JP2002190692A - 電磁波シールドシートおよびそれを用いた電磁波シールド製品ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

電磁波シールドシートおよびそれを用いた電磁波シールド製品ならびにそれらの製造方法

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JP2002190692A
JP2002190692A JP2000390629A JP2000390629A JP2002190692A JP 2002190692 A JP2002190692 A JP 2002190692A JP 2000390629 A JP2000390629 A JP 2000390629A JP 2000390629 A JP2000390629 A JP 2000390629A JP 2002190692 A JP2002190692 A JP 2002190692A
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electromagnetic wave
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mesh
wave shielding
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JP2000390629A
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Shigeyuki Yokoyama
茂幸 横山
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた光透過性と電磁波遮蔽性を併せ持ち、
金属箔メッシュの配置が精密に制御され、さらに、製品
への加工時においても優れた耐久性を有する電磁波シー
ルドシートを提供する。 【解決手段】 基体11上に機能付与層12を形成し、
保護フィルム13をこの機能付与層12上に積層し、基
体の他方の面に接着剤層14を介して金属箔15を積層
し、この金属箔15をエッチング等により、孔と、孔の
周囲の金属箔部分であるライン部とからなる幾何学模様
のメッシュパターンに加工して電磁波シールドシート1
0を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PDPなどのディ
スプレイ、建築物の窓ガラス、列車や乗用車などの窓ガ
ラス等において電磁波遮蔽性を付与する電磁波シールド
シートおよび電磁波シールド製品ならびにそれらの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の急速な発展に伴
い、それら電子機器から発せられる電磁波による身体へ
の障害が問題視されてきており、それに対する防止策と
して各種の電磁波シールドシートが開発・提供されてい
る。従来の電磁波シールドシートとしては、例えば、導
電性金属を、真空蒸着やスパッタリング、あるいは塗料
化して塗工する等の手段で、樹脂板上に所定のメッシュ
パターンに薄膜形成したものや、ポリエステル等の樹脂
製繊維に銅やニッケル等の金属を無電解メッキによりコ
ーティングしてなる金属製メッシュを樹脂板上に積層し
たもの等がある。また、特開平11−350168号公
報には、フォトレジスト法を用いたエッチングによって
金属箔を所定のメッシュパターンに製造し、光透過性と
電磁波シールド性とをバランスよく両立させた金属箔メ
ッシュが開示されている。
【0003】ところが、この金属箔メッシュは極めて薄
いため、電磁波シールドシートに用いる際に、一旦、粘
着剤または結着剤が金属箔メッシュに積層されると破損
せずに剥がすことは不可能であり、積層時の金属箔メッ
シュの位置決めに高い精度が要求され、製造の作業性は
良好なものではなかった。
【0004】そのため、本発明者は、常温では粘着性が
ほとんど無いホットメルト樹脂を接着剤として用いて金
属箔メッシュを貼着することにより、金属箔メッシュの
位置決めの際に積層後の微調整を可能とし、作業性の大
幅な改善を達成した(特願平2000−357558
号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の電磁波シールドシートを製品に用いる場合には、図
2に示すように、基体21とガラス板25との間にホッ
トメルト樹脂フィルム23を介して金属箔メッシュ24
を積層し、次いで、図3に示すように、この積層体31
を10組程度、ステンレス板32を介して積層し、プレ
ス機により面方向から圧力をかけ、さらに減圧環境下加
熱することにより電磁波シールド製品を製造していた。
そのため、従来の電磁波シールドシートでは、以下の問
題を有していた。 ホットメルト樹脂を溶解させて金属箔メッシュの孔
内に入り込ませる際に、ホットメルト樹脂層間の金属箔
メッシュが斜めになったり、波になったり、目開きが変
形する。 プレス時の圧力によって、金属箔メッシュの端が破
れる。 プレス時に積層体間に用いられるステンレス板によ
って、積層体の最表面が損傷する。 上記の理由により、製品の品質がバラツキ、歩留ま
りが悪く、製品のコストが高くなる。
【0006】したがって、本発明は、優れた光透過性と
電磁波遮蔽性を併せ持つことは勿論、金属箔メッシュの
配置が精密に制御され、さらに、製品への加工時におい
ても優れた耐久性を有する電磁波シールドシートおよび
電磁波シールド製品ならびにそれらの製造方法を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】よって、本発明の電磁波
シールドシートは、基体上に機能付与層を備え、保護フ
ィルムをこの機能付与層上に積層し、基体の他方の面に
接着剤層を介して金属箔メッシュを設けたことを特徴と
している。すなわち、本発明の電磁波シールドシート
は、機能付与層の表面に保護フィルムを設けることを特
徴としている。この保護フィルムは、フォトレジスト法
を用いた金属箔のエッチング工程の前に設けられること
が好ましく、これにより、レジスト除去液やエッチング
処理液による機能付与層への化学的損傷を防ぐことがで
きる。さらに、この保護フィルムは、本電磁波シールド
シートをガラス板等に貼着させて電磁波シールド製品を
製造する際に、プレス機の押圧等を要因とする物理的損
傷をも防ぐことができる。
【0008】また、本発明の電磁波シールドシートの製
造方法は、基体上に機能付与層を形成する工程と、基体
の他方の面に接着剤層を介して金属箔を積層する工程
と、フォトレジスト法を用いて、金属箔にメッシュパタ
ーンをエッチングする工程とを具備することを特徴とし
ている。この電磁波シールドシートの製造方法における
最大の特徴は、単独に製造した金属箔メッシュを用いる
のではなく、様々な機能を備えた積層体に金属箔を積層
し、この積層体を一体的にエッチングすることによっ
て、金属箔メッシュを製造することにある。本発明の製
造方法によれば、積層体における金属箔メッシュの配置
を精密に制御することができ、さらに、製造工程の簡略
化により製造コストをも低減することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電磁波シールドシ
ートを構成する部材および製造方法について詳細に説明
する。 1.構成部材 A.基体 本発明の電磁波シールドシートに使用する基体として
は、光が透過されるものであれば非透明状物のものでも
かまわないが、液晶ディスプレイや窓ガラス等に用いる
場合等は屈折率(JIS K−7142)が1.45〜
1.55の範囲にある透明基体が望ましい。具体例に
は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセ
チルセルロース(TAC)、ポリアリレート、ポリエー
テル、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、ポリ
エーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド、ポ
リビニルアルコール、ポリエチレン(PE)、ポリプロ
ピレン(PP)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポ
リスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合体(ABS)、ポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)、ポリアミド、ポリアセタール(PO
M)、ポリフェニレンテレフタレート(PPE)、ポリ
ブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサ
ルファイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、
ポリエーテルアミド(PEI)、ポリエーテルエーテル
ケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリテトラ
フルオロエチレン等の各種樹脂フィルム、石英ガラス、
ソーダガラス等のガラス基体等を好適に使用することが
できる。これらの中でも、本電磁波シールドシートをP
DPやLCDに用いる場合には、特にPET、PC、T
ACが好ましい。また、本発明に用いる基体としては、
曇りガラスや磨りガラス等であってもよい。
【0010】これら基体の透明性は高いもの程良好であ
るが、光線透過率(JIS C−6714)としては8
0%以上、より好ましくは90%以上が良い。また、そ
の基体をPDPに用いる場合には、PDPの表面ガラス
を保護してPDP表面に衝撃を受けた場合にガラスの飛
散を防ぐことができるため、基体はフィルムであること
が好ましい。基体の厚さは、軽量化の観点から薄いほう
が望ましいが、その生産性を考慮すると、1〜700μ
mの範囲のもの、好ましくは10〜200μmの範囲の
ものを使用することが好適である。
【0011】また、基体に、アルカリ処理、コロナ処
理、プラズマ処理、フッ素処理、スパッタ処理等の表面
処理や、界面活性剤、シランカップリング剤等の塗布、
あるいはSi蒸着などの表面改質処理を行うことによ
り、機能付与層と基体との密着性を向上させることがで
きる。
【0012】B.機能付与層 本発明における機能付与層とは、基体に特定の機能を付
与するための層であればいずれのものでもよいが、具体
的には以下の層が挙げられる。 (1)反射防止層および防眩層 反射防止層および防眩層に関しては、磨りガラスのよう
に、光を散乱もしくは拡散させて像をボカス手法を採用
することができる。すなわち、光を散乱もしくは拡散さ
せるためには、光の入射面を粗面化することが基本とな
っており、この粗面化処理には、サンドブラスト法やエ
ンボス法等により基体表面を直接粗面化する方法、基体
表面に放射線、熱の何れかもしくは組み合わせにより硬
化する樹脂中にシリカなどの無機フィラーや、樹脂粒子
などの有機フィラーを含有させた粗面化層を設ける方法
および基体表面に海島構造による多孔質膜を形成する方
法を挙げることができる。
【0013】また、反射防止層を形成する他の方法とし
ては、屈折率の高い材料と低い材料を交互に積層し、多
層化(マルチコート)することで、表面の反射が抑えら
れ、良好な反射防止効果を得ることができる。通常、こ
の反射防止層は、SiO2に代表される低屈折率材料
と、TiO2、ZrO2等の高屈折率材料とを交互に蒸着
等により成膜する気相法や、ゾルゲル法等によって形成
される。
【0014】反射防止効果を向上させるためには、低屈
折率層の屈折率は、1.45以下であることが好まし
い。これらの特徴を有する材料としては、例えばLiF
(屈折率n=1.4)、MgF2(n=1.4)、3N
aF・AlF3(n=1.4)、AlF3(n=1.
4)、Na3AlF6(n=1.33)、SiO2(n=
1.45)等の無機材料を微粒子化し、アクリル系樹脂
やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低反射材料、フ
ッ素系、シリコーン系の有機化合物、熱可塑性樹脂、熱
硬化型樹脂、放射線硬化型樹脂等の有機低反射材料を挙
げることができる。
【0015】さらに、5〜30nmのシリカ超微粒子を
水もしくは有機溶剤に分散したゾルとフッ素系の皮膜形
成剤を混合した材料を使用することもできる。該5〜3
0nmのシリカ超微粒子を水もしくは有機溶剤に分散し
たゾルは、ケイ酸アルカリ塩中のアルカリ金属イオンを
イオン交換等で脱アルカリする方法や、ケイ酸アルカリ
塩を鉱酸で中和する方法等で知られた活性ケイ酸を縮合
して得られる公知のシリカゾル、アルコキシシランを有
機溶媒中で塩基性触媒の存在下に加水分解と縮合するこ
とにより得られる公知のシリカゾル、さらには上記の水
性シリカゾル中の水を蒸留法等により有機溶剤に置換す
ることにより得られる有機溶剤系のシリカゾル(オルガ
ノシリカゾル)が用いられる。これらのシリカゾルは水
系および有機溶剤系のどちらでも使用することができ
る。有機溶剤系シリカゾルの製造に際し、完全に水を有
機溶剤に置換する必要はない。前記シリカゾルはSiO
2として0.5〜50重量%濃度の固形分を含有する。
シリカゾル中のシリカ超微粒子の構造は球状、針状、板
状等様々なものが使用可能である。また、皮膜形成剤と
しては、アルコキシシラン、金属アルコキシドや金属塩
の加水分解物や、ポリシロキサンをフッ素変性したもの
などを用いることができる。
【0016】低屈折率層は、上記で述べた材料を例えば
溶剤に希釈し、スピンコーター、ロールコーティングや
印刷等によるウェットコーティング法や、真空蒸着、ス
パッタリング、プラズマCVD、イオンプレーティング
等による気相法で高屈折率層上に設けて乾燥後、熱や放
射線(紫外線の場合は上述の光重合開始剤を使用する)
等により硬化させることによって得ることができる。
【0017】高屈折率層においては、屈折率を高くする
ために高屈折率のバインダー樹脂を使用するか、高い屈
折率を有する超微粒子をバインダー樹脂に添加すること
によって行うか、あるいはこれらを併用することによっ
て行う。高屈折率層の屈折率は1.55〜2.70の範
囲にあることが好ましい。
【0018】高屈折率層に用いる樹脂は、透明なもので
あれば任意であり、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、放射
線(紫外線を含む)硬化型樹脂などを用いることができ
る。熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン
樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ア
ミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素
樹脂、ポリシロキサン樹脂等を用いることができ、これ
らの樹脂に、必要に応じて架橋剤、重合開始剤等の硬化
剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えることがで
きる。
【0019】高い屈折率を有する超微粒子としては、例
えば、紫外線遮蔽の効果をも得ることができる、ZnO
(屈折率n=1.9)、TiO2(n=2.3〜2.
7)、CeO2(n=1.95)の微粒子、また、帯電
防止効果が付与されて埃の付着を防止することもでき
る、アンチモンがドープされたSnO2(n=1.9
5)またはITO(n=1.95)の微粒子が挙げられ
る。その他の微粒子としては、Al23(n=1.6
3)、La23(n=1.95)、ZrO2(n=2.
05)、Y23(n=1.87)等を挙げることができ
る。これらの超微粒子は単独または混合して使用され、
有機溶剤または水に分散したコロイド状になったものが
分散性の点において良好であり、その粒径としては、1
〜100nm、塗膜の透明性から好ましくは、5〜20
nmであることが望ましい。
【0020】高屈折率層を設けるには、上記で述べた材
料を例えば溶剤に希釈し、スピンコーター、ロールコー
ター、印刷等の方法で基体上に設けて乾燥後、熱や放射
線(紫外線の場合は上述の光重合開始剤を使用する)等
により硬化させれば良い。
【0021】(2)近赤外線遮断層 近赤外線遮断層は、近赤外線を吸収する材料(近赤外線
吸収材料)をロールコーティングや印刷等によるウェッ
トコーティング法や、真空蒸着、スパッタリング、プラ
ズマCVD、イオンプレーティング等による気相法によ
り形成させる。近赤外線を吸収する材料としては、金属
の硫化物とチオウレア化合物、フタロシアニン系近赤外
吸収剤、金属錯体系近赤外吸収剤、銅化合物ビスチオウ
レア化合物、リン化合物と銅化合物、酸化インジウム、
酸化錫、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ、硫化亜鉛な
どの金属酸化物膜等が挙げられる。
【0022】(3)帯電防止層 帯電防止層は、アルミニウム、錫等の金属、ITO等の
金属酸化膜を蒸着、スパッタ等で極めて薄く設ける方
法、アルミニウム、錫等の金属微粒子やウイスカー、酸
化錫等の金属酸化物にアンチモン等をドープした微粒子
やウィスカー、7,7,8,8−テトラシアノキノジメ
タンと金属イオンや有機カチオンなどの電子供与体(ド
ナー)との間でできた電荷移動錯体をフィラー化したも
の等をポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂
等に分散し、ソルベントコーティング等により設ける方
法、ポリピロール、ポリアニリン等にカンファースルホ
ン酸等をドープしたものをソルベントコーティング等に
より設ける方法等により設けることができる。帯電防止
層の透過率は光学用途の場合、80%以上が好ましい。
【0023】(4)ハードコート層 ハードコート層としては、無機または有機のハードコー
ト層用樹脂により形成されたものが用いられ、例えば、
ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)
アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の
アクリロイル基、メタクリロイル基を2個以上含んだ多
官能重合性化合物を紫外線、電子線等の活性エネルギー
線によって重合硬化させたもの等を挙げることができ
る。
【0024】(5)発色光補正層 PDPやLCDなどでは、画像上の発色を補正するため
の層が付与される。つまり、この発色光補正層は、可視
フィルターや遮蔽フィルターの役目をするものであり、
染料や顔料によって層が形成される。ここで用いられる
染料としては、アゾメチン系、スクアリリウム系、シア
ニン系、オキソノール系、アントラキノン系、アゾ系、
ベンジリデン系の化合物を挙げることができる。
【0025】(6)防汚層 防汚層は、臨界表面張力を20dyn/cm以下に制御
することによって防汚性を発揮する層である。この層の
臨界表面張力が20dyn/cmより大きい場合は、表
面に付着した汚れが取れにくくなる。防汚層の材料とし
ては、放射線硬化型樹脂を好適に用いることができる
が、その中でも、特に、フッ素系の含フッ素材料が汚れ
防止の点において好ましい。
【0026】前記含フッ素材料としては、有機溶媒に溶
解し、その取り扱いが容易であるフッ化ビニリデン系共
重合体や、フルオロオレフィン/炭化水素オレフィン共
重合体、含フッ素エポキシ樹脂、含フッ素エポキシアク
リレート、含フッ素シリコーン、含フッ素アルコキシシ
ラン、さらに、TEFRON AF1600(デュポン
社製 屈折率n=1.30)、CYTOP(旭硝子
(株)社製 n=1.34)、17FM(三菱レーヨン
(株)社製 n=1.35)、オプスターJN−721
2(日本合成ゴム(株)社製 n=1.40)、LR2
01(日産化学工業(株)社製 n=1.38)等を挙
げることができる。これらは単独でも複数組み合わせて
も使用することができる。
【0027】また、2−(パーフルオロデシル)エチル
メタクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオク
チル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−7
−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチ
ルメタクリレート、3−(パーフルオロ−8−メチルデ
シル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の含
フッ素メタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオ
ロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−
9−メチルデシル)エチルアクリレート等の含フッ素ア
クリレート、3−パーフルオロデシル−1,2−エポキ
シプロパン、3−(パーフルオロ−9−メチルデシル)
−1,2−エポキシプロパン等のエポキサイド、エポキ
シアクリレート等の放射線硬化型の含フッ素モノマー、
オリゴマー、プレポリマー等を挙げることができる。こ
れらは単独もしくは複数種類混合して使用することも可
能である。
【0028】しかしながら、これらは防汚性には優れて
いるが、ヌレ性が悪いため、組成によっては基体上で防
汚層をはじくという問題や、防汚層が基体から剥がれる
という問題が生じるおそれがある。そのため、これらを
用いる場合には、放射線硬化型樹脂として用いられるア
クリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ
基、メタクリロイルオキシ基等重合性不飽和結合を有す
るモノマー、オリゴマー、プレポリマーを適宜混合して
使用することが望ましい。
【0029】C.保護フィルム 保護フィルムとしては、公知の透明なフィルムを使用す
ることができるが、具体的には、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、トリアセチルセルロース(TA
C)、ポリアリレート、ポリエーテル、ポリカーボネー
ト(PC)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セ
ロファン、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ
ビニルクロライド(PVC)、ポリスチレン(PS)、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(A
BS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ
アミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンテ
レフタレート(PPE)、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、
ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルアミド(P
EI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポ
リイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン等の各
種樹脂フィルムを使用することができる。
【0030】D.接着剤層(粘着剤層) 接着剤層(粘着剤層)としては、ポリエチルアクリレー
ト、ポリブチルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシ
ルアクリレート、ポリ−t−ブチルアクリレート、ポリ
−3−エトキシプロピルアクリレート、ポリオキシカル
ボニルテトラメタクリレート、ポリメチルアクリレー
ト、ポリイソプロピルメタクリレート、ポリドデシルメ
タクリレート、ポリテトラデシルメタクリレート、ポリ
−n−プロピルメタクリレート、ポリ−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキシルメタクリレート、ポリエチルメ
タクリレート、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピル
メタクリレート、ポリテトラカルバニルメタクリレー
ト、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート、
ポリメチルメタクリレートなどのポリ(メタ)アクリル
酸エステルが挙げられる。
【0031】また、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−
1,2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポ
リ−2−ヘプチル−1,3−ブタジエン、ポリ−2−t
−ブチル−1,3−ブタジエン、ポリ−1,3−ブタジ
エンなどの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン、ポリオ
キシプロピレン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニ
ルヘキシルエーテル、ポリビニルブチルエーテルなどの
ポリエーテル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルプ
ロピオネートなどのポリエステル類、ポリウレタン、エ
チルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリ
ル、ポリメタクリロニトリル、ポリスルホン、ポリスル
フィド、フェノキシ樹脂等を挙げることができる。
【0032】また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフ
ェニルメタン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ポリアルコール・ポリ
グリコール型エポキシ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ
樹脂、脂環式やハロゲン化ビスフェノールなどのエポキ
シ樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は必要に応
じて、2種以上共重合してもよいし、2種類以上を混合
して使用することができる。
【0033】接着剤の硬化剤としては、トリエチレンテ
トラミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタ
ンなどのアミン類、無水フタル酸、無水マレイン酸、無
水ドデシルコハク酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸などの酸無水物、ジアミノジ
フェニルスルホン、トリス(ジメチルアミノメチル)フ
ェノール、ポリアミド樹脂、ジシアンジアミド、エチル
メチルイミダゾールなどを使うことができる。本発明で
使用する接着剤の樹脂組成物には、必要に応じて、希釈
剤、可塑剤、酸化防止剤、充填剤や粘着付与剤などの添
加剤を配合してもよい。
【0034】E.金属箔メッシュ 本発明における金属箔メッシュは、積層体に積層後の金
属箔を一体的にエッチングすることにより形成される。
この金属箔の材料としては、銅、鉄、ニッケル、アルミ
ニウム、金、銀、プラチナ、タングステン、クロム、チ
タン等の金属およびその酸化物や、これら金属の2種以
上の合金(例えば銅−ニッケル合金、ステンレス等)、
さらには金属化合物等の、箔化が可能な金属系材料が用
いられる。また、酸化防止等、必要に応じて表面をメッ
キ処理したものも適宜に用いることができる。これら金
属の中で、特に好ましくは、箔化が容易でありかつエッ
チングが容易なことから、銅、アルミニウム、鉄、ニッ
ケルの合金もしくは金属化合物がよい。また、その厚さ
はできるだけ薄い方が好ましく、5〜50μm、好まし
くは8〜40μm、より好ましくは10〜25mであ
る。
【0035】また、本発明における金属箔は、電解材ま
たは圧延材でもよいが、圧延材であることが好ましい。
金属箔が圧延材であれば、加工度が高まることによって
金属組織が緻密になり、かつ靱性が向上するので、強度
ならびにハンドリングの向上が図られる。また、圧延材
を用いることにより、厚さの制御を自由に行うことがで
きるとともに、きわめて薄い金属箔メッシュの製造が可
能となる。さらに、塑性変形もしくは弾性変形の自由度
が増し、用途の範囲が広がるといった利点も有する。
【0036】本発明における金属箔メッシュのパターン
は、フォトレジスト法により、金属箔に形成される孔の
形状および開口率(孔に孔の周囲の金属箔の幅(ライン
幅)の1/2を加えた外形面積に対する孔の面積比率)
を自由に制御することができる。本発明においては、メ
ッシュパターンの孔の形状が、正多角形、平行四辺形、
台形、円形、楕円形等の形状を少なくとも1種有し、か
つこれら孔を囲む現像部すなわち金属箔の縦方向および
/または横方向のライン幅が略一定であることが好まし
い。このようなメッシュパターンは、言い換えると一定
の形状および寸法の多数の孔が規則的に配列されること
を可能とし、したがって、どの部分においても一定の機
能(光透過性および/または電磁波シールド性等)が発
揮される点で重要となってくる。また、本金属箔メッシ
ュの光透過性は開口率に概ね比例し、逆に光の遮断性は
孔の周囲のライン幅に概ね比例する。ここで、光の遮断
性は、電磁波シールドを想定した場合に電磁波シールド
性に相当する。
【0037】また、本発明の電磁波シールドシートをデ
ィスプレイに用いる場合には、上記メッシュパターンを
ディスプレイの画素に対応する形状およびピッチとする
ことにより、モアレ等の画像障害を防ぐことができる。
その好ましい開口率は70〜97%、さらに好ましくは
80〜95%、好ましいライン幅は10〜50μm、好
ましい孔の幅(ライン幅のピッチ)は200〜350μ
mである。
【0038】F.ホットメルト樹脂 本発明の電磁波シールドシートをガラス板等に貼着する
際には、操作性に優れ、容易に作業が行えることから、
接着剤としてホットメルト樹脂を用いることが好まし
い。ホットメルト樹脂としては、フィルム状のものが好
ましく、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、変性
EVA、合成ゴム系、ポリウレタン系、PE、PP、P
VC、ポリビニルブチラール(PVB)、アイオノマー
樹脂等の熱可塑性樹脂を原料として製造されるものが挙
げられる。上記の熱可塑性樹脂のいずれかを、常法に従
ってフィルム状(0.1μm〜1mm)に形成すること
によってフィルム状のホットメルト樹脂が得られる。ま
た、反応性ホットメルト型接着剤を反応硬化させたフィ
ルムも使用できる。
【0039】2.製造方法 本発明の電磁波シールドシート製造方法における最大の
特徴は、単独に製造した金属箔メッシュを用いるのでは
なく、様々な機能を備えた積層体に金属箔を積層し、こ
の積層体を一体的にエッチングすることによって、金属
箔メッシュを製造することにある。以下、本発明の電磁
波シールドシート製造方法を図1を参照して詳細に説明
する。
【0040】本発明の電磁波シールドシートの製造方法
としては、図1の(a)に示すように、まず、公知の方
法によって、基体11の少なくとも片面に、上記の様々
な機能付与層12を形成する。この機能付与層12は複
数設けてもよく、基体の片面に複数積層してもまたは基
体の両面にそれぞれ設けてもよい。次に、基体11の機
能付与層12を設けていない面または一方の機能付与層
上に接着剤層14を設ける。基体11の片面に機能付与
層12、他方に接着剤層14を設ける構成においては、
最初に、基体11の機能付与層12を設けない面に接着
剤層14を設けてもよい。次いで、上記の接着剤層14
上に金属箔15をラミネートする。さらに、機能付与層
を設ける工程から後述の金属箔のエッチング工程の前ま
でのいずれかの段階において、機能付与層12上に保護
フィルム13を設けることが好ましい。この保護フィル
ム13によって、エッチング処理液による機能付与層1
2の化学的損傷を防ぐことができる。
【0041】次に、(b)に示すように、上記でラミネ
ートされた金属箔15上にレジスト16をラミネート
し、そのレジスト16の表面に形成すべきメッシュパタ
ーンが光透過部として印刷されたマスク17を積層し、
このマスク17上から紫外線等を照射する。レジスト1
6の厚さは10〜25μm程度が好適であり、また、紫
外線の照射量は80〜160mJ程度が好適である。こ
の紫外線の照射により、マスク17の光透過部に対応す
る部分のレジスト16が露光され、その露光部が金属箔
15上に印刷される。なお、マスクの積層および紫外線
等の照射に代えて、レジスト16上にレーザ光を直接照
射する印刷手段を採用してもよい。
【0042】次いで、(c)に示すように、マスクを除
去し、さらに、炭酸ソーダ水溶液等のレジスト除去用の
処理液に浸漬して、未露光部すなわち未印刷部のレジス
トを除去する。これにより、露光部のレジスト16から
なるメッシュパターンが金属箔15の表面に現像され
る。この後、(d)に示すように、例えば塩酸中に塩化
第二鉄を溶解させたエッチング処理液中に全体を浸漬す
る化学エッチング等のエッチング手段により未現像部に
対応する部分の金属箔15をエッチングする。さらに、
(e)に示すように、苛性ソーダ希釈液等のレジスト除
去用処理液に全体を浸漬して、残っている現像部のレジ
スト16を除去することにより、金属箔メッシュ15を
形成する。このように一体的に金属箔メッシュ15を形
成することにより、本発明の電磁波シールドシート10
が製造される。
【0043】なお、本発明の電磁波シールドシートをデ
ィスプレイ用の電磁波シールド製品として用いる場合に
は、一般にそのシールド製品の前面側(目視される側)
は黒色であることが、ハイコントラストの実現およびデ
ィスプレイの電源OFF時に画面が黒いこと等の要求を
満たすことから好ましいとされている。したがって、そ
の場合には、金属箔が予め黒色酸化処理されているか、
もしくはレジストを除去する工程の後に金属箔を黒色酸
化処理して、最終的な金属箔メッシュの色を黒色にする
ことが好ましい。
【0044】次に、上記のようにして作製された本発明
の電磁波シールドシートを用いた電磁波シールド製品の
製造方法の一例について説明する。上記電磁波シールド
シートをガラス板等に貼着して電磁波シールド製品とす
る場合には、まず、図1(f)に示すように、この電磁
波シールドシート10とガラス板19等との間に、接着
剤としてホットメルト樹脂フィルム18を積層する。次
いで、図3に示すように、この積層体31をステンレス
板32で挟みこむようにして、減圧室内で交互に10組
程度積層し、面方向からプレス機により圧力を加える。
さらに、この室内を減圧させて真空状態としつつ、同時
に高周波等によって積層体を加熱して、ホットメルト樹
脂フィルムを溶解させ、金属箔メッシュの孔内に入り込
ませる。その後、減圧室を常圧常温に戻し、さらに、室
温で冷却してホットメルト樹脂を硬化させて電磁波シー
ルド製品を作製する。
【0045】ここで、本発明の電磁波シールドシート
は、単独で製造された金属箔メッシュを積層しているの
ではなく、基体に接着層を介して金属箔メッシュが接着
されているため、電磁波シールド製品に用いた場合に、
取り扱いが容易であり、生産性に優れている。また、電
磁波シールド製品の製造時の減圧加熱下においても、金
属箔メッシュがホットメルト樹脂層間で斜めになった
り、波になったり、目開きが変形したりすることがな
く、電磁波シールドシートの特性をそのまま製品へ適用
することができる。さらに、本発明のシールドシートに
は、機能付与層上に保護フィルムが設けられているた
め、この電磁波シールドシートを用いて製品を製造する
際に、プレス機等に対する物理的な損傷を防ぐことがで
きる。
【0046】
【実施例】本発明を実施例によってさらに詳細に説明す
る。なお、以下の説明において「部」は「重量部」を意
味するものとする。 <実施例1> (反射防止層の作製)架橋アクリルビーズ9部およびト
ルエン210部からなる混合物をサンドミルにて30分
間分散することによって得られた分散液と、アクリル系
化合物45部、エポキシ系化合物45部および光カチオ
ン重合開始剤2部からなるベース塗料とをディスパーに
て15分間撹拌、混合して塗料を調製した。この塗料
を、透明基体である、膜厚80μm、透過率92%のト
リアセチルセルロースの片面上に、リバースコーティン
グ方式にて塗布し、100℃で2分間乾燥した。次い
で、出力120w/cmの集光型高圧水銀灯1灯を用い
て紫外線照射を行い、塗工膜を硬化させ、粗面化層を形
成した。その後、含フッ素シリカゾル(日産化学工業
(株)社製、LR201(全固形分濃度;4%、溶媒;
エタノール/ブチルセロソルブ=50/50)を前記粗
面化層上にスピンコーティングにより塗布し、100℃
で1分間乾燥後、120℃で6時間熱硬化させて反射防
止層を透明基体の表面に形成した。
【0047】(電磁波シールドシートの作製)次に、前
記の透明基体の裏面にリバースコーティング方式にてグ
リシジルアクリレート(アクリル系接着剤)を塗布した
後、厚さ12μmの銅箔をラミネーターロールで貼着し
ながら、さらにエチレン酢酸ビニル共重合体が塗布され
たPETフィルムを保護フィルムとして反射防止層面に
貼着した。次いで、銅箔の表面にレジストをラミネート
し、ライン幅が20μm、孔が一辺500μmの正方
形、開口率が92%の格子状のメッシュパターンを光透
過部として印刷したフィルム状のマスクを、レジストの
表面に積層した後、マスク上から紫外線を照射してマス
クの光透過部に対応する部分のレジストを露光し、その
露光部を銅箔上に印刷した。その後、マスクを除去し、
炭酸ソーダ水溶液のレジスト除去用処理液に全体を浸漬
して、未露光部すなわち未印刷部のレジストを除去し、
レジストからなるメッシュパターンを銅箔表面に現像し
た。次いで、塩酸中に塩化第二鉄を溶解させたエッチン
グ液中に全体を浸漬し、未現像部に対応する部分の銅箔
をエッチングした。その後、苛性ソーダ希釈液のレジス
ト除去用の処理液に全体を浸漬して残っている現像部の
レジストを除去し、実施例1の電磁波シールドシートを
得た。
【0048】(電磁波シールド製品の作製)次に、ホッ
トメルト樹脂フィルム(商品名:ヒロダイン7573
T、ヤスハラケミカル社製)を介して上記電磁波シール
ドシートをガラス板に積層し、次いで、減圧室内でこの
積層体を10枚、交互にステンレス板をはさんで積層
し、プレス機により圧力を加えながら、室内を減圧させ
て真空状態とし、同時に高周波により積層体を加熱し
た。その後、減圧室から積層体を取り出し、室温で冷却
して実施例1の電磁波シールド製品を作製した。
【0049】<比較例1>実施例1において、保護フィ
ルムであるPETフィルムを用いない以外は同様にし
て、比較例1の電磁波シールドシートおよび電磁波シー
ルド製品を作製した。
【0050】<比較例2>PETフィルムの表面にリバ
ースコーティング方式にてポリエステル系接着剤を塗布
した後、厚さ12μmの銅箔をラミネーターロールで貼
着した。次いで、銅箔の表面にレジストをラミネート
し、ライン幅が20μm、孔が一辺500μmの正方
形、開口率92%の格子状のメッシュパターンを光透過
部として印刷したフィルム状のマスクを、レジストの表
面に積層した後、マスク上から紫外線を照射してマスク
の光透過部に対応する部分のレジストを露光し、その露
光部を銅箔上に印刷した。その後、マスクを除去し、炭
酸ソーダ水溶液のレジスト除去用処理液に全体を浸漬し
て、未露光部すなわち未印刷部のレジストを除去し、レ
ジストからなるメッシュパターンを銅箔表面に現像し
た。次いで、塩酸中に塩化第二鉄を溶解させたエッチン
グ液中に全体を浸漬することにより、未現像部に対応す
る部分の金属箔をエッチングした。その後、苛性ソーダ
希釈液のレジスト除去用の処理液に全体を浸漬して残っ
ている現像部のレジストを除去し、次いで、PETフィ
ルムを剥離して金属箔メッシュのみを得た。
【0051】次に、実施例1で作製した反射防止層の透
明基体とガラス板との間に、ホットメルト樹脂フィルム
(商品名:サーモライト、ダイセル化学工業社製)を介
して上記金属箔メッシュを積層し、次いで、減圧室内で
この積層体を10枚、交互にステンレス板をはさんで積
層し、プレス機により圧力を加えながら、室内を減圧さ
せて真空状態とし、同時に高周波により積層体を加熱し
た。その後、減圧室から積層体を取り出し、室温で冷却
して比較例2の電磁波シールド製品を作製した。
【0052】(評価)上記のようにして作製された実施
例および比較例の電磁波シールド製品において、反射防
止層表面の状態および電磁波シールドシートとガラス板
との接着性を目視で評価した。
【0053】その結果、実施例1では、積層体10枚全
てにおいて、金属箔メッシュが積層体中で層方向に対し
て平行に配置され、メッシュの変形や破損が無く、反射
防止層表面での傷の発生も無かった。これに対して、保
護フィルムを設けていない比較例1では、金属箔メッシ
ュの配置および破損等は無かったものの、反射防止層の
表面に多数の細かい傷が発生していた。また、金属箔メ
ッシュ単体を反射防止層とガラス板との間に積層した比
較例2では、積層体10枚のうち4枚において、金属箔
メッシュの配置がずれて斜めになっており、また、金属
箔メッシュが波状に変形したものが1枚、金属箔メッシ
ュの目開きが変形したものが3枚、金属箔メッシュの隅
が破れていたものが1枚あった。
【0054】
【発明の効果】本発明の電磁波シールドシートによれ
ば、保護フィルムが形成されているため、電磁波シール
ドシートを用いた製品を製造する際のプレス時の物理的
な損傷を防ぐことができる。また、本発明の電磁波シー
ルドシートの製造方法によれば、一体的に製造した場合
でも、金属箔メッシュのエッチング工程における機能付
与層の化学的損傷を防ぐことができる。さらに、本発明
の電磁波シールドシートは、基体に接着層を介して金属
箔メッシュが接着されているため、電磁波シールド製品
に用いた場合においても、金属箔メッシュが斜めになっ
たり、波になったり、目開きが変形したりすることがな
く、また、製品の品質にバラツキがなく、歩留まりがよ
く製造できることによって、製品コストを安価に抑える
ことができるという効果も奏している。
【図面の簡単な説明】 【符号の説明】
【図1】 本発明の電磁波シールドシートおよび電磁波
シールド製品の構成の一例を示す図である。
【図2】 従来の電磁波シールド製品の構成の一例を示
す図である。
【図3】 電磁波シールド製品の製造環境の概要を示す
図である。10,31…積層体、11,21…基体、1
2,22…機能付与層、13…保護フィルム、14…接
着剤層、15,24…金属箔(金属箔メッシュ)、16
…レジスト、17…マスク、18,23…ホットメルト
樹脂フィルム、19,25…ガラス板、32…ステンレ
ス板。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA05 AA20 AB17 AB33D AJ05 AK25 AK53 AK68 AR00B AR00C AT00A BA04 BA07 BA10C BA10D CA30 CB00G DC15D EC03 EH46 EJ08 EJ15 EJ54 GB07 GB32 GB48 HB00D JD08 JG03B JK12B JL06B JN08B JN30B YY00D 5E321 AA04 AA46 BB23 BB41 BB44 CC16 GG05 GH01 5G435 AA08 AA09 AA14 AA17 BB06 CC09 GG11 GG32 GG33 GG43 HH12 HH14 HH18 KK07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に機能付与層を備え、保護フィル
    ムをこの機能付与層上に積層し、基体の他方の面に接着
    剤層を介して金属箔メッシュを設けたことを特徴とする
    電磁波シールドシート。
  2. 【請求項2】 前記金属箔メッシュは、金属箔を積層
    後、孔と、孔の周囲の金属箔部分であるライン部とから
    なる幾何学模様のメッシュパターンに加工されたもので
    あることを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールド
    シート。
  3. 【請求項3】 前記メッシュパターンにおけるライン部
    の幅が10〜50μmであり、かつ開口率が80%以上
    であることを特徴とする請求項2に記載の電磁波シール
    ドシート。
  4. 【請求項4】 前記機能付与層は、反射防止層、防眩
    層、近赤外線遮断層、帯電防止層、ハードコート層、発
    色光補正層、防汚層のうちの少なくとも一つであること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波シ
    ールドシート。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波
    シールドシートの金属箔メッシュが、ホットメルト樹脂
    を介して対象物に貼着されることを特徴とする電磁波シ
    ールド製品。
  6. 【請求項6】 基体上に機能付与層を形成する工程と、 基体の他方の面に接着剤層を介して金属箔を積層する工
    程と、 フォトレジスト法を用いて、前記金属箔にメッシュパタ
    ーンをエッチングする工程とを具備することを特徴とす
    る電磁波シールドシートの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記エッチング工程の前に、前記機能付
    与層上に保護フィルムを積層する工程を具備することを
    特徴とする請求項6に記載の電磁波シールドシートの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の製造方法によ
    り製造された電磁波シールドシートの金属箔メッシュ
    を、ホットメルト樹脂を介して対象物に積層する工程
    と、 得られた積層体を面方向から押圧する工程と、 前記積層体を減圧環境下、加熱する工程とを具備するこ
    とを特徴とする電磁波シールド製品の製造方法。
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