JP2000080230A - 難燃性塩化ビニル樹脂成形体 - Google Patents

難燃性塩化ビニル樹脂成形体

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JP2000080230A
JP2000080230A JP10267360A JP26736098A JP2000080230A JP 2000080230 A JP2000080230 A JP 2000080230A JP 10267360 A JP10267360 A JP 10267360A JP 26736098 A JP26736098 A JP 26736098A JP 2000080230 A JP2000080230 A JP 2000080230A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーンルーム材料のFM規格を満足する難
燃性塩化ビニル樹脂成形体であって、充分な強度、耐薬
品性、曲げ加工性などを備え、好みの色に着色しやすい
成形体を提供する。 【解決手段】 塩素化度58〜73%の塩化ビニル樹脂
100重量部に対して、酸化チタンを4〜30重量部の
範囲内で含有させて難燃性塩化ビニル樹脂成形体を構成
する。塩素化度が高いため酸化チタンによる炭化促進作
用が向上し、その含有量が少なくてもFM規格を満足す
る優れた難燃性を発揮する。酸化チタンの含有量が少な
いので樹脂板が脆弱化せず良好な曲げ加工性を有し、耐
薬品性の低下もなく、好みの色に着色しやすい。酸化チ
タンの含有量が0〜20重量部の表面層を少なくとも片
面に積層して難燃性塩化ビニル樹脂成形体を構成しても
よい。また、この表面層と同じ組成の樹脂層と、上記成
形体と同じ組成の樹脂層を交互に多数積層して難燃性塩
化ビニル樹脂成形体を構成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FM規格(ファク
トリー・ミューチアル・リサーチ・コーポレーションの
定める難燃性の評価基準)を満足する難燃性塩化ビニル
樹脂成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂は成形性が良く、機械的
強度が高く、安価であって、耐薬品性が良好であるた
め、工業用材料、特に耐食工業用材料として半導体製造
装置をはじめ、あらゆる分野に広く利用されている。
【0003】通常の塩化ビニル樹脂は塩素化度が56〜
57%であり、このように塩素をかなり多量に含むため
難燃性を有すると言われている。しかしながら、塩化ビ
ニル樹脂の成形体を半導体製造装置等に用いると、火災
が発生したときに該樹脂が高熱により分解して煙や腐食
性ガスを出すため、製造施設内の空気清浄度が低下し
て、製造装置類、機器類、半導体部品などが汚染された
り侵されたりする恐れがあった。
【0004】かかる事情から、一般に難燃性を有すると
言われている塩化ビニル樹脂であっても、近年、火災時
の難燃性と発煙の抑制と腐食性ガス発生の抑制が要求さ
れるようになり、この要求は保険組織で特に強く、北米
を根拠地とする産業相互保険組織であるファクトリー・
ミューチアル・システムを構成している、ファクトリー
・ミューチアル・リサーチ・コーポレーション(Fac
tory Mutual Research Corp
oration)の定める評価基準が有効に利用されて
いる。
【0005】この評価基準は、Class Numbe
r 4910として挙げられているクリーンルーム材料
の難燃性テスト(FMRC Clean Room M
aterials Flammability Tes
t Protocol)(以下、FM規格という)に基
づく難燃性を示す難燃指数FPIが6以下、発煙性を示
す発煙指数SDIが0.4以下、腐食性ガス発生を示す
腐食指数CDIが1.1以下というものであり、これら
を同時に満足することが要求されている。
【0006】本発明者らは、上記のFM規格によるFP
I、SDI、CDIの各基準を同時に満足する難燃性塩
化ビニル樹脂成形体を開発すべく研究を重ねた結果、塩
化ビニル樹脂100重量部に対して、炭酸カルシウムと
タルクと無機質の塩素捕獲化合物を、その合計量が26
〜60重量部の範囲内となるように特定の割合で含有さ
せた塩化ビニル樹脂成形体は、上記の各基準を同時に満
足する優れた難燃性を備えていることを見出し、この難
燃性塩化ビニル樹脂成形体を既に出願した(特願平9−
365319号)。
【0007】この塩化ビニル樹脂成形体は、優れた難燃
性を有することに加えて、着色の自由度が大きく、加工
性も良いという長所を有するが、その反面、次のような
問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】即ち、上記の難燃性塩
化ビニル樹脂成形体は、塩化ビニル樹脂100重量部に
対して、炭酸カルシウム、タルク、塩素捕獲化合物など
の無機フィラーを26〜60重量部と多量に含有させる
ため、実用に耐える強度を有するとは言うものの強度が
十分でなく、特に、炭酸カルシウムは無機フィラーの中
では薬品に弱いので、成形体の耐薬品性もあまり良くな
いという問題があった。
【0009】また、無機フィラーとして酸化チタンを用
いてもFM規格を満足する成形体が得られることを見出
したが、この場合においても、酸化チタンを多量に含有
させる必要がある。しかし、該酸化チタンは白色度の高
いフィラーであるから、成形体を好みの色に着色するに
は多量の顔料を配合する必要があるが、顔料の多くは有
機系顔料であるため、そのような有機系顔料を多量に配
合すると、FM規格の各基準を同時に満足する成形体を
得ることが困難になる。従って、好みの色でFM規格を
満たす成形体を得るには、より多くの酸化チタンと顔料
を配合する必要があり、酸化チタンの多量配合によって
成形体の強度や耐薬品性の低下を招くという問題があっ
た。
【0010】そこで、本発明者らは、FM規格を満足す
るだけでなく、十分な強度、耐薬品性、曲げ変形性など
を兼ね備え、好みの色に着色することも容易な難燃性塩
化ビニル樹脂成形体の開発を目的として更に研究を重ね
た結果、特定範囲の塩素化度を有する塩化ビニル樹脂に
酸化チタンを特定割合で含有させる場合には上記の目的
を達成できるという事実を見出し、本発明を完成するに
至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の請求項1
に係る難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、塩素化度58〜
73%の塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チ
タンを4〜30重量部の範囲内で含有せしめたことを特
徴とするものである。
【0012】酸化チタンは、白色度が高く、1200〜
1300℃まで分解しない無機粒子であり、これを塩化
ビニル樹脂に含有させると、何故に難燃性が向上し発煙
量やガス発生量が減少するのか、その理由(作用)につ
いては明らかでないが、一応次のように考えられる。
【0013】一般に、塩化ビニル樹脂成形体に外部から
過度の熱が加わると、塩化ビニル樹脂中の塩素が熱によ
り離脱して難燃作用を発揮すると共に、塩素の離脱した
樹脂が熱分解して燃焼に至る。この過程において酸化チ
タンが存在すると、該酸化チタンは1200〜1300
℃の高温まで分解することなく、その高い白色度によっ
て外部からの熱を遮断する働きをすると共に、塩素離脱
後の樹脂の熱分解および燃焼の段階では該樹脂をより速
く炭化させる働きをするため、塩化ビニル樹脂成形体の
難燃性が向上すると考えられる。
【0014】この酸化チタンの炭化促進作用は、塩化ビ
ニル樹脂の塩素化度が高くなるほど強くなり、塩素化度
が58%以上の塩化ビニル樹脂では、該樹脂100重量
部に対して酸化チタンを30重量部以下と少量含有させ
るだけで、FM規格のFPI、SDI、CDIを全て満
足する難燃性に優れた塩化ビニル樹脂成形体を得ること
ができる。そして、塩素化度が73%の塩化ビニル樹脂
では、酸化チタンを4重量部と極く少量含有させるだけ
でも、FM規格を全て満足する難燃性塩化ビニル樹脂成
形体が得られる。
【0015】塩化ビニル樹脂の塩素化度は58〜73%
の範囲内にあることが必要で、塩素化度が58%より低
くなると、酸化チタンによる炭化促進作用が十分に発揮
され難くなるため、酸化チタンを4〜30重量部含有さ
せてもFM規格の各基準を全て満足する難燃性塩化ビニ
ル樹脂成形体を得ることが困難になる。一方、塩素化度
が73%より高くなると、難燃性は更に向上するが、成
形体の熱安定性、成形性、曲げ加工性などが低下し、耐
薬品性や耐食性も低下する。
【0016】また、酸化チタンは、上記の塩化ビニル樹
脂100重量部に対して4〜30重量部の範囲内で含有
させる必要があり、30重量部より多量に含有させる
と、耐薬品性、強度、曲げ加工性などの低下を招き、酸
化チタンの強い白色度によって好みの色に着色すること
も難しくなる。一方、酸化チタンの含有量が4重量部よ
り少なくなると、塩化ビニル樹脂の塩素化度が58%以
上でも、相乗して炭化促進作用を十分に発揮し難くな
り、FM規格の各基準を全て満足する成形体を得ること
が困難となる。
【0017】次に、本発明の請求項2に係る難燃性塩化
ビニル樹脂成形体は、基層の少なくとも片面に表面層を
積層一体化した成形体であって、基層は、塩素化度58
〜73%の塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化
チタンを4〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であ
り、表面層は、塩素化度50〜57%の塩化ビニル系の
樹脂100重量部に対して、酸化チタンを0〜20重量
部の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とするも
のである。
【0018】この難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、表面
層の樹脂が耐薬品性の良好な塩素化度50〜57%の塩
化ビニル系の樹脂であり、無機フィラーとしては耐薬品
性に優れるが塩化ビニル樹脂に比べると耐薬品性に劣る
酸化チタンの含有量が0〜20重量部と少ないため、成
形体表面(表面層)が塩化ビニル系の樹脂本来の良好な
耐薬品性及び耐食性を有している。しかも、基層が前述
した請求項1の難燃性塩化ビニル樹脂成形体と同じ組成
の層であり、表面層にも酸化チタンが少量含まれている
ので、この成形体は全体としてFM規格の各基準を全て
満足する優れた難燃性を有し、強度、成形性、曲げ加工
性なども良好であり、熱曲げ加工等を行っても表面層に
亀裂の入る心配がない。
【0019】次に、本発明の請求項3に係る難燃性塩化
ビニル樹脂成形体は、塩素化度の高い塩化ビニル樹脂層
と塩素化度の低い塩化ビニル系の樹脂層を交互に積層一
体化した成形体であって、塩素化度の高い塩化ビニル樹
脂層は、塩素化度58〜73%の塩化ビニル樹脂100
重量部に対して、酸化チタンを4〜30重量部の範囲内
で含有せしめた層であり、塩素化度の低い塩化ビニル系
の樹脂層は、塩素化度50〜57%の塩化ビニル系の樹
脂100重量部に対して、酸化チタンを0〜20重量部
の範囲内で含有せしめた層であることを特徴とするもの
である。
【0020】この難燃性塩化ビニル樹脂成形体の塩素化
度の高い塩化ビニル樹脂層は前記請求項1の難燃性塩化
ビニル樹脂成形体と同一の組成であり、塩素化度の低い
塩化ビニル系の樹脂層は前記請求項2の表面層と同一の
組成であるから、これらの樹脂層を交互に積層した成形
体は全体として優れた難燃性を有しており、FM規格の
各基準を全て満足することができる。しかも、塩素化度
の低い塩化ビニル系の樹脂層が交互に積層されている
と、該樹脂層によって成形体の耐薬品性や耐食性が向上
するだけでなく、成形性、曲げ加工性、伸び等が大幅に
改善されるため、熱曲げ加工等を一層容易に行うことが
可能となる。
【0021】以上の請求項1〜3の難燃性塩化ビニル樹
脂成形体において、塩素化度58〜73%の塩化ビニル
樹脂としては、塩素化度63〜67%の後塩素化塩化ビ
ニル樹脂が好適に使用されるが、この後塩素化塩化ビニ
ル樹脂と塩素化度56〜57%の塩化ビニル樹脂(一般
の塩化ビニル樹脂)を混合して塩素化度が58〜66%
の範囲内となるように調整した混合樹脂も好適に使用さ
れる。特に、後者の混合樹脂の場合は、後塩素化塩化ビ
ニル樹脂の耐薬品性や伸びの悪さを一般の塩化ビニル樹
脂で改善できる利点がある。
【0022】また、塩素化度50〜57%の塩化ビニル
系の樹脂としては、塩素化度56〜57%の塩化ビニル
樹脂(一般の塩化ビニル樹脂)、塩素化度が50〜56
%の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化度が5
0〜56%の塩化ビニル−エチレン共重合樹脂のいずれ
か単独、又は、二種以上の混合樹脂が好適に使用され
る。
【0023】更に、酸化チタンとしては、アルミナで被
覆されたものが好適に使用される。このようにアルミナ
で被覆された酸化チタンを含有させると、燃焼時に酸化
チタンとアルミナによって相乗的に塩化ビニル樹脂の炭
化促進作用が一層高められると共に、アルミナによって
煙やガス等が吸着されるため、成形体の難燃性がより一
層向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
を説明する。
【0025】本発明の難燃性塩化ビニル樹脂成形体は三
つの実施形態に大別される。第一の実施形態は全体が同
じ組成の単層構造の成形体A、第二の実施形態は基層の
少なくとも片面に組成の異なる表面層を積層一体化した
複層構造の成形体B、第三の実施形態は塩素化度の高い
塩化ビニル樹脂層と塩素化度の低い塩化ビニル系の樹脂
層とを交互に積層一体化した多層構造の成形体Cであ
る。
【0026】第一の実施形態に係る単層構造の塩化ビニ
ル樹脂成形体Aは、塩素化度58〜73%の塩化ビニル
樹脂100重量部に対して、酸化チタンを4〜30重量
部の範囲内で含有せしめたものであり、この成形体Aに
は、成形に必要な鉛系又は錫系の安定剤、滑剤、加工助
剤、着色剤などが適量配合される。
【0027】この成形体Aのように、塩素化度58〜7
3%の塩化ビニル樹脂に酸化チタンを含有させると、有
機物である塩化ビニル樹脂の量が減少し、既述したよう
に、火災時に酸化チタンが1200〜1300℃の高温
まで分解することなく、その高い白色度によって外部か
らの熱を遮断すると共に、塩素離脱後の樹脂の炭化を促
進するため、成形体Aの難燃性が顕著に向上し、発煙量
や腐食性ガスの発生量も減少する。
【0028】酸化チタンによる炭化促進作用は、既述し
たように塩化ビニル樹脂の塩素化度が高くなるほど強く
なり、この成形体Aのように塩素化度58〜73%の塩
化ビニル樹脂を使用する場合は、該樹脂100重量部に
対して酸化チタンを4〜30重量部と少量含有させるだ
けで、FM規格によるFPI、SDI、CDIの各基準
を全て満足する優れた難燃性を付与することができる。
【0029】酸化チタンを30重量部より多量に含有さ
せると、難燃性は更に向上するけれども、成形体Aの耐
薬品性、強度、曲げ変形性、伸び等が低下するようにな
り、酸化チタンの強い白色度によって好みの色に着色す
ることも難しくなる。一方、酸化チタンの含有量が4重
量部より少なくなると、塩化ビニル樹脂の塩素化度が5
8〜73%と高くても、相乗して炭化促進作用を十分に
発揮し難くなり、FM規格の各基準を全て満足する成形
体を得ることが困難となる。酸化チタンの更に好ましい
含有量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して8〜2
0重量部の範囲内である。
【0030】酸化チタンとしては、0.1〜0.5μm
程度の平均粒径を有する粉体が好ましく使用される。か
かる粒径の酸化チタンの粉体は、塩化ビニル樹脂との混
練性が良く、均一な分散状態で含有させることができる
からである。特に、表面をアルミナで被覆した酸化チタ
ンの粉体は好適であり、このような被覆粉体を含有させ
ると、燃焼時に酸化チタンとアルミナの相乗作用によっ
て塩化ビニル樹脂の炭化が更に促進されると共に、アル
ミナによって煙やガス等が吸着されるため、燃焼指数F
PI、発煙指数SDI、腐食指数CDIの全ての数値が
小さい成形体Aを得ることが可能となる。
【0031】塩化ビニル樹脂は、塩素化度が58〜73
%のものを使用する必要があり、塩素化度が58%より
低い塩化ビニル樹脂を使用すると、酸化チタンによる炭
化促進作用が低下するため、酸化チタンを4〜30重量
部含有させても、FM規格の各基準を全て満足する難燃
性塩化ビニル樹脂成形体Aを得ることが困難になる。一
方、塩素化度が73%より高い塩化ビニル樹脂を使用す
ると、酸化チタンによる炭化促進作用が顕著になって成
形体Aの難燃性は更に向上するけれども、塩素化度が高
すぎるため成形体Aの熱安定性、成形性、曲げ加工性等
が低下し、耐薬品性や耐食性も低下する。塩化ビニル樹
脂の更に好ましい塩素化度の範囲は62〜68%であ
る。
【0032】塩素化度58〜73%の塩化ビニル樹脂と
しては、塩素化度63〜67%の後塩素化塩化ビニル樹
脂が好適に使用されるが、この後塩素化塩化ビニル樹脂
と塩素化度56〜57%の一般の塩化ビニル樹脂を混合
して塩素化度が58〜66%の範囲内となるように調整
した混合樹脂も好適に使用される。特に、混合樹脂の場
合は、後塩素化塩化ビニル樹脂の耐薬品性や伸びの悪さ
を一般の塩化ビニル樹脂で改善できる利点がある。ま
た、場合によっては、塩化ビニルと酢酸ビニルやエチレ
ン等との共重合樹脂を適量混合して物性を改善するよう
にしてもよい。
【0033】この成形体Aの厚さは用途などを考慮して
適宜決定すればよいが、通常、3〜15mm程度の厚さ
にすると、十分な実用強度を付与することができる。
【0034】このような単層構造の難燃性塩化ビニル樹
脂成形体Aは、酸化チタンと他の添加剤(安定剤、滑
剤、加工助剤、着色剤等)を配合した塩素化度58〜7
3%の塩化ビニル樹脂組成物を、溶融押出成形、カレン
ダープレス、射出成形、その他の公知の成形手段によっ
て、平板やパイプや異形品など所望の単層形状に成形し
たものであり、そのまま、或は、二次加工して、各種の
用途、特に半導体製造装置などに好適に使用される。
【0035】既述したように、この塩化ビニル樹脂成形
体Aは、FM規格の各基準を全て満足する優れた難燃性
と、実用に十分耐え得る強度、熱安定性、成形性、曲げ
加工性、伸び等を兼ね備えたものであるが、塩素化度が
58〜73%と高い塩化ビニル樹脂は耐薬品性があまり
良くなく、しかも、無機フィラーとしては耐薬品性は良
好であるが塩化ビニル樹脂に比べると耐薬品性に弱い酸
化チタンを最大で30重量部含有するため、従来の無機
フィラーを多量に含有させた成形体に比べると耐薬品性
や耐食性がかなり改善されているとは言うものの、まだ
不十分である。
【0036】この耐薬品性及び耐食性を更に改善したも
のが、第二の実施形態に係る複層構造の塩化ビニル樹脂
成形体Bである。
【0037】即ち、この成形体Bは、基層の少なくとも
片面に表面層を積層一体化した成形体であって、該基層
は、塩素化度58〜73%の塩化ビニル樹脂100重量
部に対して、酸化チタンを4〜30重量部の範囲内で含
有せしめた層から成り、該表面層は、塩素化度50〜5
7%の塩化ビニル系の樹脂100重量部に対して、酸化
チタンを0〜20重量部の範囲内で含有せしめた層から
成るものである。そして、これらの基層や表面層には、
鉛系又は錫系の安定剤、滑剤、加工助剤、着色剤などが
適量配合される。
【0038】基層の塩素化度58〜73%の塩化ビニル
樹脂や酸化チタンは、前記第一の実施形態で使用したも
のと同じものが使用される。一方、表面層の塩素化度5
0〜57%の塩化ビニル系の樹脂としては、塩素化度5
6〜57%の塩化ビニル樹脂(一般の塩化ビニル樹
脂)、塩素化度が50〜56%の塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合樹脂、塩素化度が50〜56%の塩化ビニル−
エチレン共重合樹脂のいずれか単独、又は、二種以上の
混合樹脂が好適に使用される。このうち、耐薬品性が最
も良好な一般の塩化ビニル樹脂が最も好ましく用いられ
る。
【0039】塩素化度が58%以上の塩化ビニル系の樹
脂は、耐薬品性や伸びがあまり良くないので、表面層の
樹脂としては不適当であり、塩素化度が50%未満の塩
化ビニル系の樹脂は、酸化チタンを少量含有させても難
燃性があまり良くならないので、やはり表面層の樹脂と
して不適当である。
【0040】この塩化ビニル樹脂成形体Bは、表面層の
樹脂が耐薬品性の良好な塩素化度50〜57%の塩化ビ
ニル系の樹脂であり、酸化チタンの含有量が0〜20重
量部と少ないので、該樹脂の良好な耐薬品性が酸化チタ
ンによって殆ど低下せず、表面層が良好な耐薬品性及び
耐食性を有している。しかも、基層は前述した成形体A
と同じ組成の層であり、上記のように難燃性を高める酸
化チタンが表面層にも少量含まれているから、この成形
体Bは全体としてFM規格の各基準を満足する優れた難
燃性を有し、強度、成形性、曲げ加工性などが良好であ
り、熱曲げ加工等を行っても、伸びの良い塩素化度50
〜57%の塩化ビニル系の樹脂を使用した表面層に亀裂
が入る心配はない。
【0041】上記のように、表面層は成形体Bの耐薬品
性や耐食性を更に改善するためのものであるから、基層
の両面に形成することが望ましいが、基層の片面にのみ
形成してもよい。基層の厚みは、実用強度が得られるよ
うに2〜12mm程度に設定することが好ましく、表面
層の厚みは0.2〜1.6mmに設定するのが好まし
い。表面層を0.2mmより薄く形成すると、初期の耐
薬品性や耐食性は良好であるが、長期になると薬品が表
面層を侵して基層にまで達するので好ましくなく、逆に
1.6mmより厚く形成すると、成形体B全体に対する
表面層の体積比率が増加し、その分だけ基層の体積比率
が減少して難燃性が低下するため、FM規格の各基準を
満足する成形体を得ることが難しくなる。表面層の更に
好ましい厚さは0.4〜1.1mmである。
【0042】表面層の酸化チタン含有量は、上記のよう
に塩化ビニル系の樹脂100重量部に対して最大でも2
0重量部以下であり、20重量部より多量に含有させる
と、成形体Bの耐薬品性及び耐食性の改善効果が不十分
になるだけでなく、表面層の強度、曲げ加工性、伸び等
の諸物性も低下する。表面層における酸化チタンの更に
好ましい含有量は、塩化ビニル系の樹脂100重量部に
対して0〜15重量部の範囲であり、最も好ましい含有
量は3〜10重量部である。このように表面層にも酸化
チタンを3〜10重量部含有させることにより、基層の
酸化チタンの含有量を8〜20重量部にしてもFM規格
の各基準を満足させることができるばかりか、強度、曲
げ加工性、伸び等も向上させることができる。
【0043】以上のような複層構造の難燃性塩化ビニル
樹脂成形体Bは、酸化チタンや他の添加剤を配合した基
層成形用の塩素化度58〜73%の塩化ビニル樹脂組成
物と、表面層成形用の塩素化度50〜57%の塩化ビニ
ル系の樹脂組成物を調製し、これらの組成物を多層押出
成形、カレンダープレス、ラミネートその他の手段によ
り、所望の形状に積層成形して製造されるものであり、
FM規格のFPI、SDI、CDIの各基準を満足する
ことに加えて、表面の耐薬品性及び耐食性が良好である
ため、耐薬品性等が要求される用途、例えば半導体製造
装置の一部である洗浄槽などの材料として好適に用いら
れる。
【0044】また、第三の実施形態に係る多層構造の塩
化ビニル樹脂成形体Cは、塩素化度の高い塩化ビニル樹
脂層と塩素化度の低い塩化ビニル系の樹脂層を交互に積
層一体化した成形体であって、塩素化度の高い塩化ビニ
ル樹脂層(以下、高塩素化度樹脂層という)は、塩素化
度58〜73%の塩化ビニル樹脂100重量部に対し
て、酸化チタンを4〜30重量部の範囲内で含有せしめ
た層から成り、塩素化度の低い塩化ビニル樹脂層(以
下、低塩素化度樹脂層という)は、塩素化度50〜57
%の塩化ビニル系の樹脂100重量部に対して、酸化チ
タンを0〜20重量部の範囲内で含有せしめた層から成
るものである。
【0045】この成形体Cに用いる塩素化度58〜73
%の塩化ビニル樹脂、塩素化度50〜57%の塩化ビニ
ル系の樹脂、酸化チタンなどは、前記第一の実施形態や
第二の実施形態に用いたものと同じものであり、また高
塩素化度樹脂層や低塩素化度樹脂層には、鉛系又は錫系
の安定剤、滑剤、加工助剤、着色剤などが適量配合され
る。
【0046】高塩素化度樹脂層や低塩素化度樹脂層は、
0.2〜1.5mm程度の厚さを有する層であり、成形
体Cの全体の厚さが3〜15mm程度となるように交互
に多数積層して一体化されている。
【0047】この高塩素化度樹脂層は耐熱性に優れた前
記成形体Aと同一の組成であり、低塩素化度樹脂層は耐
薬品性や耐食性が改善された前記成形体Bの表面層と同
一の組成であるから、これらの樹脂層を交互に積層した
成形体Cは、全体としてFM規格の各基準を満足する優
れた難燃性と、良好な耐薬品性及び耐食性を有してお
り、特に、交互に積層された低塩素化度樹脂層によって
成形体Cの成形性、曲げ加工性、伸び等が大幅に改善さ
れるため、熱曲げ加工等を一層容易に行うことができ
る。なお、成形体Cの最外層には低塩素化度樹脂層を積
層して耐薬品性を改善した構成となしている。
【0048】上記の高塩素化度樹脂層と低塩素化度樹脂
層は同じ厚さでも異なる厚さでもよいが、低塩素化度樹
脂層よりも高塩素化度樹脂層を厚くして、成形体C全体
に対する高塩素化度樹脂層の体積比率を2/3以上、好
ましくは3/4以上となし、難燃性の低下を極力抑制す
ることが望ましい。
【0049】このような難燃性塩化ビニル樹脂成形体C
は、酸化チタンや他の添加剤を塩素化度58〜73%の
塩化ビニル樹脂に配合した高塩素化度樹脂層成形用のカ
レンダーシートと、酸化チタンや他の添加剤を塩素化度
50〜57%の塩化ビニル系の樹脂に配合した低塩素化
度樹脂層成形用のカレンダーシートを作製し、これらの
カレンダーシートを交互に積層して熱プレスするなどの
手段により、容易に製造することができる。
【0050】次に、本発明の更に具体的な実施例を挙げ
る。
【0051】[実施例1〜3]塩素化度65%の後塩素
化塩化ビニル樹脂100重量部に対し、表面がアルミナ
で被覆された酸化チタン(平均粒径:略0.2μm以
下)と鉛安定剤と滑剤と加工助剤を下記の表1に示す配
合量で均一に混合してカレンダーシートを作製した後、
これをプレスすることによって、酸化チタンの含有量が
互いに異なる実施例1〜3の単層構造の難燃性塩化ビニ
ル樹脂板(厚さ5mm)を得た。
【0052】これらの樹脂板について、FPI、SD
I、CDIを測定すると共に、その機械的強度と耐薬品
性を調べ、その結果を下記の表1に示した。なお、機械
的強度は夫々JIS K6745に基づいて測定したも
のであり、耐薬品性は各薬液に23℃で7日間浸漬後の
外観変色を観察し、◎を変色なし、○を僅かに変色あ
り、△を変色あり、×を著しい変色あり、として表示し
たものである。
【0053】[実施例4]塩素化度65%の後塩素化塩
化ビニル樹脂50重量部と塩素化度56.8%の一般の
塩化ビニル樹脂50重量部をブレンドして塩素化度6
0.9%の混合樹脂を調製し、この混合樹脂100重量
部に対して、酸化チタンと鉛安定剤と滑剤と加工助剤を
下記の表1に示す配合量で均一に混合してカレンダーシ
ートを作製した後、これをプレスすることによって、実
施例4の単層構造の難燃性塩化ビニル樹脂板(厚さ5m
m)を得た。
【0054】この樹脂板について実施例1〜3と同様に
FPI、SDI、CDIを測定すると共に、その機械的
強度と耐薬品性を調べ、その結果を下記の表1に併記し
た。
【0055】[比較例1,2]酸化チタンの配合量を2
重量部と40重量部に変更した以外は実施例1〜3と同
様にして、比較例1,2の単層構造の塩化ビニル樹脂板
(厚さ5mm)を作製した。
【0056】これらの樹脂板について実施例1〜3と同
様にFPI、SDI、CDIを測定すると共に、その機
械的強度と耐薬品性を調べ、その結果を下記の表1に併
記した。
【0057】[比較例3,4]塩素化度56.8%の一
般の塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタン
と鉛安定剤と滑剤と加工助剤を下記の表1に示す配合量
で均一に混合してカレンダーシートを作製した後、これ
をプレスすることによって、比較例3,4の単層構造の
塩化ビニル樹脂板(厚さ5mm)を得た。
【0058】これらの樹脂板について実施例1〜3と同
様にFPI、SDI、CDIを測定すると共に、その機
械的強度と耐薬品性を調べ、その結果を下記の表1に併
記した。
【0059】[比較例5]酸化チタンに代えて、炭酸カ
ルシウムを40重量部、タルクを40重量部配合した以
外は比較例3,4と同様にして、比較例5の単層構造の
塩化ビニル樹脂板(厚さ5mm)を作製した。
【0060】この樹脂板について実施例1〜3と同様に
FPI、SDI、CDIを測定すると共に、その機械的
強度と耐薬品性を調べ、その結果を下記の表1に併記し
た。
【0061】[実施例5]下記の表1の実施例1に示す
組成と同一の組成を有する基層用カレンダーシートを作
製すると共に、表1の比較例3に示す組成と同一の組成
を有する表面層用カレンダーシートを作製し、これらの
シートを重ね合わせてプレスすることにより、厚さ4m
mの基層の両面に厚さ0.5mmの表面層を有する三層
構造の難燃性塩化ビニル樹脂板(全体の厚さ5mm)を
得た。
【0062】この樹脂板について実施例1〜3と同様に
FPI、SDI、CDIを測定すると共に、その機械的
強度と耐薬品性を調べ、その結果を下記の表1に併記し
た。
【0063】[実施例6]下記の表1の実施例3に示す
組成と同一の組成を有する高塩素化度樹脂層用カレンダ
ーシートと、下記の表1の比較例3に示す組成と同一の
組成を有する低塩素化度樹脂層用カレンダーシートを作
製し、これらのカレンダーシートを、表裏両面が低塩素
化度樹脂層用カレンダーシートとなるように、交互に多
数枚重ねてプレスすることにより、全体の厚さが5mm
の多層構造の難燃性塩化ビニル樹脂板を得た。
【0064】この樹脂板について実施例1〜3と同様に
FPI、SDI、CDIを測定すると共に、その機械的
強度と耐薬品性を調べ、その結果を下記の表1に併記し
た。
【0065】
【表1】
【0066】この表1を見ると、塩素化度65%の後塩
素化塩化ビニル樹脂100重量部に化酸化チタンを10
〜25重量部の割合で配合した実施例1〜3の難燃性塩
化ビニル樹脂板はいずれも、FM規格のFPIが0.7
〜1.2の範囲、SDIが0.01〜0.02の範囲、
CDIが0.4〜0.8の範囲にあり、余裕をもって各
基準を満足する優れた難燃性を備えていることが判る。
そして、酸化チタンの含有量が多い樹脂板ほど難燃性が
向上し、酸化チタンの含有量が少ない樹脂板ほど耐薬品
性が向上することが判る。また、塩素化度65%の後塩
素化塩化ビニル樹脂と一般塩化ビニル樹脂との混合樹脂
に酸化チタンを配合した実施例4の難燃性塩化ビニル樹
脂板は、一般塩化ビニル樹脂を含んでいるため、FP
I,SDI,CDIが実施例1〜3の樹脂板に比べると
若干低下するが、それでも各基準を充分に満足してお
り、特に、伸び率の向上が顕著である。
【0067】これに対し、酸化チタンの含有量が2重量
部と少ない比較例1の塩化ビニル樹脂板は、耐薬品性や
伸び率は優れているが、CDIが基準値を越えており、
FM規格に不合格であることが判る。また、酸化チタン
を40重量部と多量に含有させた比較例2の塩化ビニル
樹脂板は、FM規格の各基準を充分満足する優れた難燃
性を備えているが、酸化チタンが多すぎるため衝撃強度
や伸び率が悪く、耐薬品性も大幅に低下している。
【0068】一方、比較例4,5のように一般の塩化ビ
ニル樹脂に酸化チタンを含有させた樹脂板は、酸化チタ
ンの配合量が比較例4のように15重量部程度であれ
ば、FM規格の各基準を全て満足する難燃性を有する
が、比較例3のように酸化チタンの配合量を4重量部ま
で減少させると難燃性が大幅に低下し、FPIやCDI
の基準値を越えて不合格となる。このことから、一般の
塩化ビニル樹脂は、塩素化度の高い後塩素化塩化ビニル
樹脂に比べて、酸化チタンとの相乗作用が弱く、少量の
酸化チタンを配合するだけでは充分な難燃性を付与しに
くいことが判る。
【0069】また、比較例5のように一般の塩化ビニル
樹脂に炭酸カルシウムとタルクを多量に含有させた樹脂
板は、FM規格の各基準を全て満足する難燃性を有する
けれども、強度や耐薬品性が極端に低下するので、実用
に供し難いものであることが判る。
【0070】更に、一般の塩化ビニル樹脂に少量の酸化
チタンを含有させた表面層を、実施例1と同一組成の基
層の両面に積層した実施例5の三層構造の樹脂板や、上
下両面が低塩素化度樹脂層となるように低塩素化度樹脂
層と高塩素化度樹脂層を交互に積層した実施例6の多層
構造の樹脂板は、塩素化度の高い後塩素化塩化ビニル樹
脂のみを用いた実施例1〜3の樹脂板に比べると難燃性
はやや低下するが、それでもFM規格の各基準を充分満
足できる難燃性を備えており、特に、伸び率が向上する
ため曲げ加工がしやすく、また耐薬品性も顕著に向上す
ることが判る。
【0071】
【発明の効果】以上の説明及び実験データから明らかな
ように、本発明の単層構造の難燃性塩化ビニル樹脂成形
体は、FM規格に基づくFPI、SDI、CDIの全て
を満足する優れた難燃性を有し、無機質フィラーを多量
に含有させた難燃性塩化ビニル樹脂成形体に比べると、
強度、成形性、曲げ加工性、伸び等が向上すると共に、
耐薬品性や耐食性も改善できるといった効果を奏する。
特に、基層の少なくとも片面に表面層を形成した複層構
造の難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、表面層によって耐
薬品性や耐食性を顕著に改善することができ、また、高
塩素化度樹脂層と低塩素化度樹脂層を交互に積層一体化
した多層構造の難燃性塩化ビニル樹脂成形体は、伸び、
曲げ加工性、耐薬品性、耐食性等を顕著に改善すること
ができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩素化度58〜73%の塩化ビニル樹脂1
    00重量部に対して、酸化チタンを4〜30重量部の範
    囲内で含有せしめたことを特徴とする難燃性塩化ビニル
    樹脂成形体。
  2. 【請求項2】基層の少なくとも片面に表面層を積層一体
    化した成形体であって、基層は、塩素化度58〜73%
    の塩化ビニル樹脂100重量部に対して、酸化チタンを
    4〜30重量部の範囲内で含有せしめた層であり、表面
    層は、塩素化度50〜57%の塩化ビニル系の樹脂10
    0重量部に対して、酸化チタンを0〜20重量部の範囲
    内で含有せしめた層であることを特徴とする難燃性塩化
    ビニル樹脂成形体。
  3. 【請求項3】塩素化度の高い塩化ビニル樹脂層と塩素化
    度の低い塩化ビニル系の樹脂層を交互に積層一体化した
    成形体であって、塩素化度の高い塩化ビニル樹脂層は、
    塩素化度58〜73%の塩化ビニル樹脂100重量部に
    対して、酸化チタンを4〜30重量部の範囲内で含有せ
    しめた層であり、塩素化度の低い塩化ビニル系の樹脂層
    は、塩素化度50〜57%の塩化ビニル系の樹脂100
    重量部に対して、酸化チタンを0〜20重量部の範囲内
    で含有せしめた層であることを特徴とする難燃性塩化ビ
    ニル樹脂成形体。
  4. 【請求項4】塩素化度58〜73%の塩化ビニル樹脂
    が、塩素化度63〜67%の後塩素化塩化ビニル樹脂で
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ
    かに記載の難燃性塩化ビニル樹脂成形体。
  5. 【請求項5】塩素化度58〜73%の塩化ビニル樹脂
    が、塩素化度63〜67%の後塩素化塩化ビニル樹脂と
    塩素化度56〜57%の塩化ビニル樹脂を、塩素化度が
    58〜66%の範囲内となるように混合した混合樹脂で
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ
    かに記載の難燃性塩化ビニル樹脂成形体。
  6. 【請求項6】塩素化度50〜57%の塩化ビニル系の樹
    脂が、塩素化度56〜57%の塩化ビニル樹脂、塩素化
    度が50〜56%の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹
    脂、塩素化度が50〜56%の塩化ビニル−エチレン共
    重合樹脂のいずれか単独、又は二種以上の混合樹脂であ
    ることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の難燃
    性塩化ビニル樹脂成形体。
  7. 【請求項7】酸化チタンがアルミナで被覆されたもので
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれ
    かに記載の難燃性塩化ビニル樹脂成形体。
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