JP5821484B2 - 加飾用フィルム及びこの加飾用フィルムを用いて製造される加飾成形品の製造方法、並びに加飾用フィルムを用いた加飾成形品 - Google Patents
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Description
加飾用フィルムを用いる方法では、射出成形の際に金型内に加飾用フィルムが挿入され、金型内に溶融した樹脂が射出されることによって、樹脂が成形品の形状に成形されるとともに樹脂成形体の表面に加飾用フィルムが溶着される。この方法は、射出成形と同時に表面の加飾が行われるため、射出成形同時加飾方法と称される。
射出成形同時加飾方法は、さらに、装飾層とともに該装飾層が形成された基材が樹脂成形体の表面に溶着される射出成形同時ラミネート加飾法と、基材に形成された装飾層が樹脂成形体の表面に溶着された後、基材が剥離される、すなわち装飾層が成形品に転写される射出成形同時転写加飾法とに大別される。
これに対して、装飾層に特定の顔料を用いるとともに、成形品の最外側に配置される層の透明度を高めることにより、例えば、周囲の像が成形品の表面に写り込むような濃色を表出する手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載された技術は、装飾層と成形品の最外側に配置される基材とが接している射出成形同時ラミネート加飾法の場合である。装飾層と基材との間に、プライマー層のような別の層が配置される場合や、基材が剥離された後に露呈する表面保護層が成形体の表面になるような場合には、観察される色艶を所望とする色艶に近づけて表出されるように設計することは、より一層困難であった。
すなわち、本発明は、
[1]基材、離型層、表面保護層、プライマー層、及び装飾層をこの順に有する加飾用フィルムであって、該表面保護層が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、該プライマー層がポリマーポリオールと、イソシアネート系硬化剤と、ガラス転移温度Tgが77℃以下のバインダー樹脂とを含むプライマー層形成用樹脂組成物の硬化物からなり、該バインダー樹脂の含有量が該ポリマーポリオールと該バインダー樹脂との合計に対して10〜60質量%である加飾用フィルム、
[2]前記[1]に記載の加飾用フィルムを用いて樹脂成形体の表面を加飾して形成される加飾成形品の製造方法であって、(I)該加飾用フィルムの基材側を金型内面の形状に沿うように金型内面に密着させて型締する工程、(II)該樹脂成形体を形成する樹脂を金型内に射出する工程、(III)該樹脂成形体が冷却した後に該金型から該加飾用フィルムと一体化された樹脂成形体を取り出す工程、(IV)該加飾用フィルムと一体化された樹脂成形体から基材及び離型層を剥離する工程を有する加飾成形品の製造方法、
[3]樹脂成形体、接着剤層、装飾層、プライマー層、表面保護層、離型層、基材を順に有し、プライマー層がポリマーポリオールと、イソシアネート系硬化剤と、ガラス転移温度Tgが77℃以下のバインダー樹脂とを含むプライマー層形成用樹脂組成物の硬化物からなり、該バインダー樹脂の含有量が該ポリオールと該バインダー樹脂との合計に対して10〜60質量%であり、該表面保護層が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる、基材付き加飾成形品、
[4]樹脂成形体、接着剤層、装飾層、プライマー層、表面保護層を順に有し、該プライマー層がポリマーポリオールと、イソシアネート系硬化剤と、ガラス転移温度Tgが77℃以下のバインダー樹脂とを含むプライマー層形成用樹脂組成物の硬化物からなり、該バインダー樹脂の含有量が該ポリオールと該バインダー樹脂との合計に対して10〜60質量%であり、該表面保護層が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる、加飾成形品、
を提供する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の好ましい実施形態の一例として示す加飾用フィルムを説明する断面図である。
図1に示される加飾用フィルム10は、基材11、離型層12、表面保護層13、プライマー層14、及び装飾層15をこの順に有する。表面保護層13、プライマー層14、装飾層15、及び接着剤層16は、転写層17を構成する。加飾用フィルム10は、射出成形同時転写加飾法に用いることができる。加飾用フィルム10は、成形品を構成する樹脂成形体の表面に、接着剤層16を対向させた状態で溶着された後、転写層17を残して、基材11及び離型層12は剥離される。
<基材の構成>
基材11は、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムであれば使用でき、真空成形適性を考慮して選定されることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;ポリカーボネート樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
基材11は、上記樹脂から選ばれる1種から形成されたフィルムが1層でなる単層フィルムであってもよい。また、上記樹脂から選ばれる1種から形成された単層フィルムが複数重ねられた複層フィルムであってもよい。
さらに、上記樹脂から選ばれる1種から形成された単層フィルムと、上記樹脂から選ばれる他の樹脂から形成された単層フィルムとが複数重ねられた複層フィルムであってもよい。
基材11の厚みは、10〜150μmが好ましく、10〜125μmがより好ましく、10〜80μmが更に好ましい。基材11のヘイズ値Hは、0.5≦H≦3.0を満たすことが好ましい。基材11のヘイズ値Hは、より好ましくは、0.5≦H≦2.0、さらに好ましくは、0.5≦H≦1.5である。
基材11は剥離されるが、基材11の表面状態は、成形同時転写加飾法により成形品を加飾する製造過程において、表面保護層13の表面の状態に影響を及ぼすと考えられる。
基材11のヘイズ値Hが0.5以上であると、基材11が傷つきにくく、基材11の取り扱いが容易になるため生産性が向上する。また、ヘイズ値Hが3.0以下であると、表面保護層13の表面の曇りを抑え、透明度の低下を抑制できる。ここで、基材11のヘイズ値Hは、市販のヘイズメータにより測定される値である。
基材11の表面粗さは、小さいことが好ましい。表面粗さを表すパラメータである算術平均粗さRa,非常平均粗さRq,及び粗さ曲線最大断面高さRtが、それぞれ、3≦Ra≦25,10≦Rq≦40,800≦Rt≦1800を満たすことが好ましい。
より好ましくは、4≦Ra≦15,10≦Rq≦30,900≦Rt≦1600である。
基材11の表面粗さを表すパラメータが上記範囲であると、表面保護層13の表面を平滑に近い状態にすることができ、曇りの少ない透明度の高い表面を形成できる。
ここで、表面粗さ(算術平均粗さRa,二乗平均粗さRq,粗さ曲線最大断面高さRt)は、JIS B0601に規定された測定法に基づいて測定される値である。
耐熱性、寸法安定性、成形性、及び汎用性の点では、基材11として、ポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
ポリエステルフィルムに用いられるポリエステル樹脂とは、多価カルボン酸と、多価アルコールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーをいう。多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。
また、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカンジオール、2−エチル−ブチル−1−プロパンジオール、ビスフェノールAなどが挙げられる。さらに本発明で用いるポリエステル樹脂は、3種類以上の多価カルボン酸や多価アルコールの共重合体であってもよく、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのモノマーやポリマーとの共重合体であってもよい。
ポリエチレンテレフタレートを主成分としたポリエステル樹脂と、ポリブチレンテレフタレートを主成分としたポリエステル樹脂との配合量の質量比は、通常、70/30〜95/5であり、75/25〜85/15の範囲であることが好ましい。得られるポリエステルフィルムの動的弾性率に応じて、上記範囲内で適宜選択可能である。このような比率で配合されてできたポリエステルフィルムは、耐熱性、寸法安定性、及び成形性に優れるため、基材11として好適に用いることができる。
また、ポリエステルフィルムは、射出成形時の成形性の観点から、2軸延伸ポリエステルフィルムであることが好ましい。
微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、カオリンなどの無機粒子、アクリル系樹脂などからなる有機粒子、内部析出粒子などを挙げることができる。また、必要に応じて各種安定剤、潤滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、消泡剤、蛍光増白剤などを配合することもできる。
微粒子の平均粒径は、0.01〜5.0μmが好ましく、0.05〜3.0μmがより好ましい。また、ポリエステル樹脂中の微粒子の含有量は、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。微粒子の平均粒径が0.01〜5.0μmであれば、良好なヘイズ値が得られる。
基材11として使用可能な樹脂フィルムには、後述する離型層との密着性を向上させる目的で、所望により、片面又は両面に表面処理を施すことができる。表面処理としては、物理的表面処理、化学的表面処理いずれも適用できる。例えば、酸化法や凹凸化法が挙げられる。
酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられる。凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材を形成するポリエステル樹脂の種類に応じて適宜選択可能である。なかでも、表面処理操作の容易性、及び顕著な効果が得られることから、コロナ放電処理法が好ましい。
基材11には、基材11と、基材11の表面に形成される離型層12との層間密着性の強化などを目的として、易接着層を形成するなどの処理を施してもよい。なお、上述のような表面処理が予め施された市販のポリエステルフィルム、易接着層が予め形成された市販のポリエステルフィルムを用いてもよい。
離型層12は、基材11と表面保護層13とが容易に剥離できるように設けられる層であり、図1に示すように、基材11の全面に配置されていてもよいし、基材11の一部の領域に配置されていてもよい。剥離の容易性を考慮すると、離型層12は、基材11の全面に配置されていることが好ましい。離型層12は、基材11とともに剥離される。離型層12が配置することにより、基材11が表面保護層13から容易に剥離される。
離型層12を形成する樹脂としては、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル−メラミン系樹脂が含まれる)、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、硝化綿などの熱可塑性樹脂、該熱可塑性樹脂を形成するモノマーの共重合体、及びこれらの樹脂を(メタ)アクリル酸やウレタンで変性した樹脂が挙げられる。離型層12は、上述の樹脂から選ばれる1又は複数の樹脂を混合した樹脂組成物から形成することができる。
なかでも、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、これらの樹脂を形成するモノマーの共重合体、及びこれらをウレタン変性した樹脂が好ましく、より具体的には、アクリル−メラミン系樹脂単独、アクリル−メラミン系樹脂含有組成物、ポリエステル樹脂とエチレン及びアクリル酸の共重合体をウレタン変性したものとを混合した樹脂組成物、アクリル系樹脂とスチレン及びアクリルとの共重合体のエマルジョンとを混合した樹脂組成物などが挙げられる。
これらのうち、特に、アクリル−メラミン系樹脂単独又はアクリル−メラミン系樹脂を50質量%以上含有する樹脂組成物から離型層12を構成することが好ましい。
離型層12の厚みは、通常、0.01〜5μmであり、好ましくは、0.05〜3μmの範囲である。
表面保護層13は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、硬化する樹脂を指す。なおここで、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含む。電離放射線硬化性樹脂組成物は、所定分子量の多官能(メタ)アクリレートモノマーと所定分子量の熱可塑性樹脂とを含む。多官能(メタ)アクリレートモノマーの分子量は、175〜1000であることが好ましい。
表面保護層13は、基材11が剥離された後、露呈されて成形品の表面を形成する。表面保護層13は、加飾された成形品に、優れた表面特性、特に耐汚染性を付与することができる。
表面保護層13は、電離放射線硬化性樹脂組成物が半硬化したものであってもよいが、完全に硬化した完全硬化物であると、表面特性、特に耐汚染性が一層良好になる。完全硬化物であっても、後述する化合物又は樹脂を使用することで、硬化後であっても容易に成形可能である。
表面保護層13の表面には、この上に設けられるプライマー層14との密着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、プラズマ処理などの表面処理が施されてもよい。
多官能(メタ)アクリレートモノマーは、通常、3〜8個の官能基を有する。多官能(メタ)アクリレートモノマーの官能基数は、加飾された成形品に優れた耐汚染性及び成形性を付与する観点から、3以上であればよく、3〜8であることがより好ましく、3〜6がさらに好ましい。
多官能(メタ)アクリレートモノマーの分子量は、加飾された成形品に優れた耐汚染性及び成形性を付与する観点から、200〜800が好ましく、250〜600がより好ましく、250〜400がさらに好ましい。
このような多官能(メタ)アクリレートモノマーの一例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なかでも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートがより好ましい。
本発明では、上述した多官能(メタ)アクリレートモノマーから選ばれる1種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂は、標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が1万〜25万のものであれば、特に制限ない。ここで、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定された値であり、標準サンプルにポリスチレンを用いた条件で測定された値である。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、1万〜25万であり、好ましくは10万〜20万であり、より好ましくは10万〜17万である。耐汚染性、成形性が良好となり、製造工程において、離型層12の上への塗布が容易となる。また、加飾された成形品の耐汚染性、及び成形性を高める観点から微粒子を含有させることが好ましい。
2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体としては、上記例示されたものから選ばれる2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が例示され、これらの共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
電離放射線硬化性樹脂組成物中の多官能(メタ)アクリレートモノマーと熱可塑性樹脂との配合比は、質量比で10:90〜75:25であることが好ましい。多官能(メタ)アクリレートモノマーの含有量が10よりも大きいと、優れた耐汚染性が得られ、75よりも小さいと、優れた成形性が得られる。優れた耐汚染性と成形性を得る観点から、質量比は、25:75〜75:25が好ましく、35:65〜65:35がより好ましい。
本発明で用いられる電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上述の多官能(メタ)アクリレートモノマー、熱可塑性樹脂以外の成分を含んでいてもよい。
本発明で用いられる電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物に含まれる成分の一例として、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーなどの多官能(メタ)アクリレートオリゴマーや、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、このほかに、耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チキソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。
表面保護層13に、上述した各種の添加剤が添加されることにより、表面保護層13に種々の特性を付与できる。例えば、硬度を高めて傷付きに対する耐性を高めたり、表面保護層13の透明性を高めたり、汚れをつきにくくしたり、反射を抑止したり、装飾層や成形品表面への紫外線や赤外線の透過を遮蔽したりすることができる。
プライマー層14は、表面保護層13と装飾層15との間に配置される。プライマー層14が配置されることにより、表面保護層13と装飾層15との密着性を向上させることができる。また、プライマー層14が配置されることにより、装飾層15に形成された模様、文字、パターン状の絵柄が、とりわけ濃色の色調で表現されている場合には、当該色調が有する本来の色合い、例えば、黒色であれば漆黒感を有する色合いを鮮明に表出できる。このほか、プライマー層14は、耐候性の向上、強度の向上などにも寄与する。
プライマー層14は、ポリマーポリオールと、イソシアネート系硬化剤と、ガラス転移温度Tgが77℃以下のバインダー樹脂とを含むプライマー層形成用樹脂組成物の硬化物からなる。バインダー樹脂の含有量は、ポリマーポリオールとバインダー樹脂との合計に対して10〜60質量%であることを要する。
プライマー層14は、上述したプライマー層形成用樹脂組成物を所定の溶媒に溶解して得られる溶液を、公知の方法で、表面保護層13の上に塗布し、乾燥することにより得られる。プライマー層14の厚みは、0.5〜20μm程度であり、好ましくは、1〜5μmの範囲である。
上述の構成を有するプライマー層14によれば、装飾層15を着色している顔料の分散剤や溶剤やバインダー樹脂などが当該プライマー層14中に分散や浸透などをしやすくなると考えられる。顔料が分散剤や溶剤やバインダー樹脂などとともにプライマー層14中に分散や浸透などすると、プライマー層14と装飾層15との界面が曖昧になる。これにより、界面における入射光の反射や拡散が抑えられ、表面保護層13側において装飾層15本来の色合いを表出できるようになると考えられる。
ポリマーポリオールとしては、好ましくは、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、及びポリカーボネートポリオールから選ばれる一種単独、又はこれらの混合物が用いられる。なかでも、アクリルポリオールが好ましい。
アクリルポリオールとしては、塩化ビニル変性アクリルポリオール、塩化ビニル−酢酸ビニル変性アクリルポリオール、塩素化ポリオレフィン変性アクリルポリオール、メチル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、オクチル(メタ)アクリレート−エチルヘキシル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体などの(メタ)アクリル酸アルキルエステルにヒドロシキアクリレートを共重合させたものが挙げられる。
また、ポリマーポリオールとしては、ポリエステルポリオールを用いることもできる。ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(ネオペンチルアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ブチレンアゼラエート)、ポリ(ブチレンセバケート)、ポリカプロラクトン等が用いられる。上述したポリマーポリオールのうち、未硬化の状態におけるガラス転移温度Tgが80℃以上、好ましくは85℃以上であるポリマーポリオールを用いることが好ましい。
イソシアネート系硬化剤のなかでも、多価イソシアネートが好ましく、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネートないしは脂環式イソシアネート;を用いることができる。また、上述の各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることができ、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等も用いることができる。
イソシアネート系硬化剤のなかでは、特に、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、或いはこれらイソシアネートの付加体又は多量体を用いることができる。これらのイソシアネート系硬化剤は、特に、無黄変型イソシアネート化合物とよばれ、耐候性試験などによる黄変を抑制しつつ、装飾層に形成された絵柄などの色調が有する本来の色合いを鮮明に表出した状態を維持することができる。
すなわち、イソシアネート系硬化剤は、無黄変型イソシアネート化合物であることが好ましい。
バインダー樹脂としては、ガラス転移温度Tgが77℃以下の樹脂であれば従来公知のバインダー樹脂が適用できる。バインダー樹脂は、ガラス転移温度Tgが77℃以下であればよく、水酸基を有する化合物であっても、有さない化合物であってもどちらでもよい。バインダー樹脂として具体的には、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂などを用いることができる。バインダー樹脂として使用可能な樹脂の標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量は、好ましくは、1万〜30万であり、より好ましくは、5〜20万である。
バインダー樹脂の含有量は、ポリマーポリオールとバインダー樹脂との合計に対して10〜60質量%であることを要し、より好ましくは、20〜40%である。バインダー樹脂の配合比が、ポリマーポリオールとバインダー樹脂との合計に対して10%未満であると、装飾層15の色の鮮明さが低下し、60%以上であると、プライマー層の粘度が増し、プライマー層の上に装飾層15を形成するときに装飾層15によってプライマー層の一部が引き剥がされる、いわゆるバックトラップが生じやすくなる。
装飾層15は、図1に示すようにプライマー層14と接着剤層16との間に形成される。装飾層15は、プライマー層14に印刷インキでグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷、昇華転写印刷、インクジェット印刷などの公知の印刷法により形成される。装飾層15の厚みは、意匠性の観点から3〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
図1には図示しないが、装飾層15は、少なくとも装飾柄層又は装飾ベタ層のいずれか一方を有する。装飾柄層及び装飾ベタ層を両方備えていてもよい。
装飾柄層及び装飾ベタ層はそれぞれ、必要に応じて隠蔽性を有する色に着色されていてもよいし、透明性を有していてもよい。本発明の効果を考慮すると、装飾層15は、いわゆる濃色系を呈することが好ましく、より具体的には、国際証明委員会1976に規定されるL*a*b*表色系によるL*が65以下で表される色とすることがよく、好ましくは、L*40以下である。さらに好ましくは、L*15以上40以下である。
装飾層15が、L*15以上40以下で表される色の場合には、表面保護層13を介して観察された際に、「鮮明で光沢感のある黒」、「ピアノブラック」、又は「漆黒」と表現される色として表出できる。
装飾ベタ層は、プライマー層14の表面の全面に亘って均一に形成される層である。或いは、装飾柄層が印刷されたプライマー層14の全面に亘って形成される。装飾ベタ層は、装飾柄層に形成された絵柄を引き立てるために、装飾柄層よりも成形品側に配置されている。加飾前の成形品表面の地色を、表面保護層13側から観察されないようにするためには、隠蔽性の高い装飾柄層及び装飾ベタ層を形成することが好ましい。
装飾柄層及び装飾ベタ層の形成に用いられる印刷インキのバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、セルロース系樹脂などを好ましく挙げることができるが、アクリル系樹脂単独又はアクリル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂との混合物を主成分とするのが好ましい。これらの中では、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂又は別のアクリル系樹脂を混合すると印刷適性、成形適性がより良好となり好ましい。
また、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂としては、通常、酢酸ビニル含有量が5〜20質量%程度、平均重合度350〜900程度のものが用いられる。必要に応じ、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂にさらにマレイン酸、フマル酸などのカルボン酸を共重合させてもよい。アクリル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂との混合比は、アクリル系樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂=1/9〜9/1(質量比)程度である。この他、副成分の樹脂として、必要に応じて、適宜その他の樹脂、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどの塩素化ポリオレフィン系樹脂などの樹脂を混合してもよい。
装飾柄層及び装飾ベタ層の形成に用いられる印刷インキは、上記成分の他に、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、滑剤などを適宜添加することができる。印刷インキは、上記成分を、通常溶剤に溶解又は分散した態様で提供される。溶剤としては、バインダー樹脂を溶解又は分散させるものであればよく、有機溶剤及び/又は水を使用することができる。有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのエステル類、アルコール類が挙げられる。
接着剤層16は、装飾層15と加飾前の成形品の表面との間に配置される。接着剤層16が配置されることにより、装飾層15と加飾前の成形品の表面とを十分に接着することができる。接着層16は、必ずしも設けられなくてもよい。
射出成形同時転写加飾法において、射出成形樹脂と加飾用フィルム10とを、端部に剥がれが生じることがないように密着性よく接合し得るものであれば、接着剤層16として使用可能である。
接着剤層16の厚みは、加飾用フィルム10の装飾層15と加飾前の成形品の表面との接着性の観点、また、加熱及び加圧など製造条件上の観点から、0.1〜6μm程度が好ましい。
接着剤層16を構成する接着剤に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂などの中から選ばれる少なくとも1種の樹脂を挙げることができる。
上述の樹脂の中から選択した1種又は2種以上の樹脂を溶液、あるいはエマルジョンなどのように塗布可能な形態にし、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法などの手法により、装飾層15に塗布した後、乾燥することによって、接着剤層16を形成することができる。
接着剤層16には、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物などの有機系の紫外線吸収剤や、亜鉛、チタン、セリウム、スズ、鉄などの酸化物のような無機系の紫外線吸収能を有する微粒子の添加剤を含有させることができる。また、添加剤として、着色顔料、白色顔料、体質顔料、充填剤、帯電防止剤、酸化防止剤、蛍光増白剤なども適宜、必要に応じて含有させることができる。
本発明に係る加飾用フィルムの製造方法は、
(a)基材上に離型層を設ける工程、
(b)離型層上に電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布して電離放射線硬化性樹脂組成物塗布層を形成する工程、
(c)該電離放射線硬化性樹脂組成物塗布層に電離放射線を照射して、硬化又は半硬化して表面保護層を形成する工程、
(d)装飾層を形成する工程を含む。
また、工程(c)と工程(d)との間に、表面保護層の表面にコロナ処理を施す工程(e)を有することが好ましい。
工程(a),(b),(d)では、グラビア印刷、ロールコートなどの公知の手法を適用できる。
電離放射線として電子線を用いる場合には、加速電圧は、用いる樹脂の種類や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常、70〜300kVとすることが好ましい。
電子線の照射では、加速電圧が高いほど、電子線の透過能力が増加するため、電子線によって劣化する基材を使用する場合には、電子線の到達する深さと電離放射線硬化性樹脂組成物の層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することが好ましい。これにより、基材への電子線の到達量を適切に調整することができ、電子線が過剰に照射されることによる基材の劣化を抑制できる。
また、電離放射線の照射線量は、電離放射線硬化性樹脂組成物の層の架橋密度が飽和する量であることが好ましく、通常、5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜70kGy(1〜7Mrad)の範囲で選定されることが好ましい。
電子線源には、特に制限はなく、例えば、コックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
図2は、本発明の実施形態として示す加飾用フィルムを用いて加飾された成形品(加飾成形品という)を説明する断面図である。
加飾成形品20は、樹脂成形体18、接着剤層16、装飾層15、プライマー層14、表面保護層13をこの順に有し、プライマー層14がポリマーポリオールと、イソシアネート系硬化剤と、ガラス転移温度Tgが77℃以下のバインダー樹脂とを含むプライマー層形成用樹脂組成物の硬化物からなり、バインダー樹脂の含有量が該ポリオールと該バインダー樹脂との合計に対して10〜60質量%であり、表面保護層13が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。表面保護層13、プライマー層14、装飾層15、及び接着剤層16は、転写層17を構成する。
本発明の実施形態として示す加飾成形品20のヘイズ値が13.0以下であることが好ましい。より好ましくは、11以下であり、更に好ましくは、5以下である。加飾成形品20のヘイズ値が13.0以下であれば、加飾成形品の表面の曇りの影響が少なく、加飾成形品の色艶が製品設計時、或いは製品企画時に設定した色艶に近い色に表出できる。
実施形態において、加飾成形品のヘイズ値Hは、ASTM D4039に規定された方法に従って測定される値である。
加飾成形品20は、上述した加飾用フィルムの製造方法により得られた加飾用フィルムを用いて樹脂成形体18の表面に貼付して形成される。
(I)上述した加飾用フィルム10の基材11側を金型内面の形状に沿うように金型内面に密着させて型締する工程、
(II)樹脂成形体18を形成する樹脂を金型内に射出する工程、
(III)樹脂成形体18が冷却した後に該金型から加飾用フィルム10と一体化された樹脂成形体18を取り出す工程、
(IV)加飾用フィルム10と一体化された樹脂成形体18から基材11及び離型層12を剥離する工程
を有する。
樹脂成形体18を形成する樹脂が熱可塑性樹脂の場合には、溶融させて流動状態にして射出する。この後、冷却して固化させる。また、樹脂成形体18を形成する樹脂が熱硬化性樹脂の場合には、未硬化の液状態の樹脂を室温又は適宜加熱することによって流動状態にして射出する。この後、冷却して固化させる。これにより、加飾用フィルム10が一体化された樹脂成形体18が形成される。樹脂成形体18を形成する樹脂を溶融する際の加熱温度は、成形品本体を形成する樹脂の種類によるが、一般には、180〜320℃程度である。
樹脂成形体を形成する樹脂としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂、あるいは、熱硬化性樹脂(2液硬化性樹脂を含む)であれば適用可能であり、特に制限されない。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、2液反応硬化型のポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独又は複数種以上混合して用いてもよい。
また、樹脂成形体を形成する樹脂には、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどの無機物粉末、木粉、ガラス繊維などの充填剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤などが挙げられる。なお、樹脂成形体を形成する樹脂は、用途に応じて適宜、着色剤を添加して着色してもよい。着色剤には、上述した基材11を形成する樹脂に対して適用可能なものと同様の公知の着色剤を使用できる。
樹脂成形体の厚みに特に制限はなく、用途に応じて選定できる。樹脂成形体の厚みは、1〜5mmとすることができ、好ましくは、2〜3mmである。
図2に示す加飾成形品20は、加飾用フィルム10と樹脂成形体18とが一体化された後、加飾用フィルム10から基材11及び離型層12を剥離されたものである。
一方、加飾用フィルム10から基材11及び離型層12を剥離しない形態(基材付き加飾成形品という)で流通されてもよい。基材11及び離型層12は、加飾成形品が使用状態になる前に剥離される。
すなわち、基材付き加飾成形品は、樹脂成形体18、接着剤層16、装飾層15、プライマー層14、表面保護層13、離型層12、基材11をこの順に有し、プライマー層14がポリマーポリオールと、イソシアネート系硬化剤と、ガラス転移温度Tgが77℃以下のバインダー樹脂とを含むプライマー層形成用樹脂組成物の硬化物からなり、該バインダー樹脂の含有量が該ポリオールと該バインダー樹脂との合計に対して10〜60質量%であり、表面保護層13が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。
基材付き加飾成形品では、例えば、基材11が表面保護層13を保護する役割を果たすため、トラックやベルトコンベアなどで当該基材付き加飾成形品が搬送される場合などにおいて、表面保護増13への傷付き、汚れなどを防止できる。
[評価方法]
<基材のヘイズ値>
基材のヘイズ値Hは、株式会社東洋精機製作所製のDIRECT READING HAZE METERを用いて測定した。
<加飾成形品のヘイズ値>
加飾成形品のヘイズ値Hは、BYKガードナー社製のマイクログロスを用いて、ASTM D4039に従って測定した。
<基材の表面粗さ>
基材の表面粗さ(算術平均粗さRa,二乗平均粗さRq,粗さ曲線最大断面高さRt)は、JIS B0601に規定された測定法に基づいて測定した。
<バインダー樹脂のガラス転移温度Tg>
示差熱量分析(DSC)法により、ピークショルダーになる温度をガラス転移温度Tgとした。示差走査熱量計(DSC)装置(セイコーインスツルメンツ社製 SC−6200型)を用いた。
<成形品の漆黒性>
成形品の漆黒性は、成形品サンプルの表面を目視により判断した。漆黒性は、周囲の像が成形品の表面に写り込む度合いと、「黒」の深みとをサンプル間で相対的に判断した。
A:表面に写り込む像が鮮明で表面に光沢がある。表面の黒味が最も深い
B:表面に写り込む像が鮮明であるが表面にやや曇りがある。表面の黒味がやや深い
C:表面に曇りがあり表面に写り込む像がぼやけてみえる。表面が黒い
D:表面の曇りのために表面に像が写っていない。表面が黒い
E:表面保護層に装飾層が塗布できず、加飾用フィルムが作製できなかった。
フィラー配合量の違いによりヘイズ値の異なる基材A、基材B、基材Cを用意し、プライマー層を形成する樹脂の組成を変えて、実施例1〜7,比較例1〜3に示す成形品のサンプルを作製した。基材A〜Cは、いずれも易接着処理が施された2軸延伸PETシートであり、厚み50μmであった。
<実施例1>
(加飾用フィルムの製造)
基材Aの表面に、アクリル−メラミン系樹脂をグラビア法により塗布して、厚み3μmの離型層を形成した。次いで、多官能(メタ)アクリレートモノマー(ペンタエリスリトールトリアクリレート,分子量:298)40質量部、重量平均分子量Mw150000の熱可塑性樹脂(アクリル樹脂,ガラス転移温度Tg:105℃)60質量部、その他紫外線吸収剤:1.1質量部、光安定剤:0.6質量部、及びレベリング剤0.2質量部を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を、上記離型層上にバーコーターで塗工して、加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して架橋硬化させて、表面保護層(厚み:12μm)を形成した。
次に、表面保護層の表面にコロナ放電処理を施した後、コロナ放電処理された表面保護層の表面に、アクリルポリオール(ガラス転移温度Tg:90℃)とキシリレンジイソシアネートとウレタン樹脂1(ガラス転移温度Tg:−30〜−40℃)を含む溶液を塗布して、プライマー層(厚み1.5μm)を形成した。
次いで、上記プライマー層の上に、アクリル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂とをバインダー樹脂とした黒色系印刷インキ(アクリル樹脂:50質量%、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂:50質量%)を塗布量3g/m2でグラビア印刷を施して全面ベタ層の装飾層を形成した。
黒色系印刷インキには、顔料として、粒径30nm未満、DBP吸収量が46cm3/100g以上であるカーボンブラックが含まれる。
装飾層は、国際証明委員会1976に規定されるL*a*b*表色系によるL*が30で表される色調にした。
さらに、装飾層の上に、グラビア印刷により、アクリル系樹脂(軟化温度:125℃)を塗布量4g/m2で塗布して接着剤層を形成し、図1に示す構成の加飾シートを作製した。
金型は、80mm×80mm角、立ち上がり10mm、コーナー部が2Rのトレー状であり、いわゆる深絞り度が高いものを用いた。ここで、深絞り加工とは、成形前の樹脂の表面積と成形後の樹脂の面積との比が130%以上となるような立体形状を形成する加工方法をいう。深絞り度が高いとは、この面積比が大きいことをいう。
上述のように製造された加飾用フィルムを350℃に加熱された熱盤によって印刷層側から加熱し、印刷層側の温度が100℃となったとき金型内面に密着させて金型内部の形状に沿うように真空成形した。
次に、成形品本体を形成する樹脂を230℃に加熱して溶融状態にしてから、金型内部に射出した。実施例では、成形品本体を形成する樹脂としてABS樹脂[日本エイアンドエル(株)製、商品名「クラスチックMTH−2」]を用いた。
金型の温度が80℃程度まで冷却されたとき、成形品を金型から取り出し、基材を剥離した。これにより、図2に示す加飾された成形品を得た。得られた成形品のヘイズ値を上述した評価方法に基づいて測定した。結果を表1に示す。
プライマー層を形成する樹脂Bとして、ポリエステルを用いた以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。得られた成形品のヘイズ値を上述した評価方法に基づいて測定した。結果を表1に示す。
プライマー層を形成する樹脂Bとして、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。得られた成形品のヘイズ値を上述した評価方法に基づいて測定した。結果を表1に示す。
プライマー層を形成する樹脂Bとして、ウレタン樹脂2を用いた以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。得られた成形品のヘイズ値を上述した評価方法に基づいて測定した。結果を表1に示す。
プライマー層を形成する樹脂Bとして、ウレタン樹脂3を用いた以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。得られた成形品のヘイズ値を上述した評価方法に基づいて測定した。結果を表1に示す。
樹脂Aと樹脂Bとの比を、60:40に変更した以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。得られた成形品のヘイズ値を上述した評価方法に基づいて測定した。結果を表1に示す。
基材Cを用いた以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。得られた成形品のヘイズ値を上述した評価方法に基づいて測定した。結果を表1に示す。
樹脂Aと樹脂Bとの比を、100:0に変更した。すなわち、樹脂Bを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。得られた成形品のヘイズ値を上述した評価方法に基づいて測定した。結果を表1に示す。
樹脂Aと樹脂Bとの比を、20:80に変更した以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。得られた成形品のヘイズ値を上述した評価方法に基づいて測定した。結果を表1に示す。
基材Cを用いるとともに、樹脂Aと樹脂Bとの比を、100:0に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。得られた成形品のヘイズ値を上述した評価方法に基づいて測定した。結果を表1に示す。
上述した評価方法に基づいて評価された各サンプル成形品の漆黒性と、ヘイズ値とを表1に示す。
*1:アクリルポリオール(分子量3万)
*2:ウレタン樹脂1(分子量2万)
*3:ポリエステル樹脂(分子量1.6万)
*4:塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂(分子量2.4万)
*5:ウレタン樹脂2(分子量3万)
*6:ウレタン樹脂3(分子量1万)
実施例1のサンプルと実施例7のサンプルとは、基材のヘイズ値が異なる。すなわち、基材のヘイズ値が低いほうが、成形品のヘイズ値が低くなり、漆黒性が良好になることが判る。
同一の基材Aを用いて、プライマー層を形成する樹脂Bの種類を変えて作製された実施例1〜5のサンプルを比較すると、樹脂Bのガラス転移温度Tgが低いほど、漆黒性が良好になることが判る。
実施例5のサンプルと実施例6のサンプルとは、樹脂Bの比率が異なる。両者を比べると、樹脂Bの比率が20%に近づくほどヘイズが低くなり、透明度が上がることが判る。
実施例1〜7では、成形品のヘイズ値は、4.6〜12.8の範囲であることが判る。例えば、先行技術文献として挙げた特開2002−292798に記載されたヘイズ(1.3未満)よりも高い。これは、射出成形同時加飾方法のなかでも射出成形同時転写加飾法を用いた本実施例のように、表面保護層と装飾層との間にプライマー層が配置される場合には、ヘイズ値が高めでも、十分な漆黒性が表出できることを意味している。
これは、装飾層を着色している顔料の分散剤や溶剤がプライマー層中に分散することによるものと考えられる。顔料は、分散剤や溶剤やバインダー樹脂などがプライマー層中に分散や浸透などをしやすくなり、プライマー層と装飾層との界面が曖昧になることが考えられる。界面が曖昧になると、界面における入射光の反射や拡散などの影響が抑えられるものと考えられる。
また、射出成形同時加飾法のうち、射出成形同時転写加飾法では、基材が剥離される。このように、基材が剥離された後に露呈する表面保護層が観察面になったりする場合でも、剥離される基材としてヘイズ値が低いものを使用することにより、基材が剥離された後に露呈する表面保護層の透明度を高めることができる。
特に、上述した顔料を用いた場合には、プライマー層の組成により、表面保護層のヘイズ値を下げることと相まって、観察者にとっては、漆黒感が増して見えるものと考えられる。
Claims (9)
- 基材、離型層、表面保護層、プライマー層、及び装飾層をこの順に有する加飾用フィルムであって、
該表面保護層が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
該プライマー層がポリマーポリオールと、イソシアネート系硬化剤と、ガラス転移温度Tgが77℃以下のバインダー樹脂とを含むプライマー層形成用樹脂組成物の硬化物からなり、
該バインダー樹脂の含有量が該ポリマーポリオールと該バインダー樹脂との合計に対して10〜60質量%である加飾用フィルム。 - 前記ポリマーポリオールのガラス転移温度Tgが80℃以上である請求項1に記載の加飾用フィルム。
- 前記バインダー樹脂のガラス転移温度Tgが60℃以下である請求項1又は2に記載の加飾用フィルム。
- 前記イソシアネート系硬化剤が無黄変型イソシアネート化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の加飾用フィルム。
- 前記基材のヘイズ値Hが、0.5≦H≦3.0を満たす請求項1〜4のいずれかに記載の加飾用フィルム。
- 前記装飾層は、国際証明委員会1976に規定されるL*a*b*表色系によるL*が65以下で表される色である請求項1〜5のいずれかに記載の加飾用フィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の加飾用フィルムを用いて樹脂成形体の表面を加飾して形成される加飾成形品の製造方法であって、
(I)該加飾用フィルムの基材側を金型内面の形状に沿うように金型内面に密着させて型締する工程、
(II)該樹脂成形体を形成する樹脂を金型内に射出する工程、
(III)該樹脂成形体が冷却した後に該金型から該加飾用フィルムと一体化された樹脂成形体を取り出す工程、
(IV)該加飾用フィルムと一体化された樹脂成形体から基材及び離型層を剥離する工程
を有する加飾成形品の製造方法。 - 樹脂成形体、接着剤層、装飾層、プライマー層、表面保護層、離型層、基材を順に有し、
該プライマー層がポリマーポリオールと、イソシアネート系硬化剤と、ガラス転移温度Tgが77℃以下のバインダー樹脂とを含むプライマー層形成用樹脂組成物の硬化物からなり、
該バインダー樹脂の含有量が該ポリオールと該バインダー樹脂との合計に対して10〜60質量%であり、
該表面保護層が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる、
基材付き加飾成形品。 - 樹脂成形体、接着剤層、装飾層、プライマー層、表面保護層を順に有し、
該プライマー層がポリマーポリオールと、イソシアネート系硬化剤と、ガラス転移温度Tgが77℃以下のバインダー樹脂とを含むプライマー層形成用樹脂組成物の硬化物からなり、
該バインダー樹脂の含有量が該ポリオールと該バインダー樹脂との合計に対して10〜60質量%であり、
該表面保護層が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる、
加飾成形品。
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