JP4937080B2 - 加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板、およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高意匠性樹脂シート被覆金属板、およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、建築内装材用途などに使用される高意匠性樹脂シート被覆金属板、およびその製造方法に関する。
従来、建築内装材用途に使用され意匠性樹脂シート被覆金属板としては、いわゆる鏡面意匠タイプのものと、表面に凹凸状の柄模様を形成したエンボス意匠タイプのものがある。鏡面意匠タイプのものは、金属板表面を、顔料によって着色された軟質ポリ塩化ビニル樹脂(以下、「PVC」と略す。)などの樹脂シートの上に印刷柄を施し、さらにその上に透明性、平滑性に優れた樹脂フィルムで被覆した構造のものである。また、エンボス意匠タイプのものは、金属板表面を、表面にエンボス模様を施した単層(一層)の軟質PVCシートなどの樹脂シートで被覆したものである。
近年、建築内装材用途に使用される意匠性樹脂シート被覆金属板は、より優れた意匠性、例えば、目視した際に深み感、立体感などの印象を与える(または感じる)意匠が求められている。深み感、立体感などの印象を与えることができる構造の被覆樹脂シート層は、透明または半透明で、平滑性に優れた表面の被覆樹脂シート層を通して、被覆樹脂シート層の内部(金属板側)に存在する凹凸状柄模様(またはエンボス模様)が視認できる構造とされている。被覆樹脂シート層の内部(金属板側)に存在する凹凸状柄模様は、内部エンボスと呼称されることがある。
内部エンボスが施された意匠性樹脂シート被覆金属板に関しては、特許文献1に記載されているように、表面にエンボス模様を施した着色軟質PVCシートのエンボス模様面に、透明なPVCペーストをコートする方法、特許文献2に記載されているように、エンボス加工した熱可塑性樹脂シートの表面に、無溶剤タイプの硬化型樹脂を充填硬化させる方法、特許文献3に記載されているように、熱可塑性樹脂シートのエンボス模様を付与した表面に、ドライラミネート接着剤を介して透明な熱可塑性樹脂層を形成したもの、特許文献4や特許文献5に記載されているように、表面にエンボスおよび印刷を施した着色軟質PVCシートの凹凸面と透明な表層との間に、紫外線硬化型接着剤を充填し、更に表層を透明なフィルムで被覆する方法などが提案されている。
しかし、特許文献1に記載の化粧シートでは、エンボスを施した軟質PVCシートの上に、更にPVCペーストを塗布した後、このペーストをゲル化させるための焼付け処理工程が必要である。同時に、表面を平滑化するために、加熱下で一対の加圧ロール間を通過させるなどの処理が必要である。また、軟質PVCのエンボス模様の耐熱性は、通常の使用環境下においては充分であるが、本来的に耐熱性はそれほど高くない。このため、上記の加熱・加圧処理の間にエンボス戻り(形成したエンボス模様が、平面状に変化すること)が起こり、最終的に得られる化粧シートに、充分な深み感と立体感のある内部エンボス意匠を施すのは難しい。また、近年、内装建材として使用されるものは、揮発性有機化合物(VOC)、内分泌撹乱物質の懸念のある材料を使用することは制限を受ける状況にあり、このような観点から、軟質PVCを使用した製品は好ましくない。
特許文献2に記載の方法により得られた製品は、無溶剤型の二液硬化型樹脂層が最表面となることから、この層の耐傷入り性を良好なものとする必要がある。また、樹脂被覆金属板としての二次加工性、特に折り曲げ加工性の際に剥離、亀裂などが生じないようにする必要があることから、樹脂被覆金属板の用途に使用するには、特殊な接着剤を選択する必要があり、その結果コスト高になるのは否めない。また、特殊な硬化剤を使用するので、硬化するまで長時間かかり生産性が極めて悪い。特許文献3に記載の方法によれば、最表層に熱可塑性樹脂フィルムを使用するので、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムなど表層を適宜選択することによって、樹脂シート被覆金属板としての耐傷入り性、加工性の双方を向上させることができる。しかし、使用する接着剤はドライラミネート用接着剤であり、この接着剤は溶剤系であるため厚塗りすることはできず、従って、深い内部エンボス意匠を形成できないという欠点があった。
特許文献4、特許文献5に記載の方法では、接着剤として、紫外線硬化型のものを使用することを必須としている。紫外線硬化型接着剤を使用したものは、接着剤の物性に起因して、樹脂被覆金属板としての加工性(柔軟性)と、ユニットバス用途の評価項目として一般的に含まれる沸騰水浸漬試験とを、同時に満足(合格)する特性を発揮することは困難であった。すなわち、紫外線硬化型接着剤として、硬化した後の硬化物の物性が硬いものを用いた場合は、樹脂被覆金属板は優れた加工性を発揮せず、硬化した後の硬化物の物性が柔軟なものを用いた場合は、沸騰水浸漬試験に合格できないという欠点があった。
紫外線硬化型接着剤に代えて、通常の溶剤系の硬化型接着剤を使用した場合は、乾燥後の接着剤層の厚さが薄くなるので厚塗りが困難であり、深いエンボスを埋めて、さらに透明な表層の表面に平滑性を得るに充分な厚さの塗布面とすることができなかった。また、無溶剤系のイソシアネート硬化型接着剤では、接着剤塗布後の硬化に長時間がかかるため、接着剤層が硬化するまでの間、透明な表層と着色樹脂層との間にズレが生じないように、または接着剤層に外力による窪みなどの変形が生じないようにする工夫を要するなど、工程上の問題も発生するため、実用的な生産性と、優れた性能を発揮するものが得られていなかった。さらに無溶剤系の接着剤は、一般的に粘度が高く、接着剤の主成分と硬化剤とを混合攪拌する際に気泡を巻き込み易く、この気泡が接着剤層に残り、高品質の製品が得られないなどの欠点があった。
特開平1−141050号公報 特開平1−275138号公報 特許2960173号公報 特許3384508号公報 特許3337176号公報 特願2007−155105
本発明者らは、上記状況に鑑み、従来技術の上記諸欠点を排除した、加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板技術を提供すべく、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明の目的は、次のとおりである。
1.目視した際に深み感、立体感の印象を与える、加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板を提供すること。
2.生産性に優れ、接着剤層への気泡の巻き込み(または抱き込み)がなく、加工性に優れた高品質の高意匠性樹脂シート被覆金属板の製造方法を提供すること。
なお、本発明において「深み感、立体感」とは、樹脂シート被覆金属板を種々の角度から目視した際に、内部エンボスの深さ、樹脂層の屈折率、虹彩、接着剤層の厚さ、透明な表面樹脂シートの厚さなどの組合せにより、内部エンボスが実際の寸法よりも深く、強調されて認識されることをいう。また、「加工性に優れている」とは、被覆金属板は、二次加工する際に、金属板と樹脂シートとの界面が剥離することがなく、被覆樹脂シートに亀裂、割れなどが生ずることがないこという。
上記目的を達成するために、第一発明では、金属板の表面が高意匠性樹脂シートによって被覆された加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板において、金属板(A)側から、着色剤層(B)、透光性のある虹彩色層(C)、アクリレート樹脂を主体とする透明な接着剤層(D)、および透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)が順次積層されてなり、着色剤層(B)と透光性のある虹彩色層(C)が一体化され、透光性のある虹彩色層(C)側の上面に、最大高さRaが50μm〜200μmのエンボス模様が形成され、かつ、接着剤層(D)が、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)側から層(D1)と層(D2)の二層によって構成され、硬化後の引張破断強度が20MPa〜50MPaであり、破断伸びが200〜600であることを特徴とする、加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板を提供する。
また、第二発明では、金属板(A)側から、着色剤層(B)、透光性のある虹彩色層(C)、アクリレート樹脂層を主体とする透明な接着剤層(D)、および透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)が順次積層されてなり、着色剤層(B)と透光性のある虹彩色層(C)とが一体化され、透光性のある虹彩色層(C)側の上面に、最大高さRaが50μm〜200μmのエンボス模様が形成され、かつ、接着剤層(D)が、硬化後の引張破断強度が20MPa〜50MPaであり、破断伸びが200〜600である高意匠性樹脂シート被覆金属板の製造方法において、前記透光性のある虹彩色層(C)側の上面エンボス模様の凹凸部を、アクリレート樹脂を主体とする接着剤(D2)であらかじめ充填して光硬化させた後に、その上にアクリレート樹脂を主体とする接着剤(D1)を介在させ、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)と積層一体化し直ちに光硬化させることを特徴とする、加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板の製造方法を提供する。
本発明は、以下詳細に説明するとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板は、内部エンボス模様を形成する樹脂シート層に透光性のある虹彩色を配合しているので、目視する角度により反射光が違って認識されるので、目視した際に深み感、立体感の印象を与える。
2.本発明に係る加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板は、二次加工する際に、金属板と被覆樹脂シートとの界面が剥離することがなく、被覆樹脂シートに亀裂、割れなどが生ずることもなく、加工性に優れている。
3.本発明に係る製造方法で得られた加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板は、沸騰水中に長時間浸漬しても金属板と被覆樹脂シートとの界面が剥離することがなく、耐熱性に優れている。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に係る加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板は、金属板(A)(以下、単に金属板Aと記載することがある。)の表面に、目視によって高意匠性が認識できる多層樹脂シート(S層)によって被覆されているものをいう。本発明において金属板(A)は、高意匠性を認識させる多層樹脂シート(S層)が積層されるものである。金属板(A)としては、従来から樹脂シート被覆用金属板として使用されているものが挙げられる。具体的には、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、熔融亜鉛・アルミニウム合金メッキ鋼板、熔融亜鉛・アルミニウム・マグネシウム合金メッキ鋼板、スズメッキ鋼板、ティンフリースチール、ステンレス鋼板などの各種鋼板、アルミニウム系合金板、ニッケル系合金板、チタン系合金板などの合金板が挙げられる。金属板の厚さは、樹脂シート被覆金属板の用途により変わり、通常0.1〜10mmの範囲とされる。ユニットバスの用途では、厚さが0.3〜0.8mmのものが使用される。
上記金属板の表面を被覆する多層樹脂層(S層)は、着色剤層(B)(以下、単に「B層」と記載することがある。)、透光性のある虹彩色層(C)(以下、単に「C層」と記載することがある。)、アクリレート樹脂層を主体とする透明な接着剤層(D)(以下、単に「D層」と記載することがある)、および、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)(以下、単に「E層」と記載することがある。)の順に含む多層樹脂層で構成され、着色剤層(B)が金属板A側に配置される。本発明において樹脂シートとは、厚さが薄く、通常はその厚さが長さと幅の割には小さく平らな製品をいう。シートとフィルムとの境界は明確ではないので、本発明でシートとはフィルムも含む意味である。
着色剤層(B)は、透光性のある虹彩色層(C)と積層一体化された状態で、接着剤層(D)と接触する側の表面にエンボスによる凹凸状模様が形成され、最終的に得られる樹脂シート被覆金属板に、高意匠性を付与する。B層は、熱可塑性樹脂によって構成し、透光性のある虹彩色層(C)との密着性がよく、エンボス加工による凹凸状模様の付与が容易であり、意匠性樹脂シート被覆金属板としての二次加工性が確保され、沸騰水浸漬時に樹脂シートが、収縮、剥離など変形するおそれがないものであれば制限がない。このような熱可塑性樹脂としては、PVCまたは無延伸のポリエステル系樹脂が挙げられる。PVCシートは、硬質、可塑剤が配合された半硬質および軟質のPBC組成物より製造されたものをいう。可塑剤としては、ジオクチルフタレート(DOP)、ジベンジルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジブチルフマレートなどが挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリエチレンテレフタレート・エチレンイソフタレート共重合体(PETI)、ポリブチレンテレフタレートイソフタレート共重合体(PBTI)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリシクロヘキサンジメタノール−コ−エチレンテレフタレート(PETG)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、およびこれらの樹脂を2種以上混合したブレンド物などが挙げられる。
B層は、被覆される金属板Aを隠蔽し、一体化されたB層とC層とに形成されたエンボス模様の深み感、立体感を際立たせた意匠性を付与する目的で、顔料が配合される(含有させる)。顔料は、上記目的のために一般的に使用されるものでよく、最終的に得られる意匠性樹脂シート被覆金属板の用途に応じて、選ぶことができる。白色系に着色する場合には、隠蔽効果が高く、かつ、積層シートの加工性に与える影響が少ない、粒径が微細な酸化チタンが好ましい。また、白色系の有彩色の着色では、この酸化チタンを主成分とし、色調を調整するために有彩色の有機、無機の顔料を少量添加することもできる。エンボス意匠の視認性を向上させる目的で、パール顔料や光輝性顔料などを添加することもできる。B層を構成する樹脂への顔料の配合量は、多すぎると強度が不十分となるので、樹脂を基準として50質量%以下とするのが好ましい。より好ましいのは40質量%以下、特に好ましいのは30質量%以下である。
B層を構成する樹脂には、顔料のほか、本発明の目的を損なわない範囲で、各種の樹脂添加剤を適宜な量、配合することができる。樹脂添加剤としては、燐系化合物、フェノール系化合物などの酸化防止剤、ラクトン系化合物、フェノールアクリレート系化合物などのプロセス安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、各種加工助剤、金属不活化剤、滑剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料分散性改良剤、充填・増量剤などが挙げられる。さらに、B層の基体樹脂がポリエステル系樹脂の場合には、カルボジイミド系、エポキシ系、オキサゾリン系などの末端カルボン酸封止剤、または加水分解防止剤などを配合することもできる。
B層に形成するエンボス模様の深み感や立体感をより強く発揮させるには、B層の厚さが大きい程、より深いエンボス模様を転写できるが、100〜300μmの範囲で選ぶのが好ましい。厚さが100μm未満の場合は、B層に付与できるエンボス模様の種類が制限され、立体感や深み感に富むエンボス模様を転写することが難しく、結果として積層シートに深み感や立体感を付与することが難しくなる。厚さが300μmを超える場合は、意匠性樹脂シート被覆金属板の二次加工性が悪くなるばかりでなく、またコスト的に不利である。
B層の表面には、印刷を施すこともできる。印刷方法には特に制限がなく、従来から知られている印刷方法、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などによることができる。印刷する際の印刷柄は、任意であり、例えば、石目調、木目調、幾何学模様、抽象模様などを挙げることができる。印刷は、全面印刷でも部分印刷でもよく、全面印刷と部分印刷との組合せでもよい。印刷面は、(1)B層の表面(この場合の印刷面は、B層と詳細は後記するC層との界面に位置する。)、(2)C層の表面(この場合の印刷面は、C層と詳細は後記するD層との界面に位置する。)、(3)詳細は後記するE層の裏面(この場合の印刷面は、後記するD層と、E層との間に位置する。)のいずれかに、設けることができる。印刷面は、(1)〜(3)の二箇所に設けることもできる。
透光性のある虹彩色層(C)は、上記B層と一体化されて、エンボス模様の深み感、立体感を際立たせ、視認性、視覚性を向上させるように機能する。透光性のある虹彩色層(C)は、(a)透明な熱可塑性樹脂を基体とし、この基体樹脂に光輝性顔料を配合する方法、(b)JIS K0062に準拠して測定される屈折率(n)の差が0.01〜0.1の間にある複数の樹脂の混合物をシート化する方法、または、(c)屈折率(n)の差が0.01〜0.1の間にある複数の透明樹脂薄膜の積層体とする方法、のいずれかによって調製できる。虹彩色とは、干渉色とも呼称される。虹彩色を有するシートは、隠ぺい性が強すぎると、B層やその表面に印刷を施した場合には、その印刷層が視認できなくなるので、透光性を有するようにするのが好ましい。透光性は、高意匠性樹脂シート被覆金属板の用途により異なるので、用途に応じて適宜選ぶのが好ましい。例えば、内装建材用途の高意匠性樹脂シート被覆金属板では、JIS K5600−4−1:1999「塗料一般試験方法−第4部:有効塗膜の視覚特性−第1節:隠ぺい力(淡彩色塗料用)」に準拠して測定した隠ぺい率が、0.7以下が好ましい。
C層を構成する樹脂は、上記B層との密着性がよいものであればよく、同一の樹脂でも異なる樹脂でもよい。C層は、エンボス加工による凹凸状模様の付与が容易であり、高意匠性樹脂シート被覆金属板としての二次加工性が確保され、沸騰水浸漬時にシートが変形するおそれがないものであれば制限がない。このような熱可塑性樹脂としては、PVC、無延伸のポリエステル系樹脂が挙げられ、熱硬化性樹脂であってもよい。C層にも、本発明の目的を損なわない範囲で、各種の樹脂添加剤を適宜な量、配合することができる。具体例は、B層の配合できるとして例示したものと、同じである。
上記(a)の方法で使用される光輝性顔料としては、パールマイカ顔料、ガラスフレーク表面をニッケル他の各種金属によって無電解メッキ処理したもの、アルミニウムフレークなどの金属フレーク、アルミニウム箔などの金属箔自体を細かく裁断したもの、エポキシ樹脂などで表面処理を施したアルミニウム箔などの金属箔を細かく裁断したもの、各種金属を無電解メッキ処理した樹脂シートを細かく裁断した顔料などが挙げられる。以下、C層が虹彩色を発揮するために使用される光輝性顔料として代表的なパールマイカ顔料で説明する。パールマイカ顔料は、屈折率の低いマイカ顔料の表層に、屈折率(N)の高い酸化チタン層を被覆した構造の顔料であり、この顔料がC層の中で平行配向して、光を一定方向に規則的な多重反射させることによって光輝性を発揮し、この規則的な多重反射性により、エンボス模様が視覚的に強調されて、視認性が向上するものと推測される。光輝性顔料として市販されている商品があり、アルティミカ(日本光研社製)、クリスタルスター(東洋アルミニウム社製)、メタシャイン(日本板硝子社製)などが挙げられる。
上記(b)および(c)の方法では、二種類の透明樹脂の屈折率(n)の差によって、二種類の樹脂の界面で反射した光が虹彩状に視認される。樹脂の組合せとしては、アクリル系樹脂(n=1.49)とポリカーボネート系樹脂(n=1.586)、アクリル系樹脂とポリエステル系樹脂(PETGでnは1.569)、ポリオレフィン系樹脂(PPでnは1.49)とポリエステル樹脂などの組合せが挙げられる。
C層に形成するエンボス模様の深み感や立体感をより強く発現させるには、B層とC層との合計の厚さが大きい程、より深いエンボス模様を転写できる。B層の厚さは上記のとおりであり、C層の厚さは5〜200μmの範囲で選ぶのが好ましい。C層の厚さが5μm未満の場合は、付与することができるエンボス模様の種類が制限され、立体感や深み感に富むエンボス模様を転写することが難しくなり、結果として積層シートに深みと、充分な虹彩色の発現が難しくなる。厚さが200μmを超える場合は、印刷柄の視認が困難となり易く、意匠性樹脂シート被覆金属板の二次加工性が悪くなり、またコスト的に不利である。
B層とC層と積層一体化するには、特に限定されるものではなく、従来から知られている方法、例えば、B層とC層とを形成する樹脂を二台の押出機で別々に溶融軟化させ、Tダイ内で積層させて押出してシート化する共押出キャスト法、Tダイに代えてインフレーションダイ内で積層させるインフレーション法などで可能である。シート化の安定生産性の観点から、Tダイを使用する共押出キャスト法が好ましい。B層とC層と一体化した積層体に、エンボス模様を付与する方法としては、(1)Tダイから押出された直後のシートを、エンボス模様が刻印されたキャスティングロールによって、二層によって構成される樹脂シートに直接エンボス模様を付与する方法、(2)B層とC層とが積層一体化されたシートを調製し、このシートを再加熱・溶融させて、エンボスロールにより圧着してエンボス模様を付与する方法などが挙げられる。中でも、上記(1)の方法が好適である。
C層の表面(B層と接触しない面)には、印刷を施すことができる。C層の表面に印刷層を付与する場合は、上記(2)の方法であらかじめ調製したシートを後工程でエンボス柄を付与する方法が好ましく、例えば、特開2006−95892号公報に記載されるような方法でエンボス模様を付与するのが、小ロット対応性の点から特に好ましい。二層によって構成される樹脂シートに付与されるエンボス模様は、最大高さRaが50〜200μmの範囲で選ぶものとする。Raが50μm未満であると、内部エンボス模様の視覚性が向上しない。Raが200μmを超えると、エンボスロール表面への刻設作業が困難となり、このエンボス模様の樹脂層への転写が困難となり、転写できたとしてもエンボス戻りが生じ易く、好ましくない。また、C層とB層が積層されたシートとして、相当に厚いものが必要となり、その結果、樹脂シート被覆金属板としての加工性が損なわれる恐れもある。上記範囲で特に好ましいのは、80〜150μmの範囲である。
本発明に係る加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板は、金属板Aの表面に、B層とC層が一体化された二層樹脂シートを積層される。金属板Aに上記二層樹脂シートを積層する方法は、特に制限されるものではなく、金属板Aと上記二層樹脂シートとの間に、熱硬化型接着剤を介在させて接着するのが一般的である。介在させることができる熱硬化型接着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤などが挙げられる。中でも、B層がポリエステル系樹脂の場合には、熱硬化型ポリエステル系接着剤が好ましい。具体的な積層方法の例としては、金属板Aにリバースコーター、キスコーターなどの塗布装置を使用して、乾燥後の接着剤膜の厚さが2〜10μm程度になるように、上記の熱硬化型接着剤を塗布する。
次いで、赤外線ヒーターおよび/または熱風加熱炉により、接着剤の塗布面の乾燥および加熱を行い、金属板Aの表面温度を、230℃〜250℃程度の温度に保持しつつ、直ちに一対のラミネートロールを用いて上記二種樹脂シ−トのB層側が接着面となるように被覆、冷却することにより意匠性樹脂シート被覆金属板を得ることができる。
本発明に係る加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板は、上記の方法で調製した意匠性樹脂シート被覆金属板の表面に、アクリレート樹脂を主体とする透明な接着剤層(D)を介して、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)が形成されたものである。D層は、意匠性樹脂シート被覆金属板の表面に、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)を接着する機能を果たす。D層が透明であるので、B層とC層が一体化された二層樹脂シートに形成されたエンボス模様、B層および/またはC層に印刷が施されている場合にはこれらの印刷面を、視認することができる。ここで使用する接着剤が、硬化型接着剤であると、速乾性がなく養生が必要となるなど、生産性が著しく劣るからである。それに対してアクリレート樹脂を主体とする接着剤の場合には、光線を照射することによって硬化できるので、極めて短時間で硬化可能であり、製品の生産性に優れる。
D層は、アクリレート樹脂を主体とする。本発明におけるアクリレート樹脂は、アクリレートオリゴマー、および/または、アクリレートモノマーに由来する成分を含む、アクリレート樹脂をいう。アクリレート系オリゴマーとは、分子内に、アクリロイル基(CH=CHCO−)、またはメタクリロイル基(CH=CCHCO−)を、一個〜数個有する分子量が数百〜千数百の化合物をいう。代表例として、エポキシ、エポキシ化油、ウレタン、ポリエステル、ポリエーテルなどのモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレートおよび多官能の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。このようなアクリレート系オリゴマーは市販されており、市販品としては、アロニックス(東亞合成社製)、アートレジン(根上工業社製)、NKオリゴ(新中村化学社製)、ニューフロンティア(第一工業製薬社製)などが挙げられる。
アクリレートモノマーは、単官能、二官能以上の多官能モノマーが挙げられる。単官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、アクリロイルモルフォリン、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ジイソプロピルアクリルアミド、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、二官能(メタ)アクリレートとしてはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。さらに、三官能以上の(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(テトラ)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
モノマーの選定に際しては、D層に可撓性が要求される場合は、塗布作業上支障のない範囲でモノマーの量を少なめにし、単官能または二官能(メタ)アクリレートモノマーを使用し、架橋度合いが少ない構造とする。また、接着剤層の耐熱性、耐水性などが要求される場合には、塗布作業上支障のない範囲で、モノマーの量を多めにし、三官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを使用することによって、架橋度合いに多い構造とすることができる。なお、単官能モノマー、二官能モノマーと三官能以上のモノマーを混合し、塗布作業と硬化物の物性とを調整することもできる。
D層は、アクリレート系オリゴマーおよび/またはアクリレート系モノマーに由来する成分を主体とするものであり、ここで主体とは、D層を構成する組成物全体の質量を基準として、50〜100質量%の範囲で含有するものをいう。この成分が50質量%より少ないと、初期硬化性が十分に発揮されないために、高意匠性樹脂シート被覆金属板の端面からの接着剤がはみ出す現象、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂層(E)の剥離などが生じ易く、養生が終わるまで裁断や折り曲げなどの二次加工ができないという問題が生起する。なお、アクリレート系オリゴマーおよび/またはアクリレート系モノマーに由来する成分の含有比率は、特に限定されるものではなく、組成物の接着特性、作業性の観点から、アクリレート系オリゴマー30〜70質量%に対して、アクリレート系モノマーに由来する成分70〜30質量%の範囲が好ましい。
D層を形成する接着剤組成物は、これに紫外線感応型光重合開始剤、光増感剤を配合し(または含有させ)、紫外領域の光線を照射することによって、光重合を生起させ、容易に硬化させることができる。紫外線感応型光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。紫外線感応型光重合開始剤は市販されており、イルガキュア184、651、500、907、CG1369、CG24−61(以上、チバガイギー社製)、ルシリンLR8728(BASF社製)、ダロキュレ1116、1173(以上、メルク社製)、ユベクリルP36(UCB社製)などが入手可能である。また、可視光線で硬化させる場合には、カンファーキノンなどの可視光線増感型光重合開始剤を使用するのが好ましい。
その光増感剤としては、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどが挙げられる。光増感剤は市販されており、ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)などが入手可能である。
光重合開始剤の使用量は、D層を形成する組成物全体の質量を基準として、0.1〜10質量%の範囲で配合することができる。光増感剤を使用する場合の量は、D層を形成する組成物全体の質量を基準として、0.05〜5.0質量%の範囲である。
なお、D層には、アクリレート樹脂以外に、接着剤層の耐久性を調製するための光非硬化性樹脂を添加することができる。光非硬化性樹脂としては、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中では、特に、ウレタン系樹脂のプレポリマーが、耐湿熱性の観点から好ましい。光非硬化性樹脂を添加量は、D層を形成する組成物全体の質量を基準として、0〜10.0質量%の範囲である。
上記D層を形成する接着剤は、アクリレート系オリゴマーおよび/またはアクリレート系モノマーに由来する成分に、紫外線感応型光重合開始剤、光増感剤、場合により光非硬化性樹脂を所定量秤量し、混合攪拌装置によって均一に混合することによって得られる。D層を形成する接着剤は、その粘度が1000cp〜200万cpに範囲のものが好ましい。粘度が1000cpより低いと、エンボスの凹凸面への接着剤の充填は良好であるが、積層(ラミネート)ロールによりポリエステル系樹脂シートを積層したとき、表面の平滑性が十分でなくなる。一方粘度が200万cpを越えると、常温での接着剤の取扱が困難で、加温する必要があるなど作業性が劣る。粘度の特に好ましい範囲は、1500cp〜100万の範囲である。なお、本発明において接着剤の粘度とは、B型粘度計で、温度25℃で測定した値をいう。
透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)は、本発明に係る加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板の表面層を構成する。E層の表面にエンボス模様が施されていない場合は鏡面外観を呈し、透明であるので、D層を通し、積層一体化されたC層とB層とに形成されたエンボス模様が視認できる。C層とB層は、E層およびD層を通して視認することによって、深み感と立体感のある意匠(内部エンボス模様)として認識できる。
E層を構成するポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリエチレンテレフタレート・エチレンイソフタレート共重合体(PETI)、ポリブチレンテレフタレートイソフタレート共重合体(PBTI)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリシクロヘキサンジメタノール−コ−エチレンテレフタレート(PETG)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、およびこれら樹脂2種以上の混合物が挙げられる。
E層は、二軸延伸された透明ポリエステル系樹脂シートによって構成する。中でも、透明性や平滑性、表面の耐傷入り、耐薬品性などの観点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂シートが好適である。このポリエステル系樹脂シートの厚さは、15〜200μmの範囲が好ましい。厚さが15μm未満であると、D層の硬化収縮に伴って生じる平滑性の低下を抑えるのが難しく、200μmを超えると高意匠性積層シート被覆金属板としての加工性が低下する。上記範囲で特に好ましいのは、20〜150μmである。二軸延伸ポリエステル系樹脂シートは、市販されているものを入手して使用することができ、高透明グレードや易接着処理グレードのいずれでもよい。また、B層とC層に施されたエンボス意匠の視認を妨げない範囲で、バックプリントと称される裏面印刷を施したものでもよく、同様に艶消し剤などを配合して艶消しした二軸延伸ポリエステル系樹脂シートでもよい。
本発明に係る加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板の一例を、厚さ方向に切断した断面図を、図1に示した。図1において、1は金属板A、2は接着剤、3は着色剤層(B)、4は着色剤層(B)の表面に施されている印刷層であり、5は透光性のある虹彩色層(C)である。透光性のある虹彩色層(C)5の表面にはエンボス模様が形成され、エンボス模様の凹凸は着色剤層(B)3に達する深さとされている。6は接着剤層(D2)、7は接着剤層(D1)であり、8は透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)である。この例では、B層の表面の表面に印刷を施しているが、印刷層を施す面は、C層の表面、E層の裏面にいずれか一面、またはこれらの中の二面に、印刷を施すことができることは、前記したとおりである。
次に、第二発明によって、本発明に係る高意匠性樹脂シート被覆金属板を製造する方法について説明する。まず、金属板(A)の表面に、熱硬化型接着剤を介在させて、着色剤層(B)と透光性のある虹彩色層(C)とを一体化させた樹脂層を接着する。着色剤層(B)と透光性のある虹彩色層(C)とを一体化させた樹脂層表面には、エンボスによる凹凸状模様が形成され、最終的に得られる樹脂シート被覆金属板に、高意匠性を付与する。ついで、透光性のある虹彩色層(C)側の上面エンボスの凹凸部を、アクリレート樹脂を主体とする接着剤(D2)であらかじめ充填して光硬化させる。この後、その上にアクリレート樹脂を主体とする接着剤(D1)を介在させ、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)と積層一体化し直ちに光硬化させる。
図2は、高意匠性樹脂シート被覆金属板の製造工程を説明する図で、接着剤層D1を形成する一例の側面略図であり、図3は、接着剤層D2を形成する一例の側面略図である。図2において、21は金属板、22は表面にエンボス模様が形成された樹脂層(B層とC層)、23は接着剤(d2)、24、25は接着剤(d2)を樹脂層22表面に均一に塗布するためのロールであり、26は樹脂層22の表面に形成されたエンボスの凹凸模様部分に接着剤(d2)が充填された層、27は接着剤(d2)を硬化させるための放射線照射装置である。図3において、31は金属板、32は樹脂層(B層とC層)上に接着剤層(D2)が形成された層、38は透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)、39は接着剤(d1)タンク、33は接着剤(d1)、34、35は片面に接着剤(d1)33を塗布した樹脂シート(E)を、接着剤層(D2)上に積層するための押圧ロールであり、36は金属板31の片面を被覆した樹脂シート{B層とC層、D1層、D2層およびE層を含む}であり、37は接着剤(d1)を硬化させるための放射線照射装置である。
一対のラミネートロール35、36によって、接着剤(d2)層の表面に透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)を積層し、紫外線照射装置を通過させて接着剤(d1)と接着剤(d2)とを架橋させた接着剤層(D)によって、樹脂層(B層とC層)と透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)とを一体化させ、冷却することにより高意匠性樹脂シート被覆金属板を得ることができる。
本発明に係る加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板は、接着剤層(D)が、硬化後の引張破断強度が20MPa〜50MPaであり、破断伸びが200〜600%以上であることが必要である。本発明に係るシート被覆金属板は、せん断加工、曲げ加工などの二次加工が施されるのが一般的であり、中でも曲げ加工される場合は、曲率半径が例えば0.5mm以下と、極めて小さい曲率半径で加工されることが多い。シート被覆金属板の厚さが大きくなると、曲げ加工される際のシート被覆金属板は、最表面での伸びが大きくなるために、硬化後の被覆シートの引張破断強度が小さすぎると、二次加工時に接着剤層(D)や最表面シートに亀裂、割れ、剥離などが発生しやすくなる傾向がある。破断伸び率が小さい場合も、同様である。本発明者らの実験では、接着剤層(D)が、硬化後の引張破断強度が20MPa〜50MPaであり、破断伸び率が200〜600%以上であることが必要であることが分かった。
ここで、硬化後の接着剤層(D)の引張破断強度と破断伸び率は、金属板(A)に接着剤層(D)(後記するように好ましくは二層で構成することもできる)を塗布した後、実際の製品を製造する場合と同じ条件での光硬化によってゲル化させ、この硬化膜(塗布膜)を金属板(A)から剥離して引張破断強度と破断伸び率の測定用試験片を調製し、これら試験片についてJIS K7127に準拠して測定する方法である。
本発明者らの実験によれば、本発明の目的を効果的に達成するには、接着剤層(D)は一層でもよいが、二層とするのがより好ましい。二層とするときは、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)側から層(D1)と層(D2)の2層とし、これら二層を表面のゲル化率をαD1、αD2としたとき、αD1とαD2とが、次式すなわち、85%≦αD1≦αD2≦95%、を満たす関係にするのが好ましいことが分かった。接着剤層(D)は、接着剤層(D)塗布後に光硬化させるとゲルが生成し、光硬化後のゲル化率が高いと、金属板被覆樹脂シートの耐熱性が向上するが、その反面、接着剤層(D)にゲル化率が高すぎると、接着した透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)の表面平滑性を低下させる。このため、本発明では、接着剤層(D)を二層とし、層(D2)のゲル化率を高くして金属板被覆樹脂シートの耐熱性を確保し、層(D1)のゲル化率を低くすることによって、接着した透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)の表面平滑性の低下を防止した。
接着剤層(D)の層(D1)と層(D2)のゲル化率を同一にするには、同一の接着剤によって調節するのが好ましい。層(D1)と層(D2)のゲル化率を変える方法としては、(1)接着剤を構成するアクリレート系オリゴマーおよび/またはアクリレート系モノマーに由来する成分の種類を変える方法、(2)これに配合する紫外線感応型光重合開始剤、光増感剤などの種類、配合量などを変える方法、(3)接着剤層(D)を形成したあと、光硬化させる際の光源の種類、積算照射量などを変える方法、(4)(1)〜(3)の方法の組合せる方法、などが挙げられる。
ここで、接着剤層(D)のゲル化率の測定方法は、次のとおりである。金属板(A)に、層(D1)形成用接着剤(d1)と層(D2)形成用接着剤(d2)とを別々に塗布した後、実際の製品を製造する場合と同じ条件で光源を、同じ積算照射量照射し、光硬化(ゲル化)させ、硬化膜を金属板(A)から剥離して測定用試料とし、これらの試料をそれぞれ塩化メチレンに浸漬・溶解させ、不溶物を分離して乾燥し、全試料に対する不溶物の重量%を算出してゲル化率とした。D層のゲル化率が85%より低いと、層(D2)の硬化が遅く、直ちに層(D1)を形成し難く、生産性が低下するばかりでなく、耐水性や耐熱性が低下するので好ましくない。
層(D2)のゲル化率の上限は、95%が好ましい。層(D2)のゲル化率で95%以上であると架橋しすぎて、その上に塗布する層(D1)との密着性が不十分となるので、好ましくない。また、本発明に係る加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板は、凹凸部が深いエンボス模様を呈するために、紫外線硬化型接着剤によって凹凸部を充填して、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)を積層しても、硬化後に凹凸模様に対応して硬化収縮が起こるために、表面の平滑性に劣るものとなる。層(D1)のゲル化率で95%以下となる範囲で硬化させた後に、その上にアクリレートを主体とする接着剤を介在させてポリエチレンテレフタレート樹脂シートと一体積層化することで、硬化収縮による平坦性の低下を低下させることができるので好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は以下に記載の例に限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例で使用した金属板(A)、樹脂、樹脂シート、着色剤、接着剤の特性、略号などは次のとおりである。
(A)金属板:幅が20cm、厚さが0.45mmの亜鉛メッキ鋼板である。
(b1)ポリエステル系樹脂:ポリエチレンテレフタレート(イーストマンケミカル社製、商品名:イースター6763)である。
(b2)PBT樹脂:ポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ノバデュラン5020S)である。
(c1)顔料1:粒子全体の90質量%が5〜15μmの範囲にあるパールマイカ顔料(ダイヤ工業社製、銘柄名:DM−635R)である。
(c2)顔料2:平均粒径が0.35μmの酸化チタン(石原産業社製)である。
(d1)接着剤1:ウレタンアクリレート系オリゴマー(根上工業社製、商品名:アートレジンNPC9500)40質量部と、アクリロイルモルフォリン(興人社製)60質量部との混合物である。
(d2)接着剤2:ウレタンアクリレート系オリゴマー(根上工業社製、商品名:アートレジンNPC9500)60質量部と、ジメチルアクリルアミド(興人社製)40質量部との混合物である。このものの引張破断強度(同上)は32MPa、破断伸び率(同上)は400%である。
(d3)接着剤3:ウレタンアクリレート系オリゴマー(根上工業社製、商品名:アートレジンNPC9500)80質量部と、ジメチルアクリルアミド(興人社製)20質量部との混合物である。
(d4)接着剤4:ウレタンアクリレート系オリゴマー(第一工業製薬社製、商品名:ニューフロンティアR1304)70質量部と、イソボニルアクリレート(東亜合成社製)30質量部との混合物である。
(d5)接着剤5:ウレタンアクリレート系オリゴマー(第一工業製薬社製、商品名:ニューフロンティアR1218)である。
(e)PETフィルム:幅が20cm、厚さが75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人・デュポン社製、商品名:テトロンGS2)である。
<接着剤層の引張破断強度、破断伸びの測定方法>
上記(A)金属板を四枚準備し、各金属板の表面に、上記(d1)〜(d4)の四種類の接着剤を別々に、ロールコート法により塗布してエンボスの凹凸部を充填し、高圧水銀灯により、積算照射量を340mJ/cmとして接着剤層を硬化させた。この硬化膜(塗布膜)を金属板から剥離し、得られた硬化膜からJIS K7127に準拠した試験片を作成し、引張り試験機(インテスコ社製、万能材料試験機、型式:2005)を使用して、引張破断強度(単位:MPa)と破断伸び率(単位:%)とを測定した。
[実施例1〜4]
[B層(着色層)の作成]
(b1)ポリエステル系樹脂(イーストマンケミカル社製)60質量%、(b2)PBT樹脂40質量%よりなる混合物100質量部、(c2)顔料2を16質量部秤量し、タンブラーで混合して混合物を得た。この混合物を、先端にTダイを装備した二軸押出機(テクノベル社製、型式:K−25−25T,L/D=25)を使用し、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数20rpm/分の条件下で溶融・混練してTダイから押出し、幅が25cm、厚さが150μmの無延伸着色シートを作成した。
[C層(虹彩色層)の作成]
基体樹脂を上記B層(着色層)と同一とし、この樹脂(混合物)100質量部と、(c1)顔料1を1質量部秤量し、タンブラーによって混合して混合物を得た。この混合物を、先端にTダイを装備した二軸押出機(同上)を使用し、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数20rpm/分の条件下で溶融・混練してTダイから押出し、幅が25cm、厚さが50μmの虹彩色シートを作成した。
[エンボス模様の形成]
上記B層(着色層)とC層(虹彩色層)とを重ね合わせ、温度を110℃に調節され、一方のエンボスロールに最大高さ(Ra)が60μmの抽象エンボス模様が刻設された金属ロールを装備した一対のエンボスロールに、ロール間の挟圧力を5N/cmとして挟み、B層(着色層)とC層(虹彩色層)とを溶着しながら、C層の表面に連続的にエンボス柄を転写した。
[意匠性樹脂シート被覆金属板の作成]
(A)金属板(亜鉛めっき鋼板)の表面に、ポリエステル系接着剤(東洋紡績社製、商品名:バイロン20SS)をロールコート法により塗布し、温度を80℃に設定したオーブン内を30秒で通過させて塗布面の乾燥を行い、乾燥後の接着剤膜の厚さを2〜4μm程度とした。次いで、温度を350℃に設定した熱風乾燥炉内を30秒で通過させて塗布面を加熱して、鋼板の表面温度を240℃および245℃に調節し、直ちに表面温度を60℃に温度調節されたロールラミネーターに移送し、ロール間の挟圧力を50N/cmとして挟み、(A)金属板の表面に、上で作成したエンボスを付与したB層(着色層)とC層(虹彩色層)との積層シートを積層し、常温まで冷却し、意匠性樹脂シート被覆金属板を得た。
[高意匠性樹脂シート被覆金属板の作成]
上記方法で調製した意匠性樹脂シート被覆金属板のC層(虹彩色層)表面に、表−1に記載した特性を有する接着剤をロールコート法によって塗布した。ここでの接着剤の量は、ロールコート法で使用する一対のロールの間隙と、ロール間の押圧力によって調節した。接着剤の塗布面に、高圧水銀灯(ウシオ電機社製、型式:UVC−5035/1MNLC6−HGO)を使用して、積算照射量200mJ/cmに達するまで照射し、硬化させて接着層(D2)を形成した。続いて、PETフィルムの表面に表−1に記載した特性を有する接着剤をダイコート法によって塗布した。PETフィルムの接着剤面を、上記接着層D2に重ね、一対の積層ロール25、26の前面に若干の接着剤のたまり(バンク)23を形成し、ロール間の挟圧力を50N/cmとして挟み積層した。PETフィルムを積層後、直ちに、高圧水銀灯(ウシオ電機社製、型式:UVC−5035/1MNLC6−HGO)を使用して、積算照射量340mJ/cmに達するまで照射し、接着層(D1)を硬化させ、放冷して高意匠性樹脂シート被覆金属板を得た。実施例4では接着層(D1)を形成せず、接着層(D2)の一層のみを形成した。
[比較例1〜2]
実施例1に記載の例において、接着剤のd1を、表−1または表−2に記載した接着剤に変更したほかは、同例におけると同様の方法で樹脂シート被覆金属板を作成した。
[比較例3]
実施例1に記載の例において、接着剤層D1、接着剤層D2を硬化させる際の高圧水銀灯(ウシオ電機社製、型式:UVC−5035/1MNLC6−HGO)による照射を、積算照射量200mJ/cmに変更したほかは、同例におけると同様の方法で樹脂シート被覆金属板を作成した。
[比較例4]
実施例1に記載の例において、虹彩色層(C層)を形成しなかったほかは、同例におけると同様の方法で樹脂シート被覆金属板を作成した。
[高意匠性積層シート被覆金属板の評価]
上記実施例および比較例で得られた高意匠性積層シート被覆金属板を、以下に記載の方法で評価した。評価結果を、表−1、表−2に記載した。
(1)エンボス視認性:得られた高意匠性シートラミネート鋼板について目視観察する方法である。判定基準は、エンボス模様が十分に確認できたものを○、模様がはっきりと確認できなかったものを×とした。
(2)曲げ加工性:JIS Z−2248に準拠して、V曲げ法の評価を23℃の温度で、試験片を樹脂シート被覆面が外側になるようにして折り曲げ、樹脂シートへの亀裂・割れ、剥離などの異常の有無を目視観察する方法である。判定基準は、外観に異常が認められなかったものを○、異常が認められたものを×とした。
(3)表面平滑性:試験片の表面を蛍光灯で照らし、60度の反射角度で、表面を目視観察する方法である。判定基準は、表面にエンボス模様に起因する凹凸が認められず、極めて良好なものを◎、やや凹凸が認められるが実用上問題ないものを○、凹凸が著しく認められ製品価値が低いものを×とした。
(4)耐熱性:試験片を沸騰水中に3時間浸漬し、浸漬後、乾燥した試験片につき被覆樹脂シート層剥離などの異常発生の有無を、目視観察する方法である。判定基準は、異常発生が認められたものを×、異常の発生が認められなかったものを○とした。
(5)総合評価:上記(1)〜(4)までの評価項目を総合して、良好なものを○、実用上問題があるものを×とした。
Figure 0004937080
Figure 0004937080
表−1および表−2より、以下のことが明らかである。
1.虹彩色層(C層)を有し、接着剤層(D層)が二層より構成され、硬化後の接着剤層(D層)の引張破断強度、破断伸びなどが請求項1に規定する範囲内のものは、エンボス視認性、曲げ加工性、耐熱性に優れ、表面の平滑性も極めて良好である(実施例1〜実施例3参照)。
2.虹彩色層(C層)を有し、接着剤層(D層)が単層であっても、硬化後の接着剤層(D層)の引張破断強度、破断伸びなどが請求項1に規定する範囲内にあるものは、エンボス視認性、曲げ加工性、耐熱性に優れ、表面の平滑性も極めて良好である(実施例4参照)。
3.虹彩色層(C層)を有し、接着剤層(D層)が二層より構成されていても、硬化後の接着剤層(D層)の引張破断強度が請求項1に規定する下限の20MPa未満のものは、エンボス視認性、曲げ加工性、表面平滑性は良好であるものの、耐熱性に問題がある(比較例2参照)
4.虹彩色層(C層)がなく、接着剤層(D層)が二層より構成されていても、接着剤層(D層)の引張破断強度が請求項1に規定する範囲外のものは、表面平滑性、耐熱性は良いものの、エンボス視認性、曲げ加工性などに劣る(比較例4参照)。
5.虹彩色層(C層)を有し、接着剤層(D層)が二層より構成されていても、接着剤層の引張破断強度とゲル化率が請求項1に規定する範囲外のものは、曲げ加工性、耐熱性に問題がある(比較例3参照)。
本発明に係る高意匠性積層シート被覆金属板は、二次加工性に優れているので、ドア材、パーティション材、一般壁材、天井材などの建築内装材、OA機器のハウジング、電気冷蔵庫の筐体、洗濯機の筐体などの用途に好適である。また、沸騰水浸漬試験で問題を生じず、耐熱性にすぐれていることから、ユニットバス壁材、ユニットバス天井材の用途にも使用できる。
本発明に係る加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板の一例を、厚さ方向に切断した断面図である。 高意匠性樹脂シート被覆金属板の製造工程を説明する図で、接着剤層D1を形成する一例の側面略図ある。 高意匠性樹脂シート被覆金属板の製造工程の一例を説明する図で、接着剤層D2を形成する一例の側面略図である。
符号の説明
1、21,31:金属板
2:接着層
3:着色剤層(B)
4:印刷層
5:虹彩色層(C)
6:接着剤層(D2)
7:接着剤層(D1)
8:透明二軸延伸ポリエステル系樹脂層(E)
22、32:表面にエンボス模様が形成された樹脂層(B層とC層)
23、33:接着剤(d2)
24、25、34、35:ロール
26:樹脂層に形成されたエンボスの凹凸模様部分に接着剤(d2)が充填された層
27、37:放射線照射装置
32:樹脂層(B層とC層)上に接着層(D2)が形成された層
36:金属板31の片面を被覆した樹脂シート(B層、C層、D1層、D2層およびE層を含む)である。
38:透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)
39:接着剤(d1)タンク


Claims (2)

  1. 金属板の表面が高意匠性樹脂シートによって被覆された加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板において、金属板(A)側から、着色剤層(B)、透光性のある虹彩色層(C)、アクリレート樹脂を主体とする透明な接着剤層(D)、および透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)が順次積層されてなり、着色剤層(B)と透光性のある虹彩色層(C)が一体化され、透光性のある虹彩色層(C)側の上面に、最大高さRaが50μm〜200μmのエンボス模様が形成され、かつ、接着剤層(D)が、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)側から層(D1)と層(D2)の二層によって構成され、硬化後の引張破断強度が20MPa〜50MPaであり、破断伸びが200〜600であることを特徴とする、加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板。
  2. 金属板(A)側から、着色剤層(B)、透光性のある虹彩色層(C)、アクリレート樹脂層を主体とする透明な接着剤層(D)、および透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)が順次積層されてなり、着色剤層(B)と透光性のある虹彩色層(C)とが一体化され、透光性のある虹彩色層(C)側の上面に、最大高さRaが50μm〜200μmのエンボス模様が形成され、かつ、接着剤層(D)が、硬化後の引張破断強度が20MPa〜50MPaであり、破断伸びが200〜600である高意匠性樹脂シート被覆金属板の製造方法において、前記透光性のある虹彩色層(C)側の上面エンボス模様の凹凸部を、アクリレート樹脂を主体とする接着剤(D2)であらかじめ充填して光硬化させた後に、その上にアクリレート樹脂を主体とする接着剤(D1)を介在させ、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(E)と積層一体化し直ちに光硬化させることを特徴とする、加工性に優れた高意匠性樹脂シート被覆金属板の製造方法。
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