JP5671855B2 - 光学シート及び映像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、映像源から出射される映像光を制御して観察者側に出射する光学シート、及び該光学シートを備えた映像表示装置に関する。
プラズマディスプレイのような、映像を観察者に出射する映像表示装置には、映像源と、該映像源からの映像光の質を高めて観察者に出射するための各種機能を有する層を具備する光学シートとが備えられている。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、キセノンやヘリウムの不活性ガス放電を利用して発光するため、近赤外線を放出する。この近赤外線は、コードレス電話、赤外線方式のリモートコントローラー等の誤作動を引き起こす原因となる虞がある。また、上記不活性ガスに含まれるNe成分のオレンジ色の発光(ネオン線)が、色純度の低下の原因となる虞がある。そのため、PDPに貼合される光学シートには、近赤外線やネオン線の透過を抑制する機能を有する波長フィルタ層が設けられることがある。
また、PDPは、周囲が明るい場所に設置された場合、周囲の光(外光)がPDPに照射されることによって、映像光のコントラストが不十分となり、画像品質が低下する。そのため、PDPに貼合される光学シートには、コントラストを向上させるための層として、光を透過可能な光透過部と光を吸収可能な光吸収部と有し、外光を適切に遮蔽する機能を有する光学機能シート層が設けられることがある。なお、コントラストとは、画面に白黒の表示をしたときの最大輝度となる白い部分の輝度(白輝度)と、最小輝度となる黒い部分の輝度(黒輝度)との比を意味する。
しかしながら、上記波長フィルタ層及び光学機能シート層を備える光学シートの場合、波長フィルタ層に含有される近赤外線やネオン線を吸収するための色素が劣化するという問題があった。これは、光学機能シート層を構成する樹脂材料に含有される重合開始剤から発生するラジカルが、波長フィルタ層に含有される近赤外線やネオン線を吸収するための色素に悪影響を及ぼすためであると考えられる。
上記の問題を解決するための手段の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1には、光学機能シート層(透明樹脂層と黒樹脂を有する層)の表面にスパッタリング法によりシリコーン膜や透明樹脂からなる膜をバリア層として設けることによって、光学機能シート層に含まれる重合開始剤が波長フィルタ層(近赤外線・Ne光遮蔽粘着層)へ移行することを防止する技術が開示されている。
特開2009−139893号公報
上記特許文献1に開示されているコントラスト向上シートによれば、バリア層あるいはバリア粘着層が、光学機能シート層(透明樹脂層や黒色樹脂)から波長フィルタ層(近赤外線・Ne光遮蔽粘着層)への成分の移行を阻害するので、近赤外線やネオン線を吸収するための色素の劣化が防止されるとしている。しかしながら、特許文献1に記載されているようなバリア層あるいはバリア粘着層を形成する場合、オフライン生産となるため、生産性が悪く、コストアップにも繋がっていた。
そこで本発明は、より簡単に、波長フィルタ層に含まれる近赤外線やネオン線を吸収するための色素の劣化を防止することができる光学シート、及び該光学シートを備えた映像表示装置を提供することを課題とする。
発明者らは、鋭意検討した結果、バリア層を所定の組成の樹脂組成物で構成することによって、光学機能シート層を形成する生産ラインと同一の生産ラインで容易にバリア層を形成できるとの知見を得た。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、映像光源から出射された光を制御して観察者側に出射する、複数の層を有する光学シートであって、基材層(11)と、該基材層上に形成された、光を透過可能にシート面に沿って並列されて形成される光透過部(13、13、…)、及び、光透過部間に光を吸収可能に並列される光吸収部(14、14、…)を有する光学機能シート層(12)と、光学機能シート層上に形成されたバリア層(21)と、バリア層の面のうち光学機能シート層が配置された側とは反対側の面に積層された粘着剤層(22c)と、粘着剤層を介してバリア層に積層され、所定の波長の光の透過を抑制する機能を有する波長フィルタ層(20)とを少なくとも備え、バリア層が、光硬化型プレポリマー、多官能アクリレートモノマー、及び重合開始剤を含むバリア層構成組成物を硬化させてなるものであり、該バリア層構成組成物が、全量を基準(100質量%)として、多官能アクリレートモノマーを50質量%以上含有している光学シート(10)により前記課題を解決する。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の光学シート(10)において、バリア層構成組成物に含まれる重合開始剤が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドであることを特徴とする。
本発明の光学シートによれば、後に説明するように、光学機能シート層を作製する生産ラインと同一の生産ラインでバリア層も作製することが可能である。また、当該バリア層を備えることによって、光学シートに波長フィルタ層が含まれても、該波長フィルタ層に含まれる色素などの劣化を防止することができる。したがって、本発明によれば、より簡単に、波長フィルタ層に含まれる近赤外線やネオン線を吸収するための色素の劣化を防止することができる、耐久性に優れた光学シートを提供することができる。また、該光学シートを備えた映像表示装置も提供することができる。
一実施形態にかかる本発明の光学シートの一部の断面を概略的に示した図である。 図1に示した光学機能シート層の一部を拡大して示した図である。 光吸収部の他の例を示した図である。 他の実施形態にかかる本発明の光学シートの一部の断面を概略的に示した図である。 他の実施形態にかかる本発明の光学シートの一部の断面を概略的に示した図である。 他の実施形態にかかる本発明の光学シートの一部の断面を概略的に示した図である。 他の実施形態にかかる本発明の光学シートの一部の断面を概略的に示した図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
図1は一実施形態にかかる本発明の光学シート10の一部の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。図1では、見易さのため繰り返しとなる符号は一部省略している(以降に示す各図において同じ。)。光学シート10は、ここに入射した映像源側からの光を観察者にとって適切な映像光として透過させ、出射させるシート状の部材である。
光学シート10は、複数の層を有しており、少なくとも、基材層11と、該基材層11上に形成された光学機能シート層12と、光学機能シート層12の基材層11が備えられる側の面に対向する面を覆うように積層されたバリア層21と、光学機能シート層12よりバリア層21側に備えられた波長フィルタ層20とを有している。以下に光学シート10に備えられる各層について説明する。
<基材層>
基材層11は、後で詳しく説明する光学機能シート層12を形成するための基材層としての層である。基材層11は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とした材料で構成されることが好ましい。基材層11がPETを主成分とする場合、基材層11には、他の樹脂が含まれてもよい。また、各種添加剤を適宜添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。ここで「主成分」とは、基材層を形成する材料全体に対して上記PETが50質量%以上含有されていることを意味する(以下、同様とする。)。
ただし、基材層11を構成する材料の主成分は、必ずしもPETであることは必要なく、その他の材料でもよい。これには例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
なお、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からは、PETを主成分とする樹脂によって基材層11を構成することが好ましい。
<光学機能シート層>
光学機能シート層12は、映像光源側からの映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を有する層である。光学機能シート層12は、図1に示した断面を有して紙面奥/手前側に延在する形状を備える。すなわち、図1に表れる断面において断面が略台形である光透過部13、13、…と、該光透過部13、13、…の間に配置される光吸収部14、14、…とを備えている。図2に、図1に示した光学シート10のうち、光学機能シート層12の1つの光吸収部14とこれに隣接する光透過部13、13を拡大して示した。図1、図2及び適宜示す図を参照しつつ光学機能シート層12についてさらに説明する。
(光透過部)
光透過部13、13、…は、光透過部として機能する部位で、図1及び図2に表れる断面において、略台形の断面を有する要素である。略台形断面における短い上底及び長い下底が光学シート10のシート面に沿う方向に配置されている。そして、略台形断面における長い下底が基材層11側に面する向きである。また、光透過部13、13、…は、屈折率がNpであり、光透過性を有する。このような光透過部13、13、…は、以下に説明する光透過部構成組成物を硬化させることによって構成することができる。なお、屈折率Npの値は特に限定されることはないが、適用する材料の入手性の観点等から1.49〜1.56であることが好ましい。
光透過部構成組成物としては、例えば、光硬化型プレポリマー(P1)に、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記光重合開始剤(S1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置および光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。なお、光透過部13、13、…の着色防止の観点から好ましいのは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドである。
本発明において光硬化型樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(S1)の量は、光硬化型樹脂組成物の硬化性およびコストの観点から、光硬化型樹脂組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。光重合開始剤(S1)を着色(例えば、黄色に着色)していてもよいが、光透過部構成組成物を硬化させて光透過部を形成したときに実質的に無色になることを条件とする。
これらの光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)は、それぞれ、1種で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また必要に応じて、光透過部構成組成物中に、塗膜の改質や塗布適性、金型からの離型性を改善させるため、種々の添加剤としてシリコーン系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、等を添加することも可能である。
(光吸収部)
次に、光吸収部14、14、…について説明する。光吸収部14、14、…は、光透過部13、13、…の間に配置され、図1及び図2に表れる断面において略三角形断面を有する要素である。当該三角形断面の底辺に相当する面が光透過部13、13、…の上底間に並列されている。これにより光吸収部14、14、…の底辺、及び光透過部13、13、…の上底により光学機能シート層12の一方の面が形成されている。ここで、このとき当該三角形断面における斜辺は、光学機能シート層12のシート面の法線方向に対して0度以上10度以下の角度をなしていることが好ましい。なお、斜辺の角度が0度に近い場合は、実質三角形ではなく、台形または矩形となる。
ただし、光吸収部の断面形状は三角形に限定されない。例えば、光吸収部の上記斜辺の傾きは必ずしも一定である必要はなく折れ線状であってもよいし、曲線状であってもよい。また、光吸収部の断面形状は非対称の多角形であっても良い。図3に光学機能シート層の変形例である光学機能シート層12a、12b、12cのうち、光吸収部14a、14b、14cの断面を示した。図3において、(a)は光吸収部の断面形状が略台形の例、(b)は光吸収部の上記斜辺が折れ線状とされた例、(c)は光吸収部の上記斜辺が曲線状とされた例である。
図3(a)に示した場合には、光吸収部14aの断面形状が略台形となっている。詳しくは、光吸収部14aの断面形状が略平行な上底及び下底と、上底及び下底を結ぶ2つの斜辺とを有する略等脚台形である。当該斜辺は光学シート10のシート出光面の法線に対して角度θ1をなしている。θ1は0度より大きく10度以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましい角度は0度より大きく6度以下である。
図3(b)に示した場合には、光吸収部14bの斜辺(光透過部13b、13bの斜辺)は、1つの辺からではなく、2つの辺から構成されている。すなわち断面において折れ線状の斜辺を有している。詳しくは、底辺側の斜辺は光学機能シート層12bのシート面の法線方向に対して角度θ2をなしている。一方、頂点側(基材層11側に配置される斜辺は光学機能シート層12bのシート面の法線方向に対して角度θ3をなしている。この角度は、θ2>θ3の関係であるとともに、いずれも0度以上10度以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましい角度は0度より大きく6度以下である。また、当該2つの斜辺は、図3(b)に示したように、光学機能シート層12bの厚さ方向(紙面上下方向)には、それぞれT1とT2の大きさを有している。T1とT2とは同じ大きさであることが好ましい。
また、図3(b)の例は2つの斜辺により構成されている例であるが、さらに多くの辺で折れ線状が構成されてもよい。
図3(c)に示した場合には、光吸収部14cの斜面(光透過部13c、13c、…の斜辺)は曲線状で構成されている。このように光吸収部における断面形状略三角形である斜辺が曲線状であってよい。この場合でも、当該曲線と光学機能シート層12bのシート面の法線方向とのなす角は、光吸収部の底辺側より基材層11側の方が小さいことが好ましい。さらにその角度もいずれの部分でも0度より大きく10度以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましい角度は0度より大きく6度以下である。ここで、曲線のある部分が光学機能シート層12bのシート面の法線方向との成す角は、曲線を10等分し、各端部同士を結ぶ線と、光学機能シート層12bのシート面の法線方向との成す角により定義される。
その他、光吸収部の形状は本実施形態のものに限定されるものではなく、外光を適切に吸収することが可能であれば適宜変更することが可能である。
また、光吸収部14、14、…は、光透過部13、13、…の屈折率Npと同じ、又は小さい屈折率Nbを有する所定の材料により構成されている。このように光透過部13、13…の屈折率Npと光吸収部14、14、…の屈折率NbとをNp≧Nbとすることにより、所定の条件で光透過部13、13、…に入射した光源からの映像光を光吸収部14、14、…と光透過部13、13、…との界面で適切に反射させるとともに吸収させ、観察者に明るい映像を提供することができる。NpとNbとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0以上0.06以下であることが好ましい。
また、本実施形態では上記のようにNp≧Nbの関係が好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、光透過部の屈折率を光吸収部の屈折率よりも小さく形成することも可能である。
加えて、本実施形態における光吸収部14、14、…は、光吸収粒子16、16、…と光吸収粒子16、16、…を分散させたバインダとを含む光吸収部構成組成物が光透過部13、13、…間に充填されることにより構成されている。すなわち、バインダ(バインダ部)15の中に光吸収粒子16、16、…が分散されている。これにより、光吸収部14、14、…において、光透過部13、13、…と、光吸収部14、14、…との界面で反射せずに光吸収部14、14、…の内側に入射した映像光を光吸収粒子16、16、…で吸収することができる。さらには所定の角度で入射した観察者側からの外光を適切に吸収することができ、コントラストを向上させることも可能となる。
このときバインダ部15のバインダが上記の屈折率Nbである材料により構成される。当該バインダとして用いられるものは特に限定されないが、これには例えば、光硬化型プレポリマー(P2)に、反応性希釈モノマー(M2)および光重合開始剤(S2)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P2)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびブタジエン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M2)としては、例えば、単官能モノマーとして、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、スチレン等のビニルモノマー、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ベンジルメタクリレ−ト、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリルアミド誘導体が挙げられる。また、多官能モノマーとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ−ト、グリセリルトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
また、上記光重合開始剤(S2)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置による硬化性に合わせて、任意に選択することができる。本発明において光硬化型樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(S2)の量は、光硬化型樹脂組成物の硬化性およびコストの観点から、光硬化型樹脂組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上10.0質量%以下含まれていることが好ましい。
これらの光硬化型プレポリマー(P2)、反応性希釈モノマー(M2)および光重合開始剤(S2)は、それぞれ、1種で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートおよびメトキシトリエチレングリコールアクリレートからなる光重合性成分(詳しくは、光硬化型プレポリマー(P2)および反応性希釈モノマー(M2))の屈折率、粘度、あるいは光学機能シート層12の性能への影響等を考慮して任意に配合して用いる。
また必要に応じて、添加剤として、シリコーン、消泡剤、レベリング剤および溶剤等を光吸収部構成組成物に添加してもよい。
光吸収粒子16、16、…は、光吸収部構成組成物中に含まれ、光吸収部14、14、…を構成したとき、迷光や外光を吸収するように作用する。
光吸収粒子16、16、…としては、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。より具体的には、カーボンブラックを含有したアクリル架橋微粒子や、カーボンブラックを含有したウレタン架橋微粒子等が好ましく用いられる。こうした着色粒子は、通常、上記の光吸収部構成組成物中に3質量%以上30質量%以下の範囲で含まれる。着色粒子の平均粒子径は1.0μm以上20μm以下であることが好ましい。後に説明するように、光吸収部14、14、…を形成する際には、着色粒子を含有する光吸収部構成組成物を光透過部13、13、…間の凹部に充填した後にドクターブレードを用いて余剰分の光吸収部構成組成物を掻き落とす工程が含まれる。このとき、平均粒子径が1.0μm以上の着色粒子を用いることによって、着色粒子がドクターブレードと光透過部13、13、…との間の隙間を抜け難くなり、カブリの発生を極力少なくすることができる。
また、光透過部を構成する材料によっては、光吸収部の表面は光透過部の表面に対して、同一平面上(平滑)に充填される場合もあれば、凹部状に充填される場合もある。
なお、光を吸収させるための手段は本実施形態のように光吸収粒子による方法に限定されるものではない。他には例えば、顔料や染料により光吸収部全体を着色することを挙げることができる。
<バリア層>
図1に戻って、バリア層21について説明する。バリア層21は、二以上の重合性不飽和結合を有する多官能アクリレートを含むバリア層構成組成物を硬化させることによって構成される。バリア層構成組成物は、光硬化型プレポリマー(P3)及び多官能アクリレートモノマー(反応性希釈モノマー)(M3)を主成分として含み、組成物の硬化(重合)を促進させるため、さらに重合開始剤(S3)を含有する。
上記光硬化型プレポリマー(P3)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。これらの中で、特に基材との密着性、ガラス転移温度(Tg)設計の容易さなどの点から、ウレタンアクリレート系が好ましい。
ウレタンアクリレート系プレポリマーは、以下に例示列挙する水酸基含有(メタ)アクリレート、アミン化合物、ポリエチレングリコール類(分子内に少なくとも1個の水酸基を含有する)、並びに有機ポリイソシアナート化合物を反応させて得られる。
なお、各種基材に対する密着性及び硬化性を向上させるためには、ウレタン(メタ)アクリレートを少なくともバリア層構成組成物全量を基準(100質量%)として、10質量%以上含有させることが好ましい。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類のε−カプロラクトン縮合物、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシフェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等との反応により得られるエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらはそれぞれを1種で、あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
上記アミン化合物の具体例としては、プロピルアミン、イソブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン等のアルキルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン等が挙げられる。これらはそれぞれを1種で、あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
上記ポリエチレングリコール類としては、分子内に少なくとも1個の水酸基を有する各種のものを特に制限なく使用できるが、下記一般式(1)で表されるものが特に好適である。
H−(OCHCH−OR (1)
((1)式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を、nは7〜25の整数を示す。)
上記有機ポリイソシアネート化合物としては、各種公知の芳香族、脂肪族及び脂環族のポリイソシアネート類、たとえば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4´−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等や、それらジイソシアネートから得られる3量体、該ジイソシアネート類をトリメチロールプロパンなどの多価アルコールと反応させたプレポリマー、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。これらはそれぞれ1種で、あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
なお、各種添加成分を用いる場合であっても、各種基材に対する密着性及び硬化性を向上させるためには、バリア層構成組成物全量を基準(100質量%)として、少なくとも10質量%以上ウレタン(メタ)アクリレートを含有させることが好ましい。
また、上記多官能アクリレートモノマー(M3)としては、1分子中に2つ以上の重合性官能基を有する多官能アクリレートモノマーを使用することができる。たとえば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリ(繰り返し数1〜3)プロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジフェニルジアクリレート、イソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エトキシ変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(繰り返し数1〜4)プロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(繰り返し数1〜4)エトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(繰り返し数1〜6)プロポキシヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(繰り返し数1〜6)エトキシヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリ(繰り返し数1〜4)プロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリ(繰り返し数1〜4)エトキシジ(メタ)アクリレート、さらにはポリウレタンアクリレートポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、エポキシポリアクリレート等をあげることができる。
アクリロイル基を1個有する多官能アクリレートモノマー(M3)を用いる場合には、その使用量は、硬化収縮によるカールの問題や、クラックの発生状況などに応じて決定すればよい。具体的には、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリルアミド、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート等が適宜用いられる。
本発明において、バリア層構成組成物中に含まれる多官能アクリレートモノマー(M3)の量は、硬化性、硬化後の硬度の点から、バリア層構成組成物全量を基準(100質量%)として、50質量%以上であり、90質量%以下であることが好ましい。
また、上記重合開始剤(S3)としては、光重合開始剤を用いることができる。当該光重合開始剤としては、公知の各種光重合開始剤を用いることができる。例えば、ヒドロキシベンゾイル(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらのうちリン酸エステルが好ましく、少量で高い硬化性を示すビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドが特に好ましい。
本発明において、重合開始剤(S3)の使用量は、バリア層構成組成物全量を基準(100質量%)として、通常、0.5〜10質量%程度であり、好ましくは1.0〜7.0質量%である。
また、必要に応じて、塗膜の改質や塗布適性、金型からの離型性を改善させるため、種々の添加剤としてシリコーン系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、帯電防止剤等をバリア層構成組成物に添加することも可能である。
バリア層21の厚さは特に限定されないが、0.5μm以上15.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上8.0μm以下であることがより好ましい。バリア層21が薄すぎれば、光学機能シート層12に含有される成分が波長フィルタ層20へ移ることを阻害する効果が十分でなくなる虞がある。また、バリア層21が厚すぎれば、バリア層21が硬化する際の収縮が大きくなり、結果、光学シート10がカール形状になる虞がある。
なお、バリア層21は、光吸収部13、13、…を形成した後、インライン工程上で形成することが可能である。ただし、オフライン工程上で形成しても良い。また、バリア層21の形成方法は、金型賦型を用いてもよいし、通常の塗工方式(ダイ方式、グラビア方式、バーコーター方式、コンマ方式)を用いてもよい。
本発明の光学シートによれば、バリア層を備えていることによって、光学機能シート層(光透過部及び光吸収部)に残留する重合開始剤およびその分解物がブリードアウトして波長フィルタ層に移ることを抑制できる。また、バリア層構成組成物に上記多官能アクリレートモノマー(M3)を所定量含有させて共重合させることにより、共重合体に分子内及び/又は分子間架橋を導入して、硬化性や凝集力が高められたバリア層を得ることができる。その結果、バリア層に残留する重合開始剤およびその分解物がブリードアウトしにくくなるので、バリア層構成組成物に含有させる重合開始剤の量および種類の選択の範囲が広くなり、安い重合開始剤を用いてバリア層を形成することもできる。さらに、本発明の光学シートに備えられるバリア層は、上記のように、光学機能シート層を形成するラインと同一ライン(インライン)で形成することもできる。よって、本発明の光学シートによれば、波長フィルタ層に含有される近赤外線やネオン線を吸収するための色素が劣化することを簡単に防止できる。
<波長フィルタ層>
図1に戻って、波長フィルタ層20について説明する。図1に示した光学シート10は、バリア層21に接するようにして波長フィルタ層20を備えている。波長フィルタ層20は、所定の波長の光の透過を抑制する機能を有する層である。透過を抑制されるべき波長は必要に応じて適宜選択することができるが、波長フィルタ層20の具体例としては、PDPから出射されるネオン線の透過を抑制する層、近赤外線の透過を抑制する層、紫外線の透過を抑制する層、色調を調整する層等を挙げることができる。以下に、近赤外線の透過を抑制する層(近赤外線吸収フィルタ)、ネオン線の透過を抑制する層(ネオン光吸収フィルタ)、色調を調整する層(色調調整フィルタ)、及び紫外線の透過を抑制する層(紫外線吸収フィルタ)について説明する。
[近赤外線吸収フィルタ]
近赤外線吸収フィルタとしては、近赤外線吸収剤を有する市販フィルム(例えば、東洋紡績社製、商品名「No.2832」)を用いることができる。また、近赤外線吸収色素を樹脂などに分散させた組成物を製膜したり、或いは該組成物を透明基材又は他の機能性フィルタ上に塗布し、必要に応じ乾燥、硬化処理等を経て形成したりしたものを用いることができる。
近赤外線吸収色素としては、PDPが発光するキセノンガス放電に起因して生じる近赤外線領域、即ち、800nm〜1100nmの波長域を吸収するものを用いる。該帯域の近赤外線の透過率が20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。同時に近赤外線吸収フィルタは、可視光領域、即ち、380nm〜780nmの波長域で、十分な光線透過率を有することが望ましい。
近赤外線吸収色素としては、具体的には、ポリメチン系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ジチオール系化合物、インモニウム系化合物、ジインモニウム系化合物、アミニウム系化合物、ピリリウム系化合物、セリリウム系化合物、スクワリリウム系化合物、銅錯体類、ニッケル錯体類、ジチオール系金属錯体類の有機系近赤外線吸収色素、酸化タングステン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンモン、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化ランタン等の無機系近赤外線吸収色素を1種で、又は2種以上を併せて用いることができる。
また、近赤外線吸収色素を分散する樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が用いられる。当該樹脂の乾燥、硬化方式としては、溶液(又はエマルジョン)からの溶媒(又は分散媒)の乾燥による乾燥固化方式、熱、紫外線、電子線などのエネルギーによる重合、架橋反応を利用した硬化方式、或いは樹脂中の水酸基、エポキシ基等の官能基と硬化剤中のイソシアネート基などとの架橋、重合等の反応を利用した硬化方式などが適用できる。
[ネオン光吸収フィルタ]
ネオン光吸収フィルタは、該ネオン光吸収フィルタを含む光学シートがPDPに貼合して用いられる際に、PDPから放射されるネオン光、即ちネオン原子の発光スペクトルを吸収するべく設置される。ネオン光の発光スペクトル帯域は波長550nm〜640nmの為、ネオン光吸収フィルタの分光透過率は波長550nm〜640nmにおいて50%以下になるように設計することが好ましい。ネオン光吸収フィルタは、少なくとも550nm〜640nmの波長領域内に吸収極大を有する色素として従来から利用されてきた色素(ネオン光吸収色素)を樹脂などに分散させた組成物を製膜したり、或いは該組成物を透明基材又は他の機能性フィルタ上に塗布し、必要に応じ乾燥、硬化処理等を経て形成したりすることができる。当該ネオン光吸収色素の具体例としては、シアニン系、オキソノール系、メチン系、サブフタロシアニン系もしくはポルフィリン系等を挙げることができる。また、当該ネオン光吸収色素を分散させる樹脂としては、上記近赤外線吸収色素を分散させる樹脂と同様のものを用いることができる。
[色調調整フィルタ]
色調調整フィルタは、PDPからの発光の色純度や色再現範囲、電源OFF時のディスプレイ色などの改善の為に光学シートの色を調整するためのものである。色調調整フィルタとしては、例えば、色調調整色素を樹脂などに分散させた組成物を製膜したり、或いは該組成物を透明基材又は他の機能性フィルタ上に塗布し、必要に応じ乾燥、硬化処理等を経て形成したりしたものを用いることができる。色調調整色素としては、可視領域である380nm〜780nmに最大吸収波長を有する公知の色素から、目的に応じて任意に色素を組み合わせて使用することができる。色調調整色素として用いることのできる公知の色素としては、特開2000−275432号公報、特開2001−188121号公報、特開2001−350013号公報、特開2002−131530号公報等に記載の色素が好適に使用できる。更にこのほかにも、黄色光、赤色光、青色光等の可視光を吸収するアントラキノン系、ナフタレン系、アゾ系、フタロシアニン系、ピロメテン系、テトラアザポルフィリン系、スクアリリウム系、シアニン系等の色素を色調調整色素として使用することができる。また、当該色調調整色素を分散させる樹脂としては、上記近赤外線吸収色素を分散させる樹脂と同様のものを用いることができる。
[紫外線吸収フィルタ]
紫外線吸収フィルタとしては、例えば、紫外線吸収剤を樹脂などに分散させた組成物を製膜したり、或いは該組成物を透明基材又は他の機能性フィルタ上に塗布し、必要に応じ乾燥、硬化処理等を経て形成したりしたものを用いることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等の有機系化合物、微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム等からなる無機系化合物からなるものが挙げられる。また、当該紫外線吸収剤を分散させる樹脂としては、上記近赤外線吸収色素を分散させる樹脂と同様のものを用いることができる。
<層構成>
図1では、バリア層21に接して波長フィルタ層20が備えられる形態を例示したが、本発明はかかる形態に限定されない。例えば、以下に説明するように、粘着剤層などを介してバリア層21上に波長フィルタ層20が備えられることもある。
また、本発明の光学シートは、少なくとも上記光学機能シート層、バリア層及び波長フィルタ層を有しており、用途に応じてその他の様々な機能を有する層が備えられる。本発明の光学シートに備えられ得るその他の層としては、従来の光学シートに用いられていたものを特に限定することなく用いることができる。具体的には、電磁波シールド層、防眩層、反射防止層、ハードコート層などを、粘着剤層を用いて貼合することで構成することができる。これらの層の積層順、及び積層数は、光学シートの用途に応じて適宜決定される。以下、これらの層の機能などについて説明する。
電磁波シールド層は、その名称が示す通り、電磁波を遮断する機能を有する層である。当該機能を有する層であれば、電磁波を遮断する手段は特に限定されるものではない。これには、例えばエッチング方式、印刷方式、蒸着方式、スパッタ方式で形成されるものを挙げることができ、遮断すべき電磁波により適宜設計される。
防眩層は、いわゆるぎらつきを抑制する機能を有する層であり、アンチグレア層、AG層と呼ばれることもある。このような防眩層としては市販のものを用いることができる。
反射防止層は最も観察者側に配置されて外光の反射を防止する機能を有する層である。これによれば、外光が光学シートの観察者側面で反射して観察者側へ戻って、いわゆる映り込みが生じて映像が見え難くなることを抑制することができる。このような反射防止層は、市販の反射防止フィルムを用いる等して構成することが可能である。
ハードコート層は、HC層とも呼ばれることもある。これは、画像表示面に傷がつくことを抑えるために耐擦傷性を付与することができる機能を有するフィルムが配置された層である。
粘着剤層は、粘着剤が配置される層である。該粘着剤としてアクリル系粘着剤を挙げることができる。ただし、必要な光透過性、粘着性、耐候性を得ることができれば粘着剤はこれに限定されるものではない。また、層構成によっては、上記紫外線吸収剤、上記近赤外吸収色素、上記ネオン光吸収色素、または上記色調調整色素などを粘着剤に含めて粘着剤層を構成する場合もある。この場合、粘着剤層が上記波長フィルタ層の機能も兼ね備えることとなる。
上記した複数の層を備える本発明の光学シートは、粘着剤層によって映像光源の映像光出射側に貼合することができる。図4〜図7に、上記した様々な層を備えた本発明の光学シートの層構成を例示する。図4〜図7は、他の実施形態にかかる本発明の光学シートの一部の断面を概略的に示した図である。図4〜図7において、紙面左側が映像光源に貼合された際に映像光源側となる側であり、紙面右側が観察者側となる側である。
図4は、最も映像光源側から、粘着剤層22a、基材層11a、該基材層11a上に形成された電磁波シールド層23、粘着剤層22b、基材層11、該基材層11上に形成された光学機能シート層12、バリア層21、粘着剤層22c、波長フィルタ層20、基材層11b、及び、該基材層11b上に形成された反射防止層24が列記した順で備えた形態を例示している。図4に示した形態例では、波長フィルタ層20は、波長フィルタ層20を構成する組成物を基材層11b上に塗布し、必要に応じ乾燥、硬化処理等を経て形成することができる。粘着剤層22a〜22cは、それぞれ同様の組成物で構成することも可能であり、異なる組成物で構成してもよい。基材層11a及び11bは、基材層11と同様とすることができる。なお、最も観察者側となる層は、反射防止層24に代えて防眩層やハードコート層とすることもできる。
図5は、図4に示した粘着剤層22cおよび波長フィルタ層20を、一層の波長フィルタ層20で構成した形態を例示している。すなわち、図5に示した形態例の波長フィルタ層20は、波長フィルタ層としての機能と、粘着剤層としての機能とを兼ね備えている。このような波長フィルタ層20は、波長フィルタ層について詳細に説明した際に例示した近赤外吸収色素、ネオン光吸収色素、色調調整色素または紫外線吸収剤などを上記した粘着剤と混合させて構成することができる。かかる形態とすることによって、波長フィルタ層を形成する工程および粘着剤層を形成する工程のうち一方の工程を省略することができる。
図6は、最も映像光源側から、波長フィルタ層20、バリア層21、光学機能シート層12、基材層11、及び反射防止層24が列記した順で備えた形態を例示している。図6に示した形態例では、波長フィルタ層20は、図5に示した形態例と同様に、波長フィルタ層としての機能と、粘着剤層としての機能とを兼ね備えている。よって、波長フィルタ層20は粘着性を有しており、波長フィルタ層20を映像光源に貼合することができる。また、基材層11の一方の面側には光学機能シート層12が形成されており、他方の面側には反射防止層24が形成されておる。なお、図4に示した形態例と同様に、最も観察者側となる層は、反射防止層24に代えて防眩層やハードコート層とすることもできる。
図7は、図6に例示した形態の光学シートの映像光源側に、さらに粘着剤層22a、基材層11a、及び該基材層11a上に形成された電磁波シールド層23を備えた形態を例示している。
<表示装置>
次に、本発明の映像表示装置について説明する。本発明の映像表示装置は、上記本発明の光学シートと、プラズマディスプレイパネルとを備える。例えば、本発明の光学シートを、PDPの映像光出射側に配置し、プラズマテレビを構成することができる。具体的には、上記粘着剤層によってPDPの映像光出射側に本発明の光学シートを貼合することによって、本発明の光学シートをPDPの映像光出射側に配置することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1)光透過部構成組成物の調整
イソホロンジイソシアネート及びビスフェノールA−エトキシ変性アクリレートからなるウレタンアクリレートプレポリマー56質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート4質量部と、フェノキシエチルアクリレート37質量部とを混合した組成物に、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル−ケトン3質量部を混合し、均一化して光透過部構成組成物を得た。
(2)光透過部の形成
ピッチが51μmで開口幅(図1に示したx)が10μmで深さが69μmの溝を形成し得る賦形型ロールを準備した。この賦形型ロールとニップロールとの間に基材層となるPETフィルム(東洋紡績社製、A4300、厚み100μm)を送り込んだ。このPETフィルムの送り込みに合わせ、上で得られた光透過部構成組成物を賦形型ロールとPETフィルムとの間に供給装置から供給し、賦形型ロールおよびニップロール間の押圧力により、当該光透過部構成組成物をPETフィルム上に貼り合わせた。その後、そのPETフィルム側から高圧水銀灯により800mJ/cmの紫外線を照射して光透過部構成組成物を硬化させ、光透過部を含む厚さが189±20μmであるシート(中間部材)を形成した。
(3)光吸収部構成組成物の調整
ウレタンアクリレート33.6質量部、及び、エポキシアクリレート14.4質量部が混合されたプレポリマーに、反応性希釈モノマーとしてトリプロピレングリコールジアクリレート28質量部、及び、メトキシトリエチレングリコールアクリレート4質量部を加え調整した組成物に、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン4質量部と、光吸収粒子として、平均粒径4.0μmのカーボンブラック含有アクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社)16質量部とを混合して均一化し、光吸収部構成組成物を調整した。
(4)光吸収部の形成
上で得られた光吸収部構成組成物を供給装置から上記の中間部材上に供給した。また、ドクターブレードを用いて、中間部材上に供給した光吸収部構成組成物を中間部材に形成された略V字形状の溝(光透過部間の溝)内に充填するとともに、余剰分の光吸収部構成組成物を掻き落とした。その後、紫外線を照射して光吸収部構成組成物を硬化させ、硬化した光吸収部構成組成物によって光吸収部を形成した。
以上のようにして、基材層(PETフィルム)上に光透過部と光吸収部と有する光学機能シート層が形成された光学機能シートを得た。
(5)バリア層構成組成物の調整
温度計、冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート20質量部、及び、メトキシポリエチレングリコール(分子量400、東邦化学工業株式会社製、商品名:メトキシPEG400)5質量部を加え、40℃以下に保ちながら滴下ロートよりペンタエリスリトールトリアクリレート15質量部を20分かけて滴下した。その後、ペンタエリスリトールトリアクリレート15質量部、及び、触媒としてオクチル酸スズ0.0002部を加えて80℃に昇温し、2時間保温してウレタン化反応を続け、ウレタンアクリレートAを得た。当該ウレタンアクリレートA47質量部と、多官能アクリレートモノマーとしてジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート50質量部とを混合したアクリル混合体に、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド3質量部を混合して均一化し、バリア層構成組成物を調整した。
(6)バリア層の形成
平滑面を有する金型ロールおよびニップロールの間に上記光学機能シートを送りこみつつ、金型ロールの平滑面と光学機能シート層の表面との間に透明な上記バリア層構成組成物を供給した。バリア層構成組成物が金型ロールおよび光学機能シート層の間で押圧されている間に、光学機能シートの基材層(PETフィルム)側からから800mJ/cm紫外線を照射してバリア層構成組成物を硬化した後、金型ロールから離型させることで、光学機能シート上にバリア層を形成した。
(7)波長フィルタ層の形成
アクリル系粘着剤(感圧性粘着剤「オリバイン」BPS6271:商品名、固形分27質量%、東洋インキ株式会社製)99.7質量部と、硬化剤(BXX5627:商品名、東洋インキ製造株式会社製)0.3質量部と、近赤外線吸収色素として、フタロシアニン系化合物(IR12:商品名、日本触媒株式会社製)0.05質量部、フタロシアニン系化合物(IR14:商品名、日本触媒株式会社製)0.02質量部、及びジインモニウム系化合物(IRG−068:商品名、日本触媒株式会社製)0.03質量部をそれぞれ配合した。更に、ネオン光吸収化合物(TAP2:商品名、山田化学株式会社製)を0.01質量部配合した。更に、紫外線吸収剤として、CyasorbUV24(サイテック社製)を4質量部、光安定剤として、TINUVINN144(チバスぺシャルティケミカル製)を2質量部、色調調整色素として、KAYASET(日本化薬株式会社製)を0.1質量部及び、層状粘土鉱物として、クニピアD36(クニミネ工業株式会社製)を0.05質量部配合した混合物を得た。該混合物を十分攪拌させて、粘着性を有する波長フィルタ層用組成物を作製した。該波長フィルタ層用組成物を厚さ38μmの離型フィルム(東洋紡績社製「E7007」、以下「中剥離性離型フィルム」という。)上に厚さ25μmになるように塗布し、100℃で2分間乾燥させ塗膜を形成した後、厚さが38μmで中軽剥離性離型フィルムより粘着力が弱い離型フィルム(東洋紡績社製「E7005」、以下「軽剥離性離型フィルム」という。)を該塗膜上にラミネートした。このようにして、中剥離性離型フィルムと軽剥離性離型フィルムとの間に波長フィルタ層用組成物が備えられた、波長フィルタ層形成フィルムを作製した。当該波長フィルタ層用組成物が、後に波長フィルタ層となる。
(8)反射防止フィルムの形成
紫外線吸収剤を練込んで成る透明な、厚さ50μmの2軸延伸PETフィルムであるテトロンフィルム(帝人株式会社製、商品名:HBタイプ)上に、高屈折率層と低屈折率層とからなる反射防止層を形成してなる反射防止フィルムを作製した。
ここで、高屈折率層は、ジルコニア超微粒子を紫外線硬化性樹脂中に分散させた組成物(JSR株式会社製、商品名:KZ7973)を乾燥膜厚が3μmとなるように上記テトロンフィルムの一方の面上に塗布して乾燥し、紫外線を照射して得た、屈折率1.69の硬化物である。一方、低屈折率樹脂層は、フッ素樹脂系の紫外線硬化性樹脂(JSR株式会社製、商品名:TM086)を乾燥後の膜厚が100nmとなるように上記高屈折率層上に塗布して乾燥し、紫外線を照射して得た、屈折率1.41の硬化物である。
(9)評価用フィルタの作製
上記波長フィルタ層形成フィルムの軽剥離性離型フィルムを剥がし、上記反射防止フィルムの反射防止層が形成されていないPETフィルム面に貼合した。その後、上記波長フィルタ層形成フィルムの中剥離性離型フィルムも剥がし、光学機能シート上のバリア層と貼合することで評価用フィルタを作製した。
(10)ガラス転移温度(Tg)の評価
市販の熱重量測定装置(TG−DTA)および示差走査熱量分析装置(DSC)(製品名「2000S システムWS002」、マック・サイエンス社製)を用いて、バリア層の熱分解開始温度およびTgを求めた。なお、測定条件、および数値の算出法は以下の通りである。
・TG−DTA:室温から10℃/minで昇温して800℃までバリア層を加熱した際にチャート上に出現した屈曲点における温度を、熱分解開始温度とした。
・DSC:−50℃から10℃/minで昇温して200℃までバリア層を加熱した後、再度−50℃まで冷却し、再び200℃まで加熱した際に得られる、2サイクル目の曲線から、接線法により屈曲点を算出して、Tgとした。
(11)評価用フィルタの耐久評価
作製した評価用フィルタの初期状態時(以下の3条件下での試験前)と、耐熱試験(80℃、湿度10%以下、500時間)、耐湿熱試験(60℃、湿度90%、500時間)、及び耐光試験(550W/m、55℃、100時間)の3条件下での試験後とにおいて、分光特性(可視光透過率Y、色度(x、y))を、分光光度計(島津製作所製、UV−2200PC)を用いて測定した。初期状態時と、前記3条件下での試験後との透過率T、及び色度(x、y)の測定値から、透過率変化ΔT、及び色度(x、y)の値の差Δx、Δyを求めた。
(12)評価結果
耐久評価において、初期状態時と前記3条件下での試験後とを比較すると、いずれも、380nm〜780nmでの透過率変化ΔTが5%以下であり、かつ780nm〜1000nmでの透過率変化ΔTが5%以下であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.003以下であった。また、Tgは200℃以上であった。
<実施例2>
(バリア層構成組成物の調整)
実施例1と同じウレタンアクリレートA30質量部と、多官能アクリレートモノマーとしてペンタエリスリトールテトラアクリレート67質量部とを混合した組成物に、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド3質量部を混合して均一化し、バリア層構成組成物を調整した。
(評価用フィルタの作製)
上記バリア層構成組成物を用いてバリア層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で、評価用フィルタを作製した。
(評価結果)
作製した評価用フィルタについて、実施例1と同じ条件で評価を行った。その結果、耐久評価において、初期状態時と前記3条件下での試験後とを比較すると、いずれも、380nm〜780nmでの透過率変化ΔTが8%以下であり、かつ780nm〜1000nmでの透過率変化ΔTが8%以下であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.005以下であった。また、Tgは200℃以上であった。
<実施例3>
(バリア層構成組成物の調整)
実施例1と同じウレタンアクリレートA37質量部と、多官能アクリレートモノマーとしてイソシアヌル酸エトキシ変性ジおよびトリアクリレート(商品名:アロニックスM−313、東亞合成製)40質量部と、多官能アクリレートモノマーとしてトリプロピレングリコールジアクリレート10質量部と、単官能アクリレートモノマーとしてイソボルニルアクリレート10質量部とを混合した組成物に、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド3質量部を混合して均一化し、バリア層構成組成物組成物を調整した。
(評価用フィルタの作製)
上記バリア層構成組成物を用いてバリア層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で、評価用フィルタを作製した。
(評価結果)
作製した評価用フィルタについて、実施例1と同じ条件で評価を行った。その結果、初期状態と前記3条件下で試験後との比較において、いずれも、380nm〜780nmでの透過率変化ΔTが8%以下であり、かつ780nm〜1000nmでの透過率変化ΔTが8%以下であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.005以下であった。また、Tgは150℃であった。
<比較例1>
(バリア層構成組成物の調整)
実施例1と同じウレタンアクリレートA37質量部と、多官能アクリレートモノマーとしてトリプロピレングリコールジアクリレート25質量部と、単官能アクリレートモノマーとしてフェノキシエチルアクリレート35質量部とを混合した組成物に、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド3質量部を混合して均一化し、バリア層構成組成物を調整した。
(評価用フィルタの作製)
上記バリア層構成組成物を用いてバリア層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で、評価用フィルタを作製した。
(評価結果)
作製した評価用フィルタについて、実施例1と同じ条件で評価を行った。その結果、耐久評価において、初期状態時と前記3条件下での試験後とを比較すると、いずれも、380nm〜780nmでの透過率変化ΔTが8%以上であり、かつ780nm〜1000nmでの透過率変化ΔTが8%以上であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.005よりも大きかった。また、Tgは、70℃であった。
<比較例2>
(バリア層構成組成物の調整)
実施例1と同じウレタンアクリレートA47質量部と、単官能アクリレートモノマーとしてイソボルニルアクリレート20質量部およびフェノキシエチルアクリレート30質量部とを混合した組成物に、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド3質量部を混合して均一化し、バリア層構成組成物を調整した。
(評価用フィルタの作製)
上記バリア層構成組成物を用いてバリア層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で、評価用フィルタを作製した。
(評価結果)
作製した評価用フィルタについて、実施例1と同じ条件で評価を行った。その結果、耐久評価において、初期状態時と前記3条件下での試験後とを比較すると、いずれも、380nm〜780nmでの透過率変化ΔTが8%以上であり、かつ780nm〜1000nmでの透過率変化ΔTが8%以上であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.005よりも大きかった。また、Tgは、53℃であった。
<比較例3>
(バリア層構成組成物の調整)
実施例1と同じウレタンアクリレートA37質量部と、単官能アクリレートモノマーとしてイソボルニルアクリレート20質量部およびフェノキシエチルアクリレート20質量部と、多官能アクリレートモノマーとしてジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート20質量部とを混合した組成物に、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド3質量部を混合して均一化し、バリア層構成組成物を調整した。
(評価用フィルタの作製)
上記バリア層構成組成物を用いてバリア層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で、評価用フィルタを作製した。
(評価結果)
作製した評価用フィルタについて、実施例1と同じ条件で評価を行った。その結果、耐久評価において、初期状態時と前記3条件下での試験後とを比較すると、いずれも、380nm〜780nmでの透過率変化ΔTが8%以上であり、かつ780nm〜1000nmでの透過率変化ΔTが8%以上であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.005よりも大きかった。また、Tgは、68℃であった。
実施例1〜3および比較例1〜3について、バリア層構成組成物を構成する部材の配合割合(質量部)を表1に示し、評価結果を表2に示した。
Figure 0005671855
Figure 0005671855
以上、現時点において実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う光学シート及び映像表示装置も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
10 光学シート
11、11a、11b 基材層
12 光学機能シート層
13 光透過部
14 光吸収部
15 バインダ部
16 光吸収粒子
20 波長フィルタ層
21 バリア層
22a、22b、22c 粘着剤層
23 電磁波シールド層
24 反射防止層

Claims (2)

  1. 映像光源から出射された光を制御して観察者側に出射する、複数の層を有する光学シートであって、
    基材層と、
    前記基材層上に形成された、光を透過可能にシート面に沿って並列されて形成される光透過部、及び、前記光透過部間に光を吸収可能に並列される光吸収部を有する光学機能シート層と、
    前記光学機能シート層上に形成されたバリア層と、
    前記バリア層の面のうち前記光学機能シート層が配置された側とは反対側の面に積層された粘着剤層と、
    前記粘着剤層を介して前記バリア層に積層され、所定の波長の光の透過を抑制する機能を有する波長フィルタ層と、を少なくとも備え、
    前記バリア層が、光硬化型プレポリマー、多官能アクリレートモノマー、及び重合開始剤を含むバリア層構成組成物を硬化させてなるものであり、
    前記バリア層構成組成物が、全量を基準として、前記多官能アクリレートモノマーを50質量%以上含有している、光学シート。
  2. 前記バリア層構成組成物に含まれる重合開始剤が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドである、請求項1に記載の光学シート。
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