JP5051637B2 - 高意匠性樹脂シート被覆金属板の製造方法 - Google Patents
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1.目視した際に深み感、立体感の印象を与える高意匠性樹脂シート被覆金属板の製造方法を提供すること。
2.生産性に優れ、接着剤層への気泡の巻き込み(または抱き込み)がなく、高品質の高意匠性樹脂シート被覆金属板の製造方法を提供すること。
なお、本発明において「深み感、立体感」とは、樹脂シート被覆金属板を種々の角度から目視した際に、内部エンボスの深さ、樹脂層の屈折率、虹彩、接着剤層の厚さ、透明な表面樹脂シートの厚さなどの組合せにより、内部エンボスが実際の寸法よりも深く、強調されて認識されることをいう。
1.本発明に係る製造方法で得られる高意匠性樹脂シート被覆金属板は、内部エンボスを形成する樹脂シート層に透光性のある虹彩色を配合しているので、目視する角度により反射光が違って認識されるので、目視した際に深み感、立体感の印象を与える。
2.本発明に係る製造方法で得られる高意匠性樹脂シート被覆金属板は、二次加工する際に、金属板と樹脂シートとの界面が剥離することがなく、被覆樹脂シートに亀裂が生ずることもない。
3.本発明に係る製造方法で得られた高意匠性樹脂シート被覆金属板は、生産性に優れ、接着剤層への気泡の巻き込みがなく、品質が優れている。
意匠性樹脂シート被覆金属板の二次加工性が悪くなり、またコスト的に不利である。
(B1)ポリエステル系樹脂:ポリエチレンテレフタレート樹脂(イーストマンケミカル社製、商品名:イースター6763)である。
(B2)PBT樹脂:ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製、ノバデュラン5020S)である。
(C1)顔料1:粒子全体の90質量%が5〜15μmの範囲にあるパールマイカ顔料(ダイヤ工業社製、商品名:DM−635R)である。
(C2)顔料2:平均粒子径が0.35μmの酸化チタン(石原産業社製)である。
(C2)顔料3:平均粒子径が0.23μmの酸化チタン(デュポン社製、商品名:タイピュアR−103)である。
(D2)接着剤2:アクリレート系オリゴマー(第一工業製薬社製、商品名:ニューフロンティアR1303)である。
(D3)接着剤3:アクリレート系オリゴマー(根上工業社製、商品名:アートレジンUN1255)である。
(D4)接着剤4:希釈剤としてのアクリレート系モノマー(興人社製、銘柄名:ACMO)である。
(E)PETフィルム:幅が20cm、厚さが75μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(帝人・デュポン社製、商品名:テトロンSG2)である。
[B層(着色層)の作成]
PET樹脂を60質量%、PBT樹脂を40質量%よりなる樹脂混合物100質量部、顔料2を16質量部それぞれ秤量し、タンブラーで混合して混合物を得た。この混合物を、先端にTダイを装備した二軸押出機(テクノベル社製、型式:K−25−25T、L/D=25)を使用し、シリンダー温度260℃、回転数20rpm/分)の条件下で混練し、幅が25cm、厚さが150μmのシートを製造した。
PET樹脂を60質量%、PBT樹脂を40質量%、顔料の種類および量を表−1に示した量(樹脂成分100質量部に対する質量部)それぞれ秤量し、タンブラーで混合して混合物を得た。この混合物を、先端にTダイを装備した二軸押出機(テクノベル社製、型式:K−25−25T、L/D=25)を使用し、シリンダー温度260℃、回転数20rpm/分)の条件下で混練し、幅が25cm、厚さが50μmのシートを製造した。
上記B層(着色層)とC層(虹彩色層)とを重ね合せ、110℃の温度に調節され、一方のエンボロールに平均粗さ(Ra)が60μmの抽象柄エンボスが刻印された金属ロールを装備した一対のエンボスロールに、ロール間の挟圧力を5N/cmして挟み、B層(着色層)とC層(虹彩色層)とを溶着しながらC層表面に連続的にエンボス柄を転写した。
厚さが0.45mm、幅が200mmの亜鉛メッキ鋼板の表面に、ポリエステル系接着剤(東洋紡績社製、商品名:バイロン20SS)をロールコート法により塗布し、オーブン(設定温度80℃)により塗布面の乾燥を行い、乾燥後の接着剤膜厚を2μm〜4μm程度とした。次いで熱風加熱炉(設定温度:350℃)により塗布面を加熱して、鋼板の表面温度を240℃および245℃に設定し、直ちに60℃の温度に調節されたロールラミネーターを使用して、ロール間の挟圧力を50N/cmとして挟み、上で作成したエンボスを付与したB層とC層との積層シートを被覆して、常温まで冷却し、意匠性積層シート被覆金属板を得た。
上記方法で調製した意匠性積層シート被覆金属板のC層(虹彩色層)の上に、次の手順でPETフィルムを積層し、紫外線を照射した。上記方法で調製した意匠性積層シート被覆金属板のC層(虹彩色層)の上に、図2に概略図で示した試験装置を使用し、表−1に記載した種類の接着剤をダイコーターによって塗布したPETフィルムを、積層ロール25、26の前面に接着剤の液だまり(バンク)23を形成しつつ積層した。液だまり(バンク)23の量は、積層ロール25、26を閉にした状態で、接着剤の液だまりが発生することを目視観察しながら、PETフィルムに塗布する接着剤厚さを次式、すなわち、厚さ≧(2×Ra)、を満たすように調節した。ここでRaはC層(虹彩色層)表面に形成されたエンボスの平均高さを意味する。PETフィルムを積層後、直ちに、高圧水銀灯(ウシオ電機社製、型式:UVC−5035/1MNLC6−HGO)を使用して、積算照射量340mJ/cm2に達するまで照射し、接着層を硬化させ、放冷して高意匠性積層シート被覆金属板を得た。
上記実施例および比較例で得られた高意匠性積層シート被覆金属板を、以下に記載の方法で評価した。評価結果を、表−1、表−2に記載した。
(1)接着剤の粘度:B型粘度計を使用し、温度25℃で測定した。
(2)液だまりの有無:目視観察して確認し、接着剤の液だまり(バンク)ある場合は「あり」と、ない場合は「なし」と判定、表示した。
(3)エンボス充填性:C層表面のエンボスへの接着剤の充填状況を、目視観察して確認した。判定基準は、極めて良好に充填されているものを◎、やや不十分な箇所もあるが、実用上問題のないものを○、エンボスへの充填が不十分なものを×とした。
(4)気泡巻き込み:高意匠性積層シート被覆金属板を接着剤層への気泡の有無を、目視観察した。判定基準は、気泡が全く認められないものを◎、気泡が若干認められるが実用上問題のないものを○、気泡が多く認められたものを×とした。
(6)エンボス視認性:高意匠性積層シート被覆金属板の表面を、目視観察して確認した。判定基準は、エンボス形状が目視により明確に識別できるものを○、形状が明確でないものを×評価した。
(7)表面平滑性:高意匠性積層シート被覆金属板の表面を、目視観察して確認した。判定基準は、表面が鏡面状で平滑性に優れているものを◎、表面に若干の凹凸が観察されるが、実用上問題のないものを○、表面に凹凸が観察されて実用上問題があるものを×とした。
(8)総合評価:上記(2)〜(7)までの評価項目を総合して、極めて良好なものを◎、良好なものを○、実用上問題があるものを×とした。
実施例1に記載の例において、顔料の種類と量、接着剤の種類を表−2に記載したように変更したほかは、同例におけると同様の手順で、高意匠性積層シート被覆金属板を得た。なお、液だまりなしの積層(比較例1)では、ラミネートロール間隔を、(1)意匠性シートの最大厚さ、(2)エンボス平均高さ(Ra)および(3)PET樹脂フィルムの厚さを加算した厚さとし、PETフィルムに塗布する接着剤の厚さをRa以下とし、接着剤の液だまりが発生じていないことを目視で確認しながら積層した。原料の詳細と、各種項目についての評価結果を、表−2に示した。
1.本発明に係る製造方法によって得られた樹脂シート被覆金属板は、接着剤層を構成する樹脂の種類を変えても、虹彩色性、エンボス視認性ともに優れ、高意匠性樹脂シート被覆金属板として優れている(実施例2、実施例3参照)。
2.接着剤の粘度が本発明で好ましい範囲としている範囲内にあり、接着剤の液だまりを作りながら製造した樹脂シート被覆金属板は、エンボス充填性がよく、気泡の巻き込みがなく、外観性に優れた樹脂シート被覆金属板が得られる(実施例3、実施例4参照)。
3.接着剤の粘度が本発明で好ましい範囲としている範囲内であっても、接着剤の液だまりがない場合は、実用上はないものの、気泡の抱きこみがやや目立ち多く、若干外観が見劣りするものであった(比較例1参照)。
2:接着剤
3:着色剤層(B)
4:透光性のある虹彩色層(C)
5:エンボス模様
6:接着剤層(D)
7:ポリエステル樹脂層(E)
21:金属板
22:表面にエンボス模様が形成された樹脂層(B層とC層より構成されている)
23:接着剤の液だまり(バンク)
24:透明二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂シート
25、26:積層ロール
27:紫外線照射装置
Claims (2)
- 金属板(A)側から、着色剤層(B)、透光性のある虹彩色層(C)、アクリレート樹脂層を主体とし、粘度が500cp〜100万cpの透明な接着剤層(D)、および透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)が順次積層されてなり、着色剤層(B)と透光性のある虹彩色層(C)とが一体化され、透光性のある虹彩色層(C)側の上面に、最大高さRaが50〜200μmのエンボスが形成されてなる高意匠性樹脂シート被覆金属板製造方法において、着色剤層(B)と透光性のある虹彩色層(C)とが積層された金属板(A)の透光性のある虹彩色層(C)の上面に、アクリレート樹脂を主体とする透明な樹脂からなる接着剤層(D)の液だまり(バンク)を形成しながら、一対の加圧ロールによって加圧し、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)とを連続して積層したのち、直ちに接着剤層(D)を光硬化させてなることを特徴とする、高意匠性樹脂シート被覆金属板の製造方法。
- 透光性のある虹彩色層(C)は、透明な樹脂に光輝性顔料が配合されているか、屈折率の差が0.01〜0.1の間にある複数の透明樹脂の混合物、または屈折率の差が0.01〜0.1の間にある複数の透明樹脂の積層体よりなる群から選ばれたいずれかである、請求項1に記載の高意匠性樹脂シート被覆金属板の製造方法。
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