JPH0251102A - 分光フイルター - Google Patents

分光フイルター

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JPH0251102A
JPH0251102A JP20236688A JP20236688A JPH0251102A JP H0251102 A JPH0251102 A JP H0251102A JP 20236688 A JP20236688 A JP 20236688A JP 20236688 A JP20236688 A JP 20236688A JP H0251102 A JPH0251102 A JP H0251102A
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昭造 河添
Masahide Toyooka
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はカメラ、顕微鏡、光学測定機器などに用いら
れる波長400〜800nmの可視域の入射光を透過光
と反射光とに分離するための分光フィルターに関する。
〔従来の技術〕
この種の分光フィルターとしては、従来、ガラス板やプ
ラスチック板などの比較的厚肉の透明基板の片面に金、
銀、アルミニウム、銅などの金属薄膜を積層したものや
、上記同様の透明基板の片面にTiO2、ZnS、Zr
0tなどの高屈折率の誘電体とM g F t % N
 a 2 A I F 6 、S i OZなどの低屈
折率の誘電体とからなる複合誘電体薄膜を数段積層した
ものなどが知られている。
これら分光フィルターにおいて、入射光に対する透過光
および反射光の比率、つまり可視光線透過率(T)およ
び可視光線反射率(R)は、各波長によって相違し、4
00〜800nmの可視域全域においてばらつき(分布
)を有している。このため、上記透過率および反射率は
通常可視域全域での平均値、つまり平均透過率(Ta)
および平均反射率(Ra)にて表わされるが、これら平
均値はまた金属薄膜または複合誘電体薄膜の種類や厚み
によって変化し、これら要因が特定されたときに一定の
値をとることになる。
もちろん、上記の平均値は分光フィルターが前記いずれ
のタイプであるかによって限られた範囲内に規制される
。すなわち、金属薄膜を積層したタイプのものでは、平
均透過率(T a )が10〜40%の範囲、平均反射
率(Ra)が60〜90%の範囲となり、また複合誘電
体薄膜を積層したタイプのものでは、平均透過率(Ta
)が30〜80%の範囲、平均反射率(Ra)が20〜
70%の範囲となる。このため、従来では、上記の分光
特性を目安として、その用途範囲がある程度決められて
いたのである。
しかるに、上述の従来の分光フィルターは、いずれも可
視光線透過率および可視光線反射率の可視域全域でのば
らつき、つまり透過率分布(Ta)および反射率分布(
Ra)が非常に大きすぎるという難点があった。すなわ
ち、透過率分布(Ta)では可視域(400〜800n
m)全域での中心値〔(最大透過率十最小透過率)xi
/2)に対し、また反射率分布(Ra)では可視域全域
での中心値〔(最大反射率+最小反射率)xi/2〕に
対し、金属薄膜を積層したタイプのものでそれぞれ±1
5%を超えるばらつき、複合誘電体薄膜を積層したタイ
プのものでそれぞれ±20%以上のばらつきを有してい
た。
このようなばらつきは、入射光と透過光および反射光と
の間に大きな色相差を生じさせることになり、これが原
因で入射光(光学像)とほぼ同一の色相を有する透過光
および反射光が得られず、分光フィルターとしてはその
用途上大幅な規制を受けることになる。
そこで、この発明者らは、上記従来の分光フィルターの
難点を克服するために鋭意検討した結果、透明基体の片
面に膜厚50〜250人の金属薄膜と膜厚400〜2.
000人の誘電体薄膜とをこの順に積層した構造の分光
フィルターを見い出し、これを特願昭63−49357
号として、先に提案した。
この先行発明に係る分光フィルターによれば、その透過
率分布(Ta)および反射率分布(Ra)がいずれも±
15%以下と小さくなって、入射光とほぼ同一の色相を
有する透過光および反射光を得ることができるうえに、
光の吸収損失の少ない、すぐれた光学特性を発揮させう
るちのであった。しかも、この分光フィルターは、金属
薄膜や誘電体薄膜の種類と上記特定範囲内での膜厚の選
択により、可視域全域での平均透過率(T a )およ
び平均反射率(Ra)を種々の値に設定でき、特に平均
透過率(T a )では10〜70%、平均反射率(R
a)では30〜90%と、前記従来の分光フィルターに
比し幅広く設定できるため、この点からも分光フィルタ
ーとしての用途範囲を大きく拡大しうるちのであった。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかるに、上記先行発明の分光フィルターにおいては、
その透明基体としてガラス板やプラスチック板などの比
較的厚肉の透明基板を適用したときには、前記従来の分
光フィルターと同様の問題として、金属薄膜ないし誘電
体薄膜を形成する単一操作を基板の1枚ごとにバッチ式
で繰り返し行う必要があるため、生産性が悪くコスト高
となるという問題があった。また、形成される上記薄膜
の耐擦傷性に劣り、薄膜作成中あるいは分光フィルター
としての使用中に傷がつきやすいという問題があり、さ
らにガラス板では破損の問題や切断加工しにくいといっ
た問題も有していた。
一方、透明基体として、プラスチックフィルムのような
可撓性のあるフィルム基材を適用したときには、この基
材をロール状にして金属薄膜および誘電体薄膜を連続的
に膜形成できるために、生産性の向上とコスト低減とを
図れ、またガラス板の如き破損や加工上の問題をも回避
することができるが、耐擦傷性の問題は依然として解消
されず、しかも分光フィルターとしての使用時にその可
撓性に起用したそりなどにより透過像および反射像にゆ
がみが生じるという大きな問題があった。
したがって、この発明は、上記先行発明の分光フィルタ
ーの難点をさらに克服し、この種フィルターの前記良好
な光学的特性を保持させたうえで、生産性、耐擦傷性、
加工性にすぐれてかつ透過像や反射像にゆがみを生じる
おそれのない分光フイルターを提供することを目的とし
ている。
〔課題を解決するための手段〕
この発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討
した結果、透明基体として可撓性のあるフィルム基材を
用いてその一方の面に金属薄膜および誘電体薄膜を形成
するとともに、他方の面に粘着剤層を介して比較的厚肉
の透明基板を貼り合わせる構成とすることにより、先行
発明と同様の良好な光学特性を有するとともに、生産性
、耐擦傷性、加工性にすぐれてかつ透過像や反射像にゆ
がみを生じることのない分光フィルターが得られるもの
であることを知り、この発明を完成するに至った。
すなわち、この発明は、透明なフィルム基材の一方の面
に膜厚50〜250人の金属薄膜と膜厚400〜2.0
00人の誘電体薄膜とがこの順に積層されてなり、かつ
この基材の他方の面に透明な粘着剤層を介してj3明基
板が貼り合わされてなることを特徴とする分光フィルタ
ーに係るものである。
〔発明の構成・作用〕
この発明における透明なフィルム基材としては、可撓性
と透明性とを備えたフィルムであれば広く使用でき、た
とえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイ
ミド(PI)、ポリエーテルサルフオン(PES) 、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK) 、ポリカー
ボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミ
ド(PA)、アクリルセルロースブロビオーネ(CP)
などの各種プラスチックフィルムが挙げられる。
このプラスチックフィルムの厚みとしては、通常5〜3
00μm程度であるのがよい、薄すぎるとフィルムの機
械的強度が不足し、また厚くなりすぎるとフィルムの可
撓性が欠如するため、後述のようにこのフィルムをロー
ル状にしてその上に金属薄膜および誘電体薄膜さらには
粘着剤層を連続的に形成する操作が難しくなり、また透
明基板と貼り合わせた際に両者間に浮き現象や気泡が生
じやすくなって密着性が阻害され、さらに上記貼り合わ
せに用いる粘着剤層のクツション効果で金属薄膜および
誘電体薄膜の耐擦傷性を向上させようとする後述の作用
効果が低減することになる。
このような透明なフィルム基材はその表面にあらかじめ
スパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子
線照射、化成、酸化などのエツチング処理や下塗り処理
を施して、この上に設けられる金属薄膜の上記基材に対
する密着性を向上させるようにしてもよい。また、金属
薄膜を設ける前に、必要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄
などによって除塵、清浄化してもよい。
この発明において透明なフィルム基材の一方の面に設け
る金属薄膜としては、金(Au)、銀(Ag) 、銅(
Cu)、アルミニウム(A、A)、ニッケル(Ni)、
チタン(Ti)、クロム<cr)、パラジウム(Pd)
、スズ(Sn)などの各種の金属ないし合金からなるも
のがいずれも使用できる。これらの中でも可視域の光の
吸収損失の少ない金属ないし合金が好ましく、特に金、
銀、銅、パラジウムなどからなるものが好適である。
この金属薄膜の形成方法としては、たとえば真空蒸着法
、スパッタリング法、イオンブレーティング法、気相メ
ツキ法、化学メツキ法、電気メツキ法、化学コーティン
グ法およびこれらの組み合わせ法などがある。膜の均一
性、形成速度および作業性の面では真空蒸着法が最も好
ましい。
金属薄膜の膜厚は、50〜250人の範囲に設定するこ
とが必要で、特に好適には80〜200人の範囲に設定
するのがよい。50人より薄くなると、可視光線透過率
(′「)は高くなるが、そのぶん可視光線反射率(R)
が低くなりすぎ、また光の吸収損失も高くなるといった
欠点のほか、酸化安定性などが損なわれ、安定した光学
特性が得られなくなる。また、250人を超えると、可
視光線透過率(T)が著しく低くなるため、分光フィル
ターとしての用途に適さなくなる。
この発明においては上記膜厚の金属薄膜上にさらに誘電
体薄膜を設ける。この薄膜の材料としては、誘電体とし
ての機能を有する公知の金属酸化物、金属硫化物、金属
弗化物などが挙げられ、このうち可視光に対して1.3
〜2.3の屈折率を有し、かつこれ自体の可視光線透過
率(T)が50%以上、特に70%以上となるものが好
ましく用いられる。代表的な誘電体材料としては、M 
g F z、S 1 ox s s n 01)  (
いずれもQ<x≦2)、ZnSなどがあり、その他S 
1 z Os 、A lz 03、TxOt s T1
0% BIZ ()s 、Inz O+−3、ZrO□
なども使用できる。これら材料は一種であっても二種以
上を併用してもよい。
この誘電体薄膜の形成方法としては、たとえば真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンブレーティング法、塗工
法などがあり、上記材料の種類および必要とする膜厚に
応じて適宜の方法を採用することができる。
誘電体薄膜の膜厚は、400〜2.000人の範囲に設
定することが必要で、特に好適には700〜1,300
人の範囲に設定するのがよい。400人より薄くなると
、連続被膜となりにくいため、また2、 000人を超
えると、各波長に対する干渉効果が増大するため、透過
率分布(Tσ)および反射率分布(Rσ)の小さい分光
フィルターが得られない。
この発明においては、上述の如く透明なフィルム基材の
一方の面に特定膜厚の金属薄膜および誘電体薄膜を積層
形成する一方、他方の面に粘着剤層を介して透明基板を
貼り合わせることを大きな特徴としている。
上記の粘着剤層はこれを予め透明基板側に設けておき、
これと前記積層膜が形成されたフィルム基材とを貼り合
わせるようにしてもよいが、より好ましくは前記積層膜
が形成されたフィルム基材の他方の面に設けておき、こ
れと透明基板とを貼り合わせるようにするのがよい。後
者の方法ではロール状としたフィルム基材の他方の面に
連続的に粘着剤層を形成できるため、生産性の向上によ
り寄与させることができるのである。
粘着剤層としては、透明性を有するものであれば特に限
定なく使用できるが、光学特性上つまり透過率分布(T
σ)および反射率分布(Rσ)の小さいフィルターを得
るために、光の屈折率が用いるフィルム基材と同程度の
もの、−船釣には1゜4〜1.7の屈折率を有するもの
が好ましい。その例としては、たとえばアクリル系粘着
剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などを挙げるこ
とができる。
この粘着剤層は、フィルム基材の一方の面に設けられる
前記積層膜の耐擦傷性をそのクツション効果で向上させ
る働きを有するものであり、この働きをより良く発揮さ
せるなどの観点から、その弾性係数がlXl×105 
〜lX1×105dyn/−の範囲、厚みが2〜500
μm、特に好適には5〜lOOμmの範囲にあるのが好
ましい。
粘着剤層の弾性係数が小さすぎると、粘着剤層は非弾性
となり加圧により容易に変形して、フィルム基材ひいて
は前記積層膜に凹凸を生じさせ、また加工切断面からの
粘着剤層のはみ出しなどが生じやすく、そのうえ耐擦傷
性も向上しない。逆に弾性係数が大きくなりすぎると、
粘着剤層が硬くなり、クツション効果に基づ(耐擦傷性
の向上をあまり期待できなくなる。
また、粘着剤層の厚みが薄くなりすぎると、クツション
効果に基づく耐擦傷性の向上が充分に得られず、逆に厚
(しすぎると、クツション効果は保有するものの、可視
光線透過性や粘着剤層の形成作業性または透明基板の貼
り合わせ作業性が悪くなり、さらにコストの面でも好ま
しくないといった問題がある。
このような粘着剤層を介して貼り合わされる透明基板は
、分光フィルターに剛性を付与してそりの発生などに基
づく透過像や反射像のゆがみを防止する機能を有するも
ので、硬質で平板状の各種材質からなるものが用いられ
、たとえば厚みが通常0.5〜10鰭程度の比較的厚肉
のガラス板のほか、上記同様厚みのポリカーボネート(
PC)板、セルロースプロビオーネ(CP)板、アクリ
ル樹脂板などの透明なプラスチック板などが挙げられる
なお、透明基板としてガラス板を選択したときには、こ
れに前記積層膜を有するフィルム基材を貼り合わせるこ
とによって、破損しやすいガラス板の破損時の飛散が上
記フィルム基材によって防止されるという効果が得られ
る。
このように、この発明においては、可撓性のあるフィル
ム基材を用いてその一方の面に金属薄膜および誘電体薄
膜を形成する一方、他方の面に粘着剤層を介して透明基
板を貼り合わせる構造としているから、上記の透明基板
によってフィルター全体に剛性が付与されてそりなどの
発生に基づく透過像や反射像のゆがみを防止でき、しか
も上記積層膜の形成に際しこの基材をロール状にして連
続的に膜形成できるし、粘着剤層の形成も上記同様手段
で連続的に行うことができるうえに、このように膜形成
ないし粘着剤層の形成を行ったフィルム基材はこれを任
意に切断加工して透明基板と貼り合わせするだけで目的
とする分光フィルターを製造できるため、分光フィルタ
ーの生産性、加工性の向上を図れ、またコスト低減にも
大きく寄与させることができる。
さらに、この分光フィルターによれば、積層膜を有する
フィルム基材が粘着剤層を介して透明基板に貼り合わさ
れることから、上記粘着剤層が上記積層膜に対してクツ
ション材としての機能を果たして積層膜の耐擦傷性を大
きく向上させるという効果が奏し得られる。また、上記
積層膜が先行発明の場合と同様の膜構成、つまり特定膜
厚の金属薄膜と特定膜厚の誘電体薄膜との積層構造とさ
れていることにより、以下に記述するような先行発明と
同様の良好な光学特性を得ることができる。
すなわち、上記膜構成としていることにより、金属薄膜
単独の場合と較べて光の散乱、干渉、透過、吸収などの
挙動に変化が生じ、この変化が可視光線透過率(T)お
よび可視光線反射率(R)の波長依存性を小さくするべ
く作用して、透過率分布(Ta)および反射率分布(R
a)が著しく小さくなる、つまり両分布共に±15%以
下、通常では±13%以下、特に好適には±10%以下
となり、この場合透過光および反射光は入射光とほぼ同
一の、色相を呈するようになる。しかも、上記構成によ
ると、光の吸収損失が小さくなり、入射光をほぼ透過光
と反射光とに2分でき、分離光の利用効率の面でも望ま
しい結果が得られるのである。
さらに、上記の膜構成においては、上層の誘電体薄膜が
下層の金属薄膜の保護膜としての機能をも果たすため、
金属薄膜単独の場合の耐摩耗性、耐溶剤性、耐薬品性、
耐熱性なども改善され、耐久性にすぐれた分光フィルタ
ーとして安定した分光特性を発揮させうるという利点も
ある。
また、この分光フィルターの平均透過率(Ta)および
平均反射率(Ra)は、金属薄膜や誘電体薄膜の種類お
よび膜厚によって変化するが、−般には平均透過率(T
a)が10〜70%の範囲、特に好適には30〜60%
の範囲、平均反射率(Ra)が30〜909/6、特に
好適には40〜70%の範囲に設定でき、この範囲内で
具体的な用途目的に応じて任意に選択することが可能で
ある。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によれば、先行発明の場合と同
様の良好な光学特性を得ることができるうえに、生産性
、加工性および耐擦傷性にすぐれて、かつ透過像や反射
像にゆがみのみられない実用価値のより高い分光フィル
ターを提供することができる。
このため、この発明の分光フィルターは、カメラ、顕微
鏡、光学測定機器などの光学機器のほか、デイスプレィ
、光加工装置、光ビデオディスク、光メモリ−、光通信
などへの応用が可能である。
〔実施例〕
以下に、この発明の実施例を記載してより具体的に説明
する。なお、以下に示す可視光線透過率(T)および可
視光線反射率(R)の測定は、島津製作所製の分光分析
装置UV−240を用いて行ったものである。
実施例1 ベルジャ内を1〜2X10−’Torrに排気したのち
、タングステンボードに装入した銀を抵抗加熱法により
、蒸発源から約20cmの距離にセットされた厚さ50
μmのポリエステルフィルムからなるフィルム基材の一
方の面に、数十穴/秒の蒸着速度で真空蒸着して、膜厚
120人の銀薄膜を形成した。つぎに、この銀薄膜上に
、SiOを抵抗加熱法により、真空度1〜2X 10−
’To rr、蒸着速度数十人/秒の条件下で真空蒸着
して、膜厚約900人のS iOx  (0< x <
 2 )からなる誘電体薄膜を形成した。
ついで、上記フィルム基材の他方の面に、弾性係数がI
 X 10bdyn/c+4、屈折率が1.50のアク
リル系粘着剤層(アクリル酸ブチルとアクリル酸と酢酸
ビニルとの重量比100:1:5のアクリル系共重合体
100重量部にイソシアネート系架橋剤を1重量部配合
してなるもの)を約20μmの厚さに形成し、この粘着
剤層を介して厚さ1)mの透明なアクリル板を貼り合わ
せ、第1図に示す構造の分光フィルターを得た。
なお、第1図中、lはポリエステルフィルムからなる透
明なフィルム基材、2は銀薄膜からなる金属薄膜、3は
Sin、(0<x<2)からなる誘電体薄膜、4はアク
リル系の粘着剤層、5はアクリル板からなる透明基板で
ある。
この分光フィルターの光学特性を調べるために、可視域
(400〜800nm)全域の可視光vA透過率(T)
および可視光線反射率(R)を測定した結果は、第2図
に示されるとおりであった。同図中、実線−a、は可視
光線透過率’(T)、点線−す、は可視光線反射率(R
)である。
第2図から明らかなように、可視域全域での透過率分布
(Tσ)および反射率分布(Ra)は共に±3〜4%と
小さく、また入射光はほぼ透過光と反射光とに2分され
ており、光の吸収損失の少ないものであることが判る。
なお、この分光フィルターの平均透過率(T a )は
48%、平均反射率(Ra)は52%であった。
また、この分光フィルターは、透過像や反射像にそりな
どの発生に起因したゆがみが全くみられず、その作製に
際し金属薄膜および誘電体薄膜さらには粘着剤層の形成
をフィルム基材をロール状として連続的に行え、かつそ
の後適当な大きさに切断加工したのち透明基板と貼り合
わせるという簡単な手段で作製できることから、生産性
、加工性2作業性が良好であるとともに、分光フィルタ
ーの取り扱い時に傷などの発生がみられず、耐擦傷性に
非常にすぐれたものとなることが確認された。
なお、上記の耐擦傷性の向上については、得られた分光
フィルターにつきその膜表面をガーゼで強くこする耐久
テストを行っても膜表面になんらの異常が認められない
ことからも実証されている。
一方、上記の実施例において粘着剤層の形成および透明
基板の貼り合わせを省いた場合、上記耐久テストで傷の
発生が認められ、そのうえ透過像や反射像にそりなどに
起因したゆがみが認められた。
実施例2 誘電体薄膜を膜厚1.000人のM g F zからな
るものに変更した以外は、実施例1と同様にして分光フ
ィルターを作製した。この分光フィルターにつき、実施
例1と同様にして光学特性を調べた結果、透過率分布(
Tσ)および反射率分布(Ra)共に±5%であり、実
施例1と同様の良好な分光特性が得られた。また、実像
のゆがみは認められず、耐擦傷性も良好であった。
実施例3 金属薄膜を膜厚130人のアルミニウムからなるものに
変更し、かつ誘電体薄膜を膜厚900人のMgOからな
るものに変更した以外は、実施例1と同様にして分光フ
ィルターを作製した。この分光フィルターにつき、実施
例1と同様にして光学特性を調べたところ、透過率分布
(Tσ)は±2%、反射率分布(Ra)は±4%であり
、実施例1と同様の良好な分光特性が得られた。また、
実像のゆがみは認められず、耐擦傷性も良好であった。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の分光フィルターの一例を示す断面図
、第2図は実施例1の分光フィルターの光学特性を示す
特性図である。 1・・・透明なフィルム基材、2・・・金属薄膜、3・
・・誘電体薄膜、4・・・透明な粘着剤層、5・・・透
明基板 特許出願人  日東電気工業株式会社

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)透明なフィルム基材の一方の面に膜厚50〜25
    0Åの金属薄膜と膜厚400〜2,000Åの誘電体薄
    膜とがこの順に積層されてなり、かつこの基材の他方の
    面に透明な粘着剤層を介して透明基板が貼り合わされて
    なることを特徴とする分光フィルター。
  2. (2)透明な粘着剤層の屈折率が1.4〜1.7、弾性
    係数が1×10^5〜1×10^7dyn/cm^2、
    厚みが2〜500μmである請求項(1)に記載の分光
    フィルター。
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