JPH0966585A - 熱可塑性樹脂複合体 - Google Patents
熱可塑性樹脂複合体Info
- Publication number
- JPH0966585A JPH0966585A JP22530095A JP22530095A JPH0966585A JP H0966585 A JPH0966585 A JP H0966585A JP 22530095 A JP22530095 A JP 22530095A JP 22530095 A JP22530095 A JP 22530095A JP H0966585 A JPH0966585 A JP H0966585A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chlorinated polyethylene
- elastomer composition
- shaped
- vinyl chloride
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- Pending
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】圧縮永久歪、耐侯性、接着強度に優れ、かつリ
サイクルが容易な、パッキン、目地材、シール材または
ガスッケト等に使用しうる塩素化ポリエチレンエラスト
マー組成物と硬質樹脂との複合体を提供。 【解決手段】JIS K7203に基づく曲げ弾性率が
1000kg/cm2以上の値を有する塩化ビニル系樹
脂、塩素化塩化ビニル系樹脂またはこれらの混合物から
なる硬質樹脂と、塩素化度20〜45重量%、結晶融解
熱量5〜35cal/gである結晶性塩素化ポリエチレ
ン100重量部、可塑剤5〜200重量部及び塩化ビニ
ル系樹脂5〜100重量部を含有する塩素化ポリエチレ
ンエラストマー組成物とが複合されてなる熱可塑性樹脂
複合体。
サイクルが容易な、パッキン、目地材、シール材または
ガスッケト等に使用しうる塩素化ポリエチレンエラスト
マー組成物と硬質樹脂との複合体を提供。 【解決手段】JIS K7203に基づく曲げ弾性率が
1000kg/cm2以上の値を有する塩化ビニル系樹
脂、塩素化塩化ビニル系樹脂またはこれらの混合物から
なる硬質樹脂と、塩素化度20〜45重量%、結晶融解
熱量5〜35cal/gである結晶性塩素化ポリエチレ
ン100重量部、可塑剤5〜200重量部及び塩化ビニ
ル系樹脂5〜100重量部を含有する塩素化ポリエチレ
ンエラストマー組成物とが複合されてなる熱可塑性樹脂
複合体。
Description
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、耐クリ−プ特性、及び
接着強度に優れ、パッキン、目地材、シ−ル材またはガ
スケット等として使用しうる熱可塑性樹脂複合体に係
る。
接着強度に優れ、パッキン、目地材、シ−ル材またはガ
スケット等として使用しうる熱可塑性樹脂複合体に係
る。
【0002】
【従来の技術】自動車、電気機器、建築物等の機密性を
保つパッキン、目地材、シール材、ガスケット等には、
その材料として軟質塩化ビニル樹脂、加硫ゴム等が使用
されている。これらガスケットは、軟質塩化ビニル樹
脂、加硫ゴムを単独で押出成形または射出成形によりま
たは型内加硫により所望形状に成形して使用するが、通
常これを一般に金属、硬質合成樹脂等の支持基板にビス
止めまたは接着剤でもって固定して使用される場合が多
い。しかし、機密性能(シーリング性能)に優れた材料
として天然ゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、E
PDM等の加硫ゴム製のものを使用する場合、その製造
時に加硫工程を経るために高価な加硫設備が不可欠であ
り、かつ充分な加硫効果を上げるために加熱設備も必要
になるという欠点があり、また生産効率が悪く、結果と
して高価な製品になってしまう。一方、軟質塩化ビニル
樹脂製のものを使用する場合、その生産性は優れている
ものの、耐クリープ特性が劣り、長期使用によるシーリ
ング効果が維持できないという欠点がある。
保つパッキン、目地材、シール材、ガスケット等には、
その材料として軟質塩化ビニル樹脂、加硫ゴム等が使用
されている。これらガスケットは、軟質塩化ビニル樹
脂、加硫ゴムを単独で押出成形または射出成形によりま
たは型内加硫により所望形状に成形して使用するが、通
常これを一般に金属、硬質合成樹脂等の支持基板にビス
止めまたは接着剤でもって固定して使用される場合が多
い。しかし、機密性能(シーリング性能)に優れた材料
として天然ゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、E
PDM等の加硫ゴム製のものを使用する場合、その製造
時に加硫工程を経るために高価な加硫設備が不可欠であ
り、かつ充分な加硫効果を上げるために加熱設備も必要
になるという欠点があり、また生産効率が悪く、結果と
して高価な製品になってしまう。一方、軟質塩化ビニル
樹脂製のものを使用する場合、その生産性は優れている
ものの、耐クリープ特性が劣り、長期使用によるシーリ
ング効果が維持できないという欠点がある。
【0003】また、近年、特に自動車工業において、自
動車の燃費向上を目的として自動部品の軽量化が厳しく
要求されており、樹脂製部品の使用に拍車がかかり、か
つ資源再利用の観点からリサイクルの容易な樹脂材料の
開発が望まれている。例えば、自動車部品として加硫ゴ
ムを用いた場合リサイクルが難しく、また、軟質樹脂の
支持体として金属を用いた場合、軽量化という観点から
は不利であり、さらにリサイクルの際には金属と軟質樹
脂の分離という作業が必要であり、リサイクル性の点で
も劣っていた。
動車の燃費向上を目的として自動部品の軽量化が厳しく
要求されており、樹脂製部品の使用に拍車がかかり、か
つ資源再利用の観点からリサイクルの容易な樹脂材料の
開発が望まれている。例えば、自動車部品として加硫ゴ
ムを用いた場合リサイクルが難しく、また、軟質樹脂の
支持体として金属を用いた場合、軽量化という観点から
は不利であり、さらにリサイクルの際には金属と軟質樹
脂の分離という作業が必要であり、リサイクル性の点で
も劣っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、塩素化
ポリエチレンエラストマー組成物の優れた特徴、例えば
耐クリープ特性、圧縮永久歪、柔軟性、成形加工性、耐
候性、低温特性等を損なうことなく、かつリサイクル可
能な自動車、電気機器、建築物等の部品につき鋭意検討
したところ、塩化ビニル系樹脂を含有する塩素化ポリエ
チレンエラストマー組成物を曲げ弾性率の大きな塩化ビ
ニル系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹
脂と塩素化塩化ビニル系樹脂の混合物(本発明ではこれ
らを総称して単に硬質樹脂という)のいずれかに複合し
たものが、軽量であり、上述の優れた諸物性を発揮し、
かつ剥離強度が大きく、ガスケット等の用途に長期にわ
たって使用でき、またリサイクルが容易であることを見
いだし、本発明を完成するに到った。すなわち、本発明
の目的は、高温クリープ特性(圧縮永久歪)、耐候性、
接着強度に優れ、かつリサイクルが容易な、パッキン、
目地材、シール材またはガスケット等(本発明ではこれ
らを総称して単にガスケットという)に使用しうる塩素
化ポリエチレンエラストマー組成物と硬質樹脂との複合
体を提供するにある。
ポリエチレンエラストマー組成物の優れた特徴、例えば
耐クリープ特性、圧縮永久歪、柔軟性、成形加工性、耐
候性、低温特性等を損なうことなく、かつリサイクル可
能な自動車、電気機器、建築物等の部品につき鋭意検討
したところ、塩化ビニル系樹脂を含有する塩素化ポリエ
チレンエラストマー組成物を曲げ弾性率の大きな塩化ビ
ニル系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹
脂と塩素化塩化ビニル系樹脂の混合物(本発明ではこれ
らを総称して単に硬質樹脂という)のいずれかに複合し
たものが、軽量であり、上述の優れた諸物性を発揮し、
かつ剥離強度が大きく、ガスケット等の用途に長期にわ
たって使用でき、またリサイクルが容易であることを見
いだし、本発明を完成するに到った。すなわち、本発明
の目的は、高温クリープ特性(圧縮永久歪)、耐候性、
接着強度に優れ、かつリサイクルが容易な、パッキン、
目地材、シール材またはガスケット等(本発明ではこれ
らを総称して単にガスケットという)に使用しうる塩素
化ポリエチレンエラストマー組成物と硬質樹脂との複合
体を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
とするところは、JIS K7203に基づく曲げ弾性
率が1000kg/cm2以上の値を有する塩化ビニル系樹
脂、塩素化塩化ビニル系樹脂またはこれらの混合物から
なる硬質樹脂と、塩素化度20〜45重量%、結晶融解
熱量5〜35cal/g である結晶性塩素化ポリエチレン1
00重量部、可塑剤5〜200重量部及び塩化ビニル系
樹脂5〜100重量部を含む塩素化ポリエチレンエラス
トマー組成物とが複合されてなる熱可塑性樹脂複合体及
びその製造方法にある。
とするところは、JIS K7203に基づく曲げ弾性
率が1000kg/cm2以上の値を有する塩化ビニル系樹
脂、塩素化塩化ビニル系樹脂またはこれらの混合物から
なる硬質樹脂と、塩素化度20〜45重量%、結晶融解
熱量5〜35cal/g である結晶性塩素化ポリエチレン1
00重量部、可塑剤5〜200重量部及び塩化ビニル系
樹脂5〜100重量部を含む塩素化ポリエチレンエラス
トマー組成物とが複合されてなる熱可塑性樹脂複合体及
びその製造方法にある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明を詳細に説明する。本発明
の熱可塑性樹脂複合体の構成要件である硬質樹脂に用い
られる塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルまたは塩化ビニ
ルとこれに共重合可能なコモノマーとの混合物を懸濁重
合法、塊状重合法、微細懸濁重合法または乳化重合法等
通常の方法によって製造されたものすべてが用いられ
る。コモノマーとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のビニルエステル類、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル
類、ジブチルマレエート、ジエチルマレエート等のマレ
イン酸エステル類、ジブチルフマレート、ジエチルフマ
レート等のフマール酸エステル類、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルブチルエーテル、ビニルオクチルエーテル等
のビニルエーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のシアン化ビニル類、エチレン、プロピレン、
スチレン等のα−オレフィン類、塩化ビニリデン、臭化
ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニリデンまた
はハロゲン化ビニル類、ジアリルフタレート、エチレ
ングリコールジメタクリレートなどの多官能性単量体が
挙げられ、勿論、コモノマーは、上述のものに限定され
るものではない。コモノマーは塩化ビニル系樹脂の構成
成分中30重量%以下、好ましくは20重量%以下の範
囲である。このようにして製造された塩化ビニル系樹脂
の平均重合度は、通常400〜8000の範囲であり、
好ましくは平均重合度400〜1500程度のものを用
いるのが好ましい。
の熱可塑性樹脂複合体の構成要件である硬質樹脂に用い
られる塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルまたは塩化ビニ
ルとこれに共重合可能なコモノマーとの混合物を懸濁重
合法、塊状重合法、微細懸濁重合法または乳化重合法等
通常の方法によって製造されたものすべてが用いられ
る。コモノマーとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のビニルエステル類、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル
類、ジブチルマレエート、ジエチルマレエート等のマレ
イン酸エステル類、ジブチルフマレート、ジエチルフマ
レート等のフマール酸エステル類、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルブチルエーテル、ビニルオクチルエーテル等
のビニルエーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のシアン化ビニル類、エチレン、プロピレン、
スチレン等のα−オレフィン類、塩化ビニリデン、臭化
ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニリデンまた
はハロゲン化ビニル類、ジアリルフタレート、エチレ
ングリコールジメタクリレートなどの多官能性単量体が
挙げられ、勿論、コモノマーは、上述のものに限定され
るものではない。コモノマーは塩化ビニル系樹脂の構成
成分中30重量%以下、好ましくは20重量%以下の範
囲である。このようにして製造された塩化ビニル系樹脂
の平均重合度は、通常400〜8000の範囲であり、
好ましくは平均重合度400〜1500程度のものを用
いるのが好ましい。
【0007】また、塩素化塩化ビニル系樹脂は、上述の
方法によって製造された塩化ビニル系樹脂を後塩素化す
る方法によって製造される。後塩素化の方法は、例えば
塩化ビニル系樹脂を四塩化エタンに溶解し塩素ガスを反
応させる溶液法、塩化ビニル系樹脂に加熱しながらある
いは光を照射しながら塩素ガスを反応させる乾式法、加
圧下で塩素ガスを溶剤に溶かし塩化ビニル系樹脂と反応
させる液体塩素法または塩酸溶液に塩化ビニル系樹脂を
懸濁させ、クロロホルムを加え塩素ガスを通じる水懸濁
法等が挙げられるが、本発明で使用する塩素化塩化ビニ
ル系樹脂はいずれの方法で塩素化したものでも使用しう
る。
方法によって製造された塩化ビニル系樹脂を後塩素化す
る方法によって製造される。後塩素化の方法は、例えば
塩化ビニル系樹脂を四塩化エタンに溶解し塩素ガスを反
応させる溶液法、塩化ビニル系樹脂に加熱しながらある
いは光を照射しながら塩素ガスを反応させる乾式法、加
圧下で塩素ガスを溶剤に溶かし塩化ビニル系樹脂と反応
させる液体塩素法または塩酸溶液に塩化ビニル系樹脂を
懸濁させ、クロロホルムを加え塩素ガスを通じる水懸濁
法等が挙げられるが、本発明で使用する塩素化塩化ビニ
ル系樹脂はいずれの方法で塩素化したものでも使用しう
る。
【0008】塩素化塩化ビニル系樹脂は、その塩素化前
の塩化ビニル系樹脂の平均重合度が400〜1500の
範囲にあるのが複合体を製造する際の加工性の点から望
ましい。また、塩素化後の塩素化率は60〜70重量%
の範囲であるのが好ましい。塩素化率が60重量%より
小さければ耐熱変形性の改良効果が小さく、70重量%
を越えると加工性が劣る傾向がある。さらに、本発明に
おいては塩素化塩化ビニル系樹脂と塩化ビニル系樹脂を
混合して用いてもよい。両者の混合割合は、本発明の複
合体の用途によって異なるけれども、耐熱変形性の効果
の点から前者を20重量%以上、好ましくは50重量
%、特に70重量%以上含むのが望ましい。
の塩化ビニル系樹脂の平均重合度が400〜1500の
範囲にあるのが複合体を製造する際の加工性の点から望
ましい。また、塩素化後の塩素化率は60〜70重量%
の範囲であるのが好ましい。塩素化率が60重量%より
小さければ耐熱変形性の改良効果が小さく、70重量%
を越えると加工性が劣る傾向がある。さらに、本発明に
おいては塩素化塩化ビニル系樹脂と塩化ビニル系樹脂を
混合して用いてもよい。両者の混合割合は、本発明の複
合体の用途によって異なるけれども、耐熱変形性の効果
の点から前者を20重量%以上、好ましくは50重量
%、特に70重量%以上含むのが望ましい。
【0009】上述の硬質樹脂には必要に応じて安定剤、
滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、着色剤、衝
撃吸収剤、加工助剤等が配合されていてもよい。上述の
硬質樹脂に複合する塩素化ポリエチレンエラストマー組
成物は、結晶性塩素化ポリエチレン、可塑剤及び塩化ビ
ニル系樹脂を必須成分としている。結晶性塩素化ポリエ
チレンは、塩素化度20〜45重量%及びDSC法結晶
融解熱量5〜35cal/g 、好ましくは5〜25cal/g の
範囲にあることが必要であり、この結晶融解熱量の範囲
はポリエチレンの結晶残、いわゆる結晶化度が10〜7
5%、好ましくは10〜50%の範囲にある。DSC
(示差走査熱量測定)法結晶融解熱量とは示差熱量計を
用い、昇温速度10℃/min で測定したDSCチャート
の全結晶ピーク面積より計算した値をいい、5cal/g 未
満であれば実質上残存結晶が無いことを示している。
滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、着色剤、衝
撃吸収剤、加工助剤等が配合されていてもよい。上述の
硬質樹脂に複合する塩素化ポリエチレンエラストマー組
成物は、結晶性塩素化ポリエチレン、可塑剤及び塩化ビ
ニル系樹脂を必須成分としている。結晶性塩素化ポリエ
チレンは、塩素化度20〜45重量%及びDSC法結晶
融解熱量5〜35cal/g 、好ましくは5〜25cal/g の
範囲にあることが必要であり、この結晶融解熱量の範囲
はポリエチレンの結晶残、いわゆる結晶化度が10〜7
5%、好ましくは10〜50%の範囲にある。DSC
(示差走査熱量測定)法結晶融解熱量とは示差熱量計を
用い、昇温速度10℃/min で測定したDSCチャート
の全結晶ピーク面積より計算した値をいい、5cal/g 未
満であれば実質上残存結晶が無いことを示している。
【0010】また後述のDSC法結晶融点とは、DSC
法結晶融解熱量測定時の全結晶ピーク中の最高ピークを
示す温度である。本発明で使用する塩素化ポリエチレン
の結晶融点は110〜140℃の範囲にある。塩素化ポ
リエチレンの塩素化度が20%未満では可塑剤との相溶
性が悪く、硬度も低く出来ず、また耐候性に劣り、一
方、45%を越えるとゴム弾性が低下し、目的とする圧
縮永久歪及び低温特性が得られない。また、結晶融解熱
量が5cal/g 未満になると圧縮永久歪の改良効果が失わ
れ、一方35cal/g を越えると硬度を低くすることがで
きず、加工性も著しく劣る。
法結晶融解熱量測定時の全結晶ピーク中の最高ピークを
示す温度である。本発明で使用する塩素化ポリエチレン
の結晶融点は110〜140℃の範囲にある。塩素化ポ
リエチレンの塩素化度が20%未満では可塑剤との相溶
性が悪く、硬度も低く出来ず、また耐候性に劣り、一
方、45%を越えるとゴム弾性が低下し、目的とする圧
縮永久歪及び低温特性が得られない。また、結晶融解熱
量が5cal/g 未満になると圧縮永久歪の改良効果が失わ
れ、一方35cal/g を越えると硬度を低くすることがで
きず、加工性も著しく劣る。
【0011】本発明で用いる塩素化ポリエチレンは、特
にDOP吸油量が25以上であるのが望ましい。DOP
の吸油量とは23℃の温度条件下で塩素化ポリエチレン
粉末100gにDOPを少しずつ加えながら攪拌し、塩
素化ポリエチレン粉末が団子状の塊になるDOPの添加
容量をml数で表し、DOP吸油量25以上とは、DO
P25ml添加してもなお塊にならず粉末状を呈してい
るもの、または固まったように見えても、僅かな力、衝
撃でもって分散することを意味している。測定法は、J
IS K5101に準じて行った。DOP吸油量25以
上の塩素化ポリエチレンを使用することにより、結晶性
塩素化ポリエチレンエラストマー組成物の低温特性、耐
ブロッキング性及び押出成形性を改良することができ
る。
にDOP吸油量が25以上であるのが望ましい。DOP
の吸油量とは23℃の温度条件下で塩素化ポリエチレン
粉末100gにDOPを少しずつ加えながら攪拌し、塩
素化ポリエチレン粉末が団子状の塊になるDOPの添加
容量をml数で表し、DOP吸油量25以上とは、DO
P25ml添加してもなお塊にならず粉末状を呈してい
るもの、または固まったように見えても、僅かな力、衝
撃でもって分散することを意味している。測定法は、J
IS K5101に準じて行った。DOP吸油量25以
上の塩素化ポリエチレンを使用することにより、結晶性
塩素化ポリエチレンエラストマー組成物の低温特性、耐
ブロッキング性及び押出成形性を改良することができ
る。
【0012】塩素化ポリエチレンエラストマー組成物の
一成分である可塑剤は、塩化ビニル系樹脂に用いられる
ものなら特に限定されるものではなく、例えばジ−2−
エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレー
ト、ジイソデシルフタレート、ジブチルフタレート、ジ
ヘキシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;ジ
オクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の直鎖二
塩基酸エステル系可塑剤;トリメリット酸エステル系可
塑剤;ポリエステル系高分子可塑剤;エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、エポキシ樹脂等のエポキシ系
可塑剤;トリフェニルホスフェート、トリキシリルホス
フェート、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステ
ル系可塑剤が挙げられ、これら一種または二種以上を混
合して使用する。
一成分である可塑剤は、塩化ビニル系樹脂に用いられる
ものなら特に限定されるものではなく、例えばジ−2−
エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレー
ト、ジイソデシルフタレート、ジブチルフタレート、ジ
ヘキシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;ジ
オクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の直鎖二
塩基酸エステル系可塑剤;トリメリット酸エステル系可
塑剤;ポリエステル系高分子可塑剤;エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、エポキシ樹脂等のエポキシ系
可塑剤;トリフェニルホスフェート、トリキシリルホス
フェート、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステ
ル系可塑剤が挙げられ、これら一種または二種以上を混
合して使用する。
【0013】可塑剤の使用量は、後述する併用される添
加剤の種類、添加量あるいは目的とする製品の硬度によ
って適宜決定されるが、塩素化ポリエチレン100重量
部に対して5〜200重量部の範囲から選択され、好ま
しくは10〜160重量部、特に15〜75重量部の範
囲が好ましい。可塑剤が少なすぎると低硬度のものが得
られず、逆に多すぎるとブリード現象を抑えることが難
しくなる。
加剤の種類、添加量あるいは目的とする製品の硬度によ
って適宜決定されるが、塩素化ポリエチレン100重量
部に対して5〜200重量部の範囲から選択され、好ま
しくは10〜160重量部、特に15〜75重量部の範
囲が好ましい。可塑剤が少なすぎると低硬度のものが得
られず、逆に多すぎるとブリード現象を抑えることが難
しくなる。
【0014】塩素化ポリエチレンエラストマー組成物に
は、その溶融流動性、上述の硬質樹脂との接着性及び押
出成形外観を改良する目的で塩化ビニル系樹脂を含有せ
しめることが必要である。塩化ビニル系樹脂は、前述の
塩化ビニル系樹脂と同じ方法で製造されその平均重合度
は、通常400〜8000の範囲のものであり、好まし
くは平均重合度400〜1500、特に400〜100
0程度のものが用いられる。 塩化ビニル系樹脂の使用
量は、結晶性塩素化ポリエチレン100重量部に対して
5〜100重量部、好ましくは5〜70重量部、特に1
0〜25重量部の範囲であるのが望ましい。添加量があ
まり少ないと流動性、接着性等は顕著に改良されず、多
すぎると圧縮永久歪等の物性が劣る傾向にある。
は、その溶融流動性、上述の硬質樹脂との接着性及び押
出成形外観を改良する目的で塩化ビニル系樹脂を含有せ
しめることが必要である。塩化ビニル系樹脂は、前述の
塩化ビニル系樹脂と同じ方法で製造されその平均重合度
は、通常400〜8000の範囲のものであり、好まし
くは平均重合度400〜1500、特に400〜100
0程度のものが用いられる。 塩化ビニル系樹脂の使用
量は、結晶性塩素化ポリエチレン100重量部に対して
5〜100重量部、好ましくは5〜70重量部、特に1
0〜25重量部の範囲であるのが望ましい。添加量があ
まり少ないと流動性、接着性等は顕著に改良されず、多
すぎると圧縮永久歪等の物性が劣る傾向にある。
【0015】本発明の複合体に用いる塩素化ポリエチレ
ンエラストマー組成物は、それにテトラヒドロフラン
(THF)不溶解架橋成分を含むゴム物質を含有せしめ
ることにより、耐クリープ特性、圧縮永久歪をより改善
することができる。THF不溶解架橋成分を含むゴム物
質としてはアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレンゴ
ム(MBS)、アクリルゴム(AR)、スチレン−ブタ
ジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、エ
チレン−酢酸ビニルゴム(EVA)、ウレタンゴム(U
R)等各種ゴム製造時に多官能性モノマーを重合系に加
えるか、またはゴム製造後有機過酸化物でもって架橋処
理するなどの方法により、ゴム分子中に架橋構造を導入
することによって製造される。これらのうちでもゴム物
質製造時に多官能性モノマーを加えて架橋構造を構成し
たものを使用するのが望ましい。特に本発明ではNBR
が好んで使用される。THF不溶解架橋成分はゴム物質
の20重量%以上あるのが望ましく、好ましくは50重
量%以上、特に80重量%以上であるのが良い。THF
不溶解架橋成分が20重量%よりも少ないと耐クリープ
性の改良効果が明確ではなく、できるかぎり高架橋度の
ものを用いるのが望ましい。
ンエラストマー組成物は、それにテトラヒドロフラン
(THF)不溶解架橋成分を含むゴム物質を含有せしめ
ることにより、耐クリープ特性、圧縮永久歪をより改善
することができる。THF不溶解架橋成分を含むゴム物
質としてはアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレンゴ
ム(MBS)、アクリルゴム(AR)、スチレン−ブタ
ジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、エ
チレン−酢酸ビニルゴム(EVA)、ウレタンゴム(U
R)等各種ゴム製造時に多官能性モノマーを重合系に加
えるか、またはゴム製造後有機過酸化物でもって架橋処
理するなどの方法により、ゴム分子中に架橋構造を導入
することによって製造される。これらのうちでもゴム物
質製造時に多官能性モノマーを加えて架橋構造を構成し
たものを使用するのが望ましい。特に本発明ではNBR
が好んで使用される。THF不溶解架橋成分はゴム物質
の20重量%以上あるのが望ましく、好ましくは50重
量%以上、特に80重量%以上であるのが良い。THF
不溶解架橋成分が20重量%よりも少ないと耐クリープ
性の改良効果が明確ではなく、できるかぎり高架橋度の
ものを用いるのが望ましい。
【0016】これらゴム物質の添加量は、結晶性塩素化
ポリエチレン100重量部に対して400重量部以下、
好ましくは20〜300重量部の範囲である。ゴム物質
の添加量があまり少ないと耐クリープ特性の改良効果が
認められず、また400重量部よりも多くなるとエラス
トマー組成物の加工性、成形性が劣る傾向がある。な
お、塩素化ポリエチレンエラストマー組成物に、ゴム物
質を含有する場合には可塑剤を15重量部以上含有させ
るのが望ましく、可塑剤量が少なすぎると硬度が高く、
エラストマー組成物の弾性が損なわれる恐れがある。
ポリエチレン100重量部に対して400重量部以下、
好ましくは20〜300重量部の範囲である。ゴム物質
の添加量があまり少ないと耐クリープ特性の改良効果が
認められず、また400重量部よりも多くなるとエラス
トマー組成物の加工性、成形性が劣る傾向がある。な
お、塩素化ポリエチレンエラストマー組成物に、ゴム物
質を含有する場合には可塑剤を15重量部以上含有させ
るのが望ましく、可塑剤量が少なすぎると硬度が高く、
エラストマー組成物の弾性が損なわれる恐れがある。
【0017】塩素化ポリエチレンエラストマー組成物に
は、また圧縮永久歪を損なわない範囲で充填剤を添加す
るのが望ましい。充填剤は、過剰量の可塑剤を吸収する
とともに混練、成形を円滑にする作用がある。充填剤と
しては、例えばカーボンブラック、炭酸カルシウム、酸
化チタン、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、ハイドロタルサイト、クレー、シリカ、ホワイ
トカーボン等が挙げられる。充填剤の添加量は結晶性塩
素化ポリエチレン100重量部に対して500重量部以
下の範囲から選択され、エラストマー組成物の諸物性を
考慮すると10〜200重量部の範囲が望ましい。充填
剤の添加量があまり少ないと、混練、成形性を改良する
効果が小さく、500重量部より多くなると逆に成形性
が悪くなる傾向にあり、成形性を損なわない範囲で添加
するのが経済性の点からも望ましい。さらに、エラスト
マー組成物には必要に応じて安定剤、滑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、発泡剤、難燃剤、着色剤等の各種添
加剤を配合してもよい。
は、また圧縮永久歪を損なわない範囲で充填剤を添加す
るのが望ましい。充填剤は、過剰量の可塑剤を吸収する
とともに混練、成形を円滑にする作用がある。充填剤と
しては、例えばカーボンブラック、炭酸カルシウム、酸
化チタン、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、ハイドロタルサイト、クレー、シリカ、ホワイ
トカーボン等が挙げられる。充填剤の添加量は結晶性塩
素化ポリエチレン100重量部に対して500重量部以
下の範囲から選択され、エラストマー組成物の諸物性を
考慮すると10〜200重量部の範囲が望ましい。充填
剤の添加量があまり少ないと、混練、成形性を改良する
効果が小さく、500重量部より多くなると逆に成形性
が悪くなる傾向にあり、成形性を損なわない範囲で添加
するのが経済性の点からも望ましい。さらに、エラスト
マー組成物には必要に応じて安定剤、滑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、発泡剤、難燃剤、着色剤等の各種添
加剤を配合してもよい。
【0018】塩素化ポリエチレンエラストマー組成物を
調製するには、結晶性塩素化ポリエチレン、塩化ビニル
系樹脂及び可塑剤並びに必要に応じて上述の各種添加剤
を結晶性塩素化ポリエチレンの結晶融点以上の温度に加
熱しながら剪断力下混練するのが望ましい。この条件下
で混練することにより圧縮永久歪、低温特性の優れたエ
ラストマー組成物を得ることができる。結晶融点以下の
温度では、可塑剤が結晶性塩素化ポリエチレンのアモル
ファス部分にだけしか浸透せず、混練後の結晶構造はあ
まり変わらないが、結晶融点以上の温度に加熱して剪断
力下に混練することにより、結晶部分にも可塑剤が浸透
し、塩素化ポリエチレンが再結晶化する際に、新たな分
子鎖間のネットワーク構造が生成し、圧縮永久歪等のゴ
ム弾性が向上するものと推察される。
調製するには、結晶性塩素化ポリエチレン、塩化ビニル
系樹脂及び可塑剤並びに必要に応じて上述の各種添加剤
を結晶性塩素化ポリエチレンの結晶融点以上の温度に加
熱しながら剪断力下混練するのが望ましい。この条件下
で混練することにより圧縮永久歪、低温特性の優れたエ
ラストマー組成物を得ることができる。結晶融点以下の
温度では、可塑剤が結晶性塩素化ポリエチレンのアモル
ファス部分にだけしか浸透せず、混練後の結晶構造はあ
まり変わらないが、結晶融点以上の温度に加熱して剪断
力下に混練することにより、結晶部分にも可塑剤が浸透
し、塩素化ポリエチレンが再結晶化する際に、新たな分
子鎖間のネットワーク構造が生成し、圧縮永久歪等のゴ
ム弾性が向上するものと推察される。
【0019】上述の配合成分を混合するのに用いる装置
は、実質的に均一に混合できるならいかなる装置でもよ
く、例えばヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、プ
ラネタリーミキサー等が挙げられ、また混合物を混練す
るには、例えば押出機、ロ−ル、バンバリーミキサー、
ニーダー等の加熱しながら剪断力下混練できる装置が使
用される。混練方法として多段の添加口のある押出機に
て前段で塩素化ポリエチレン及び各種添加剤を投入し、
後段で可塑剤を注入する方法を採用することもできる。
加熱温度の上限は、塩素化ポリエチレンの熱劣化が無視
できる範囲内、具体的には210℃以下であるのが望ま
しい。なお、混練温度は、130〜210℃、好ましく
は150〜200℃の範囲内にあるのが望ましい。
は、実質的に均一に混合できるならいかなる装置でもよ
く、例えばヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、プ
ラネタリーミキサー等が挙げられ、また混合物を混練す
るには、例えば押出機、ロ−ル、バンバリーミキサー、
ニーダー等の加熱しながら剪断力下混練できる装置が使
用される。混練方法として多段の添加口のある押出機に
て前段で塩素化ポリエチレン及び各種添加剤を投入し、
後段で可塑剤を注入する方法を採用することもできる。
加熱温度の上限は、塩素化ポリエチレンの熱劣化が無視
できる範囲内、具体的には210℃以下であるのが望ま
しい。なお、混練温度は、130〜210℃、好ましく
は150〜200℃の範囲内にあるのが望ましい。
【0020】本発明の熱可塑性樹脂複合体は、上述した
硬質樹脂及び塩素化ポリエチレンエラストマー組成物を
複合するにある。複合する方法は、例えば帯状あるいは
帯状異形のまたは棒状の押出硬質樹脂成形品の上に上述
の塩素化ポリエチレンエラストマー組成物を押出被覆す
る方法、硬質樹脂及びエラストマー組成物を複数の押出
機を用いて共押出し、押出ダイス内またはその近傍で複
合する方法、硬質樹脂びエラストマー組成物それぞれか
ら各種成形方法で成形品を製造し、両者を熱融着または
接着剤を介して接合する方法等各種方法が採用される。
また、硬質樹脂からなる成形品を金型内にセットした
後、塩素化ポリエチレンエラストマー組成物を射出成形
する、いわゆるインサート成形により複合体を形成する
方法、さらには、ダブルインジェクション成形、サンド
イッチ射出成形等により複合体を形成する方法を用いて
もよい。
硬質樹脂及び塩素化ポリエチレンエラストマー組成物を
複合するにある。複合する方法は、例えば帯状あるいは
帯状異形のまたは棒状の押出硬質樹脂成形品の上に上述
の塩素化ポリエチレンエラストマー組成物を押出被覆す
る方法、硬質樹脂及びエラストマー組成物を複数の押出
機を用いて共押出し、押出ダイス内またはその近傍で複
合する方法、硬質樹脂びエラストマー組成物それぞれか
ら各種成形方法で成形品を製造し、両者を熱融着または
接着剤を介して接合する方法等各種方法が採用される。
また、硬質樹脂からなる成形品を金型内にセットした
後、塩素化ポリエチレンエラストマー組成物を射出成形
する、いわゆるインサート成形により複合体を形成する
方法、さらには、ダブルインジェクション成形、サンド
イッチ射出成形等により複合体を形成する方法を用いて
もよい。
【0021】特に、硬質樹脂が帯状または帯状異形に形
成され、その帯状面上にエラストマー組成物からなる帯
状または帯状異形成形品の帯状端部が融着または接着し
た長尺構造の複合体、又は硬質樹脂と塩素化ポリエチレ
ンエラストマ−組成物からなるそれぞれの帯状又は帯状
異形成形品の帯状端部同士が融着又は接着した長尺の複
合体は、自動車等車輛、電気機器、建築物等のガスケッ
ト(パッキング、目地剤、シール材を含む)としての利
用価値が高い。勿論、ガスケットは上記構造のものに限
定されるものではない。
成され、その帯状面上にエラストマー組成物からなる帯
状または帯状異形成形品の帯状端部が融着または接着し
た長尺構造の複合体、又は硬質樹脂と塩素化ポリエチレ
ンエラストマ−組成物からなるそれぞれの帯状又は帯状
異形成形品の帯状端部同士が融着又は接着した長尺の複
合体は、自動車等車輛、電気機器、建築物等のガスケッ
ト(パッキング、目地剤、シール材を含む)としての利
用価値が高い。勿論、ガスケットは上記構造のものに限
定されるものではない。
【0022】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂複合体は、硬質樹
脂に塩素化ポリエチレンエラストマー組成物を複合形成
しているので耐熱変形性が著しく良好であり、硬質樹脂
に複合されたエラストマー組成物の熱変形も生じず、エ
ラストマー組成物のすぐれた耐クリープ性、圧縮永久
歪、低温特性(柔軟性)、耐候性が保持され、高温また
は日光に晒される、例えば自動車、建築用の、また低温
に維持される、例えば電気冷蔵庫または冷凍庫等の電気
機器類のガスケット、パッキング、目地材、シール材と
して使用した場合、長期間にわたってその効果が発揮さ
れる。また、本発明の熱可塑性樹脂複合体を共押出で製
造した場合、硬質樹脂及びエラストマー組成物の接着が
良好で、剥離強度が高い。さらに本発明の熱可塑性樹脂
複合体は、金属等の支持具を使用していないので、不要
になった複合材はそのまま破砕し、擬木、支柱、外溝資
材としてリサイクル使用できる。
脂に塩素化ポリエチレンエラストマー組成物を複合形成
しているので耐熱変形性が著しく良好であり、硬質樹脂
に複合されたエラストマー組成物の熱変形も生じず、エ
ラストマー組成物のすぐれた耐クリープ性、圧縮永久
歪、低温特性(柔軟性)、耐候性が保持され、高温また
は日光に晒される、例えば自動車、建築用の、また低温
に維持される、例えば電気冷蔵庫または冷凍庫等の電気
機器類のガスケット、パッキング、目地材、シール材と
して使用した場合、長期間にわたってその効果が発揮さ
れる。また、本発明の熱可塑性樹脂複合体を共押出で製
造した場合、硬質樹脂及びエラストマー組成物の接着が
良好で、剥離強度が高い。さらに本発明の熱可塑性樹脂
複合体は、金属等の支持具を使用していないので、不要
になった複合材はそのまま破砕し、擬木、支柱、外溝資
材としてリサイクル使用できる。
【0023】
【実施例】次に本発明の熱可塑性樹脂複合体を実施例に
て詳述するが、本発明はその要旨を逸脱しないかぎり、
以下の実施例に限定されるものではない。 〈塩素化ポリエチレンエラストマー組成物の調製〉表−
1に示した原料の塩素化ポリエチレン、可塑剤、ポリ塩
化ビニル及び充填剤それぞれを表−3に示す量(重量
部)並びにBa−Zn系複合安定剤5重量部をヘンシェ
ルミキサーにて加熱混合し、これをジャケット温度12
0℃のバンバリーミキサーで80回転、3分間混練し
た。この時、組成物は180℃の樹脂温度で排出した。
該組成物をロールにてシート化し、シートカット法でペ
レット化した。またロールシートを180℃で5分間プ
レス成形し、所望の試験片を作成し、圧縮永久歪及び反
発弾性を測定した。
て詳述するが、本発明はその要旨を逸脱しないかぎり、
以下の実施例に限定されるものではない。 〈塩素化ポリエチレンエラストマー組成物の調製〉表−
1に示した原料の塩素化ポリエチレン、可塑剤、ポリ塩
化ビニル及び充填剤それぞれを表−3に示す量(重量
部)並びにBa−Zn系複合安定剤5重量部をヘンシェ
ルミキサーにて加熱混合し、これをジャケット温度12
0℃のバンバリーミキサーで80回転、3分間混練し
た。この時、組成物は180℃の樹脂温度で排出した。
該組成物をロールにてシート化し、シートカット法でペ
レット化した。またロールシートを180℃で5分間プ
レス成形し、所望の試験片を作成し、圧縮永久歪及び反
発弾性を測定した。
【0024】
【表1】 表−1 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 原料 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (1)塩素化ポリエチレン 塩素化度 結晶融解熱 結晶融点 DOP吸油量 (%) (cal/g) (℃) 31 8.3 118 50以上 ──────────────────────────────────── (2)可塑剤 ジ−2−エチルヘキシルフタレート ──────────────────────────────────── (3)ポリ塩化ビニル 重合法 重合度 懸濁重合 800 ──────────────────────────────────── (4)充填剤 炭酸カルシウム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 試験方法: (1)圧縮永久歪 JIS K6301に基づき、25
%圧縮、70℃、22時間の条件で測定。 (2)反発弾性 JIS K6301に基づき23℃
で測定。
%圧縮、70℃、22時間の条件で測定。 (2)反発弾性 JIS K6301に基づき23℃
で測定。
【0025】〈熱可塑性樹脂複合体の製法〉表−2に示
す硬質樹脂を用いて、上述の塩素化ポリエチレンエラス
トマー組成との共押出成形により複合体を製造した。4
0mmφ押出機にて硬質樹脂ペレットを、20mmφ押
出機にて塩素化ポリエチレンエラストマー組成物ペレッ
トを押出し、帯状異形硬質樹脂板(断面形状E字型幅1
6mm、厚さ1.5mm)の背の表面に塩素化ポリエチ
レンエラストマー組成物の帯状板(高さ10mm、厚さ
2mm)の一端が融着された擬E型断面の複合体を連続
共押出にて製造した。融着時のダイ温度は190℃であ
った。硬質樹脂と塩素化ポリエチレンエラストマー組成
物との融着強度をオートグラフを用いて180°剥離試
験にて評価し、表−3に示した。
す硬質樹脂を用いて、上述の塩素化ポリエチレンエラス
トマー組成との共押出成形により複合体を製造した。4
0mmφ押出機にて硬質樹脂ペレットを、20mmφ押
出機にて塩素化ポリエチレンエラストマー組成物ペレッ
トを押出し、帯状異形硬質樹脂板(断面形状E字型幅1
6mm、厚さ1.5mm)の背の表面に塩素化ポリエチ
レンエラストマー組成物の帯状板(高さ10mm、厚さ
2mm)の一端が融着された擬E型断面の複合体を連続
共押出にて製造した。融着時のダイ温度は190℃であ
った。硬質樹脂と塩素化ポリエチレンエラストマー組成
物との融着強度をオートグラフを用いて180°剥離試
験にて評価し、表−3に示した。
【0026】
【表2】 表−2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 硬質樹脂 曲げ弾性率 硬 度 (kg/cm2) ───────────────────────────────── 塩化ビニル系樹脂 ビニカD−2033*1 25000 70以上 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *1 硬質塩化ビニル系樹脂コンパウンド 三菱化学MKV(株)製
【0027】
【表3】 *1 値の高い方がパッキンとしての保持力が大きい。 *2 材料破壊 *3 オレフィン系熱可塑性エラストマー *4 押出成形時に剥がれてしまう。
【0028】上記の通り、オレフィン系エラストマーを
用いた硬質樹脂との複合体は、全く融着せず目的とする
成形品が得られない。一方、本発明の塩素化ポリエチレ
ンエラストマー組成物との複合体については成形外観も
良好で、融着強度も高く強固に接着している。
用いた硬質樹脂との複合体は、全く融着せず目的とする
成形品が得られない。一方、本発明の塩素化ポリエチレ
ンエラストマー組成物との複合体については成形外観も
良好で、融着強度も高く強固に接着している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/00 CEU C08J 5/00 CEU C08L 23/28 LDA C08L 23/28 LDA 27/06 LEQ 27/06 LEQ // B29D 31/00 7726−4F B29D 31/00
Claims (10)
- 【請求項1】 JIS K7203に基づく曲げ弾性率
が1000kg/cm2以上の値を有する塩化ビニル系樹脂、
塩素化塩化ビニル系樹脂またはこれらの混合物からなる
硬質樹脂と、塩素化度20〜45重量%、結晶融解熱量
5〜35cal/g である結晶性塩素化ポリエチレン100
重量部に可塑剤5〜200重量部及び塩化ビニル系樹脂
5〜100重量部を配合した塩素化ポリエチレンエラス
トマー組成物とが複合されてなる熱可塑性樹脂複合体。 - 【請求項2】 塩素化ポリエチレンがジ−2−エチルヘ
キシルフタレート(DOP)を油として用いたときの吸
油量が25以上のものである請求項1記載の熱可塑性樹
脂複合体。 - 【請求項3】 塩素化ポリエチレンエラストマー組成物
がテトラヒドロフラン(THF)不溶解架橋成分を含む
ゴム物質を含有する請求項1または請求項2記載の熱可
塑性樹脂複合体。 - 【請求項4】 ゴム物質がTHF不溶解架橋成分20重
量%以上のアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(N
BR)である請求項3記載の熱可塑性樹脂複合体。 - 【請求項5】 塩素化ポリエチレンエラストマー組成物
が充填剤を含有する請求項1及至請求項4いずれかの項
に記載の熱可塑性樹脂複合体。 - 【請求項6】 硬質樹脂と塩素化ポリエチレンエラスト
マー組成物を共押出成形することを特徴とする請求項1
及至請求項5いずれかの項に記載の熱可塑性樹脂複合体
の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1及至請求項5いずれかの項に記
載の熱可塑性樹脂複合体からなるガスケット。 - 【請求項8】 硬質樹脂からなる帯状または帯状異形成
形品面上に塩素化ポリエチレンエラストマー組成物から
なる帯状または帯状異形成形品の帯状端部が融着または
接着されてなる請求項7記載のガスケット。 - 【請求項9】 硬質樹脂と塩素化ポリエチレンエラスト
マー組成物からなるそれぞれの帯状または帯状異形成形
品の帯状端部同士が融着または接着されてなる請求項7
記載のガスケット。 - 【請求項10】 硬質樹脂と塩素化ポリエチレンエラス
トマー組成物を共押出成形することを特徴とする請求項
7及至請求項9いずれかの項に記載のガスケットの製造
方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22530095A JPH0966585A (ja) | 1995-09-01 | 1995-09-01 | 熱可塑性樹脂複合体 |
DE69601449T DE69601449D1 (de) | 1995-09-01 | 1996-08-12 | Thermoplastischer Kunststoffverbund |
US08/695,438 US5914195A (en) | 1995-09-01 | 1996-08-12 | Thermoplastic resin composite |
EP96112959A EP0761754B1 (en) | 1995-09-01 | 1996-08-12 | Thermoplastic resin composite |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22530095A JPH0966585A (ja) | 1995-09-01 | 1995-09-01 | 熱可塑性樹脂複合体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0966585A true JPH0966585A (ja) | 1997-03-11 |
Family
ID=16827186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22530095A Pending JPH0966585A (ja) | 1995-09-01 | 1995-09-01 | 熱可塑性樹脂複合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0966585A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000080230A (ja) * | 1998-09-04 | 2000-03-21 | Takiron Co Ltd | 難燃性塩化ビニル樹脂成形体 |
-
1995
- 1995-09-01 JP JP22530095A patent/JPH0966585A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000080230A (ja) * | 1998-09-04 | 2000-03-21 | Takiron Co Ltd | 難燃性塩化ビニル樹脂成形体 |
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