JP5699318B2 - 三次元成形加飾シート及びそれを用いた加飾成形品 - Google Patents
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Description
射出成形同時転写加飾法においては、射出成形同時転写加飾用の加飾シートの転写層側を金型内に向けて転写層側から熱盤によって加熱し、該加飾シートが金型内形状に沿うように成形して金型内面に密着させて型締した後、キャビティ内に溶融した成形用樹脂を射出して該加飾シートと成形用樹脂とを一体化し、次いで加飾成形品を冷却して金型から取り出し、加飾シートの基材を剥離することにより、転写層を転写した加飾成形品を得る。
そこで、離型性シートの離型性面に、未硬化状態において常温で固体であり、且つ、熱可塑性樹脂である紫外線硬化性又は電子線硬化性の樹脂の未硬化樹脂を有することを特徴とする転写シートが提案されている(特許文献1参照)。該転写シートは、未硬化樹脂が熱可塑性、溶剤溶解性を有していながら、塗装及び乾燥によって見かけ上、あるいは手で触ったときに非流動性であり、かつ非粘着性であるため、該未硬化樹脂層の上に模様層を形成することができる。射出同時成形法によって、被転写体に転写した後、紫外線もしくは電子線を照射して、硬化がなされる。ところが、この方法であると、射出同時成形の際に、未硬化樹脂層が流動するために、成形体にシートが良好に転写されない場合があり、均一に硬化させるのが非常に困難であるという問題があった。
この方法においても、真空成形又は真空・圧空成形をした後に、電離放射線を照射して樹脂を硬化させて表面保護層を形成しているため、特許文献1に開示される加飾シートと同様の問題点がある。すなわち、シートの状態で硬化させると、十分な成形性が得られなくなるため、真空成形又は真空・圧空成形の後に、紫外線もしくは電子線を照射して、硬化がなされるが、真空成形又は真空・圧空成形の際に、未硬化樹脂層が流動するために、成形体への転写が良好になされない場合があった。
この場合、電離放射線硬化性樹脂の硬化物からなる表面保護層が積層された加飾シートを用いて、射出成形同時加飾方法により、加飾成形品を作製しているため、前述した特許文献1や特許文献2に記載されているような電離放射線硬化性樹脂の未硬化樹脂を有する転写シートを用いて、加飾成形品を作製する際に生じる問題は発生しないが、転写シートに用いる基材シートが加飾樹脂成形品中へ取り込まれるため、該基材シートの種類が制限されるのを免れないという問題があった。
1.基材上に、少なくとも離型層及び表面保護層をこの順で積層してなる、射出成形同時転写用の三次元成形加飾シートであって、該表面保護層が、1分子中に、アクリル樹脂の構造の一部がシロキサン結合に置換しており、かつ官能基としてアクリル樹脂の側鎖及び/又は主鎖末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有するアクリルシリコーン(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする三次元成形加飾シート、
2.前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート及び
多官能(メタ)アクリレートを含有し、該アクリルシリコーン(メタ)アクリレートと多
官能(メタ)アクリレートとの質量比が50:50〜95:5である上記1に記載の三次
元成形加飾シート、
3.前記アクリルシリコーン(メタ)アクリレートの、標準ポリスチレンで換算された重
量平均分子量が2,000〜100,000である上記1又は2に記載の三次元成形加飾
シート、
4.前記多官能(メタ)アクリレートが、3官能以上である上記2又は3に記載の三次元
成形加飾シート、
5.前記表面保護層が、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である上記1〜4のい
ずれかに記載の三次元成形加飾シート、
6.基材上に、少なくとも前記離型層、前記表面保護層、プライマー層、装飾層及び接着
剤層をこの順で積層してなる上記1〜5のいずれかに記載の三次元成形加飾シート、及び
7.上記1〜6のいずれかに記載の三次元成形加飾シートを用いてなる加飾成形品、
を提供するものである。
図1に示される本発明の三次元成形加飾シート10は、基材11上に、離型層12、表面保護層13、プライマー層14、装飾層15及び接着剤層16をこの順に積層してなる射出成形同時転写用の三次元成形加飾シートである。
本発明で用いられる基材11は、真空成形適性を考慮して選定され、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが使用される。該熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;ポリカーボネート樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
基材11の厚みは、通常10〜150μmであり、10〜125μmが好ましく、10〜80μmがより好ましい。
また、基材11としては、これら樹脂の単層シート、あるいは同種又は異種樹脂による複層シートを用いることができる。
ポリエステルシートを構成するポリエステル樹脂とは、多価カルボン酸と、多価アルコールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを示し、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などを好ましく挙げることができ、ポリエチレンテレフタレート(PET)が、耐熱性や寸法安定性の点で特に好ましい。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
また、基材11は、基材11とその上に設けられる層との層間密着性の強化などを目的として、易接着層を形成するなどの処理を施しても良い。なお、ポリエステルシートとして市販のものを用いる場合には、該市販品は予め上記したような表面処理が施されたものや、易接着剤層が設けられたものも用いることができる。
離型層12は、表面保護層13と、必要に応じて設けられるプライマー層14、装飾層15、及び接着剤層16とからなる転写層17の、基材シート11からの剥離を容易に行うために設けられるものである。離型層12は、図1に示すように、全面を被覆(全面ベタ状)しているベタ離型層であっても良いし、一部に設けられるものであっても良い。通常は、剥離性を考慮して、ベタ離型層が好ましい。
離型層12の厚みは、通常、0.01〜5μm程度であり、好ましくは、0.05〜3μmの範囲である。
表面保護層13は、アクリルシリコーン(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化性樹脂組成物からなり、この電離放射線硬化性樹脂組成物は、アクリルシリコーン(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを含有することが好ましく、さらに該アクリルシリコーン(メタ)アクリレートと該多官能(メタ)アクリレートの質量比がアクリルシリコーン(メタ)アクリレート:多官能(メタ)アクリレート=50:50〜95:5であることがより好ましい。アクリルシリコーン(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの質量比が95:5より小さくなると(即ち、アクリルシリコーン(メタ)アクリレートの量が、2成分の合計量に対して95質量%以下であると)、耐傷付き性がさらに向上する。一方、アクリルシリコーン(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの質量比が50:50より大きくなると(即ち、アクリルシリコーン(メタ)アクリレートの量が、2成分の合計量に対して50質量%以上となると)、三次元成形性がさらに向上する。
本発明において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似するものも同様の意である。
ここで、電離放射線硬化性樹脂組成物とは、電離放射線硬化性樹脂を含有する組成物をいう。電離放射線硬化性樹脂とは、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂を指す。
表面保護層13は、電離放射線硬化性樹脂組成物を完全に硬化したものであっても、半硬化したものであってもよいが、硬化物であると表面性能が良好となる。しかも、電離放射線硬化性樹脂組成物の組成を上述のようにすることで、硬化物であっても伸展性が良好となる。
このアクリルシリコーン(メタ)アクリレートの例としては、例えば、特開2007−070544号公報に開示されるような側鎖にシロキサン結合を有するアクリル樹脂の構造が好ましく挙げられる。
(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これら(メタ)アクリレートモノマーは1種を単独で又は2種を組み合わせて用いられる。
シリコーンマクロモノマーは、例えば、n−ブチルリチウム又はリチウムシラノレートを重合開始剤として、ヘキサアルキルシクロトリシロキサンをリビングアニオン重合し、更にラジカル重合性不飽和基含有シランでキャッピングして合成される。シリコーンマクロモノマーとしては、下記式(1)で表される化合物が好適に用いられる。
上述のアクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、アクリルシリコーン(メタ)アクリレートの架橋点間平均分子量は、100〜2,500であることが好ましい。架橋点間平均分子量が100以上であれば、三次元成形性の観点から好ましく、2,500以下であれば、耐薬品性及び耐傷付き性の観点から好ましい。
また、多官能(メタ)アクリレートは、オリゴマー及びモノマーのいずれでも良いが、三次元成形性向上の観点から多官能(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
以上述べた多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー及び多官能性(メタ)アクリレートモノマーは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。
また、表面保護層13には所望によりフィラーを含有させても良い。フィラーを含有させることで、タック性をさらに改善させることができ、印刷適性を付与し得る。
また、表面保護層13は、その上に設けられる下記プライマー層14との密着性を向上させる目的で、その表面に必要に応じてコロナ放電処理又はプラズマ処理を施すことができる。
本発明の三次元成形加飾シートは、表面保護層13と後述する装飾層15との間に、さらにプライマー層14を積層することが好ましい。プライマー層14を積層することにより、表面保護層13と装飾層15の密着性をさらに向上させることができるからである。プライマー層14は透明又は半透明な層であることが好ましく、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、セルロース系樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどの樹脂の1種単独又は2種以上の混合物が用いられるが、特にポリウレタン系2液硬化型樹脂を用いたものが好ましい。
前記ポリマーポリオールとしては、ポリエステルポリオールが好ましく、例えばポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(ネオペンチルアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ブチレンアゼラエート)、ポリ(ブチレンセバケート)、ポリカプロラクトン等が用いられる。
上記樹脂を溶媒に溶解した塗工液を、公知の方法で塗布、乾燥してプライマー層14とする。プライマー層14の厚みについては、通常、0.5〜20μm程度であり、好ましくは、1〜5μmの範囲である。
本発明における装飾層15は、通常絵柄層及び/又は隠蔽層により構成される。ここで、絵柄層は、模様や文字などとパターン状の絵柄を表現するために設けられる層であり、隠蔽層は、通常全面ベタ層であり射出樹脂などの着色等を隠蔽するために設けられる層である。隠蔽層には、絵柄層の絵柄を引き立てるために絵柄層の内側に設けられる場合の外、それ単独で装飾層を形成する場合がある。また、当該装飾層は、透明転写箔であってもよいし、色付き転写箔であってもよい。
本発明における絵柄層は、模様や文字などとパターン状の絵柄を表現するために設けられる層である。絵柄層の絵柄は任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字などからなる絵柄を挙げることができる。
装飾層15は、前述したプライマー層14に印刷インキでグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷、昇華転写印刷、インクジェット印刷などの公知の印刷法により形成することで、図1に示すようにプライマー層14と接着剤層16との間に形成される。
装飾層15の形成に用いられる印刷インキは、上記成分の他に、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、滑剤などを適宜添加することができる。印刷インキは、上記成分を、通常溶剤に溶解又は分散した態様で提供される。溶剤としては、バインダー樹脂を溶解又は分散させるものであれば良く、有機溶剤及び/又は水を使用することができる。有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのエステル類、アルコール類が挙げられる。
本発明における接着剤層16は、表面保護層13、プライマー層14、及び装飾層15を、接着性良く加飾成形品に転写するために形成されるもので、所望により設けられる層である。この接着剤層16としては、射出成形同時転写加飾法において、射出成形樹脂と当該三次元成形加飾シートとを、密着性よく、かつ端部に剥がれが生じることがないように接合し得ることが望ましい。
接着剤層16の厚みとしては、三次元成形加飾シートを接着性良く、かつ効率的に加飾成形品に転写し得るという点から、0.1〜100μm程度が好ましく、0.1〜20μmがより好ましい。
本発明の三次元成形加飾シートは、例えば、以下の[1]〜[7]の工程により製造することができる。
[1]基材11上に離型層12を積層する工程、
[2]離型層12上にアクリルシリコーン(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化性樹脂組成物層を積層する工程、
[3]該電離放射線硬化性樹脂組成物層に電離放射線を照射し該電離放射線硬化性樹脂組成物層を硬化乃至半硬化して表面保護層13を形成する工程、
[4]所望により、該表面保護層13の表面にコロナ放電処理又はプラズマ処理を施す工程、
[5]所望により、該表面保護層13上に、プライマー層14を積層する工程、
[6]所望により、該プライマー層14上に装飾層15を積層する工程、及び
[7]所望により、該装飾層15上に接着剤層16を積層する工程。
基材11上に積層される離型層12、表面保護層13、プライマー層14、装飾層15及び接着剤層16の積層方法は、グラビア印刷、ロールコートなどの公知の印刷又は塗工手段が用いられる。
なお、装飾層15を例えば上記のように絵柄層と隠蔽層との組み合わせとする場合は、一層を積層した後、乾燥し、その後次の層を積層すれば良い。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材11として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材11への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜60kGy(1〜6Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
前述した本発明の三次元成形加飾シート又は前記のようにして製造された三次元成形加飾シートは、射出成形同時転写加飾に好適に用いられる。
射出成形同時転写加飾による本発明の加飾成形品は、例えば、以下の工程(1)〜(5)により製造することができる。
(1)まず、上記三次元成形加飾シートの基材側を金型内に向けて、熱盤によって基材側から三次元成形加飾シートを加熱する工程、
(2)加熱された該三次元成形加飾シートを金型内形状に沿うように予備成形して金型内面に密着させて型締する工程、
(3)射出樹脂を金型内に射出する工程、
(4)該射出樹脂が冷却した後に金型から加飾成形品を取り出す工程、及び
(5)該加飾成形品から基材及び離型層を剥離する工程。
なお、上記のガラス転移温度近傍とは、ガラス転移温度±5℃程度の範囲をさし、基材として好適なポリエステルシートを使用する場合には、一般に70〜130℃程度である。
このようにして得られた加飾成形品は、冷却した後に金型から取り出した後、基材11及び離型層12を剥離することにより表面保護層13と、必要に応じて設けられるプライマー層14、装飾層15及び接着剤層16とからなる転写層17が転写された加飾成形品となる。
加飾成形品に用いられる射出樹脂としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂あるいは、熱硬化性樹脂(2液硬化性樹脂を含む)であれば良く、特に制限されず、様々な樹脂を用いることができる。このような熱可塑性樹脂材料としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、2液反応硬化型のポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独でも良いし、二種以上混合して用いても良い。
また、これらの樹脂には、必要に応じて各種添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどの無機物粉末、木粉、ガラス繊維などの充填剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤などを添加することができる。なお、射出樹脂は、用途に応じて適宜、着色剤を添加して着色した樹脂を使用しても良い。着色剤には、前述の基材に用いることのできるものと同様の公知の着色剤を使用できる。
加飾成形品を構成する射出樹脂成形体の厚みについては特に制限はなく、当該加飾成形品の用途に応じて選定されるが、通常1〜5mm、好ましくは2〜3mmである。
加飾成形品20は、射出樹脂成形体18上に、表面保護層13と、プライマー層14と、装飾層15と、接着剤層16とからなる転写層17が、接着剤層16を介して積層一体化された構造を有している。
(1)三次元成形性(真空成形)
各実施例及び比較例で得た三次元成形加飾シートを用いて、以下に示す方法で加飾成形品を作成し、成形後の外観にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
○;表面保護層に塗膜割れや白化(微細な割れ)がほとんど見られず、良好に形状に追従した。
△;形状に追従できずに表面保護層に白化(微細な割れ)が見られた。
×;形状に追従できずに表面保護層に塗膜割れが見られた。
<加飾成形品の作製>
各実施例及び比較例で得られた三次元成形加飾シートを熱盤温度150℃で加熱して射出成形の金型内形状に沿うように成形して、金型内面に密着させた。金型は、80mm角の大きさで、立ち上がり10mm、コーナー部が2Rのトレー状である深絞り度の高い形状のものを用いた。一方、射出樹脂としてABS樹脂[日本エイアンドエル(株)製、商品名「クラスチックMTH−2」]を用いて、これを230℃にて溶融状態にしてから、キャビティ内に射出した。温度80℃の金型から取り出し、表面に基材、絵柄層、隠蔽層及び接着剤層からなる転写層を転写形成してなる図2に示す構成の加飾成形品20を得た。なお、本発明において、深絞りとは、三次元成形加飾シートの成形前と成形後との面積比が100%以上となるような形状をいい、深絞り度が高いとは、面積比が大きいことをいう。
上述のようにして得られた加飾成形品について、#0000スチールウールを用いて荷重1.5kgfで5回往復後の外観を評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎;傷つきが全くなかった。
○;傷付きがほとんどなかった。
△;表面一部に軽微な傷があった。
×;表面全面に著しい傷があった。
東ソー(株)製高速GPC装置を用いた。用いたカラムは東ソー(株)製、商品名「TSKgel αM」であり、溶媒はN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を用い、カラム温度40℃、流速0.5cc/minで測定を行なった。尚、本発明における重量平均分子量はポリスチレン換算を行った。
基材として、易接着処理が施された2軸延伸PETシート(厚み:25μm)上に、シリコーン系樹脂をグラビア法により塗布して、離型層(厚み:0.2μm)を形成した。
次いで、2官能アクリルシリコーンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:10,000)からなる電子線硬化性樹脂を、上記離型層の上にグラビアリバース法により塗布して、加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂を架橋硬化させ、表面保護層(厚み:20μm)を形成した。
次に、上記表面保護層表面にコロナ放電処理を施した後、その上に、アクリル/ウレタンブロック共重合樹脂の溶液を塗布して、プライマー層(厚み2μm)を形成した。
次いで、上記プライマー層の上に、アクリルウレタン共重合樹脂をバインダー樹脂としたインキを用い、グラビア印刷を施して、木目柄の絵柄層と隠蔽層(積層順に変更)からなる装飾層を形成した。さらにこの上にアクリル系樹脂[軟化温度:100℃]を塗工量4g/m2でグラビア印刷を施して接着剤層を形成し、図1に示す構成の三次元成形加飾シートを作製した。
該三次元成形加飾シートについて上記方法にて評価した。評価結果を第1表に示す。
電子線硬化性樹脂として、第1表に示すものを用いた以外は実施例1と同様にして三次元成形加飾シートを作製し、それぞれについて上記方法にて評価した。評価結果を第1表に示す。
電子線硬化性樹脂B: 6官能のウレタンアクリレート(重量平均分子量:5,000)
電子線硬化性樹脂C: 10官能のウレタンアクリレート(重量平均分子量:10,000)
電子線硬化性樹脂D: 2官能のウレタンアクリレート(重量平均分子量:50,000)
11 基材
12 離型層
13 表面保護層
14 プライマー層
15 装飾層
16 接着剤層
17 転写層
18 射出樹脂成形体
20 加飾成形品
Claims (7)
- 基材上に、少なくとも離型層及び表面保護層をこの順で積層してなる、射出成形同時転写用の三次元成形加飾シートであって、該表面保護層が、1分子中に、アクリル樹脂の構造の一部がシロキサン結合に置換しており、かつ官能基としてアクリル樹脂の側鎖及び/又は主鎖末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有するアクリルシリコーン(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする三次元成形加飾シート。
- 前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートを含有し、該アクリルシリコーン(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの質量比が50:50〜95:5である請求項1に記載の三次元成形加飾シート。
- 前記アクリルシリコーン(メタ)アクリレートの、標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が1,000〜150,000である請求項1又は2に記載の三次元成形加飾シート。
- 前記多官能(メタ)アクリレートが、3官能以上である請求項2又は3に記載の三次元成形加飾シート。
- 前記表面保護層が、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である請求項1〜4のいずれかに記載の三次元成形加飾シート。
- 基材上に、少なくとも前記離型層、前記表面保護層、プライマー層、装飾層及び接着剤層をこの順で積層してなる請求項1〜5のいずれかに記載の三次元成形加飾シート。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の三次元成形加飾シートを用いてなる加飾成形品。
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