JP2007136967A - 普通紙タイプのインクジェット記録用紙 - Google Patents

普通紙タイプのインクジェット記録用紙 Download PDF

Info

Publication number
JP2007136967A
JP2007136967A JP2005336423A JP2005336423A JP2007136967A JP 2007136967 A JP2007136967 A JP 2007136967A JP 2005336423 A JP2005336423 A JP 2005336423A JP 2005336423 A JP2005336423 A JP 2005336423A JP 2007136967 A JP2007136967 A JP 2007136967A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
recording paper
cationic
inkjet recording
pulp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005336423A
Other languages
English (en)
Inventor
Taichi Watanabe
太一 渡邊
Yuji Sawa
裕治 澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd, Jujo Paper Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP2005336423A priority Critical patent/JP2007136967A/ja
Publication of JP2007136967A publication Critical patent/JP2007136967A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 基紙中に古紙パルプを含有する普通紙タイプのインクジェット記録用紙において、高速インクジェットプリンティングシステムで記録した場合であっても、画像耐水性、インク乾燥性が良好であり、フェザーリングが少なく、マルチレベルのバーコードの印字ができるインクジェット記録用紙を得る。
【解決手段】 古紙パルプを含有する抄紙用パルプと填料とからなる基紙の少なくとも片面に、水溶性高分子結着剤とともにカチオン性エピハロヒドリン系樹脂を付着させてなるインクジェット記録用紙であって、前記カチオン性エピハロヒドリン系樹脂は、カチオン化度が5meq/g以上でありかつ重量分子量が1万以下であり、かつカチオン性エピハロヒドリン系樹脂の付着量が2g/m2を超えて10.0g/m2以下であり、さらにインクジェット記録用紙のステキヒトサイズ度が10秒以上50秒以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録方式において好適に用いられるインクジェット記録用紙に関し、特に基紙中に古紙パルプを含有するインクジェット記録用紙に関するものである。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録用紙に付着させ、画像・文字などの記録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要などの特徴があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像などの記録装置として種々の用途において急速に普及している。
さらに最近では、高速インクジェットプリンティングシステムも開発され、150m/分以上の高速で宛名書き印刷、顧客情報印刷、ナンバリング印刷、バーコード印刷などのオンデマンドプリンティング用途にも利用されつつある。このような用途においては、インク乾燥性、印字精度(フェザーリング等がないこと)や画像耐水性を兼ね備えた記録用紙が要求されている。
ところで、バーコードは、幅の異なる複数種類の黒バー及び白スペースを、所定の組み合わせパターンで交互に並列させることにより、数字,アルファベット,記号等からなる所要情報を表すものであるが、バーパターンを構成する最小単位である黒バーと白スペースの種類によってバイナリレベル(2値化レベル)とマルチレベルとに分類される。このマルチレベルのバーコードは、前記バイナリレベルのものに比べてバーコードの全体長が同じであれば、より多くの情報を表示することができるという利点を有する反面、幅比率の許容範囲が殆どなく、印字精度が低いと各黒バー及び白スペースの幅の区別がつきにくくなり、光学読み取り装置による読み取りエラーの発生率が高くなる。このようなマルチレベルのバーコードとしては、EAN-128が知られている。
一方、インクジェット記録用紙の形態としては、上質紙・ボンド紙などに代表される普通紙タイプと上質紙などの紙、合成紙、合成樹脂フィルムなどの基紙上にインク受理層を設けた塗工紙タイプに大別される。
塗工紙タイプには、インク受理層の塗工量が1〜10g/m2程度の低塗工量タイプ、10〜20g/m2程度の中塗工量タイプ、20g/m2以上の高塗工量タイプの各インクジェット記録用紙があるが、ダイレクトメール等のオンデマンドプリンティング用途においては、普通紙タイプのインクジェット記録用紙が、外見的にも取扱いとしても好ましく、望まれてきている。しかし、これらの普通紙タイプのインクジェット記録用紙の場合、塗工紙タイプに比べ印字精度が低く、また充分なインク乾燥性、画像の耐水性が得られていないのが現状である。
インクジェット記録用紙のインク乾燥性を向上するために、特許文献1には15重量%水溶液の25℃における粘度が6mPa・s以上40mPa・s以下であり、かつpH10におけるカチオン化度が0.4meq/g以上2.0meq/g以下であるポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂を無サイズの繊維状物質中に含有したインクジェット記録用紙が提案されている。また、画像の耐水性を改良するために、特許文献2には2級アミンとエピハロヒドリンの反応物を用いたインクジェット記録用紙が、また、特許文献3には印字精度と耐水性を両立するために、カチオン性樹脂の付着量が乾燥付着量として0.2〜2.0g/m2であり、かつ填料として軽質炭酸カルシウムを用い、燃焼温度を500℃とした以外はJIS P8128に準じた方法で測定した用紙の灰分が7%以上であるインクジェット記録用紙の例が示されている。
また、環境保護の立場から、OA古紙や新聞雑誌類の古紙を脱墨処理したものを原料の一部とするOA用紙の比率が増えてきている。インクジェット記録用紙を製造する場合、基紙の原料パルプに古紙パルプを使用すれば資源の節減にはなるが、古紙パルプの種類の特性を見極めずに使用すると、インクジェットプリンターで印字した際に、フェザーリングと呼ばれるヒゲ状の滲みが発生するという問題があった。これを解決するために、特許文献4においては少なくとも表層と基層の2層の紙層を積層し、記録面側である表層がその全パルプ中に広葉樹パルプを70重量%以上含み、基層の広葉樹の含有率が表層の広葉樹の含有率未満であるインクジェット記録用紙が例示されている。
特開2002−326446号公報 特開平6−92012号公報 特開平9−202042号公報 特開2001−187486号公報
しかしながら、特許文献1〜3に例示されたインクジェット記録用紙はいずれにおいても耐水性が不十分であった。また、特許文献2〜4の方法を用いた場合は、フェザーリングが発生し、充分な印字精度を得ることができず、マルチレベルのバーコードを印字することは不可能であった。また、前述のインクジェット記録用紙はいずれも、150m/分以上の高速インクジェットプリンティングシステムで記録した場合にインク乾燥性、印字精度、画像の耐水性のすべてを満足することができなかった。
そこで、本発明は、基紙中に古紙パルプを含有する普通紙タイプのインクジェット記録用紙において、高速インクジェットプリンティングシステムで記録した場合であっても、画像耐水性、インク乾燥性が良好であり、フェザーリングが少なく、マルチレベルのバーコードの印字ができるインクジェット記録用紙を得ることを目的とする。
本発明者らは、上記に鑑み鋭意研究した結果、基紙に特定のカチオン化度と分子量を有するカチオン性エピハロヒドリン系樹脂を付着させ、さらにインクジェット記録用紙のステキヒトサイズ度を特定することにより、インク乾燥性、フェザーリングの軽減、記録画像の耐水性の向上をすべて満足したインクジェット記録用紙が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は少なくとも、古紙パルプを含有する抄紙用パルプと填料とからなる基紙の少なくとも片面に、水溶性高分子結着剤とともにカチオン性エピハロヒドリン系樹脂を付着させてなるインクジェット記録用紙であって、前記カチオン性エピハロヒドリン系樹脂は、カチオン化度が5meq/g以上でありかつ重量分子量が1万以下であり、かつカチオン性エピハロヒドリン系樹脂の付着量が2g/m2を超えて10.0g/m2以下であり、さらにインクジェット記録用紙のステキヒトサイズ度が10秒以上50秒以下である普通紙タイプのインクジェット記録用紙である。
本発明のインクジェット記録用紙は基紙中に古紙パルプを含有しても、高速印字におけるインク乾燥性、印字精度、画像耐水性のいずれもが高いため、EAN-128のようなマルチレベルのバーコードも印字が可能であり、また、記録画像が何らかの理由により水に曝された時でも、バーコード読み取りが可能な状態を維持することができる。さらに、多色印字も可能である。
以下、本発明のインクジェット記録用紙について、詳細に説明する。
(基紙)
本発明のインクジェット記録用紙の基紙は、抄紙用パルプと填料を主成分とする。抄紙用パルプとしては特に木材パルプが使用され、具体的には、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、TMP、古紙パルプが挙げられる。本発明においては古紙パルプを必須とするが、これ以外の木材パルプを必要に応じて併用して用いられる。古紙パルプの配合量を増やしていくとフェザーリングが悪化することは知られているが、本発明においては、古紙パルプを全抄紙用パルプに対し50重量%以上配合した場合においてもフェザーリングを抑制することができる。
なお、本発明で言う古紙パルプの原料としては、(財)古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に示されている、上白、罫白、クリーム白、カード、特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。さらに具体例としては、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱紙、感圧紙などのプリンター用紙、およびPPC用紙などのOA古紙、アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙などの塗工紙、あるいは上質紙、色上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカートンなどの非塗工紙などの紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含有紙などが使用されるが、印字、複写、印刷、非印刷を問わず特に限定されるものではない。
填料としては従来公知の填料を用いることができる。例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのような白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料などが挙げられる。
本発明において、基紙中には、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することもできる。
上記基紙の抄紙方法において用いられる抄紙機は、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機など製紙業界で公知の抄紙機を適宜使用できる。
(カチオン性エピハロヒドリン系樹脂)
本発明のインクジェット記録用紙は上述した基紙の少なくとも片面に、水溶性高分子結着剤とともにカチオン性エピハロヒドリン系樹脂を付着させてなる。
本発明で使用するカチオン性エピハロヒドリン系樹脂とはポリアミンポリアミドエピハロヒドリン縮重合体;アンモニアと、モノアミンやポリアミン等のアミン類と、エピハロヒドリン類とを反応させてなる縮重合物(ジアルキルアミン・アンモニア・エピクロロヒドリン縮重合体等);ポリアミドエピハロヒドリン樹脂;ポリアミンエピハロヒドリン樹脂などがあげられ、水に溶解したとき離解してカチオン性を呈する。
さらに上記カチオン性エピハロヒドリン系樹脂はカチオン化度が5meq/g以上であることが必須である。カチオン化度が5meq/g未満の場合、耐水性が不十分となる。なお、カチオン化度は10meq/g以下であることが好ましく、特に好ましい範囲は6meq/g以上7meq/g以下である。この範囲内であれば高速で多色印字を行った場合でも、各色とも印字ドットの真円度を良好とすることができる。
なお、カチオン化度の測定方法は、「コロイド滴定法」(千手諒一著、昭和44年南江堂出版)に従って行った。その原理と測定方法を以下に説明する。
(原理)トルイジンブルー(TB)は塩基性色素であり、アミノ基を有する正コロイドには吸着されないが、負コロイドには直ちに吸着されて赤紫色に変色する。この現象を利用して、例えば、カチオン性樹脂水溶液にTBを加え、ポリビニル硫酸カリウム(PVSK)の希薄溶液を滴下すると、PVSKはカチオン性基と優先的に反応して、はじめはTBの変色はないが、当量点を過ぎると過剰のPVSKはTBと反応し、溶液は青から赤紫色に変色する。TBを指示薬にすることによりPVSKの消費量からカチオン化度を算出できる。
(カチオン化度の測定方法)(1)試料(固形分として0.05〜0.15g)を100mlメスフラスコに精秤し、標線までイオン交換水を加える。(2)この試料水溶液10mlをホールピペットにて50mlビーカーにとる。(3)試料水溶液のpHは、希薄なアンモニア水溶液または酢酸水溶液を数滴加えることで適宜調整することができる。(4)ビーカーをマグネットスターラーの上に置き、回転子を入れてから静かに撹拌する。(5)TB水溶液を2〜3滴加えると、青色(sky blue)を呈するが、(6)ビーカー内に1/500規定のPVSKを10mlビューレットより滴下すると、当量点近くで沈殿が生じ、液が白濁する。(7)さらにPVSKを滴下し、液相が青色から赤紫色に変色したらPVSKの滴下を止めてビューレットの目盛りを読む。次の式よりカチオン化度を算出する。
Figure 2007136967

なお、上記式中の各記号は、それぞれ
V:1/500規定のPVSK水溶液の滴定量(ml)
S:試料採取量(g)
N:試料固形分(%)
を示す。
本発明で用いるカチオン性エピハロヒドリン系樹脂は重量平均分子量が1万以下であることが必須である。重量平均分子量が1万を超えると高速インクジェット記録の場合に耐水性が不十分となる。特に好ましい範囲は1000〜9000である。この範囲であれば耐水性は非常に良好となる。重量平均分子量はGPC(ゲル浸透クロマトグラフ)や光散乱法等で測定することができる
(水溶性高分子結着剤)
本発明においては、カチオン性エピハロヒドリン系樹脂と同時に水溶性高分子結着剤を基紙表面に付着する。水溶性高分子結着剤としては、例えば、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変性澱粉、カチオン化澱粉または各種変性澱粉、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ハイドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコールまたはそれらの誘導体などをあげることができ、これらを単独あるいは併用して使用することができる。
(カチオン性エピハロヒドリン系樹脂の付着方法)
本発明においては基紙のいずれか片面にカチオン性エピハロヒドリン系樹脂と水溶性高分子結着剤を付着させる。基紙の表面にカチオン性エピハロヒドリン系樹脂と水溶性高分子結着剤を含有させる方法には特に制限はないが、カチオン性エピハロヒドリン系樹脂と水溶性高分子結着剤を含有する水溶液を外添(塗工、含浸)する方法を用いることが好ましい。外添であれば上記樹脂及び水溶性高分子結着剤が基紙の表面近傍に存在するために上記樹脂の添加量が内添と比較して少ない量でも同様の効果を得ることができる。
外添の方法としては、例えばサイズプレス、ゲートロールコーター、前計量型トランスファロールコーターの他、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーターなど各種塗工機で塗工することも可能であるが、コスト、及び一工程で紙の両面を処理できる点からは抄紙機に設置されているサイズプレス、ゲートロールコーター、前計量型トランスファロールコーターなどでカチオン性樹脂を付着させ、オンマシンで仕上げるのが望ましい。また、オフマシン工程で巻き取り紙などの紙に塗工する方法があるが、これらを併用してもよい。
カチオン性エピハロヒドリン系樹脂と水溶性高分子結着剤を含む上記水溶液中には本発明の所望の効果を損なわない範囲でその他の添加剤、例えば、表面サイズ剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合することもできる。表面サイズ剤としては、各種公知のサイズ剤を用いることができるが、特にカチオン性エピハロヒドリン系樹脂との相溶性及びサイズ性の発現効果からカチオン性のスチレンアクリル系サイズ剤を用いることが好ましい。
本発明においてはカチオン性エピハロヒドリン系樹脂の乾燥付着量は、基紙に対し2〜10g/m2の範囲(片面あたり1〜5g/m2)である。この範囲より少ないと十分な画像耐水性は得られず、この範囲より多くても構わないが、それ以上の画像耐水性向上の効果も得られず、コストの点および外見上普通紙からかけ離れていくといった点からも好ましくない。この範囲内であれば普通紙の風合いを残したまま(普通紙タイプのまま)で高速印字でも鮮明な画像を得ることができ、粉落ちやタックの発生を防止することができる。ここで普通紙の風合いとは表面にセルロース繊維が露出していて、手触りに微粒子などが塗工したような感じがないものを言う。
本発明においては、基紙にカチオン性エピハロヒドリン系樹脂と水溶性高分子結着剤を付着させた後、必要に応じてカレンダー処理やスーパーカレンダー処理、ソフトカレンダー処理などを行って表面を平滑にすることができる。
(ステキヒトサイズ度)
本発明のインクジェット記録用紙のステキヒトサイズ度は10秒から50秒とする。
画像品位の向上(フェザーリングの軽減)という観点からすれば、記録用紙のサイズ性を上げることが望ましいが、サイズ性を上げ過ぎるとインク乾燥性が悪くインク溢れとなり、インクジェット記録用紙としての使用に耐えられなくなる。さらに、インク溢れが生じない程度にサイズ性を効かせた場合でも、サイズ性の向上に伴い、画像耐水性は悪化していく。サイズ性の向上に伴い、画像耐水性が悪化する原因は、印字されたインク中の染料が紙層内部ではなく、より紙表面に留まりやすいためであると考えられる。
インクジェット記録用紙全体の坪量としては、坪量が少なくてインクジェット記録用紙が極端に薄くなければ特に制限はないが、40g/m2以上300g/m2以下の範囲がプリンターなどで印字する場合の搬送性の点で好ましい。さらに好ましい範囲は45g/m2以上200g/m2以下の範囲であり、紙の折り曲げ強度が高くならずに不透明度を高くすることができる。さらに多数枚印字サンプルを重ねた時に貼り付きが発生しにくくなる。
本発明におけるインクジェット記録用紙は、インクジェット記録用紙としての使用に留まらず、記録時に液状であるインクを使用するどのような記録用紙として用いることもできる。さらに、複写機・プリンターなどに広く使用されている電子写真記録方式のトナーを加熱定着する記録用紙として、本発明におけるインクジェット記録用紙を使用することもできる。
以下に、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。又、以下の「部」は特に断らない限り質量部とし、水溶液等の場合は固形分に換算した値を示す。
<実施例1>
広葉樹漂白クラフトパルプ(濾水度450ml c.s.f)50部、上質系古紙(濾水度250ml c.s.f)50部からなるパルプスラリー100部に対し、填料として炭酸カルシウム15部、硫酸バンド4部、中性ロジンエマルジョンサイズ剤0.4部、カチオン化デンプン0.8部を添加し、ツインワイヤー型抄紙機で坪量75g/mになるように抄造して支持体を得た。この支持体の両面に、2ロールサイズプレスにて、酸化デンプン及びカチオン性樹脂A(ポリアミンアンモニアエピクロロヒドリン、カチオン化度6meq/g、重量平均分子量5,000)の付着量が、それぞれ、4g/m、4g/mとなるように付着させて、ステキヒトサイズ度が15秒のインクジェット記録用紙を得た。
<実施例2>
広葉樹漂白クラフトパルプ(濾水度450ml c.s.f)50部、上質系古紙(濾水度250ml c.s.f)25部、新聞系高白色古紙(濾水度200ml c.s.f.)からなるパルプスラリー100部を用いたい外は実施例1と同様にしてステキヒトサイズ度が14秒のインクジェット記録用紙を得た。
<実施例3>
カチオン性樹脂Aの付着量を2.2g/mとした以外は実施例1と同様にして、ステキヒトサイズ度が13秒のインクジェット記録用紙を得た。
<実施例4>
2ロールサイズプレスにて、酸化デンプン、カチオン性樹脂A、スチレン・アクリル系サイズ剤の付着量が、それぞれ、4g/m、4g/m、0.2g/mとなるように付着させた以外は実施例1と同様にして、ステキヒトサイズ度が45秒のインクジェット記録用紙を得た。
<実施例5>
2ロールサイズプレスにて、酸化デンプン、カチオン性樹脂A、スチレン・アクリル系サイズ剤の付着量が、それぞれ、4g/m、6g/m、0.2g/mとなるように付着させた以外は実施例1と同様にして、ステキヒトサイズ度が45秒のインクジェット記録用紙を得た。
<比較例1>
カチオン性樹脂Aの付着量を1.5g/mとした以外は実施例1と同様にして、ステキヒトサイズ度が17秒のインクジェット記録用紙を得た。
<比較例2>
2ロールサイズプレスにて、酸化デンプン、カチオン性樹脂A、スチレン・アクリル系サイズ剤の付着量が、それぞれ、4g/m、4g/m、0.3g/mとなるように付着させた以外は実施例1と同様にして、ステキヒトサイズ度が55秒のインクジェット記録用紙を得た。
<比較例3>
中性ロジンエマルジョンの添加量を0.3部とした以外は実施例1と同様にして、ステキヒトサイズ度が8秒のインクジェット記録用紙を得た。
<比較例4>
カチオン性樹脂Aをカチオン性樹脂B(ポリアミンアンモニアエピクロロヒドリン、カチオン化度3meq/g、分子量20,000)とした以外は実施例1と同様にして、ステキヒトサイズ度が15秒のインクジェット記録用紙を得た。
<比較例5>
カチオン性樹脂Aをカチオン性樹脂C(ポリアミンアンモニアエピクロロヒドリン、カチオン化度3meq/g、分子量8,000)とした以外は実施例1と同様にして、ステキヒトサイズ度が15秒のインクジェット記録用紙を得た。
<比較例6>
カチオン性樹脂Aをカチオン性樹脂D(ポリアミンアンモニアエピクロロヒドリン、カチオン化度6.5meq/g、分子量20,000)とした以外は実施例1と同様にして、ステキヒトサイズ度が15秒のインクジェット記録用紙を得た。
<評価>
各実施例及び比較例について、以下の方法で評価を行った。
1)ステキヒトサイズ度
JIS P8122に従って、用紙のステキヒトサイズ度を測定した。
2)IJ適性(1)
コダック ヴァーサマーク社製6240J高速インクジェットプリンティングシステムにて、黒インク(#1069)を用いて印字した際の適性を評価した。
a.インク乾燥性
黒ベタ印字した際のインクの乾燥性について、目視で評価した。
○:乾燥が早い。
△:乾燥が若干遅いが、実使用上問題ないレベル。
×:乾燥が遅く、装置汚れや印字部の汚れにつながり、使用不可
b.フェザーリング(ニジミ)
バーコードパターン(CODE39)を印字した際の、細線の状態を拡大観察して評価した。
○:フェザーリングがほとんど認められない。
△:フェザーリングがやや認められるが、実使用上問題ないレベル。
×:フェザーリングが激しく、実使用に耐えない。
c.耐水性
バーコードパターン(CODE39)を印字した後10分間風乾し、次いで水道水で印字部を20秒間流した際の耐水性を目視で評価した。
○:印字部の滲みがほとんど見られない。
△:印字部の滲みが見られるが、バーコードの判別は可能。
×:印字部が滲み、バーコードの判別がほとんどできない。
3)IJ適性(2)
セイコーエプソン社製インクジェットプリンタ(PM−780C)に、コダック ヴァーサマーク社製ヴァーサマークプリンタ用黒インク(#2003)を詰替えて印字した際の適性を評価した。
a.インク乾燥性
黒ベタ印字した際のインクの乾燥性について、目視で評価した。
○:乾燥が早い。
△:乾燥が若干遅いが、実使用上問題ないレベル。
×:乾燥が遅く、装置汚れや印字部の汚れにつながり、使用不可
b.フェザーリング
バーコードパターン(EAN128)を印字した際の、細線の状態を拡大観察して評価した。
○:フェザーリングがほとんど認められない。
△:フェザーリングがやや認められるが、実使用上問題ないレベル。
×:フェザーリングが激しく、実使用に耐えない。
c.耐水性
バーコードパターン(EAN128)を印字した後10分間風乾し、次いで水道水で印字部を20秒間流した際の耐水性を目視で評価した。
○:印字部の滲みがほとんど見られない。
△:印字部の滲みが見られるが、バーコードの判別は可能。
×:印字部が滲み、バーコードの判別がほとんどできない。
得られた結果を表1及び表2に示す。
Figure 2007136967
Figure 2007136967
表から明らかなように、各実施例の場合、インク乾燥性、フェザーリング、耐水性いずれもすぐれたインクジェット記録用紙であることが解る。
これに対して、カチオン性樹脂の付着量が2g/mに満たない比較例1の場合、フェザーリングと耐水性が劣った。また、ステキヒトサイズ度が50秒を超える比較例2や10秒に満たない比較例3の場合には、インク乾燥性とフェザーリングの両立が困難であり、更に、カチオン性樹脂のカチオン化度や分子量が本願発明の適正な範囲を外れる比較例4〜6の場合、十分な耐水性を確保することができなかった。

Claims (1)

  1. 少なくとも、古紙パルプを含有する抄紙用パルプと填料とからなる基紙の少なくとも片面に、水溶性高分子結着剤とともにカチオン性エピハロヒドリン系樹脂を付着させてなるインクジェット記録用紙であって、前記カチオン性エピハロヒドリン系樹脂は、カチオン化度が5meq/g以上でありかつ重量分子量が1万以下であり、かつカチオン性エピハロヒドリン系樹脂の付着量が2g/m2を超えて10.0g/m2以下であり、さらにインクジェット記録用紙のステキヒトサイズ度が10秒以上50秒以下である普通紙タイプのインクジェット記録用紙。


JP2005336423A 2005-11-21 2005-11-21 普通紙タイプのインクジェット記録用紙 Pending JP2007136967A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005336423A JP2007136967A (ja) 2005-11-21 2005-11-21 普通紙タイプのインクジェット記録用紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005336423A JP2007136967A (ja) 2005-11-21 2005-11-21 普通紙タイプのインクジェット記録用紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007136967A true JP2007136967A (ja) 2007-06-07

Family

ID=38200397

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005336423A Pending JP2007136967A (ja) 2005-11-21 2005-11-21 普通紙タイプのインクジェット記録用紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007136967A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103502018A (zh) * 2011-04-28 2014-01-08 惠普发展公司,有限责任合伙企业 高速数字喷墨卷筒纸印刷机印刷中使用的介质
JP2014004774A (ja) * 2012-06-25 2014-01-16 Oji Holdings Corp レーザー加工用インクジェット用紙、インクジェット印刷物およびその加工物
JP2015174429A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 王子ホールディングス株式会社 新聞印刷用インクジェット記録用紙

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103502018A (zh) * 2011-04-28 2014-01-08 惠普发展公司,有限责任合伙企业 高速数字喷墨卷筒纸印刷机印刷中使用的介质
JP2014004774A (ja) * 2012-06-25 2014-01-16 Oji Holdings Corp レーザー加工用インクジェット用紙、インクジェット印刷物およびその加工物
JP2015174429A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 王子ホールディングス株式会社 新聞印刷用インクジェット記録用紙

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9132686B2 (en) Media for use in inkjet printing
JP3943159B2 (ja) インクジェット記録シート
EP2213466B1 (en) Ink-jet recording paper
US7776435B2 (en) Electrophotographic transfer paper
JP5577875B2 (ja) 印刷用顔料塗被紙及びその製造方法
JP2009138317A (ja) 印刷用塗工紙
JP5577877B2 (ja) 印刷用顔料塗被紙及び印刷用顔料塗被紙の製造方法
JP5577876B2 (ja) 印刷用顔料塗被紙およびその製造方法
EP1086825B1 (en) Ink jet recording paper
JP5577878B2 (ja) 印刷用顔料塗被紙、印刷用顔料塗被紙の製造方法
JP2010082839A (ja) インクジェット記録用紙
JP2007136967A (ja) 普通紙タイプのインクジェット記録用紙
JP2006224323A (ja) インクジェット記録シート
JP2002172851A (ja) Ocr用紙
JP3657455B2 (ja) Ocr用紙
JP5461935B2 (ja) インクジェット用光沢はがき用紙
JP2009154507A (ja) インクジェット記録用紙
JP3407688B2 (ja) 記録用紙
JP5296250B1 (ja) インクジェット記録対応光沢紙
JP2011110702A (ja) インクジェット記録用紙
JP5616041B2 (ja) 多層抄きインクジェット用光沢はがき用紙
JP6597382B2 (ja) インクジェット記録用紙及びその製造方法
JP4320317B2 (ja) インクジェット記録シート
JP4616398B2 (ja) 多層抄きインクジェット用はがき用紙
JP5503378B2 (ja) 多層抄きインクジェット用はがき用紙及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20080314

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081023

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100112

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100223