JPH11236473A - 熱可塑性エラストマー - Google Patents

熱可塑性エラストマー

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Publication number
JPH11236473A
JPH11236473A JP10041617A JP4161798A JPH11236473A JP H11236473 A JPH11236473 A JP H11236473A JP 10041617 A JP10041617 A JP 10041617A JP 4161798 A JP4161798 A JP 4161798A JP H11236473 A JPH11236473 A JP H11236473A
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JP
Japan
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weight
thermoplastic elastomer
parts
propylene
phosphite
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Pending
Application number
JP10041617A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Mori
弘之 盛
Yoshikazu Tanaka
良和 田中
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Mitsubishi Chemical MKV Co
Original Assignee
Mitsubishi Chemical MKV Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮永久歪、耐候性、成形性、着色性、熱安
定性、機械的物性等の優れた諸物性を兼ね備えた熱可塑
性エラストマーを提供する。 【解決手段】 結晶性塩素化ポリエチレン100重量
部、プロピレン系樹脂10〜200重量部、ハイドロタ
ルサイト類1〜20重量部、エポキシ化合物1〜5重量
部、ホスファイト化合物0.1〜5重量部を主成分とす
る熱可塑性エラストマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、圧縮永久歪、耐候性、
成形性、着色性、熱安定性、機械的強度に優れた熱可塑
性エラストマーに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマーは、例えば、オレ
フィン系、スチレン系、エステル系、塩化ビニル系等の
各種エラストマーが挙げられ、これらエラストマーは、
ゴム的弾性、着色性、意匠性に優れる理由から、自動
車、建材用のパッキング、自動車の内外装材、建材用部
品、雑貨等多方面にわたり使用されている。これら熱可
塑性エラストマーは、通常の熱可塑性プラスチックと同
じように射出成形、押出成形、ブロー成形、シート成
形、真空成形等各種成形ができ、且つ、架橋行程がない
ことから生産時間も短縮でき、バリ取り、磨きといった
作業もなくなるためコストダウンが可能になるメリット
も兼ねている。また、熱可塑性エラストマーから成形さ
れた成形品は、ゴムに類似した弾性挙動を示し、ゴム部
品に変わる材料として注目されている。そして、最近、
熱可塑性エラストマーは、ゴムの代替だけではなく、意
匠性も重視する傾向が強くなってきており、例えば、シ
ール部材等はカラー化して用いられるようになってき
た。
【0003】このように熱可塑性エラストマーを使用す
ることによって、着色性、耐候性が良好な成形品ができ
るようになってきたが、上述の熱可塑性エラストマー
は、種類によって圧縮永久歪、耐候性、成形性等の諸物
性が異なり、例えば、圧縮永久歪、耐候性を必要とする
シール部材等としては十分に機能しないことがあり、使
用部位を限定して用いられているのが現状である。
【0004】例えば、オレフィン系及びスチレン系の熱
可塑性エラストマーは、押出成形時において、溶融伸度
が低いために、特に異形押出成形において引き取りが難
しく、また表面平滑性に優れた成形品が得られ難い。動
的架橋したオレフィン系熱可塑性エラストマーは、圧縮
永久歪が比較的良好であるが、透明性が劣る(いわゆ
る、隠蔽性がある)ために、メタリック、蛍光色等の着
色において明瞭な着色性に欠ける。また、エステル系熱
可塑性エラストマーは、押出成形時における伸張粘度が
小さいために、ドローダウンが大きく、押出成形が困難
である。塩化ビニル系熱可塑性エラストマーは、良好な
押出成形性、着色性を示すが、圧縮永久歪が比較的大き
いという欠点がある。
【0005】塩化ビニル系熱可塑性エラストマーは、部
分架橋ニトリルゴムを添加して圧縮永久歪を改良する方
法が提案されているが、ニトリルゴムは耐候性に劣り、
隠蔽性があるためにメタリック等のカラー化ができない
のが現状である。このように熱可塑性エラストマーは、
種類によって特性が異なっている。すなわち、熱可塑性
エラストマーが使われてきたとは言え、優れた圧縮永久
歪、耐候性、成形性、着色性、熱安定性、機械的強度等
の諸物性を兼ね備えた熱可塑性エラストマーはないのが
現状であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述の
現状に鑑み、圧縮永久歪、耐候性、成形性、着色性、熱
安定性、機械的強度の諸物性に優れた熱可塑性エラスト
マーを得るべく鋭意検討した結果、特定の塩素化ポリエ
チレン、プロピレン系樹脂、ハイドロタルサイト類、エ
ポキシ化合物及びホスファイト化合物を主成分とする組
成物が上記目的を達成しうることを見出し、本発明を完
成するに到った。すなわち、本発明の目的は、圧縮永久
歪、耐候性、成形性、着色性、熱安定性、機械的物性等
の優れた諸物性を兼ね備えた熱可塑性エラストマーを提
供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
とするところは、結晶性塩素化ポリエチレン100重量
部、プロピレン系樹脂10〜200重量部、ハイドロタ
ルサイト類1〜20重量部、エポキシ化合物1〜5重量
部、ホスファイト化合物0.1〜5重量部を主成分とす
る熱可塑性エラストマーにある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性エラストマーを
詳述する。本発明の熱可塑性エラストマーの構成成分で
ある結晶性塩素化ポリエチレンは、特に限定されるもの
ではないが、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低
密度ポリエチレン(LLDPE)、分岐状ポリエチレン
(LDPE)等エチレン単独重合体又はエチレンとそれ
に共重合可能な単量体との共重合体を後塩素化して得ら
れたものである。後塩素化に用いられるポリエチレン
は、その重量平均分子量が、通常、10〜75万の範囲
にあるものから選択され、特に15〜60万の範囲にあ
るものが望ましい。
【0009】塩素化ポリエチレンの塩素化前のポリエチ
レンの重量平均分子量が小さいものは、熱可塑性エラス
トマーの引張り強さ等の機械的物性が劣り、又、後述の
可塑剤の吸収性が悪く、ブリードアウトが起き易くな
る。重量平均分子量が大きすぎると、熱可塑性エラスト
マーの溶融粘度が大きくなるために均一混合が出来ず、
熱可塑性エラストマーから得られる成形品の外観も劣る
ようになる。
【0010】結晶性塩素化ポリエチレンの塩素化度(塩
素含有量)は、20〜45重量%、好ましくは25〜4
0重量%の範囲にあるのが望ましい。塩素化ポリエチレ
ンの塩素化度が20%未満では後述する可塑剤との相溶
性が悪く、可塑剤がブリードしやすく、一方、45%を
越えるとゴム弾性が低下し、目的とする圧縮永久歪及び
伸び等の機械的物性が得られない。
【0011】さらに、結晶性塩素化ポリエチレンは、そ
の結晶性、即ちポリエチレンの結晶残量を示すDSC法
による結晶融解熱量が、5〜35cal/g、好ましく
は5〜25cal/gの範囲にあるものが望ましい。結
晶融解熱量が5cal/g未満になると圧縮永久歪の改
良効果が失われるために、変形し易くなり、一方、35
cal/gを越えると硬度を低くするのが難しくなる。
【0012】DSC(示差走査熱量測定)法結晶融解熱
量とは示差熱量計を用い、昇温速度10℃/minで測
定したDSCチャートの全結晶ピーク面積より計算した
値をいい、また後述のDSC法結晶融点とは、DSC法
結晶融解熱量測定時の全結晶ピーク中の最高ピークを示
す温度である。本発明で使用する結晶性塩素化ポリエチ
レンの結晶融点は、通常110〜140℃の範囲にあ
る。
【0013】本発明で用いる結晶性塩素化ポリエチレン
は、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)の吸
油量が25以上であるのが望ましい。DOPの吸油量と
は23℃の温度条件下で塩素化ポリエチレン粉末100
gにDOPを少しずつ加えながら撹拌し、塩素化ポリエ
チレン粉末が団子状の塊になるDOPの添加容量をml
数で表し、DOP吸油量25以上とは、DOPを25m
l添加してもなお塊にならず粉末状を呈しているもの、
または固まったように見えても、僅かな力、衝撃でもっ
て分散することを意味している。測定法は、JIS K
5101に準じて行った。
【0014】本発明の熱可塑性エラストマーの構成成分
であるプロピレン系樹脂は、エラストマーの成形性を改
良する目的で添加される。プロピレン系樹脂としては、
プロピレンホモ重合体、プロピレンとα−オレフィンと
の共重合体等が使用できる。これらプロピレン系樹脂の
中でも、特にプロピレン99〜80重量%とプロピレン
以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィン1〜20重
量%とのランダム共重合体で、かつメルトフローレート
(MFR、条件:230℃、2.16kg荷重)が0.
01〜100g/10分の範囲にあるものが、単独重合
体やブロック共重合体に比し、透明性が高く(隠蔽性が
小さい)、同時に結晶性塩素化ポリエチレンとの相溶性
が優れており好んで用いられる。
【0015】プロピレン系樹脂は、結晶性塩素化ポリエ
チレン100重量部に対して、5〜200重量部の範囲
で適宜添加することができ、プロピレン系樹脂の添加に
より熱可塑性エラストマーの溶融粘度及び硬度の調整が
可能である。
【0016】本発明の熱可塑性エラストマーの構成成分
であるハイドルタルサイト類は、マグネシウムとアルミ
ニウムとの複塩であり、マナセナイト等の天然鉱石を粉
砕したもの、又は合成によって得られたものが使用さ
れ、次の一般式(1)で表される。
【0017】
【化1】 Mg1-X Alx (OH)2 n- x/n ・mH2 O (1) 式中、An-は、n価のアニオンの1種以上を示す。 xは、0.2≦x≦0.5を満足する正の数 nは、0≦m<1を満足する正の数 上記An-のn価のアニオンとしては、ClO4 - 、CH
3 COO- 又はCO3 2 -等が挙げられる。又、xは、特
に0.3≦x≦0.4を満足する正数であるのが好まし
い。
【0018】ハイドロタルサイト類は、ステアリン酸ナ
トリウム、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸の金属
塩、ワックス、チタン又はシラン系カップリング剤等で
表面処理されていても良い。ハイドロタルサイト類の添
加量は、結晶性塩素化ポリエチレン100重量部に対し
て0.1〜20重量部の範囲で用いられる。これらハイ
ドロタルサイト類は、本発明の熱可塑性エラストマーの
加工時における塩酸捕捉の効果をもたらし、後述のエポ
キシ化合物及びホスファイト化合物の作用と相俟って、
透明性を損なわず、熱安定性、耐候性を改良する。
【0019】本発明の熱可塑性エラストマーは、上述の
通り、ハイドロタルサイト類とエポキシ化合物を併用す
ることが必須である。エポキシ化合物は、分子内にエポ
キシ基(オキシラン環)を有する化合物であり、エポキ
シ化植物油、エポキシ化動物油、エポキシ化脂肪酸エス
テル、エポキシ化脂環化合物、ビスフェノールAジグリ
シジルエーテル、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げら
れるが、特にエポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、
エポキシ化サフラワー油、エポキシ化ひまわり油、エポ
キシ化トウモロコシ油等のエポキシ化植物油類が好まし
く、その中でもオキシラン酸素濃度6%以上のエポキシ
化大豆油、エポキシ化アマニ油が好んで用いられる。添
加量は1〜5重量部であり、添加量が1重量部未満では
安定剤としての効果が発揮されず、また添加量が多いと
ブリードし易くなる。
【0020】本発明の熱可塑性エラストマーにおいてハ
イドロタルサイト類及びエポキシ化合物と共に用いられ
るホスファイト化合物は、下記の式(2)で表されるモ
ノホスファイト、ジホスファイト及びトリホスファイト
が用いられる。
【0021】
【化2】 [式中、R1 、R2 及びR3 は、水素原子、炭素原子数
1〜20個を有するアルキル基または炭素原子数6〜1
4個のアリール基をそれぞれ示し、それぞれが同一であ
っても、互いに異なっていてもよい。ただし、R1 、R
2 及びR3 の全てが、水素原子であることはない。]
【0022】また、式(2)で表されるホスファイト化
合物のR1 、R2 、R3 のいずれか2つの置換基が環を
形成した化合物又は置換基が分子間結合したオリゴマー
構造の化合物であるオリゴホスファイトであっても良
い。ホスファイト化合物の具体例としては、例えば、ト
リフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスフ
ァイト、トリス(o−シクロヘキシルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(p−ノニルフェニル)ホスファイト、
トリ(モノノニル/ジノニルフェニル)ホスファイト、
ジフェニル−p−ノニルフェニルホスファイト、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等の
トリアリールホスファイト類、イソオクチルジフェニル
ホスファイト、イソデシルジフェニルホスファイト、ラ
ウリルジフェニルホスファイト、フェニルジイソデシル
ホスファイト、フェニルジラウリルホスファイト等のア
ルキルアリールホスファイト類、トリイソオクチルホス
ファイト、トリイソデシルホスファイト、トリラウリル
ホスファイト、トリオレイルホスファイト等のトリアル
キルホスファイト類、
【0023】ビスフェノールAテトラC12-15 アルキル
ジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジ
ホスファイト、2−t−ブチル−α−(3−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルビス(p−
ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエ
リスリトルジホスファイト、ジノニルフェニルジペンタ
エリスリトールジホスファイト等のオリゴホスファイト
類等が挙げられ、これら一種または二種以上を混合して
使用する。
【0024】ホスファイト化合物の配合量は、結晶性塩
素化ポリエチレン100重量部に対して0.1〜5重量
部、好ましくは0.2〜3重量部の範囲が適当である。
ホスファイト化合物は、上述のように、エポキシ化合物
やハイドロタルサイト化合物と相俟って熱安定性、耐候
性を向上する効果を奏する。
【0025】本発明の熱可塑性エラストマーには、それ
に柔軟性を付与し、成形性を向上させる目的で可塑剤を
添加しても良い。可塑剤は、塩化ビニル系樹脂に用いら
れるものなら特に限定されるものではなく、例えば、ジ
−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフ
タレート、ジイソデシルフタレート、ジブチルフタレー
ト、ジヘキシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑
剤;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の
直鎖二塩基酸エステル系可塑剤;トリメリット酸エステ
ル系可塑剤;ポリエステル系高分子可塑剤;トリフェニ
ルホスフェート、トリキシリルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤が挙げら
れ、これら一種または二種以上を混合して使用する。
【0026】可塑剤の使用量は、上述した各種構成成分
又は後述する併用される添加剤の種類、添加量あるいは
目的とする製品の硬度によって適宜決定されるが、塩素
化ポリエチレン100重量部に対して200重量部まで
の範囲から選択され、好ましくは10〜150重量部の
範囲である。可塑剤の添加量が、少なすぎると低硬度の
ものが得られないので、硬度に応じて必要量添加し、
又、多すぎるとブリード現象を抑えることが難しくな
る。
【0027】本発明の熱可塑性エラストマーには、該エ
ラストマーの諸物性を損なわない範囲で、必要に応じて
更に、安定剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡
剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤を配合してもよい。
【0028】本発明の熱可塑性エラストマーは、結晶性
塩素化ポリエチレン、プロピレン系樹脂、ハイドロタル
サイト類、エポキシ化合物及びホスファイト化合物並び
に必要に応じて各種添加剤を、結晶性塩素化ポリエチレ
ンまたはプロピレン系樹脂の結晶融点以上の温度に加熱
しながら剪断力下混練することによって製造される。
【0029】本発明の熱可塑性エラストマーは、エラス
トマー製造に際して、先ず、結晶性塩素化ポリエチレ
ン、ハイドロタルサイト類、エポキシ化合物及びホスフ
ァイト化合物並びに必要に応じ可塑剤、各種添加剤を予
め加熱混練した後に、プロピレン系樹脂を投入し、さら
に均一に加熱混練する方法を採用するのが望ましい。こ
の方法を採用することにより、熱可塑性エラストマーか
ら製造した成形品の引張強度等の機械的物性を向上させ
ることができる。
【0030】混練時の加熱条件は、具体的には、150
〜200℃、好ましくは160〜190℃の範囲が望ま
しい。樹脂成分の結晶融点よりも低い温度での混練は、
各樹脂成分が均一に溶融分散せず、該熱可塑性エラスト
マーから成形した成形品の引張り強さ、伸び等の改良効
果を充分に発揮させるのが難しく、又、上記範囲よりも
高い温度での混練では、塩素化ポリエチレンが分解劣化
するおそれがある。加熱混練に用いる装置は、例えば、
単軸押出機、二軸押出機、コニーダー、バッチ式の加圧
ニーダー、バンバリミキサー等が挙げられる。
【0031】本発明の熱可塑性エラストマーは、射出成
形機、単軸押出成形機、二軸押出成形機、圧縮成形機、
カレンダー加工機等の成形機でもって、自動車等車輌用
内外装材、建築用内外装材、自動車等車輛、電気機器、
建築物等のガスケット(パッキング、目地剤、シール材
を含む)、雑貨等の各種成形品にされる。中でも、押出
成形品で本発明の効果が充分に発揮される。
【0032】
【実施例】次に本発明の熱可塑性エラストマーを実施例
にて詳述するが、本発明はその要旨を逸脱しないかぎ
り、以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1〜8、比較例1〜5 <熱可塑性エラストマーの調製>表−1に示した種類の
塩素化ポリエチレン100重量部に、表−1に示した種
類及び量のプロピレン系樹脂並びに表−1に示した量の
可塑剤(ジ−2−エチルヘキシルフタレート)、ハイド
ロタルサイト、エポキシ化合物、ホスファイト化合物及
びステアリン酸鉛、更にステアリン酸1重量部及びメタ
リック顔料2重量部を、ジャケット温度150℃のバン
バリーミキサーに投入し、樹脂温度が180℃になるま
で混練を行い、均一混練物を得た。この混練物をミルロ
ールに移してシート化し、シートカット法でペレット化
して熱可塑性エラストマーを得た。該熱可塑性エラスト
マーを180℃の温度で圧縮成形して所定の試験片を作
成し、圧縮永久歪、耐候性、着色性、熱安定性の各試験
に供し、その結果を表−1に併記した。又、押出成形性
試験は、ペレット状熱可塑性エラストマーそのままを使
用した。
【0033】 <使用原料> 塩素化ポリエチレン; 塩素含有量 結晶融解熱量 塩素化前ポリエチレン分子量 CPE−1: 30重量% 7cal/g 350000 CPE−2: 25重量% 12cal/g 180000 CPE−3: 35重量% 7cal/g 180000
【0034】 プロピレン系樹脂; PP−1:プロピレン−エチレンランダム共重合体 エチレン含有量3.2重量%、MFR 5g/10分 PP−2:プロピレン−エチレンランダム共重合体 エチレン含有量3.1重量%、MFR20g/10分
【0035】ハイドロタルサイト:Mg0.7 Al
0.3 (OH)2 (CO3 0.15・0.5H 2 O エポキシ化合物:エポキシ化大豆油 ホスファイト化合物:ビスフェノールAテトラC12-15
アルキルジホスファイト
【0036】物性評価は次の方法で行った。 <試験方法> 圧縮永久歪:JIS K6301に準拠。圧縮率25%、70℃、22時間で 行った。 耐候性:サンシャインウエザロメーター(スガ試験機製、WEL−SUN−D C−B型)を用い、ブラックパネル温度63℃、サイクル60分間中 12分間降雨、500時間後の変色及び亀裂の有無を観察。 判断 ○ 変色、亀裂はなく、外観変化は認められない。 △ 変色、亀裂が僅かに認められる。 × 変色、亀裂が発生、明らかに外観変化が認められる。
【0037】 着色性:軟質塩化ビニルのメタリック色との比較で判断を行った。 判断 ○ 軟質塩化ビニル樹脂と同様のメタリック感がある。 △ ややメタリック感が劣る。 × メタリック感が認められない。 熱安定性:JIS K6723の熱安定性試験に準拠し、温度は200℃で行 い、コンゴーレッド試験紙の先端が明瞭な青に変色するまでの時間 を測定。
【0038】 押出成形性:図1に示す成形品断面形状を有する押出成形用ダイスを装着した 40mmφ、L/D=22のフルフライトスクリュー押出機を用 いてダイ温度180℃の条件で押出成形品を製造し、ダイス形状 に対する成形品の断面形状を観察。 判断 ○ 同一形状 △ ダイス形状に近い断面形状 × 変形
【0039】
【表1】
【0040】実施例9〜12 実施例6において、可塑剤の量を表−2に換えた組成に
ついて、プロピレン系樹脂を除いた配合成分を混練した
後、プロピレン系樹脂をを添加してさらに混練して得ら
れた熱可塑性エラストマー(後仕込み)と全組成を一緒
に混練した熱可塑性エラストマー(同時)との機械的強
度の比較を行い、結果を表−2に併記した。後仕込みの
混練条件は、プロピレン系樹脂添加時期を樹脂温度が1
50℃になった時にしたほかは、実施例6と同様にし
た。機械的強度測定用の試験片は、180℃の温度で圧
縮成形して作成した。
【0041】<試験方法> 機械的強度:JIS K6301に準拠し、引張り強
さ、伸び、100%モジュラスを測定した。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマーは、結晶
性塩素化ポリエチレン、プロピレン系樹脂、ハイドロタ
ルサイト類、エポキシ化合物、ホスファイトを主成分と
することにより、圧縮永久歪、耐候性、成形性、着色性
を改良することができる。また、本発明の熱可塑性エラ
ストマーを製造するに際して、結晶性塩素化ポリエチレ
ン、ハイドロタルサイト類、エポキシ化合物、ホスファ
イト化合物を予め混練した後に、プロピレン系樹脂を添
加して混練する事により、機械的強度を向上させること
ができる。従って、本発明の熱可塑性エラストマーは、
自動車のパッキング類をはじめ、ドアーモール、グラス
ランチャンネル、ウエザーストリップ等の外装部品、ド
アー表皮、グリップ等の内装部品、電気部品、建材、工
業用ガスケット等の用途に使用され、長期間にわたって
その効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】押出成形用ダイスの正面図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 63:00) (C08K 13/02 3:26 5:524) (C08K 13/02 3:26 5:00) (C08L 23/10 23:28 63:00)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性塩素化ポリエチレン100重量部、
    プロピレン系樹脂10〜200重量部、ハイドロタルサ
    イト類1〜20重量部、エポキシ化合物1〜5重量部、
    ホスファイト化合物0.1〜5重量部を主成分とする熱
    可塑性エラストマー。
  2. 【請求項2】結晶性塩素化ポリエチレン100重量部当
    たり、可塑剤5〜200重量部を含有する請求項1記載
    の熱可塑性エラストマー。
  3. 【請求項3】結晶性塩素化ポリエチレンが、重量平均分
    子量10〜75万のポリエチレンを後塩素化したもの
    で、塩素含有量が20〜45重量%、DSC法による結
    晶融解熱量が5〜35cal/gの範囲である請求項1
    又は請求項2記載の熱可塑性エラストマー。
  4. 【請求項4】プロピレン系樹脂が、プロピレン99〜8
    0重量%とプロピレン以外の炭素原子数2〜20のα−
    オレフィン1〜20重量%とのランダム共重合体であ
    り、メルトフローレート(MFR)0.1〜100g/
    10分(230℃、2.16kg荷重)の範囲にある請
    求項1乃至請求項3いずれかの項に記載の熱可塑性エラ
    ストマー。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4いずれかの項に記載
    の熱可塑性エラストマーを製造する方法において、プロ
    ピレン系樹脂を除いた構成成分を予め加熱混練した後
    に、プロピレン系樹脂を投入して均一に混練することを
    特徴とする熱可塑性エラストマーの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006121183A1 (en) * 2005-05-11 2006-11-16 Showa Denko K.K. Elastomer composition
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