JP2000096496A - 壁 紙 - Google Patents

壁 紙

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JP2000096496A JP10285884A JP28588498A JP2000096496A JP 2000096496 A JP2000096496 A JP 2000096496A JP 10285884 A JP10285884 A JP 10285884A JP 28588498 A JP28588498 A JP 28588498A JP 2000096496 A JP2000096496 A JP 2000096496A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃剤添加によって防火性能を付与するとい
う従来の技術思想から脱却し、使用する樹脂の重量を制
御することによって難燃剤を使用せずに発熱量および発
煙量を所定値以下に抑制し、且つ、壁紙として要求され
る外観品位および意匠性を確保する。 【解決手段】 オレフィン系樹脂10〜150g/m2
を含み難燃剤がオレフィン系樹脂に対して0〜30重量
部添加された樹脂組成物による発泡樹脂層2が基材1に
積層されてなり、樹脂組成物のシート密度が0.06〜
0.30g/cm3であることを特徴とする壁紙であ
る。この壁紙は準不燃の規格を満足する優れた難燃性を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は壁紙、特に難燃性に
優れ且つ外観意匠性の高い壁紙に関する。
【0002】
【従来の技術】紙、織物、編物、不織布等の基材上に合
成樹脂による表面層を積層してなる壁紙は公知であり、
これに防火性能を付与するため、各種難燃剤を樹脂組成
物に配合することにより発熱量および発煙量を抑制する
ことが提案されている(特開平5−200948号公
報、特開平6−1669363号公報、特開平10−1
7724号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、難燃剤
の使用は壁紙に防火性能を付与するには有効であるが、
反面、使用される難燃剤の種類によって様々な問題が生
ずる。たとえば、ハロゲン系難燃剤を使用する場合に
は、壁紙の焼却時に発生する有毒ガスによる環境汚染お
よび人体への危険性が問題となる。アンチモン等の重金
属も廃棄後の湧出による環境汚染が懸念される。リン系
や窒素系の難燃剤は湖沼等を富栄養価させて生態系に悪
影響を与えることが指摘されている。金属水和物の使用
は環境衛生上は特に問題ないが、多量に添加しないと難
燃効果を発揮することができず、多量に添加した場合に
はシート作成時の作業性が悪化すると共に、樹脂の発泡
性を低下させてしまうため外観意匠上必要なシート厚が
得られないという問題が生ずる。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、難燃剤
添加によって防火性能を付与するという従来の技術思想
から脱却し、使用する樹脂の重量を制御することによっ
て難燃剤を使用せずに発熱量および発煙量を所定値以下
に抑制し、且つ、壁紙として要求される外観品位および
意匠性を確保することを目的とする。
【0005】なお、壁材の難燃性についてはTdθ(発
熱量)およびCA(発煙量)によって難燃規格が以下の
ように定められている。
【0006】不燃(建設省告示第1828号) Tdθ
=0 CA≦30 準不燃(建設省告示第1372号)Tdθ≦100 C
A≦60 難燃(建設省告示第1372号) Tdθ≦350 C
A≦120 本発明は、難燃性については準不燃の規格を満足する壁
紙を得ることを目的とし、このために使用する樹脂重量
を極力少なくする。一方、高い外観意匠性を確保するた
めに一定以上のシート厚みを維持しなければならない。
【0007】この見地より実験と研究を重ねて創案され
た本発明は、オレフィン系樹脂10〜150g/m2
含み難燃剤がオレフィン系樹脂に対して0〜30重量部
添加された樹脂組成物による発泡樹脂層が基材に積層さ
れてなり、樹脂組成物のシート密度が0.06〜0.3
0g/cm3であることを特徴とする壁紙である。
【0008】樹脂組成物中のオレフィン系樹脂重量は好
ましくは50〜120g/m2であり、樹脂組成物のシ
ート密度は好ましくは0.08〜0.20/cm3であ
る。
【0009】難燃剤の使用は上記したように様々な問題
があるので、好ましくは添加しないが、添加したとして
もオレフィン系樹脂に対して30重量部以下とする。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明による壁紙の構成を
概略的に示すものであり、基材1上に樹脂組成物による
発泡樹脂層2が積層されてなる。
【0011】基材1は、紙、織物、編物、不織布等であ
り、壁紙としての防火性能を向上させるためには難燃紙
や不燃紙(水酸化アルミニウム紙)を用いることが好適
である。
【0012】コーティング層2を形成する樹脂組成物
は、オレフィン系樹脂10〜150g/m2、より好ま
しくは50〜120g/m2を含む。オレフィン系樹脂
の重量が大きくなると充填剤の添加が必要となって表面
強度の低下や発泡性の低下を招き、少なすぎると壁紙と
しての強度が不足すると共にシート製造が困難となる。
【0013】オレフィン系樹脂としては、エチレン−ア
クリル共重合体やエチレン−オレフィン共重合体に代表
されるエチレン系樹脂あるいはこれらの混合物を用いる
ことができる。アクリル系樹脂としては、メチルメタア
クリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルメタアクリレート、グリシジルメタアクリレ
ート等が例示される。またオレフィン系樹脂としてはプ
ロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等が例示され
る。
【0014】樹脂組成物にはオレフィン系樹脂を発泡さ
せるために発泡剤を添加する。発泡剤が添加された樹脂
組成物を200〜230℃(使用される樹脂によって異
なる)で加熱することにより発泡させてコーティング層
2に所要の厚みを持たせることができ、外観意匠性を向
上させる。
【0015】樹脂組成物にオレフィン系樹脂の他に必要
に応じて添加されるものとして、酸化防止剤、帯電防止
剤、顔料、充填剤、加工性改良剤等がある。
【0016】樹脂組成物をカレンダー成形機や押し出し
成形機等を用いて基材1上に積層し、あるいはカレンダ
ー成形機や押し出し成形機等を用いてフィルムまたはシ
ート状に成形したものを基材1上に積層して熱融着させ
ることにより樹脂層を形成し、さらに上記温度に加熱し
て樹脂発泡させて発泡樹脂層2とする。
【0017】次に、本発明の実施例および比較例を挙げ
てさらに詳細に説明する。
【表1】 表1に示すように、エチレン系共重合樹脂を用い、これ
に各種の添加剤を添加した樹脂組成物を実施例1〜3お
よび比較例1〜4とした。比較例1〜4の樹脂組成物に
はいずれも難燃剤として水酸化マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム、三酸化アンチモン、臭素系難燃剤またはリ
ン系難燃剤が添加されているが、実施例1〜3の樹脂組
成物はこれら難燃剤を全く含まないものである。各樹脂
組成物を120℃のロール温度で混練した後、ロール温
度120℃のカレンダー成形機によりシート状に成形
し、これを基材1上に積層した。その表面をプライマー
処理した後、グラビア印刷機を用いて所定の印刷を施
し、さらに215℃のギアーオーブン内にて60秒間加
熱して樹脂を発泡させた後、表面にメカニカルエンボス
を施した。この試験においては、基材1上に積層される
樹脂層2における樹脂組成物の重量が各実施例・比較例
において概ね一致するようにして壁紙を製造し、これら
壁紙について、ロール加工性、セル状態(発泡剤の分解
により発生したガス気泡が溶融樹脂の中で破壊されずに
しかも均一に存在しているか状態の有無)および外観品
位を評価すると共に、発泡後のシート厚みおよびシート
密度、難燃性Tdθ(発熱量)およびCA(発煙量)を
測定した。その結果を表2に示す。
【表2】 この場合、難燃剤を添加した比較例1〜4ではいずれも
発泡剤が添加されているにもかかわらず十分な発泡倍率
が得られず、このため発泡後のシートが薄く、セル状態
も荒れており、外観品位に劣るものであった。これに対
し、実施例1〜3の壁紙はいずれも10倍以上の発泡倍
率が得られ、発泡後のシート厚みも比較例の2倍程度あ
るいはそれ以上であり、セル状態も良好であって、きわ
めて優れた外観品位を有するものであった。なお、難燃
剤が配合された樹脂組成物における発泡剤の添加量を変
化させた場合の発泡倍率およびセル状態を表3に示す。
【表3】 この表3に示されるように、難燃剤が配合された樹脂組
成物において発泡剤の添加量を増やしても発泡倍率は増
大せず、むしろ低下する傾向が見られた。また、発泡剤
の添加量が増大するにつれてセルの荒れが顕著であっ
た。この結果より、比較例1〜4において発泡剤の添加
量を増やしても発泡倍率を高めることはできないことが
分かった。そこで、比較例1〜4の樹脂組成物から前述
の方法により壁紙を製造するに当たって、発泡後のシー
ト厚みが本発明実施例と同程度の1mmとなるようにし
て、得られた壁紙について前述と同様の評価および測定
を行った。その結果を表4に示す。
【表4】 難燃剤が配合された比較例1〜4の場合は、表3の結果
から明らかなように、十分な発泡倍率を得ることができ
ないため、発泡後のシート厚みを持たせるためには発泡
前のシート厚みを大きくしなければならず、すなわち使
用する樹脂組成物中の樹脂重量を大きくしなければなら
ない。この場合には、前述のようにセルが荒れやすくな
るだけでなく、樹脂量が増大することによって特に発熱
量が増加し、準不燃の規格を満足することができなくな
った。実施例1〜3の壁紙はいずれも準不燃の規格を満
足し、不燃に近い防火性能を有するものであった。ま
た、実施例3は基材に一般紙を用いたものであるが、こ
の場合も、基材に不燃紙を用いた実施例1および2と防
火性能において劣ることなく匹敵するものであることか
ら、これら実施例の防火性能が基材に依存するものでは
ないことが理解される。次に、実施例1の壁材につい
て、樹脂重量およびシート密度を様々に変化させて試験
をしたところ、表5に示す結果が得られた。
【表5】 まず樹脂重量については、樹脂重量が10g/m2に満
たないとシート化することが困難であり、仮にシート化
できても薄すぎて外観意匠性を確保することができず、
この理由から好ましくは50g/m2以上である。一
方、樹脂重量が150g/m2を超えると、表4に示さ
れる比較例についての難燃性評価からも分かるように、
発熱量が準不燃の規格を超えてしまい、この理由から好
ましくは120g/m2以下である。また、表5は、樹
脂重量が上記範囲内である80g/m3であってもシー
ト密度が0.05g/cm3および0.4g/cm3の場
合には外観品位が不十分であることを示している。すな
わち、シート密度は0.06〜0.30g/cm3、さ
らには0.08〜0.20g/cm3の範囲内とすべき
である。シート密度が0.06g/cm3に満たないと
セル状態がきわめて悪く外観意匠性が確保できず、この
理由から好ましくは0.08g/cm3以上である。一
方、シート密度が0.30g/cm3を超えると、難燃
性能を確保しようとすると厚みが少なくなって外観意匠
性が確保できず、逆に外観意匠性を確保するために厚く
すると難燃性能が確保できなくなり、この理由から好ま
しくは0.20g/cm3である。また、樹脂重量およ
びシート密度がそれぞれ上記範囲内である80g/
3、0.1g/cm3の場合について難燃剤の添加量を
代えて試験した結果を表6に示す。
【表6】 これは難燃剤の添加量が多すぎると発泡性が低下して十
分な外観品位が得られなくなることを意味しており、こ
の理由から難燃剤の添加量はオレフィン系樹脂に対して
30重量部以下とすることが好ましく、より好ましくは
難燃剤を全く添加しないことである。
【発明の効果】本発明によれば、難燃剤の添加を要する
ことなく優れた防火性能を有すると共に外観品位も良好
である壁紙を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による壁紙の構成を概略的に示す断面図
である。
【符号の説明】
1 基材 2 発泡樹脂層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月6日(1998.11.
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 壁紙
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は壁紙、特に難燃性に
優れ且つ外観意匠性の高い壁紙に関する。
【0002】
【従来の技術】紙、織物、編物、不織布等の基材上に合
成樹脂による表面層を積層してなる壁紙は公知であり、
これに防火性能を付与するため、各種難燃剤を樹脂組成
物に配合することにより発熱量および発煙量を抑制する
ことが提案されている(特開平5−200948号公
報、特開平10−17724号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、難燃剤
の使用は壁紙に防火性能を付与するには有効であるが、
反面、使用される難燃剤の種類によって様々な問題が生
ずる。たとえば、ハロゲン系難燃剤を使用する場合に
は、壁紙の焼却時に発生する有毒ガスによる環境汚染お
よび人体への危険性が問題となる。アンチモン等の重金
属も廃棄後の湧出による環境汚染が懸念される。リン系
や窒素系の難燃剤は湖沼等を富栄養化させて生態系に悪
影響を与えることが指摘されている。金属水和物の使用
は環境衛生上は特に問題ないが、多量に添加しないと難
燃効果を発揮することができず、多量に添加した場合に
はシート作成時の作業性が悪化すると共に、樹脂の発泡
性を低下させてしまうため外観意匠上必要なシート厚が
得られないという問題が生ずる。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、難燃剤
添加によって防火性能を付与するという従来の技術思想
から脱却し、使用する樹脂の重量を制御することによっ
て難燃剤を使用せずに発熱量および発煙量を所定値以下
に抑制し、且つ、壁紙として要求される外観品位および
意匠性を確保することを目的とする。
【0005】なお、壁材の難燃性についてはTdθ(発
熱量)およびCA(発煙量)によって難燃規格が以下の
ように定められている。 不燃(建設省告示第1828号) Tdθ=0
CA≦30 準不燃(建設省告示第1372号) Tdθ≦100
CA≦60 難燃(建設省告示第1372号) Tdθ≦350
CA≦120
【0006】本発明は、難燃性については準不燃の規格
を満足する壁紙を得ることを目的とし、このために使用
する樹脂重量を極力少なくする。一方、高い外観意匠性
を確保するために一定以上のシート厚みを維持しなけれ
ばならない。
【0007】この見地より実験と研究を重ねて創案され
た本発明は、オレフィン系樹脂10〜150g/m2を
含み難燃剤がオレフィン系樹脂に対して0〜30重量部
添加された樹脂組成物による発泡樹脂層が基材に積層さ
れてなり、樹脂組成物のシート密度が0.06〜0.3
0g/cm3であることを特徴とする壁紙である。
【0008】樹脂組成物中のオレフィン系樹脂重量は好
ましくは50〜120g/m2であり、樹脂組成物のシ
ート密度は好ましくは0.08〜0.20g/cm3で
ある。
【0009】難燃剤の使用は上記したように様々な問題
があるので、好ましくは添加しないが、添加したとして
もオレフィン系樹脂に対して30重量部以下とする。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明による壁紙の構成を
概略的に示すものであり、基材1上に樹脂組成物による
発泡樹脂層2が積層されてなる。
【0011】基材1は、紙、織物、編物、不織布等であ
り、壁紙としての防火性能を向上させるためには難燃紙
や不燃紙(水酸化アルミニウム紙)を用いることが好適
である。
【0012】コーティング層2を形成する樹脂組成物
は、オレフィン系樹脂10〜150g/m2、より好ま
しくは50〜120g/m2を含む。オレフィン系樹脂
の重量が大きくなると充填剤の添加が必要となって表面
強度の低下や発泡性の低下を招き、少なすぎると壁紙と
しての強度が不足すると共にシート製造が困難となる。
【0013】オレフィン系樹脂としては、エチレン−ア
クリル共重合体やエチレン−オレフィン共重合体に代表
されるエチレン系樹脂あるいはこれらの混合物を用いる
ことができる。アクリル系樹脂としては、メチルメタア
クリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルメタアクリレート、グリシジルメタアクリレ
ート等が例示される。またオレフィン系樹脂としてはプ
ロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等が例示され
る。
【0014】樹脂組成物にはオレフィン系樹脂を発泡さ
せるために発泡剤を添加する。発泡剤が添加された樹脂
組成物を200〜230℃(使用される樹脂によって異
なる)で加熱することにより発泡させてコーティング層
2に所要の厚みを持たせることができ、外観意匠性を向
上させる。
【0015】樹脂組成物にオレフィン系樹脂の他に必要
に応じて添加されるものとして、酸化防止剤、帯電防止
剤、顔料、充填剤、加工性改良剤等がある。
【0016】樹脂組成物をカレンダー成形機や押し出し
成形機等を用いて基材1上に積層し、あるいはカレンダ
ー成形機や押し出し成形機等を用いてフィルムまたはシ
ート状に成形したものを基材1上に積層して熱融着させ
ることにより樹脂層を形成し、さらに上記温度に加熱し
て樹脂発泡させて発泡樹脂層2とする。
【0017】次に、本発明の実施例および比較例を挙げ
てさらに詳細に説明する。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示すように、エチレン系共重合樹脂
を用い、これに各種の添加剤を添加した樹脂組成物を実
施例1〜3および比較例1〜4とした。比較例1〜4の
樹脂組成物にはいずれも難燃剤として水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、臭素系難
燃剤またはリン系難燃剤が添加されているが、実施例1
〜3の樹脂組成物はこれら難燃剤を全く含まないもので
ある。
【0020】各樹脂組成物を120℃のロール温度で混
練した後、ロール温度120℃のカレンダー成形機によ
りシート状に成形し、これを基材1上に積層した。その
表面をプライマー処理した後、グラビア印刷機を用いて
所定の印刷を施し、さらに215℃のギアーオーブン内
にて60秒間加熱して樹脂を発泡させた後、表面にメカ
ニカルエンボスを施した。この試験においては、基材1
上に積層される樹脂層2における樹脂組成物の重量が各
実施例・比較例において概ね一致するようにして壁紙を
製造し、これら壁紙について、ロール加工性、セル状態
(発泡剤の分解により発生したガス気泡が溶融樹脂の中
で破壊されずにしかも均一に存在している状態の有無)
および外観品位を評価すると共に、発泡後のシート厚み
およびシート密度、難燃性Tdθ(発熱量)およびCA
(発煙量)を測定した。その結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】この場合、難燃剤を添加した比較例1〜4
ではいずれも発泡剤が添加されているにもかかわらず十
分な発泡倍率が得られず、このため発泡後のシートが薄
く、セル状態も荒れており、外観品位に劣るものであっ
た。これに対し、実施例1〜3の壁紙はいずれも10倍
以上の発泡倍率が得られ、発泡後のシート厚みも比較例
の2倍程度あるいはそれ以上であり、セル状態も良好で
あって、きわめて優れた外観品位を有するものであっ
た。
【0023】なお、難燃剤が配合された樹脂組成物にお
ける発泡剤の添加量を変化させた場合の発泡倍率および
セル状態を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】この表3に示されるように、難燃剤が配合
された樹脂組成物において発泡剤の添加量を増やしても
発泡倍率は増大せず、むしろ低下する傾向が見られた。
また、発泡剤の添加量が増大するにつれてセルの荒れが
顕著であった。この結果より、比較例1〜4において発
泡剤の添加量を増やしても発泡倍率を高めることはでき
ないことが分かった。
【0026】そこで、比較例1〜4の樹脂組成物から前
述の方法により壁紙を製造するに当たって、発泡後のシ
ート厚みが本発明実施例と同程度の1mmとなるように
して、得られた壁紙について前述と同様の評価および測
定を行った。その結果を表4に示す。
【0027】
【表4】
【0028】難燃剤が配合された比較例1〜4の場合
は、表3の結果から明らかなように、十分な発泡倍率を
得ることができないため、発泡後のシート厚みを持たせ
るためには発泡前のシート厚みを大きくしなければなら
ず、すなわち使用する樹脂組成物中の樹脂重量を大きく
しなければならない。この場合には、前述のようにセル
が荒れやすくなるだけでなく、樹脂量が増大することに
よって特に発熱量が増加し、準不燃の規格を満足するこ
とができなくなった。実施例1〜3の壁紙はいずれも準
不燃の規格を満足し、不燃に近い防火性能を有するもの
であった。また、実施例3は基材に一般紙を用いたもの
であるが、この場合も、基材に不燃紙を用いた実施例1
および2と防火性能において劣ることなく匹敵するもの
であることから、これら実施例の防火性能が基材に依存
するものではないことが理解される。
【0029】次に、実施例1の壁材について、樹脂重量
およびシート密度を様々に変化させて試験をしたとこ
ろ、表5に示す結果が得られた。
【0030】
【表5】
【0031】まず樹脂重量については、樹脂重量が10
g/m2に満たないとシート化することが困難であり、
仮にシート化できても薄すぎて外観意匠性を確保するこ
とができず、この理由から好ましくは50g/m2以上
である。一方、樹脂重量が150g/m2を超えると、
表4に示される比較例についての難燃性評価からも分か
るように、発熱量が準不燃の規格を超えてしまい、この
理由から好ましくは120g/m2以下である。
【0032】また、表5は、樹脂重量が上記範囲内であ
る80g/m2であってもシート密度が0.05g/c
m3および0.4g/cm3の場合には外観品位が不十
分であることを示している。すなわち、シート密度は
0.06〜0.30g/cm3、さらには0.08〜
0.20g/cm3の範囲内とすべきである。シート密
度が0.06g/cm3に満たないとセル状態がきわめ
て悪く外観意匠性が確保できず、この理由から好ましく
は0.08g/cm3以上である。一方、シート密度が
0.30g/cm3を超えると、難燃性能を確保しよう
とすると厚みが少なくなって外観意匠性が確保できず、
逆に外観意匠性を確保するために厚くすると難燃性能が
確保できなくなり、この理由から好ましくは0.20g
/cm3である。
【0033】また、樹脂重量およびシート密度がそれぞ
れ上記範囲内である80g/m2および0.1g/cm
3の場合について難燃剤の添加量を変えて試験した結果
を表6に示す。
【0034】
【表6】
【0035】これは難燃剤の添加量が多すぎると発泡性
が低下して十分な外観品位が得られなくなることを意味
しており、この理由から難燃剤の添加量はオレフィン系
樹脂に対して30重量部以下とすることが好ましく、よ
り好ましくは難燃剤を全く添加しないことである。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、難燃剤の添加を要する
ことなく優れた防火性能を有すると共に外観品位も良好
である壁紙を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による壁紙の構成を概略的に示す断面図
である。
【符号の説明】 1 基材 2 発泡樹脂層
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 浩三 滋賀県犬上郡多賀町大字多賀270 ダイニ ック株式会社滋賀工場内 (72)発明者 栗本 正弘 滋賀県犬上郡多賀町大字多賀270 ダイニ ック株式会社滋賀工場内 (72)発明者 西畠 重徳 滋賀県犬上郡多賀町大字多賀270 ダイニ ック株式会社滋賀工場内 (72)発明者 福岡 浩三 埼玉県深谷市内ケ島500 ダイニック株式 会社埼玉工場内 Fターム(参考) 4F100 AK03A AK04 AK04J AL01 AT00B BA02 BA03 CA08A DD01 DJ01A EH46 EJ39 EJ65 GB08 HB21 HB31 JA13A JJ07 YY00A YY00H 4L055 AG06 AG10 AG15 AG17 AG37 AG59 AH02 AH26 AH34 AH48 AJ02 AJ10 BE13 BE14 BE20 EA08 EA32 FA19 GA23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィン系樹脂10〜150g/m2
    含み難燃剤がオレフィン系樹脂に対して0〜30重量部
    添加された樹脂組成物による発泡樹脂層が基材に積層さ
    れてなり、樹脂組成物のシート密度が0.06〜0.3
    0g/cm3であることを特徴とする壁紙。
  2. 【請求項2】樹脂組成物中のオレフィン系樹脂重量が5
    0〜120g/m2であることを特徴とする請求項1の
    壁紙。
  3. 【請求項3】樹脂組成物のシート密度が0.08〜0.
    20/cm3であることを特徴とする請求項1の壁紙。
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