JP2013185078A - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2013185078A
JP2013185078A JP2012051621A JP2012051621A JP2013185078A JP 2013185078 A JP2013185078 A JP 2013185078A JP 2012051621 A JP2012051621 A JP 2012051621A JP 2012051621 A JP2012051621 A JP 2012051621A JP 2013185078 A JP2013185078 A JP 2013185078A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active energy
energy ray
resin composition
curable resin
functional group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012051621A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5824725B2 (ja
Inventor
Shigeki Mine
茂樹 三根
Takashi Hanazono
貴 花園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2012051621A priority Critical patent/JP5824725B2/ja
Publication of JP2013185078A publication Critical patent/JP2013185078A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5824725B2 publication Critical patent/JP5824725B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Decoration By Transfer Pictures (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

【課題】優れた高硬度性、耐スクラッチ性および、より形状が複雑な成形品を得られる成形性を付与する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、該組成物を用いた加飾シート、該加飾シートを用いた射出成形品の提供。
【解決手段】分子中にビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも一種を有する多官能化合物(A)と表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)と表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)とを含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【選択図】図2

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、およびその利用に関するものである。
従来、三次元曲面などの複雑な表面形状を有する樹脂成形体の加飾には、射出成形同時加飾方法が用いられる。射出成形同時加飾方法とは、射出成形の際に金型内に挿入された加飾シートをキャビティ内に射出注入された溶融した射出樹脂と一体化させて、樹脂成形体表面に加飾を施す方法であって、樹脂成形体と一体化される加飾シートの構成の違いによって、一般に射出成形同時ラミネート加飾法と射出成形同時転写加飾法に大別される。
射出成形同時転写加飾法においては、射出成形同時転写加飾用の加飾シートの転写層側を金型内に向けて転写層側から熱盤によって加熱し、該加飾シートが金型内形状に沿うように成形して金型内面に密着させて型締した後、キャビティ内に溶融した射出樹脂を射出して該加飾シートと射出樹脂とを一体化し、次いで射出成形品を冷却して金型から取り出した後、基材フィルムを剥離することにより転写層を転写した射出成形品を得ることが出来る。
このようにして得られる加飾成形品は、従来用いられている家庭用電化製品、自動車内装品などの分野に加えて、例えば近年パソコン市場の拡大に伴う、日常携帯できるモバイルパソコンを含めたノート型のパソコンの分野での使用や、自動車外装、携帯電話での使用も注目されている。これらの分野においては、加飾シートに対して、射出成形品に優れた高硬度性、耐スクラッチ性を付与しうると同時に、より形状が複雑な成形品を得られる成形性が求められる。
このような要求を満たすため、例えば基材フィルムに、成形品を保護するための剥離層を設けた加飾シートが提案されている(特許文献1参照)。しかし、高硬度性や耐スクラッチ性におけるより厳しい要求に十分対応できていない、あるいは例えば深絞り度が高い三次元曲面を有するような、より形状が複雑な成形品に対しては、加飾シートの金型の凹凸形状への追随が十分ではなく、改良を施して、より優れた成形性を得るという課題がある。
一方、高硬度性や耐スクラッチ性などの表面物性を得ることを目的として、樹脂成形品の表面に所定のハードコート剤を用いた加飾シートが提案されている(特許文献2)。
しかし、ハードコート剤、あるいは保護層を形成する剤の性状に起因して、射出成形前に加飾シートを硬化させているなどの理由により、一定の表面物性は得られても、優れた成形性が得られないという問題があった。また、上記の表面物性を得つつ、深絞り形状への転写を向上させることを目的として、電離放射線硬化性樹脂からなる保護層を有する転写シートを金型内で真空・圧空成形してから、電離放射線を照射し、保護層を硬化させてから射出成形を行い、樹脂成形品を得る製造方法が開示されている(特許文献3)。しかし、この製造方法でも、より厳しい表面物性や成形性に対する要請に十分に対応できず、さらなる改良が必要である。このように、高硬度性および耐スクラッチ性と成形性とは相反する性能であり、これらの相反する性能を高いレベルで確保することが求められている。
特開1993−177992号公報 特開2008−231220号公報 特許第3345668号
本発明は、このような状況下で、加飾成形品に優れた高硬度性および耐スクラッチ性を付与すると同時に、より形状が複雑な成形品を得られる成形性を付与する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物および該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた加飾シート、該加飾シートを用いた射出成形品を提供することを課題とする。
本発明者等は、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の発明により当該課題を解決できることを見出した。すなわち本発明は、多官能化合物と表面に反応性官能基を有さない無機粒子および、表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子とを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた加飾シート、これを用いた射出成形品を提供するものであり、射出成形品に優れた高硬度性および耐スクラッチ性を付与することを見出した。
すなわち、本発明の第1の発明は、分子中にビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも一種を有する多官能化合物(A)と表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)と表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)とを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関するものである。
さらに、本発明の第2の発明は、表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)が、シリカであり、表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)が、シリカ表面に(メタ)アクリロイル基を有する反応性シリカであることを特徴とする第1の発明記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関するものである。
また、本発明の第3の発明は、表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)および表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)の合計重量が、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物全量に対して15〜50重量%であることを特徴とする第1または第2の発明記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関するものである。
さらに、本発明の第4の発明は、表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)の重量が、表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)の重量に対して、60〜200重量%であることを特徴とする第1〜3の発明いずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
また、本発明の第5の発明は、前記多官能化合物(A)が、ウレタン(メタ)アクリレートであり、ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量1,000〜100,000であり、かつ、ウレタンアクリレートの官能基数(f)10〜15であり、さらに、ウレタン(メタ)アクリレートを、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物全量に対して30〜70重量%含有することを特徴とする第1〜4の発明いずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関するものである。
さらに、本発明の第6の発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が、さらにイナート樹脂(D)を含むことを特徴とする第1〜5の発明いずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
また、本発明の第7の発明は、イナート樹脂(D)が、アクリル樹脂であり、アクリル樹脂のTg(ガラス転移点)95〜115℃であり、さらに、アクリル樹脂の重量平均分子量80,000〜500,000であることを特徴とする第6の発明記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関するものである。
さらに、本発明の第8の発明は、基材上に少なくとも離型層とハードコート層とを順に有する加飾シートであって、該ハードコート層が、第1〜7の発明いずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いて形成されてなることを特徴とする加飾シートに関するものである。
また、第9の発明は、第8の発明に記載の加飾シートを用いて、インモールド射出成形法で形成されてなる射出成形品に関するものである。
本発明によれば、射出成形品に優れた高硬度性および耐スクラッチ性を付与すると同時に、層間での剥離もなく、より形状が複雑な成形品を得られる成形性を付与する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物および該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた加飾シート、該加飾シートを用いた射出成形品を提供することができる。
図1は、加飾シートの断面図である。 図2は、本発明の加飾シートを用いて、転写した射出成形品の断面図であ る。
以下、本発明の実施形態について、具体的に説明する。
(活性エネルギー線硬化型樹脂組成物)
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、分子中にビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも一種を有する多官能化合物(A)と表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)と表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)とを含むことを特徴とする。
本発明で、多官能化合物(A)は、分子中にビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも一種を有する化合物であり、、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。本発明においては、これらのポリマーを単独で、あるいは複数を組み合わせて用いても良い。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得ら得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
本発明においては、重量平均分子量1,000〜100,000のウレタン(メタ)アクリレートを使用するのが好ましく、さらには該アクリレートを活性エネルギー線硬化型樹脂組成物中30〜70重量%使用するのが好ましく、さらには該アクリレートの官能基数(f)10〜15であることが射出成形時における熱追随性および射出成形品の耐擦傷性・鉛筆硬度の点で好ましい。
また、活性エネルギー線硬化させるために、公知の重合開始剤を添加する。また、必要に応じて、上記の各成分に加えて、重合禁止剤、粘度調整剤、界面活性剤、消泡剤、有機金属カップリング剤などを添加することができる。
本発明で表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)は、ポリエチレンワックス、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス、タルク、水酸化アルミ、マイカ、酸化チタン、酸化鉄などの無機物からなる粒子が用いられる。これらのうち、好ましくはガラス、タルク、水酸化アルミ、マイカ、シリカ、アルミナ、アルミノシリケートであり、タック性低減効果を有し、取り扱いが容易なシリカが好適であり、さらに、コロイダルシリカがより好ましい。コロイダルシリカとしては、特に限定されず有機溶剤等を分散媒とした市販品を使用することができる。コロイダルシリカの平均一次粒子径は、6〜100nm程度であることが好ましく、10〜80nmであることがより好ましい。平均一次粒子径が6nmを下回る場合、表面硬度が不足し耐擦傷性が低下する傾向があり、100nmを超えると貯蔵安定性が不十分となり、密着性および透明性も悪くなる傾向がある。なお、平均一次粒子径は、動的光散乱法により決定された値である。なお、コロイダルシリカの具体例としては、例えば、スノーテックス(日産化学工業(株)製)、クォートロン(扶桑化学工業(株)製)、アエロジル(日本アエロジル(株)製)、シルデックス(旭硝子(株)製)、およびサイリシア470(富士シリシア化学(株)製)などを挙げることができる。また、製造の簡便化のため、あらかじめ有機溶媒に分散されたオルガノシリカゾルを用いることが好ましく、例えば、MEK−ST、MEK−ST−L、MEK−ST−ZL、MEK−ST−UP(以上は、それぞれ日産化学工業(株)製 メチルエチルケトン分散体)、IPA−ST、IPA−ST−L、IPA−ST−ZL、IPA−ST−UP(以上は、それぞれ日産化学工業(株)製 イソプロパノール分散体)、MA−ST−M(日産化学工業(株)製 メタノール分散体)、クォートロンPL−2−IPA(扶桑化学工業(株)製 イソプロパノール分散体)などが挙げられる。
本発明で表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)は、母材となる無機粒子の表面に反応性官能基を付与したもので、無機粒子としては前記した種々の無機粒子を使用できる。反応性官能基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、およびアリル基といったエチレン性不飽和結合や、エポキシ基などが好ましく、高硬度性および耐スクラッチ性の向上の観点から、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、およびアリル基がより好ましい。
このような表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)は、シランカップリング剤で表面修飾された無機粒子が好ましく挙げられる。シランカップリング剤としては、アルコキシ基、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基などを有する公知のシランカップリング剤が挙げられ、より具体的には、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシランがより好ましい。特に好ましいのは、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを使用し、表面に(メタ)アクリロイル基を有するシリカである。
無機粒子をシランカップリング剤で表面修飾する方法は、特に制限はなく公知の方法であればよく、シランカップリング剤をスプレーする乾式の方法や、無機粒子を溶剤に分散させてからシランカップリング剤を加えて反応させる湿式の方法などがあげられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物において、表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)および表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)の合計重量が、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物全量に対して15〜50重量%であることが好ましく、該範囲内であれば、優れた高硬度性および耐擦傷性が得られる。
また、表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)の重量が、表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)の重量に対して、60〜200重量%であることが好ましく、該範囲内であれば、硬化収縮を抑制することによる優れた密着性を得ることができ、かつ、優れた高硬度性および耐擦傷性とのバランスが得られる。
本発明では活性エネルギー線硬化型樹脂組成物にイナート樹脂(D)を含有してもよく、含有した方が成形性の点で好ましい。イナート樹脂(D)とは、活性エネルギー線の照射によるラジカル重合に関与しない、すなわち活性エネルギー線によりラジカル重合をおこさない樹脂のことであり、このような化学的性質を有する樹脂であれば、特に限定されることはない。イナート樹脂として具体的には、ポリウレタン樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、セルロース誘導体、フッ素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン、天然ゴム誘導体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリスチレン、アルキド樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、アマニ油変性アルキド樹脂等が挙げられ、これらを単独で、または2種以上を混合して使用することができる。なかでも、アクリル樹脂、塩酢ビ樹脂、セルロース誘導体、フッ素樹脂は、密着性、成形性、ハードコート性に優れている点で好ましい。さらに、好ましくは、イナート樹脂(D)が、アクリル樹脂であり、アクリル樹脂のTg(ガラス転移点)95〜115℃であり、さらに、アクリル樹脂の重量平均分子量80,000〜500,000である。さらには該アクリル樹脂が、多官能化合物(A)に対して10〜40重量%使用するのが好ましく、射出成形時における熱追随性および加飾成形品の耐擦傷性・鉛筆硬度の点で好ましい。イナート樹脂(D)の配合量が上記範囲内であれば、該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物により層を形成する際に白化などが低減され、優れた高硬度性および耐スクラッチ性と優れた成形性が得られる。
本発明の加飾シートとしては、基材の片面に少なくとも離型層とハードコート層形成層とを順に有しており、該ハードコート層形成層が本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いてなるものである。以下、本発明の加飾シートを、図1および図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の加飾シートの好ましい一態様についての断面を示す模式図である。
図1に示される本発明の加飾シート10は、ポリエステルフィルムからなる基材フィルム11の一方の表面に、離型層12、ハードコート層13、プライマー層14、絵柄層15および接着層16を順に積層してなるものである。また、図2に示される本発明の射出成形品100は、本発明の加飾シートを用いて、転写した射出成形品の断面図であり、射出成形された樹脂の表面に、接着層16、絵柄層15、プライマー層14およびハードコート層13が順に積層したものである。
(基材)
基材11としては、耐熱性、機械的強度、耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリカーボネート、セロファン、セルロースアセテートなどのセルロース系フィルム、などがある。好ましくは、耐熱性、機械的強度の点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルムで、ポリエチレンテレフタレートが最適である。該基材の厚さは、通常、2.5〜100μm程度が適用できるが、4〜50μmが転写性の点で好ましい。
該基材11は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。また、該基材は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用する。該基材は、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
(離型層)
離型層12としては、離型性樹脂、離型剤を含んだ樹脂、電離放射線で架橋する硬化性樹脂などがあり、メラミン樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系、セルロース樹脂系、尿素樹脂系、ポリオレフィン樹脂系、パラフィン系、アクリル樹脂系およびこれらを複数混合した樹脂系が好ましい。特にメラミン系樹脂を用いることで、後述するハードコート層13に対して、安定した剥離性を発揮する。
離型層12の形成は、該樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、プレーコートなどの印刷又はコーティング方法で、塗布し乾燥して塗膜を形成する。また、要すれば、温度30℃〜150℃で加熱乾燥、あるいはエージング、または温度150℃〜250℃で焼付けしてもよい。離型層12の厚さとしては、通常は0.01μm〜5μm程度、好ましくは0.5μm〜3μm程度である。該厚さは薄ければ薄い程良いが、0.1μm以上であればより良い成膜が得られて剥離力が安定する。
(ハードコート層)
ハードコート層13は、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いてなる層であり、加飾成形品の最外層となり、磨耗や光、薬品などから成形品や絵柄層を保護するための層である。よって、ハードコート層13は、硬化することで、優れた高硬度性と耐スクラッチ性と成形性はもちろんのこと、耐薬品性や耐汚染性などの表面物性に優れるという性能を有する層であることを要し、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いることで、ハードコート層13に該性能を付与することを可能としている。
ハードコート層13の形成は、離型層12を印刷した該印刷面にハードコート層となる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布し、活性エネルギー線を照射して形成される。この際の活性エネルギー線照射線量は、高圧水銀ランプを用いて5〜100mJ/cmにて硬化させ、好ましくは10〜50mJ/cmである。また、インモールド成形後、得られた射出成形品の状態において、活性エネルギー線を再度照射する。その際の活性エネルギー線照射線量は、高圧水銀ランプを用いて200mJ/cm〜1200mJ/cmにて硬化させ、好ましくは400〜1000mJ/cmである。
(プライマー層)
本発明においては、プライマー層14は必要に応じて設けることが出来る。例えば、ハードコート層13面へ絵柄層15を設ける際、又は他の層でも、層間の接着力を向上させるために、必要に応じて、設ければよい。プライマー層としては、上下の層に応じて、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレンイミン系化合物、イソシアネ−ト系化合物、塩化ゴム系樹脂などを使用することができる。上記の樹脂を主成分とし、適宜溶剤に溶解又は分散し、必要に応じて充分に混練して、コ−ティング剤組成物(インキ、塗布液)を調整し、ロールコート法、グラビアコート法等の公知のコーティング法で塗布し乾燥すればよい。該プライマー層23の厚さは、0.05〜10μm程度、好ましくは0.1〜5μmである。
(絵柄層)
絵柄層15は、公知の印刷法でよく、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、インクジェット印刷などが適用できる。印刷インキは、少なくともビヒクルと着色剤とを含み、着色剤やビヒクルは特に限定されるものではないが、ビヒクルとしては、変性アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの合成樹脂系が好ましい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防黴剤、などの添加剤を、適宜加えても良い。これらの印刷インキ組成物を、分散・混練して、また、必要に応じて、溶剤で固形分量や粘度を調整して、インキ組成物とする。該インキを、前記印刷法で印刷して、乾燥し、必要に応じて、温度30℃〜70℃で適宜エージング、または、電離放射線(紫外線、電子線)を照射して、形成すれば良い。
(接着層)
被転写体と相対する面へ接着層16を設ける。該接着層16の材料としては、公知の加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤が適用でき、具体的には、塩化ビニール酢酸ビニール共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。該材料樹脂を溶剤に溶解または分散させて、適宜顔料などの添加剤を添加して、公知のロールコーティング、グラビアコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜3μmの層とする。
本発明の加飾シートは、加飾成形品に優れた高硬度性および耐擦傷性を付与し、また、より形状が複雑な成形品が得られるという優れた成形性を有する。また、本発明の加飾シートを用いて加飾成形品を作成する場合、加飾シートをそのまま用いることもできるし、耐ブロッキング性に優れていることからロール状に巻き取ってから使用することもできるので、巻取り容易性に優れており、使い勝手の点でも優れている。これらのことから、家庭用電化製品、自動車内装品などの分野や、パソコンの分野、とりわけパソコンの筐体など、幅広い分野において使用することができる。
(インモールド射出成形法)
インモールド射出成形とは、(1)インモールド用転写箔として加飾シート10を準備する工程と、(2)該加飾シート10を射出成形用金型内へ挿入する工程と、(3)該射出成形用金型へ樹脂を射出成形し密着させることで、該樹脂の表面へ該加飾シートを転写する工程と、(4)冷却後、金型を解放し、該加飾シート10の基材11および離型層12を剥離して射出成形品を取り出す工程とからなり、該射出成形法を経て、ハードコート層が転写された射出成形品100を製造できる。
射出成形法で用いる樹脂としては、所望の用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、エンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂などで、これらの共重合体でもよく、また、これらの単独または混合物でもよい。好ましくは、光学特性に優れるアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、または環状ポリオレフィン樹脂などであり、さらに好ましくは、アクリル樹脂、またはポリカーボネート樹脂が好適である。
加飾シートを成形金型内に配する際、熱盤を用いて過熱し軟化させて、加飾シートが金型内の形状に沿うように予備成形して、金型内面に密着させ型締を行うことが好ましい。加飾シートを成形金型表面により密着させる目的で、加飾シートを熱盤で加熱し軟化させる際に、真空吸引することもできる。
射出成形の条件としては、通常の条件で成形することができる。
次に金型を冷却後、金型を解放し、離型層12を有する基材シートを剥離して成形品を取り出すことにより、立体面にハードコート層13が転写された射出成形品が得られる。また、加飾シート10の射出成形用金型内への挿入を、成形サイクル毎に間歇的に挿入することで、挿入−射出成形−取り出しが連続的に行うことができる。
このようにして得られた射出成形品は、優れた高硬度性および耐スクラッチ性を有し、耐薬品性や耐汚染性などの表面物性にも優れるものである。また、より形状が複雑な成形品に対応しうる成形性が得られる本発明の加飾シートを使用することで、仕上がりにも優れた射出成形品が得られる。
本発明の射出成形品は、これらの優れた特性を活かして、家庭用電化製品、自動車内装品などの分野、パソコンの分野、とりわけパソコンの筐体など、幅広い分野において好適に使用することができる。
以上、本発明の加飾シート10の用途について主として射出成形への応用を説明したが、本発明の加飾シート10は従来の転写箔と同様に使用して、任意の物品の表面にハードコート層を設けることができる。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の重量部である。また、本発明において、「部」、「%」は、特に断らない限り、それぞれ「重量部」、「重量%」を表す。
(実施例)
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含有される、表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)は、下記方法にて作成した。
(1)無機粒子としてコロイダルシリカ(IPA−ST、日産化学工業社製)を溶剤に分散させてから、シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を加えて反応させて、表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子C1を得た。
(2)無機粒子としてアルミナ(NANOBYK−3652、ビックケミー・ジャパン社製)を溶剤に分散させてから、シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を加えて反応させて、表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子C2を得た。
[実施例1]
基材11として厚さ50μmのPETフィルムを用い、該基材11の一方の面へ、グラビアコート法で、TCM01メジューム(大日本インキ社製、メラミン樹脂商品名)塗工液を乾燥後2μmになるように塗布し乾燥して、180℃20秒間焼き付けて、離型層12を形成した。
該離型層12面へ、下記の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが5〜7μmになるように、塗工し、80℃で乾燥させて、続けて、活性エネルギー線を照射して前記塗布面の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させ、ハードコート層13とした。
<活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(a)>
ウレタンアクリレートA1(根上工業社製、商品名UN−904、ウレタンアクリ レート、Mw=4,900、官能基数(f)=10) 32部
アクリル系樹脂D1(エボニック ローム社製、商品名DEGALAN M345 Tg=104℃、Mw=180,000) 8部
表面に反応性官能基を有さない無機粒子B1(日産化学工業社製、
商品名IPA−ST) 10部
表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子C1 5部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 0.4部
溶媒(メチルエチルケトン:酢酸エチル=1:1) 100部
次に、ハードコート層13面へ、下記のプライマー層組成物をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、プライマー層14とし、次に、プライマー層14面へ、ウレタン系樹脂をビヒクルとした公知のグラビアインキ(東洋インキ社製、V428URシリーズ、ウレタン/塩酢ビ樹脂系)を用いて、公知のグラビア印刷法で、文字および図柄を印刷し乾燥して、絵柄層15とした。
<プライマー層組成物>
アクリル系樹脂(大成ファインケミカル社製、商品名6DY−169F) 20部
溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1) 80部
次に、この絵柄層15面へ、接着層組成物としてTM−A1HS(大日精化社製、商品名)をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が1μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、接着層16を形成して、基材11/剥離層12/ハードコート層13/プライマー層14/絵柄層15/接着層16の層構成からなる加飾シート(1)を得た。
(実施例2〜20、比較例1、2)
実施例2〜20、比較例1,2については、表1、2の配合により。実施例1と同様な方法で、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(b)〜(v)、および加飾シート(2)〜(22)を得た。
尚、実施例2〜20、比較例1、2に用いた多官能化合物(A)、イナート樹脂(D)、を下記に記す。
多官能化合物(A)
多官能化合物A2(ウレタンアクリレート、日本合成化学社製、商品名UV− 7610B、Mw=11,000、官能基数(f)=9)
多官能化合物A3(ウレタンアクリレート、根上工業社製、商品名UN−905、 Mw=120,000、官能基数(f)=10)
多官能化合物A4(ポリエステルアクリレート、ダイセル・サイテック社製、
商品名EBECRYL1830、Mw=1,500、
官能基数(f)=6)
イナート樹脂(D)
イナート樹脂D2(アクリル系樹脂、エボニック ローム社製、
商品名DEGALAN M920、Tg=122℃、
Mw=300,000)
イナート樹脂D3(アクリル系樹脂、三菱レイヨン社製、
商品名ダイヤナールBR83、Tg=105℃、
Mw=40,000)
イナート樹脂D4(塩酢ビ系樹脂、日信化学社製、商品名ソルバインTAO、
Tg=105℃、Mw=40,000)
イナート樹脂D5(セルロースアセテートブチレート(CAB)系樹脂、
イーストマン社製、商品名CAB−381−20、
Tg=141℃、Mw=70,000)
実施例1〜20、比較例1、2で得られた加飾シート、射出成形品について、タック感、成形性、耐磨耗性、鉛筆硬度、耐擦傷性、密着性、全光線透過率の評価を行った。評価方法および評価基準を下記に示す。
(評価方法)
1.タック感の評価
各実施例および比較例において、基材上に離型層およびハードコート層を積層した後、半硬化における該ハードコート層のタック感を指触によって評価した。評価は、5段階に分けて相対評価し、結果を表1、2に示す。
5;粘着性が全くない状態
4;若干の粘着性はあるが、使用上問題ない状態。
3;粘着性はあるが、使用できる状態。
2;可成りタック感があり、べたつきのある状態。
1;完全にタック感があり、使用困難な状態。
実用レベルは3以上である。
2.成形性
各実施例および比較例で得た加飾シート(1)〜(22)にて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、射出成型品(a)〜(v)を成形し、成形後の外観にて評価した。評価基準は以下のとおりであり、結果を表1、2に示す。
◎;外観上異常なし
○;3次元形状部又は200%延伸部の一部に軽微な艶変化又はクラックがあるが実用 上問題なし
△;3次元形状部又は200%延伸部の大部分で軽微な艶変化又はクラック発生
×;延伸部分全体に著しい艶変化又はクラック発生
実用レベルは○以上である。
3.耐摩耗性
各実施例および比較例で得た加飾シートにて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、成形後の成形品について、RCA摩耗試験機(Norman Tool社製)によって評価した。評価は、該RCA摩耗試験機によって、荷重175gおよび磨耗回数1000回行い、成形樹脂が露出したか否かで行った。結果を表1、2に示す。
○;露出しなかった
△;わずかに露出したが実用上問題なし
×;露出した
実用レベルは△以上である。
4.鉛筆硬度
各実施例および比較例で得た加飾シートにて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、成形後の成形品について、硬化被膜を、JIS K 5600に従い荷重750gの鉛筆引掻き試験機によって評価した。JIS K 5600に準拠して鉛筆硬度を測定した。結果を表1、2に示す。実用レベルはH以上である。
5.耐擦傷性
各実施例および比較例で得た加飾シートにて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、成形後の成形品について、硬化被膜を、底部に10mm×10mmの範囲でスチールウールを貼り付けた300gのおもりで30回擦り、外観を観察し、以下の基準で評価した。結果を表1、2に示す。
○;変化無し
△;細かいキズ有り
×;大きなキズ有り
実用レベルは△以上である。
6.密着性
各実施例および比較例で得た加飾シートにて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、成形後の成形品について、硬化被膜を、JIS K 5600に記載された方法で基盤目セロハンテープ剥離試験を行った。結果は、全100マスの基盤目セロハンテープ(分母)に対して剥離しなかった数(分子)で評価した。結果を表1、2に示す。
実用レベルは90/100以上である。
7.全光線透過率
全光線透過率は、ヘーズメーターにて測定し、評価を行った。結果を表1、2に示す。
○:全光線透過率90%以上
△:全光線透過率80%以上90%未満
×:全光線透過率80%未満
実用レベルは△以上である。
実施例では、加飾シート10が、表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)および表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)をともに含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いたハードコート層を有することで、該加飾シートを用いた射出成形品100のハードコート性が際立って向上しており、射出成形品に優れた高硬度性および耐スクラッチ性を付与すると同時に、より形状が複雑な成形品を得られる成形性を付与するものであった。また、射出成形品100の最表面のハードコート性は十分な耐久性を有していた。
比較例では、加飾シート10が、表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)および表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)のどちらかのみを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いたハードコート層を有しており、該加飾シート10を用いた射出成形品の高硬度性および耐スクラッチ性と成形性は劣り、かつ物性のバランスも劣ることから、本発明において表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)および表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)をともに含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いたハードコート層とした効果が示された。
Figure 2013185078
Figure 2013185078
加飾シート10
基材11
離型層12
ハードコート層13
プライマー層14
絵柄層15
接着層16
射出成形品100

Claims (9)

  1. 分子中にビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基及びエポキシ基から選ばれる少 なくとも一種を有する多官能化合物(A)と
    表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)と
    表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)と
    を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  2. 表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)が、シリカ
    であり、
    表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)が、表面に(メタ)アクリロイル基 を有する反応性シリカ
    であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  3. 表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)及び表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)の合計重量が、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物全量に対して15〜50重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  4. 表面に反応性官能基を有さない無機粒子(B)の重量が、表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子(C)の重量に対して、60〜200重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  5. 前記多官能化合物(A)が、
    ウレタン(メタ)アクリレート
    であり、
    ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量1,000〜100,000
    であり、かつ、
    ウレタンアクリレートの官能基数(f)10〜15
    であり、さらに、
    ウレタン(メタ)アクリレートを、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物全量に対して 30〜70重量%
    含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  6. 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が、さらにイナート樹脂(D)を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  7. イナート樹脂(D)が、
    アクリル樹脂
    であり、
    アクリル樹脂のTg(ガラス転移点)95〜115℃
    であり、さらに、
    アクリル樹脂の重量平均分子量80,000〜500,000
    であることを特徴とする請求項6記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  8. 基材上に少なくとも離型層とハードコート層とを順に有する加飾シートであって、
    該ハードコート層が、請求項1〜7のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いて形成されてなることを特徴とする加飾シート。
  9. 請求項8に記載の加飾シートを用いて、インモールド射出成形法で形成されてなる射出成形品。
JP2012051621A 2012-03-08 2012-03-08 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 Active JP5824725B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012051621A JP5824725B2 (ja) 2012-03-08 2012-03-08 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012051621A JP5824725B2 (ja) 2012-03-08 2012-03-08 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013185078A true JP2013185078A (ja) 2013-09-19
JP5824725B2 JP5824725B2 (ja) 2015-11-25

Family

ID=49386808

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012051621A Active JP5824725B2 (ja) 2012-03-08 2012-03-08 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5824725B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015072532A1 (ja) * 2013-11-15 2015-05-21 富士フイルム株式会社 硬化性組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜および表示装置
CN105705540A (zh) * 2013-11-11 2016-06-22 Dic株式会社 活性能量射线固化性组合物、其固化物及具有其固化涂膜的物品
JP2016121350A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 東洋インキScホールディングス株式会社 シリカ分散体、および、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
JP2017132833A (ja) * 2016-01-25 2017-08-03 アイカ工業株式会社 紫外線硬化型樹脂組成物及びハードコートフィルム
JP2018052094A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 大日本印刷株式会社 三次元成形用加飾シート、加飾樹脂成形品及びそれらの製造方法
JP2019142130A (ja) * 2018-02-21 2019-08-29 株式会社ダイセル 伸長性ハードコートフィルムならびに成形体およびその製造方法
JP2021008125A (ja) * 2016-09-30 2021-01-28 大日本印刷株式会社 三次元成形用加飾シート、加飾樹脂成形品及びそれらの製造方法
US20230242778A1 (en) * 2021-04-08 2023-08-03 Sun Chemical Corporation Low migration eb curable inks with bio-renewable content

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007182530A (ja) * 2005-05-24 2007-07-19 Jsr Corp 硬化性組成物、硬化膜、反射防止膜積層体及び硬化膜の製造方法
JP2009132880A (ja) * 2007-10-30 2009-06-18 Dainippon Printing Co Ltd ハードコート層用硬化性樹脂組成物、及びハードコートフィルム
JP2010100817A (ja) * 2008-09-26 2010-05-06 Dic Corp コーティング用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及びフィルム基材
JP2010248426A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Nippon Kayaku Co Ltd 耐指紋性に優れた転写材及びその製造方法
JP2011153237A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Nitto Denko Corp 樹脂組成物およびその製造方法、並びに封止剤およびそれを用いた色素増感太陽電池
JP2011201938A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Dic Corp 無機粒子分散体、エネルギー線硬化性樹脂組成物、及びフィルム
JP2011527722A (ja) * 2008-07-11 2011-11-04 ヘンケル コーポレイション モールド・イン・プレース型ガスケット用、改善されたシール特性を有する組成物
WO2012026497A1 (ja) * 2010-08-27 2012-03-01 大日本印刷株式会社 光学積層体、偏光板及び画像表示装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007182530A (ja) * 2005-05-24 2007-07-19 Jsr Corp 硬化性組成物、硬化膜、反射防止膜積層体及び硬化膜の製造方法
JP2009132880A (ja) * 2007-10-30 2009-06-18 Dainippon Printing Co Ltd ハードコート層用硬化性樹脂組成物、及びハードコートフィルム
JP2011527722A (ja) * 2008-07-11 2011-11-04 ヘンケル コーポレイション モールド・イン・プレース型ガスケット用、改善されたシール特性を有する組成物
JP2010100817A (ja) * 2008-09-26 2010-05-06 Dic Corp コーティング用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及びフィルム基材
JP2010248426A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Nippon Kayaku Co Ltd 耐指紋性に優れた転写材及びその製造方法
JP2011153237A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Nitto Denko Corp 樹脂組成物およびその製造方法、並びに封止剤およびそれを用いた色素増感太陽電池
JP2011201938A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Dic Corp 無機粒子分散体、エネルギー線硬化性樹脂組成物、及びフィルム
WO2012026497A1 (ja) * 2010-08-27 2012-03-01 大日本印刷株式会社 光学積層体、偏光板及び画像表示装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105705540A (zh) * 2013-11-11 2016-06-22 Dic株式会社 活性能量射线固化性组合物、其固化物及具有其固化涂膜的物品
TWI660995B (zh) * 2013-11-11 2019-06-01 迪愛生股份有限公司 活性能量射線硬化型組成物與其硬化物及具有其硬化塗布膜之物品
WO2015072532A1 (ja) * 2013-11-15 2015-05-21 富士フイルム株式会社 硬化性組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜および表示装置
CN105745240A (zh) * 2013-11-15 2016-07-06 富士胶片株式会社 固化性组合物、固化膜的制造方法、固化膜及显示装置
JP2016121350A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 東洋インキScホールディングス株式会社 シリカ分散体、および、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
JP2017132833A (ja) * 2016-01-25 2017-08-03 アイカ工業株式会社 紫外線硬化型樹脂組成物及びハードコートフィルム
JP2018052094A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 大日本印刷株式会社 三次元成形用加飾シート、加飾樹脂成形品及びそれらの製造方法
JP2021008125A (ja) * 2016-09-30 2021-01-28 大日本印刷株式会社 三次元成形用加飾シート、加飾樹脂成形品及びそれらの製造方法
JP2019142130A (ja) * 2018-02-21 2019-08-29 株式会社ダイセル 伸長性ハードコートフィルムならびに成形体およびその製造方法
JP7138447B2 (ja) 2018-02-21 2022-09-16 株式会社ダイセル 伸長性ハードコートフィルムならびに成形体およびその製造方法
US20230242778A1 (en) * 2021-04-08 2023-08-03 Sun Chemical Corporation Low migration eb curable inks with bio-renewable content

Also Published As

Publication number Publication date
JP5824725B2 (ja) 2015-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5824725B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
US11123969B2 (en) Process for producing decorative sheet, decorative sheet, production process for a decorated resin molded article, and decorative molded article obtained using same
WO2009113168A1 (ja) 三次元加工用加飾シート
JP5707799B2 (ja) 三次元成形加飾シート及びそれを用いた加飾成形品
JP5699318B2 (ja) 三次元成形加飾シート及びそれを用いた加飾成形品
JP6427911B2 (ja) 三次元成形用シート
JP5417726B2 (ja) 三次元加工用加飾シート及びそれを用いてなる加飾成形品
JP2013082221A (ja) 加飾シート及び加飾樹脂成形品
JP6163925B2 (ja) マット調転写フィルム、及びそれを用いた成形品
WO2012023543A1 (ja) インキ組成物およびこれを用いた加飾シート
JP5659539B2 (ja) インキ組成物及びこれを用いた加飾シート
JP6870675B2 (ja) 三次元成形用転写フィルム
JP6467841B2 (ja) 転写シート
JP2013111929A (ja) 射出成形同時積層用フィルム及び成形品、並びにそれらの製造方法
JP5708125B2 (ja) ハードコート層を兼ね備えたエンボス層を有するインモールド用転写箔、該転写箔の製造方法および射出成形品
TWI761369B (zh) 黏著片材積層體、賦形黏著片材積層體及其製造方法
JP6206712B2 (ja) 成型用ハードコートフィルム及びその製造方法
JP6391963B2 (ja) 成型用ハードコートフィルム及びその製造方法
JP5659538B2 (ja) インキ組成物及びこれを用いた加飾シート
JP6379580B2 (ja) 加飾シート及び加飾樹脂成形品
JP6331576B2 (ja) 加飾シート及び加飾樹脂成形品
JP2012116200A (ja) 三次元加工用加飾シート
JP6476694B2 (ja) 転写シートの製造方法
JP6273954B2 (ja) 加飾シート
JP6467784B2 (ja) 転写フィルムおよび加飾成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150908

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20150914

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150916

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5824725

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250