JP2002172741A - 難燃性を有する制電性塩化ビニル系樹脂成形品 - Google Patents
難燃性を有する制電性塩化ビニル系樹脂成形品Info
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Abstract
性に優れた塩化ビニル系樹脂成形品を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂よりなる基層1の少な
くとも片面に、導電材2aを含んだ制電層2を積層した
成形品であって、基層1は、塩化ビニル系樹脂にチタン
化合物を特定量含有させた層、又は、塩素化度58〜7
3%の塩化ビニル系樹脂からなる層、又は、塩素化度5
8%未満の塩化ビニル系樹脂に、リン系難燃剤又は/及
び塩素化ポリエチレン、もしくはモリブデン化合物、も
しくは難燃性付与剤(発泡剤、分解促進剤、ラジカル発
生剤、架橋剤の少なくとも一種)を特定量含有させた層
とする。また、基層1と制電層2との間に、基層とは組
成が異なる塩化ビニル系樹脂の中間層を設けた成形品と
してもよい。
Description
する制電性塩化ビニル系樹脂成形品に関する。
ョンのような塵埃を嫌う用途には、静電気を逃がして塵
埃の付着を防止する制電性合成樹脂板が採用されてい
る。その他、洗浄槽やエッチング槽等の半導体製造装
置、これらを製作するためのアングルやチャンネルなど
の副素材も制電性能を有するものが採用されている。
含んだ制電層を合成樹脂板の表面に積層したものであ
り、合成樹脂板として各種の熱可塑性樹脂板が使用され
ている。その中でも、塩化ビニル樹脂板の表面に制電層
を積層した制電性塩化ビニル樹脂板は、塩化ビニル樹脂
が良好な成形性を有し、安価であって、機械的強度や耐
薬品性に優れるため、数多く使用されている。
制電性塩化ビニル樹脂板や塩化ビニル樹脂製の副素材
は、塩化ビニル樹脂自体が塩素を含むので、ある程度の
難燃性を有しているとは言うものの、火災が発生すると
熱分解して煙や腐食性ガスを多量に出し、時には燃えだ
すため、この制電性塩化ビニル樹脂板等を半導体製造工
場のクリーンルーム等に用いると、火災時に発生する煙
や腐食性ガスによって工場内の空気が汚れ、製造装置
類、機器類、半導体部品などが汚染されたり侵されたり
する恐れがあった。
求されるようになり、この要求を満足する制電性塩化ビ
ニル樹脂板の研究が行われている。塩化ビニル樹脂板の
難燃性を高めるには、従来から、樹脂分の1.5倍〜3
倍程度の多量の無機フィラーを含有させたり、ハロゲン
系の難燃剤を含有させるなどの手段が主に採用されてい
るが、このような手段を採用すると、以下に述べるよう
な問題があった。
合は、脆弱化によって実用強度を有する制電性塩化ビニ
ル樹脂板を得ることが難しくなり、また、透明な制電性
塩化ビニル樹脂板を得ることもできない上に、該樹脂板
の耐薬品性の低下を招くという問題があった。
合は、制電性塩化ビニル樹脂板の難燃性を向上させるこ
とはできるが、火災時にハロゲンを含んだガスを発生す
るという問題があり、また、透明な該樹脂板にハロゲン
系難燃剤を含有させると、透明性が低下するという問題
があった。
た難燃性を備えた板状又は他形状の制電性塩化ビニル系
樹脂成形品の提供を目的とする。
め、本発明の請求項1に係る難燃性を有する制電性塩化
ビニル系樹脂成形品は、塩化ビニル系樹脂よりなる基層
の少なくとも片面に、導電材を含んだ制電層を積層した
塩化ビニル系樹脂成形品であって、上記基層が、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対してチタン化合物を5〜5
0重量部含有させた層であることを特徴とする。
含有させると難燃性が向上する理由については、次のよ
うに考えられる。
外部から過度の熱が加わると、塩化ビニル系樹脂中の塩
素が熱により離脱して難燃作用を発揮すると共に、塩素
の離脱した樹脂が熱分解されて燃焼に至る。この燃焼に
至る過程において、基層の塩化ビニル系樹脂に酸化チタ
ンなどのチタン化合物が含有されていると、このチタン
化合物は熱分解温度が極めて高く、白色度や熱伝導率が
高い粉末であるため、1200〜1300℃の高温まで
分解することなく、その高い白色度によって外部からの
熱を遮断する働き(熱遮断作用)をすると共に、塩素離
脱後の樹脂の熱分解及び燃焼の段階では高い熱伝導率に
よって該樹脂をより速く炭化させる働き(炭化促進作
用)をする。従って、このチタン化合物の熱遮断作用と
炭化促進作用によって、制電性塩化ビニル系樹脂成形品
の大部分を占める基層の難燃性が顕著に高められるた
め、この制電性塩化ビニル系樹脂成形品は全体として優
れた難燃性を発揮する。
ると、制電性塩化ビニル系樹脂成形品の難燃性は更に向
上するが、強度や曲げ加工性などが低下する。一方、チ
タン化合物の含有量が5重量部を下回ると、熱遮断作用
や炭化促進作用が不充分となり、難燃性を向上させるこ
とが難しくなる。
は、制電層に含まれる導電材を通じて静電気が逃げるた
め、帯電による塵埃の付着を防止できることは言うまで
もない。
する制電性塩化ビニル系樹脂成形品は、塩化ビニル系樹
脂よりなる基層の少なくとも片面に、導電材を含んだ制
電層を積層した塩化ビニル系樹脂成形品であって、上記
基層は、塩素化度が58〜73%の塩化ビニル系樹脂よ
りなる層であることを特徴とする。
の相関関係があり、塩素化度が高くなるほど難燃性は向
上する。従って、この制電性塩化ビニル系樹脂成形品の
ように、塩素化度が58〜73%と高い塩化ビニル系樹
脂で基層を形成すると、難燃剤や無機フィラーを含有さ
せなくても難燃性が向上する。そのため、透明性に優れ
た成形品を得ることができる。更に、塩素化度の高い塩
化ビニル系樹脂成形品は、耐熱温度も高いため、該成形
品の使用温度を高くすることができる。
脂で基層を形成すると、難燃性を向上させることが難し
くなり、一方、塩素化度が73%より高い塩化ビニル系
樹脂は、熱安定性、成形性、耐薬品性、耐蝕性等に劣る
ので不適当である。
も、制電層によって塵埃の付着を防止できることは勿論
である。
する制電性塩化ビニル系樹脂成形品は、塩化ビニル系樹
脂よりなる基層の少なくとも片面に、導電材を含んだ制
電層を積層した塩化ビニル系樹脂成形品であって、上記
基層は、塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して、リン系難燃剤を0.5〜15重量
部、又は/及び、塩素化ポリエチレンを0.5〜20重
量部含有させた層であることを特徴とする。
焼時にリン系難燃剤が酸化ないし熱分解してリン酸を生
成し、該リン酸が成形品表面に残留して酸素移動を妨げ
ると共に、成形品表面の塩化ビニル系樹脂の炭化を促進
して燃焼を抑制する作用を発揮する。そして、塩素化ポ
リエチレンは熱分解により塩素ガスを発生して燃焼を遅
らせる作用を発揮する。そのため、この制電性塩化ビニ
ル系樹脂成形品は難燃性に優れ、発煙量が少ない透明性
に優れた成形品となる。また、リン系難燃剤や塩素化ポ
リエチレンを上記範囲内で基層に含有させると、ハロゲ
ン系難燃剤を含有させる場合に比べて透明性が向上す
る。
量が0.5重量部よりも少なくなると、制電性塩化ビニ
ル系樹脂成形品の難燃性を充分に向上させることが困難
になる。一方、リン系難燃剤の含有量が15重量部より
多くなると、該難燃剤がブリードアウトするようにな
り、また、塩素化ポリエチレンの含有量が20重量部よ
り多くなると、透明性が低下する。
も、制電層によって塵埃の付着を防止することができ
る。
する制電性塩化ビニル系樹脂成形品は、塩化ビニル系樹
脂よりなる基層の少なくとも片面に、導電材を含んだ制
電層を積層した塩化ビニル系樹脂成形品であって、上記
基層は、塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して、モリブデン化合物を0.1〜2.5
重量部含有させた層であることを特徴とする。
リブデン化合物が成形品に難燃性を付与する。モリブデ
ン化合物の含有量が0.1重量部より少なくなると、制
電性塩化ビニル系樹脂成形品の難燃性を十分向上させる
ことができない。一方、モリブデン化合物の含有量が
2.5重量部より多くなると、成形時に塩化ビニル系樹
脂の分解が生じる恐れがあるので好ましくない。
も、制電層によって塵埃の付着を防止することができ
る。
する制電性塩化ビニル系樹脂成形品は、塩化ビニル系樹
脂よりなる基層の少なくとも片面に、導電材を含んだ制
電層を積層した塩化ビニル系樹脂成形品であって、上記
基層は、塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して、発泡剤、分解促進剤、ラジカル発生
剤、架橋剤の少なくともいずれか一種を0.0005〜
10重量部含有させた層であることを特徴とする。
に、発泡剤、分解促進剤、ラジカル発生剤、架橋剤の少
なくともいずれか一種が基層の塩化ビニル系樹脂に含有
されていると、燃焼に至る過程において、発泡剤は熱分
解により発泡して外部からの熱を遮断する作用をし、分
解促進剤は塩化ビニル系樹脂の分解を促進して炭化を早
める作用をし、ラジカル発生剤はラジカルを発生して塩
化ビニル系樹脂の分解を促進して炭化を早める作用を
し、架橋剤は塩化ビニル系樹脂のポリマー分子と反応し
て高分子量化することによりガス化を抑制する作用をす
るため、難燃性が向上する。
橋剤の含有量が0.0005重量部を下回る場合は、制
電性塩化ビニル樹脂成形品の難燃性を高めることが困難
になり、一方、10重量部より多く含有させても、それ
に見合った難燃性の更なる向上が見られないので、材料
の無駄使いとなる。
も、制電層によって塵埃の付着を防止することができ
る。
ビニル系樹脂成形品は、いずれも基層に無機フィラーを
含有しないので、脆弱化により強度低下を生じることが
なく、顔料等の隠蔽力のある添加剤を添加しなければ透
明な成形品とすることができる。その中でも請求項2に
係る制電性塩化ビニル系樹脂成形品は、基層の塩化ビニ
ル系樹脂の塩素化度が58〜73%であるため、高い難
燃性を有する。また、請求項3,4,5に係る制電性塩
化ビニル系樹脂成形品は、基層の塩化ビニル系樹脂が5
8%未満の塩素化度を有するものであるため、耐薬品性
や耐蝕性が良好である。また、請求項1に係る制電性塩
化ビニル系樹脂成形品は、基層にチタン化合物を含んで
いるが、その含有量が5〜50重量部と少ないので、脆
弱化による強度低下を生じることは殆どない。
ビニル系樹脂成形品は、前記請求項1〜5のいずれかの
制電性塩化ビニル系樹脂成形品において、その基層と制
電層との間に、基層とは組成が異なる塩化ビニル系樹脂
の中間層を設けたことを特徴とする。
層と中間層との組成を異ならせているので、基層は難燃
性や機械的強度を付与する組成とし、中間層は制電層を
積層するのに適した組成とすることができる。そのた
め、成形品全体の難燃性や機械的強度を保持したまま、
制電層を均一に塗布等して制電性能を向上させることが
できる。また、中間層に制電層を積層した後に、これら
を基層と積層する製造工程を採ることもできるので、製
造方法もいろいろ取捨選択できる。
ビニル系樹脂成形品は、上記請求項6の制電性塩化ビニ
ル系樹脂成形品において、その中間層が、塩化ビニル系
樹脂100重量部に対してチタン化合物を2〜30重量
部含有させた層であることを特徴とする。
間層がチタン化合物を含有しているため、中間層の難燃
性も高められ、成形品全体として優れた難燃性を有して
いる。
ビニル系樹脂成形品は、前記請求項6の制電性塩化ビニ
ル系樹脂成形品において、その中間層が、塩素化度58
〜73%の塩化ビニル系樹脂よりなる層であることを特
徴とする。
間層が難燃性の良好な高塩素化度の塩化ビニル系樹脂で
形成されているため、中間層の難燃性も高められ、樹脂
成形品全体として優れた難燃性を発揮する。
ビニル系樹脂成形品は、前記請求項6の制電性塩化ビニ
ル系樹脂成形品において、その中間層が、塩素化度58
%未満の塩化ビニル系樹脂よりなる厚さ200μm以下
の層であることを特徴とする。
間層が塩素化度の高くない塩化ビニル系樹脂で形成され
ているため、耐薬品性や耐食性が良好である。このよう
な塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂は難燃性が
良くないけれども、中間層の厚みが200μm以下と薄
く形成されているので、成形品全体の難燃性の低下を招
く恐れは殆どない。
化ビニル系樹脂成形品は、前記請求項6の制電性塩化ビ
ニル系樹脂成形品において、その中間層が、塩素化度5
8%未満の塩化ビニル系樹脂100重量部に対してリン
系難燃剤を0.5〜15重量部、又は/及び、塩素化ポ
リエチレンを0.5〜20重量部含有させた層であるこ
とを特徴とする。
間層の塩化ビニル系樹脂が耐薬品性や耐食性の良好な塩
素化度58%未満の樹脂であり、且つ、リン系難燃剤又
は/及び塩素化ポリエチレンの含有によって中間層の難
燃性が高められているため、成形品全体として優れた難
燃性、耐薬品性、耐食性を兼ね備えている。
化ビニル系樹脂成形品は、前記請求項6の制電性塩化ビ
ニル系樹脂成形品において、その中間層が、塩素化度5
8%未満の塩化ビニル系樹脂100重量部に対してモリ
ブデン化合物を0.1〜2.5重量部含有させた層であ
ることを特徴とする。
層が耐薬品性や耐食性に優れた塩素化度58%未満の樹
脂であり、且つ、モリブデン化合物によって中間層の難
燃性が高められているため、成形品全体として優れた難
燃性、耐薬品性、耐食性を兼ね備えている。
化ビニル系樹脂成形品は、前記請求項6の制電性塩化ビ
ニル系樹脂成形品において、その中間層が、塩素化度5
8%未満の塩化ビニル系樹脂100重量部に対して発泡
剤、分解促進剤、ラジカル発生剤、架橋剤の少なくとも
いずれか一種を0.0005〜10重量部含有させた層
であることを特徴とする。
層の塩化ビニル系樹脂が耐薬品性や耐食性の良好な塩素
化度58%未満の樹脂であり、且つ、発泡剤、分解促進
剤、ラジカル発生剤、架橋剤の含有によって中間層の難
燃性が高められているため、成形品全体として優れた難
燃性、耐薬品性、耐食性を兼ね備えている。
化ビニル系樹脂成形品は、前記請求項1〜12のいずれ
かの制電性塩化ビニル系樹脂成形品において、その制電
層が塩素化度58〜73%の塩化ビニル系樹脂をバイン
ダー樹脂とし、これに導電材を含有させた層であること
を特徴とする。
に、制電層のバインダー樹脂が高塩素化度の塩化ビニル
系樹脂であると、制電層の難燃性も高められるため、成
形品全体の難燃性が更に向上する。
化ビニル系樹脂成形品は、前記請求項1〜12のいずれ
かの制電性塩化ビニル系樹脂成形品において、その制電
層が、紫外線硬化型又は熱硬化型樹脂をバインダー樹脂
とし、これに導電材を含有させた層であることを特徴と
する。
に、制電層のバインダー樹脂が紫外線硬化型又は熱硬化
型樹脂であると、制電層の表面硬度が良好であり、耐摩
耗性に優れた成形品を得ることができる。
化ビニル系樹脂成形品は、前記請求項1,2,3,4,
5,6,13,14の制電性塩化ビニル系樹脂成形品に
おいて、その導電材が、酸化錫、導電性酸化チタン、曲
がりくねって絡み合う極細の長炭素繊維のいずれかであ
ることを特徴とする。
タン、極細の長炭素繊維のいずれかを制電層に含有させ
ると、これらの導電材を通じて静電気を逃がすことがで
きるので、帯電による塵埃の付着を確実に防止すること
ができる。特に、導電材として酸化錫又は極細の長炭素
繊維を用いると、制電層の透明性が大幅に損なわれるこ
とがないので、成形品全体として良好な透明性を維持す
ることが可能となる。
を詳述する。
ル系樹脂成形品の構造を示す概略断面図であって、図示
のように、本発明の制電性塩化ビニル系樹脂成形品は、
塩化ビニル系樹脂よりなる基層1の少なくとも片面に、
導電材2aを含んだ制電層2を積層した構造を有する。
この図1に示す制電性塩化ビニル系樹脂成形品では、基
層1の片面のみに制電層2を積層しているが、基層1の
両面に制電層2を積層してもよい。
形品(以下、制電性樹脂板と略記する)は、基層1の組
成によって以下の5種類の制電性樹脂板A,B,C,
D,Eに大別される。
樹脂100重量部に対して酸化チタンを5〜50重量部
含有させた不透明の層であり、この基層1の少なくとも
片面に、導電材2aを含んだ制電層2を積層した積層板
である。
(a)塩素化度が約56%の一般の塩化ビニル樹脂、
(b)塩素化度が57%以上、好ましくは58〜73
%、更に好ましくは60〜67%の後塩素化塩化ビニル
樹脂、(c)これらの塩化ビニル樹脂を混合した樹脂、
(d)これらの塩化ビニル樹脂に酢酸ビニル樹脂やアク
リル樹脂等を混合した樹脂、(e)塩化ビニルと酢酸ビ
ニルやエチレン等との共重合樹脂、などが使用される。
に優れた基層1を形成する場合に特に有効であり、
(b)の後塩素化塩化ビニル樹脂は難燃性に優れた基層
1を形成する場合に特に有効であり、(c)の混合樹脂
は耐薬品性と難燃性のバランスが良い基層1を形成する
場合に特に有効であり、(d)の混合樹脂や(e)の共
重合樹脂は成形性や曲げ加工性等の物性を改善した基層
1を形成する場合に特に有効である。(c)(d)
(e)の樹脂は、その平均の塩素化度が50〜73%と
なるように混合したり、共重合させることによって、難
燃性を保つようにしておく必要がある。尚、(a)〜
(e)の樹脂は、後述するように、難燃性の良好な塩素
化度が58%以上(58〜73%)のものと、耐薬品性
の良好な塩素化度が58%未満(50%以上、58%未
満)のものとに使い分けて使用されることが多い。
タン化合物としては、酸化チタンやチタン酸カリウム等
が使用され、特に、0.1〜0.5μm程度の平均粒径
を有する粉体が好ましく使用される。このような平均粒
径を有する酸化チタンやチタン酸カリウムの粉体は、塩
化ビニル系樹脂との混練性が良く、均一な分散状態で含
有させることができる。また、表面をアルミナで被覆し
た酸化チタンは、燃焼時に酸化チタンとアルミナの相乗
作用によって塩化ビニル系樹脂の炭化が更に促進される
と共に、アルミナによって煙やガスが吸着されるため、
極めて好ましく使用される。
系樹脂に含有されていると、既述したように、燃焼に至
る過程においてチタン化合物により熱遮断作用と炭化促
進作用が発揮されるため、制電性樹脂板の大部分を占め
る基層1の難燃性が顕著に向上し、その結果、制電性樹
脂板Aは全体として優れた難燃性を発揮するようにな
る。
脂100重量部に対して5〜50重量部とする必要があ
り、50重量部を越えると、制電性樹脂板Aの難燃性は
更に向上するけれども、強度や曲げ加工性などの物性が
低下する。一方、チタン化合物の含有量が5重量部を下
回ると、熱遮断作用や炭化促進作用が不充分となり、難
燃性を向上させることが難しくなる。チタン化合物の更
に好ましい含有量は、8〜30重量部であり、この範囲
であると難燃性と物性とを兼備させることができる。
剤、滑剤、加工助剤、補強剤などの各種添加剤が適量配
合される。この基層1はチタン化合物の含有によって白
色不透明となるので、安定剤としては鉛系、錫系等、特
に限定されることはないが、熱安定性に優れる鉛系の安
定剤が好ましく配合され、後述する制電性樹脂板B,
C,Eのように基層1を透明にする場合には、錫系の安
定剤(ジブチル錫マレート系やジブチル錫ラウレート系
の安定剤)が配合される。また、滑剤として高級脂肪酸
や低分子量ポリエチレンなどが、加工助剤としてアクリ
ル系加工助剤などが、補強剤としてMBS系補強剤など
が配合される。
述する制電性樹脂板B,C,D,Eの制電層2は同じも
のであるから、制電層2については後で一括して説明す
る。
度58〜73%の塩化ビニル系樹脂からなる層であり、
この基層1の少なくとも片面に、導電材2aを含んだ制
電層2を積層した積層板である。
化度と難燃性には正の相関関係があり、塩素化度が58
〜73%と高い塩化ビニル系樹脂は難燃性に優れるの
で、制電性樹脂板Bの大部分を占める基層1をそのよう
な高塩素化度の塩化ビニル系樹脂で形成すると、難燃剤
や多量の無機フィラーを含有させなくても基層1の難燃
性が向上し、制電性樹脂板Bは全体として優れた難燃性
を発揮するようになる。
脂としては、前記(b)の塩素化度が58〜73%、好
ましくは60〜67%、特に好ましくは64〜65%の
後塩素化塩化ビニル樹脂や、平均の塩素化度が58〜7
3%となるように混合したり共重合させた前記(c)
(d)(e)の塩化ビニル系の混合樹脂や共重合樹脂が
使用される。このような樹脂を使用した制電性樹脂板B
は、熱変形温度を高くすることができ、使用温度が高い
用途にも使用可能である。
塩化ビニル樹脂や、平均の塩素化度が58%未満となる
ように混合したり共重合させた前記(c)(d)(e)
の塩化ビニル系の混合樹脂や共重合樹脂は難燃性があま
り良くないため、そのような樹脂で基層1を形成する
と、制電性樹脂板Bの難燃性を向上させることが難しく
なる。また、塩素化度が73%より高い塩化ビニル系樹
脂は製造が容易でなく、製造しても熱安定性、成形性、
耐薬品性、耐蝕性等に劣るので、好ましくない。
形に必要な安定剤(基層1を透明にする場合は錫系安定
剤等)、滑剤、加工助剤、補強剤などの各種添加剤が適
量配合されることは言うまでもない。特に、透明な制電
性樹脂板Bを得るためには、基層1を透明にする必要が
あり、該基層1に炭酸カルシウムや酸化チタン等の無機
フィラーを含有させることなく、錫系安定剤、滑剤、加
工助剤、顔料等の透明性を阻害しない添加剤を配合した
後塩素化塩化ビニル樹脂配合剤を使用するのが好まし
い。
度58%未満の塩化ビニル系樹脂100重量部に対して
リン系難燃剤を0.5〜15重量部、又は/及び、塩素
化ポリエチレンを0.5〜20重量部含有させた層であ
り、この基層1の少なくとも片面に、導電材2aを含ん
だ制電層2を積層した積層板である。
としては、前記(a)の塩素化度が略56%の一般の塩
化ビニル樹脂や、平均の塩素化度が50%以上、58%
未満となるように混合したり共重合させた前記(c)
(d)(e)の塩化ビニル系の混合樹脂や共重合樹脂が
使用される。これらの塩素化度が高くない塩化ビニル系
樹脂、中でも塩素化度が略56%の一般の塩化ビニル樹
脂は、優れた加工性、耐薬品性、耐食性を有するので、
加工性、耐薬品性等に優れた制電性樹脂板Cを得ること
ができる。
るリン系難燃剤としては、含ハロゲンリン酸エステル、
含ハロゲン縮合リン酸エステル、非ハロゲンリン酸エス
テル、非ハロゲン縮合リン酸エステル、正リン酸エステ
ル等の有機リン系のものが適しており、例えば、トリス
(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピ
ル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフ
ェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフ
ェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニ
ルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフ
ェート等が好ましく使用される。
系難燃剤や酸化アンチモン等の難燃剤に比べて透明性に
優れるため、透明な制電性樹脂板Cを得るのに有利であ
る。しかも、この有機リン系難燃剤は、既述したよう
に、燃焼時に熱分解によりリン酸を生成して酸素移動を
妨げると共に、表面の炭化を促進して燃焼を抑制するた
め、基層1の塩化ビニル系樹脂が難燃性のあまり良くな
い塩素化度58%未満の樹脂であっても、制電性樹脂板
Cの難燃性を向上させることができる。また、この有機
リン酸エステルは、内部滑剤或は外部滑剤としても作用
するので、他の高級脂肪酸等の滑剤を使用しなくてもよ
い利点がある。尚、赤リンなどの無機リン系難燃剤も使
用可能である。
せる塩素化ポリエチレンは補強剤の役目も果たすもので
あり、塩素化度が25〜45%のものが好適に使用され
る。かかる塩素化ポリエチレンが含有されていると、既
述したように、熱分解により発生する塩素ガスが樹脂の
燃焼を遅らせるため、基層1の塩化ビニル系樹脂が難燃
性のあまり良くない塩素化度58%未満の樹脂であって
も、制電性樹脂板Cの難燃性を向上させることができ
る。塩素化度が25%未満の塩素化ポリエチレンは、塩
素ガスの発生量が少ないので難燃性の向上には不利であ
り、塩素化度が45%以上の塩素化ポリエチレンは、補
強効果があまり向上しないという不都合があるので好ま
しくない。
系樹脂100重量部に対して0.5〜15重量部含有さ
せる必要があり、上記の塩素化ポリエチレンは0.5〜
20重量部含有させる必要がある。リン系難燃剤又は/
及び塩素化ポリエチレンの含有量が0.5重量部より少
なくなると、制電性樹脂板Cの難燃性を充分に向上させ
ることが困難となる。一方、リン系難燃剤の含有量が1
5重量部より多くなると、該リン系難燃剤がブリードア
ウトするようになり、また、塩素化ポリエチレンの含有
量が20重量部より多くなると、基層1の透明性が低下
する。リン系難燃剤の好ましい含有量は2〜10重量部
であり、塩素化ポリエチレンの好ましい含有量は3〜1
5重量部である。
形に必要な安定剤(基層1を透明にする場合は錫系安定
剤等)、滑剤、加工助剤、補強剤などの各種添加剤が適
量配合されるが、リン系難燃剤を含有させる場合は滑剤
を省略することができる。
化度58%未満の塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て、モリブデン化合物を0.1〜2.5重量部含有させ
た層であり、この基層1の少なくとも片面に、導電材2
aを含んだ制電層2を積層した積層板である。
ン、モリブデン酸カルシウム亜鉛、モリブデン酸亜鉛、
モリブデン酸アンモン、モリブデン酸カリウム、二硫化
モリブデン等が好ましく使用される。
ると、成形時に該モリブデン化合物が塩化ビニル系樹脂
を分解して黒い斑点を生じさせるため、塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して2.5重量部以下にする必要が
ある。一方、モリブデン化合物の配合量が少なすぎる
と、難燃剤としての作用が低下するため、0.1重量部
以上にする必要がある。モリブデン化合物は、好ましく
は0.2〜2.0重量部含有される。この範囲はモリブ
デン化合物のなかのモリブデンとしては0.05〜1.
5重量部であり、好ましくは0.1〜1.0重量部であ
る。
は、例えば0.5〜7.0μm、好ましくは1.0〜
5.0μmの範囲のものが用いられる。この範囲の粒径
であると、塩化ビニル系樹脂との均一分散性が良好で、
難燃性を向上させるうえで好ましい。
加剤と予め均一に混合したものや、前述の添加剤で被覆
したものや、前述の添加剤をモリブデン化合物で被覆し
たもの等を用いることもでき、これらのものは分散性が
良好である。
の基層の塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、さら
にチタン化合物を2〜30重量部添加することが好まし
い。基層中にモリブデン化合物とチタン化合物とが共に
含有されていると、チタン化合物の高い熱伝導率とモリ
ブデン化合物による分解促進とが相乗的に作用して、塩
化ビニル系樹脂の炭化が促進し、一層優れた難燃性を有
する樹脂板が得られる。チタン化合物としては前述の平
均粒径が0.1〜0.5μmの酸化チタンやチタン酸カ
リウムの粉末が用いられる。チタン化合物の含有量が2
重量部より少ないと相乗効果が発揮できず、30重量部
より多くなってもそれ以上の相乗効果を期待できない。
必要な安定剤、滑剤、加工助剤、補強剤等の各種添加剤
が適宜配合される。
度58%未満の塩化ビニル系樹脂100重量部に対して
発泡剤、分解促進剤、ラジカル発生剤、架橋剤(以下、
これらを一括して難燃性付与成分という)の少なくとも
いずれか一種を0.0005〜10重量部含有させた層
であり、この基層1の少なくとも片面に導電材2aを含
んだ制電層2を積層した積層板である。
塩化ビニル系樹脂としては、前述した制電性樹脂板Cの
基層形成用の塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂
と同じものが使用される。
ば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリ
ル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラジド
化合物(例えばパラトルエンスルホニルヒドラジド、
4,4′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド
等)、無機炭酸塩と有機酸との混合物などが好ましく使
用され、その中でも塩化ビニル系樹脂の成形加工温度よ
りも高い200℃以上の温度で発泡を開始するものが適
している。
層1に含有させた制電性樹脂板Eは、成形時や曲げ加工
時に発泡することが少なく、火災時に発泡温度以上に加
熱されると、既述したように発泡剤が熱分解により発泡
して優れた熱遮断作用を発揮するため、制電性樹脂板E
の難燃性が大幅に向上する。そして、気泡内に煙や腐食
性ガスを取り込むため、発煙量や腐食性ガス発生量も減
少する。
えば、亜鉛化合物(例えばラウリン酸亜鉛、ステアリン
酸亜鉛、安息香酸亜鉛等の亜鉛石鹸)、アミン化合物
(例えばメラミン、トリエチルアミン等)、水酸化鉄な
どが好ましく使用され、その中でも塩化ビニル系樹脂の
成形加工温度よりも高い200℃以上の温度で塩化ビニ
ル系樹脂の分解を促進するものが適している。
促進する分解促進剤を基層1に含有させた制電性樹脂板
Eは、成形時や曲げ加工時に分解促進剤によって塩化ビ
ニル系樹脂が分解されることが少なく、火災時の燃焼に
至る過程においては、既述したように分解促進剤により
塩化ビニル系樹脂の分解が促進されて炭化が早められる
ため、制電性樹脂板Eの難燃性が大幅に向上する。
は、例えばジアミルパーオキサイド、パーオキシジカー
ボネート、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオ
キサイド等の過酸化物や、過塩素酸塩などが好ましく使
用され、その中でも塩化ビニル系樹脂の成形加工温度よ
りも高い200℃以上の温度でラジカルを発生するもの
が適している。
ル発生剤を基層1に含有させた制電性樹脂板Eは、成形
時や加工時にラジカルが発生しにくいので劣化の恐れは
少ないが、火災時の燃焼に至る過程においては、ラジカ
ル発生剤によって発生するラジカルが塩化ビニル系樹脂
の分解を促進して炭化を早めるため、制電性樹脂板Eの
難燃性が大幅に向上する。
トリアジンチオール化合物などが好ましく使用され、そ
の中でも塩化ビニル系樹脂の成形加工温度よりも高い2
00℃以上の温度で架橋を開始するものが適している。
を基層1に含有させた制電性樹脂板Eは、成形時や加工
時に架橋反応を生じることは少ないが、火災時の燃焼に
至る過程においては、既述したように架橋反応によって
塩化ビニル系樹脂のポリマー分子が高分子量化され、耐
熱性が高められると共にガス化し難くなるため、制電性
樹脂板Eの難燃性が向上する。
ニル系樹脂100重量部に対して、0.0005〜10
重量部含有させる必要があり、0.0005重量部より
少なくなると、制電性樹脂板Eの難燃性を充分に高める
ことが困難になる。一方、10重量部より多く含有させ
ても、それに見合った難燃性の更なる向上が見られない
ので、材料の無駄使いとなる。難燃性付与成分の好まし
い含有量は0.05〜5重量部である。
形に必要な安定剤(基層1を透明にする場合は錫系安定
剤等)、滑剤、加工助剤、補強剤などの各種添加剤が適
量配合される。
も基層1に無機フィラーを含まないので、脆弱化により
強度低下を生じることがなく、また、錫系安定剤を使用
し、隠蔽力のある顔料等を含有させなければ、全光線透
過率が40%以上でヘイズ値が60%以下の良好な透明
性を示す。一方、上記の制電性樹脂板Aは基層1にチタ
ン化合物を含んでいるが、その含有量が5〜50重量部
と少ないので、大幅な強度低下を生じることはない。更
に、上記の制電性樹脂板Bは、基層1の塩化ビニル系樹
脂が58〜73%の塩素化度を有するから難燃性が良好
であり、また、上記の制電性樹脂板C,D,Eは、基層
1の塩化ビニル系樹脂が58%未満の塩素化度を有する
ものであるから加工性や耐薬品性や耐蝕性が良好であ
る。
層1の厚さについては特に制限がなく、用途に応じた実
用的強度が得られる厚さとすれば良いが、一般的には1
〜15mm程度の厚さとするのが適当である。
D,Eの制電層2について説明する。
□以下、好ましくは106〜108Ω/□となるように、
バインダー樹脂に導電材2aを含有させた層である。バ
インダー樹脂としては、基層1に使用される前記(a)
〜(e)の塩化ビニル系樹脂、特に、塩素化度が58〜
73%の塩化ビニル系樹脂が、好ましくは塩素化度が6
0〜67%、更に好ましくは64〜65%の後塩素化塩
化ビニル樹脂が好適に使用される。このような高塩素化
度の塩化ビニル系樹脂を用いると制電層2の難燃性が高
められるので、制電性樹脂板全体の難燃性が更に向上す
る。しかし、塩素化度が58%未満の、好ましくは約5
6%の塩化ビニル樹脂であっても、制電層2の厚みが薄
く、全体に占める割合が小さいので、制電性樹脂板とし
ては十分難燃性を有する。制電層2は、基層1に直接積
層されていても、後述する中間層3を介して積層されて
いてもよい。
ば、紫外線硬化型樹脂(アクリル系樹脂、不飽和ポリエ
ステル系樹脂等)や熱硬化性樹脂(エポキシ系樹脂,フ
ェノール系樹脂等)を制電層2のバインダー樹脂として
使用することも可能であり、このような紫外線硬化型樹
脂に導電材を含有させた制電層は、その表面硬度が向上
し、導電材の脱落も少ないので、表面硬度が良好で長期
間良好な制電性能を有する制電性樹脂板を得ることがで
きる。また、紫外線硬化型又は熱硬化型樹脂と導電材を
含む塗液を作り、これを板状の基層1にグラビヤ印刷、
フローコーター塗布、スプレー等の公知の塗布方法によ
り塗布し、紫外線照射又は加熱して硬化させることで、
硬い制電層2を有する制電性樹脂板とすることができ
る。また、基層1が板状のみならず、アングルやチャン
ネルや棒体等の他形状成形品であっても、スプレー等で
塗布、硬化させて制電層2を形成することができるの
で、基層1がどのような形状であっても制電性樹脂成形
品が得られるという利点がある。
は、従来公知の種々の導電材が使用可能であるが、その
中でも、酸化錫と、曲がりくねって絡み合う極細の長炭
素繊維と、導電性酸化チタンとが好ましく使用される。
これらのうち、酸化錫と長炭素繊維はカーボン粉末のよ
うに制電層2の透明性を大幅に損なうことがなく、制電
性樹脂板の良好な透明性を維持できる。特に、長炭素繊
維は、これを制電層2に含有させると略均等に絡み合う
ため、制電層2の表面抵抗率のバラツキが少なくなり、
少量含有させるだけで優れた制電性を発揮できるし、制
電性樹脂板を二次加工しても絡み合いがなくなることな
く制電性を保持する。また、導電性酸化チタンを含有す
る制電層2は不透明となり易いので、不透明制電性樹脂
板を得るときに使用するのが好ましい。
6μm程度の粉末が好適であり、このような酸化錫の粉
末はバインダー樹脂との混練性が良好で、均一に混練す
ることが可能である。また、アンチモンを含有した酸化
錫も使用できる。
く線径が小さい極細の曲がりくねった長繊維であって、
不定形炭素質繊維でもグラファイト質繊維でもよく、ま
た、繊維に不定形炭素とグラファイトとが共存するよう
な炭素繊維であってもよい。特に好ましい長炭素繊維
は、構造上はグラファイト質繊維であって、繊維軸に同
軸状にグラファイト層が積層形成された断面円形のグラ
ファイト質の極細の長繊維であり、その線径が3.5〜
100nm、アスペクト比が5以上のものである。アス
ペクト比の上限は特にないが、3000以下のものが好
適である。
状、針状等の形状の酸化チタンの表面を酸化錫あるいは
アンチモンドープ酸化錫で被覆してなるものであり、針
状の導電性酸化チタンは互いの接触頻度が多いので好ま
しく用いられる。
は、制電層2の表面抵抗率が1010Ω/□以下、好まし
くは106〜108Ω/□となるように、且つ、制電層2
の透明性が大幅に低下しないように、その含有量を決定
する必要があり、酸化錫の粉末の場合はバインダー樹脂
100重量部に対して100〜300重量部、長炭素繊
維の場合は2〜10重量部含有させるのが好ましい。ま
た、導電材2aたる導電性酸化チタンは、表面抵抗率が
1010Ω/□以下、好ましくは106〜108Ω/□以下
となるように、15〜30重量部含有させるのが好まし
い。酸化錫、長炭素繊維、導電性酸化チタンの含有量が
それぞれの範囲を下回ると、制電層2の表面抵抗率が1
010Ω/□を越えて制電性の低下を招くようになり、一
方、それぞれの範囲を上回っても表面抵抗率の減少は見
られず、制電層2の透明性が低下するようになる。
は導電性酸化チタンの場合には0.3〜1.5μm程度
が好ましく、長炭素繊維の場合は0.1〜1.0μm程
度が好ましい。これより薄くなると表面抵抗率の増大に
よって制電性が低下し、これより厚くなっても表面抵抗
率の減少が見られず、透明性の低下を招く恐れが生じ
る。このように制電層2の厚さが非常に薄いので、バイ
ンダー樹脂として難燃性に優れる塩化ビニル系樹脂を用
いる他に、紫外線硬化型又は熱硬化型アクリル樹脂等を
用いても、成形品全体としては難燃性を有する成形品と
なる。
電性樹脂板A,B,C,D,Eは、制電層2の酸化錫や
長炭素繊維や導電性酸化チタンなどの導電材2aを通じ
て静電気が逃げるので、帯電による塵埃の付着を防止す
ることができる。
は、基層1にチタン化合物を含む制電性樹脂板A、モリ
ブデン化合物を含む制電性樹脂板D以外は良好な透明性
を有しており、全体の厚さが3mmのときの全光線透過
率は40%以上、ヘイズ値は60%以下とすることがで
きる。より好ましくは、全光線透過率が60〜85%、
ヘイズ値が1〜10%となるように、基層1、制電層2
を選択する。
製造方法について簡単に説明する。
73%の塩化ビニル系樹脂に、チタン化合物、リン系難
燃剤、塩素化ポリエチレン、難燃性付与成分、各種添加
物を選択的に配合して、制電性樹脂板A,B,C,D,
Eの基層形成用の塩化ビニル系樹脂組成物をそれぞれ調
製し、この組成物を押出成形、カレンダープレスその他
の手段で板状体に成形する。次いで、バインダー樹脂と
導電材2aを配合して調製した制電層形成用の塗液を上
記板状体に塗布し、乾燥固化(バインダー樹脂が塩化ビ
ニル系樹脂の場合は自然又は/及び加熱硬化、紫外線硬
化型樹脂の場合は紫外線硬化、熱硬化性樹脂の場合は加
熱硬化)させて制電層2を形成することにより、制電性
樹脂板A,B,C,D,Eを製造する。
塩化ビニル系樹脂組成物を調製すると共に、ポリエステ
ルフィルムの如き離型フィルムに上記制電層形成用塗液
を塗布、硬化させ、必要に応じて接着層(例えばアクリ
ル樹脂接着層)を設ける。次いで、塩化ビニル樹脂組成
物を用いて押出成形、カレンダープレスする際に、上記
制電層付き離型フィルムを押出ラミネートや同時プレス
で一体化した後、離型フィルムを剥離する転写方式を採
用することによっても、制電性樹脂板A,B,C,D,
Eを製造することができる。
系樹脂組成物に塩素捕獲化合物(例えば炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩)を更に選択的に配合
し、基層1に塩素捕獲化合物を2〜30重量部含んだ制
電性樹脂板を製造してもよい。塩素捕獲化合物が含まれ
ていると、燃焼時に塩素が塩素捕獲化合物によって捕獲
されるため、塩素ガスや塩化水素ガスなどの腐食性ガス
の発生量が減少するという利点がある。
について説明したものであるが、成形品の基層の形状が
アングル形状、チャンネル形状、棒形状等の異形形状で
あったり、これを組み合わせて製作した槽形状等であっ
ても、これらに制電層形成用塗液を塗布(例えばスプレ
ー方式による)、乾燥固化(硬化)させて制電層を形成
することで、板状以外の形状でも制電性樹脂成形品を得
ることができる。
性塩化ビニル系樹脂成形品(制電性樹脂板)の構造を示
す概略断面図であって、図示のように、この制電性樹脂
板は基層1と制電層2との間に、基層1とは組成が異な
る塩化ビニル系樹脂の中間層3を設けた構造を有する。
この図2に示す制電性樹脂板では、基層1とその片面の
制電層2との間に中間層3を設けて3層構造の積層板と
しているが、基層とその両面の制電層との間に中間層を
それぞれ設けて5層構造の積層板としてもよい。
は、前述した制電性樹脂板の基層1および制電層2と同
じものであるから、その説明は省略する。
が異なる塩化ビニル系樹脂からなる層であり、具体的に
は、 塩化ビニル形樹脂100重量部に対してチタン化合
物を2〜30重量部含有させてなる層、 塩素化度が58〜73%の塩化ビニル系樹脂、好ま
しくは塩素化度が60〜67%の後塩素化塩化ビニル樹
脂よりなる層、 塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂よりなる
厚さ200μm以下の層、 塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂100重
量部に対してリン系難燃剤を0.5〜15重量部、又は
/及び、塩素化ポリエチレンを0.5〜20重量部含有
させてなる層、 塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂100重
量部に対してモリブデン化合物を0.1〜2.5重量部
含有させてなる層、好ましくはチタン化合物を更に2〜
30重量部含有させてなる層、 塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂100重
量部に対して前述した難燃性付与成分の少なくともいず
れか一種を0.0005〜10重量部含有させてなる
層、 のいずれかの層に形成され、組成の異なる基層1と組み
合わせて設けられる。ここで、組成が異なるとは、樹脂
が異なる場合は勿論のこと、同じ樹脂を用いても配合組
成が異なる場合も含み、例えば基層1が前述の(b)の
後塩素化塩化ビニル樹脂であり、中間層3が上記の後
塩素化塩化ビニル樹脂であっても、それらに配合される
安定剤、滑剤、加工助剤、補強剤等の添加剤の配合量が
異なれば、異なる組成の中に含まれる。
は、前述した制電性樹脂板Aの基層1の形成に使用され
る樹脂と同じものであり、また、の塩素化度が58〜
73%の塩化ビニル系樹脂は、前述した制電性樹脂板B
の基層1の形成に使用される塩素化度が58〜73%の
塩化ビニル系樹脂と同じものであり、また、,,
,の塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂は、
前述した制電性樹脂板C,D,Eの基層1の形成に使用
される塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂と同じ
ものである。
合物は、前述した制電性樹脂板Aの基層1に含有される
チタン化合物と同じものであり、また、の中間層に含
有されるリン系難燃剤や塩素化ポリエチレンは、前述し
た制電性樹脂板Cの基層1に含有されるリン系難燃剤や
塩素化ポリエチレンと同じものであり、また、の中間
層に含有されるモリブデン化合物やチタン化合物は、前
述した制電性樹脂板Dの基層1に含有されるモリブデン
化合物やチタン化合物と同じものであり、の中間層に
含有される難燃性付与成分は、前述した制電性樹脂板E
の基層1に含有される難燃性付与成分である発泡剤、分
解促進剤、ラジカル発生剤、架橋剤と同じものである。
間層3が前記の層である場合は、チタン化合物を含む
塩化ビニル系樹脂であるため、優れた難燃性を発揮し、
成形品全体の難燃性が向上する。
は、塩素化度が58〜73%と高い耐熱性の良好な中間
層3の塩化ビニル系樹脂によって基層1が覆われるた
め、樹脂板全体の難燃性が向上する。
は、塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂によって
中間層2が優れた耐薬品性、耐食性を有するため、薬液
や腐食性ガスに侵され難い制電性樹脂板が得られる。
尚、塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂よりなる
中間層2は、難燃性があまり良くないけれども、前記の
ように厚みが200μm以下と薄く形成され、樹脂板全
体に占める中間層2の割合が僅かであるため、樹脂板全
体として難燃性の実質的な低下を招く恐れは殆どない。
は、塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂によって
良好な耐薬品性、耐食性が発揮されると共に、リン系難
燃剤や塩素化ポリエチレンによって中間層の難燃性が高
められるため、優れた難燃性、耐薬品性、耐食性を兼ね
備えた制電性樹脂板が得られる。中間層3におけるリン
系難燃剤の含有量は、基層1の場合と同様に、塩化ビニ
ル系樹脂100重量部に対して0.5〜15重量部とす
る必要があり、また、塩素化ポリエチレンの含有量も、
基層の場合と同様に、0.5〜20重量部とする必要が
ある。その理由については既に説明した通りであるの
で、省略する。
は、塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂によって
優れた耐薬品性、耐食性を有すると共に、モリブデン化
合物によって中間層3の難燃性が高められ、優れた難燃
性と耐薬品性と耐食性とを兼ね備えた制電性樹脂板が得
られる。中間層3におけるモリブデン化合物の含有量
は、塩化ビニル系100重量部に対してモリブデン化合
物を0.1〜2.5重量部とすることで、難燃性を発揮
することは前述の通りである。該中間層3に更にチタン
化合物を2〜30重量部含有させると、前述の如く、モ
リブデン化合物との相乗効果により一層難燃性が向上す
るので好ましい。
も、塩素化度が58%未満の塩化ビニル系樹脂によって
中間層3が良好な耐薬品性、耐食性を発揮すると共に、
難燃性付与成分によって中間層3の難燃性が高められる
ため、優れた難燃性、耐薬品性、耐食性を兼ね備えた制
電性樹脂板が得られる。中間層における難燃性付与成分
の含有量は、基層の場合と同様、塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して0.0005〜10重量部とする必要
がある。その理由については既に説明した通りであるの
で、省略する。
するものであるから、その厚さは特に限定されるもので
はないが、成形品全体に占める割合を少なくして樹脂板
全体の難燃性を維持させるために、中間層がの塩素化
度58%未満の塩化ビニル系樹脂の層である場合を除い
て、中間層の厚さを30〜500μm程度、好ましくは
50〜350μm程度にするのが適当であり、中間層が
の層である場合は、前述のように200μm以下、好
ましくは25〜150μm程度の厚さに形成して、樹脂
板全体の難燃性が実質的に低下しないようにするのがよ
い。
(中間層3を透明にする場合は錫系安定剤等)、滑剤、
加工助剤、補強剤などの各種添加剤が適量配合されるこ
とは言うまでもない。
るものであり、均一な厚さに塗布して成形品全体に均一
な制電性能(表面抵抗率)を得るために、押出フィルム
やカレンダーフィルムやインフレーションフィルムなど
の表面の平滑度が良好なフィルムが好ましく用いられ
る。上記平滑度としては、例えばJIS B−8741
に基づく十点測定法で5μm以下である。
択できる。その中でも、不透明の制電性樹脂板を得るに
適した組み合わせは、基層1をチタン化合物を含む塩化
ビニル系樹脂組成物で作成し、中間層3をのチタン化
合物を含有する層、の高塩素化塩化ビニル系樹脂の
層、の薄い低塩素化塩化ビニル系樹脂の層、とりわけ
又はの層とすることが難燃性を高める上で好まし
い。また、透明の制電性樹脂板を得るに適した組み合わ
せは、基層1を塩素化度が58〜73%の塩化ビニル系
樹脂組成物、好ましくは塩素化度が60〜67%の後塩
素化塩化ビニル樹脂で作成し、中間層3をの高塩素化
塩化ビニル系樹脂の層、の薄い低塩素化塩化ビニル系
樹脂の層とすることが、難燃性と透明性を共に向上させ
る上で好ましい。
た上記の制電性樹脂板は、例えば次の方法で製造され
る。
73%の塩化ビニル系樹脂に、酸化チタン、リン系難燃
剤、塩素化ポリエチレン、モリブデン化合物、難燃性付
与成分、各種添加物を選択的に配合して、前述した〜
の中間層形成用の塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、
この組成物で作製した押出フィルムやカレンダーフィル
ム又はインフレーションフィルムの表面に、前述した制
電層形成用の塗液を塗布、乾燥して制電層2を片面に形
成したフィルムを作製する。そして、前述した基層形成
用の塩化ビニル系樹脂組成物で作製した複数枚のカレン
ダーシート又は押出板と、上記の制電層2を片面に形成
した中間層形成用のフィルムを重ねて熱プレスするか、
或は、上記の基層形成用の塩化ビニル系樹脂組成物で溶
融押出成形中の押出板の少なくとも片面に、上記の制電
層2を片面に形成した中間層形成用のフィルムをラミネ
ートすることによって、基層1と制電層2との間に中間
層3を有する制電性樹脂板を製造する。
は、熱プレスやラミネート等の公知の手段を用いて基層
1と中間層3と制電層2とを積層一体化することがで
き、上記のように中間層形成用の押出フィルム、カレン
ダーフィルム又はインフレーションフィルムの表面に制
電層2を形成してから熱プレス又はラミネートする場合
は、制電層2を均一に薄く形成することができ、制電性
能の向上を図ることができる。
する。
塩化ビニル樹脂100重量部に対し、鉛系安定剤を4重
量部、滑剤を2重量部、加工助剤を4重量部均一に混合
して、基本配合組成物A(塩素化度:略56%、鉛系安
定剤使用)を調製した。そして、この基本配合組成物1
10重量部に対し、チタン化合物として、表面がアルミ
ナで被覆された酸化チタンの粉末(平均粒径:0.2μ
m以下)を25重量部混合して基層用組成物を調製し、
この組成物を用いて厚さ0.5mmのカレンダーシート
を作製した後、該カレンダーシートを6枚重ね合わせて
ホットプレスすることにより、厚さ3mmの板状体を作
製した。
脂をバインダー樹脂とし、導電材としてアンチモン含有
の酸化錫を樹脂分1に対して2の重量比となるように均
一に混合分散させた制電層形成用の塗液を調製した。そ
して、この塗液を上記板状体の表面に塗布、乾燥して制
電層を形成することにより、基層の厚さが3mm、制電
層の厚さが0.4μmである二層構造の白色不透明な制
電性樹脂板を作製した。
大きさに切断して試験片を作製し、この試験片を800
℃に加熱した電気炉に入れて、着火の有無、着火するま
での時間を調べる難燃性テストを行った。その結果を下
記の表1に示す。
−6911に準拠して表面抵抗率を測定し、その結果を
下記の表1に併記した。
化塩化ビニル樹脂100重量部に対し、ジブチル錫マレ
ート系の安定剤を4重量部、滑剤を2重量部、加工助剤
を1重量部、MBS系補強剤を5重量部均一に混合し
て、基本配合組成物B(塩素化度:略64%、錫系安定
剤使用)を調製した。そして、この基本配合組成物Bを
用いて厚さ0.5mmのカレンダーシートを作製し、こ
のカレンダーシートを6枚重ね合わせてホットプレスす
ることにより、厚さ3mmの板状体を作製した。
制電層形成用の塗液を塗布、乾燥して制電層を形成する
ことにより、基層の厚さが3mm、制電層の厚さが0.
4μmである二層構造の無色透明な制電性樹脂板を作製
した。
大きさに切断して作製した試験片について、実施例1と
同様に難燃性、表面抵抗率を測定し、その結果を下記の
表1に示した。また、この試験片の全光線透過率とヘー
ズ値をJIS K−6745に準拠して測定し、その結
果を下記の表1に示した。
般の塩化ビニル樹脂100重量部に対し、ジブチル錫マ
レート系の安定剤を4重量部、滑剤を1重量部、加工助
剤を1重量部、MBS系補強剤を5重量部均一に混合し
て、基本配合組成物C(塩素化度:略56%、錫系安定
剤使用)を調製した。そして、この基本配合組成物11
1重量部に対し、リン系難燃剤としてトリクレジルホス
フェートを、塩素化ポリエチレンとして塩素化度が30
%のものを、モリブデン化合物として酸化モリブデン
を、分解促進剤としてステアリン酸亜鉛を、それぞれ下
記の表1に示す割合で選択的に混合して、互いに組成が
異なる4種類の基層用組成物をそれぞれ調製した。これ
らの基層用組成物を用いて厚さ0.5mmのカレンダー
シートをそれぞれ作製した後、該カレンダーシートを6
枚重ね合わせてホットプレスし、厚さ3mmの4種類の
板状体を作製した。
した制電層形成用の塗液を塗布、乾燥して制電層を形成
することにより、基層の厚さが3mm、制電層の厚さが
0.4μmである二層構造の無色透明な3種類の制電性
樹脂板(実施例3,4,6)と、不透明な1種類の制電
性樹脂板(実施例5)を作製した。
大きさに切断して作製した試験片について、実施例1と
同様に難燃性、表面抵抗率を測定すると共に、実施例2
と同様に全光線透過率とヘーズ値を測定し、その結果を
下記の表1に示した。
配合組成物C(塩素化度:略56%、錫系安定剤使用)
を用いて厚さ0.5mmのカレンダーシートを作製し、
このカレンダーシートを6枚重ね合わせてホットプレス
することにより、厚さ3mmの板状体を作製した。そし
て、この板状体の表面に、実施例1で調製した制電層形
成用の塗液を塗布、乾燥して厚さ0.4μmの制電層を
形成することにより、基層の厚さが3mm、制電層の厚
さが0.4μmである二層構造の無色透明な制電性樹脂
板を作製した。
さに切断して試験片を作製し、実施例1と同様に難燃
性、表面抵抗率を測定すると共に、実施例2と同様に全
光線透過率とヘーズ値を測定して、その結果を下記の表
1に示した。
板及び比較例1の制電性樹脂板はいずれも、アンチモン
含有酸化錫を分散させた制電層を基層の片面に形成して
いるため、表面抵抗率が106 Ω/□と小さく、良好な
制電性を有している。
化度略56%の通常の塩化ビニル樹脂を用いた基本配合
組成物Cで基層を形成し、チタン化合物、リン系難燃
剤、塩素化ポリエチレン、モリブデン化合物、難燃性付
与成分の分解促進剤などを基層に含まないため、難燃性
テストの結果、20秒で着火し、難燃性が良くない。
化ビニル樹脂を用いた基本配合組成物A,Cで基層を形
成していても、チタン化合物、リン系難燃剤、塩素化ポ
リエチレン、モリブデン化合物、分解促進剤などを基層
に含有させた実施例1,3,4,5,6の制電性樹脂板
は、難燃性テストで着火せず、優れた難燃性を有してい
る。
び酸化モリブデンを使用した実施例5の制電性樹脂板は
不透明であるが、酸化チタンおよび酸化モリブデンを使
用せず且つ錫系安定剤を使用した実施例2,3,4,6
の制電性樹脂板は、全光線透過率が60%以上、ヘイズ
値が略10%以下で透明性が良好であり、特に、塩素化
度略56%の通常の塩化ビニル樹脂を使用した実施例
3,4,6の制電性樹脂板のうち、実施例3,6の制電
性樹脂板は全光線透過率、ヘイズ値共に実施例4より優
れており、リン系難燃剤或は分解促進剤が透明性制電性
樹脂板を得る上で好ましいことがわかる。また、塩素化
度略56%の塩化ビニル樹脂を使用した実施例3,4,
6の制電性樹脂板は、塩素化度略64%の後塩素化塩化
ビニル樹脂を使用した実施例2の制電樹脂板よりも透明
性に優れていることが分かる。
成物(110重量部の基本配合組成物Aに25重量部の
酸化チタンを混合したもの)を用いて厚さ0.5mmの
基層用カレンダーシートを作製した。
れる滑剤の配合量を2重量部から4重量部に増量した基
本配合組成物A′を調製し、112重量部の基本配合組
成物A′に対して酸化チタンを4重量部配合することに
より中間層用組成物を調製した。そして、この中間層用
組成物を用いて厚さ300μmの中間層用カレンダーフ
ィルムを作製し、この中間層用カレンダーフィルムの片
方の表面に、実施例1で調製した制電層形成用の塗液を
塗布、乾燥して厚さ0.4μmの制電層を形成した。
6枚重ね合わせると共に、その上に制電層の形成された
中間層用カレンダーフィルムを重ね合わせてホットプレ
スすることにより、基層の厚さが3mm、中間層の厚さ
が300μm、制電層の厚さが0.4μmである三層構
造の白色不透明な制電性樹脂板を作製した。
0mmの大きさに切断して試験片を作製し、実施例1と
同様にして難燃性、表面抵抗率を測定した。その結果を
下記の表2に示す。
成物を用いて、厚さ0.5mmの基層用カレンダーシー
トを作製した。一方、塩素化度が略64%の後塩素化塩
化ビニル樹脂100重量部に対し、鉛系安定剤を8重量
部、滑剤を1重量部、加工助剤を1重量部均一に混合し
て基本配合組成物D(塩素化度:略64%、鉛系安定剤
使用)を調製し、この組成物Dを用いて厚さ300μm
の中間層用カレンダーフィルムを作製した。そして、実
施例1で調製した制電層形成用の塗液を中間層用カレン
ダーフィルムの片方の表面に塗布、乾燥して、厚さ0.
4μmの制電層を形成した。
ーフィルムを、6枚重ね合わせた上記基層用カレンダー
シートの上に重ねてホットプレスすることにより、基層
の厚さが3mm、中間層の厚さが300μm、制電層の
厚さが0.4μmである三層構造の白色不透明な制電性
樹脂板を作製した。
大きさに切断して試験片を作製し、実施例1と同様に難
燃性、表面抵抗率を測定して、その結果を下記の表2に
示した。
組成物B(塩素化度略64%、錫系安定剤使用)を用い
て、厚さ0.5mmの基層用カレンダーシートを作製す
ると共に、実施例3〜6で調製した基本配合組成物C
(塩素化度略56%、錫系安定剤使用)を用いて100
μmの中間層用カレンダーフィルムを作製し、カレンダ
ーフィルムの片方の表面に実施例1で調製した制電層形
成用の塗液を塗布、乾燥して厚さ0.4μmの制電層を
形成した。
カレンダーフィルムを、6枚重ね合わせた基層用カレン
ダーシートの上に重ねてホットプレスすることにより、
基層の厚さが3mm、中間層の厚さが100μm、制電
層の厚さが0.4μmである無色透明な制電性樹脂板を
作製した。
大きさに切断して試験片を作製し、実施例1と同様に難
燃性、表面抵抗率を測定すると共に、実施例2と同様に
全光線透過率とヘーズ値を測定し、その結果を下記の表
2に示した。
合組成物B(塩素化度略64%、錫系安定剤使用)を用
いて、厚さ0.5mmの基層用カレンダーシートを作製
した。一方、実施例2の基本配合組成物Bに含まれる滑
剤の配合量を2重量部から3重量部に増量した基本配合
組成物B′(塩素化度略64%、錫系安定剤使用)を調
製し、この組成物B′を用いて300μmの中間層用カ
レンダーフィルムを作製した。そして、このカレンダー
フィルムの片方の表面に実施例1で調製した制電層形成
用の塗液を塗布、乾燥して厚さ0.4μmの制電層を形
成した。
ーフィルムを、6枚重ね合わせた基層用カレンダーシー
トの上に重ねてホットプレスすることにより、基層の厚
さが3mm、中間層の厚さが300μm、制電層の厚さ
が0.4μmである無色透明な制電性樹脂板を作製し
た。
大きさに切断して試験片を作製し、実施例1と同様に難
燃性、表面抵抗率を測定すると共に、実施例2と同様に
全光線透過率とヘーズ値を測定し、その結果を下記の表
2に示した。
合組成物B(塩素化度略64%、錫系安定剤使用)を用
いて、厚さ0.5mmの基層用カレンダーシートを作製
した。一方、実施例3〜6の基本配合組成物Cに含まれ
る滑剤の配合量を1重量部から2重量部に増量した基本
配合組成物C′(塩素化度略56%、錫系安定剤使用)
を調製し、112重量部の該組成物C′にリン系難燃剤
としてトリクレジルホスフェートを5重量部均一に混合
して中間層用組成物を得た。この中間層用組成物を用い
て、300μmの中間層用カレンダーフィルムを作製
し、カレンダーフィルムの片方の表面に実施例1で調製
した制電層形成用の塗液を塗布、乾燥して厚さ0.4μ
mの制電層を形成した。
カレンダーフィルムを、6枚重ね合わせた基層用カレン
ダーシートの上に重ねてホットプレスすることにより、
基層の厚さが3mm、中間層の厚さが300μm、制電
層の厚さが0.4μmである無色透明な制電性樹脂板を
作製した。
大きさに切断して試験片を作製し、実施例1と同様に難
燃性、表面抵抗率を測定すると共に、実施例2と同様に
全光線透過率とヘーズ値を測定し、その結果を下記の表
2に示した。
合組成物B(塩素化度略64%、錫系安定剤使用)に、
チタン化合物として酸化チタンを5重量部均一に配合し
て基層用組成物を調製し、この組成物を用いて、厚さ
0.5mmの基層用カレンダーシートを作製した。一
方、実施例11で調製した基本配合組成物C′(塩素化
度略56%、錫系安定剤使用)112重量部に、モリブ
デン化合物として酸化モリブデンを1.0重量部均一に
混合して中間層用組成物を調製した。この組成物を用い
て厚さ300μmの中間層用カレンダーフィルムを作製
し、カレンダーフィルムの片方の表面に実施例1で調製
した制電層形成用の塗液を塗布、乾燥して厚さ0.4μ
mの制電層を形成した。
カレンダーフィルムを、6枚重ね合わせた基層用カレン
ダーシートの上に重ねてホットプレスすることにより、
基層の厚さが3mm、中間層の厚さが300μm、制電
層の厚さが0.4μmである不透明な制電性樹脂板を作
製した。
大きさに切断して試験片を作製し、実施例1と同様に難
燃性、表面抵抗率を測定し、その結果を下記の表2に示
した。
本配合組成物C(塩素化度略56%、錫系安定剤使用)
にリン系難燃剤としてトリクレジルホスフェートを5重
量部均一に混合して基層用組成物を調製し、この組成物
を用いて、厚さ0.5mmの基層用カレンダーシートを
作製した。一方、実施例11で調製した基本配合組成物
C′(塩素化度略56%、錫系安定剤使用)112重量
部に分解促進剤としてステアリン酸亜鉛を0.2重量部
均一に混合して中間層用組成物を調製し、この組成物を
用いて厚さ300μmの中間層用カレンダーフィルムを
作製し、カレンダーフィルムの片方の表面に実施例1で
調製した制電層形成用の塗液を塗布、乾燥して厚さ0.
4μmの制電層を形成した。
カレンダーフィルムを、6枚重ね合わせた基層用カレン
ダーシートの上に重ねてホットプレスすることにより、
基層の厚さが3mm、中間層の厚さが300μm、制電
層の厚さが0.4μmである無色透明な制電性樹脂板を
作製した。
大きさに切断して試験片を作製し、実施例1と同様に難
燃性、表面抵抗率を測定すると共に、実施例2と同様に
全光線透過率とヘーズ値を測定し、その結果を下記の表
2に示した。
用カレンダーシート6枚と中間層用カレンダーフィルム
1枚を重ね合わせてホットプレスすることにより、無色
透明な制電性樹脂板を作製した。
インダー樹脂とし、導電材としてアンチモン含有の酸化
錫を樹脂分1に対して2の重量比となるように均一に混
合分散させた制電層形成用の塗液を調製し、この塗液を
上記積層板の中間層用カレンダーフィルムの表面に塗布
した後、紫外線硬化させて制電層を形成することによ
り、基層の厚さが3mm、中間層の厚さが300μm、
制電層の厚さが3μmである三層構造の透明な制電性樹
脂板を作製した。
大きさに切断して試験片を作製し、実施例1と同様に難
燃性と表面抵抗率を測定すると共に、実施例2と同様に
全光線透過率とヘーズ値を測定して、その結果を下記の
表2に示した。
0.5mmの基層用カレンダーシートと厚さ300μm
の中間層用カレンダーフィルムを準備した。
脂をバインダー樹脂とし、導電材としてグラファイト質
繊維(線径10〜50nm、繊維長10〜20μm)を
樹脂分1に対して0.04の重量比となるように均一に
混合分散させた制電層形成用の塗液を調製し、この塗液
を上記のカレンダーフィルムの表面に塗布、乾燥して、
厚さ0.2μmの制電層を形成した。
6枚重ね合わせ、その上に制電層の形成された中間層用
カレンダーフィルムを重ね合わせてホットプレスするこ
とにより、基層の厚さが3mm、中間層の厚さが300
μm、制電層の厚さが0.2μmである三層構造の無色
透明な制電性樹脂板を作製した。
大きさに切断して試験片を作製し、実施例1と同様に難
燃性と表面抵抗率を測定すると共に、実施例2と同様に
全光線透過率とヘーズ値を測定して、その結果を下記の
表2に示した。
む制電層を形成した実施例7〜14の制電性樹脂板はい
ずれも表面抵抗率が106 Ωと小さく、良好な制電性を
有しており、また、グラファイト質繊維を含む制電層を
形成した実施例15の制電性樹脂板は、グラファイト質
繊維の含有量が極めて少ないにも拘らず、表面抵抗率が
実施例7〜14の制電性樹脂板と同等の106 Ωであ
る。このことから、グラファイト質繊維は少量でも良好
な制電効果が得られ、導電材として有用であることが分
かる。
ずれも、難燃性テストで着火せず、優れた難燃性を有し
ており、実施例7,8,11,12,13の制電樹脂板
は、難燃性があまり良くない塩素化度略56%の通常の
塩化ビニル樹脂を用いた基本配合組成物A,A′,C,
C′で基層を形成していても、チタン化合物、リン系難
燃剤、モリブデン化合物、分解促進剤などを含有させて
いるため、難燃性が向上している。
として塩素化度略56%の通常の塩化ビニル樹脂を使用
しているが、その厚みを100μmと薄くして樹脂板全
体に占める割合を少なくしているため、難燃性を有して
おり、また、実施例10,14,15の制電性樹脂板
は、中間層が300μmと比較的厚いけれども、塩素化
度が64%の塩素化塩化ビニル樹脂を使用しているた
め、難燃性を有している。
の制電性樹脂板や、錫系安定剤を使用していてもチタン
化合物を含む実施例12の制電性樹脂板は不透明である
が、錫系安定剤を使用し且つチタン化合物並びにモリブ
デン化合物を含まない実施例9,10,11,13,1
4,15の制電性樹脂板はいずれも、全光線透過率が6
2%以上、ヘイズ値が8.3%以下で透明性が良好であ
る。特に、塩素化度略56%の通常の塩化ビニル樹脂を
用いた基本配合組成物C,C′で基層と中間層を形成
し、且つ、リン系難燃剤と分解促進剤を配合した実施例
13の制電性樹脂板は、全光線透過率が73%、ヘイズ
値が3.3%と他のものよりも遥かに優れており、この
ことから、塩素化度略56%の塩化ビニル樹脂やリン系
難燃剤や分解促進剤が透明性制電性樹脂板を得る上で好
ましいことがわかる。
ダー樹脂とする制電層を形成した実施例14の制電性樹
脂板であっも、塩化ビニル系樹脂をバインダーとした他
の実施例と同様の難燃性と透明性を有していることがわ
かる。
うに、本発明の制電性塩化ビニル系樹脂成形品は難燃性
が顕著に向上し、耐薬品性や耐蝕性も良好で劣化し難
く、帯電による塵埃の付着を確実に防止することがで
き、基層又は中間層にチタン化合物を含まないものは透
明性も良好であるなど、優れた効果を奏する。
構造を示す概略断面図である。
脂成形品の構造を示す概略断面図である。
Claims (15)
- 【請求項1】塩化ビニル系樹脂よりなる基層の少なくと
も片面に、導電材を含んだ制電層を積層した塩化ビニル
系樹脂成形品であって、上記基層は、塩化ビニル系樹脂
100重量部に対してチタン化合物を5〜50重量部含
有させた層であることを特徴とする、難燃性を有する制
電性塩化ビニル系樹脂成形品。 - 【請求項2】塩化ビニル系樹脂よりなる基層の少なくと
も片面に、導電材を含んだ制電層を積層した塩化ビニル
系樹脂成形品であって、上記基層は、塩素化度が58〜
73%の塩化ビニル系樹脂よりなる層であることを特徴
とする、難燃性を有する制電性塩化ビニル系樹脂成形
品。 - 【請求項3】塩化ビニル系樹脂よりなる基層の少なくと
も片面に、導電材を含んだ制電層を積層した塩化ビニル
系樹脂成形品であって、上記基層は、塩素化度が58%
未満の塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、リン系
難燃剤を0.5〜15重量部、又は/及び、塩素化ポリ
エチレンを0.5〜20重量部含有させた層であること
を特徴とする、難燃性を有する制電性塩化ビニル系樹脂
成形品。 - 【請求項4】塩化ビニル系樹脂よりなる基層の少なくと
も片面に、導電材を含んだ制電層を積層した塩化ビニル
系樹脂成形品であって、上記基層は、塩素化度が58%
未満の塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、モリブ
デン化合物を0.1〜2.5重量部含有させた層である
ことを特徴とする、難燃性を有する制電性塩化ビニル系
樹脂成形品。 - 【請求項5】塩化ビニル系樹脂よりなる基層の少なくと
も片面に、導電材を含んだ制電層を積層した塩化ビニル
系樹脂成形品であって、上記基層は、塩素化度が58%
未満の塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、発泡
剤、分解促進剤、ラジカル発生剤、架橋剤の少なくとも
いずれか一種を0.0005〜10重量部含有させた層
であることを特徴とする、難燃性を有する制電性塩化ビ
ニル系樹脂成形品。 - 【請求項6】前記基層と前記制電層との間に、前記基層
とは組成が異なる塩化ビニル系樹脂の中間層を設けたこ
とを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに
記載の制電性塩化ビニル系樹脂成形品。 - 【請求項7】前記中間層は、塩化ビニル系樹脂100重
量部に対してチタン化合物を2〜30重量部含有させた
層であることを特徴とする、請求項6に記載の制電性塩
化ビニル系樹脂成形品。 - 【請求項8】前記中間層は、塩素化度が58〜73%の
塩化ビニル系樹脂よりなる層であることを特徴とする、
請求項6に記載の制電性塩化ビニル系樹脂成形品。 - 【請求項9】前記中間層は、塩素化度が58%未満の塩
化ビニル系樹脂よりなる厚さ200μm以下の層である
ことを特徴とする、請求項6に記載の制電性塩化ビニル
系樹脂成形品。 - 【請求項10】前記中間層は、塩素化度が58%未満の
塩化ビニル系樹脂100重量部に対してリン系難燃剤を
0.5〜15重量部、又は/及び、塩素化ポリエチレン
を0.5〜20重量部含有させた層であることを特徴と
する、請求項6に記載の制電性塩化ビニル系樹脂成形
品。 - 【請求項11】前記中間層は、塩素化度が58%未満の
塩化ビニル系樹脂100重量部に対してモリブデン化合
物を0.1〜2.5重量部含有させた層であることを特
徴とする、請求項6に記載の制電性塩化ビニル系樹脂成
形品。 - 【請求項12】前記中間層は、塩素化度が58%未満の
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して発泡剤、分解促
進剤、ラジカル発生剤、架橋剤の少なくともいずれか一
種を0.0005〜10重量部含有させた層であること
を特徴とする、請求項6に記載の制電性塩化ビニル系樹
脂成形品。 - 【請求項13】前記制電層は、塩素化度が58〜73%
の塩化ビニル系樹脂をバインダー樹脂とし、これに導電
材を含有させた層であることを特徴とする、請求項1な
いし請求項12のいずれかに記載の制電性塩化ビニル系
樹脂成形品。 - 【請求項14】前記制電層は、紫外線硬化型又は熱硬化
型樹脂をバインダー樹脂とし、これに導電材を含有させ
た層であることを特徴とする、請求項1ないし請求項1
2のいずれかに記載の制電性塩化ビニル系樹脂成形品。 - 【請求項15】前記導電材は、酸化錫、導電性酸化チタ
ン、曲がりくねって絡み合う極細の長炭素繊維のいずれ
かであることを特徴とする、請求項1,請求項2,請求
項3,請求項4,請求項5,請求項6,請求項13,請
求項14のいずれかに記載の制電性塩化ビニル系樹脂成
形品。
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