明の水圧転写用フィルムを使用する際、装飾層Aと硬化性樹脂層との間で剥離を引き起こしやすくなる。
また、なお、意匠性や展延性を阻害しない限り、フレーク状顔料塗料又はインキ中に、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、艶消し剤、消泡剤、沈降防止剤、顔料分散剤、流動性改質剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤などの慣用の各種添加剤を加えても構わない。
フレーク状顔料塗料又はインキに用いる有機溶剤としては、上記印刷インキ又は塗料を溶解するものであればよく、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒などを挙げることができる。有機溶剤の配合量は、フレーク状顔料塗料又はインキ全体の100質量部に対して20〜80質量部が好ましく、より好ましくは30〜60質量部である。配合量が20質量部より少ないと、粘度が高くなって作業性が低下し、また熱可塑性樹脂への着色剤の分散が十分行われない。一方、有機溶剤の配合量が80質量部を超えて多いと、印刷後の乾燥に長時間を要し生産性が低下する。
装飾層Aは、フレーク状顔料塗料又はインキを、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ロールコーティング、コンマコーティング、ロッドグラビアコーティング、マイクログラビアコーティングなどの方法で印刷又はコーティングして作製する。中でも、フレーク状顔料の配向を促しやすいことからグラビア印刷、ロッドグラビアコーティング、マイクログラビアコーティングが好ましい。装飾層Aの乾燥膜厚は良好な装飾性と水圧転写時の活性化が可能であることから、0.5〜15μmであることが好ましく、更に好ましくは、1〜7μmである。装飾層Aは、全面を同じフレーク状顔料塗料又はインキで全面(網点ならば100%)を印刷または塗工してもよいし、絵柄を成すように部分的に印刷または塗工してもよい。
(絵柄層、カラークリア層)
本発明の水圧転写フィルムは、前記装飾層Aの他、装飾を目的として、絵柄層、カラークリア層等を有していても良い。絵柄層やカラークリア層は、装飾層Aと一体となって水圧転写体に高意匠の装飾を付与する役割を有する。以下、絵柄層、カラークリア層、装飾層A等の装飾の役割を果たす層をまとめて「装飾層A’」と略す。
ここでいう絵柄層とは、絵柄を成す色数に応じた複数版で各色の柄を成す部分のみにインキが載るように、重ね刷りしたものである。例えばグラビア印刷の場合、装飾層Aを全面(網点100%となるように)に印刷した上に絵柄層を積層してもよいし、装飾層Aと合わせて絵柄を成すように絵柄層を印刷または塗工してもよい。
また、カラークリア層とは、下の絵柄等を隠蔽してしまわず、活かすように着色するための層である。全面を同じ色の塗料又はインキで全面(網点ならば100%)を印刷または塗工してもよいし、複数の色で絵柄を成してもよい。なお、絵柄層、カラークリヤ層は、装飾層Aの表面を必ずしも全面に覆うものではないので、活性化の際に装飾層Aを保護する機能を常に有するわけではない。
(樹脂被膜層)
本発明の水圧転写フィルムは、装飾層Aの表面を覆う形で樹脂被膜層を有する。該樹脂被膜層は、転写工程の活性化の際に、有機溶剤から装飾層A表面を保護する役割、及び、被転写体と良好に接着する役割を果たす。従って、活性化されることによるフレーク状顔料のリーフィングの低下を抑制し、装飾層Aを含む装飾層A’の色斑、色ボケといった意匠性の低下を防ぐ役割を果たす。本発明においては、活性化の際に装飾層Aの表面が覆われていればよいので、完全な連続被膜である必要はなく、コーティング法等による連続被膜の他、グラビア印刷法の網点100%のベタ印刷による、網点を有する被膜であってもよい。この際、版目間の空隙は100μm未満であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。
本発明で使用する樹脂被膜層は、簡易な塗装方法で、装飾層A表面を一様に覆うことができ、活性化剤で容易に活性化できるような樹脂被膜であれば特に限定はないが、中でも、前記装飾層Aあるいは装飾層A’で使用するような樹脂を使用するのが、下層となる装飾層Aあるいは装飾層A’との密着性に優れ好ましい。具体的には、前述のフレーク状顔料塗料又はインキに使用する樹脂を使用するのが好ましい。活性化の際、活性化剤による相分離などによる層間剥離の誘発を抑制するために、樹脂被膜層は装飾層A’で使用している樹脂を50質量%以上含有していることが好ましく、80質量%以上含有していることがより好ましく、90質量%以上含有していることが更に好ましい。
装飾層A’に使用されており、樹脂被膜層にも使用することが好ましい樹脂として、ポリウレタンまたはポリエステルを挙げることができる。
樹脂被膜層に使用される樹脂には、必要に応じて可塑剤、界面活性剤、艶消し剤、溶媒、消泡剤、沈降防止剤、顔料分散剤、流動性改質剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤などの慣用の各種添加剤を加えても構わない。
また、樹脂被膜層は着色していてもよく、着色させる目的で、汎用の顔料を含有していてもよい。例えば、酸化チタンを含有すると白色の樹脂被膜層が得られ、カーボン系顔料を含有すると黒色の樹脂被膜層が得られる。例えば、下地を隠蔽する効果を狙う場合には、酸化チタン系顔料はいわゆる白色の顔料なので白インキや白塗料がそのまま利用できる。また、カーボン系顔料はいわゆる黒色の顔料であり、黒インキや黒塗料がそのまま利用できる。中でも、装飾層A’の下地となるように黒インキ層や黒塗料層を樹脂被膜層として設けると、(硬化性樹脂層/装飾層A/黒インキ層又は黒塗料層の順に積層されている場合)は、フレーク状顔料が金属調を呈する顔料を適用するとハイライトとシェードのコントラストを表現するのに効果があるので特に好ましい。
また、前記硬化性樹脂層の項で述べた微粒子を30質量%以上含有させて、膨潤抑制効果を持たせることもできる。このときの微粒子の含有量は有機溶剤の吸収量に応じて適宜決定すればよいが、30〜80質量%が好ましく、より好ましくは30〜80質量%、更に好ましくは40〜80質量%である。
膨潤抑制効果を持たせる場合は、使用する微粒子は無機質微粉末が好ましい。例えば、被転写体の下地を活かす効果を狙う場合には、半透明になるようにシリカ、タルク、カオリン、硫酸バリウムなどの無機体質顔料を添加することが好ましい。
さらに、樹脂被膜層と剥離性フィルムとの剥離力を調整するために、樹脂被膜層に剥離剤を含有させてもよい。用いる剥離剤は、装飾層A’と同様に、インキ化又は塗料化した樹脂被膜層に分散可能であれば何ら制限されないが、フッ素系化合物やシリコーン系化合物を用いることが好ましく、分子量や化学構造を制御しやすいことから、シリコーン系化合物が特に好ましい。シリコーン系化合物の中でも、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリシロキサン−ポリエーテルブロック共重合体を好適に用いることができる。
印刷インキ又は塗料中のシリコーン系化合物の含有量は、不揮発分中0.01質量%以上6.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上4.0質量%以下である。0.01質量%未満では剥離剤の効果が不十分であり、6.0質量%を超えると、後述する多層印刷性時にはじきなどが起こり、印刷性が低下しやすくなる、あるいは、本発明の水圧転写用フィルムを使用する際、樹脂被膜層と装飾層との間で剥離を引き起こしやすくなる。
樹脂被膜層の形成は、スリットリバース、スロットダイ、コンマ、バー、ナイフ、グラビア、グラビアリバース、マイクログラビア、ロッドグラビア、オフセットグラビア、フレキソ、ブランケット、ロール、エアナイフ、スクリーン、インクジェット等の塗工機または印刷機等により行うことができる。樹脂被膜層の乾燥膜厚は、0.1〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは0.2〜7μm、より更に好ましくは0.3〜4μmである。
樹脂被膜層を絵柄層等と積層する場合は、グラビア系の印刷が好ましいが、前記微粒子を有する樹脂被膜層をグラビア印刷によりベタ版印刷する場合、ベタ印刷の版目間の空隙が100μm以上になると、樹脂被膜層中に含有される微粒子の効果が薄れ、版目同士の離散が生じ、柄が割れてしまいやすくなる。したがって、版目間の空隙が生じてしまう方法で樹脂被膜層を形成する場合、版目間の空隙は100μm未満であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。
樹脂被膜層に用いる有機溶剤としては、上記装飾層A’で使用するインキ又は塗料に用いるものと同じものを使用することができる。
また、樹脂被膜層は複数層重ねることもできる。例えば、樹脂被膜層をグラビア印刷で作製する場合、インキで完全に覆うために、網点印刷100%のベタ版を複数重ねることもできる。
装飾層A’が印刷からなる場合、柄は版目と言われるドットにより構成されており、完全な連続被膜にはなっていない。したがって、活性化の際、装飾層A’の図柄が拡大しやすい性質を持っている。そのため、転写層に活性化剤を塗布した場合、柄が割けるように伸びてしまうことがある。そこで、硬化性樹脂層と装飾層Aの間に前記樹脂被膜層を設ける、即ち、支持体フィルム/硬化性樹脂層/樹脂被膜層/装飾層Aを含む装飾層/樹脂被膜層の順に積層させると、装飾層Aの絵柄を補強し、活性化による装飾層の柔軟化と柄の再現性を両立させることができ好ましい。
なお、硬化性樹脂層と装飾層A’の間に設けた樹脂被膜層は、被転写体に転写された後は、装飾層A’と一体となって水圧転写体に高意匠の装飾を付与するので、要求される意匠性に応じて適宜、透明から不透明に着色されていてもよい。
(水圧転写用フィルムの製造方法)
本発明の水圧転写フィルムは、
少なくとも前記装飾層Aと前記樹脂被膜層との2層を、樹脂被膜層が剥離性フィルムと接するように積層した剥離性フィルムと、
活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能であり、有機溶剤で活性化な硬化性樹脂層を設けた水溶性もしくは水膨潤性の樹脂から成る支持体フィルムとを、装飾層Aと硬化性樹脂層とが相対するように重ねた後、ドライラミネーション(乾式積層法)により貼り合わせる方法により、得ることが出来る。
中でも、前記装飾層Aと前記樹脂被膜層との2層を積層した剥離性フィルムを、装飾層Aを形成した剥離性フィルム(a)と、樹脂被膜層を形成した剥離性フィルム(b)を、装飾層Aと樹脂被膜層とが相対するようにラミネートした後、剥離性フィルム(a)を剥離して得たものであると、フレーク状顔料が裏刷りされた状態になるため、顔料の配向を得やすいので好ましい。
以下、この方法について詳細に述べる。
具体的な工程としては、
(1)装飾層Aを形成した剥離性フィルム(a)と、樹脂被膜層を形成した剥離性フィルム(b)を、装飾層Aと樹脂被膜層とが相対するようにラミネートした後、剥離性フィルム(a)を剥離し、剥離性フィルム(b)上の樹脂被膜層上に装飾層Aを形成する工程、
(2)硬化性樹脂層を形成した支持体フィルムと、前記(1)工程で作製した、樹脂被膜層上に装飾層Aが形成された剥離性フィルム(b)とを、硬化性樹脂層と装飾層Aとが相対するようにラミネートする工程
を有する。
また、硬化性樹脂層と装飾層Aの間に前記樹脂被膜層を設ける場合や、絵柄層やカラークリア層を含む装飾層A’である場合は、
(1’)樹脂被膜層又は絵柄層上に装飾層Aを形成した剥離性フィルム(a')と、樹脂被膜層を形成した剥離性フィルム(b)を、装飾層Aと樹脂被膜層とが相対するようにラミネートした後、剥離性フィルム(a')を剥離し、剥離性フィルム(b)上の樹脂被膜層上に装飾層A及び樹脂被膜層又は絵柄層を順に形成する工程、
(2’)硬化性樹脂層を形成した支持体フィルムと、前記(1)工程で作製した、樹脂被膜層上に装飾層A及び樹脂被膜層又は絵柄層が順にされた剥離性フィルム(b)とを、硬化性樹脂層と、樹脂被膜層又は絵柄層とが相対するようにラミネートする工程
により製造することができる。
なお、ここで、剥離性フィルム(a)、剥離性フィルム(a')、及び剥離性フィルム(b)は、それぞれ、装飾層Aや樹脂被膜層とは独立した、剥離性フィルムそのものをいう。
装飾層Aを形成した剥離性フィルム(a)は、以下、「積層フィルム(a)」、
樹脂被膜層又は絵柄層上に装飾層Aを形成した剥離性フィルム(a')は「積層フィルム(a')」、樹脂被膜層を形成した剥離性フィルム(b)は「積層フィルム(b)」とする。
((1)工程の説明)
積層フィルム(a)、積層フィルム(a')、及び積層フィルム(b)は、全て、同様の方法で作製することができる。即ち、積層フィルム(a)又は積層フィルム(a')は、積層フィルム(a')においては最初に樹脂被膜層又は絵柄層を塗工または印刷後、装飾層Aを塗工または印刷すればよい。また、積層フィルム(b)は、樹脂被膜層を直接塗工又は印刷すればよい。
塗工又は印刷には、スリットリバースコーター、ダイコーター、コンマコーター、バーコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、グラビアリバースコーター、マイクログラビアコーター、フレキソコーター、ブランケットコーター、ロールコーター、エアナイフコーター等を用いることが出来る。
積層フィルム(a)及び積層フィルム(a')は、積層フィルム(b)と、積層した層が相対するようにラミネートする。ラミネート法は、ドライラミネーション(乾式積層法)法が不必要な溶剤を含まない状態で行なうため、フレーク状顔料の配向を低下させないことから好ましい。
積層フィルム(a)及び積層フィルム(a')と積層フィルム(b)とを貼り合わせる工程における温度は、貼り合わせる各面に用いられている樹脂のガラス転移温度より10℃低い温度から、剥離性フィルム(a)、剥離性フィルム(a')、又は剥離性フィルム(b)の高い方の変形温度の間で行なうことが好ましい。具体的には、積層フィルム(a)及び積層フィルム(a')と積層フィルム(b)の加熱加圧による貼り合わせは、30〜150℃の温度範囲で行うことが好ましく、60〜130℃の温度範囲で行うことがより好ましい。
積層フィルム(a)及び積層フィルム(a')を、それぞれ積層フィルム(b)とラミネートした後、剥離性フィルム(a)及び剥離性フィルム(a')を剥離する。この方法により、装飾層Aは一旦裏刷りされるため、顔料の配向を得やすいので好ましい。顔料が金属調を呈するフレーク状顔料である場合、より輝度が増した金属調を表現することができる。
このようにして、積層フィルム(b)の樹脂被膜層上に、装飾層Aを、又は、装飾層A及び樹脂被膜層又は絵柄層を順に形成することができる。
剥離性フィルム(a)及び剥離性フィルム(a')と、剥離性フィルム(b)は、剥離力の異なるものを使用するのが好ましい。具体的には、剥離性フィルム(a)及び剥離性フィルム(a')は、剥離性フィルム(b)と樹脂被膜層との剥離力よりも弱い剥離力(但し、ここでいう剥離力とは、剥離性フィルム(a)及び剥離性フィルム(a')の最界面に形成されている層との剥離力を指す)を有することが好ましい。
具体的には、各々の剥離性フィルムの、最界面にくる層との剥離力を測定し、好ましい剥離性フィルムと層との組み合わせを選定することが好ましい。また必要に応じて剥離性フィルムに表面処理を行うことで、剥離力をさらに小さくすることも可能である。
例えば、剥離性フィルム(a)及び剥離性フィルム(a')に非シリコン系離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、剥離性フィルム(b)に2軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いると、両フィルムを貼り合わせた後、剥離性フィルム(a)及び剥離性フィルム(a')と、装飾層Aまたは柄または樹脂被膜層との間で欠陥無く剥離することができる。さらに、塗工または印刷基材としても、たるみの影響をほとんど受けず、寸法安定性が良好であるため、精密な塗工または印刷をすることが可能になる。
剥離性フィルムとして、具体的には、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニルなどの素材からなるフィルムを用いることができ、その厚みは20μm〜250μmであるものが好ましい。また、剥離強度を制御するために素材の表面に剥離処理等を施したフィルムを用いることもできる。
((2)工程の説明)
前記方法で作成した、樹脂被膜層上に装飾層A、あるいは装飾層A及び樹脂被膜層又は絵柄層が順に形成された剥離性フィルム(b)と、硬化性樹脂層を形成した支持体フィルムと、硬化性樹脂層と装飾層Aとが相対するようにラミネートすることにより、本発明の水圧転写フィルムを製造することができる。
硬化性樹脂層を形成した支持体フィルムとは、具体的には、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂から成る支持体上に活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能であり、有機溶剤で活性化な硬化性樹脂層を設けたフィルムである。該支持体に前記硬化性樹脂の有機溶剤溶液を塗布するには、スリットリバースコーター、ダイコーター、コンマコーター、バーコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、グラビアリバースコーター、マイクログラビアコーター、フレキソコーター、ブランケットコーター、ロールコーター、エアナイフコーター等を用いることが出来る。
樹脂被膜層上に装飾層A、あるいは装飾層A及び樹脂被膜層又は絵柄層が順に形成された剥離性フィルム(b)と、硬化性樹脂層を形成した支持体フィルムとを、硬化性樹脂層と装飾層Aとが相対するようにラミネートする方法としては、前述と同様にドライラミネーション法が好ましい。乾燥、加熱加圧による貼り合わせは、40〜120℃の温度範囲で行うことが好ましく、40〜100℃の温度範囲で行うことがより好ましい。一般に、PVAフィルムをはじめとする支持体フィルムの耐熱性が低く、130℃を超える温度で貼り合わせると、フィルムの収縮やラミネートじわが入りやすくなる問題が生じ易い。
また、硬化性樹脂層が前記微粒子等を含む場合は、ラミネートの際の接着力が弱まってしまい、剥離性フィルムを剥離する際に硬化性樹脂層と装飾層Aとの界面で剥離が生じてしまう場合がある。このように装飾層と硬化性樹脂層の接着力が不足する場合には、支持体フィルムに硬化性樹脂層を設けた後に、装飾層との接着性をあげるための接着層を設けることが好ましい。接着層としては、微粒子等を含有していない硬化性樹脂層や、装飾層であるインキ層または塗料層から着色剤を除いた樹脂層を用いることが好ましい。接着層は、通常、硬化性樹脂層を形成した支持体フィルムの硬化性樹脂層上に形成する。
本発明の水圧転写フィルムの製造方法の一例を示す。
例えば、ドライラミネーターの一方の繰り出しロール(第1の繰り出しロール)に剥離性フィルム(b)を装着し、もう一方の繰り出しロール(第2の繰り出しロール)に予め剥離性フィルム(a)に装飾層Aを印刷した積層フィルム(a)を装着する。第1の繰り出しロールから繰り出された剥離性フィルム(b)に前記樹脂被膜層用インキが塗布され、さらにドライヤーにて乾燥されて剥離性フィルム(b)上に樹脂被膜層が形成された積層フィルム(b)が得られる。次いで、この積層フィルム(b)の樹脂被膜層と、第2の繰り出しロールから繰り出される積層フィルム(a)の装飾層Aとが相対するように重ね合わされ、加熱圧着ロールで貼り合わされて巻き取りロールに巻き取られる。ロールに巻き取る時点、あるいは、水圧転写用フィルムの製造の時点で剥離性フィルム(a)を剥離することにより、樹脂被膜層上に装飾層A、あるいは装飾層A及び樹脂被膜層又は絵柄層が順に形成された剥離性フィルム(b)が得られる。
次に、ドライラミネーターの一方の繰り出しロール(第1の繰り出しロール)に支持体を装着し、もう一方の繰り出しロール(第2の繰り出しロール)に、前記方法で得られた樹脂被膜層上に装飾層A、あるいは装飾層A及び樹脂被膜層又は絵柄層が順に形成された剥離性フィルム(b)(以下、積層フィルム(b2)と略す)を装着する。第1の繰り出しロールから繰り出された支持体フィルムの水溶性もしくは水膨潤性の樹脂層面に前記硬化性樹脂の有機溶剤溶液が塗布され、さらにドライヤーにて乾燥されて支持体フィルム上に硬化性樹脂層が形成されたフィルムが得られる。次いで、このフィルムの硬化性樹脂層と、第2の繰り出しロールから繰り出される積層フィルム(b2)の装飾層または樹脂被膜層とが相対するように重ね合わされ、加熱圧着ロールで貼り合わされて巻き取りロールに巻き取られることにより、本発明の水圧転写用フィルムが製造される。
本発明の水圧転写用フィルムは、従来の水圧転写用フィルムの水圧転写と同様な方法で水圧転写を行うことができる。
(水圧転写体の製造方法)
本発明の水圧転写体は、本発明の水圧転写用フィルムを、剥離性フィルムが付いている場合は剥離性フィルムを剥離した後に、転写層を上にして、支持体を下にして水に浮かべ、有機溶剤により転写層を活性化し(活性化は水に浮かべる前に行っても良い)、転写層を被転写体に転写し、支持体を除去し、次いで転写層の硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させることにより得られる。
具体的には、剥離性フィルムを剥離した水圧転写用フィルムを支持体フィルムを下にして水槽中の水に浮かべ、支持体フィルムを水で溶解もしくは膨潤させる。
次に、転写層に活性化剤となる有機溶剤を塗布または噴霧することにより装飾層と硬化樹脂層からなる転写層を活性化させる。なお、転写層の有機溶剤による活性化は、フィルムを水に浮かべる前に行っても良い。
次に、転写層に被転写体を押し付けながら、被転写体と水圧転写用フィルムを水中に沈めて行き、水圧によって転写層を被転写体に密着させて転写する。
最後に、水から出した被転写体から支持体フィルムを除去し、被転写体に転写された転写層の硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種により硬化させて、硬化した樹脂層もしくは硬化した樹脂層と装飾層とを有する水圧転写体を得る。
転写層の有機溶剤による活性化は、転写層を水圧転写用フィルムから被転写体へ転写する際に、これらの転写層が柔軟化され、被転写体の三次元曲面へ十分に追従できる程度に行われれば良い。
なお、ここで柔軟化されるのは、樹脂被膜層、装飾層A、硬化性樹脂層全てであるが、装飾層Aは樹脂被膜層に覆われているため、直接有機溶剤に接触することがないので、フレーク状顔料の配向が乱されることはなく、柔軟化のみされる。
水圧転写における水槽の水は、転写層を転写する際に水圧転写用フィルムの硬化性樹脂層もしくは硬化性樹脂層と装飾層とを被転写体の三次元曲面に密着させる水圧媒体として働く他、支持体フィルムを膨潤または溶解させるものであり、具体的には、水道水、蒸留水、イオン交換水などの水で良く、また用いる支持体フィルムによっては、水にホウ酸等の無機塩類を10%以下、またはアルコール類を50%以下溶解させてもよい。
本発明に用いる活性化剤は、転写層、すなわち、樹脂被膜層、装飾層、及び硬化性樹脂層とを可溶化させる有機溶剤である。本発明に用いる活性化剤は、一般の水圧転写に用いる活性化剤と同様なものを用いることができ、具体的には、トルエン、キシレン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メトキシプロパノール、ブチルカルビトールアセテート、カルビトール、カルビトールアセテート、セロソルブアセテート、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、メトキシブチルアセテート、ソルフィットアセテート、ダイアセトンアルコールなど及びそれらの混合物が挙げられる。
この活性化剤中に印刷インキ又は塗料と成形品との密着性を高めるために、若干の樹脂成分を含ませてもよい。例えば、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂といった、インキのバインダーに類似の構造のものを1〜10%含ませることによって密着性が高まることがある。
被転写体に転写層を水圧転写した後、支持体フィルムを水で溶解もしくは剥離して除去した後、乾燥させる。被転写体からの支持体フィルムの除去は、従来の水圧転写方法と同様に水流で支持体フィルムを溶解もしくは剥離して除去する。
活性エネルギー線硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層については、水圧転写体を乾燥させた後に活性エネルギー線照射を行い、硬化性樹脂層の硬化を行う。熱硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層であれば、乾燥とともに硬化性樹脂層の硬化を行うことができる。
被転写体は、その表面に前記転写層が十分密着することが好ましく、必要に応じて被転写体表面にプライマー層を設ける。プライマー層を形成する樹脂は、プライマー層として慣用の樹脂を特に制限なく用いることができ、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。また、密着性の良好なABS樹脂やSBSゴムなどの溶媒吸収性の高い樹脂成分からなる被転写体にはプライマー処理は不要である。被転写体の材質は、必要に応じて防水加工を施すことにより水中に沈めても形状が崩れないものであれば、金属、プラスチック、木材、パルプモールド、ガラス等のいずれであっても良く特に限定されない。
(水圧転写体)
本発明が適用できる水圧転写体の具体例としては、テレビ、ビデオ、エアコン、ラジオカセット、携帯電話、冷蔵庫等の家庭電化製品;パーソナルコンピューター、ファックスやプリンター等のOA機器;ファンヒーターやカメラなどの家庭製品のハウジング部分;テーブル、タンス、柱などの家具部材;バスタブ、システムキッチン、扉、窓枠などの建築部材;電卓、電子手帳などの雑貨;自動車内装パネル、自動車やオートバイの外板、ホイールキャップ、スキーキャリヤ、自動車用キャリアバッグなどの車内外装品;ゴルフクラブ、スキー板、スノーボード、ヘルメット、ゴーグルなどのスポーツ用品;広告用立体像、看板、モニュメントなどが挙げられ、曲面を有しかつ意匠性を必要とする成形品に特に有用に用いられ、極めて広い分野で使用可能である。
以下、本発明を実施例により説明する。特に断わりのない限り「部」、「%」は質量基準である。用いた測定方法と判定方法を下に記載する。
<水圧転写用フィルムの試験方法>
(表面光沢測定方法)
水圧転写体の60度鏡面光沢度(JIS K5400)を測定した。なお一般に、光沢値が90±10%を全光沢、70±10%を七分光沢、50±10%を半光沢(半艶消し)、30±10%を三分艶消し、10±10%を全艶消しと称しているが、光を反射する性質を持つ場合、表面状態に関わらず、60度鏡面光沢度が高くなる。例えば、アルミ箔の光沢面で約500%、艶消し面で約140%になる。このような現象は、金属調の顔料やパール調の顔料などでも、フレーク状顔料が面に平行に配向していると、60度鏡面光沢度が高くなる。
(密着性)
ABS樹脂板(平板:100mm×100mm×3mm)に水圧転写したサンプルについて、碁盤目テープ法(JIS K5400) に準じてインキ密着性を10点満点で評価した。
(製造例1:硬化性樹脂組成物A1の製造)
硬化性樹脂として、ペンタエリスリトール2モル当量とヘキサメチレンジイソシアネート7モル当量とヒドロキシエチルメタクリレート6モル当量を60℃で反応して得られるウレタンアクリレート「UA−1」(1分子中の平均のアクリロイル基数6、質量平均分子量890)51部と、熱可塑性樹脂としてロームアンドハース社製のアクリル樹脂「パラロイドA−11」(Tg100℃、質量平均分子量125,000)34部と、重合開始剤としてチバ・スペシャリティケミカルス社製の光重合開始剤「イルガキュア184」3部を、酢酸エチルとメチルエチルケトンの混合溶媒(混合比1:1)に溶解した。次に、無機微粒子として、土屋カオリン工業製のカオリン「カタルポ」15部を添加し、攪拌して、樹脂固形分42%の硬化性樹脂組成物A1を得た。表1に、その詳しい組成を記載した。
(製造例2:硬化性樹脂組成物A2の製造)
製造例1と同様にして、硬化性樹脂組成物A2を得た。詳しい組成は表1に記載した。
(製造例3:硬化性樹脂組成物A3の製造)
硬化性樹脂として、ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート及びスチレンをモル比20:30:15:15:20で共重合させたアクリルポリオール「AP−1」(質量平均分子量25,000)69部と、硬化剤として、アクリルポリオール「AP−1」の水酸基価に対して1.1倍当量のイソシアネート価のヘキサメチレンジイソシアネートフェノール付加物とヘキサメチレンジイソシアネートの3量体のフェノール付加物との混合物「PI−1」16部を、トルエンと酢酸エチル(1:1)の混合溶媒に溶解した。次に、無機微粒子として、富士シリシア製のシリカ「サイリシア350D」10部を添加、攪拌し、樹脂固形分35%の硬化性樹脂組成物A3を得た。
Figure 0004696492
表1中、
UA−1 :ペンタエリスリトール2モル当量とヘキサメチレンジイソシアネート7モル当量とヒドロキシエチルメタクリレート6モル当量を60℃で反応して得られるウレタンアクリレート(1分子中の平均のアクリロイル基数6、質量平均分子量890)
AP−1 :ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート及びスチレンをモル比20:30:15:15:20で共重合させたアクリルポリオール(質量平均分子量25,000)
パラロイドA−11:ロームアンドハース社製のアクリル樹脂(Tg100℃、質量平均分子量125,000)
I−184:チバ・スペシャリティケミカルス社製の光重合開始剤「イルガキュア184」
PI−1 :ヘキサメチレンジイソシアネートフェノール付加物とヘキサメチレンジイソシアネートの3量体のフェノール付加物との混合物
シリカ :富士シリシア製の「サイリシア350D」
カオリン :土屋カオリン工業製の「カタルポ」
を表す。
また、UV硬化後の光沢値は、硬化性樹脂を水圧転写に用いるABS板にバーコーター(No.30)で塗工後、80℃で30分間乾燥し、1200mJ/cmの照射量でUV照射を行い、硬化性樹脂層を完全に硬化させた後の光沢値を表し、熱硬化後の光沢値は、硬化性樹脂を水圧転写に用いるABS板にバーコーター(No.44)で塗工後、80℃で60分間乾燥し、硬化性樹脂層を完全に硬化させた後の光沢値を表す。
(製造例4:フレーク状顔料を含有する装飾層を有するフィルム(a)B1の製造)
剥離性フィルム(a)として、東洋紡社製の厚さ38μmの非シリコーン処理ポリエチレンテレフタレートフィルムNK281(以下、離型PETフィルムと略す)を用い、該フィルムに下記組成のインキ−1(銀)をロッドグラビアコーターにて厚さ3μmのベタ塗工して、金属調装飾フィルムB1を製造した。
<インキ−1 銀>
ポリウレタン(荒川化学社製ポリウレタン2569):20部
顔料(蒸着アルミ箔フレーク):10部
酢酸エチル・トルエン(1/1):60部
ワックス等添加剤:10部
(製造例5:フレーク状顔料を含有する装飾層を有するフィルム(a)B2の製造)
剥離性フィルム(a)として、東洋紡社製の厚さ38μmの離型PETフィルムを用い、該フィルムにインキ−1(銀)及びインキ−2(透明赤)をグラビア4色印刷機にてベタ版3版を用いて、透明赤、銀、銀の順で連続印刷して、厚さ3μmのカラークリア層を有する金属調装飾フィルムB2を製造した。
<インキ−2 透明赤>
ポリウレタン(荒川化学社製ポリウレタン2569):20部
顔料(赤):3部
酢酸エチル・トルエン(1/1):60部
ワックス等添加剤:10部
(製造例6:フレーク状顔料を含有する装飾層を有するフィルム(a)B3の製造)
剥離性フィルム(a)として、東洋紡社製の厚さ38μmの離型PETフィルムを用い、該フィルムにインキ−1(銀)及びインキ−3(墨)をグラビア4色印刷機にて3版を用いて、墨(網目状抽象柄)、銀(ベタ)、銀(ベタ)の順で連続印刷して、厚さ3μmのカラークリア層を有する金属調装飾フィルムB3を製造した。
<インキ−3 墨>
ポリウレタン(荒川化学社製ポリウレタン2569):20部
顔料(墨):10部
酢酸エチル・トルエン(1/1):60部
ワックス等添加剤:10部
(製造例7:フレーク状顔料を含有する装飾層を有するフィルム(b)C1の製造)
剥離性フィルム(b)として、東洋紡社製の厚さ50μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPPフィルムと略す)へ樹脂被膜層としてインキ−3(墨)をマイクログラビアコーターで所定の乾燥膜厚(1μm)になるように塗布し、次いで60℃で2分間乾燥した後に、インキ層と金属調装飾フィルムB1の装飾層とを向き合わせて60℃でラミネートし、気温40℃、18時間エージングすることにより金属調装飾フィルムC1を作製した。このフィルムC1から剥離性フィルム(a)を剥離すると、インキ層がOPPフィルム側に、外観に影響を及ぼすようなしわ、筋、浮き等の欠陥が発生せずに転移した。
(製造例8:フレーク状顔料を含有する装飾層を有するフィルム(b)C2の製造)
金属調装飾フィルムB1の代わりにB2を用いた以外は、製造例7と同様にして金属調装飾フィルムC2を得た。
(製造例9:フレーク状顔料を含有する装飾層を有するフィルム(b)C3の製造)
金属調装飾フィルムB1の代わりにB3を用いた以外は、製造例7と同様にして金属調装飾フィルムC3を得た。
(製造例10:フレーク状顔料を含有する装飾層を有するフィルム(b)C4の製造)
剥離性フィルム(b)として、東洋紡社製の厚さ50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、CPPフィルムと略す)を用い、該フィルムにインキ−4(透明)、インキ−5(白)、インキ−6(パール)をグラビア4色印刷機にて、透明(樹脂被膜層)、白(樹脂被膜層)、パール(ベタ)、パール(ベタ)の順で連続印刷して、厚さ3μmのパール調装飾フィルムC4を製造した。
<インキ−4 透明>
ポリウレタン(荒川化学社製ポリウレタン2569):20部
顔料(沈降性硫酸バリウム):10部
酢酸エチル・トルエン(1/1):60部
ワックス等添加剤:10部
<インキ−5 白>
ポリウレタン(荒川化学社製ポリウレタン2569):20部
顔料(白):10部
酢酸エチル・トルエン(1/1):60部
ワックス等添加剤:10部
<インキ−6 パール>
ポリウレタン(荒川化学社製ポリウレタン2569):20部
顔料(パール):10部
酢酸エチル・トルエン(1/1):60部
ワックス等添加剤:10部
(実施例1:水圧転写用フィルムの製造)
支持体フィルムであるアイセロ化学社製の厚さ30μmのPVAフィルムへ硬化性樹脂組成物A1をロッドグラビアコーターで所定の乾燥膜厚(20μm)になるように塗布し、次いで60℃で2分間乾燥した後に、硬化性樹脂層と剥離性フィルム(a)を剥離した装飾フィルムC1の装飾層とを向き合わせて60℃でラミネートし、気温40℃、18時間エージングすることにより水圧転写用フィルムD1を作製した。この水圧転写用フィルムD1から剥離性フィルム(b)を剥離すると、インキ層がPVAフィルム側に、PVAフィルム及び装飾層に水圧転写に影響を与えるようなしわ、筋、欠陥などを発生させることなく転移した。
(実施例2:水圧転写用フィルムの製造)
硬化性樹脂組成物としてA2を用い、実施例1と同様の方法で剥離性フィルム(a)を剥離した装飾フィルムC1を用いて水圧転写用フィルムD2を作製した。この水圧転写用フィルムD2から剥離性フィルム(b)を剥離すると、インキ層がPVAフィルム側に、PVAフィルム及び装飾層に水圧転写に影響を与えるようなしわ、筋、欠陥などを発生させることなく転移した。
(実施例3:水圧転写用フィルムの製造)
硬化性樹脂組成物としてA2を用い、実施例1と同様の方法で剥離性フィルム(a)を剥離した装飾フィルムC2を用いて水圧転写用フィルムD3を作製した。この水圧転写用フィルムD3から剥離性フィルム(b)を剥離すると、インキ層がPVAフィルム側に、PVAフィルム及び装飾層に水圧転写に影響を与えるようなしわ、筋、欠陥などを発生させることなく転移した。
(実施例4:水圧転写用フィルムの製造)
硬化性樹脂組成物としてA2を用い、実施例1と同様の方法で剥離性フィルム(a)を剥離した装飾フィルムC3を用いて水圧転写用フィルムD4を作製した。この水圧転写用フィルムD4から剥離性フィルム(b)を剥離すると、インキ層がPVAフィルム側に、PVAフィルム及び装飾層に水圧転写に影響を与えるようなしわ、筋、欠陥などを発生させることなく転移した。
(実施例5:水圧転写用フィルムの製造)
硬化性樹脂組成物としてA1を用い、実施例1と同様の方法で装飾フィルムC4を用いて水圧転写用フィルムD5を作製した。この水圧転写用フィルムD5から剥離性フィルム(b)を剥離すると、インキ層がPVAフィルム側に、PVAフィルム及び装飾層に水圧転写に影響を与えるようなしわ、筋、欠陥などを発生させることなく転移した。
(実施例6:水圧転写用フィルムの製造)
硬化性樹脂組成物としてA3を用い、実施例1と同様の方法で剥離性フィルム(a)を剥離した装飾フィルムC1を用いて水圧転写用フィルムD6を作製した。この水圧転写用フィルムD6から剥離性フィルム(b)を剥離すると、インキ層がPVAフィルム側に、PVAフィルム及び装飾層に水圧転写に影響を与えるようなしわ、筋、欠陥などを発生させることなく転移した。
(比較例1:水圧転写用フィルムの製造)
硬化性樹脂組成物としてA1を用い、実施例1と同様の方法で装飾フィルムB1を用いて水圧転写用フィルムD7を作製した。この水圧転写用フィルムD7から剥離性フィルム(a)を剥離すると、インキ層がPVAフィルム側に、PVAフィルム及び装飾層に水圧転写に影響を与えるようなしわ、筋、欠陥などを発生させることなく転移した。
(比較例2:水圧転写用フィルムの製造)
製造例5と同様の方法で、剥離性フィルム(a)として無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、CPPフィルムと略す)を用いて金属調装飾フィルムB4を得た。次いで、製造例7と同様の方法で、金属調装飾フィルムC5を作製した。該フィルムC5を用いて、実施例1と同様の方法で水圧転写用フィルムD8を作製した。しかしながら、剥離性フィルム(a)を剥離する際、ジッピングによる金属調装飾層の浮きが発生してしまい、水圧転写用フィルムD8を作製する際のラミネートの工程を経ても、金属調装飾層の浮いた部分は欠陥として残り、最終的に水圧転写を行なった後も欠陥として現れてしまった。
Figure 0004696492
表中、実は実施例を、比は比較例を表す。
(実施例7)水圧転写
水槽に25℃の水を入れ、水圧転写用フィルムD1の剥離性フィルム(b)を剥離後、PVA側を下にして水面に浮かべた。活性化剤(キシレン/イソブタノール/酢酸ブチル/ソルフィットアセテート/MIBK=50/20/15/10/5)を25g/m噴霧し、15秒後、A4サイズのABS板を水圧転写用フィルムから水中に向かって挿入し水圧転写した。
PVAを水洗除去した後80℃で30分間乾燥させた。次にUV照射装置を用いて、1200mJ/cmのUV光を照射することにより、硬化性樹脂層を硬化させ、磨き出したアルミ調を呈する装飾水圧転写体を得た。転写するまでの間に、金属調装飾層の銀色顔料の配向が乱れはなかった。評価結果を表3に示す。
(実施例8)水圧転写
水圧転写用フィルムD2を用い、実施例7と同様の方法で、削り出しアルミ調を呈する装飾水圧転写体を得た。転写するまでの間に、金属調装飾層の銀色顔料の配向が乱れはなかった。評価結果を表3に示す。
(実施例9)水圧転写
水圧転写用フィルムD3を用い、実施例7と同様の方法で、赤く染色した削り出しアルミ調を呈する装飾水圧転写体を得た。転写するまでの間に、金属調装飾層の銀色顔料の配向が乱れはなかった。評価結果を表3に示す。
(実施例10)水圧転写
水圧転写用フィルムD4を用い、実施例7と同様の方法で、柄付けした削り出しアルミ調を呈する装飾水圧転写体を得た。評価結果を表3に示す。転写するまでの間に、金属調装飾層の銀色顔料の配向が乱れはなかった。該転写体は光沢値はやや低いが、これは、金属調の装飾層の上に網目状抽象柄の装飾を施していることに起因するものである。
(実施例11)水圧転写
水圧転写用フィルムD5を用い、実施例7と同様の方法で、パール調を呈する装飾水圧転写体を得た。転写するまでの間に、金属調装飾層の銀色顔料の配向が乱れはなかった。評価結果を表3に示す。
(実施例12)水圧転写
水槽に25℃の温水を入れ、剥離性フィルムを剥離した水圧転写用フィルムD6のPVA側を下にして水面に浮かべた。活性化剤(キシレン/MIBK/酢酸ブチル/イソプロパノール=50/20/20/10)を25g/m噴霧し、15秒後、A4サイズのABS板を水圧転写用フィルムから水中に向かって挿入し水圧転写した。PVAを水洗除去した後80℃で60分加熱し、活性化剤の乾燥と熱硬化性樹脂層の硬化を行い、削り出しアルミ調を呈する装飾水圧転写体を得た。転写するまでの間に、金属調装飾層の銀色顔料の配向が乱れはなかった。評価結果を表3に示す。
(比較例3)水圧転写
水圧転写用フィルムD7を用い、実施例7と同様の方法で水圧転写体を得た。活性剤を噴霧した後、転写するまでの間に、金属調装飾層の銀色顔料の配向が乱れ、金属調の乏しい、むしろ、灰色の水圧転写体が得られた。評価結果を表3に示す。
Figure 0004696492
以上の結果より、外観的にフレーク状顔料の配向により表現される意匠をよく再現しており、さらに、表面光沢値が硬化性樹脂層の表面状態に関わらず、高い値を示していることから、樹脂被膜層を設けることにより、フレーク状顔料の配向の乱れを抑制する効果を持つことが明らかである。
本発明における実施の形態に係る水圧転写用フィルムの断面図である。9柄またはベタ層は必要に応じて設けることができる。 本発明における水圧転写用フィルムを製造するための装飾層を積層した剥離性フィルム(b)を製造する方法の一例である。
符号の説明
1 支持体フィルム
2 転写層
3 硬化性樹脂層(トップコート層)
4 装飾層A’
5 フレーク状顔料を含有する装飾層(装飾層A)
6 剥離性フィルム(a)
7 樹脂被膜層
8 剥離性フィルム(b)
9 絵柄層、カラークリア層

Claims (4)

  1. 水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に設けた有機溶剤に可溶な転写層を有し、前記転写層は、前記支持体フィルム上に、少なくとも、無機微粒子又は有機微粒子を0.1〜40質量%含有し、活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な硬化性樹脂層、フレーク状顔料を含有する装飾層、及び、無機微粒子又は有機微粒子を30質量%以上含有する樹脂被膜層がこの順に積層されていることを特徴とする水圧転写用フィルム。
  2. 前記樹脂被膜層が、複数層からなり、少なくとも装飾層と相対する面が黒色である請求項1に記載の水圧転写フィルム。
  3. 前記樹脂被膜層がポリウレタンまたはポリエステルの樹脂被膜である請求項1又は2に記載の水圧転写フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の水圧転写用フィルムを、前記支持体フィルムを下にして水に浮かべ、有機溶剤により前記転写層を活性化し、前記転写層を被転写体に転写し、前記支持体フィルムを除去し、次いで前記転写層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させたことを特徴とする水圧転写体。
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