JPWO2009066662A1 - インクジェット記録用紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高速インクジェットプリンターを用いて記録した場合、高いインク乾燥性を有すると共に高精細なバーコードが印字可能となる高い耐フェザーリング性を有し、かつ耐水性があり高白色度の普通紙タイプのインクジェット記録用紙を提供する。【解決手段】 印字速度100m/min.以上のロール給紙タイプのプリンターに使用するインクジェット記録用紙であって、パルプ、填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウム、および内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤を含有する基紙に、カチオン性樹脂、アニオン性蛍光染料、及び結着剤を含有し、かつ顔料を含まない塗工液を塗工してなり、JIS−P8122に規定されたステキヒトサイズ度が10〜25秒かつJIS−P8251に規定された灰分が13%〜25%である。【選択図】 図1
Description
本発明は、顔料を含むインク受容層を有しない、いわゆる普通紙タイプのインクジェット記録用紙に関する。
インクジェット記録方式は、各種の方法により飛翔させたインクの微小液滴を、紙などの記録用紙に付着させて画像や文字を形成させる記録方式である。この記録方式は高速化、フルカラー化が容易であり、さらに記録時の騒音が低く、装置が低価格なことから、家庭用として広く普及している。一方、商業用途の分野において、従来はノンインパクト印刷(NIP)を用いて可変情報(公共料金やクレジットの請求書や領収書、配送用伝票、広告など)が印字されてきたが、近年、ラインヘッドを有する高速インクジェットプリンターによる印字に置き換えられている。
ところで、インクジェット記録用紙は、インク受容層を設けた塗工紙タイプと、顔料を含むインク受容層を設けない普通紙タイプとに大別される。デジタルカメラの画像出力には高精細画像を再現できる塗工紙タイプが主に用いられ、一方、ビジネスレポートや公共料金の明細書や振込み用紙などの印字には、安価な普通紙タイプが主に用いられる。このようなインクジェット記録の用途拡大に伴い、低コストでかつ高精細画像を再現可能な普通紙タイプのインクジェット記録用紙が求められている。
ところで、インクジェット記録用紙は、インク受容層を設けた塗工紙タイプと、顔料を含むインク受容層を設けない普通紙タイプとに大別される。デジタルカメラの画像出力には高精細画像を再現できる塗工紙タイプが主に用いられ、一方、ビジネスレポートや公共料金の明細書や振込み用紙などの印字には、安価な普通紙タイプが主に用いられる。このようなインクジェット記録の用途拡大に伴い、低コストでかつ高精細画像を再現可能な普通紙タイプのインクジェット記録用紙が求められている。
また、普通紙タイプのインクジェット記録用紙に求められる性能として、高白色度であることが挙げられる。高い白色度を有する記録用紙に印字することで、カラー印字の映えや文字の再現性が良好となる。さらに、インクジェット記録用紙には、バーコードを読み取り可能な高い耐フェザーリング性(用紙上におけるインクのニジミを抑える)及び耐水性を有し、高速印字に耐えうる高いインク乾燥性などが求められる。
バーコードは、幅の異なる複数種類の黒バー及び白バーを、所定の組み合わせパターンで交互に並列させることにより、数字,アルファベット,記号等からなる所要情報を表すものであるが、バーパターンを構成する最小単位である黒バーと白バーの種類数によって、1)バーの幅が細バーと太バーの2種類ずつであるバイナリレベル(2値レベル)と、2)黒バーと白バーの幅が幾種類もあるマルチレベルとに分類される。このマルチレベルのバーコードは、前記バイナリレベルのものに比べてバーコードの全体長が同じであれば、より多くの情報を表示することができるという利点を有する。反面、マルチレベルのバーコードは、幅比率の許容範囲が殆どなく、耐フェザーリング性が低い場合には各黒バー及び白バーの幅の区別がつきにくくなり、光学読み取り装置による読み取りエラーの発生率が高くなる。このようなマルチレベルのバーコードの規格としては、GS1-128が知られており、近年コンビニエンスストアで取り扱い可能な公共料金などの振込用紙に記載されるバーコードは、GS1−128に統一された。このため、記録用紙にはこれまで以上に高い耐フェザーリング性が求められるようになっている。
一方、インク乾燥性について述べると、前記高速インクジェットプリンターにはマイクロ波乾燥、高周波乾燥、シリンダー乾燥、熱風乾燥などの補助乾燥装置が設置されているが、あくまで補助乾燥であり十分な乾燥能力は備わっていない。高速インクジェットプリンターは100m/min.以上の高速で印字されるため、記録用紙が印字後に素早く浸透乾燥することが求められる。この高速インクジェットプリンターに、インク吸収層を有していない普通紙タイプの記録用紙を適用する場合においては、特にインク吸収性が重要な課題である。
普通紙タイプのインクジェット記録用紙として、例えば、特許文献1には、パルプ繊維と、填料として白色の無機鉱物粉末と、内添サイズ剤としてロジン系サイズエマルジョンとを含有し、基紙表面に水溶性高分子及び導電剤を含有するサイズプレス液が塗布されてなる記録用紙が開示されている。
また特許文献2には、カチオン性樹脂を0.2〜2.0g/m2の範囲で付着させ、ブリストー吸収係数が1.07〜1.90(ml/m2・ms1/2)であり、高速輪転インクジェットプリンティングシステムに用いるシートが記載されている。
また、特許文献3には、蛍光染料と、ジアリルジメチルアンモニウム塩を含むモノマーを重合して得られるポリマーと、染料固着剤と、特定のカチオン性ポリマーとを含有した紙塗工用組成物が記載され、さらにその組成物を塗工してなるインクジェット記録用紙が記載されている。
また特許文献4には、針状、柱状、紡錘状、ウィスカー状のいずれかの形状を有しアスペクト比が5以上の軽質炭酸カルシウムを紙質量当たり10質量%含有し、内添サイズ剤としてアルケニル無水コハク酸を含有させた、カラー印字適性を有する記録用紙が記載されている。
しかしながら、上述した特許文献1〜4に記載の技術では、目的とする高い耐フェザーリング性とインク乾燥性の両立ができななかった。また、インクジェット印字品質を向上するために耐フェザーリング性を付与すると、印字速度100m/min.以上の高速インクジェットプリンターに用いた場合、ロール汚れなどの不具合が生じることがあった。
特に特許文献1、2に記載の技術の場合、耐フェザーリング性は不十分であり、近年の高精細なバーコードを高速インクジェットプリンターで印字することができない。また、特許文献3の技術の場合、塗工液中に4種の異なるカチオン性ポリマーと、アニオン性の蛍光染料とを混合する必要があり、塗工液の安定性が悪く塗工適性が劣っていた。さらに、特許文献4に記載の技術の場合、炭酸カルシウムを填料とすることで、ある程度の白色度を得ることができるが、インクジェット記録方式で記録した場合、耐フェザーリング性および記録部の耐水性が不十分であった。
従って、本発明は、高いインク乾燥性を有すると共に高精細なバーコードが印字可能な高い耐フェザーリング性を有し、かつ耐水性があり高白色度の普通紙タイプのインクジェット記録用紙を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究した結果、パルプと、填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウムと、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤とを含有する基紙に、少なくともカチオン性樹脂とアニオン性蛍光染料と結着剤とを含有する塗工液を塗工して得られるインクジェット記録用紙により上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、印字速度100m/min.以上のロール給紙タイプのプリンターに使用するインクジェット記録用紙であって、パルプと、填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウムと、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤とを含有する基紙の表面に、カチオン性樹脂、アニオン性蛍光染料、及び結着剤を含有し、かつ顔料を含まない塗工液を塗工してなり、JIS−P8122に規定されたステキヒトサイズ度が10〜25秒かつJIS−P8251に規定された灰分が13%〜25%であるインクジェット記録用紙である。特に、前記カチオン性樹脂がポリアミンエピハロヒドリン系樹脂であり、前記アニオン性蛍光染料がスチルベン型蛍光染料であることが好ましい。また、前記カチオン性樹脂の分子量が10,000以下であることが好ましく、前記塗工液はトランスファーロールコーターを用いて基紙上に塗工されることが好ましい。また、前記基紙が、前記パルプと前記カチオン性樹脂とを含有するパルプスラリーから抄紙されることが好ましい。
本発明によれば、高いインク乾燥性を有すると共に高精細なバーコードが印字可能となる高い耐フェザーリング性を有し、かつ耐水性があり高白色度の普通紙タイプのインクジェット記録用紙を得ることができる。基紙中に填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを含有し、また内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤を含有することで、顔料を含むインク受理層を有さない場合であっても高い耐フェザーリング性とインク乾燥性を両立できる。
本発明のインクジェット記録用紙は、以下のパルプ、填料、サイズ剤などを含む基紙上に、カチオン性樹脂および蛍光染料を含有する塗工液を塗工してなる普通紙タイプのものである。顔料を含有するインク受容層は設けない。
本発明において、ポリアミンエピハロヒドリン系樹脂と、蛍光染料としてスチルベン型アニオン性蛍光染料と、結着剤とを含有する塗工液を基紙に塗布すると、白色度と耐フェザーリング性をさらに両立することができる。特にトランスファーロールコーターを用いて塗工液を基紙に塗工すると、両面ともに高いインクジェット記録適性(耐フェザーリング性、インク乾燥性など)を有し、且つ高い表面強度を有しており印字適性に優れたインクジェット記録用紙を高い生産性で安定して製造できる。また、前記基紙が、前記パルプと前記カチオン性樹脂とを含有するパルプスラリーから抄紙されることで、耐フェザーリング性が更に向上する。
本発明において、ポリアミンエピハロヒドリン系樹脂と、蛍光染料としてスチルベン型アニオン性蛍光染料と、結着剤とを含有する塗工液を基紙に塗布すると、白色度と耐フェザーリング性をさらに両立することができる。特にトランスファーロールコーターを用いて塗工液を基紙に塗工すると、両面ともに高いインクジェット記録適性(耐フェザーリング性、インク乾燥性など)を有し、且つ高い表面強度を有しており印字適性に優れたインクジェット記録用紙を高い生産性で安定して製造できる。また、前記基紙が、前記パルプと前記カチオン性樹脂とを含有するパルプスラリーから抄紙されることで、耐フェザーリング性が更に向上する。
1.基紙
<パルプ>
基紙は、木材パルプおよび填料、助剤等を抄紙してなる。木材パルプとしては、公知の化学パルプ、機械パルプ、および脱墨パルプ等が挙げられる。また、これら各種パルプは必要に応じて単独で使用され、または併用される。パルプとしては、抄紙に慣用される従来公知のものを用いることができ、例えば広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)等の化学パルプ;砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ;等の木材パルプや、古紙パルプ(DIP)を挙げることができる。さらに、コットンパルプや麻、バガス、ケナフ、エスパルト、楮、三椏、雁皮等の非木材パルプも用いることができる。
<パルプ>
基紙は、木材パルプおよび填料、助剤等を抄紙してなる。木材パルプとしては、公知の化学パルプ、機械パルプ、および脱墨パルプ等が挙げられる。また、これら各種パルプは必要に応じて単独で使用され、または併用される。パルプとしては、抄紙に慣用される従来公知のものを用いることができ、例えば広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)等の化学パルプ;砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ;等の木材パルプや、古紙パルプ(DIP)を挙げることができる。さらに、コットンパルプや麻、バガス、ケナフ、エスパルト、楮、三椏、雁皮等の非木材パルプも用いることができる。
<填料>
基紙中に内添する填料は、ロゼッタ(rosette)型の軽質炭酸カルシウムを主に含む。ロゼッタ型の軽質炭酸カルシウムとは、紡錘形状の軽質炭酸カルシウムの一次粒子が放射状に凝集してロゼッタ型の二次粒子を形成したものであり、具体的にはSpecialty Minerals Inc.社のアルバカーHO、アルバカー5970、アルバカーLO等の製品を好ましく挙げることができる。ここで、放射状とは、例えば上記二次粒子の中心近傍から、各一次粒子の長手方向が放射状に伸びたものを指す。
基紙中に内添する填料は、ロゼッタ(rosette)型の軽質炭酸カルシウムを主に含む。ロゼッタ型の軽質炭酸カルシウムとは、紡錘形状の軽質炭酸カルシウムの一次粒子が放射状に凝集してロゼッタ型の二次粒子を形成したものであり、具体的にはSpecialty Minerals Inc.社のアルバカーHO、アルバカー5970、アルバカーLO等の製品を好ましく挙げることができる。ここで、放射状とは、例えば上記二次粒子の中心近傍から、各一次粒子の長手方向が放射状に伸びたものを指す。
軽質炭酸カルシウムは生産コストや操業性、および低添加量で高い白色度、および不透明度が得られる点で優れ、さらにロゼッタ型の軽質炭酸カルシウムはその特殊な形状のため吸油量が高い。ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを基紙に配合させることによりインクを吸収する能力が大きく向上し、インクジェット記録を行った際の乾燥性が大きく向上する。特に印字速度100m/min.以上の高速インクジェットプリンターを用いた場合に効果が大きい。
ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの配合量は、インクジェット記録用紙中のJIS−P8251に規定された灰分として11〜25質量%であることが好ましい。ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの配合量が対絶乾パルプ質量当たり、11質量%未満であるとインク乾燥性が劣る場合がある。一方、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの配合量が対絶乾パルプ質量当たり、25質量%を超えると粉落ちが生じたり、耐フェザーリング性が劣る場合がある。
ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの配合量は、インクジェット記録用紙中のJIS−P8251に規定された灰分として11〜25質量%であることが好ましい。ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの配合量が対絶乾パルプ質量当たり、11質量%未満であるとインク乾燥性が劣る場合がある。一方、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの配合量が対絶乾パルプ質量当たり、25質量%を超えると粉落ちが生じたり、耐フェザーリング性が劣る場合がある。
図1は、液中に分散した状態のロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(二次粒子)の形態の一例を示す電子顕微鏡像である。この図において、各一次粒子の基部同士が凝集し、各一次粒子がその先端へ向かって放射状に伸びている。また、各一次粒子は基部の幅(径)がやや大きく、先端に向かって細くなっている。なお、図中のmicronは、μmを示す。
填料としては、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの他、ロゼッタ型以外の軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、ホワイトカーボン、水酸化アルミニウム、ゼオライト等従来から慣用されている無機微粒子を使用することができる。但し、填料全体に対する上記無機微粒子の割合は20質量%以下程度とするのが好ましい。
<内添サイズ剤>
本発明においては、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤を用いる。填料として軽質炭酸カルシウムを用いた中性領域で使用するサイズ剤としては、中性ロジンサイズ剤の他、アルケニル無水コハク酸(ASA)やアルキルケテンダイマー(AKD)があるが、アルキルケテンダイマーの場合には、用紙の摩擦係数が下がるため、印刷、印字工程や後加工の工程で滑りの問題を生じる。一方、アルケニル無水コハク酸の場合、サイズの発現性が抄紙の際の他の添加薬品の影響を大きく受けるため、安定した品質を確保するには取扱いが難しい。このため、サイズの安定した発現性や滑りの問題の無い中性ロジンサイズ剤を用いる。
本発明においては、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤を用いる。填料として軽質炭酸カルシウムを用いた中性領域で使用するサイズ剤としては、中性ロジンサイズ剤の他、アルケニル無水コハク酸(ASA)やアルキルケテンダイマー(AKD)があるが、アルキルケテンダイマーの場合には、用紙の摩擦係数が下がるため、印刷、印字工程や後加工の工程で滑りの問題を生じる。一方、アルケニル無水コハク酸の場合、サイズの発現性が抄紙の際の他の添加薬品の影響を大きく受けるため、安定した品質を確保するには取扱いが難しい。このため、サイズの安定した発現性や滑りの問題の無い中性ロジンサイズ剤を用いる。
中性ロジンサイズ剤の添加率は、原料パルプに対して0.2〜2.5質量%であることか好ましく、0.5〜2.0質量%であることが特に好ましい。添加率が0.2質量%未満である場合、十分なサイズ度を得ることが困難である場合がある。一方、2.5質量%を超える場合、インクジェットプリンターで印字された際のインク乾燥性が低下する場合がある。
本発明で用いる中性ロジンサイズ剤は、pH6〜9の弱酸性〜弱アリカリ性領域(中性領域)で使用し、ロジン系物質を各種の乳化分散剤で分散させたエマルジョン型のロジンサイズ剤である。ここで、ロジン系物質としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等のロジン類をフマール酸、マレイン酸、アクリル酸等のα、β−不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性した強化ロジンや、前記ロジン類をグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の多価アルコールを反応させて得られるロジンエステルを例示でき、単独またはその混合物をエマルジョン化したものや、単独でエマルジョン化した後に混合したものを使用可能である。さらに、上記ロジンエマルジョン中に、サイズ発現性をより向上させるために各種ポリマーを添加したものも使用できる。
<基紙の抄造>
基紙を抄造する抄紙機としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、ヤンキー抄紙機などの公知の装置を適宣使用することができる。このうち、ツインワイヤー抄紙機を用いて抄造すると、原料パルプスラリーの上下より脱水を行うために紙表裏の組成差が小さくなることから、特に好ましい。本発明におけるインクジェット記録用紙を得るために、抄造条件としてパルプろ水度、ジェットワイヤー比、プロファイル、プレス、カレンダーなどの調整が行われ、また乾燥条件も抄紙機のドライヤーでの蒸気圧および通気方法の調整など、公知の方法が利用できる。抄紙時のpHは、酸性領域からアルカリ性領域で行うことが可能である。好ましくは、pH6〜9の弱酸性〜弱アルカリ性領域(中性領域)である。また、基紙中には、本発明の効果を損なわない範囲で、紙力増強剤、消泡剤、pH調整剤、歩留まり向上剤、色相を調整するための染料または有色顔料、視覚的白さを向上させるための蛍光染料等の抄紙用内添薬品を内添することができる。
基紙を抄造する抄紙機としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、ヤンキー抄紙機などの公知の装置を適宣使用することができる。このうち、ツインワイヤー抄紙機を用いて抄造すると、原料パルプスラリーの上下より脱水を行うために紙表裏の組成差が小さくなることから、特に好ましい。本発明におけるインクジェット記録用紙を得るために、抄造条件としてパルプろ水度、ジェットワイヤー比、プロファイル、プレス、カレンダーなどの調整が行われ、また乾燥条件も抄紙機のドライヤーでの蒸気圧および通気方法の調整など、公知の方法が利用できる。抄紙時のpHは、酸性領域からアルカリ性領域で行うことが可能である。好ましくは、pH6〜9の弱酸性〜弱アルカリ性領域(中性領域)である。また、基紙中には、本発明の効果を損なわない範囲で、紙力増強剤、消泡剤、pH調整剤、歩留まり向上剤、色相を調整するための染料または有色顔料、視覚的白さを向上させるための蛍光染料等の抄紙用内添薬品を内添することができる。
<カチオン性樹脂の配合>
本発明では、上記原料パルプスラリー中に後述するカチオン性樹脂を含有することが好ましい。これにより後述するサイズの発現性を向上し、耐フェザーリング性を向上することができる。配合方法としては例えば、カチオン性樹脂そのものを原料パルプスラリー中に投入してもよいし、本発明のインクジェット記録用紙を製造、仕上げする際に生じる製品とはならない部分(いわゆる損紙)を離解してパルプスラリーを作製し、これを上記の原料パルプスラリー中に投入しても良い。損紙を離解して得られるカチオン性樹脂を含むパルプスラリーは原料パルプスラリー中に、パルプ絶乾質量で5質量%以上となるように含有することが好ましい。損紙を用いる場合は、カチオン性樹脂を直接原料パルプスラリーに投入するよりカチオン性樹脂を効率的に紙中に含有させることが可能となり、原料としての再利用を図ることが出来るため経済的である。
本発明では、上記原料パルプスラリー中に後述するカチオン性樹脂を含有することが好ましい。これにより後述するサイズの発現性を向上し、耐フェザーリング性を向上することができる。配合方法としては例えば、カチオン性樹脂そのものを原料パルプスラリー中に投入してもよいし、本発明のインクジェット記録用紙を製造、仕上げする際に生じる製品とはならない部分(いわゆる損紙)を離解してパルプスラリーを作製し、これを上記の原料パルプスラリー中に投入しても良い。損紙を離解して得られるカチオン性樹脂を含むパルプスラリーは原料パルプスラリー中に、パルプ絶乾質量で5質量%以上となるように含有することが好ましい。損紙を用いる場合は、カチオン性樹脂を直接原料パルプスラリーに投入するよりカチオン性樹脂を効率的に紙中に含有させることが可能となり、原料としての再利用を図ることが出来るため経済的である。
2.塗工液
<カチオン性樹脂>
本発明においては、アニオン性のインクジェット用インクに耐水性を付与すると共に、耐フェザーリング性を向上させるため、インク定着剤として効果のあるカチオン性樹脂を塗工液中に含む。
<カチオン性樹脂>
本発明においては、アニオン性のインクジェット用インクに耐水性を付与すると共に、耐フェザーリング性を向上させるため、インク定着剤として効果のあるカチオン性樹脂を塗工液中に含む。
カチオン性樹脂は、カチオン性の水溶性高分子であり、耐フェザーリング性およびインク耐水性を向上させる点から分子量200,000以下であることが好ましい。特に、本発明におけるインクジェット記録用紙に用いる場合、カチオン性樹脂の分子量は10,000以下であることが好ましい。
また、カチオン性樹脂のカチオン密度は5meq/g以上であることが好ましい。カチオン密度が5meq/g未満である場合、インク定着能力が十分でない場合がある。
また、カチオン性樹脂のカチオン密度は5meq/g以上であることが好ましい。カチオン密度が5meq/g未満である場合、インク定着能力が十分でない場合がある。
なお、上記分子量はGPC(Gel Permeation Chromatography)で測定した質量平均分子量であり、カチオン密度は、通常滴定薬として(1/400)Nポリビニル硫酸カリウム(PVSK)溶液および指示薬として0.1%トルイジンブルー溶液を用いる一般的なコロイド滴定法によって測定し、下記の計算式により得られる。
カチオン性樹脂としては、例えばポリエチレンイミン4級アンモニウム塩誘導体;アンモニア・ジアルキルアミン・エピハロヒドリン樹脂;ポリアミンエピハロヒドリン;ポリアミドエピハロヒドリン;ポリアミンポリアミドエピハロヒドリン、ジシアンアミド・ホルムアルデヒド樹脂;ジエチレントリアミン・ジシアンジアミド・アンモニウムクロライド樹脂;ジメチルジアリルアンモニウムクロライド樹脂等が例示される。このうち、アンモニアとアミン類とエピハロヒドリン類とを縮重合させてなるポリアミンエピハロヒドリン系樹脂を用いると、後述する高速インクジェットプリンターで印字した際の耐フェザーリング性がさらに向上するので特に好ましい。
前記樹脂に用いられるアミン類としては、例えば第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、ポリアルキルポリアミン、およびアルカノールアミンモノアミンなどを挙げることができる。具体的には第2級アミンとして、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、メチルオクチルアミン、メチルラウリルアミン、およびジベンジルアミン等を挙げることができる。第3級アミンとして具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−sec.−ブチルアミン、トリ−tert.−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、およびトリベンジルアミン等を挙げることができる。このうち、第2級アミンのジメチルアミンおよびジエチルアミンが特に好ましい。
前記樹脂におけるエピハロヒドリン類として具体的には、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、メチルエピクロルヒドリン等から選ばれる1種類以上を使用できるが、特にエピクロロヒドリンを使用することが好ましい。
前記樹脂の合成方法としては、例えば、特開平10−152544号公報、特開平10−147057号公報に記載される公知の方法を用いることができる。上記樹脂を1種単独でインク受容層塗工液に配合しても良く、また異なる重合度のものを混合して塗工液に配合しても良い。なお、上記樹脂は適宣合成したものを使用してもよく、市販品を用いてもよい。
本発明においては、カチオン性樹脂の塗工量が両面で0.5〜5.0g/m2であることが好ましく、1.0〜3.0g/m2である事がより好ましい。両面の塗工量が0.5g/m2未満である場合、十分な耐フェザーリング性および耐水性が得られない。一方、両面の塗工量が5.0g/m2を超えるカチオン性樹脂を塗工してもこれ以上耐フェザーリング性および耐水性は向上せず、過剰に塗工した分、薬品コストも上昇するため好ましくない。
<蛍光染料>
本発明においては、高い白色度を得るために、塗工液中に蛍光染料を配合することが好ましい。蛍光染料としては、ジアミノスチルベン型、イミダゾール型、オキサゾール型、トリアゾール型、クマリン型、ナフタルイミド型、およびピラゾリン型蛍光染料が挙げられる。一般的にアニオン性の蛍光染料はカチオン性樹脂との相溶性が悪く、混合時に凝集物が発生する。本発明においては、前述したカチオン性樹脂との相溶性が高く、高い白色度が得られる蛍光染料として、特にジアミノスチルベン型が好ましい。
本発明においては、高い白色度を得るために、塗工液中に蛍光染料を配合することが好ましい。蛍光染料としては、ジアミノスチルベン型、イミダゾール型、オキサゾール型、トリアゾール型、クマリン型、ナフタルイミド型、およびピラゾリン型蛍光染料が挙げられる。一般的にアニオン性の蛍光染料はカチオン性樹脂との相溶性が悪く、混合時に凝集物が発生する。本発明においては、前述したカチオン性樹脂との相溶性が高く、高い白色度が得られる蛍光染料として、特にジアミノスチルベン型が好ましい。
<結着剤>
塗工液中に含有する結着剤に特に制限はなく、例えば公知の樹脂から適宣選択することができる。本発明においては、水溶性高分子接着剤、合成エマルジョン系接着剤等、水に溶解可能か、または分散可能なものが好ましい。水溶性高分子接着剤としては、デンプンまたはその変性物、ポリビニルアルコールおよびその変性物、カゼインなどを挙げることができる。また、合成エマルジョン系接着剤としては、アクリル樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、スチレンブタジエンラテックス、ウレタン樹脂系エマルジョンなどを挙げることができるが、印字濃度の点から水溶性高分子接着剤を使用することが好ましい。結着剤として具体的には、完全ケン化型ポリビニルアルコール、部分ケン化型ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、酸化デンプン、ヒドロキシルエチルエーテル化デンプン、リン酸エステル化デンプンなどが挙げられる。
塗工液中に含有する結着剤に特に制限はなく、例えば公知の樹脂から適宣選択することができる。本発明においては、水溶性高分子接着剤、合成エマルジョン系接着剤等、水に溶解可能か、または分散可能なものが好ましい。水溶性高分子接着剤としては、デンプンまたはその変性物、ポリビニルアルコールおよびその変性物、カゼインなどを挙げることができる。また、合成エマルジョン系接着剤としては、アクリル樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、スチレンブタジエンラテックス、ウレタン樹脂系エマルジョンなどを挙げることができるが、印字濃度の点から水溶性高分子接着剤を使用することが好ましい。結着剤として具体的には、完全ケン化型ポリビニルアルコール、部分ケン化型ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、酸化デンプン、ヒドロキシルエチルエーテル化デンプン、リン酸エステル化デンプンなどが挙げられる。
<その他の成分>
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、塗工液中にサイズ剤、染料、保水剤、耐水化剤、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、などの添加剤を配合することが可能である。
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、塗工液中にサイズ剤、染料、保水剤、耐水化剤、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、などの添加剤を配合することが可能である。
<塗工方法>
本発明においては、塗工液はトランスファーロールコーターにより高速(300m/min.以上、1000m/min.以上も可能)で基紙上に塗工されることが好ましい。これらは基紙に同時に両面塗工でき、抄紙機上に容易に設置できる塗工方式である。これにより、生産性が大幅に向上するとともに、基紙の両面同時に塗工することにより、両面印字可能なインクジェット記録用紙を安価に製造可能となる。トランスファーロールコーターとしては、ゲートロールコーター、ロッドメータリングサイズプレス、ブレードメータリングサイズプレスなどが挙げられる。これらのコータは、前計量方式(印刷塗工方式)で基紙に塗工液を塗布する(複数のロールやバー、ブレード等で計量した塗工液を、アプリケーションロールを用いて基紙に塗布する)コーターである。前計量方式のコータは、ブレードコーターやバーコーターなどの後計量方式(基紙に付着させた塗工液を掻き取る方式)で塗工するコーターと比較して、塗工時に用紙にかかる負荷が小さいため断紙し難く、より高速で塗工できる等の利点がある。また、トランスファーロールコーターを用いると基紙上に形成される塗膜厚が均一となるため、耐フェザーリング性が更に良好となる。
本発明においては、塗工液はトランスファーロールコーターにより高速(300m/min.以上、1000m/min.以上も可能)で基紙上に塗工されることが好ましい。これらは基紙に同時に両面塗工でき、抄紙機上に容易に設置できる塗工方式である。これにより、生産性が大幅に向上するとともに、基紙の両面同時に塗工することにより、両面印字可能なインクジェット記録用紙を安価に製造可能となる。トランスファーロールコーターとしては、ゲートロールコーター、ロッドメータリングサイズプレス、ブレードメータリングサイズプレスなどが挙げられる。これらのコータは、前計量方式(印刷塗工方式)で基紙に塗工液を塗布する(複数のロールやバー、ブレード等で計量した塗工液を、アプリケーションロールを用いて基紙に塗布する)コーターである。前計量方式のコータは、ブレードコーターやバーコーターなどの後計量方式(基紙に付着させた塗工液を掻き取る方式)で塗工するコーターと比較して、塗工時に用紙にかかる負荷が小さいため断紙し難く、より高速で塗工できる等の利点がある。また、トランスファーロールコーターを用いると基紙上に形成される塗膜厚が均一となるため、耐フェザーリング性が更に良好となる。
本発明において、トランスファーロールコーターはオンマシンコーターであってもオフマシンコーターであっても良い。オンマシンコーターとは、基紙の製造機(抄紙機等)上に設置されて基紙の製造と同一ラインで塗工するものであり、オフマシンコーターとは、基紙の製造機と別に設置され、製造された基紙を一旦巻取り、別ラインのコーターで塗工するものである。生産効率を向上させてコストダウンを図る点では、オンマシンコータートランスファーロールコーターを用いるのが好ましい。
なお、従来のインクジェット記録用紙の製造における塗工方式としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、バーコーター、カーテンコーターなどが用いられているが、これらの方式で基紙に同時に両面塗工することは困難であり、両面塗工するには、製造工程数の増加、乾燥負荷の増大などの問題が生じ、実用的でない。
なお、従来のインクジェット記録用紙の製造における塗工方式としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、バーコーター、カーテンコーターなどが用いられているが、これらの方式で基紙に同時に両面塗工することは困難であり、両面塗工するには、製造工程数の増加、乾燥負荷の増大などの問題が生じ、実用的でない。
<灰分>
本発明のインクジェット記録用紙のJIS−P8251に規定された灰分は13〜25%であることが必要であり、好ましくは14〜20%である。灰分が13〜25%であると、インクジェット記録時のインク乾燥性が向上する。一方、灰分が13%未満であるとこれらの効果が得られず、25%を超えるとインクが記録用紙における横方向へのインクの浸透を制御できず、インクがニジみやすくなり、耐フェザーリング性が低下する。なお、JIS−P8251に規定する灰分は、試料(紙)を525℃±25℃の温度で燃焼させた後の灰分残留物の量を、試料の絶乾質量に対する百分率で表したものである。
本発明のインクジェット記録用紙のJIS−P8251に規定された灰分は13〜25%であることが必要であり、好ましくは14〜20%である。灰分が13〜25%であると、インクジェット記録時のインク乾燥性が向上する。一方、灰分が13%未満であるとこれらの効果が得られず、25%を超えるとインクが記録用紙における横方向へのインクの浸透を制御できず、インクがニジみやすくなり、耐フェザーリング性が低下する。なお、JIS−P8251に規定する灰分は、試料(紙)を525℃±25℃の温度で燃焼させた後の灰分残留物の量を、試料の絶乾質量に対する百分率で表したものである。
<ステキヒトサイズ度>
本発明においては上記基紙中に、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤を、内添填料としてロゼッタ(rosette)型軽質炭酸カルシウムを含有することで、高いインク吸収性を保ちつつ、サイズ効果を発現させることができる。さらに、インクジェット記録用紙において、JIS−P8122にて規定されるステキヒトサイズ度が10〜25秒であることが必要である。高いレベルでの耐フェザーリング性とインク乾燥性の両立を図るためには、ステキヒトサイズ度が12秒〜20秒であることが特に好ましい。ステキヒトサイズ度が10秒未満である場合、インクジェット記録用紙に打ち込まれたインクが横方向に広がりやすくなり、耐フェザーリング性が大きく低下する。一方、ステキヒトサイズ度が25秒を超える場合、耐フェザーリング性は良好であるが、インク乾燥性が大きく低下するため、高速インクジェットプリンターに使用することが困難である。
本発明においては上記基紙中に、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤を、内添填料としてロゼッタ(rosette)型軽質炭酸カルシウムを含有することで、高いインク吸収性を保ちつつ、サイズ効果を発現させることができる。さらに、インクジェット記録用紙において、JIS−P8122にて規定されるステキヒトサイズ度が10〜25秒であることが必要である。高いレベルでの耐フェザーリング性とインク乾燥性の両立を図るためには、ステキヒトサイズ度が12秒〜20秒であることが特に好ましい。ステキヒトサイズ度が10秒未満である場合、インクジェット記録用紙に打ち込まれたインクが横方向に広がりやすくなり、耐フェザーリング性が大きく低下する。一方、ステキヒトサイズ度が25秒を超える場合、耐フェザーリング性は良好であるが、インク乾燥性が大きく低下するため、高速インクジェットプリンターに使用することが困難である。
ステキヒトサイズ度は基紙中の内添サイズ剤の含有量や、塗工液を構成する各成分の塗工量等で調整できる。例えば、基紙中の内添サイズ剤や、カチオン性樹脂の含有量が増えるとサイズ度は大きくなり、また、カチオン性樹脂の塗工量が増えるとサイズ度は小さくなる。
<印字>
本発明が適用される高速インクジェットプリンターとは、印字速度100m/min.以上のロール給紙タイプのプリンターを指す。前記インクジェットプリンターには、インク色毎にラインヘッドが搭載されており、高速印字を可能としている。高速インクジェットプリンターに用いられるインクは水性染料タイプ、または水性顔料タイプに分別される。また、高速インクジェットプリンターには、マイクロ波乾燥、高周波乾燥、シリンダー乾燥、熱風乾燥などの補助乾燥装置が設置されている。高速インクジェットプリンターとして具体的には、Kodak versamark社製VX5000e、イセトー社製イセトースーパージェット4000、ミヤコシ社製MJP600、SCITEX社製SCITEX6240などが挙げられる。
本発明が適用される高速インクジェットプリンターとは、印字速度100m/min.以上のロール給紙タイプのプリンターを指す。前記インクジェットプリンターには、インク色毎にラインヘッドが搭載されており、高速印字を可能としている。高速インクジェットプリンターに用いられるインクは水性染料タイプ、または水性顔料タイプに分別される。また、高速インクジェットプリンターには、マイクロ波乾燥、高周波乾燥、シリンダー乾燥、熱風乾燥などの補助乾燥装置が設置されている。高速インクジェットプリンターとして具体的には、Kodak versamark社製VX5000e、イセトー社製イセトースーパージェット4000、ミヤコシ社製MJP600、SCITEX社製SCITEX6240などが挙げられる。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の「部」、「%」は特に断らない限り、それぞれ「質量部」、「質量%」を指す。
<実施例1>
広葉樹クラフトパルプ(ろ水度360ml c.s.f.)100%からなるパルプスラリーに、填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(アルバカー5970:SMI社製)を対絶乾パルプ質量当たり20%、硫酸バンドを1.2%、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤(CC1401:星光PMC社製)を1.0%、カチオン化デンプン(CATO304:日本エヌエスシー社製)を0.7%添加して原料スラリーを得た。これを、ツインワイヤー型抄紙機を使用して800m/min.の速度で坪量80g/m2になるよう抄造して基紙を得た。得られた基紙に、酸化澱粉(MS#3600:日本食品化工社製)10.0%、分子量数千のポリアミンエピハロヒドリン系樹脂(DK6802:星光PMC社製のカチオン性樹脂)4.0%、スチルベン型蛍光染料(カヤホールPASQリキッド:日本化薬社製)0.3%からなる塗工液を、オンマシン上に設置されたロッドメータリングサイズプレスを用いて両面で7g/m2となるよう塗工することにより、インクジェット記録用紙1を得た。
<実施例1>
広葉樹クラフトパルプ(ろ水度360ml c.s.f.)100%からなるパルプスラリーに、填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(アルバカー5970:SMI社製)を対絶乾パルプ質量当たり20%、硫酸バンドを1.2%、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤(CC1401:星光PMC社製)を1.0%、カチオン化デンプン(CATO304:日本エヌエスシー社製)を0.7%添加して原料スラリーを得た。これを、ツインワイヤー型抄紙機を使用して800m/min.の速度で坪量80g/m2になるよう抄造して基紙を得た。得られた基紙に、酸化澱粉(MS#3600:日本食品化工社製)10.0%、分子量数千のポリアミンエピハロヒドリン系樹脂(DK6802:星光PMC社製のカチオン性樹脂)4.0%、スチルベン型蛍光染料(カヤホールPASQリキッド:日本化薬社製)0.3%からなる塗工液を、オンマシン上に設置されたロッドメータリングサイズプレスを用いて両面で7g/m2となるよう塗工することにより、インクジェット記録用紙1を得た。
<実施例2>
広葉樹クラフトパルプ(ろ水度360ml c.s.f.)100%からなるパルプスラリーに、実施例1で得られたインクジェット記録用紙1の損紙を離解して得られたスラリー(カチオン性樹脂を含むパルプスラリーとなる)を絶乾パルプ質量比で85:15となるように混合してパルプスラリーを得た。得られたパルプスラリーに、填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(アルバカー5970:SMI社製)を対絶乾パルプ質量当たり20%、硫酸バンドを1.2%、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤(CC1401:星光PMC社製)を1.0%、カチオン化デンプン(CATO304:日本エヌエスシー社製)を0.7%添加して原料スラリーを得た。これを、ツインワイヤー型抄紙機を使用して800m/min.の速度で坪量80g/m2になるよう抄造して基紙を得た。この基紙を用いた以外は実施例1と同様にして上記塗工液を塗工し、インクジェット記録用紙2を作製した。
広葉樹クラフトパルプ(ろ水度360ml c.s.f.)100%からなるパルプスラリーに、実施例1で得られたインクジェット記録用紙1の損紙を離解して得られたスラリー(カチオン性樹脂を含むパルプスラリーとなる)を絶乾パルプ質量比で85:15となるように混合してパルプスラリーを得た。得られたパルプスラリーに、填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(アルバカー5970:SMI社製)を対絶乾パルプ質量当たり20%、硫酸バンドを1.2%、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤(CC1401:星光PMC社製)を1.0%、カチオン化デンプン(CATO304:日本エヌエスシー社製)を0.7%添加して原料スラリーを得た。これを、ツインワイヤー型抄紙機を使用して800m/min.の速度で坪量80g/m2になるよう抄造して基紙を得た。この基紙を用いた以外は実施例1と同様にして上記塗工液を塗工し、インクジェット記録用紙2を作製した。
<実施例3>
基紙に内添する中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を1.5%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙3を作製した。
基紙に内添する中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を1.5%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙3を作製した。
<実施例4>
基紙に内添する中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を0.5%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙4を作製した。
基紙に内添する中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を0.5%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙4を作製した。
<実施例5>
基紙に内添するロゼッタ型軽質炭酸カルシウムのパルプスラリーへの添加量を37%、中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を1.7%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙5を作製した。
基紙に内添するロゼッタ型軽質炭酸カルシウムのパルプスラリーへの添加量を37%、中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を1.7%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙5を作製した。
<実施例6>
基紙に内添するロゼッタ型軽質炭酸カルシウムのパルプスラリーへの添加量を17%、中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を1.0%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙6を作製した。
基紙に内添するロゼッタ型軽質炭酸カルシウムのパルプスラリーへの添加量を17%、中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を1.0%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙6を作製した。
<実施例7>
塗工液中のポリアミンエピハロヒドリン系樹脂の添加量を2.5%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙7を作製した。
塗工液中のポリアミンエピハロヒドリン系樹脂の添加量を2.5%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙7を作製した。
<実施例8>
上記ポリアミンエピハロヒドリン系樹脂に代え、塗工液中に分子量数万のポリアミンエピハロヒドリン系樹脂(DK6854:星光PMC社製)を4.0%配合した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙8を作製した。
上記ポリアミンエピハロヒドリン系樹脂に代え、塗工液中に分子量数万のポリアミンエピハロヒドリン系樹脂(DK6854:星光PMC社製)を4.0%配合した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙8を作製した。
<比較例1>
基紙に内添する中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を0.3%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙9を作製した。
基紙に内添する中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を0.3%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙9を作製した。
<比較例2>
基紙に内添する中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を2.0%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙10を作製した。
基紙に内添する中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を2.0%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙10を作製した。
<比較例3>
基紙に内添するサイズ剤として、上記中性ロジンサイズ剤に代え、アルキルケテンダイマー(AD1604:星光PMC社製)0.20%を用いた以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙11を作製した。
基紙に内添するサイズ剤として、上記中性ロジンサイズ剤に代え、アルキルケテンダイマー(AD1604:星光PMC社製)0.20%を用いた以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙11を作製した。
<比較例4>
基紙中に内添するサイズ剤として、中性ロジンサイズ剤に代え、アルケニル無水コハク酸(AS1532:星光PMC社製)をポリマーサイズ剤(SP1800:星光PMC社製)で乳化させたエマルジョン0.25%とした以外は実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙12を作製した。
基紙中に内添するサイズ剤として、中性ロジンサイズ剤に代え、アルケニル無水コハク酸(AS1532:星光PMC社製)をポリマーサイズ剤(SP1800:星光PMC社製)で乳化させたエマルジョン0.25%とした以外は実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙12を作製した。
<比較例5>
塗工液中の蛍光染料を配合しなかったこと以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙13を作製した。
塗工液中の蛍光染料を配合しなかったこと以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙13を作製した。
<比較例6>
塗工液中のポリアミンエピハロヒドリン系樹脂を配合しなかったこと以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙14を作製した。
塗工液中のポリアミンエピハロヒドリン系樹脂を配合しなかったこと以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙14を作製した。
<比較例7>
基紙に内添するロゼッタ型軽質炭酸カルシウムのパルプスラリーへの添加量を12%、中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を0.7%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙15を作製した。
基紙に内添するロゼッタ型軽質炭酸カルシウムのパルプスラリーへの添加量を12%、中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を0.7%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙15を作製した。
<比較例8>
基紙に内添するロゼッタ型軽質炭酸カルシウムのパルプスラリーへの添加量を43%、中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を2.0%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙16を作製した。
基紙に内添するロゼッタ型軽質炭酸カルシウムのパルプスラリーへの添加量を43%、中性ロジンサイズ剤のパルプスラリーへの添加量を2.0%とした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙16を作製した。
<比較例9>
上記ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムに代え、紡錘状軽質炭酸カルシウム(PC:白石工業社製)をパルプスラリーへ20%添加して基紙を作製した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙17を作製した。
上記ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムに代え、紡錘状軽質炭酸カルシウム(PC:白石工業社製)をパルプスラリーへ20%添加して基紙を作製した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙17を作製した。
<評価項目−インクジェット記録用紙の物性>
・灰分
JIS−P8251に準拠して、各インクジェット記録用紙の525℃の灰分を測定した。
・ISO白色度
JIS−P8148(ISO 2470)に準拠して、各インクジェット記録用紙のISO白色度(UV−in)を測定した。白色度が90%を超えると十分高い白色度であり、問題ない。
・ステキヒトサイズ度
JIS−P8122に準拠して、各インクジェット記録用紙のステキヒトサイズ度を測定した。
・灰分
JIS−P8251に準拠して、各インクジェット記録用紙の525℃の灰分を測定した。
・ISO白色度
JIS−P8148(ISO 2470)に準拠して、各インクジェット記録用紙のISO白色度(UV−in)を測定した。白色度が90%を超えると十分高い白色度であり、問題ない。
・ステキヒトサイズ度
JIS−P8122に準拠して、各インクジェット記録用紙のステキヒトサイズ度を測定した。
・走行性
得られたインクジェット記録用紙を、通紙速度100m/min.でロール給紙タイプのオフセット印刷機に通して、紙滑りやバタツキ、粉落ちなどの走行性を目視評価した。以下の評価が○、△であれば印字速度100m/min.以上のロール給紙タイプのプリンターでインクジェット記録を行っても実用上問題なく使用できる。
○:良好(紙滑りやバタツキ、粉落ちがほとんどない)
△:やや良好(紙滑りやバタツキ、粉落ちのうちいずれかが若干みられる)
×:不良(紙滑りやバタツキ、粉落ちのうちいずれかがはっきりと確認できる)
得られたインクジェット記録用紙を、通紙速度100m/min.でロール給紙タイプのオフセット印刷機に通して、紙滑りやバタツキ、粉落ちなどの走行性を目視評価した。以下の評価が○、△であれば印字速度100m/min.以上のロール給紙タイプのプリンターでインクジェット記録を行っても実用上問題なく使用できる。
○:良好(紙滑りやバタツキ、粉落ちがほとんどない)
△:やや良好(紙滑りやバタツキ、粉落ちのうちいずれかが若干みられる)
×:不良(紙滑りやバタツキ、粉落ちのうちいずれかがはっきりと確認できる)
<水系インクによるインクジェット記録>
各記録用紙について、インクジェットプリンターSCITEX6240システムプリンター(SCITEX社製、通紙速度100m/min.、高速インクジェットプリンター)で黒インク(#1040)を用いてインクジェット印字を行い、以下の評価項目について、インクジェット記録適性を評価した。評価結果を表に示す。
<インクジェット記録適性の評価項目>
・耐フェザーリング性
細線パターン(0.1mm幅×35mm高さ×500線)を印字し、線のニジミ具合を目視判定した。以下の評価が○、△であれば実用上問題なく使用できる。
○:ニジミがない
△:若干、ニジミが生じる
×:ニジミが酷く、実使用上問題を生じるレベル
各記録用紙について、インクジェットプリンターSCITEX6240システムプリンター(SCITEX社製、通紙速度100m/min.、高速インクジェットプリンター)で黒インク(#1040)を用いてインクジェット印字を行い、以下の評価項目について、インクジェット記録適性を評価した。評価結果を表に示す。
<インクジェット記録適性の評価項目>
・耐フェザーリング性
細線パターン(0.1mm幅×35mm高さ×500線)を印字し、線のニジミ具合を目視判定した。以下の評価が○、△であれば実用上問題なく使用できる。
○:ニジミがない
△:若干、ニジミが生じる
×:ニジミが酷く、実使用上問題を生じるレベル
・耐水性
黒色のベタパターン1(50mm幅×15mm高さ)を印字した後、蒸留水に30秒間浸漬し、インクの流れの程度から耐水性を目視判定した。以下の評価が○、△であれば実用上問題なく使用できる。
○:インクが流れ落ちない
△:若干、インクが流れ落ちている
×:インクの流れ落ちが著しい
・インク乾燥性
黒色のベタパターン2(85mm幅×5mm高さ)を印字した後、ベタ部を指でこすり、乾燥に要するまでの時間を測定した。以下の評価が○、△であれば実用上問題なく使用できる。
○:乾燥に要する時間が5秒未満であった
△:乾燥に要する時間が5〜10秒であった
×:乾燥に要する時間が10秒を超えた
黒色のベタパターン1(50mm幅×15mm高さ)を印字した後、蒸留水に30秒間浸漬し、インクの流れの程度から耐水性を目視判定した。以下の評価が○、△であれば実用上問題なく使用できる。
○:インクが流れ落ちない
△:若干、インクが流れ落ちている
×:インクの流れ落ちが著しい
・インク乾燥性
黒色のベタパターン2(85mm幅×5mm高さ)を印字した後、ベタ部を指でこすり、乾燥に要するまでの時間を測定した。以下の評価が○、△であれば実用上問題なく使用できる。
○:乾燥に要する時間が5秒未満であった
△:乾燥に要する時間が5〜10秒であった
×:乾燥に要する時間が10秒を超えた
実施例1〜8、比較例1〜9で得られたインクジェット記録用紙を上述した評価方法で評価した結果を表1に示す。
本発明に相当する実施例1〜8において得られた記録用紙1〜8は、高い白色度を有し、印刷機の走行性、インクジェット記録適性(耐フェザーリング性、耐水性、インク乾燥性)いずれも良好であった。
一方、基紙に内添した中性ロジンサイズ剤の添加量が各実施例より少なく、ステキヒトサイズ度が10秒未満となった比較例1の場合、耐フェザーリング性が大きく悪化した。基紙に内添した中性ロジンサイズ剤の添加量が各実施例より多く、ステキヒトサイズ度が25秒を超えた比較例2の場合、インク乾燥性が大きく悪化した。
また、中性ロジンサイズ剤の代わりにアルキルケテンダイマーを添加した比較例3の場合、紙滑りが発生し、印刷機での走行性が悪化した。一方、中性ロジンサイズ剤の代わりにアルケニル無水コハク酸を添加した比較例4の場合、耐フェザーリング性が大きく悪化した。
蛍光染料を配合しなかった比較例5の場合、白色度が大きく低下し、インクジェット記録性能を付与するために必要なカチオン性樹脂を配合しなかった比較例6の場合、耐フェザーリング性、耐水性が悪化した。
基紙に内添したロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの添加量が各実施例より少ない比較例7の場合、インク乾燥性が大きく悪化した。基紙に内添したロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの添加量が各実施例より多い比較例8の場合、粉落ちが発生し、また、耐フェザーリング性が大きく悪化した。また、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの代わりに紡錘状軽質炭酸カルシウムを配合した比較例9の場合、インク乾燥性が大きく悪化した。
Claims (6)
- 印字速度100m/min.以上のロール給紙タイプのプリンターに使用するインクジェット記録用紙であって、パルプと、填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウムと、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤とを含有する基紙の表面に、カチオン性樹脂、アニオン性蛍光染料、及び結着剤を含有し、かつ顔料を含まない塗工液を塗工してなり、JIS−P8122に規定されたステキヒトサイズ度が10〜25秒かつJIS−P8251に規定された灰分が13%〜25%であるインクジェット記録用紙。
- 前記カチオン性樹脂がポリアミンエピハロヒドリン系樹脂であり、前記アニオン性蛍光染料がスチルベン型蛍光染料である請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
- 前記カチオン性樹脂の分子量が10,000以下である請求項1又は2に記載されたインクジェット記録用紙。
- 前記基紙に前記塗工液をトランスファーロールコーターで塗工してなる請求項1〜3のいずれかに記載されたインクジェット記録用紙。
- 前記基紙が、前記パルプと前記カチオン性樹脂とを含有するパルプスラリーから抄紙されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載されたインクジェット記録用紙。
- 前記カチオン性樹脂を含有するパルプスラリーが請求項1〜4のいずれかに記載されたインクジェット記録用紙の損紙を離解して作製されたものであることを特徴とする、請求項5記載のインクジェット記録用紙。
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