JP2000071606A - 記録用紙 - Google Patents

記録用紙

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JP2000071606A JP10257509A JP25750998A JP2000071606A JP 2000071606 A JP2000071606 A JP 2000071606A JP 10257509 A JP10257509 A JP 10257509A JP 25750998 A JP25750998 A JP 25750998A JP 2000071606 A JP2000071606 A JP 2000071606A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フルカラー及び高速のインクジェット記録方
式、電子写真方式、熱転写記録方式において記録適性を
有しており、更に罫線等のオフセット印刷をすることが
できて、特にフルカラー及び高速インクジェット記録方
式において、内添サイズ剤等を付与した基紙の表面に水
溶性高分子を塗布することにより、水溶性インクが基紙
表面で横方向に拡がるのを抑制し、水溶性インクの染料
が紙の表面に定着されて水分が紙の厚さ方向に十分早く
吸収されると共に、水溶性インクの基紙への裏抜けが生
じなくて、記録文字・画像の発色濃度が高く、耐水性が
良好となる記録用紙を提供するものである。 【解決手段】 パルプ繊維の基紙中に、填料として無機
鉱物粉末、及び内添サイズ剤としてロジン系サイズエマ
ルジョンを含有し、該基紙表面に、水溶性高分子及び導
電剤を含有するサイズプレス液が、固形分において1.
0〜5.0g/m2の範囲で塗布されてなることを特徴
とする記録用紙である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性インクを用
いたフルカラー及び高速のインクジェット記録方式、フ
ルカラーの電子写真方式及び溶融型熱転写記録方式及び
オフセット方式等の軽印刷に適した普通紙タイプの記録
用紙に関するものである。特にフルカラー及び高速のイ
ンクジェット記録方式において、記録文字・画像の発色
濃度が高く、耐水性が良好な記録用紙を提供するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンの普及に伴い、パーソナ
ルユースのプリンタの普及が急速に伸びている。一方、
オフィス、事務所等のネットワーク化、OA化に伴い、
ビジネスユースのプリンタの普及も急速に伸びており、
その用途も多様化されている。更にスキャナー技術の進
歩やデジタルカメラの出現によって、より原画に近い再
生画像を得るために、パーソナルユース、ビジネスユー
スを問わず、プリンタの使用用途は拡がっている。
【0003】上記のプリンタの記録方式として、インク
ジェット記録方式、電子写真方式が一般的に採用されて
いる。更に最近、本体及びサプライ商品等のコスト面の
問題から伸び悩んでいた溶融型熱転写記録方式のプリン
タも、本体が安価で、熱転写インクリボン等のサプライ
商品の消費効率の良好な製品が開発されている。
【0004】ビジネスユースのプリンタでは、多色印
字、各種のデータの図表化等のプレゼン用の資料等に
は、安価で持ち運びの便利なインクジェット記録方式の
プリンタが導入され、複写又は高速のモノクロ印字には
電子写真方式の複写機を導入する等といったハードが併
用されている場合が多い。
【0005】上記プリンタの記録方式の内、インクジェ
ット記録方式はインクの吐出方法により、圧電素子を用
いてインクに機械的振動等を付与する方法、インクを加
熱することによりガス化させる方法等がある。これらの
方式に使用されるインクの設計は、その方式の違いによ
り差異があるのが普通である。このインクジェット記録
方式に使用される記録用紙には、記録した文字・画像の
滲みが発生しないこと、インクの裏抜けが発生しないこ
と、インクの乾燥性・定着性が十分であること、印字濃
度・彩度が高いこと、更に記録用紙の用途によっては画
像が水に濡れても流れ出さないこと等の特性が要求され
る。しかしながら、上記のようにインクジェットの記録
方式によりインクの設計が違うため、各々の記録方式の
インクに適合する専用紙の検討・開発が塗工紙及び普通
紙においてなされているのが通常である。
【0006】更に最近、レーザビームプリンタに替わる
印字方式として、印刷と同様巻取紙に直接、直列ノズル
連続インクジェット方式で印字を行い、それを高周波乾
燥装置でインク部を局所的に発熱させて乾燥するとい
う、いわば高速インクジェットプリンタが注目されてい
る。このインクジェットプリンタによれば、ランニング
コストが安く、最大300m/minにも達する高速印
字によって大量の情報処理が可能となる。このインクジ
ェットプリンタに使用される水溶性インクは、染料が5
〜6重量%で、その他の大部分が水分であり、誘電率が
高く、発熱に対する効率がよい。しかし、上記の乾燥装
置付の高速インクジェットプリンタで普通紙を印字した
場合、紙のインキ吸収性が大きいことに起因して、印字
の発色濃度が低下し、インクの滲み、裏抜けが生じてし
まう。また、この高速インクジェットプリンタでは、記
録用紙に可変データ等の印字を行う前に罫線等のオフセ
ット印刷等を施す場合が多く、ある程度の軽印刷適性も
記録用紙に要求される。
【0007】電子写真方式は、感光体の表面に選択的に
電荷を付与して、感光体の表面の電荷と逆極性の電荷を
持つトナーを感光体の表面の電荷が存在する部分に付着
させ、記録用紙をトナー層の上で用紙の裏面から電荷を
与えてトナーを紙に転写する方法である。この電子写真
方式に使用される記録用紙には、コピー品質を維持す
る、トナーの定着性及び転写性、走行性が良く、複写機
内で紙詰まりを起こさない、複写機内を汚染したり、感
光体を傷つけない等の特性が要求される。
【0008】又、溶融型熱転写記録方式は、熱溶融型イ
ンク層を有するインクリボンやインクシートをサーマル
ヘッドの発熱により溶融させ、色材を記録用紙に転移さ
せて記録像を得る方法である。溶融型熱転写記録方式
は、カラー記録が容易である、信頼性及び改竄防止性が
ある、普通紙記録が容易等の特徴がある。この溶融型熱
転写記録方式に使用される記録用紙には、平滑度、白色
度、不透明度、走行性、インク受理性が要求されるが、
この中でも特にインク受理性と表面の平滑性が重要であ
る。従来、普通紙タイプの溶融型熱転写記録用紙は、ワ
ープロ、ファックス等に使用される場合が多く、ある程
度表面を加工して、インク受理性及び平滑度を高めない
と、印字が見えにくい、見掛けの記録濃度が低くなる、
細線切れ、ベタ部の印字ムラが生じる等、幾つかの欠点
が現れる。
【0009】従来、上記のインクジェット記録方式にお
いても、フルカラー及び高速インクジェットプリンタで
は、使用される記録用紙に要求される品質が異なるた
め、各プリンタの要求品質に適合する専用紙が検討・開
発されているのが通常であり、フルカラー及び高速のイ
ンクジェット記録方式とフルカラーの電子写真方式及び
溶融型熱転写記録方式、オフセット方式等の軽印刷の要
求品質を、ある程度同時に満足するような記録用紙を提
供されることはなかった。
【0010】上記のプリンタの要求品質を一部満足する
普通紙タイプの記録用紙として、電子写真用転写紙とイ
ンクジェット記録用紙の両方の特性を兼ね備えた共用紙
に関する特許が出願後、公開されている。これらの特許
公開公報としては、特開平5−117921号公報、特
開平6−219038号公報、特開平7−156537
号公報、特開平7−276788号公報、特開平7−3
31593号公報、特開平8−22137号公報、特開
平8−30011号公報、特開平9−114123号公
報、特開平9−119091号公報及び特開平10−4
6498号公報が知られている。
【0011】特開平5−177921号公報に記載され
たものは、内添サイズ剤としてAKDを含有した紙のス
テキヒトサイズが10〜20秒である原紙に、紙表面に
スチレン−アクリル共重合物、ノナノール系浸透剤又は
ノニルフェノール系浸透剤、水溶性高分子を含有する表
面サイズ剤を塗布した記録用紙である。
【0012】特開平6−219038号公報に記載され
たものは、パルプ繊維及び填料を主体とし、記録液に浸
透防止剤を含んでなる記録紙であって、20℃、65%
RHにおける表面固有抵抗値が109〜1011Ω、記録
面の表面pHが6.5〜7.8及びブリストウ試験によ
り吸収係数Kα(m・sec1/2)が5.0〜10-6
5.0〜10-5の範囲にある記録用紙である。
【0013】特開平7−156537号公報に記載され
たものは、ブリストウ試験による水性インクの吸収係数
Kαが2900μl/m2・s1/2以下の液体吸収特性を
持ち、かつステキヒトサイズ度×吸油度の積の値が3.
0×103以下で、かつ炭酸カルシウムを含まない記録
用紙である。
【0014】特開平7−276788号公報に記載され
たものは、パルプ繊維基紙中に、少なくとも多孔性填料
を含有し、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤又は
高分子サイズを添加し、該基紙に澱粉とアクリル系樹脂
を含有する表面サイズ剤が塗布されてなる記録用紙であ
る。
【0015】特開平7−331593号公報に記載され
たものは、1種類以上の填料に、硫酸アルミニウム、ア
ニオン性又は中性ロジンエマルジョン系サイズ剤及び水
溶性アルカリ性塩を含む抄紙用パルプスラリーを持って
抄紙する中性紙である。
【0016】特開平8−22137号公報に記載された
ものは、内添サイズ剤として対パルプ0.2重量%〜
0.8重量%の中性ロジンサイズ剤を使用した原紙表面
に、アクリロニトリル/ビニルホルマール/アクリル酸
エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ス
チレン−メタアクリル酸共重合体からなる表面サイズ剤
を塗布してなる電子写真転写用紙で、5%インプロピル
アルコール水溶液の30秒コブサイズが14g/m2
下である電子写真用転写紙である。
【0017】また、特開平8−30011号公報に記載
されたものは、パルプスラリー中に填料として炭酸カル
シウム、内添サイズ剤として主成分にα−ヒドロキシカ
ルボン酸構造を有する非反応性エマルジョンサイズ剤を
添加して抄紙した原紙表面に、表面サイズ剤としてスチ
レン/アクリル酸系共重合体又はスチレン/メタアクリ
ル酸共重合体を0.01〜0.20g/m2塗工してな
る電子写真用転写紙である。
【0018】特開平9−114123号公報に記載され
ているのは、植物繊維からなる濾水度(CSF)600
ml以下のパルプを用い、填料としてふっ石水を含む化
合物に対絶乾パルプ当たり8重量%以上含有させて抄紙
したものであり、帯電電位の減衰特性における10%カ
ットオフ時間が、20℃・20%RH雰囲気における測
定で、60秒以内である記録用紙である。
【0019】特開平9−119091号公報に記載され
たものは、バージンのかゆ状パルプ、バージンラップパ
ルプを主原料とする記録用紙において、紙離解保水度が
80〜110%、紙離解濾水度が480〜600ml、
温度20℃湿度65%RHの記録用紙表面電気抵抗率が
109〜1011Ωの範囲にある記録用紙である。
【0020】特開平10−46498号公報に記載され
ているのは、20℃の水に1分間浸漬したときの横目方
向における伸びが、1.8%以下である電子写真・イン
クジェット共用紙である。
【0021】上記の特許では、電子写真方式において、
トナー定着性、複写機内の走行性を改善すると共に、更
にインクジェット記録方式において、水溶性インクの滲
み、発色性を向上させて、電子写真方式及びインクジェ
ット記録方式のプリンタに共用できる記録用紙として使
用し得ることを目的としたものである。しかし、フルカ
ラー及び高速のインクジェット記録方式、フルカラーの
電子写真方式及び溶融型熱転写記録方式の印字・画像適
性、更に罫線等のオフセット軽印刷を同時に満足すると
共に、特にフルカラーインクジェット記録方式及び高速
インクジェット記録方式において、印字・画像の発色濃
度が高く、耐水性が良好な普通紙タイプの共用紙は得ら
れていない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
の問題点について鋭意研究を重ねた結果、フルカラーの
電子写真方式及び溶融型熱転写記録方式の適性を有する
と共に、フルカラーのインクジェット記録方式及び高速
インクジェット記録方式において、内添サイズ剤等を付
与した基紙の表面に水溶性高分子を塗布することによ
り、水溶性インクが基紙表面で横方向に拡がるのを抑制
し、水溶性インクの染料が紙の表面に定着されて水分が
紙の厚さ方向に充分早く吸収されると共に、水溶性イン
クの基紙への裏抜けが生じなくて、記録文字・画像の発
色濃度が高く、耐水性が良好な記録用紙であり、更に高
速インクジェット記録方式の用途では、オフセット印刷
等の印刷適性を有する普通紙タイプの記録用紙を提供す
ることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この出願の請求項1の発明は、パルプ繊維の基紙中
に、填料として無機鉱物粉末、及び内添サイズ剤として
ロジン系サイズエマルジョンを含有し、該基紙表面に、
水溶性高分子を含有するサイズプレス液が、固形分にお
いて1.0g/m2〜5.0g/m2の範囲で塗布されて
なる記録用紙にある。
【0024】この出願の請求項2の発明は、サイズプレ
ス液中に含有される水溶性高分子が、酸化澱粉、ポリビ
ニルアルコール又は変性ポリビニルアルコール、澱粉誘
導体及びカチオン性樹脂からなる請求項1に記載の記録
用紙にある。
【0025】この出願の請求項3の発明は、サイズプレ
ス液中に含有されるカチオン性樹脂が、ポリアミンエピ
クロロ変性体である請求項1又は請求項2に記載の記録
用紙にある。
【0026】この出願の請求項4の発明は、サイズプレ
ス液中に含有される澱粉誘導体、ポリビニルアルコール
又は変性ポリビニルアルコール、カチオン性樹脂におい
て、それぞれ固形分で、澱粉誘導体、ポリビニルアルコ
ール又は変性ポリビニルアルコール、カチオン性樹脂の
配合率が10〜60重量%である請求項1乃至請求項3
のいずれかに記載の記録用紙にある。
【0027】これらの手段を施すことにより、フルカラ
ー及び高速のインクジェット記録方式、フルカラーの電
子写真方式及び溶融型熱転写記録方式の適性を有すると
共に、オフセット軽印刷の適性を記録用紙に付与するこ
とができる。特にフルカラー及び高速のインクジェット
記録方式においては、記録文字・画像の発色濃度が高い
上に、耐水性が良好となる普通紙タイプの記録用紙を提
供するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の記録用紙に使用されるパ
ルプは、公知の木材パルプ及び非木材パルプが使用され
る。木材パルプとしては、化学パルプのN−BKP、L
−BKP、SCP等、機械パルプのGP、CGP、RG
P、TMP等、脱墨パルプ、再生パルプ、工程で発生す
る損紙を離解したパルプ等が使用される。非木材パルプ
としてはケナフ、竹、コットン、バガス等のパルプが使
用される。これらのパルプは、単独で使用しても、混合
で使用しても良い。上記のパルプの中では、電子写真方
式のプリンタ等で走行する際に、記録用紙のカールの発
生を抑制するためには、L−BKPの比率を上げること
が望ましい。また、非木材パルプの中では、インクジェ
ット記録方式のプリンタにおいてインク吸水性が良好な
ケナフ、竹パルプ等が好適である。
【0029】本発明の記録用紙に使用される填料には、
フルカラー画像の見た目の鮮明性を上げるために、紙の
白色度に寄与するように、無機鉱物粉末の内、白色顔料
として、クレー、タルク、けいそう土、焼成カオリン及
び酸化チタン等が使用される。これらの填料の内、イン
クジェット記録用紙のプリンタにおいて、水溶性インク
を良好に吸収する性質を有しており、電子写真方式のプ
リンタにおいて、感光体を傷つけないように硬度の比較
的低いタルク、焼成カオリンが好適である。また、記録
用紙の不透明度を向上させるためには、酸化チタンを添
加することも有効であるが、硬度が高いために、電子写
真方式のプリンタの感光体を傷つけないように、球状で
粒径が5ミクロン以下の填料を補助的に添加させること
が望ましい。水溶性インクの吸水性の高いシリカを填料
として使用することは、インクジェット記録方式のプリ
ンタにおいてはよく使用されるが、電子写真方式のプリ
ンタに使用される普通紙タイプの記録用紙において、感
光体の汚れの原因となるため単独で使用することは望ま
しくない。
【0030】本発明は、内添サイズ剤として通常抄紙に
使用される中性ロジン系エマルジョン又はロジン系エマ
ルジョンを使用する。内添サイズ剤は添加量を増加させ
ると、インクジェット記録方式において、記録用紙層に
水溶性インクが浸透しずらくなるために印字濃度は上が
るが、記録用紙表面で水溶性インクの乾燥性が低下す
る。さらに、内添サイズ剤の添加量を増加させると、逆
に印字ロッドが広がらなくなり、印字濃度が低下する。
内添サイズ剤の添加量を減少させると、水溶性インクの
乾燥性が向上するものの、水溶性インクが記録用紙層に
浸透しすぎることによって印字濃度が低くなってしま
う。また場合によっては、水溶性インクの裏抜けが生じ
てしまう。本発明では、高速インクジェット記録方式に
使用される水溶性インクが、一般のフルカラーのインク
ジェット記録方式に使用されるものより水分が高く滲み
やすいので、サイズプレス工程で原紙表面を加工する前
の状態で、原紙のステキヒトサイズ度を20〜60秒と
なるように内添サイズ剤を添加した。
【0031】本発明は、サイズプレス工程において、水
溶性高分子及び導電剤を含有するサイズプレス液を、記
録用紙表面に固形分で1.0〜5.0g/m2の範囲で
塗布する。サイズプレス液の塗布量は、主にフルカラー
及び高速のインクジェット記録方式のインク定着性及び
耐水性の印字適性と電子写真方式の印字適性から決定さ
れた。サイズプレス液の塗布量が、1.0g/m2より
少ないと、フルカラー及び高速のインクジェット記録方
式における印字・画像のインク定着性及び耐水性に劣
る。一方、5.0g/m2より多いと、フルカラー及び
高速インクジェット記録方式におけるインク定着性や耐
水性等の印字品質を向上させることはできるが、原紙表
面の自由エネルギーを低減させ、電子写真方式における
トナー定着性を低下させる。
【0032】更に本発明は、水溶性高分子として澱粉誘
導体、リビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコー
ル、及びカチオン性樹脂を混合したサイズ液をサイズプ
レス工程で原紙表面に塗工する。
【0033】ポリビニルアルコール又は変性ポリビニル
アルコールは、フルカラー及び高速のインクジェット記
録方式において印字適性への影響は少ないが、記録用紙
の表面強度の向上に優れている。前述のように、高速イ
ンクジェットプリンタに記録用紙が使用される場合、イ
ンクジェット印字前に罫線等をオフセット方式等によ
り、印刷を施す場合がある。記録用紙の表面強度が弱い
場合、記録用紙の表面が剥離され、剥離された紙粉に付
着するカチオン性樹脂が、印刷の際にインクを乳化させ
る工程で使用される湿し水を汚してしまう原因の一つに
なると思われる。湿し水が汚れると印刷機を停止して、
湿し水の交換をしなければならず、印刷効率の低下を引
き起こす。
【0034】澱粉誘導体は、ポリビニルアルコール又は
変性ポリビニルアルコール同様、表面強度の向上の意味
でも必要であり、電子写真方式のプリンタ内の走行にお
いて寸法安定性にも寄与する。しかし、澱粉誘導体を多
量に配合すれば、フェザリングといったパルプ繊維に沿
ってインクの滲みが発生する等の問題点がある。高速イ
ンクジェットプリンタに使用される水溶性インクは水分
が高いために、使用される記録用紙により高い滲み防止
及び耐水性を付与するため、酸化澱粉の配合量を下げる
ことが望ましい。
【0035】表面サイズ液に含まれる水溶性高分子の
内、カチオン性樹脂は、フルカラー及び高速のインクジ
ェット記録方式のプリンタによる記録用紙に吐出された
インクの定着及び耐水化のために使用される。特に直接
染料又は酸性染料を着色剤とした水溶性インクについて
の耐水性が対象となる。この種の水溶性インクは、染料
分子中のスルホン基、カリボキシル基の塩によって染料
の水溶化がなされており、水溶性を与えている部分は、
強い負の電荷を帯びている。
【0036】ここで、水溶性インクについての従来の耐
水化技術の主なものは、インクジェット受容層をカチオ
ン性を呈するポリマーで処理することによって電荷的に
染料分子を捕捉し、水の蒸発に伴って近接した両者間に
ファンデルワールス力を働かせて染料分子をインクジェ
ット受容層に固定するというものである。インクジェッ
ト受容層の処理に用いられるポリマーとして、例えば4
級化ポリビニルピリジン、ポリエチレンイミン、4級化
ポリエチレンイミン、ポリアリルスルフォン、ジシアン
ジミアド縮合物、ポリエチレンポリアミン系ポリマー、
ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン等、多くのカチ
オン性ポリマーの応用が紹介されている。
【0037】本発明に使用するカチオン性樹脂として
は、ポリアミンを使用するのが望ましい。このポリアミ
ンとは、エピハロヒドリンとしてエピクロロヒドリンと
各種アミンとの反応によって得られる4級アンモニウム
塩を含有するカチオン性のポリマーである。ポリアミン
の製造方法は既に米国特許第3738945号及びカナ
ダ特許第1096070号に開示されている。この公知
の製造方法に記載のポリアミンは本発明のポリアミンと
して使用できるが、好ましくはジメチルアミン、エチレ
ンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、トリエタ
ノールアミン等のアミンの1種以上とエピクロロヒドリ
ンを反応させて得たポリアミンである。例えば、エピク
ロロヒドリン、ジメチルアミン及びエチレンジアミンを
共重合させて、特にカチオン性を向上させるためにジメ
チルアミン基を末端基に導入した共重合物の構造式を示
す。
【0038】
【化1】 (1は5〜1000、好ましくは8〜50) 更に、上記のカチオン性樹脂の耐水性の能力の向上を図
ると共に、導入基(R1,R2,R3)の立体的特性によ
り、本発明で併用するPVAとの相溶性を向上させた下
記の構造式で示す共重合物がより好適である。
【0039】
【化2】 (式中R1はC1〜C18のアルキル基又はベンジル基、R
3は、C6〜C18のアルキル基又はベンジル基を示す。こ
の場合のアルキル基は直鎖状又は分鎖状のいずれでもよ
い。X-はハロゲンイオン、硫酸イオン、アルキルある
いはアリールスルホン酸イオン、酢酸イオン等の陰イオ
ンを示す。m及びnは重合度を示す正数であり、m:n
=1:1〜1:50である。) 上記のカチオン性樹脂で改良される点は、カチオン密度
を下げ疎水性の高分子にすることにより、染料の耐水性
を上げると共に、印刷での溶出トラブルを防止し、紙の
べとつき、コート層の減少に効果を上げると考えられ
る。このような効果はカチオンとして染料に接近するの
に時間が掛かるのと同様に混合によるショックを起こし
がたいと考えられる。又、カチオン性樹脂とポリビニル
アルコール又は変性ポリビニルアルコールとの相溶性が
向上し、サイズプレス液の調整が簡易となる。
【0040】上記の水溶性高分子及び導電剤の配合量
は、上記のように主にインクジェット記録方式及び電子
写真方式、更に溶融型熱転写記録方式の印字及び印刷適
性、オフセット方式の軽印刷の印刷適性のバランスを考
慮して決定される。
【0041】酸化澱粉は、サイズプレス液中に含有され
る水溶性高分子及び導電剤の合計量に対して固形分で、
10〜60重量%の比率で配合することが望ましい。こ
の比率が10重量%より低くなると、酸化澱粉の比率の
低下から記録用紙表面の疎水化が促進されて、フルカラ
ー及び高速のインクジェット記録方式において、印字画
像に字切れ等の不良が生じてしまう。逆に上記の比率が
60重量%より高くなると、酸化澱粉の比率が高くな
り、フルカラー及び高速のインクジェット記録方式にお
いて、印字画像にフェザリング等の滲みが生じてしまう
上に、染料の紙層方向への浸透が促進され、印字濃度の
低下が起こる。
【0042】ポリビニルアルコール又は変性ポリビニル
アルコールは、サイズプレス液中の水溶性高分子及び導
電剤の合計量に対して固形分で、10〜60重量%の比
率で配合することが望ましい。この比率が10重量%よ
り低くなると、記録用紙表面の強度が低くなり紙粉の脱
落が起こり、オフセット印刷の軽印刷において湿し水を
汚してしまう原因の一つになると考えられる。逆に上記
の比率が60重量%より高くなると、カチオン性樹脂と
の相溶性が悪くなり、フルカラー及び高速インクジェッ
ト記録方式の印字適性であるインク定着性及び耐水性が
悪くなる。
【0043】カチオン性樹脂は、水溶性高分子の合計量
に対して固形分で、10〜60重量%で配合することが
望ましい。この比率が10重量%より低くなると、水溶
性インクの記録用紙への定着性が悪くなり、インクジェ
ットプリンタで印字後、記録紙表面が水に濡れるとイン
クの流れ出し、滲み等が起こり、耐水性に劣ってしま
う。逆にカチオン性樹脂が60重量%より多くなると、
ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールと
の相溶性が悪くなり、フルカラー及び高速インクジェッ
ト記録様式の印字適性であるインク定着性及び耐水性が
悪くなると共に、記録用紙表面の自由エネルギーの低下
を生じて、電子写真方式における適性であるトナー定着
性が悪くなる。
【0044】上記であげた薬品の他に、必要に応じて一
般の抄紙に使用される歩留まり向上剤、消泡剤等、又は
サイズプレス液に水溶性インクの定着助剤としてアルカ
リ土類金属等の無機塩を使用してもよい。
【0045】更に本発明の記録用紙は、フルカラーの溶
融型熱転写記録方式の適性があるように、マシンカレン
ダーを用いて記録用紙表面を強く押圧して、記録用紙の
両面の平滑度を100秒〜200秒の範囲に上げること
が望ましい。
【0046】
【実施例】以下、実施例を上げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもちろんこれらにより限定される
ものではない。
【0047】〈実施例1〉L−BKP95%、フリーネ
ス420mlとN−BKP5%、フリーネス440ml
のパルプ原液に填料として焼成カオリン(商品名アルフ
ァテックス、ECCインターナショナル社製)、内添サ
イズ剤としてロジンエマルジョン(商品名サイズパイン
N−771、荒川化学工業社製)、カチオン澱粉(商品
名アミロファックス00、AVEBE社製)を、填料の
基紙含有率が5.0%、ロジンエマルジョンの基紙含有
量が0.5%、カチオン澱粉の基紙含有量が0.6%と
なるように混合・撹拌して、抄紙機で抄造した。更に後
工程であるプレス工程で搾水した基紙に、サイズプレス
工程で、酸化澱粉(商品名T−1000、日本食品加工
社製)とカチオン性樹脂としてポリアミンエピクロルヒ
ドリン(商品名WSC−173、明成化学工業社製)と
ポリビニルアルコール(商品名UV、ユニチカ社製)と
塩化ナトリウムを、各々固形分換算で40重量%、27
重量%、19重量%、14重量%を配合した塗工液を
4.2g/m2となるように塗工した後、マシンカレン
ダーで記録用紙の平滑度が150秒程度となるように強
めに押圧して、米坪66g/m2の記録用紙を得た。得
られた記録用紙は、以下の評価方法に基づいて評価し
た。結果は表1及び表2に示したとおりである。
【0048】(1)フルカラーインクジェット方式によ
る適性評価 フルカラーインクジェット方式による印字適性試験につ
いては、キャノン製のBJC−400J及びBJC−2
20JCを用いて、印字した結果を以下の項目について
評価した。
【0049】[1]印字濃度 印字濃度は、マゼンダ、シアン及びブラックの色でラン
ダムに、記録用紙に対して文字・記号の印字を行い、こ
れらの文字・記号の印字濃度をマクベスRD−918で
測定した。
【0050】[2]インク乾燥性 インク乾燥性は、上記のプリンタの連続給紙で記録用紙
に印字を行い、非印字部へのインクの転移汚れの有無を
目視で観察して評価した。
【0051】○:転移汚れなし ×:転移汚れあり [3]インクの耐水性 インクの耐水性は、上記のプリンタで印字後、放置によ
り自然乾燥直後の記録用紙を静水に1分間浸漬したとき
のインクの滲みだしの有無を、目視で観察して評価し
た。
【0052】○:転移汚れなし ×:転移汚れあり [4]インクの裏抜け インクの裏抜けは、記録用紙のベタ印字部の裏側にイン
クが滲み出しているか否かを目視で観察することにより
評価した。
【0053】○:裏抜けなし ×:裏抜けあり [5]画像鮮明度 画像鮮明度は、上記のプリンタでナロー巾のバーコード
を印字して、ナローバーの巾が、0.30〜0.35m
mの範囲に入っているか否かを観察して評価した。
【0054】○:0.30〜0.35mmの範囲に入っ
ている。
【0055】×:0.30〜0.35mmの範囲に入っ
ていない。
【0056】(2)高速インクジェット方式における適
性評価 高速インクジェット方式における印字適性試験について
は、印字濃度の測定を除き、黒1007インクを用い
て、Scitex6240のプリンタで150m/mi
nの処理速度で記録用紙に印字を行い、印字した結果を
以下の項目について評価した。印字濃度の測定は、Sc
itex6240のプリンタに使用される黒インク10
07、青インク1008及び赤インク1011を、シャ
ープ製カラーイメージジェットIO−735Xに適用し
て、ベタ印字を行い実施した。
【0057】[6]印字濃度 印字濃度は、記録用紙に印字された文字の印字濃度をマ
クベスRD−918を用いて測定した。
【0058】[7]インクの乾燥性 インクの乾燥性は、上記のプリンタで150m/min
の処理速度で記録用紙に印字したときの非印字部へのイ
ンクの転移汚れの有無を目視で評価した。
【0059】○:転移汚れなし ×:転移汚れあり [8]インクの耐水性 インクの耐水性は、上記のプリンタで印字直後の記録用
紙を静水に1分間浸漬したときのインクの滲みだしの有
無を目視で観察することにより評価した。
【0060】○:滲み出しなし ×:滲み出しあり [9]インクの滲み インクの滲みは、上記のプリンタで印字直後の記録用紙
の印字について、文字太り、フェザーリングの有無を目
視で観察することにより評価した。
【0061】○:良好 ×:不良 [10]インクの裏抜け インクの裏抜けは、記録用紙のベタ印字部の裏側に、イ
ンクが滲み出しているか否かを目視で観察することによ
り評価した。
【0062】(3)電子写真方式における適性評価 記録用紙の電子写真方式の適性については、記録用紙を
A4サイズにカットして、日立工機製のページプリンタ
H−6284、東芝製の複写機BD−9240を用い、
片面、両面複写した結果を評価する [11]ヒートカール A4サイズの用紙を複写後、トレーに排紙直後の記録用
紙10枚を、平面板上にカール面が上を向くように静置
して、用紙の4隅の高さの平均値を測定した。
【0063】○:平均値15mm以下 ×:平均値が
15mmを越える [12]走行性 所定の枚数を複写時に重送、滑り、ジャムの発生回数を
カウントした。
【0064】[13]トナー定着性 トナー定着性は、複写後メンディングテープ(3M社
製)をベタ印字部に貼り、剥離した際のトナーの剥離状
態を観察した。
【0065】[14]印字適性 複写後の印字面及び画像面の印字状態及びトナー汚れ
を、目視で観察した。
【0066】(4)熱転写記録方式における適性評価 [15]印字適性 東芝社製のワープロ機JW98Aを用いて記録用紙に印
字後、印字濃度、網点、細線を拡大鏡で観察することに
より、評価した。
【0067】○:良好 ×:不良 (5)オフセット印刷方式における適性評価 [16]湿し水の汚れ 記録用紙を一般のフォーム印刷機において、通常の柄で
15000m印刷した後、目視で印刷機のロール汚れ及
び湿し水の汚れを評価した。
【0068】 ○:印刷機のロール汚れ及び湿し水の汚れが発生しない ×:印刷機のロール汚れ及び湿し水の汚れが発生する 〈実施例2〉サイズプレス工程で使用する塗工液の配合
率において、酸化澱粉を30重量%、ポリビニルアルコ
ールを40重量%、ポリアミンエピクロルヒドリンを1
4重量%、塩化ナトリウムを16重量%とした以外は、
実施例1と同様に実施した。
【0069】〈実施例3〉サイズプレス工程で使用する
塗工液の配合率において、酸化澱粉を20重量%、ポリ
ビニルアルコールを16重量%、ポリアミンエピクロル
ヒドリンを42重量%、塩化ナトリウムを22重量%と
した以外は、実施例1と同様に実施した。
【0070】〈実施例4〉サイズプレス工程で使用する
塗工液の配合率において、酸化澱粉を15重量%、ポリ
ビニルアルコールを18重量%、ポリアミンエピクロル
ヒドリンを22重量%、塩化ナトリウムを45重量%と
した以外は、実施例1と同様に実施した。
【0071】〈比較例1〉サイズプレス工程で使用する
塗工液の配合率において、酸化澱粉を5重量%、ポリビ
ニルアルコールを15重量%、ポリアミンエピクロルヒ
ドリンを40重量%、塩化ナトリウムを40重量%以外
とした以外は、実施例1と同様に実施した。
【0072】〈比較例2〉サイズプレス工程で使用する
塗工液の配合率において、酸化澱粉を70重量%、ポリ
ビニルアルコールを10重量%、ポリアミンエピクロル
ヒドリンを10重量%、塩化ナトリウムを10重量%と
した以外は、実施例1と同様に実施した。
【0073】〈比較例3〉サイズプレス工程で使用する
塗工液の配合率において、酸化澱粉を20重量%、ポリ
ビニルアルコールを5重量%、ポリアミンエピクロルヒ
ドリンを40重量%、塩化ナトリウムを35重量%とし
た以外は、実施例1と同様に実施した。
【0074】〈比較例4〉サイズプレス工程で使用する
塗工液の配合率において、酸化澱粉を15重量%、ポリ
ビニルアルコールを50重量%、ポリアミンエピクロル
ヒドリンを15重量%、塩化ナトリウムを20重量%と
した以外は、実施例1と同様に実施した。
【0075】〈比較例5〉サイズプレス工程で使用する
塗工液の配合率において、酸化澱粉を35重量%、ポリ
ビニルアルコールを30重量%、ポリアミンエピクロル
ヒドリンを5重量%、塩化ナトリウムを30重量%とし
た以外は、実施例1と同様に実施した。
【0076】〈比較例6〉サイズプレス工程で使用する
塗工液の配合率において、酸化澱粉を10重量%、ポリ
ビニルアルコールを10重量%、ポリアミンエピクロル
ヒドリンを70重量%、塩化ナトリウムを10重量%と
した以外は、実施例1と同様に実施した。
【0077】〈比較例7〉サイズプレス工程で使用する
塗工液の配合率において、酸化澱粉を30重量%、ポリ
ビニルアルコールを30重量%、ポリアミンエピクロル
ヒドリンを35重量%、塩化ナトリウムを5重量%とし
た以外は、実施例1と同様に実施した。
【0078】〈比較例8〉サイズプレス工程で使用する
塗工液の配合率において、酸化澱粉を10重量%、ポリ
ビニルアルコールを10重量%、ポリアミンエピクロル
ヒドリンを10重量%、塩化ナトリウムを70重量%と
した以外は、実施例1と同様に実施した。
【0079】
【表1】 表1には、実施例1乃至4及び比較例1乃至8のフルカ
ラーインクジェット方式の適性評価の結果を示す。
【0080】
【表2】 表2には、実施例1乃至4及び比較例1乃至8の高速イ
ンクジェット方式における適性評価の結果を示す。
【0081】
【表3】 表3には、実施例1乃至4及び比較例1乃至8の電子写
真方式、熱転写記録方式及びオフセット印刷方式におけ
る適性評価の結果を示す。
【0082】表1,表2及び表3から明らかなように、
実施例1乃至4において、フルカラー及び高速インクジ
ェット記録方式、電子写真方式、熱転写記録方式及びオ
フセット印刷方式において良好な評価結果を得られた。
【0083】実施例2においては、フルカラーインクジ
ェット方式による適性評価のインクの耐水性において印
字面にインクの滲みだしを発生したが、それ以外は総合
的に評価して、フルカラー及び高速のインクジェット記
録方式、電子写真方式、熱転写記録方式、及びオフセッ
ト印刷方式において、比較例1乃至6と比べて実用レベ
ルとなった。
【0084】実施例3においては、電子写真方式による
適性評価のヒートカールにおいて用紙にカールが発生し
たが、それ以外は総合的に評価して、フルカラー及び高
速のインクジェット記録方式、電子写真方式、熱転写記
録方式、及びオフセット印刷方式において、比較例1乃
至6と比べて実用レベルとなった。
【0085】
【発明の効果】本発明の記録用紙は、上記の構成を採用
することにより、フルカラー及び高速のインクジェット
記録方式、電子写真方式、熱転写記録方式において実用
レベルにある記録適性を有しており、更に罫線等のオフ
セット軽印刷をすることができる。よって、記録用紙は
前記各プリンタ及び印刷機に共有して使用することがで
きるので、各プリンタ及び印刷機毎に専用紙を用意する
必要がなく、コスト面及び作業面の効率の向上につなが
る。
【0086】特に、フルカラー及び高速インクジェット
記録方式において、内添サイズ剤等を付与した基紙表面
に水溶性高分子を塗布することにより、水溶性インクが
基紙表面で横方向に広がるのを抑制し、水溶性インクの
染料が紙の表面に定着されて水分が紙の厚さ方向に十分
早く吸収されると共に、水溶性インクの基紙への裏抜け
が生じなくて、記録文字・画像の発色濃度が高く、耐水
性もほぼ良好となる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月14日(1998.9.1
4)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】
【化2】 (式中R ,R はC〜C18のアルキル基又はベン
ジル基、Rは、C〜C18のアルキル基又はベンジ
ル基を示す。この場合のアルキル基は直鎖状又は分鎖状
のいずれでもよい。Xはハロゲンイオン、硫酸イオ
ン、アルキルあるいはアリールスルホン酸イオン、酢酸
イオン等の陰イオンを示す。m及びnは重合度を示す正
数であり、m:n=1:1〜1:50である。) 上記のカチオン性樹脂で改良される点は、カチオン密度
を下げ疎水性の高分子にすることにより、染料の耐水性
を上げると共に、印刷での溶出トラブルを防止し、紙の
べとつき、コート層の減少に効果を上げると考えられ
る。このような効果はカチオンとして染料に接近するの
に時間が掛かるのと同様に混合によるショックを起こし
がたいと考えられる。又、カチオン性樹脂とポリビニル
アルコール又は変性ポリビニルアルコールとの相溶性が
向上し、サイズプレス液の調整が簡易となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊田 保之 奈良県奈良市神功5丁目3番5号 (72)発明者 礒野 康博 京都府京都市西京区松尾井戸町76番地の7 フリーデン上桂205号 (72)発明者 米谷 正人 京都府京都市右京区西京極畑田町50番地 西京極寮 Fターム(参考) 2H086 BA20 BA22 BA32 BA35 BA37 4L055 AG27 AG48 AG50 AG64 AG77 AG87 AG97 AH01 AH11 AH13 AH50 BE08 EA14 EA32 FA15 FA19 GA09 GA11 GA13 GA18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプ繊維の基紙中に、填料として無機
    鉱物粉末、及び内添サイズ剤としてロジン系サイズエマ
    ルジョンを含有し、該基紙表面に、水溶性高分子を含有
    するサイズプレス液が、固形分において1.0g/m2
    〜5.0g/m2の範囲で塗布されてなることを特徴と
    する記録用紙。
  2. 【請求項2】 サイズプレス液中に含有される水溶性高
    分子が、澱粉誘導体、ポリビニルアルコール又は変性ポ
    リビニルアルコール及びカチオン性樹脂からなる請求項
    1に記載の記録用紙。
  3. 【請求項3】 サイズプレス液中に含有されるカチオン
    性樹脂が、ポリアミンエピクロロヒドリン変性体である
    請求項1又は請求項2に記載の記録用紙。
  4. 【請求項4】 サイズプレス液中に含有される澱粉誘導
    体、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコー
    ル及びカチオン性樹脂において、それぞれ固形分で、澱
    粉誘導体、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルア
    ルコール、及びカチオン性樹脂の配合率が10〜60重
    量%である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の記
    録用紙。
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