JP2000072835A - 粉末状グラフト共重合体の製造方法 - Google Patents
粉末状グラフト共重合体の製造方法Info
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Abstract
燥によってグラフト共重合体の粉末を製造する方法であ
って、その際ラテックス安定性等に何ら影響を与えるこ
となく、優れた特性、即ち塩化ビニル樹脂と溶融混練す
る際の熱安定性に優れ、さらに成形品の温水白化が起こ
らないような特性の粉末状グラフト共重合体を製造する
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 乳化重合によりグラフト共重合体ラテッ
クスを製造する際に、乳化剤および重合開始剤としてそ
れぞれ(a)アルキルベンゼンスルホン酸塩またはアル
キル硫酸エステル塩を主成分とする乳化剤、および
(b)硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウ
ム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートおよ
びハイドロパーオキサイドからなるレッドクス系開始剤
を用い、得られたラテックスを噴霧乾燥して粉末状グラ
フト共重合体を得る。
Description
体にメチルメタクリレート、スチレン等をグラフト重合
させたグラフト共重合体の製造に関し、さらに詳しく
は、塩化ビニル樹脂の耐衝撃性改質剤に好適なMBS
(メチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン)樹脂
を、乳化重合プロセスにより生成されたラテックスか
ら、噴霧乾燥法を用いて粉末回収を行う方法に関する。
して知られているMBS樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂
等の各種プラスチック製品の耐衝撃改質剤などに幅広く
使用されている。これらのMBS樹脂組成物の製造方法
としては、乳化重合法が一般的であり、塩化ビニル樹脂
と溶融混練するため、ラテックスからポリマーを乾燥粉
体として回収する必要がある。このラテックスからポリ
マー粉末を回収する方法の一つに、ラテックスを直接噴
霧し乾燥する方法がある。
体特性の優れた粉が得られることは公知であるが、次の
ような問題点が挙げられる。
ドックス触媒等の揮発性成分以外の全てのものが残留す
るため塩化ビニル樹脂粉末と溶融混練して成形した際、
熱により着色する現象が起こる。さらには、この成形品
を、温水中に浸漬すると、成形品中に残存した乳化剤の
溶出が原因と思われる白化現象が起こる。さらに、一般
にジエン系ポリマーはアクリル系ポリマーに比べて酸化
し易いことから、このようなジエン系ポリマーを含むM
BS樹脂は酸化しやすい。従って、溶融混練時に熱によ
る着色が少ない粉末状MBS樹脂を、噴霧乾燥により回
収することは非常に困難であった。
化ビニル樹脂用改質剤として用いるジエン系グラフト重
合体を、噴霧乾燥により回収する方法として、ポリマー
ラテックスに酸、塩等の液剤を混合してから噴霧乾燥す
る方法が記載されている。ここで使用されているジエン
系グラフト重合体は、ゴム含量、即ちジエン系ポリマー
の含有量が少ないため、ジエン系ポリマーに付随する悪
影響は少ない。従って、この方法でもある程度の加工性
および熱安定性の改良はなされているようである。しか
し、塩化ビニル樹脂用改質剤としては、ジエン系グラフ
ト重合体中のゴム含有量が多いほど耐衝撃性が優れてお
り、上記公報に記載の方法では、このようにゴム含有量
の多いジエン系グラフト重合体の場合は、満足できる性
質の粉末を噴霧乾燥により得ることは困難であった。
合することは、ラテックス安定性が低下し凝集物発生の
原因となる可能性がある。従って、噴霧乾燥の際にノズ
ル内が閉塞する原因になり、噴霧乾燥の連続運転を考え
た場合好ましくない。さらに、グラフト重合時に使用し
ている乳化剤のアビエチン酸Na塩は、本発明者の検討
によれば、熱安定性を改良する効果は小さかった。
テックスを直接噴霧乾燥によってグラフト共重合体の粉
末を製造する方法であって、その際ラテックス安定性等
に何ら影響を与えることなく、優れた特性、即ち塩化ビ
ニル樹脂と溶融混練する際の熱安定性に優れ、さらに成
形品の温水白化が起こらないような特性の粉末状グラフ
ト共重合体を製造する方法を提供することを目的とす
る。
の結果、乳化剤として特定の乳化剤を用い、重合開始剤
としてラジカル発生効率が良い特定のレドックス系開始
剤を用いることにより、溶融混練時の熱安定性低下およ
び成形品の温水白化を起こすことなく耐衝撃性を向上さ
せることのできる粉末状グラフト共重合体を噴霧乾燥に
より容易に製造できることを見いだし本発明に至った。
重合体ラテックスを製造し、得られた重合体ラテックス
を噴霧乾燥する粉末状グラフト共重合体の製造方法にお
いて、前記乳化重合の際に、以下の乳化剤(a)および
重合開始剤(b)を用いることを特徴とする粉末状グラ
フト共重合体の製造方法に関する。
酸塩またはアルキル硫酸エステル塩 重合開始剤(b):硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキ
シレートおよびハイドロパーオキサイドからなるレッド
クス系開始剤
とは、ブタジエン系重合体を幹ポリマーとして、これに
メチルメタクリレート単位、スチレン単位およびアクリ
ロニトリル単位からなる群より選ばれる少なくとも一種
からなる枝ポリマーをグラフト重合によりグラフトさせ
たものである。
ブタジエン、およびブタジエン単位が40重量%以上
(好ましくは60重量%以上)であるブタジエン−スチ
レン共重合体等を挙げることができる。
ルメタクリレート単位および/またはスチレン単位が好
ましく、枝ポリマー中に例えば80重量%以上含まれる
ことが好ましい。メチルメタクリレート単位とスチレン
単位の割合は、重量比で例えば30:70〜70:30
である。その他アルキルメタクリレート、アルキルアク
リレート、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化
合物等の単量体単位を共重合により含ませることができ
る。
の含有量は、特に制限はないが、塩化ビニル樹脂の耐衝
撃性の改善効果が十分に現れるためには、50〜85重
量%が好ましい。
スは、上記のグラフト共重合体のラテックスであり、幹
ポリマーとなるブタジエン系重合体を構成する各単量
体、および枝ポリマーを構成する各単量体を用いて、乳
化重合により製造する。このときの乳化重合方法や乳化
重合条件は、乳化剤および重合開始剤、並びにさらに好
ましい実施態様においては乳化分散剤として、後述する
ものを使用すること以外は特に制限はなく、従来公知の
方法や条件を用いることができる。好ましくは、噴霧乾
燥する際のラテックス安定性の面から、まずコアとなる
ブタジエン系重合体を乳化重合により製造してラテック
スを製造し、そのラテックスを用いてそのコアにメタク
リル酸メチル及びスチレンなどを一段階又は2段階以上
かけて乳化重合によりグラフト重合を行ってグラフト共
重合体ラテックスを製造する。また、必要により架橋
剤、連鎖移動剤を併用することも可能である。
合およびグラフト重合の際に、乳化剤および重合開始
剤、並びにさらに好ましい実施態様においては乳化分散
剤として、次のようなものを用いる。
ルキルベンゼンスルホン酸塩またはアルキル硫酸エステ
ル塩を使用することが必須である。このときアルキルベ
ンゼンスルホン酸塩またはアルキル硫酸エステル塩の量
は、例えば乳化剤中の50重量%以上であり、好ましく
は70重量%以上である。
特に制限はないがドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムが好ましい。また、アルキル硫酸エステル塩として
は、ラウリル硫酸ナトリウムが好ましい。
フト共重合体を構成する単量体100重量部に対して、
1.0〜4.0重量部が好ましい。1.0重量部以上に
することによりラテックスの安定性が向上し、4.0部
を超えるとラテックスの泡立ちが多くなる。
は、ラテックスの重合時間を短くすること及び安定に重
合を行う上で、乳化分散剤を併用することが好ましい。
乳化分散剤としては、アルキルナフタレンスルフォン酸
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ナフタレン
スルホン酸ホルマリン縮合物の塩、およびポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテルが好ましい。塩の種類は
特に制限はないが、ナトリウム塩が好ましい。また、ナ
フタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩としては、例
えばβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩を挙
げることができる。
キルベンゼンスルホン酸塩またはアルキル硫酸エステル
塩)100重量部対して0.1〜30重量部が好まし
い。
法は、重合開始時に全量添加する方法、重合開始時と重
合途中に一括または連続的に分割して添加する方法等な
どいずれの条件でも可能である。乳化状態により適宜選
ぶことが好ましい。さらに、通常はブタジエン系重合体
ラテックスを用いてグラフト重合を行うので、これらの
乳化剤および乳化分散剤をブタジエン系重合体ラテック
スの製造時に全量添加するようにすればよいが、その後
のグラフト重合時に一部を添加するようにしてもいずれ
でもよい。この場合も乳化状態により適宜選ぶことが好
ましい。
は、過酸化物と一種以上の還元剤を組み合わせた開始剤
系であり、本発明においてはハイドロパーオキサイドと
硫酸第一鉄、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレ
ート及びキレート剤のエチレンジアミン四酢酸二ナトリ
ウムの組み合わせが必須である。
重量部に対して、硫酸第一鉄の使用量は0.0001〜
0.001重量部が好ましく、エチレンジアミン四酢酸
二ナトリウムの使用量は0.0003〜0.003重量
部が好ましく、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシ
レートの使用量は0.05〜5.0重量部が好ましい。
それぞれこの範囲内の使用量とすることで、重合速度も
十分で、かつ溶融混練時の熱安定性も十分に向上する。
いられるものを使用することができるが、例えばジイソ
ピロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、p−メンタン
ハイドロパーオキサイド、キュメインハイドロパーオキ
サイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、メチルシ
クロヘキシルハイドロパーオキサイド、および1,1,
3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等
を挙げることができる。 レドックス系開始剤の添加
は、レドックス系開始剤のすべての成分を同時に添加す
ることも可能ではあるが、通常はハイドロパーオキサイ
ドを別途添加することが好ましく、それぞれ重合開始時
に全量添加する方法、重合開始時と重合途中に一括また
は連続的に分割して添加する方法等により添加すること
ができる。
の条件では、ブタジエン系重合体ラテックス製造時ばか
りではなく、グラフト重合時に一部を割り当てるように
することが好ましく、この場合グラフト重合時にすべて
のレドックス開始剤成分について一定量を添加するよう
にしても、一部の成分について一定量を添加するように
してもよく、それぞれの単量体の量や反応性を考慮して
適宜決めることができる。
を低減させることを目的として乳化重合の際に電解質を
添加することが可能である。この際に添加する電解質の
種類としては、特にピロリン酸ナトリウムが好ましく、
添加する電解質の量は、グラフト共重合体を構成する単
量体100重量部に対して0.05〜0.5重量部の範
囲が好ましい。0.05重量部未満では、ラテックスの
減粘効果が充分でないことがあり、0.5重量部を超え
ると重合中に凝集物の発生が起こる場合がある。 次
に、このようにして得たグラフト共重合体ラテックスを
噴霧乾燥により乾燥する。噴霧乾燥は、ラテックスを微
小粒滴状に噴霧し、これに熱風を当てて乾燥するもので
あり、用いられる装置としては特に制限はないが、例え
ば回転円盤型アトマイザー、圧力ノズル型アトマイザ
ー、二流体ノズル型アトマイザー等を使用することがで
きる。条件等は適宜選択することができるが、装置内に
導入する熱風の温度(熱風入り口温度)、即ち粉末状ジ
エングラフト共重合体に接触し得る熱風の最高温度は2
00℃以下が好ましく、特に好ましくは140〜180
℃である。
も良いが、複数のラテックスの混合物であっても良い。
また、乾燥機内での酸化防止のため噴霧するラテックス
に適当な酸化防止剤や添加剤等を加え,噴霧乾燥するこ
ともできる。更には、噴霧乾燥時の、ブロッキング、嵩
比等の粉体特性を向上させるためシリカ、タルク、炭酸
カルシウム、などの無機質充填剤やポリアクリレート、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等を添加し
て噴霧乾燥することもできる。
なお,実施例、比較例中の「部」および「%」は特にこ
とわりがない限り、それぞれ「重量部」および「重量
%」を表すものである。
ックスの合成(1)を行い、そのゴムラテックスを使用
してグラフトラテックスの合成(2)を行った。得られ
たグラフトラテックス(2)を噴霧乾燥した粉末(3)
を用い各種物性(4)の評価を行った。評価結果を表1
に、ブタジエン系重合体ラテックスの重合時における、
単位時間当たりの重合率変化の結果を表2に示す。
の合成 下記の初期仕込物質を70Lオートクレーブ(実用耐圧
0.6MPaG)に仕込み攪拌しながら43℃まで昇温
した。43℃になったところで、下記の触媒(レッドク
ス系開始剤からハイドロパーオキサイドを除いたもの)
を反応器内に投入して重合を開始した。その後70℃ま
で昇温し、重合開始0.5時間から1.5時間かけて下
記の追加乳化剤・乳化分散剤を連続添加し、また重合開
始2.5時間、3.0時間、3.5時間後にさらに下記
の追加ハイドロパーオキサイドを追加添加した。そし
て、重合転化率97%に達した時点で重合を終了した。
分として)フラスコに仕込み、窒素置換した後、ナトリ
ウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.1部を添加
し、内温を75℃に昇温した。その後、グラフト1段目
単量体を50分かけて連続添加した。その後60分保持
した後、グラフト2段目単量体を60分かけて連続添加
した。その後120分保持した後、グラフト3段目単量
体を10分かけて連続添加し90分保持し重合を終了し
た。 <1段目グラフトモノマー> メチルメタクリレート 8.64部 エチルメタクリレート 2.16部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.04部 <2段目グラフトモノマー> スチレン 16.2部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.06部 <3段目グラフトモノマー> メチルメタクリレート 3部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.02部 (3)噴霧乾燥 得られたグラフト共重合体ラテックス(2)に、トリエ
チレングリコール−ビス[3−(3−ターシャリーブチ
ル−5−メチル−4−ヒドロシフェニル)プロピオネー
ト]を0.21部およびジラウリル3,3’−チオジプ
ロピオネートを0.63部乳化分散させて添加し、小型
スプレードライヤー(NIRO JAPAN株式会社
製、直胴部高さ0.8m、直胴部内径1.5m、回転円
盤形アトマイザー)を用い、熱風入口温度150℃の条
件で噴霧乾燥を行い、粉末状MBS樹脂を製造した。
を行った。
混練温度185℃、回転数が前ロール14rpm、後ロ
ール16rpm、資料100gを混練し2.5分間隔で
25分までサンプリングし、熱により黄色く着色した度
合いをJIS K 7103(黄色度試験)に基づいて
評価した。
185℃で混練し、50kg/cm2、185℃で厚さ
1mmの試片をプレス成形した後、3cm×4cmに切
断し試片を作製した。この試片を、80℃温水中に浸積
し1時間後、3時間後にサンプリングし、浸漬前と浸漬
後の白化した度合いの差で評価した。なお、白化した度
合い(曇価)は、ASTM−D1003−61に基づい
て評価した。
系ゴム重合体ラテックスの合成で使用したドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムを、すべてラウリル硫酸ナト
リウムに変更した以外は実施例1と同条件で行った。熱
安定性、温水白化性の評価結果を表1に、ブタジエン系
重合体ラテックスの重合時における、単位時間当たりの
重合率変化の結果を表2に示す。
系ゴム重合体ラテックスの合成で、<追加乳化剤・乳化
分散剤>で使用したドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム量を1.25部に変更した以外は実施例1と同条件
で行った。熱安定性、温水白化性の評価結果を表1に示
す。
系ゴム重合体ラテックスの合成で、<追加乳化剤・乳化
分散剤>で使用したドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム量を3.3部に変更した以外は実施例1と同条件で
行った。熱安定性、温水白化性の評価結果を表1に示
す。
系ゴム重合体ラテックスの合成で、重合開始3.0時間
後に、さらに以下の物質(レッドクス系触媒の一部)を
追加添加した以外は実施例1と同条件で行った。熱安定
性、温水白化性の評価結果を表1に示す。 硫酸第一鉄 0.0006部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.00018部 脱イオン水 5.0部 [実施例6]実施例1の(1)ブタジエン系ゴム重合体
ラテックスの合成で、<追加乳化剤・乳化分散剤>で使
用したナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリ
ウム塩の量を0.45部に変更した以外は実施例1と同
条件で行った。熱安定性、温水白化性の評価結果を表1
に示す。
系ゴム重合体ラテックスの合成で使用するナフタレンス
ルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩を、すべてポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルに変更した以
外は実施例1と同条件で行った。熱安定性、温水白化性
の評価結果を表1に示す。
系ゴム重合体ラテックスの合成で使用したナフタレンス
ルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩を、すべて使
用しなかった以外は実施例1を繰り返した。熱安定性、
温水白化性の評価結果を表1に、ブタジエン系重合体ラ
テックスの重合時における、単位時間当たりの重合率変
化の結果を表2に示す。熱安定性、温水白化性は実施例
1と同等程度であったが、ゴム重合体ラテックスの重合
率が90%以上に達するまでに、実施例1、2に比較し
2倍の時間を必要とした。
エン系ゴム重合体ラテックスの合成で使用したドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムをすべて、アビエチン酸
Na塩(比較例1)、牛脂肪酸石鹸(比較例2)、アン
ケニルコハク酸カリウム(比較例3)にそれぞれ変更し
た以外は実施例1を繰り返した。熱安定性、温水白化性
の評価結果を表1に示す。
系ゴム重合体ラテックスの合成で使用したレッドクス系
触媒の一部(硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸二ナ
トリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレー
ト)を以下のものに変更した以外は実施例1を繰り返し
た。熱安定性、温水白化性の評価結果を表1に示す。 硫酸第一鉄 0.001部 含水結晶葡萄糖 0.2部 [比較例5]実施例1のブタジエン系ゴム重合体ラテッ
クスの合成(1)で使用したレッドクス系開始剤(パラ
メンタンハイドロパーオキサイド、硫酸第一鉄、エチレ
ンジアミン四酢酸二ナトリウム、ナトリウムホルムアル
デヒドスルホキシレート)をアゾ系の開始剤の4,4’
−アゾビス(4−シアノ吉草酸)0.3部に変更し、グ
ラフトラテックスの合成(2)で使用したナトリウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレートを使用せず、t−ブチ
ルハイドロパーオキサイドを1,1,3,3−テトラメ
チルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.
1部に変更した以外は実施例1を繰り返した。熱安定
性、温水白化性の評価結果を表1に示す。
直接噴霧乾燥によってグラフト共重合体の粉末を製造す
る際に、ラテックス安定性等に何ら影響を与えることな
く、優れた特性、即ち塩化ビニル樹脂と溶融混練する際
の熱安定性に優れ、さらに成形品の温水白化が起こらな
いような特性の粉末状グラフト共重合体を製造する方法
を提供することができる。
際に採用しうる条件が広がり、工程の簡略化・効率化が
可能になり、さらに成形品の使用範囲等を制限がなくな
り、広範囲の用途に用いることが可能になった。
Claims (3)
- 【請求項1】 乳化重合によりグラフト共重合体ラテッ
クスを製造し、得られた重合体ラテックスを噴霧乾燥す
る粉末状グラフト共重合体の製造方法において、前記乳
化重合の際に、以下の乳化剤(a)および重合開始剤
(b)を用いることを特徴とする粉末状グラフト共重合
体の製造方法。 乳化剤(a):アルキルベンゼンスルホン酸塩またはア
ルキル硫酸エステル塩 重合開始剤(b):硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキ
シレートおよびハイドロパーオキサイドからなるレッド
クス系開始剤 - 【請求項2】 前記乳化重合の際に、乳化分散剤(c)
として、 アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルジフェニ
ルエーテルジスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアル
キル硫酸エステル塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマリ
ン縮合物の塩、およびポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種を用
いることを特徴とする請求項1に記載の粉末状グラフト
共重合体の製造方法。 - 【請求項3】 前記硫酸第一鉄の使用量が、グラフト共
重合体を構成する単量体100重量部に対して0.00
01〜0.001重量部であることを特徴とする請求項
1または2記載の粉末状グラフト共重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10243712A JP2000072835A (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | 粉末状グラフト共重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10243712A JP2000072835A (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | 粉末状グラフト共重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000072835A true JP2000072835A (ja) | 2000-03-07 |
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ID=17107873
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---|---|---|---|
JP10243712A Pending JP2000072835A (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | 粉末状グラフト共重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000072835A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000086730A (ja) * | 1998-09-10 | 2000-03-28 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | グラフト共重合体粉体およびその製造方法 |
JP2006282905A (ja) * | 2005-04-01 | 2006-10-19 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 加工性改良剤および熱可塑性樹脂組成物 |
JP2007277529A (ja) * | 2006-03-15 | 2007-10-25 | Kaneka Corp | (メタ)アクリル系共重合体粉体、及びこれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物 |
-
1998
- 1998-08-28 JP JP10243712A patent/JP2000072835A/ja active Pending
Cited By (4)
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JP4676803B2 (ja) * | 2005-04-01 | 2011-04-27 | 三菱レイヨン株式会社 | 加工性改良剤および熱可塑性樹脂組成物 |
JP2007277529A (ja) * | 2006-03-15 | 2007-10-25 | Kaneka Corp | (メタ)アクリル系共重合体粉体、及びこれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物 |
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