JP6815306B2 - 加飾フィルムの製造方法及び加飾成形フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、加飾フィルムの製造方法及び加飾成形フィルムの製造方法に関する。
樹脂成型体の表面に加飾フィルムを配置して、表面を所望の色相に着色したり、表面に所望の模様を設けたりした加飾成型体が知られている。
加飾成型体は、例えば、金型内に加飾成形フィルムを予め配置して、その金型内に基材樹脂を射出成形することにより得られ、樹脂成型体の表面に加飾フィルムが一体化された構造を有する。
本開示において、加飾成形フィルムとは、成形用基材に加飾フィルムが貼り付けられたものをいう。
ここで、金型内に加飾成形フィルムを予め配置した後、基材樹脂の射出成形を行うことを、一般に、フィルムインサート成形、或いは、単にインサート成形と称することがある。
また、加飾成形体は、成形後の成形体に加飾フィルムを張り付けることにより製造してもよい。
このような加飾成形フィルムの例として、特許文献1には、少なくとも、第1の基材層、離型層、保護層、および第2の基材層が順に積層された加飾シートであって、JIS B0601:2001に基づいて、カットオフ値を0.8mmとして、上記加飾シートが被転写体へ転写された場合の転写層の表面を測定したときの凹凸の平均間隔Smが、上記転写層の表面の少なくとも一部の領域において、0.05mm以上0.20mm以下である、加飾シートが記載されている。
特開2017−047597号公報
近年、求められる加飾成形体の多様化に伴い、加飾成形体の製造における加飾フィルムの用途も多様化している。このような用途の多様化に伴い、ふき取り耐性及び意匠性に優れ、得られる加飾成形フィルムの耐熱性に優れる加飾フィルムが求められている。
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、ふき取り耐性及び意匠性に優れ、得られる加飾成形フィルムの耐熱性に優れる加飾フィルムの製造方法及び上記加飾フィルムを用いた加飾成形フィルムの製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 仮支持体上に、有機溶剤及び着色剤を含む着色層形成用組成物を付与し、上記有機溶剤の少なくとも一部を除去して着色層を形成する工程と、
形成された上記着色層に接触するように透明フィルムをラミネートし積層体を得る工程と、
得られた上記積層体から上記仮支持体を剥離する工程と、
上記仮支持体を剥離した面に粘着層を形成する工程と、を含む、
加飾フィルムの製造方法。
<2> 上記着色層の厚さが3μm以上である、上記<1>に記載の加飾フィルムの製造方法。
<3> 上記着色剤が顔料である、上記<1>又は<2>に記載の加飾フィルムの製造方法。
<4> 上記着色層形成用組成物が、ウレタン骨格、及び、炭素数2又は3のアルキレンオキサイド基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の部分構造と、2つ又は3つの重合性基とを有する重合性化合物を含有する、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の加飾フィルムの製造方法。
<5> 上記着色層を形成する工程における着色層形成用組成物の付与が、エクストルージョンコーター、カーテンフローコーター、又はバーコーターによる付与である、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の加飾フィルムの製造方法。
<6> 上記仮支持体が、ポリエチレンテレフタレートである、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の加飾フィルムの製造方法。
<7> 上記透明フィルムが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、又は、ポリエチレンテレフタレート樹脂を、透明フィルムに含まれる全樹脂成分に対して、60質量%以上含有する、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の加飾フィルムの製造方法。
<8> 上記積層体が、上記透明フィルムにおける着色層と接する面と反対側の面に樹脂層を有する、上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の加飾フィルムの製造方法。
<9> 上記樹脂層の屈折率が、透明フィルムの屈折率よりも低い、上記<8>に記載の加飾フィルムの製造方法。
<10> 上記樹脂層が、中空シリカ粒子を含み、上記中空シリカ粒子の含有量が上記樹脂層の全質量に対して40質量%〜90質量%である、上記<8>又は<9>に記載の加飾フィルムの製造方法。
<11> 上記透明フィルムと、上記樹脂層の間に、第二の樹脂層を有する、上記<8>〜<10>のいずれか1つに記載の加飾フィルムの製造方法。
<12> <1>〜<11>のいずれか1つに記載の加飾フィルムの製造方法により得られた加飾フィルムにおける粘着層を、成形用基材に貼り付ける工程を含む
加飾成形フィルムの製造方法。
本発明の実施形態によれば、ふき取り耐性及び意匠性に優れ、得られる加飾成形フィルムの耐熱性に優れる加飾フィルムの製造方法及び上記加飾フィルムを用いた加飾成形フィルムの製造方法を提供することができる。
本開示に係る加飾フィルムの製造方法において、透明フィルムをラミネートし積層体を得る工程を終えた時点における積層体の層構成の一例を示す概略断面図である。 本開示に係る加飾フィルムの製造方法において製造される加飾フィルムの一例を示す概略断面図である。 本開示に係る加飾フィルムの製造方法において製造される加飾フィルムを用いて製造される加飾成形フィルムの一例を示す概略断面図である。
以下、本開示に係る加飾フィルムの製造方法の一実施形態について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本開示における基(原子団)の表記について、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。また、本明細書中における「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
本開示における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光: Extreme Ultraviolet)、X線、及び電子線(EB:Electron Beam)等を意味する。本明細書中における「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。
本開示における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、及びEUV光等による露光のみならず、電子線、及びイオンビーム等の粒子線による露光も含む。
本開示において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本開示において、(メタ)アクリレートはアクリレート及びメタクリレートを表し、(メタ)アクリルはアクリル及びメタクリルを表す。
本開示において、樹脂成分の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分散度(分子量分布ともいう)(Mw/Mn)は、GPC(Gel Permeation Chromatography)装置(東ソー(株)製HLC−8120GPC)によるGPC測定(溶媒:テトラヒドロフラン、流量(サンプル注入量):10μL、カラム:東ソー(株)製TSK gel Multipore HXL−M、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/分、検出器:示差屈折率検出器(Refractive Index Detector))によるポリスチレン換算値として定義される。
本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する該当する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「全固形分」とは、組成物の全組成から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また、「固形分」とは、上述のように、溶剤を除いた成分であり、例えば、25℃において固体であっても、液体であってもよい。
本明細書において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(加飾フィルムの製造方法)
本開示に係る加飾フィルムの製造方法は、仮支持体上に、有機溶剤及び着色剤を含む着色層形成用組成物を付与し、上記有機溶剤の少なくとも一部を除去して着色層を形成する工程と、形成された上記着色層に接触するように透明フィルムをラミネートし積層体を得る工程と、得られた上記積層体から上記仮支持体を剥離する工程と、上記仮支持体を剥離した面に粘着層を形成する工程と、を含む。
本開示に係る加飾フィルムは、例えば、粘着層を後述する成形用基材に貼り付けて加飾成形フィルムとする、粘着層を成形体に貼り付けて加飾成形体にする、という用途に用いられる。
本発明者らは、鋭意検討した結果、本開示に係る加飾フィルムの製造方法によれば、ふき取り耐性及び意匠性に優れ、得られる加飾成形フィルムの耐熱性に優れる加飾フィルムが得られることを見出した。
上記効果が得られる詳細な機序は不明であるが、以下のように推測している。
加飾成形フィルムの製造において、意匠性及びふき取り耐性の確保のため、樹脂フィルム等の成形用基材に着色層を形成し、着色層上に透明フィルムをラミネートすることが行われる場合がある。
本開示において、意匠性とは、加飾フィルム(又は加飾成形フィルム)をフィルム面に対して垂直の角度から視認した場合と、45°の角度から視認した場合とで、色味の変化が小さいことをいう。
また、ふき取り耐性とは、加飾フィルム(又は加飾成形フィルム)表面をふき取った場合に傷がつきにくい性質をいう。
ここで、本発明者らは、加飾成形フィルムの製造において、上記着色層上に透明フィルムをラミネートした場合に、加飾成形フィルムの耐熱性が低下する場合があることを見出した。
着色層上に透明フィルムをラミネートした場合、着色層形成用組成物に含まれる有機溶剤が樹脂フィルム等の成形用基材に浸透する等により、着色層の形成後にも、成形用基材上又は成形用基材中等に有機溶剤が残留してしまう場合があると考えられる。
このような、有機溶剤が残留した成形用基材を有する加飾成形フィルムは、成形加工時の加熱や、成形体としての使用時の加熱における耐熱性が低く、かつ、成形後の意匠性が低下すると推測される。
しかし、本開示に係る加飾フィルムの製造方法によれば、まずは仮支持体上に、有機溶剤の少なくとも一部を除去して着色層を形成し、仮支持体を剥離してから粘着層を有する樹脂フィルムをラミネートして加飾フィルムが製造される。すなわち、仮支持体上又は仮支持体中に有機溶剤が残留したとしても、その仮支持体は加飾成形フィルムの製造時には剥離され、別の成形用基材がラミネートされる。そのため、本開示に係る加飾フィルムの製造方法により得られる加飾フィルムは、透明フィルムがラミネートされているためにふき取り耐性及び意匠性に優れ、かつ、上記加飾フィルムを用いて、粘着層を成形用基材に貼り付けて製造した加飾成形フィルムにおいては、成形用基材における有機溶剤の残留が抑制されるため成形時の熱による発砲抑制、および成形体の耐熱性に優れると考えられる。
以下、本開示に係る樹脂フィルムの製造方法に含まれる各工程について説明する。
<着色層を形成する工程>
本開示に係る加飾フィルムの製造方法は、仮支持体上に、有機溶剤及び着色剤を含む着色層形成用組成物を付与し、上記有機溶剤の少なくとも一部を除去して着色層を形成する工程を含む。
〔仮支持体〕
仮支持体としては、特に制限なく公知の樹脂フィルムが使用され、可撓性を有し、かつ、加圧下、又は、加圧及び加熱下において、著しい変形、収縮又は伸びを生じないフィルムを好適に用いることができる。
仮支持体としては、シクロオレフィンコポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム等の樹脂フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
また、仮支持体の着色層からの離型性が優れる点から、離型層付き有機フィルムがより好ましい。
仮支持体の市販品としては、例えば、「ユニピール(登録商標)」シリーズ(ユニチカ株式会社製)、「セラピール(登録商標)」シリーズ(東レフィルム加工株式会社製)等の離型層付きPETフィルムなどが挙げられる。
−剥離層−
仮支持体は、着色層からの剥離性の向上のため、剥離層を有することが好ましい。
剥離層としては、特に限定されず、転写フィルム等の分野で公知の剥離層を使用することが可能である。
剥離層としては、例えば、熱可塑性樹脂を含む層が挙げられ、特許第4502784号公報の段落0026に記載の熱可塑性樹脂層等が剥離層として好適に用いられる。
仮支持体が剥離層を有する場合、着色層を形成する工程において、着色層は剥離層上に形成されることが好ましい。
−全光透過率−
本開示において用いられる仮支持体は、後述する露光工程において仮支持体側から露光を行う場合には、全光透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
全光透過率は、分光光度計(例えば、(株)島津製作所製、分光光度計UV−2100)により測定することができる。
〔着色層形成用組成物〕
本開示において用いられる着色層形成用組成物(単に「着色層形成用組成物」ともいう。)は、有機溶剤及び着色剤を含む。
また、着色層形成用組成物は、その他の成分を更に含んでもよい。
以下、着色層形成用組成物に含まれる各成分について説明する。
着色層形成用組成物は、下記有機溶剤と、着色剤、及び、後述する着色層に含まれる成分と、を混合することにより調製することができる。
また、着色層形成用組成物が着色剤として顔料を含む場合、予め、顔料とその分散剤とを含む顔料分散液を調製しておき、この顔料分散液を用いて、着色層形成用組成物を調製することが、顔料の均一分散性、及び分散安定性をより高める観点から好ましい。
着色層を形成する工程において、着色層形成用組成物は、上記方法により予め調製したものを使用してもよいし、市販品等を使用してもよいし、着色層を形成する工程において着色層形成用組成物を調製する工程を更に含んでもよい。
−有機溶剤−
有機溶剤としては、通常用いられる有機溶剤を特に制限なく用いることができる。具体的には、例えば、エステル類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素類等の有機溶剤が挙げられる。
また、米国特許出願公開第2005/282073A1号明細書の段落0054、0055に記載のSolventと同様のメチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、及び乳酸メチル等も、着色層形成用組成物における有機溶剤として好適に用いることができる。
中でも、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(エチルカルビトールアセテート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ブチルカルビトールアセテート)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、及びメチルエチルケトン等が着色層形成用組成物における有機溶剤として好ましく用いられる。
これらの有機溶剤は、1種単独でも或いは2種以上を併用してもよい。
また、有機溶剤の含有量は、着色層形成用組成物(塗布液)の全質量に対して、30質量%〜70質量%が好ましい。
−着色層に含まれる成分−
以下、着色層に含まれる成分の詳細について記載する。
着色層に含まれる成分の含有量については、着色層の全質量に対する含有量(質量%)として記載されているが、これらの成分が着色層形成用組成物に含まれる場合、その含有量を、着色層形成用組成物の全固形分に対する含有量(質量%)と読み替えるものとする。
本開示における全固形分とは、組成物における溶剤等の揮発性成分を除いた成分の総量である。
<<着色剤>>
着色剤としては、特に制限はなく、目的とする色相の着色剤を適宜選択して用いることができる。
着色剤としては、顔料、染料等が挙げられ、顔料が好ましい。
また、顔料は粒子形状の顔料であることが好ましい。
顔料としては、従来公知の種々の無機顔料及び有機顔料を用いることができる。
無機顔料としては、例えば、特開2005−7765号公報の段落0015及び段落0114に記載の白色顔料が挙げられる。
具体的な無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、及び硫酸バリウムなどの白色顔料、並びに、カーボンブラック、チタンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、及び黒鉛などの黒色顔料が挙げられる。
例えば、酸化鉄、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、等の公知の有彩色顔料も使用できる。
有機顔料としては、例えば、特開2009−256572号公報の段落0093に記載の有機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 177、179、224、242、254、255、264等の赤色顔料、C.I.Pigment Yellow 138、139、150、180、185等の黄色顔料、C.I.Pigment Orange 36、38、71等の橙色顔料、C.I.Pigment Green 7、36、58等の緑色顔料、C.I.Pigment Blue 15:6等の青色顔料、C.I.Pigment Violet 23等の紫色顔料が挙げられる。
その他、顔料としては、光透過性及び光反射性を有する顔料(所謂、光輝性顔料)の粒子を含んでいてもよい。
上記光輝性顔料は、後述する露光する工程を含む場合には、露光による硬化を妨げない範囲において用いられることが好ましい。
これらの無機顔料及び有機顔料は、それぞれ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、無機顔料の粒子と有機顔料の粒子とを併用してもよい。
本工程において形成される着色層中の顔料粒子の含有量は、目的とする色相の発現(例えば、白化の抑制)、着色層の金型に対する形状追従性の維持等の点から、着色層の全質量に対して、1質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜50質量%がより好ましく、10質量%〜40質量%が更に好ましい。
ここで、本開示における「白化」とは、着色層が、マット感が付与されたような白っぽい色味を呈するように変化することを指す。
−重合性化合物−
本開示において用いられる着色層は、重合性化合物を含むことが好ましい。
重合性化合物としては、ウレタン骨格、ウレア骨格、炭素数2又は3のアルキレンオキサイド基、及び炭素数6〜12の炭化水素基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の部分構造と、2つ又は3つの重合性基と、を有する重合性化合物(以下、「特定重合性化合物」ともいう)が好ましく、ウレタン骨格、及び、炭素数2又は3のアルキレンオキサイド基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の部分構造と、2つ又は3つの重合性基とを有する重合性化合物がより好ましい。
部分構造と重合性基との間には、必要に応じて、連結基を有していてもよい。また、特定重合性化合物は、ウレタン骨格、ウレア骨格、炭素数2又は3のアルキレンオキサイド基、及び炭素数6〜12の炭化水素基からなる群より選択される二種以上の部分構造を有していてもよい。
本開示において、ウレタン骨格とは、>N−C(=O)−O−で表されるウレタン結合を含む骨格を指し、ウレア骨格とは、>N−C(=O)−N<で表されるウレア結合(尿素結合ともいう)を含む骨格を指す。
また、重合性基としては、エチレン性不飽和基、エポキシ基等が挙げられ、硬化性等の観点から、ラジカル重合性基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
<<ウレタン骨格と2つ又は3つの重合性基とを有する重合性化合物>>
ウレタン骨格と2つ又は3つの重合性基とを有する重合性化合物(以下、「特定重合性化合物1」と称することがある)としては、ウレタンオリゴマーが好ましい。
ウレタンオリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、脂肪族系ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族系ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
詳しくは、オリゴマーハンドブック(古川淳二監修、(株)化学工業日報社)を参照することができ、ここに記載のウレタンオリゴマーは、目的に応じて適宜選択し、本工程における着色層の形成に用いることができる。
特定重合性化合物1であるウレタンオリゴマーの分子量は、800〜2000であることが好ましく、1000〜2000であることがより好ましい。
特定重合性化合物1であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、市販品を用いてもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品としては、例えば、新中村化学工業(株)のU−2PPA、UA−122P、等;サートマー・ジャパン(株)のCN964A85、CN964、CN959、CN962、CN963J85、CN965、CN982B88、CN981、CN983、CN991、CN991NS、CN996、CN996NS、CN9002、CN9007、CN9178、CN9893;ダイセル・オルネクス(株)のEBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL284、EBECRYL4858、EBECRYL210、EBECRYL8402、EBECRYL8804、EBECRYL8800−20R等(以上、商品名)が挙げられる。
「EBECRYL」はいずれも登録商標である。
<<ウレア骨格と2つ又は3つの重合性基とを有する重合性化合物>>
ウレア骨格と2つ又は3つの重合性基とを有する重合性化合物(以下、「特定重合性化合物2」と称することがある)としては、>N−C(=O)−N<で表されるウレア結合と2つ又は3つのエチレン性不飽和基とを有するモノマーが挙げられる。
ウレア結合と2つ又は3つのエチレン性不飽和基とを有するモノマーとして、具体的には、例えば、エチレン性不飽和基を有するイソシアネート化合物とアミン化合物とを反応させて得られた合成物が挙げられる。
エチレン性不飽和基を有するイソシアネートとしては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(市販品であれば、昭和電工(株)のカレンズMOI(登録商標))、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのイソシアネート基をメチルエチルケトンオキシムでブロックしたもの(メタクリル酸2−(O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、市販品であれば、昭和電工(株)のカレンズMOI−BM(登録商標))、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのイソシアネート基をピラゾールでブロックしたもの(2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート、市販品であれば、昭和電工(株)のカレンズMOI−BP(登録商標))等を用いることができる。
また、アミン化合物としては、例えば、2つ以上の活性水素原子を有するアミン化合物、具体的には、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等を用いることができる。
なお、特定重合性化合物2は、この方法により得られるものに限定されない。
特定重合性化合物2の具体例としては、エトキシ化イソシアヌル酸ジアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
ここで、エトキシ化イソシアヌル酸ジアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、及びε−カプロラクトン変性トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートは、エチレンオキサイド基を有する化合物でもある。
特定重合性化合物2は、市販品として入手可能である。
市販品の具体例としては、例えば、新中村化学工業(株)のNKエステルA−9300、A−9300−1CL;東亞合成(株)のアロニックス(登録商標)M−215、313、315(以上、商品名)等を挙げることができる。
<<炭素数2又は3のアルキレンオキサイド基と2つ又は3つの重合性基とを有する重合性化合物>>
炭素数2又は3のアルキレンオキサイド基と2つ又は3つの重合性基とを有する重合性化合物(以下、「特定重合性化合物3」と称することがある)は、1分子内に、例えば、エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基を1つ以上有し、かつ、重合性基を分子末端に2つ又は3つ有する。
ここで、特定重合性化合物3における重合性基としては、例えば、アクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイルオキシ基及びメタアクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性不飽和基が挙げられる。
特定重合性化合物3の具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化グリセリントリメタクリレート等が挙げられる。
これらの化合物が有するエチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基の数は、金型に対する形状追従性がより良好となるという観点から、3以上が好ましく、9〜40が好ましく、15〜30がより好ましい。
また、金型に対する形状追従性が更に良好となる観点から、特定重合性化合物3は、エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基を2つ以上繰り返して有する、エチレンオキサイド鎖又はプロピレンオキサイド鎖を有することが好ましい。エチレンオキサイド鎖又はプロピレンオキサイド鎖におけるエチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基の好ましい繰り返し数は3以上であり、5以上が特に好ましい。
特定重合性化合物3は、市販品として入手が可能である。
市販品の具体例としては、例えば、新中村化学工業(株)のNKエステルA−200、A−400、A−600、A−1000、1G、2G、3G、4G、9G、14G、23G、ABE−300、A−BPE−4、A−BPE−6、A−BPE−10、A−BPE−20、A−BPE−30、BPE−80N、BPE−100N、BPE−200、BPE−500、BPE−900、BPE−1300N、A−GLY−3E、A−GLY−9E、A−GLY−20E、A−TMPT−3EO、A−TMPT−9EO;日本化薬(株)のPEG400DA;東亞合成(株)のアロニックス(登録商標)M−220、M−350;サートマー・ジャパン(株)のSR415、SR454、SR9035(以上、商品名)等を挙げることができる。
<<炭素数6〜12の炭化水素基と2つ又は3つの重合性基とを有する重合性化合物>>
炭素数6〜12の炭化水素基と2つ又は3つの重合性基とを有する重合性化合物(以下、「特定重合性化合物4」と称することがある)は、炭素数が6〜12であって、鎖状、環状、分岐状のいずれかの炭化水素基と、2つ又は3つの重合性基と、を有する。
ここで、特定重合性化合物4における炭化水素基としては、具体的には、炭素数6〜12の炭化水素鎖であり、直鎖でも、分岐があってもよい。
中でも、金型に対する形状追従性がより良好となるという観点から、炭化水素基としては、直鎖のものが好ましい。
また、重合性基としては、重合性基としては、例えば、アクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイルオキシ基及びメタアクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性不飽和基が挙げられる。
特定重合性化合物4の具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFのジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記化合物の中でも、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
本工程において用いられる重合性化合物としては、加熱時の柔軟性が高められる等により、立体成型性を向上させる観点から、ウレタン骨格及び炭素数2又は3のアルキレンオキサイド基からなる群より選択される少なくとも一種の部分構造と2つ又は3つの重合性基とを有する重合性化合物であることが好ましい。
本工程において形成される着色層は、特定重合性化合物以外の、その他の重合性化合物を含んでいてもよい。
その他の重合性化合物としては、特定重合性化合物と同様の重合性基を含む化合物であれば、特に制限なく用いることができる。
本工程において用いられる重合性化合物の含有量は、層間密着性の向上、着色層の柔軟性付与の点から、着色層の全質量に対して、10質量%〜50質量%であることが好ましく、20質量%〜40質量%であることが更に好ましい。
特定重合性化合物及びその他の重合性化合物は、それぞれ、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本開示において用いられる重合性化合物は、それぞれ、分子量(分子量分布を有する場合は重量平均分子量)が200〜3,000であることが好ましく、250〜2,600であることがより好ましく、280〜2,200であることが特に好ましい。
−分散剤−
着色層に含まれる顔料の分散性を向上する観点から、着色層は分散剤を含有してもよい。
分散剤を含むことにより、形成される着色層における顔料の分散性が向上し、得られる加飾フィルムにおける色相の均一化が図れる。
分散剤としては、シリコーンポリマー、アクリルポリマー、ポリエステルポリマー等が挙げられ、顔料の種類、形状などに応じて適宜選択して用いることができる。
加飾フィルムに耐熱性を付与したい場合には、例えば、グラフト型シリコーンポリマー等のシリコーンポリマーが好適である。
分散剤の重量平均分子量としては、1,000〜5,000,000であることが好ましく、2,000〜3,000,000であることがより好ましく、2,500〜3,000,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が1,000以上であると、顔料の分散性がより向上する。
分散剤としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、BASFジャパン社のEFKA 4300(アクリル系高分子分散剤)、花王(株)のホモゲノールL−18、ホモゲノールL−95、ホモゲノールL−100、日本ルーブリゾール(株)の、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ビックケミー・ジャパン(株)の、DISPERBYK−110、DISPERBYK−164、DISPERBYK−180、DISPERBYK−182等が挙げられる。
なお、「ホモゲノール」、「ソルスパース」、及び「DISPERBYK」はいずれも登録商標である。
着色層が分散剤を含む場合、分散剤は、1種のみを含んでもよく、2種以上を含んでもよい。
分散剤の含有量は、顔料粒子100質量部に対して、1質量部〜30質量部であることが好ましい。
−重合開始剤−
着色層は、硬化感度を上げ、層間密着性を更に向上させるため、重合開始剤を含んでいることが好ましい。
重合開始剤としては、露光に対する感度を高める点から、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、特開2011−95716号公報の段落0031〜0042に記載の重合開始剤、特開2015−014783号公報の段落0064〜0081に記載のオキシム系重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤として具体的には、例えば、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)](例えば、IRGACURE(登録商標)OXE−01、BASF社)、エタン−1−オン,[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)(例えば、IRGACURE(登録商標)OXE−02、BASF社)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(例えば、IRGACURE(登録商標)379EG、BASF社)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(例えば、IRGACURE(登録商標)907、BASF社)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(例えば、IRGACURE(登録商標)127、BASF社)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(例えば、IRGACURE(登録商標)369、BASF社)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(例えば、IRGACURE(登録商標)1173、BASF社)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(例えば、IRGACURE(登録商標)184、BASF社)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(例えば、IRGACURE(登録商標)651、BASF社)、オキシムエステル系重合開始剤である商品名:Lunar 6(DKSHジャパン(株))、2,4−ジエチルチオキサントン(例えば、カヤキュアDETX−S、日本化薬(株))、フルオレンオキシム系重合開始剤であるDFI−091、DFI−020(ともにダイトーケミックス社)が挙げられる。
中でも、トリクロロメチルトリアジン系化合物などのハロゲン含有重合開始剤以外の他の開始剤を用いることが硬化感度を高める観点から好ましく、α−アミノアルキルフェノン系化合物、α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、オキシムエステル系化合物などのオキシム系重合開始剤がより好ましい。
重合開始剤の含有量は、重合性化合物100質量部に対し、0.1質量部〜15質量部であることが好ましく、0.5質量部〜10質量部であることがより好ましい。
−バインダー樹脂−
本工程において形成される着色層は、着色層の硬化収縮を低減させる等の観点から、バインダー樹脂を含んでいることが好ましい。
バインダー樹脂としては、特に制限されず、公知の樹脂を適宜選択できる。バインダー樹脂としては、目的とする色相を得る点から、透明な樹脂であることが好ましく、具体的には、全光透過率が80%以上の樹脂が好ましい。
全光透過率は、分光光度計(例えば、(株)島津製作所製、分光光度計UV−2100)により測定することができる。
バインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、及びオレフィン樹脂が挙げられる。
中でも、透明性の観点から、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、及びエステル樹脂が好ましく、アクリル樹脂、及びシリコーン樹脂がより好ましい。更に、耐熱性の観点からは、シリコーン樹脂が好ましい。
本開示において「アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマーに由来の構造単位を含む樹脂を指す。(メタ)アクリロイル基とは、メタクリロイル基及びアクリロイル基を包含する概念である。
アクリル樹脂には、例えば、アクリル酸の単独重合体、メタクリル酸の単独重合体、アクリル酸エステルの単独重合体、メタクリル酸エステルの単独重合体、アクリル酸と他のモノマーとの共重合体、メタクリル酸と他のモノマーとの共重合体、アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体、メタクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体、ウレタン骨格を側鎖に有するウレタン変性の共重合体などが包含される。
アクリル樹脂としては、シクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体のグリシジルメタクリレート付加物、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸のランダム共重合体、アリルメタクリレート/メタクリル酸の共重合体、及びベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体などが挙げられる。
シリコーン樹脂としては、公知のシリコーン樹脂から選択でき、例えば、メチル系ストレートシリコーン樹脂、メチルフェニル系ストレートシリコーン樹脂、アクリル樹脂変性シリコーン樹脂、エステル樹脂変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂、アルキッド樹脂変性シリコーン樹脂及びゴム系のシリコーン樹脂が挙げられる。
中でも、メチル系ストレートシリコーン樹脂、メチルフェニル系ストレートシリコーン樹脂、アクリル樹脂変性シリコーン樹脂、及びゴム系のシリコーン樹脂が好ましく、メチル系ストレートシリコーン樹脂、メチルフェニル系ストレートシリコーン樹脂、及びゴム系のシリコーン樹脂がより好ましい。
シリコーン樹脂は市販品を用いてもよく、市販品としては、信越化学工業(株)のKR−300、KR−311、KR−251、X−40−2406M、KR−282等が挙げられる。
エステル樹脂としては、例えば、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルが挙げられる。
線状飽和ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。
バインダー樹脂の含有量は、着色層の硬化収縮を低減させる点から、着色層の全質量に対して、5質量%〜70質量%が好ましく、10質量%〜60質量%がより好ましく、20質量%以上60質量%が更に好ましい。
また、特定重合性化合物を含む重合性化合物の総量に対するバインダー樹脂の総量の割合、即ち、重合性化合物の総量/バインダー樹脂の総量は、0.3〜1.5が好ましく、0.5〜1.0がより好ましい。
−その他の成分−
本工程で形成する着色層は、上記の成分以外にも、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、例えば、特許第4502784号公報の段落0017、特開2009−237362号公報の段落0060〜0071に記載の界面活性剤、特許第4502784号公報の段落0018に記載の熱重合防止剤(重合禁止剤ともいう。好ましくはフェノチアジン)、更に、特開2000−310706号公報の段落0058〜0071に記載のその他の添加剤が挙げられる。
〔着色層の形成〕
着色層の形成方法は、有機溶剤及び着色剤を含む着色層形成用組成物を付与し、上記有機溶剤の少なくとも一部を除去して着色層を形成する方法であれば、特に限定されない。
着色層は、仮支持体の一方の面上に形成されることが好ましい。
以下、着色層形成用組成物の付与方法及び有機溶剤の除去方法の詳細について説明する。
−着色層形成用組成物の付与方法−
着色層形成用組成物を仮支持体に付与する方法としては、塗布法(印刷法も含む)、LB膜(Langmuir−Blodgett膜)法、自己組織化法等を用いることができ、塗布法を用いることが好ましい。
中でも、着色層形成用組成物を仮支持体に付与する方法としては、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、エクストルージョンコーター、カーテンフローコーター、スプレー塗布等の公知の塗布装置、及び、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷などの印刷装置を用いることが好ましい。
特に、仮支持体の一部に着色層を形成する態様の場合には、印刷装置を用いることが好ましい。具体的には、例えば、仮支持体の面における一部の領域のみ着色層を連続して形成する態様、ストライプ、ドッド、不定形などの柄で着色層を仮支持体の全面に亘り繰り返し文様の形態で形成する態様、文字、特定の絵柄などを仮支持体の一部に形成する態様などが挙げられる。
中でも、着色層の面状の均一性を高め、層間密着性をより高める点からは、面状塗布が行え、塗膜面との直接の接触がない、エクストルージョンコーター、カーテンフローコーター、又は、バーコーターを用いることが好ましい。
つまり、本工程は、エクストルージョンコーター、カーテンフローコーター、及びバーコーターから選択されるいずれかの塗布手段にて、仮支持体の面上に着色層形成用組成物の塗膜を形成した後、塗膜から有機溶剤の少なくとも一部を除去する工程であることが好ましい。この工程では、着色層形成用組成物を塗布液として用いればよく、形成された塗膜から有機溶剤の少なくとも一部が除去された層が着色層となる。
なお、着色層は、単層であってもよく、2層以上の複数の層からなる積層構造であってもよい。
着色層が、複数の層からなる積層構造を有する場合、着色層を構成する複数の層は、着色剤の種類及び着色剤の含有量の少なくともいずれかが互いに異なる層であることが好ましい。
積層構造によれば、例えば、複数の層が互いに色相の異なる着色剤を含有する場合には、複雑な色味を有する外観を呈することができる。また、例えば、同一の着色剤の含有量が互いに異なる着色層を積層することで、単一の色相であっても、より深みのある色味を表現することができる。
複数の着色層のうち、いずれかの着色層を部分的に設けて、他の着色層を全面に設けることもできる。
−有機溶剤の少なくとも一部を除去する方法−
有機溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、特に限定されず、例えば公知の乾燥方法が用いられる。
具体的には、乾燥方法としては、例えば、大気中に静置して自然乾燥させる方法、ホットプレート、オーブン等の装置を用いて加熱して乾燥させる方法、ドライヤーなどの乾燥機で温風又は熱風を供給して乾燥させる方法、減圧下において乾燥させる方法等が挙げられる。
<<着色層の厚さ>>
本工程において形成される着色層の厚さ(即ち、着色層形成用組成物の付与及び有機溶剤の少なくとも一部の除去後の厚さ)は、ラミネートの際に気泡が入ることを抑制し易い点、応力が緩和され、金型に対する形状追従性を高める点等から、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることが更に好ましい。
着色層の厚さの上限は特に限定されないが、100μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがより好ましい。
なお、着色層が複数の層を含む積層構造である場合には、複数の着色層の総厚さが上記範囲であることが好ましい。
<<着色層上のカバーフィルム>>
また、着色層を形成する工程においては、着色層の形成後に、汚れの防止等を目的として、着色層上にカバーフィルムを張り付けてもよい。
カバーフィルムとしては、可撓性を有し、剥離性が良好な材料であれば特に制限なく使用され、ポリエチレンフィルム等の樹脂フィルム等が挙げられる。
カバーフィルムの貼り付け方法としては、特に制限されず、公知の貼り付け方法が挙げられ、カバーフィルムを着色層上にラミネートする方法等が挙げられる。
<積層体を得る工程>
本開示に係る加飾フィルムの製造方法は、形成された上記着色層に接触するように透明フィルムをラミネートし積層体を得る工程を含む。
ここで、本開示における「ラミネート」とは、着色層と透明フィルムとの間に気泡が入りにくいよう、着色層に接触するように透明フィルムを貼り合わせることを指し、気泡の混入の抑制、及び着色層と透明フィルムとの密着性の向上の点からは、加熱及び加圧の少なくとも一方を使用した貼り合わせであることが好ましい。
〔透明フィルム〕
透明フィルムとしては、必要な強度と耐傷性とを有する透明フィルムであれば特に制限されない。
本開示において、透明フィルムにおける「透明」とは、全光透過率が85%以上であることを指す。透明フィルムの全光透過率は、既述の仮支持体の全光透過率と同様の方法により測定することができる。
透明フィルムは、透明な樹脂を製膜して得られたフィルムが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)等の樹脂を含む樹脂フィルムが挙げられる。
特に、金型に対する形状追従性の点から、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、又はポリエチレンテレフタレート樹脂を、透明フィルムに含まれる全樹脂成分に対して60質量%以上(より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは100質量%)含む樹脂フィルムが好ましい。特に、アクリル樹脂を透明フィルムに含まれる全樹脂成分に対して60質量%以上(より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは100質量%)含む樹脂フィルムがより好ましい。
また、透明フィルムの厚さは、50μm〜150μmが好ましい。
透明フィルムとしては、市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、アクリプレン(登録商標)HBS010(アクリル樹脂フィルム、三菱ケミカル(株)製)、テクノロイ(登録商標)S001G(アクリル樹脂フィルム、住友化学(株)製)、C000(ポリカーボネート樹脂フィルム、住友化学(株)製)、C001(アクリル樹脂/ポリカーボネート樹脂積層フィルム、住友化学(株)製)等が挙げられる。
−樹脂層−
積層体は、透明フィルムにおける着色層と接する面と反対側の面に樹脂層を有することが好ましい。
樹脂層は、本開示に係る加飾フィルムの製造方法において透明フィルム上に形成されてもよいし、本開示に係る加飾フィルムの製造方法において樹脂層が予め形成された透明フィルムを使用してもよい。
樹脂層としては、加飾フィルムにおいて公知の層である、反射層、反射防止層、耐傷層、自己修復層、帯電防止層、防汚層、防電磁波層、導電性層などが挙げられる。
本開示に係る加飾フィルムの製造方法において透明フィルム上にこれらの樹脂層が形成される場合、これらの樹脂層は公知の方法により形成される。例えば、これらの樹脂層に含まれる成分を含む組成物(樹脂層形成用組成物)を透明フィルム上に付与し、乾燥する方法等が挙げられる。
上記樹脂層の形成は、透明フィルムをラミネートする前に行ってもよいし、ラミネートした後に行ってもよい。
<<樹脂層上のカバーフィルム>>
また、樹脂層を形成する場合、樹脂層の形成後に、汚れの防止等を目的として、樹脂層上にカバーフィルムを張り付けてもよい。
カバーフィルムとしては、可撓性を有し、剥離性が良好な材料であれば特に制限なく使用され、ポリエチレンフィルム等の樹脂フィルム等が挙げられる。
カバーフィルムの貼り付け方法としては、特に制限されず、公知の貼り付け方法が挙げられ、カバーフィルムを樹脂層上にラミネートする方法等が挙げられる。
<<屈折率>>
上記樹脂層の屈折率は、透明フィルムの屈折率よりも低いことが好ましい。樹脂層の屈折率が透明フィルムの屈折率よりも低いことにより、樹脂層は反射防止層として好適に使用される。
樹脂層の屈折率は、1.0〜1.5であることが好ましく、1.15〜1.45であることがより好ましい。
透明フィルムの屈折率の値と樹脂層の屈折率の値の差(透明フィルムの屈折率の値−樹脂層の屈折率の値)は、0.05〜0.5であることが好ましく、0.1〜0.4であることがより好ましい。
本開示において、屈折率は25℃における値である。
また、屈折率は、カルニュー精密屈折計(KPR−3000、(株)島津製作所)を用いて測定される550nmの波長の光に対する屈折率である。
このように、透明フィルムの着色層に接触する面とは反対の面上に反射防止層が設けられることで、外観の反射、特に透明フィルムによる正反射光が抑えられた加飾成型体が得られる。加飾成型体の外観の反射を抑えることで、反射光起因の白っぽくみえる色合いを抑えることができる。具体的には、例えば、黒色の着色層を有する場合、透明フィルムの着色層に接触する面とは反対の面上に反射防止層を設けることで、得られた加飾成型体の外観における漆黒(深みのある黒(真っ黒))感を高めることができる。
ここで、形成される反射防止層としては特に制限はなく、従来公知の、加飾フィルム用の反射防止層が適用できる。
反射防止層として、具体的には、入射光と反射光を打ち消し合わせ反射率を低減させる手法(AR:アンチリフレクティブ)を適用したものであってもよいし、透明基材(透明フィルム)の表面に微小突起群を配置することにより、反射防止を図る手法(モスアイ構造)を適用したものであってよい。
入射光と反射光を打ち消し合わせ反射率を低減させる手法の反射防止層は、例えば、アクリル樹脂等の透明な樹脂から選択されるバインダー樹脂と、バインダー樹脂となる透明な樹脂よりも屈折率が小さい素材(例えば、(中空)シリカ粒子、フッ素系素材等)と、を含む層であることが好ましい。ここで、透明な樹脂とは、例えば、全光透過率が80%以上の樹脂が好ましく挙げられる。
特に、樹脂層は、中空シリカ粒子を含み、上記中空シリカ粒子の含有量が上記樹脂層の全質量に対して40質量%〜90質量%であることが好ましく、40質量%〜80質量%であることがより好ましい。
中空シリカ粒子としては、特開2013−237593号公報、国際公開第2007/060884号などに記載される中空粒子などが挙げられる。
中でも、水性コート剤を用いて形成される膜の透明性が良好であるという観点からは、動的光散乱法により測定される平均一次粒子径が5nm〜200nmの範囲にある粒子が好ましい。平均一次粒子径は、10nm〜130nmの範囲であることがより好ましく、10nm〜75nmの範囲であることが更に好ましく、20nm〜70nmの範囲であることが最も好ましい。
なお、形成される樹脂層の材料、厚さ等の設計は、作製される加飾成型体に求められる外観、作製される加飾成型体の用途、製造適性等に応じて、適宜、決定すればよい。
樹脂層の厚さとしては、例えば、10nm〜100μmが挙げられる。
積層体は、透明フィルムにおける上記透明フィルムと、上記樹脂層の間に、第二の樹脂層を有することが好ましい。
第二の樹脂層は、ハードコート層であることが好ましい。
ハードコート層としては、例えば、特開2013−45045号公報、特開2013−43352号公報、特開2012−232459号公報、特開2012−128157号公報、特開2011−131409号公報、特開2011−131404号公報、特開2011−126162号公報、特開2011−75705号公報、特開2009−286981号公報、特開2009−263567号公報、特開2009−75248号公報、特開2007−164206号公報、特開2006−96811号公報、特開2004−75970号公報、特開2002−156505号公報、特開2001−272503号公報、国際公開第2012/018087号、国際公開第2012/098967号、国際公開第2012/086659号、国際公開第2011/105594号に記載のハードコート層を用いることができる。
ハードコート層の厚さは、ふき取り耐性がより良好となるとの観点から、5μm〜100μmの範囲であることが好ましい。
〔ラミネート〕
着色層に接触するように透明フィルムをラミネートする際に用いられる装置としては、ラミネーター、真空ラミネーター、及び、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネーターを使用することができる。
ラミネーターはゴムローラーなどの任意の加熱可能なローラーを備え、加圧及び加熱ができるものであることが好ましい。
ラミネーターからの加熱により、透明フィルム及び着色層の少なくとも一方が一部溶融し、着色層と透明フィルムとの間の密着性を更に高めることができる。
透明フィルムをラミネートする際の温度は、透明フィルムの材質及び着色層の溶融温度等に応じて決定されればよいが、透明フィルムの温度を、60℃〜150℃としうる温度であることが好ましく、65℃〜130℃としうる温度であることがより好ましく、70℃〜100℃としうる温度であることが特に好ましい。
また、透明フィルムをラミネートする際、透明フィルムと着色剤との間には、線圧60N/cm〜200N/cmをかけることが好ましく、線圧70N/cm〜160N/cmをかけることがより好ましく、線圧80N/cm〜120N/cmをかけることが特に好ましい。
以上のようにして、未硬化の着色層に直接透明フィルムが積層された、積層体が得られる。
<積層体から上記仮支持体を剥離する工程>
本開示に係る加飾フィルムの製造方法は、得られた上記積層体から上記仮支持体を剥離する工程を含む。
剥離方法としては、特に制限はなく、公知の方法により剥離すればよい。例えば、仮支持体の一部を指又はピンセット等の基材を用いて把持して剥離する方法が挙げられる。
<仮支持体を剥離した面に粘着層を形成する工程>
本開示に係る加飾フィルムの製造方法は、上記仮支持体を剥離した面に粘着層を形成する工程を含む。
〔粘着層〕
粘着層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる
例えば、公知の粘着剤又は接着剤を含む層が挙げられる。
−粘着剤−
粘着剤の例としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。また、粘着剤の例として、「剥離紙・剥離フィルムおよび粘着テープの特性評価とその制御技術」、情報機構、2004年、第2章に記載のアクリル系粘着剤、紫外線(UV)硬化型粘着剤、シリコーン粘着剤等が挙げられる。なお、アクリル系粘着剤とは、(メタ)アクリルモノマーの重合体((メタ)アクリルポリマー)を含む粘着剤をいう。
粘着剤を含む場合には、更に、粘着付与剤が含まれていてもよい。
−接着剤−
接着剤としては、例えば、ウレタン樹脂接着剤、ポリエステル接着剤、アクリル樹脂接着剤、エチレン酢酸ビニル樹脂接着剤、ポリビニルアルコール接着剤、ポリアミド接着剤、シリコーン接着剤等が挙げられる。接着強度がより高いという観点から、ウレタン樹脂接着剤又はシリコーン接着剤が好ましい。
〔粘着層の形成方法〕
粘着層の形成方法としては、特に限定されず、粘着層が形成された保護フィルムを、粘着層と着色層とが接するようにラミネートする方法、粘着層を単独で着色層に接するようにラミネートする方法、上記粘着剤又は接着剤を含む組成物を着色層上に塗布する方法等が挙げられる。ラミネート方法又は塗布方法としては、上述の透明フィルムのラミネート方法又は着色層形成用組成物の塗布方法と同様の方法が好ましく挙げられる。
加飾フィルムにおける粘着層の厚さとしては、粘着力とハンドリング性の両立の点で、5μm〜100μmが好ましい。
−保護フィルム−
粘着層が形成された保護フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、シクロオレフィンコポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム等の樹脂フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
本開示において用いられる保護フィルムは、後述する露光工程において保護フィルムを通して露光を行う場合には、全光透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
本開示における加飾フィルムが保護フィルムを有する場合、例えば、保護フィルムを剥離した後に、成形用基材と粘着層とが接するように保護フィルム剥離後の加飾フィルムを貼り付けることにより、透明フィルムと着色層と粘着層とを有する成形用基材(加飾成形フィルム)を得ることができる。上記加飾成形フィルムは、例えばその後加熱成形等により成形され、成形体が得られる。
また、成形後の成形体に、成形体と粘着層とが接するように保護フィルム剥離後の加飾フィルムを貼り付けることにより、透明フィルムと着色層と粘着層とを有する成形体(加飾成形体)を得ることもできる。
本開示における加飾フィルムが保護フィルムを有する場合、上述のように粘着層が形成された保護フィルムを、粘着層と着色層とが接するようにラミネートしてもよいし、粘着層を塗布等により着色層上に形成した後に、粘着層に保護フィルムをラミネートしてもよい。
<露光工程>
本開示に係る加飾フィルムの製造方法においては、着色層を露光する工程(「露光工程」ともいう)を含んでもよい。
着色層を露光する場合、着色層は重合性化合物及び光重合開始剤を含むことが好ましい。重合性化合物及び光重合開始剤を含む着色層を露光することにより、硬化した着色層を得ることができる。
また、着色層が重合性化合物及び光重合開始剤を含む場合、加飾フィルムの製造方法においては露光を行わずに、成形用基材又は成形体と粘着層とが接するように保護フィルム剥離後の加飾フィルムを貼り付けた後に露光してもよい。上記方法によれば、成形用基材又は成形体と保護フィルム剥離後の加飾フィルムとの密着力により優れる。
〔露光タイミング〕
本開示に係る加飾フィルムの製造方法が露光工程を含む場合、露光工程は、透明フィルムと硬化後の着色層との密着性を向上させる観点から、積層体を得る工程の後に行われることが好ましい。
また、粘着層のラミネート性の観点からは、露光工程は、粘着層を形成する工程の前に行われることが好ましい。
露光工程は、積層体を得る工程の後、仮支持体を剥離する工程の前に行ってもよいし、仮支持体を剥離する工程の後、粘着層を形成する工程の前に行ってもよいが、仮支持体の剥離性の観点からは、積層体を得る工程の後、仮支持体を剥離する工程の前に行うことが好ましい。
〔露光方法〕
露光工程における露光は、透明フィルムと硬化後の着色層との密着性を向上させる観点からは、透明フィルムの側から行うことが好ましい。
また、仮支持体を有する積層体を露光する場合、仮支持体側から露光を行ってもよいし、透明フィルム側と仮支持体側の両面から露光を行ってもよい。仮支持体側から露光が行われる場合、上述の通り、仮支持体の全光透過率は80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
仮支持体を剥離する工程の後に露光を行う場合、剥離された仮支持体の側から露光を行ってもよいし、透明フィルム側と剥離された仮支持体側の両面から露光を行ってもよい。この場合、剥離された仮支持体側には粘着層が形成されていてもよいし、更に保護フィルムを有していてもよい。
保護フィルムを通して露光が行われる場合、上述の通り、保護フィルムの全光透過率は80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
露光方法としては、例えば、特開2006−23696号公報の段落0035〜0051に記載の方法を本開示においても好適に用いることができる。
露光の光源としては、重合性化合物を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nm)を照射できる光源であれば適宜選定して用いることができる。
具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、及びメタルハライドランプ等が挙げられる。
露光量としては、例えば、5mJ/cm〜2000mJ/cmであることが好ましく、10mJ/cm〜1000mJ/cm程度であることがより好ましい。
なお、本工程において、着色層中の全ての重合性化合物が反応する必要はなく、露光後の着色層中には、未重合の重合性化合物と重合性化合物の重合体とが共存する状態であってもよい。
露光後の着色層中に、特定重合性化合物と特定重合性化合物の重合体とが共存する状態、インサート成形後に得られた加飾成型体を更に露光することで、層間密着性(着色層と透明フィルムとの間及び着色層と加飾成形体との間の密着性)を更に向上させてもよい。
ここで、製造された加飾フィルムの層構成の一例について図1を用いて説明する。
図1は、透明フィルムをラミネートし積層体を得る工程を終えた時点における積層体の層構成の一例を示す概略断面図である。
積層体20は、仮支持体22上に着色層24を有し、着色層24上にラミネートされた透明フィルム26を有する。また、透明フィルム26は、着色層24と反対側の面にハードコート層28と反射防止層30とを有する。ハードコート層28と反射防止層30とは任意の層であり、積層体に含まれていなくともよい。
また、図示は省略したが、仮支持体22と着色層24の間には、上述の剥離層を有していてもよい。
図2は、本開示に係る加飾フィルムの製造方法において製造される加飾フィルムの一例を示す概略断面図である。
加飾フィルム10は、粘着層12上に着色層24を有し、着色層24上に透明フィルム26と、ハードコート層28と、反射防止層30とをこの順に有する。
また、粘着層12の着色層24と反対側には保護フィルム14を有する。
ハードコート層28と反射防止層30と保護フィルム14とは任意の層であり、加飾フィルムに含まれていなくともよい。
図3は、本開示に係る加飾フィルムの製造方法において製造される加飾フィルムを用いて製造される加飾成形フィルムの一例を示す概略断面図である。
加飾成形フィルムの製造方法の詳細については後述する。
加飾成形フィルム40は、成形用基材16上に粘着層12と、着色層24と、透明フィルム26と、ハードコート層28と、反射防止層30とをこの順に有する。
ハードコート層28と反射防止層30と保護フィルム14とは任意の層であり、加飾フィルムに含まれていなくともよい。
(加飾フィルム)
本開示に係る加飾フィルムは、本開示に係る加飾フィルムの製造方法により製造された加飾フィルムであることが好ましい。
また、本開示に係る加飾フィルムは、粘着層と、着色剤を含む着色層と、透明フィルムとをこの順に含むことが好ましい。
(加飾成型フィルムの製造方法)
本開示における加飾成形フィルムの製造方法は、本開示に係る加飾フィルムにおける粘着層を、成形用基材に貼り付ける工程を含む。
本開示に係る加飾フィルムが粘着層上に保護フィルムを有している場合、本開示における加飾成形フィルムの製造方法は、保護フィルムを剥離する工程を更に含んでもよい。
<成形用基材>
成形用基材は、加飾成形フィルムにおける基材フィルムとして従来公知のものが特に制限なく使用でき、加飾フィルムの用途、インサート成形への適性等に応じて、適宜、選択されればよい。
成形用基材として具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)等の樹脂を含む樹脂フィルムが挙げられる。
成形用基材は、インサート成形への適性、特に金型への追従性に優れる点から、成形用基材に含まれる全樹脂成分に対して60質量%以上のアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)を含む樹脂フィルムが好ましい。成形用基材に含まれる全樹脂成分に対するABS樹脂の含有量は、80質量%以上がより好ましく、100質量%(即ち、樹脂成分の全てがABS樹脂)であってもよい。
成形用基材は、必要に応じ、前述した樹脂以外の添加物を含有していてもよい。
このような添加物としては、例えば、鉱油、炭化水素、脂肪酸、アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、金属石けん、天然ワックス、シリコーンなどの潤滑剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機難燃剤、ハロゲン系、リン系等の有機難燃剤、金属粉、タルク、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、ガラス繊維、カーボン繊維、木粉等の有機又は無機の充填剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤、分散剤、カップリング剤、発泡剤、着色剤等の添加剤、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等であって、前述した樹脂以外のエンジニアリングプラスチックなどが挙げられる。
成形用基材は、市販品を用いてもよい。
市販品としては、例えば、ABSフィルム(オカモト(株)製)、ABSシート(積水成形工業(株)製)、テフレックス(登録商標)シリーズ(PETフィルム、帝人フィルムソリューション(株)製)、ルミラー(登録商標)易成形タイプ(PETフィルム、東レ(株)製)等を挙げることができる。
成形用基材の厚みは、加飾成形フィルムの用途、インサート成形への適性、シートの取り扱い性等に応じて決定され、例えば、100μm〜800μmが好ましく、150μm〜600μmがより好ましい。
<貼り付け方法>
本開示に係る加飾フィルムにおける粘着層を成形用基材に貼り付ける方法としては、特に限定されず公知の方法が用いられる。
例えば、必要に応じて粘着層の保護フィルムを剥離した後に、粘着層に成形用基材をラミネートする方法が挙げられる。
ラミネート方法としては、特に制限されず、上述の透明フィルムのラミネート方法と同様の方法が用いられる。
(加飾成型体の作製)
本開示に係る加飾フィルムの製造方法により製造された加飾フィルムは、ふき取り耐性及び意匠性に優れ、得られる加飾成形フィルムの耐熱性に優れるため、例えば、インサート成形により加飾成型体を作製する得る際に好適である。
また、本開示に係る加飾フィルムの製造方法により製造された加飾フィルムは、成形後の成形体に粘着層を張り付けることにより加飾成形体とすることも可能である。
加飾成型体の作製に際して、前述のようにして製造された加飾フィルムを用いることで、より複雑な形状、より小さな形状等の金型にも適用可能となり、加飾成型体の用途の幅を広げることができる。
以下、インサート成形を例に挙げて加飾成形体の作製方法について詳述する。
インサート成形において、加飾成型体は、例えば、金型内に加飾成形フィルムを予め配置して、その金型内に基材樹脂を射出成形することにより得られる。このインサート成形により、樹脂成型体の表面に加飾フィルムが一体化された加飾成型体が得られる。
基材樹脂として用い得る樹脂(即ち、樹脂成型体を構成する樹脂)としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられる。
また、加飾成型体の作製に際して、加飾成形フィルムと樹脂成型体との間には、接着剤層を設けてもよい。
接着剤層を形成する接着剤としては、公知の接着剤を適宜選択することができる。具体的には、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体及びアクリル樹脂を含む接着剤が挙げられる。
接着剤は市販品を用いてもよく、市販品としては、帝国インキ社のIMB−003などが挙げられる。
以下、インサート成形による加飾成型体の作製方法の一実施態様を説明する。
加飾成型体の作製方法は、射出成形用の金型内に、一定寸法の四辺形に形成されている加飾成形フィルムを配置して型閉めを行う工程、その後、溶融樹脂を金型内に射出する工程、更に、射出樹脂が固化したところで取り出す工程を含む。
加飾成型体の製造に用いる射出成形用の金型(即ち、成形金型)は、凸形状を有する金型(即ち、雄型)と凸形状に対応する凹形状を有する金型(即ち、雌型)を備えており、雌型の内周面となる成形面に加飾成形フィルムを配置した後に、型閉めを行う。
ここで、成形金型内に加飾成形フィルムを配置する前には、加飾成形フィルムを、成形金型を用いて加飾成形フィルムを成形(プレフォーム)することにより、加飾成形フィルムに予め三次元形状を付与しておき、成形金型に供給することも可能である。
また、成形金型内に加飾フィルムを配置する際には、成形金型へ加飾成形フィルムを挿入した状態で、加飾成形フィルムと成形金型との位置合わせが必要になる。
成形金型へ加飾成形フィルムを挿入した状態で、加飾成形フィルムと成形金型との位置合わせを行う方法としては、雌型が有する位置合わせ穴へ、雄型が有する固定ピンを挿入して保持する方法がある。
ここで、位置合わせ穴は、雌型において、加飾成形フィルムの端部(成型後に三次元形状が付与されない位置)予め形成されている。
また、固定ピンは、雄型において、位置合わせ穴と嵌合する位置に、予め形成されている。
また、成形金型へ加飾成形フィルムを挿入した状態で、加飾成形フィルムと成形金型との位置合わせを行う方法としては、位置合わせ穴へ固定ピンを挿入する方法以外にも、以下の方法を用いることが可能である。
例えば、加飾成形フィルムのうち成型後に三次元形状が付与されない位置に予め付した位置合わせマークに目標として、加飾成形フィルムの搬送装置側の駆動により微調整して合わせ込む方法が挙げられる。この方法の場合、位置合わせマークは、射出成形品(加飾成型体)の製品部分から見て、対角2点以上で認識するのが好ましい。
加飾成形フィルムと成形金型との位置合わせを行い、成形金型を型閉じした後に、加飾成形フィルムを挿入した成形金型内に溶融樹脂を射出する。射出時には、加飾成形フィルムの成形用基材側に溶融樹脂を射出する。
成形金型内に射出される溶融樹脂の温度は、使用する樹脂の物性等に応じて設定する。例えば、使用する樹脂がアクリル樹脂であれば、溶融樹脂の温度は、240℃以上260℃以下の範囲内とすることが好ましい。
なお、雄型が有する注入口(射出口)の位置を、溶融樹脂を成形金型内へ射出する際に発生する熱やガスにより、加飾成形フィルムが異常に変形することを抑制する目的で、成形金型の形状や溶融樹脂の種類に合わせて設定してもよい。
加飾成形フィルムを挿入した成形金型内に射出した溶融樹脂が固化した後、成形金型を型開きして、成形金型から、固化した溶融樹脂である成型基材に加飾成形フィルムが固定化された中間加飾成型体を取り出す。
中間加飾成型体は、最終的に製品(加飾成型体)となる加飾部の周囲に、バリと、加飾成型体のダミー部分が一体化している。ここで、ダミー部分には、上述した位置合わせにおいて、固定ピンが挿通されて形成された挿通孔が存在している。
このため、仕上げ加工前の中間加飾成型体における加飾部から、上記のバリとダミー部分を取り除く仕上げ加工を施すことにより、加飾成型体を得ることができる。
上記のようにして得られた加飾成型体を露光して、加飾フィルム中の着色層の硬化度を高めてもよい。
この露光を行うことで、着色層と透明フィルムとの間及び着色層と加飾成形体との間の密着性が更に高まり、熱等に対する耐久性が更に向上する。
上記のようにして得られた加飾成型体の用途としては、自動車の内外装、電気製品の内外装、包装容器等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本開示を更に具体的に説明する。本開示の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1〜実施例27)
<加飾フィルム形成用組成物の調製>
〔着色層形成用組成物の調製〕
下記表1に記載の組成を有する着色層形成用組成物1〜着色層形成用組成物10を調製した。
表1中の数値は、着色層形成用組成物の全質量に対する各成分の質量部を示し、「−」はその成分を含有していないことを示す。
〔樹脂層形成用組成物の調製〕
下記表2、および表3に記載の組成を有する樹脂層形成用組成物11〜樹脂層形成用組成物21)を調製した。
表2、および表3中の数値は、樹脂層形成用組成物の全質量に対する各成分の質量部を示し、「−」はその成分を含有していないことを示す。
表1〜3に記載した各成分の詳細は、以下に示す通りである。
〔黒色顔料分散液の調製〕
以下の黒色顔料分散液の組成となるようにカーボンブラック、分散剤、ポリマー及び溶
剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて黒色顔料分散液を得た。なお、マイクロトラックFRA(ハネウェル社)を用いて測定した平均粒子径は、163nmであった。
−黒色顔料分散液の組成−
・特許第5320652号公報の段落0036〜0042の記載に従って作製した樹脂被覆カーボンブラック … 20.0質量%
・分散剤1(下記構造) … 1.0質量%
・ポリマー … 6.0質量%
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合体物、重量平均分子量3.0万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 73.0質量%
〔赤色顔料分散液の調製〕
市販のC.I.ピグメント・レッド254(赤顔料)100部、塩化ナトリウム400部、及び水溶性有機溶剤としてのジエチレングリコール140部、を卓上型ニーダー((株)入江商会製)に仕込み、10時間混練した。次に、得られた混練物をディゾルバー((株)日本精機製作所製)で水と撹拌、混合した後、ろ過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除き、赤顔料の水ケーキを得た。得られた水ケーキを80℃のオーブンで6時間乾燥させ、赤色色材組成物1を得た。
−粗分散−
上記赤色色材組成物1を用いて、下記の組成の各成分を混合して混合物を得たのち、混合物をアイガーミル(アイガー・ジャパン(株)製)と直径0.8mmのジルコニアビーズとを用いて分散した。
−赤色顔料分散液の組成−
・上記赤色色材組成物1 … 100部
・分散助剤(ソルスパース(登録商標)22000、日本ルーブリゾール(株)製) … 10部
・分散剤(ソルスパース(登録商標)24000、日本ルーブリゾール(株)製) … 40部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 150部
−精密分散−
上記粗分散後の分散物を取り出し、分散物300部に対してプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:75部を加え、混合した。その後、アイガーミル(登録商標、アイガー・ジャパン(株)製)と直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて分散した。
−濃度調整−
精密分散後の分散物を取り出し、顔料濃度が15質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて希釈し、赤色顔料分散液とした。
赤色顔料分散液中のC.I.ピグメント・レッド254の数平均粒径は、60nmであった。
・銀色顔料分散液:銀色顔料分散液としては、山陽色素(株)製、SF Silver AF4366(商品名:組成(アルミニウム粒子):20.0質量%、分散助剤:4質量%、分散溶媒(メチルエチルケトン):76質量%)
なお、上記銀顔料分散液に対し、大過剰量の1−メトキシ−2−プロピルアセテートを添加することにより、分散液に含まれるアルミニウム粒子を析出させ、得られたアルミニウム粒子の粒子径、及び厚みを、先に詳述した方法により、透過型電子顕微鏡(TEM)の観察画像を基に測定したところ、平均長軸径が20μm、厚みが0.2μm、アスペクト比が100の平板状の金属粒子であることが確認された。
〔その他の成分〕
・バインダー樹脂1:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(モル比70/30)の共重合体(重量平均分子量Mw29000)40質量%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液
・バインダー樹脂2:8UA−366(ウレタン変性アクリル樹脂、35質量%酢酸エチル/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール溶液、DIC(株)製
・バインダー樹脂3:メタクリル酸/メタクリル酸アリル(モル比40/60)の共重合体(重量平均分子量Mw25000)を、アンモニア水(2.5%)に溶解させ、固形分濃度が(5。0%)となるように、蒸留水を用いて希釈したもの。
・ウレタン分散体:WBR−016U(ウレタンディスパージョン、35質量%水溶液、大成ファインケミカル(株)製
・重合性化合物1:サートマー・ジャパン(株)製、ウレタンアクリレートオリゴマー、CN−996NS(固形分 100質量%)
・重合性化合物2:サートマー・ジャパン(株)製、ウレタンアクリレートオリゴマー、CN991(重合性基の数:2、固形分100質量%)
・重合性化合物3:サートマー・ジャパン(株)製、エチレンオキサイド(EO)基含有モノマー、SR454(EO基の数:3、重合性基の数:3、固形分 100質量%)
・重合性化合物4:サートマー・ジャパン(株)製、エチレンオキサイド(EO)鎖含有モノマー、SR9035(EO基の数:15、重合性基の数:3)固形分 100質量%)
・重合性化合物5:サートマー・ジャパン(株)製、エチレンオキサイド(EO)鎖含有モノマー(EO鎖20等量含有)、SR−415(固形分100質量%)
・重合性化合物6:新中村化学工業(株)製、A−DPH(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、重合性基の数:6、固形分100質量%)
・重合性化合物7:新中村化学工業(株)製、A−TMPT(トリメチロールプロパントリアクリレート、重合性基の数:3、固形分100質量%)
・重合性化合物8:東亞合成(株)製、M−510(多塩基酸変性アクリル オリゴマー、重合性基の数:3、固形分100質量%)
・中空シリカ分散液:日揮触媒化学(株)製、スルーリア4110(中空シリカ分散液、固形分20質量%イソプロピルアルコール溶液)
・重合開始剤1:BASF社製、OXE−02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム))
・重合開始剤2:BASF社製、Irgacure2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)
・界面活性剤1:DIC(株)製、メガファック(登録商標)F−551、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル型アミン中和物のメチルイソブチルケトン溶液(固形分30質量%)
・界面活性剤2:DIC(株)製、メガファック(登録商標)F−444、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(固形分100質量%)
・有機溶剤1:メチルエチルケトン
・有機溶剤2:メチルアルコール
・有機溶剤3:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<加飾フィルムの作製>
〔仮支持体の準備〕
仮支持体として、剥離層付きPETフィルム(ユニピールTR−6,厚さ75μm、ユニチカ(株))を準備した。
〔着色層の形成(着色層を形成する工程)〕
エクストルージョンコーターを使用し、仮支持体の剥離層塗布面上に、上記表1に記載の着色層形成用組成物である着色層形成用組成物1〜着色層形成用組成物10のいずれかを、下記表4に記載の厚さ(乾燥後の厚さ)となる量で塗布して、塗膜として着色層形成用組成物層を形成し、これを110℃2分乾燥させて着色層を形成した。その後、カバーフィルムAとしてポリエチレンフィルム(厚さ35μmm、タマポリ(株)製GF−8)を接着させた。
〔透明フィルムの準備〕
透明フィルムとして、テクノロイS001G(厚さ100μmのアクリル樹脂フィルム、住化アクリル販売(株)製)を準備した。
〔透明フィルムのラミネート(積層体形成工程)〕
更に、着色層からカバーフィルムAを剥離した後に、透明フィルムの平滑面が着色層に接するようにラミネートした。
ラミネート条件は、透明フィルムであるアクリル樹脂フィルムの温度:90℃、線圧100N/cm、搬送速度0.1m/分で行った。
これにより、仮支持体、未硬化の着色層、透明フィルムからなる積層体が形成された。
<透明フィルムの作製>
〔透明フィルムの面上への樹脂層の形成〕
一部の実施例において、表4に記載の通り、上記透明フィルムのラミネート後に、透明基材の上に樹脂層を作製した。
表4中、樹脂層形成用組成物の欄に「なし」と記載した実施例においては樹脂層を作製せず、着色層形成用組成物の欄に数値が記載された例については、該当する樹脂層形成用組成物を用いて樹脂層を形成した。
具体的には、エクストルージョンコーターを使用し、透明フィルムの着色層と接する面と反対側に、上記表2、および表3に記載の樹脂層用組成物である塗布液11〜塗布液21のいずれかを、下記表4に記載の厚さ(乾燥後の厚さ)となる量で塗布して、塗膜として樹脂層形成用組成物層を形成し、これを110℃2分乾燥させて樹脂層を形成した。その後、カバーフィルムBとして樹脂層上にポリエチレンフィルム(厚さ35μmm、タマポリ(株)製GF−8)を接着させた。
これにより、仮支持体、着色層、透明フィルム、樹脂層からなる積層体が形成された。
−露光(露光する工程)−
その後、形成された積層体の両面から、露光量500mJ/cm(i線)で全面露光した。
−粘着層接着−
露光後の積層体から仮支持体を剥離した後、両面に保護フィルムを有する粘着シート(G25、日栄化工(株)製)の片面の保護フィルムを剥離した後、仮支持体を剥離した面に粘着シートをラミネートした(温度:30℃、線圧100N/cm、搬送速度0.1m/分)。片面の保護フィルムは剥離しなかった。
上記の如くして、保護フィルム、粘着層、着色層、透明フィルム、(および、樹脂層)をこの順に有する実施例1〜実施例27の加飾フィルムを作製した。
(実施例28)
透明フィルムを、テクノロイS001Gの代わりに、易成形性PET(帝人(株)製、製品名「テフレックスFT」。厚さ25μm)とした以外は実施例14と同様の処理を行い、実施例27の加飾フィルムを作製した。
(実施例29)
エクストルージョンコーターによる着色層形成用組成物の付与、乾燥のかわりに、ダイレクトグラビア印刷法により着色層を形成し、110℃1分乾燥した以外は、実施例14と同様の処理を行い、実施例29の加飾フィルムを作製した。
本実施例について、下記表4の着色層の形成方法の欄は、「グラビア印刷」と表記した。
(実施例30)
エクストルージョンコーターによる着色層形成用組成物の付与、乾燥のかわりに、インクジェット印刷(プリンター:ディマティックス社製、DMP−2381使用)により着色層を形成し、所望の厚さとなるまで繰り返し印刷を実施後(表4に記載の通り、3μmの厚さで3回付与)、110℃1分追加乾燥した以外は実施例14と同様の処理を行い、実施例30の加飾フィルムを作製した。
本実施例について、下記表4の着色層の形成方法の欄は、「インクジェット」と表記した。
(実施例31)
仮支持体を、TR−6の代わりに、剥離層付きPET(セラピール38BLK、東レ(株)製。厚さ38μm)とした以外は実施例14と同様の処理を行い、実施例31の加飾フィルムを作製した。
(比較例1)
仮支持体のTR−6の代わりに、成形用基材としてABSフィルム(厚さ250μm、オカモト(株)製)とし、ABSフィルムの剥離及び粘着層の形成は行わずに比較例1の加飾成形フィルムを作製した。具体的には、ABSフィルム上に着色層を形成し、着色層に透明フィルムをラミネートした後に露光を行い、表4に記載の樹脂層を形成した。各工程は実施例14と同様の方法により行った。
(比較例2)
仮支持体のTR−6の代わりに、成形用基材としてテクノロイS001G(厚さ150μmのアクリル樹脂フィルム、住化アクリル販売(株)製)とし、テクノロイS001Gの剥離及び粘着層の形成は行わずに比較例2の加飾成形フィルムを作製した。具体的には、テクノロイS001G上に着色層を形成し、着色層に透明フィルムをラミネートした後に露光を行い、表4に記載の樹脂層を形成した。各工程は実施例14と同様の方法により行った。
(比較例3)
実施例1において、透明フィルムのラミネートを行わなかった以外は、実施例1と同様の処理を行い、比較例3の加飾フィルムを作製した。
(比較例4)
実施例14において、透明フィルムのラミネートをなしとした以外は、実施例14と同様の処理を行い、比較例4の加飾フィルムを作製した。
樹脂層を透明フィルム上ではなく着色層上に形成した以外は、実施例14と同様の方法により樹脂層を形成した。
(比較例5)
実施例22において、透明フィルムのラミネートをなしとした以外は、実施例22と同様の処理を行い、比較例5の加飾フィルムを作製した。
樹脂層を透明フィルム上ではなく着色層上に形成した以外は、実施例14と同様の方法により樹脂層を形成した。
(実施例32)
表5に記載のとおり、エクストルージョンコーターによる着色層の形成、乾燥後、さらに、着色層2を形成(着色層形成用組成物8を付与、乾燥)した以外は、実施例14と同様の処理を行い、着色層を2層有する実施例32の加飾フィルムを作製した。
(実施例33)
表5に記載のとおり、エクストルージョンコーターによる樹脂層の形成、乾燥後、さらに、樹脂層2を形成(樹脂層形成用組成物14を付与、乾燥)した以外は、実施例14と同様の処理を行い、樹脂層を2層有する実施例33の加飾フィルムを作製した。
(実施例34)
実施例14において、残った粘着シートの保護フィルムを剥離した後、ABSフィルム(ABSバッカーともいう)をラミネート(厚さ250μm、オカモト(株)をラミネート温度:30℃、線圧100N/cm、搬送速度0.1m/分)することにより、ABS、粘着層、着色層、透明フィルム、樹脂層が順に並んだ、実施例34の加飾成形フィルムを作製した。
<評価>
得られた各実施例及び比較例で得られた加飾フィルムについて下記の評価を行った。各評価結果は上記表4、および5に併記する。
〔フィルム外観〕
各実施例及び比較例の加飾フィルムの成形前の外観について、下記基準に従い官能評価
を行った。
−ふき取り耐性−
指紋付着時の指紋除去を想定し、ふき取り耐性を下記手法にて評価した。
各実施例及び各比較例で得られた加飾フィルムの樹脂層を上面にして、裏面を粘着テープにて固定した後、キムワイプ(日本製紙クレシア(株)製)にて乾拭きを行った。乾拭きは1kg/cm程度の力で10往復行い、拭取り後の外観を評価した。
評価として、A、B又はCが好ましく、A又はBがより好ましく、Aが更に好ましい。
<<評価基準>>
A:フィルムを詳細に確認しても、傷がほとんど見られない。
B:フィルムを詳細に確認すると、傷が数本見られる。
C:フィルム目視にて、傷が数本見られる。
D:こする前から、強い傷、ベコ等が入っている。
−アワ−
透明フィルムと着色層の間に入った気泡有無について、加飾フィルム4cm四方を確認した。
評価として、A、B又はCが好ましく、A又はBがより好ましく、Aが更に好ましい。
<<評価基準>>
A:光学顕微鏡での覗いても、気泡は視認できない。
B:目視では気泡が確認できないが、光学顕微鏡では10個/cm程度確認できる。
C:目視では気泡が確認できないが、光学顕微鏡では100個/cm程度確認できる。
D:目視では気泡が確認できる。
−意匠性−
得られた加飾フィルムについて、フィルムと垂直方向を0°とした際、0°および45°の角度から視認した際の色味の変化(たとえば、0°方向で黄色、45°方向で青色等)について、評価を行った。
評価として、A、B、C又はDであることが必要であり、A、B又はCがより好ましく、A又はBが更に好ましく、Aが特に好ましい。
<<評価基準>>
A:0°と45°では、色味の変化が強く確認される。
B:0°と45°では、色味の変化が確認される。
C:0°と45°では、色味の変化が若干確認される。
D:0°と45°では、色味の変化が強く確認されるが、着色層を詳細に確認すると、ドットムラ又はメッシュ痕が確認できる。
E:塗布面上に一部ムラが発生しており、色味変化の判断ができない。
〔耐熱性の評価〕
加飾成形フィルムを、125℃96時間加熱した後の面状を目視にて評価した。仮支持体を用いていない比較例1、2とABSフィルムをラミネートした実施例34は、得られたフィルムをそのまま用い、それ以外の実施例および比較例については、粘着シートの保護フィルムを剥離後、ABSフィルムをラミネート(厚さ250μm、オカモト(株)をラミネート温度:30℃、線圧100N/cm、搬送速度0.1m/分)したものを加飾成形フィルムとして耐熱性評価を行った。
なお、以下の評価基準において、A又はBが好ましく、Aがより好ましい。
−評価基準−
A:加熱後に特に変化は見られない。
B:加熱後に、5mm未満の小さなふくれが少なくとも一部に認められる。
C:加熱後に、透明樹脂の5mm以上の大きなふくれが全面に見られる。
〔立体成型性の評価〕
10mm〜200mmの間で10mm間隔の直径を有する半球型の金型をそれぞれ用意した。立体成形性試験に先立ち、仮支持体ではない比較例1、2とABSをラミネートした実施例34は、得られたフィルムをそのまま用い、それ以外の実施例および比較例については、粘着シートの保護シートを剥離後、ABSフィルムをラミネート(厚さ250μm、オカモト(株)をラミネート温度:30℃、線圧100N/cm、搬送速度0.1m/分)した後に試験を行った。
金型を用いて、得られた加飾フィルムを、加熱温度を120℃にて、上記半球形に真空成型し、表面に割れが発生した最小直径を限界球形とし、立体成型性の指標とした。
なお、小さな直径まで割れが生じないほど、加飾フィルムの金型に対する形状追従性が良好で、立体成型性が高いと評価する。
限界球形(即ち、割れが発生した金型の最少直径)が小さいほどより細かい成形に対応でき、限界球形は、70mm以下が好ましく、50mm以下がより好ましい。
表4、および5に記載の結果より、実施例に記載した方法により製造した加飾フィルムは、ふき取り耐性及び意匠性に優れ、かつ、実施例に記載した方法により製造された加飾フィルムを用いることにより、耐熱性に優れる加飾成形フィルムが得られる。
ふき取り耐性に優れることから、本開示に係る加飾フィルムは耐傷性に優れていると考えられる。
また、加飾フィルムにおけるふき取り耐性及び意匠性に優れることから、得られる加飾成形体においても、耐傷性及び意匠性に優れることが推測される。
更に、実施例34の結果から、本開示に係る加飾フィルムを用いた加飾成形フィルムは、ふき取り耐性及び意匠性に優れることがわかる。
一方、ABSやアクリル樹脂を成形用基材として用い、作製した比較例1、および2に係る加飾フィルムを用いた加飾成形フィルムは耐熱性に劣ることが分かった。
また、透明フィルムを用いない比較例3〜5の加飾フィルムにおいては、耐傷性の低下、又は、ムラの発生等による意匠性の低下が認められた。
10 加飾フィルム
12 粘着層
14 保護フィルム
16 成形用基材
20 積層体
22 仮支持体
24 着色層
26 透明フィルム
28 ハードコート層
30 反射防止層
40 加飾成形フィルム

Claims (12)

  1. 仮支持体上に、有機溶剤及び着色剤を含む着色層形成用組成物を付与し、前記有機溶剤の少なくとも一部を除去して着色層を形成する工程と、
    形成された前記着色層に接触するように透明フィルムをラミネートし積層体を得る工程と、
    得られた前記積層体から前記仮支持体を剥離する工程と、
    前記仮支持体を剥離した面に粘着層を形成する工程と、を含む、
    加飾フィルムの製造方法。
  2. 前記着色層の厚さが3μm以上である、請求項1に記載の加飾フィルムの製造方法。
  3. 前記着色剤が顔料である、請求項1又は請求項2に記載の加飾フィルムの製造方法。
  4. 前記着色層形成用組成物が、ウレタン骨格、及び、炭素数2又は3のアルキレンオキサイド基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の部分構造と、2つ又は3つの重合性基とを有する重合性化合物を含有する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の加飾フィルムの製造方法。
  5. 前記着色層を形成する工程における着色層形成用組成物の付与が、エクストルージョンコーター、カーテンフローコーター、又はバーコーターによる付与である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の加飾フィルムの製造方法。
  6. 前記仮支持体が、ポリエチレンテレフタレートである、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の加飾フィルムの製造方法。
  7. 前記透明フィルムが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、又は、ポリエチレンテレフタレート樹脂を、透明フィルムに含まれる全樹脂成分に対して、60質量%以上含有する、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の加飾フィルムの製造方法。
  8. 前記積層体が、前記透明フィルムにおける、着色層と接する面と反対側の面に樹脂層を有する、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の加飾フィルムの製造方法。
  9. 前記樹脂層の屈折率が、透明フィルムの屈折率よりも低い、請求項8に記載の加飾フィルムの製造方法。
  10. 前記樹脂層が、中空シリカ粒子を含み、前記中空シリカ粒子の含有量が前記樹脂層の全質量に対して40質量%〜90質量%である、請求項8又は請求項9に記載の加飾フィルムの製造方法。
  11. 前記透明フィルムと、前記樹脂層の間に、第二の樹脂層を有する、請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の加飾フィルムの製造方法。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の加飾フィルムの製造方法により得られた加飾フィルムにおける粘着層を、成形用基材に貼り付ける工程を含む
    加飾成形フィルムの製造方法。
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