JP2004027149A - 樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】高発泡倍率のシート成形が可能であって、かつ難燃性に優れた樹脂組成物、それから成形した発泡樹脂シートおよび壁紙を提供すること。
【解決手段】エチレン・α−オレフィンランダム共重合体30〜100重量%およびポリエチレン0〜70重量%とからなる重合体成分100重量部に、水酸化マグネシウムおよび/または水酸化アルミニウムからなる難燃剤および無機フィラーを各々5〜80重量部含有させた樹脂組成物である。無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、または硫酸マグネシウムが好ましい。また、発泡剤を含有したその樹脂組成物から発泡倍率3〜8倍に成形した樹脂シートと紙基材との積層体は、難燃性のある壁紙として好適である。
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性、発泡性および難燃性に優れたシートの成形に適した樹脂組成物、およびそれから製造した発泡樹脂シート、さらにそれを用いた壁紙に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
壁紙は、紙基材の上に合成樹脂発泡シートが表面側に貼り合わされた構造体になっているが、これまではその合成樹脂発泡シートとして主に塩化ビニル樹脂製のシートが広く使われてきた。塩化ビニル樹脂シートは、成形加工性のよさ、難燃性を有すること、および低コストである利点が高く評価されている。しかし、塩化ビニル樹脂シートは、燃焼ガスによる環境汚染、廃棄処理の難しさ、および可塑剤による健康への影響が懸念されて、徐々に別の材料への切替が検討されている。
【0003】
環境面および健康面への配慮を考えると、ポリオレフィン系樹脂はそれらの懸念の少ない安心できる材料である。特開平5−200948号公報には、エチレン・α−オレフィン共重合体を使用した難燃性の高い壁紙が記載されている。しかしながら、そのようなシートは、発泡成形したときに発泡倍率が十分でなく、また厚い発泡シートを製造すると難燃性が不足するので多量の難燃剤を配合する必要性が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、発泡倍率の高いシート成形が可能であって、かつ難燃性に優れた樹脂組成物の提供を目的にする。また本発明は、そのような樹脂組成物から成形した発泡樹脂シートおよび壁紙の提供を目的にする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(A)密度が0.850〜0.900(g/cm)およびメルトフローレート(MFR)が0.1〜70(g/10分)のエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体30〜100重量%、および
(B)密度が0.905〜0.940(g/cm)、MFRが0.1〜50(g/10分)、およびメルトテンション(MT)とMFRとの関係が次式
40×(MFR)−0.67≦MT≦250×(MFR)−0.67
を満たすポリエチレン0〜70重量%(ここで(A)および(B)の合計量が100重量%になる)とからなる重合体成分に、
さらに(A)と(B)との合計量100重量部に対して、
(C)水酸化マグネシウムおよび/または水酸化アルミニウムからなる難燃剤5〜80重量部、および
(D)無機フィラー5〜80重量部
とからなる無機物成分が含有されている樹脂組成物に関する。
【0006】
前記の難燃剤は、その平均粒子径が0.1〜5μmであり、また前記の無機フィラーは、その平均粒子径が0.5〜15μmであることが好ましく、そして前記の無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、硫酸マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種のフィラーであることが望ましい。
【0007】
前記の樹脂組成物は、(A)が40〜90重量%および(B)が10〜60重量%であって、(A)と(B)との合計量100重量部に対して(C)および(D)が共に10〜70重量部であることが望ましい。前記してきた樹脂組成物には、さらに発泡剤を含有させることができる。
【0008】
本発明はまた、前記した発泡剤を含有した樹脂組成物から形成されたシート状物であって、それは3〜8倍の発泡倍率を有する発泡樹脂シートに関する。本発明はさらに、その発泡樹脂シートと紙基材との積層体である壁紙に関し、その壁紙は、厚さが0.5〜2mmであり、かつコーンカロリーメーター法による燃焼試験で総発熱量が8(MJ/m)に達するまでの燃焼時間が600秒以上であることが望ましい。
【0009】
【発明の具体的説明】
次に、本発明に係わる樹脂組成物、発泡樹脂シートおよび壁紙について、その構成を具体的に説明する。
【0010】
(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
本発明で用いる(A)エチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜10のα−オレフィンとをランダム共重合した重合体であって、その分子構造は、直鎖状であってもよいし、長鎖または短鎖の側鎖を有する分岐状であってもよい。
【0011】
コモノマーとして使用されるα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンおよびそれらの組み合わせを挙げることができ、中でもプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。また、必要に応じて他のコモノマー、例えば1,6−ヘキサジエン、1,8−オクタジエン等のジエン類や、シクロペンテン等の環状オレフィン類等を少量含有してもよい。そのような共重合体としては、具体的に、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体を例示することができる。
【0012】
このエチレン・α−オレフィン共重合体は、その中のエチレン含有量が、好ましくは60〜95モル%、より好ましくは70〜90モル%である。密度は、0.850〜0.900(g/cm)、好ましくは0.850〜0.890(g/cm)であって、低結晶性または非晶性のエラストマー状重合体である。この密度範囲にあると、この共重合体は柔軟性と耐熱性とを備えており、シートに成形した時その表面にベタツキが少なく、柔らかい感触の成形品を得ることができる。
【0013】
またこのエチレン・α−オレフィン共重合体は、ASTM D−1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)が、0.1〜70(g/10分)、好ましくは0.3〜40(g/10分)の範囲にある。MFR値がこの範囲内にあると、既存の成形機によって、高いスピードでシートを成形することができる。
【0014】
このような重合体は、例えばチーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造することができる。なお、本発明においては、このようなエチレン・α−オレフィン共重合体は、密度および/またはMFRの異なる2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0015】
(B)ポリエチレン
(B)ポリエチレンは、その密度が0.905〜0.940(g/cm)、好ましくは0.905〜0.935(g/cm)、より好ましくは0.905〜0.930(g/cm)であり、またASTM D−1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で測定したMFR値が、0.1〜50(g/10分)、好ましくは0.5〜30(g/10分)である。密度およびMFRがこの範囲にあるポリエチレンを用いると、(A)エチレン・α−オレフィン共重合体の溶融張力を高め、その結果、樹脂組成物のシート成形性を助け、均一厚さで外観良好なシートを製造することができる。
【0016】
またこのポリエチレンは、190℃で測定されたメルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが次式を満足することが必要である。
40×(MFR)−0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)−0.67
この関係式を満たすポリエチレンは、それを含有する樹脂組成物にさらに適度の溶融時の張力を付与し、シート成形性を良好にする。ここで、メルトテンション(MT)は、溶融させたポリエチレンを一定速度で延伸したときの応力を測定することにより求められる値(mN)である。具体的には、東洋精機製作所製のMT測定機を用い、樹脂温度190℃、押出速度15(mm/分)、巻取り速度15(m/分)、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件下で測定を行う。
【0017】
このような特性を有するポリエチレンは、エチレン繰り返し単位を95モル%以上含有する重合体である。エチレン以外の繰り返し単位としては、炭素数3〜20のα−オレフィンであってもよいし、ビニルモノマーであってもよい。好ましいポリエチレンの例としては、ラジカル重合法によって製造される、いわゆる高圧法低密度ポリエチレンを挙げることができ、それの持つ分岐が(A)エチレン・α−オレフィン共重合体に適度な溶融張力を付与する。
【0018】
(C)難 燃 剤
本発明の樹脂組成物を構成する難燃剤は、水酸化マグネシウムおよび/または水酸化アルミニウムであって、高い難燃性効果を樹脂組成物に付与する。BET法によって測定される比表面積から算出されるその平均粒子径は、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.1〜4μm、さらに好ましくは0.3〜4μmであって、極めて細かい微粒子状態にある。それらの水酸化物は、ステアリン酸やオレイン酸等の脂肪酸で表面処理されていてもよく、また前記の平均粒子径を持つ微粒子が凝集体を形成していてもよい。なお、この難燃剤は、他の難燃剤と併用して用いてもよい。
【0019】
(D)無機フィラー
本発明の樹脂組成物を構成する無機フィラーは、通常樹脂やゴムにフィラーとしての目的で配合される無機物である。そのようなフィラーの例として、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、硫酸マグネシウムを挙げることができ、中でも炭酸カルシウムおよびタルクが好ましい。また前記と同様にして測定したその平均粒子径が、好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは1〜10μmであることが望ましい。
【0020】
なお、前記した水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムは、本発明では難燃剤として(A)および(B)からなる重合体成分に配合させている。従って、本発明では、それらは無機フィラーの範囲には含めていない。ここで言う無機フィラーは、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムを除いた無機物である。
【0021】
樹脂組成物
本発明に係わる樹脂組成物は、重合体成分としての(A)エチレン・α−オレフィン共重合体および(B)ポリエチレンと、無機物成分としての(C)難燃剤および(D)無機フィラーとから構成されている。
【0022】
重合体成分の構成割合は、(A)が、30〜100重量%、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは50〜80重量%、(B)が、0〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%である。ここで、(A)と(B)との合計が100重量%になる。このような重合体成分を用いることによって、柔軟性を持ち、シート成形性が良好な樹脂組成物を得ることができる。
【0023】
また、無機物成分の構成割合は、(A)と(B)との合計量100重量部に対して、(C)および(D)がそれぞれ、5〜80重量部、好ましくは10〜70重量部、より好ましくは20〜60重量部である。
【0024】
本発明では、(A)および(B)の重合体成分に、(C)特定の難燃剤と(D)無機フィラーとを一定の配合範囲内で組み合わせた無機物成分をさらに配合することによって、各々の持つ難燃性効果およびフィラー効果が発揮されると同時に、高い発泡成形性を相乗的に発揮させている。その発泡成形性は、後述する実施例および比較例に示したように、(C)または(D)のいずれかを用いるだけでは3倍前後の発泡倍率に止まっているが、両者を組み合わせて用いた時に初めて5倍以上の高い発泡倍率でシート成形が可能になってくる。従って、少ない樹脂の目付け量で厚みのあるシートを製造することができ、このことは一層発泡樹脂シートの難燃性を高めている。
【0025】
この樹脂組成物には、さらに化学発泡剤またはガス発泡剤を含有させることができ、後述する発泡樹脂シートの成形方法および成形条件を基準にしていずれかの発泡剤を適宜選択して用いる。
【0026】
化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p、p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等のヒドラジド化合物、ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、またはそれらの混合物等を例示することができる。それらは成形条件下でそれ自身が分解して発泡成形用のガスを発生するものである。これらの発泡剤は、必要に応じて発泡助剤を併用してもよく、そのような発泡助剤の例として酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、あるいはサリチル酸、フタル酸、しゅう酸等の有機酸を挙げることができる。
【0027】
ガス発泡剤としては、炭酸ガス、ジフルオロジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素類、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類を例示することができ、特に炭酸ガス、ブタンガス、フロンガスが好ましい。これらは成形条件下でそれ自身がガスになり、発泡成形に寄与するものである。
【0028】
さらにこの樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、他の合成樹脂やゴム、あるいは添加剤を配合することができる。添加剤の例としては、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、顔料、スリップ剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤、塩酸吸収剤などを挙げることができる。
【0029】
前記した各成分と必要に応じて加えられる各種の添加剤とを、例えばヘンシェルミキサー、バンバリミキサー、タンブラーミキサー、ロール、押出機等の混合機を用いて均一にブレンドし、さらに必要に応じて混練り操作を加えて目的とする樹脂組成物を得ることができる。
【0030】
ここで得られた樹脂組成物は、後述する発泡シートの他に、一般用のフィルムやシートへと成形することができ、壁紙や包装材など各種製品として利用することができる。
【0031】
発泡樹脂シート
本発明に係わる発泡樹脂シートは、前記した発泡剤を含む樹脂組成物を発泡成形温度および圧力条件下で、シート成形することによって容易に製造することができる。その際、予め発泡剤を添加した樹脂組成物から一旦未発泡樹脂シートを成形し、その後シート温度を上げて発泡樹脂シートへと変える方法を採用してもよいし、または発泡剤を添加した樹脂組成物から直接発泡樹脂シートを製造する方法であってもよい。
【0032】
発泡シートの成形に際して、発泡剤を含む樹脂組成物から一旦未発泡樹脂シートをロールまたは押出機を用いて成形し、その後その樹脂シートを発泡成形条件下に移すことによって発泡樹脂シートを製造する方法の場合には、ガス発泡剤よりも化学発泡剤の使用が好ましい。化学発泡剤の添加量は、重合体成分(A)および(B)の合計量100重量部に対して、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。未発泡シートは、その後、エアーオーブンや加熱ロールの使用によって加熱し、発泡シートへと変えることができる。
【0033】
一方、樹脂組成物を押出機へ供給しつつ、発泡剤を押出機の別の供給口から圧入して、ダイから直接発泡樹脂シートを引き取って製造する場合には、一般にガス発泡剤が使用される。また、予め化学発泡剤を添加した樹脂組成物を押出機に供給し、同様にダイから直接発泡樹脂シートを引き取ることもできる。
【0034】
得られた発泡樹脂シートの発泡倍率は、好ましくは3〜8倍、より好ましくは3.5〜8倍、さらに好ましくは4〜8倍である。このようにして得られた発泡樹脂シートは、柔軟性に優れ、発泡気泡が均一で、かつシートの表面が平滑である。また、高い発泡倍率が得られるために、小さな樹脂目付け量であっても厚いシートを得ることができる。従って、この発泡樹脂シートは、柔軟でかつ難燃性を有することから後述する壁紙材料に適していると共に、一般包装材、緩衝材など各種発泡体製品としても使用することができる。
【0035】
壁  紙
本発明に係わる壁紙は、前記した発泡樹脂シートに紙基材を積層し、一体化した構造になっている。通常、紙基材層は、寸法および形状安定性を考慮して0.1〜0.2mmの厚みを有する紙が使用される。発泡樹脂シート層は、発泡倍率を好ましくは3〜8倍、より好ましくは3.5〜8倍、さらに好ましくは4〜8倍に調整する。このようにして、厚みが、好ましくは0.5〜2mm、より好ましくは0.55〜1.5mm、さらに好ましくは0.60〜1.5mmの壁紙が得られる。発泡シート層表面には印刷により、あるいはエンボス加工、シボ加工により壁紙としてのデザインが施される。さらにその外表面には、必要に応じて表面保護層を設けることもできる。
【0036】
使用できる紙基材としては、天然パルプや合成パルプから抄造した紙、それらに無機物を混ぜて抄造した紙など、壁紙の使用目的に沿って適宜選択される。前記した発泡樹脂シート層はそれ自身で耐水性、難燃性を有していることから、紙基材に特にその性質を要求しなくても一般用途に使用できるが、無機物を含む難燃紙、例えば水酸化アルミニウム紙を使用すると一層難燃性が向上するので、安全性を高める上で好ましい。
【0037】
壁紙の製造は、紙基材の上に予め発泡成形させた樹脂シートを重ね、両層間を接着剤を使用して積層してもよく、あるいは溶融ポリエチレン樹脂等を層間に押出すことによって圧着積層することもできる。また別の製造方法として、紙基材の上に予め成形された未発泡の樹脂シートを積層接着しておき、あるいは紙基材上へ未発泡樹脂シートを直接ラミネートし、その後この積層体を加熱炉や加熱ロールに通す等の発泡条件下におくことによって発泡させ、紙基材上に発泡樹脂シートが積層した壁紙を得ることができる。あるいは、紙基材上に発泡剤を添加ないし圧入した樹脂組成物を押出機またはカレンダーロールから直接ラミネートして、積層と発泡とを同時に行う方法で製造することもできる。
【0038】
このようにして得られた壁紙は、0.5〜2mmの厚さを有しているが、樹脂組成物の持つ高発泡成形性によって少ない樹脂量で厚い壁紙を製造することができるので、難燃性に優れている。中でもコーンカロリーメーターを使用し、ISO5660に準拠して行なう燃焼試験において、総発熱量が8(MJ/m)に達するまでの燃焼時間が、好ましくは600秒以上であるものは、一層燃えにくい性質を有しているので壁紙として望ましい。
【0039】
【実施例】
次に実施例を通して本発明を説明するが、本発明はそれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0040】
(実施例1)
重合体成分として、MFR(190℃)が1.0(g/10分)、密度が0.860(g/cm)、および1−ブテン含有量が19モル%のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(EBR)が70重量%、およびMFR(190℃)が9.5(g/10分)、密度が0.917(g/cm)、およびMTが19.5(mN)の高圧法低密度ポリエチレン(HPLDPE)が30重量%の組成物を用いた。
【0041】
前記重合体成分100重量部に対して、平均粒子径が0.8μmである水酸化マグネシウム30重量部、および平均粒子径3.4μmの炭酸カルシウム30重量部、さらに発泡剤としてアゾジカルボンアミド5重量部を用いた。これらの成分と前記した重合体成分とをオープンロールを用いて混練りし、均一に混合した樹脂組成物を得た。
【0042】
次いで、電熱加熱式のロールを用いて前記樹脂組成物からシート成形を行い、厚み120μmのシートを得た。得られたシートを目付け量65(g/m)の紙基材に140℃で熱プレスして積層体を得た。その未発泡シート層を含む積層体を220℃のエアーオーブン中に3分間入れ、発泡剤を分解させて発泡シート層とした。この発泡シート層の厚みおよび発泡倍率を測定し、その結果を表1に示した。
【0043】
さらに、この発泡シート層を含む積層体を厚さ9.5mmの石膏ボードにでんぷん糊を用いて貼り合わせ、コーンカロリーメーターを使用し、ISO5660に準じて燃焼試験を行った。その結果を表1に併せて示した。
【0044】
(比較例1〜2)
実施例1において、水酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムの使用量を表1に示した量とする以外は実施例1と同様に行なって発泡シート層を含む積層体を製造した。得られた発泡シート層の物性および燃焼試験結果を表1に示した。
【0045】
【表1】
Figure 2004027149
【0046】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、特定の難燃剤と無機フィラーとを組み合わせて含有しているので、それから発泡倍率の高いシート成形が容易となり、少ない樹脂量で厚みのあるシートを成形することができる。そして得られるシートは、柔軟性があり、難燃性効果も高い。従って、この発泡樹脂シートを紙基材に貼り合わせた積層体は、ボリューム感があり、表面層は軟らかい触感を示し、かつ難燃性があるので壁紙としての利用に適している。

Claims (8)

  1. (A)密度が0.850〜0.900(g/cm)およびメルトフローレート(MFR)が0.1〜70(g/10分)のエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体30〜100重量%、および
    (B)密度が0.905〜0.940(g/cm)、MFRが0.1〜50(g/10分)、およびメルトテンション(MT)とMFRとの関係が次式
    40×(MFR)−0.67≦MT≦250×(MFR) 0.67
    を満たすポリエチレン0〜70重量%(ここで(A)および(B)の合計量が100重量%になる)
    とからなる重合体成分に、さらに(A)と(B)との合計量100重量部に対して、
    (C)水酸化マグネシウムおよび/または水酸化アルミニウムからなる難燃剤5〜80重量部、および
    (D)無機フィラー5〜80重量部
    とからなる無機物成分が含有されていることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記の難燃剤は、その平均粒子径が0.1〜5μmであり、また前記の無機フィラーは、その平均粒子径が0.5〜15μmであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記の無機フィラーは、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、硫酸マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種のフィラーであることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記の樹脂組成物は、(A)が40〜90重量%および(B)が10〜60重量%であって、(A)と(B)との合計量100重量部に対して(C)および(D)が共に10〜70重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物が、さらに発泡剤を含有していることを特徴とする樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の樹脂組成物から形成されたシート状物であって、それは3〜8倍の発泡倍率を有していることを特徴とする発泡樹脂シート。
  7. 請求項6に記載の発泡樹脂シートと紙基材との積層体であることを特徴とする壁紙。
  8. 前記の積層体は、その厚さが0.5〜2mmであり、かつコーンカロリーメーター法による燃焼試験で総発熱量が8(MJ/m)に達するまでの燃焼時間が600秒以上であることを特徴とする請求項7に記載の壁紙。
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