JPH1134483A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JPH1134483A
JPH1134483A JP9195435A JP19543597A JPH1134483A JP H1134483 A JPH1134483 A JP H1134483A JP 9195435 A JP9195435 A JP 9195435A JP 19543597 A JP19543597 A JP 19543597A JP H1134483 A JPH1134483 A JP H1134483A
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JP
Japan
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paper
ink jet
jet recording
parts
manufactured
Prior art date
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Application number
JP9195435A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Hibino
良彦 日比野
Koji Idei
晃治 出井
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1134483A publication Critical patent/JPH1134483A/ja
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】記録面に特殊なコーティングを施していない、
いわゆる普通紙タイプであり、記録画像の耐水性、画像
濃度、フェザリングに優れ、印字部の経時での変色のな
いインクジェット記録用紙を提供することである。 【解決手段】木材パルプを主原料とし、これに内添サイ
ズ剤として中性ロジンサイズ剤、及び填料として炭酸カ
ルシウムを用いて抄紙され、灰化処理を500℃、4時
間とした以外はJIS P−8126に準じた原紙灰分
が15%以下、かつJIS P−8140に規定された
コッブ法による30秒サイズ度が20g/m2以下であ
る原紙に、水溶性バインダー及びカチオン性高分子定着
剤を主成分とする塗工液を塗工したもので、塗工された
紙のJIS P−8117に規定される透気度が40秒
以下であるインクジェット記録用紙。好ましくは塗工液
の水溶性バインダーとカチオン性高分子定着剤の混合比
が2:1〜5:1であり、また塗工液のpHが6.5〜
7.5である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性インクを用
いて記録するインクジェット記録用紙に関するものであ
る。更に詳しくは、記録面に特殊なコーティングを施し
ていない、いわゆる普通紙タイプのインクジェット記録
用紙に関するものであり、特に記録した画像の耐水性、
画像濃度、フェザリングに優れ、印字部の経時での変色
のないインクジェット記録用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、記録用紙に
直接インクを噴射する方式であって、従来の記録装置に
比べてランニングコストが安く、静かで且つカラー記録
が容易な記録方法として注目されている。この様な記録
方式において用いられるインクは安全性、印刷特性の面
から水系のインクが用いられ、又、記録用紙はインクの
吸収が早く且つ異色インクの重複があってもインクの溢
れ等を招じないこと、インクドットの広がりが適正であ
ること、又、ドット形状が真円に近いこと、更にドット
エッジが鮮明であること、当然の事としてドット濃度が
高く、且つドットのコントラストを際立たせる為に十分
白色度が高いことが要求されている。
【0003】上記インクジェット記録装置に用いる記録
用紙としては、上記従来の要求に応える為に、例えば、
特開昭59−35977号公報及び、特開平1−135
682号公報に開示されている様な専用のコート紙の使
用が提案されている。これに対し、モノクロ記録やビジ
ネスカラー記録の分野では、低価格で汎用性のある記録
用紙、即ち電子写真記録装置分野で一般に用いられてい
る様な普通紙の使用が望まれている。
【0004】近年、電子写真記録装置に用いる記録用紙
として主流になりつつある中性紙のトナー転写用紙をイ
ンクジェット記録方式の記録用紙として使用すると、イ
ンクの吸収性に乏しく、多量のインクが付与されるとイ
ンクの溢れ等を生じてしまうという問題があり、更に紙
の繊維に沿ってインクが吸収されてしまう為に、インク
ドットの形状が不鮮明になる等の不都合が発生する。ま
た、インクジェット記録装置に用いられる黒色インクに
おいて、「ブロンズ」といわれる画像の茶変現象が現れ
るという問題があり、窒素化合物を含む上記インクを用
いたインクジェット記録装置に用いる記録用紙では、更
に「ブロンズ」が顕著に現れるという問題がある。これ
らの問題点を解決する手段として、例えば、特開昭62
−156985号公報、特開平4−331182号公報
には紙表面にアルカリ金属塩やリン酸塩を塗工する方
法、特開平6−220794号公報にはインク中の染料
の溶解助剤となっている窒素化合物に起因するアンモニ
アもしくはアンモニウムイオンを吸着する合成ケイ酸ア
ルミニウムもしくはカオリン鉱物を内添させる方法など
が開示されている。
【0005】しかしながら、これらの方法を用いた場合
には、印字濃度、変色の度合とインクジェット記録用紙
表面の繊維に沿って起るにじみ(以下、フェザリングと
称す)とのバランスをとるのが非常に難しい。また、原
紙に使用する填料にも制限ができてしまう。更に、これ
まで提案されてきた記録面に特殊なコーティングを施し
ていない、いわゆる普通紙タイプのインクジェット記録
用紙は、インクジェット記録が可能であることに主眼が
置かれ、インクジェット記録方式の問題点である耐水性
に関しては、何ら解決されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の技術分野において、従来の問題点を改良することにあ
る。記録面に特殊なコーティングを施していない、いわ
ゆる普通紙タイプのインクジェット記録用紙に関するも
のであり、特に記録した画像の耐水性、画像濃度、フェ
ザリングに優れ、印字部の経時での変色のないインクジ
ェット記録用紙を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。
【0008】すなわち、本発明は、木材パルプを主原料
とし、これに内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤、
及び填料として炭酸カルシウムを用いて抄紙され、灰化
処理を500℃、4時間とした以外はJIS P−81
26に準じた原紙灰分が15%以下、かつJIS P−
8140に規定されたコッブ法による30秒サイズ度が
20g/m2以下である原紙に、水溶性バインダー及び
カチオン性高分子定着剤を主成分とする塗工液を塗工し
たインクジェット記録用紙であり、かつ、塗工された紙
のJIS P−8117に規定される透気度が40秒以
下であることを特徴とするインクジェット記録用紙の発
明である。
【0009】また、上記の発明において、塗工液の水溶
性バインダーとカチオン性高分子定着剤の混合比が2:
1〜5:1の範囲にあることが好ましい。
【0010】さらに、上記の発明において、塗工液のp
Hとしては6.5〜7.5であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェット記
録用紙について、詳細に説明する。
【0012】本発明者らは、まず第一に本発明のインク
ジェット記録用紙の原紙サイズ性とインクジェット記録
装置での印字特性との関係について検討した。
【0013】普通紙タイプのインクジェット記録用紙で
はいわゆるコート紙タイプのようにインク吸収層が存在
しないので、原紙をインク吸収層として用いることにな
る。そこで、原紙のコッブサイズ度とインクジェット記
録用紙の印字特性について比較検討した結果、原紙の3
0秒コッブサイズ度と印字特性、特に、印字後のインク
乾燥性、並びにインク裏抜け性との間に良好な相関関係
が見られた。そして、インクジェット記録装置に用いる
記録用紙の30秒コッブサイズ度が20g/m2以下の
時、インクジェット記録装置で印字した際のインク乾燥
性、フェザリング並びにインク裏抜け性のバランスが良
好であることを見い出し、本発明のインクジェット記録
用紙を発明するに至った。
【0014】インクの原紙への過剰な吸収による裏抜け
性だけを向上させる上では、原紙は適度なサイズ性を維
持できれば良く、30秒コッブサイズ度が20g/m2
以下で充分である。しかし、該インクジェット記録用紙
のサイズ性を上げすぎるとインク裏抜け性は向上するも
のの、逆にインク乾燥性が悪化してしまう。インク乾燥
性が悪化するとインクジェット記録装置で連続印刷時に
該転写用紙上で乾ききらないインクが印刷面を汚す場合
がある。従って、該インクジェット記録用紙の印字特性
と印刷時の操業性を考えると、30秒コッブサイズ度が
13〜17g/m2であることが望ましい。
【0015】このようなインクジェット記録装置から吐
出される浸透性の高いインクに対して上記で述べたよう
な範囲のサイズ性は、該記録用紙を製造する際に使用さ
れる内添サイズ剤の量をコントロールする方法や該記録
用紙の印字される表面に表面サイズ剤を塗工する方法を
単独もしくは組み合わせることで達成できる。
【0016】また、本発明の最大の特徴は、上記の原紙
に、水溶性バインダー及びカチオン性高分子定着剤を主
成分とする塗工液を塗工したインクジェット記録用紙で
あり、かつ、塗工された紙のJIS P−8117に規
定される透気度が40秒以下であることを特徴とする事
にある。上記の原紙に水溶性バインダーを塗工する事に
より、原紙面の強度を向上させ、フェザリングと称する
インクの繊維に沿った滲みを防止できる。また、カチオ
ン性高分子定着剤は、インクジェット記録装置に用いる
記録用紙としては、インクの定着性を向上させ、印字画
像の耐水性を付与する事ができる。
【0017】しかし、カチオン性高分子定着剤は印字濃
度のみに主眼が置かれると、造膜性が増大する結果とし
て、インクの浸透性が悪化し、いわゆるベタ印字部分で
のムラを発生させる事となる。本発明者らは、このベタ
印字ムラと記録用紙のJISP−8117に規定される
透気度の関係について鋭意検討した結果、透気度が40
秒以下であればベタ印字ムラが発生しないことを発見
し、本発明に至った。透気度が40秒以上であると、印
字されたインクが必要以上に記録用紙表面に留まるため
に、見かけの印字濃度は上昇するものの、耐水性が悪化
すると共に、インクの浸透が過度に不均一になるため
に、ベタ印字ムラが大きく悪化する。
【0018】上記で述べたように、インクジェット記録
用紙に必要とされる適度な透気度は、主には塗工液の造
膜性をコントロールする事によって得られる。塗工液の
造膜性をコントロールするには該記録用紙を製造する際
に使用される内添サイズ剤や表面サイズ剤の量をコント
ロールして、塗工液が造膜する前に原紙内部に浸透させ
る方法や塗工液の濃度や粘度を増加させ、原紙への浸透
を抑制して、造膜を容易に起こさせる方法を単独もしく
は組み合わせることで達成できる。
【0019】本発明におけるカチオン性高分子定着剤と
しては、記録用紙に水の滴下や吸湿によるインクの流れ
だしや滲みだしを抑制するための耐水性を付与するため
に、水性インクの染料分である水溶性直接染料や水溶性
酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基
等と不溶な塩を形成する1級〜3級アミン、または4級
アンモニウム塩のモノマー、オリゴマー、またはポリマ
ーを使用することができる。具体的には、ジメチルアミ
ン・エピクロルヒドリン縮合物、アクリルアミド・ジア
リルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシ
アンジアミド、ジメチル・ジアリルアンモニウムクロラ
イド等を添加することが可能であるが、これらの例に限
定されるものでは無い。
【0020】ここで用いられる、水溶性バインダーは、
例えば、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビ
ニルアルコール、酢酸ビニル、酸化澱粉、リン酸エステ
ル化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導
体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性ポリビ
ニルアルコール等;無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブ
タジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン
共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリ
ル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体または
共重合体、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体または
共重合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢
酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或い
はこれらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有
単量体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹
脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤;ポ
リメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、
ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系
接着剤を一種以上で使用することが出来る。この他、公
知の天然、合成樹脂接着剤を使用することは特に限定さ
れない。
【0021】第二に本発明者らは、これらの耐水性をコ
ントロールする手段を検討する中で、JIS P−81
40に規定されたコッブ法による30秒サイズ度が20
g/m2以下である原紙に、水溶性バインダー及びカチ
オン性高分子定着剤を主成分とする塗工液を塗工し、塗
工された紙のJIS P−8117に規定される透気度
が40秒以下に規定する事と、水溶性バインダーとカチ
オン性高分子定着剤の特定配合割合を組み合わせる事に
よって、インクジェット記録用紙における印字濃度が大
きく影響を受けることを見いだした。そして、水溶性バ
インダーとカチオン性高分子定着剤の配合割合について
鋭意検討した結果、水溶性バインダー:カチオン性高分
子定着剤の混合比が2:1〜5:1の範囲にある時、高
い印字濃度が得られる事を見いだした。水溶性バインダ
ーの割合がこの範囲より大きくなれば、記録用紙表面の
カチオン性高分子定着剤の量が相対的に減少し、耐水性
が低下する。また、逆にカチオン性高分子定着剤の混合
比がこの範囲より大きくなると、インクの凝集が大きく
なりすぎて、印字濃度が低下する。
【0022】さらに、その他の添加剤として、表面サイ
ズ剤、pH調節剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑
泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、
蛍光増白剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止
剤、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機導電剤、
有機導電剤、などを適宜配合することも勿論可能であ
る。
【0023】本発明における上記の水溶性バインダーと
カチオン性高分子定着剤を主体とした塗工液をサイズプ
レスなどで塗工する装置としては、コンベンショナルサ
イズプレス、ゲートロールサイズプレス、あるいはフィ
ルムトランスファー方式のサイズプレス、ロッドコータ
ー、ビルブレード、ショートドウェルコーターなどを用
いることができる。これら塗工装置の中では紙層内部へ
も塗工できるような方式のものが望ましい。また、塗工
後には必要に応じて、マシンカレンダー、熱カレンダ
ー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレン
ダー装置を用いて仕上げることも可能である。
【0024】本発明における塗工量は特に制限はない。
原紙のサイズ性によってその塗工量が左右されるが、望
ましくは水溶性バインダーとカチオン性高分子定着剤の
固形分として約1〜3g/m2を原紙に塗工することが
望ましい。塗工量が1g/m2未満であると十分な印字
濃度及び耐水性が得られないため好ましくなく、塗工量
が3g/m2を超えると記録用紙の透気度が悪くなり、
ベタ印字ムラやインク乾燥性が悪化するため好ましくな
い。
【0025】第三に本発明者らは、上記の水溶性バイン
ダーとカチオン性高分子定着剤を主体とした塗工液をサ
イズプレスで塗工する手段について検討する中で、カチ
オン性高分子定着剤の種類によって印字部の乾燥過程に
おける変色、特に、黒インクの乾燥過程において、色味
が黒から光沢のある茶色に変色する現象、即ち「ブロン
ズ化」の程度が大きく異なることを見いだした。そし
て、JIS P−8140に規定されたコッブ法による
30秒サイズ度が20g/m2以下である原紙に、水溶
性バインダー及びカチオン性高分子定着剤を主成分とす
る塗工液を塗工し、塗工された紙のJIS P−811
7に規定される透気度が40秒以下に規定する事と、水
溶性バインダーとカチオン性高分子定着剤の特定配合割
合を規定する事、並びに水溶性バインダーとカチオン性
高分子定着剤を主体とした塗工液のpH範囲の規定を組
み合わせる事によって、「ブロンズ化」の程度の少ない
記録用紙を提供することが可能となった。更に、「ブロ
ンズ化」の程度について鋭意検討した結果、サイズプレ
スで塗工する水溶液のpHが6.5〜7.5の範囲の塗
工液を該記録用紙の印字面に塗工することで、「ブロン
ズ化」の程度の少ない記録用紙を提供することが可能と
なった。
【0026】「ブロンズ化」の発生機構については、特
開平6−220794号公報に記載されているように、
インク中の染料の一部が配向した形で凝集し、紙層内に
吸収されず紙表面に析出する為に、特に黒印字部が茶色
く見える現象であると考えられている。
【0027】従って、上記、「ブロンズ化」を抑える為
には、インクの紙層内への吸収性を上げてやる必要があ
る。インクの吸収性を向上させる方法としては、特開昭
62−156985号公報に記載されるようにアルカリ
金属の水酸化物、アルカル金属の炭酸塩、アルカリ金属
の炭酸水素塩を原紙表面に塗工することでインクの吸収
性が向上することが知られているが、今回のようにカチ
オン性高分子定着剤を含有とした塗工液は対象とされて
いなかった。本発明ではサイズプレスなどで塗工する水
溶性バインダーとカチオン性高分子定着剤を主体とした
塗工液のpHをpH調節剤を用いて6.5〜7.5の範
囲にコントロールする。用いるpH調節剤は特には限定
される物では無いが、無機水溶性アルカリ性塩が好まし
く、特には、炭酸ナトリウム:炭酸水素ナトリウムが
1:1の割合であるpH調節液を用いることが好まし
い。
【0028】本発明では、サイズプレスで塗工する水溶
液のpHが6.5〜7.5の範囲の水溶性バインダーと
カチオン性高分子定着剤を主体とした塗工液を該記録用
紙の印字面に塗工することで、該記録用紙の印字表面に
ある繊維にインクに対しての耐水性を示すと同時に紙層
内においては、「アルカリ性物質」としてインクの紙層
内への吸収を助けると考えられる。
【0029】また、本発明の原紙を抄造する際に使用さ
れる木材パルプとしては、NBKP、LBKP、NBS
P、LBSP、GP、TMPなどの他に古紙パルプが挙
げられる。使用に当たっては、それらを数種類目的に応
じた比率で混合して用いる。
【0030】なお、本発明で言う古紙パルプの原料とし
ては、(財)古紙再生促進センターの古紙標準品質規格
表に示されている、上白、罫白、クリーム白、カード、
特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、
別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。さらに具体例と
しては、情報関連記録用紙である非塗工コンピュータ記
録用紙、感熱紙、感圧紙などのプリンター記録用紙、お
よびPPC記録用紙などのOA古紙、アート紙、コート
紙、微塗工紙、マット紙などの塗工紙、あるいは上質
紙、色上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパ
ー、中質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造
紙、純白ロール紙、ミルクカートンなどの非塗工紙など
の紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含
有紙などが使用されるが、印字、複写、印刷、非印刷を
問わず特に限定されるものではない。
【0031】本発明の原紙を抄造する際に使用される填
料としては、中性紙において使用される炭酸カルシウム
を使用することが好ましい。また、インクジェット記録
用紙としては、インクの吸収性及び画像濃度を高める点
からも、炭酸カルシウムを使用することが好ましい。更
に、灰化処理を500℃、4時間とした以外はJISP
−8128に準じた灰分は多い方がインクの吸収性の面
からは好ましいが、普通紙タイプの用紙はオフィス用紙
として多用途に使用される事から、逆に灰分の増加は記
録用紙コバ面からの紙粉の問題が発生しやすいこと及び
印刷時に面強度の低下による紙粉が発生しやすいことか
ら、15%以下である事が望ましい。勿論、炭酸カルシ
ウムと各種填料を数種類、組み合わせて使用することも
可能である。
【0032】本発明の原紙を抄造する際に使用される内
添サイズ剤としては、中性抄紙に用いられる中性ロジン
系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸、アルキルケテン
ダイマー、石油樹脂系サイズ剤などが使用できるが、イ
ンクジェット記録用紙としては、低サイズでも均一なサ
イズ効果を示すことから、耐裏抜け対策として中性ロジ
ンサイズ剤を用いることが望ましい。中性抄紙に一般的
に使用されている内添サイズ剤であるアルケニル無水コ
ハク酸、アルキルケテンダイマーなどは、そのサイズ効
果が高いことから添加量は少なくて済むが、記録用紙全
体への均一なサイズ性付与と言う点では中性ロジン系サ
イズ剤に劣る事から、インクジェット記録用紙の内添サ
イズ剤としては不向きである。また、電子写真転写記録
装置に用いる記録用紙としても転用された場合でも、搬
送性の面から中性ロジンサイズ剤を用いることが望まし
い。
【0033】紙料中には、この他に、本発明の所望の効
果を損なわない範囲で、従来から使用されている各種の
アニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の紙
力向上剤などの抄紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択
して使用される。例えば、各種澱粉、およびポリアクリ
ルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリアミ
ド・ポリアミン、尿素ホルマリン樹脂、メラミンホルマ
リン樹脂、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテック
ス、ポリエチレンオキサイド、ポリアミド樹脂の内の1
種あるいは2種以上が適宜組み合わされて使用される。
【0034】なお、染料、pH調節剤、消泡剤、ピッチ
コントロール剤、スライムコントロール剤などの抄紙用
内添助剤を目的に応じて適宜添加することも可能であ
る。
【0035】本発明の抄紙方法において、抄紙機は、長
網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄
紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機など製紙業界で公知
の抄紙機を適宜使用できる。
【0036】本発明のインクジェット記録用紙は、イン
クジェット記録用紙として使用される以外にも、オフィ
ス用紙として電子写真用転写紙、熱転写受像紙、印刷用
紙として使用することが可能である。
【0037】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明はこれに限定されるものではない。以
下における部、%はすべて重量によるものである。
【0038】実施例1〜6及び比較例1〜7 まず、以下の配合に従って、原紙1〜7を作製した。
【0039】 <原紙配合1> 原紙配合;LBKP(ろ水度;450ml、c.s.f) 100部 炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP−121) 10部 中性ロジンサイズ剤(ハリマ化成社製;NeuSize M-10-45) 0.2部 硫酸アルミニウム 0.1部 両性澱粉(王子ナショナル社製;Cato3210) 10部 歩留り向上剤(ハイモ社製;NR−11LS) 0.02部
【0040】 <原紙配合2> 原紙配合;LBKP(ろ水度;450ml、c.s.f) 100部 炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP−121) 10部 中性ロジンサイズ剤(ハリマ化成社製;NeuSize M-10-45) 0.3部 硫酸アルミニウム 0.1部 両性澱粉(王子ナショナル社製;Cato3210) 10部 歩留り向上剤(ハイモ社製;NR−11LS) 0.02部
【0041】 <原紙配合3> 原紙配合;LBKP(ろ水度;450ml、c.s.f) 100部 炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP−121) 10部 中性ロジンサイズ剤(ハリマ化成社製;NeuSize M-10-45) 0.4部 硫酸アルミニウム 0.1部 両性澱粉(王子ナショナル社製;Cato3210) 10部 歩留り向上剤(ハイモ社製;NR−11LS) 0.02部
【0042】 <原紙配合4> 原紙配合;LBKP(ろ水度;450ml、c.s.f) 100部 炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP−121) 10部 AKDサイズ剤(荒川化学工業社製;サイス゛ハ゜イン K-903) 0.07部 両性澱粉(王子ナショナル社製;Cato3210) 8部 歩留り向上剤(ハイモ社製;NR−11LS) 0.02部
【0043】 <原紙配合5> 原紙配合;LBKP(ろ水度;450ml、c.s.f) 100部 炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP−121) 10部 ASAサイズ剤(星光化学工業社製;コロハ゜ール Z-100) 0.07部 硫酸アルミニウム 0.05部 両性澱粉(王子ナショナル社製;Cato3210) 8部 歩留り向上剤(ハイモ社製;NR−11LS) 0.02部
【0044】 <原紙配合6> 原紙配合;LBKP(ろ水度;450ml、c.s.f) 100部 炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP−121) 21部 中性ロジンサイズ剤(ハリマ化成社製;NeuSize M-10-45) 0.4部 硫酸アルミニウム 0.1部 両性澱粉(王子ナショナル社製;Cato3210) 10部 歩留り向上剤(ハイモ社製;NR−11LS) 0.03部
【0045】 <原紙配合7> 原紙配合;LBKP(ろ水度;450ml、c.s.f) 100部 炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP−121) 30部 中性ロジンサイズ剤(ハリマ化成社製;NeuSize M-10-45) 0.5部 硫酸アルミニウム 0.1部 両性澱粉(王子ナショナル社製;Cato3210) 10部 歩留り向上剤(ハイモ社製;NR−11LS) 0.03部
【0046】 <原紙配合8> 原紙配合;LBKP(ろ水度;450ml、c.s.f) 100部 インドネシアカオリン(P.T.ALTER ABADI社製;BRU−30) 10部 中性ロジンサイズ剤(ハリマ化成社製;NeuSize M-10-45) 0.3部 硫酸アルミニウム 0.1部 両性澱粉(王子ナショナル社製;Cato3210) 10部 歩留り向上剤(ハイモ社製;NR−11LS) 0.02部
【0047】上記配合の0.3%スラリーを抄幅1,3
00mm、抄紙速度150m/min.で長網抄紙機に
より坪量62.7g/m2、水分5.0%の原紙を抄造
し、これをサイズプレス用の原紙とした。
【0048】次に、以下の方法に従って実施例および比
較例のインクジェット記録用紙を作製した。
【0049】実施例1 上記で作製した原紙2に、以下の配合でサイズプレスを
行ない、固形分付着量3.0g/m2のインクジェット
記録用紙を得、実施例1のインクジェット記録用紙とし
た。なお、原紙2の灰分は7.6%、コッブサイズ度は
12.5g/m2であった。 <サイズプレス液1配合> カチオン澱粉(日本NSC社製;CatoSize 270) 6部 カチオン性高分子定着剤(昭和高分子社製;ホ゜リフィックス 601) 2部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 水 91.90部
【0050】実施例2 実施例1で用いた原紙を原紙3とした以外は同様にして
実施例2のインクジェット記録用紙を作製した。なお、
原紙3の灰分は9.0%、コッブサイズ度は13.0g
/m2であった。
【0051】実施例3 実施例1で用いた原紙を原紙6とした以外は同様にして
実施例3のインクジェット記録用紙を作製した。なお、
原紙6の灰分は14.7%、コッブサイズ度は17.0
g/m2であった。
【0052】実施例4 実施例1のサイズプレス液でカチオン澱粉を燐酸エステ
ル化澱粉(日本食品加工社製;MS-4600)とした以外は
同様にして実施例4のインクジェット記録用紙を作製し
た。
【0053】実施例5 実施例2のサイズプレス液でカチオン澱粉を燐酸エステ
ル化澱粉(日本食品加工社製;MS-4600)とした以外は
同様にして実施例5のインクジェット記録用紙を作製し
た。
【0054】実施例6 実施例3のサイズプレス液でカチオン澱粉を燐酸エステ
ル化澱粉(日本食品加工社製;MS-4600)とした以外は
同様にして実施例6のインクジェット記録用紙を作製し
た。
【0055】比較例1 上記で作製した原紙1に、以下の配合でサイズプレスを
行ない、固形分付着量3.0g/m2のインクジェット
記録用紙を得、比較例1のインクジェット記録用紙1と
した。なお、原紙1の灰分は7.3%、コッブサイズ度
は22.6g/m2であった。 <サイズプレス液1配合> カチオン澱粉(日本NSC社製;CatoSize 270) 6部 カチオン性高分子定着剤(昭和高分子社製;ホ゜リフィックス 601) 1.5部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 水 92.40部
【0056】比較例2 比較例1で用いた原紙を原紙4とした以外は同様にして
比較例2のインクジェット記録用紙を作製した。なお、
原紙4の灰分は7.5%、コッブサイズ度は45.7g
/m2であった。
【0057】比較例3 比較例1で用いた原紙を原紙5とした以外は同様にして
比較例3のインクジェット記録用紙を作製した。なお、
原紙5の灰分は7.6%、コッブサイズ度は46.2g
/m2であった。
【0058】比較例4 比較例1で用いた原紙を原紙7とした以外は同様にして
比較例1のインクジェット記録用紙を作製した。なお、
原紙7の灰分は21.2%、コッブサイズ度は69.2
g/m2であった。
【0059】比較例5 比較例1でサイズプレス液でのカチオン澱粉を日本NS
C社製;Cato 304Lとした以外は同様にして比較例5の
インクジェット記録用紙を作製した。
【0060】比較例6 比較例1でサイズプレス液1配合を <サイズプレス液2配合> カチオン澱粉(日本NSC社製;CatoSize 270) 8部 カチオン性高分子定着剤(昭和高分子社製;ホ゜リフィックス 601) 4部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 水 87.90部 とし、GRC塗工した以外は同様にして比較例6のイン
クジェット記録用紙を作製した。
【0061】比較例7 比較例1でサイズプレス液のカチオン性高分子定着剤を
抜いた以外は同様にして比較例7のインクジェット記録
用紙を作製した。
【0062】比較例8 上記で作製した原紙8に、以下の配合でサイズプレスを
行ない、固形分付着量3.0g/m2のインクジェット
記録用紙を得、比較例8のインクジェット記録用紙とし
た。なお、原紙8の灰分は7.5%、コッブサイズ度は
10.8g/m2であった。 <サイズプレス液3配合> カチオン澱粉(日本NSC社製;CatoSize 270) 6部 カチオン性高分子定着剤(昭和高分子社製;ホ゜リフィックス 601) 3部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 水 93.90部
【0063】上記により作製した実施例1〜6及び比較
例1〜8の記録用紙について、原紙のコッブサイズ度、
製品の透気度、並びにインクジェット適性を測定した。
【0064】1)30秒コッブサイズ度 測定試料は20℃、65%RHの環境下に24時間調湿
後、JIS P−8140に従ってコッブサイズ度を測
定した。測定溶媒は純水を用い、測定試料との接触時間
は30秒とし、測定した吸水度を「30秒コッブサイズ
度」とした。
【0065】2)透気度 測定試料は20℃、65%RHの環境下に24時間調湿
後、JIS P−8117に従って東洋精機社製ガーレ
ーデンソメーターを用いて透気度を測定した。
【0066】また、インクジェット適性については、次
に記載した評価方法によって評価を行った。この結果を
表1に示す。
【0067】1)画像耐水性 文字及び罫線をキャノン社製インクジェットプリンター
BJ−220JSで印字し、印字した部分に、蒸留水を
No.15の注射針で1滴滴下し、放置乾燥後、滲みの程度
を目視で評価した。なお、評価基準としては、A:特性
が良好、B:実用上問題ない範囲で良好、C:実用上問
題有り、D:特性が不良で示した。
【0068】2)印字ムラ キャノン社製インクジェットプリンターBJ−420J
を用いて、シアン及びグリーンのベタパターンを印字
し、放置乾燥後、ムラの程度を目視で評価した。なお、
評価基準としては、A:特性が良好、B:実用上問題な
い範囲で良好、C:実用上問題有り、D:特性が不良で
示した。
【0069】3)裏抜け キャノン社製インクジェットプリンターBJ−220J
Sでベタパターンを印字し、放置乾燥後、裏面へのイン
クの抜けを目視で評価した。評価基準としては、○:裏
抜けが目視で認識出来ないレベル、△:裏抜けが目視で
若干認識出来るレベル、×:裏抜けが目視で明らかに認
識出来るレベルとした。
【0070】4)インク乾燥性 キャノン社製インクジェットプリンターBJ−220J
Sでベタパターンを印字し、プリンターから排出された
後、印字した部分の光沢感が無くなるまでの時間を測定
した。実用上、10秒以下であれば問題ないとされてい
る。
【0071】5)フェザリング 文字及び罫線をキャノン社製インクジェットプリンター
BJ−220JSで印字し、印字した部分のインクの滲
み具合(ギザギザの度合い)を目視で評価した。なお、
評価基準としては、A:特性が良好、B:実用上問題な
い範囲で良好、C:実用上問題有り、D:特性が不良で
示した。
【0072】
【表1】
【0073】上記の評価結果を考察すると、実施例1〜
3と比較例1〜4で明らかなように、良好な印字後の裏
抜け特性を得るには、原紙の30秒コッブサイズ度が2
0秒以下であることが必要なことが判る。また、実施例
1、2と比較例5、6から明らかなように良好な印字ム
ラと画像耐水性を得るには透気度は40秒以下であるこ
とが必要な事も判る。更に比較例7に示すように、カチ
オンの定着剤を塗工しない場合、耐水性が悪化してしま
う。
【0074】実施例7〜14及び比較例9〜13 組合せによる第二の特徴を明確にする目的で、以下の配
合に従って、原紙9〜10を作製した。 <原紙配合9> 原紙配合;LBKP(ろ水度;450ml、c.s.f) 100部 炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP−121) 10部 中性ロジンサイズ剤(荒川化学工業社製;サイス゛ハ゜インNT-80) 0.2部 硫酸アルミニウム 0.1部 両性澱粉(王子ナショナル社製;Cato3210) 10部 歩留り向上剤(ハイモ社製;NR−11LS) 0.02部
【0075】 <原紙配合10> 原紙配合;LBKP(ろ水度;450ml、c.s.f) 100部 炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP−121) 10部 中性ロジンサイズ剤(荒川化学工業社製;サイス゛ハ゜インNT-80) 0.3部 硫酸アルミニウム 0.1部 両性澱粉(王子ナショナル社製;Cato3210) 10部 歩留り向上剤(ハイモ社製;NR−11LS) 0.02部
【0076】上記配合の0.3%スラリーを抄幅1,3
00mm、抄紙速度150m/min.で長網抄紙機に
より坪量62.7g/m2、水分5.0%の原紙を抄造
し、これをサイズプレス用の原紙とした。
【0077】次に、以下の方法に従って実施例および比
較例のインクジェット記録用紙を作製した。
【0078】実施例7 上記で作製した原紙10に、以下の配合でサイズプレス
を行ない、固形分付着量3.0g/m2のインクジェッ
ト記録用紙を得、実施例7のインクジェット記録用紙と
した。なお、原紙9の灰分は7.5%、コッブサイズ度
は12.6g/m2であった。 <サイズプレス液4配合> カチオン澱粉(日本NSC社製;CatoSize 270) 6部 カチオン性高分子定着剤(御国色素社製;CW-7) 3部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 水 93.90部
【0079】実施例8 実施例7で用いたサイズプレス液3配合をサイズプレス
液5配合とした以外は同様にして実施例8のインクジェ
ット記録用紙を作製した。 <サイズプレス液5配合> カチオン澱粉(日本NSC社製;CatoSize 270) 7.5部 カチオン性高分子定着剤(御国色素社製;CW-7) 2.5部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 水 89.90部
【0080】実施例9 実施例7で用いたサイズプレス液4配合をサイズプレス
液6配合とした以外は同様にして実施例9のインクジェ
ット記録用紙を作製した。 <サイズプレス液6配合> カチオン澱粉(日本NSC社製;CatoSize 270) 7.5部 カチオン性高分子定着剤(御国色素社製;CW-7) 1.5部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 水 90.90部
【0081】実施例10 実施例7のサイズプレス液4配合でカチオン澱粉を燐酸
エステル化澱粉(日本食品加工社製;MS-4600)とした
以外は同様にして実施例10のインクジェット記録用紙
を作製した。
【0082】実施例11 実施例8のサイズプレス液5配合でカチオン澱粉を燐酸
エステル化澱粉(日本食品加工社製;MS-4600)とした
以外は同様にして実施例11のインクジェット記録用紙
を作製した。
【0083】実施例12 実施例9のサイズプレス液6配合でカチオン澱粉を燐酸
エステル化澱粉(日本食品加工社製;MS-4600)とした
以外は同様にして実施例12のインクジェット記録用紙
を作製した。
【0084】実施例13 実施例7で用いたサイズプレス液4配合をサイズプレス
液7配合とした以外は同様にして実施例13のインクジ
ェット記録用紙を作製した。 <サイズプレス液7配合> カチオン澱粉(日本NSC社製;CatoSize 270) 3部 カチオン性高分子定着剤(御国色素社製;CW-7) 3部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 水 93.90部
【0085】実施例14 実施例13のサイズプレス液7配合でカチオン澱粉を燐
酸エステル化澱粉(日本食品加工社製;MS-4600)とし
た以外は同様にして実施例14のインクジェット記録用
紙を作製した。
【0086】比較例9 上記で作製した原紙9に、実施例7で用いたサイズプレ
ス液4配合でサイズプレスを行ない、固形分付着量3.
0g/m2のインクジェット記録用紙を得、比較例9の
インクジェット記録用紙とした。この時の原紙9の灰分
は7.4%、コッブサイズ度は30.1g/m2であっ
た。
【0087】比較例10 比較例9で用いたサイズプレス液4配合をサイズプレス
液5配合とした以外は同様にして比較例10のインクジ
ェット記録用紙を作製した。
【0088】比較例11 比較例9で用いたサイズプレス液4配合をサイズプレス
液6配合とした以外は同様にして比較例11のインクジ
ェット記録用紙を作製した。
【0089】比較例12 実施例7で用いたサイズプレス液4配合をサイズプレス
液8配合とした以外は同様にして比較例12のインクジ
ェット記録用紙を作製した。 <サイズプレス液8配合> カチオン澱粉(日本NSC社製;CatoSize 270) 7部 カチオン性高分子定着剤(御国色素社製;CW-7) 1部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 水 91.90部
【0090】比較例13 比較例12のサイズプレス液8配合でカチオン澱粉を燐
酸エステル化澱粉(日本食品加工社製;MS-4600)とし
た以外は同様にして比較例13のインクジェット記録用
紙を作製した。
【0091】上記により作製した実施例7〜14及び比
較例9〜13の記録用紙について、透気度を測定した。
この結果を表2に示す。
【0092】1)透気度 測定試料は20℃、65%RHの環境下に24時間調湿
後、JIS P−8117に従って東洋精機社製ガーレ
ーデンソメーターを用いて透気度を測定した。
【0093】また、インクジェット適性については、次
に記載した評価方法によって評価を行った。この結果を
表3に示す。
【0094】1)画像耐水性 文字及び罫線をキャノン社製インクジェットプリンター
BJ−220JSで印字し、印字した部分に、蒸留水を
No.15の注射針で1滴滴下し、放置乾燥後、滲みの程度
を目視で評価した。なお、評価基準としては、A:特性
が良好、B:実用上問題ない範囲で良好、C:実用上問
題有り、D:特性が不良で示した。
【0095】2)印字ムラ キャノン社製インクジェットプリンターBJ−420J
を用いて、シアン及びグリーンのベタパターンを印字
し、放置乾燥後、ムラの程度を目視で評価した。なお、
評価基準としては、A:特性が良好、B:実用上問題な
い範囲で良好、C:実用上問題有り、D:特性が不良で
示した。
【0096】3)裏抜け キャノン社製インクジェットプリンターBJ−220J
Sでベタパターンを印字し、放置乾燥後、裏面へのイン
クの抜けを目視で評価した。評価基準としては、○:裏
抜けが目視で認識出来ないレベル、△:裏抜けが目視で
若干認識出来るレベル、×:裏抜けが目視で明らかに認
識出来るレベルとした。
【0097】4)インク乾燥性 キャノン社製インクジェットプリンターBJ−220J
Sでベタパターンを印字し、プリンターから排出された
後、印字した部分の光沢感が無くなるまでの時間を測定
した。実用上、10秒以下であれば問題ないとされてい
る。
【0098】5)印字濃度 インクジェット記録装置(BJC−220JS:キャノ
ン製)を用いて、ブラックインクでベタパターンを印字
し、印字部をマクベスRD−918により、光学反射濃
度を測定した。実用上、印字濃度は1.2以上あること
が望ましい。
【0099】
【表2】
【0100】
【表3】
【0101】上記の評価結果を考察すると、実施例7〜
9で明らかなように、JIS P−8140に規定され
たコッブ法による30秒サイズ度が20g/m2以下で
ある原紙に、水溶性バインダー及びカチオン性高分子定
着剤を主成分とする塗工液を塗工し、塗工された紙のJ
IS P−8117に規定される透気度が40秒以下に
規定する事と、水溶性バインダーとカチオン性高分子定
着剤の混合比が2:1〜5:1にある事を組み合わせる
ことにより、良好な画像濃度が得られる事が判る。比較
例12のように水溶性バインダーの比率を高くしすぎる
と、画像濃度だけは向上するが、印字ムラ、インク乾燥
性並びに画像耐水性が大きく悪化してしまうことも明白
である。また、実施例7〜9と比較例9〜11の比較か
ら明らかなように、原紙のコブサイズ度が20秒以上であ
ると、良好な画像濃度が得られないだけでなく、裏抜け
も悪化することも判る。
【0102】実施例15〜29 組合せによる第三の効果を明確にする目的で、以下の配
合に従って、原紙11〜12を作製した。
【0103】 <原紙配合11> 原紙配合;LBKP(ろ水度;450ml、c.s.f) 100部 炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP−121) 10部 中性ロジンサイズ剤(日本PMC社製;A-275) 0.2部 硫酸アルミニウム 0.1部 両性澱粉(王子ナショナル社製;Cato3210) 10部 歩留り向上剤(ハイモ社製;NR−11LS) 0.02部
【0104】 <原紙配合12> 原紙配合;LBKP(ろ水度;450ml、c.s.f) 100部 炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP−121) 10部 中性ロジンサイズ剤(日本PMC社製;A-275) 0.3部 硫酸アルミニウム 0.1部 両性澱粉(王子ナショナル社製;Cato3210) 10部 歩留り向上剤(ハイモ社製;NR−11LS) 0.02部
【0105】上記配合の0.3%スラリーを抄幅1,3
00mm、抄紙速度150m/min.で長網抄紙機に
より坪量62.7g/m2、水分5.0%の原紙を抄造
し、これをサイズプレス用の原紙とした。
【0106】次に、以下の方法に従って実施例および比
較例のインクジェット記録用紙を作製した。
【0107】実施例15 上記で作製した原紙11に、以下の配合でサイズプレス
を行ない、固形分付着量3.0g/m2のインクジェッ
ト記録用紙を得、実施例15のインクジェット記録用紙
とした。この時の原紙11の灰分は7.6%、コッブサ
イズ度は12.0g/m2、サイズプレス液9配合のp
Hは6.6であった。 <サイズプレス液9配合> カチオン澱粉(日本NSC社製;CatoSize 270) 7.5部 カチオン性高分子定着剤(里田化工社製;シ゛ェットフィックス30) 2.5部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 pH調節剤(炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム=1/1) 0.06部 水 89.84部
【0108】実施例16 実施例15のサイズプレス液9配合でpH調節剤の量を
0.08部、水を89.82部とした以外は同様にして
実施例16のインクジェット記録用紙を作製した。この
時のサイズプレス液のpHは、7.0であった。
【0109】実施例17 実施例15のサイズプレス液9配合でpH調節剤の量を
0.10部、水を89.80部とした以外は同様にして
実施例17のインクジェット記録用紙を作製した。この
時のサイズプレス液のpHは、7.4であった。
【0110】実施例18 上記で作製した原紙11に、以下の配合でサイズプレス
を行ない、固形分付着量3.0g/m2のインクジェッ
ト記録用紙を得、実施例18のインクジェット記録用紙
とした。この時の原紙11の灰分は7.6%、コッブサ
イズ度は12.0g/m2、サイズプレス液10配合の
pHは6.6であった。 <サイズプレス液10配合> 燐酸エステル化澱粉(日本食品化工社製;MS-4600) 7.5部 カチオン性高分子定着剤(里田化工社製;シ゛ェットフィックス30) 2.5部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 pH調節剤(炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム=1/1) 0.06部 水 89.84部
【0111】実施例19 実施例18のサイズプレス液10配合でpH調節剤の量
を0.08部、水を89.82部とした以外は同様にし
て実施例19のインクジェット記録用紙を作製した。こ
の時のサイズプレス液のpHは、7.1であった。
【0112】実施例20 実施例18のサイズプレス液10配合でpH調節剤の量
を0.10部、水を89.80部とした以外は同様にし
て実施例20のインクジェット記録用紙を作製した。こ
の時のサイズプレス液のpHは、7.5であった。
【0113】実施例21 上記で作製した原紙12に、以下の配合でサイズプレス
を行ない、固形分付着量3.0g/m2のインクジェッ
ト記録用紙を得、実施例21のインクジェット記録用紙
とした。この時の原紙12の灰分は9.1%、コッブサ
イズ度は12.8g/m2、サイズプレス液9配合のp
Hは6.6であった。 <サイズプレス液9配合> カチオン澱粉(日本NSC社製;CatoSize 270) 7.5部 カチオン性高分子定着剤(里田化工社製;シ゛ェットフィックス30) 2.5部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 pH調節剤(炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム=1/1) 0.06部 水 89.84部
【0114】実施例22 実施例21のサイズプレス液9配合でpH調節剤の量を
0.08部、水を89.82部とした以外は同様にして
実施例22のインクジェット記録用紙を作製した。この
時のサイズプレス液のpHは、7.0であった。
【0115】実施例23 実施例21のサイズプレス液9配合でpH調節剤の量を
0.10部、水を89.80部とした以外は同様にして
実施例23のインクジェット記録用紙を作製した。この
時のサイズプレス液のpHは、7.4であった。
【0116】実施例24 上記で作製した原紙11に、以下の配合でサイズプレス
を行ない、固形分付着量3.0g/m2のインクジェッ
ト記録用紙を得、実施例24のインクジェット記録用紙
とした。この時の原紙11の灰分は7.6%、コッブサ
イズ度は12.0g/m2、サイズプレス液11配合の
pHは6.1であった。 <サイズプレス液11配合> カチオン澱粉(日本NSC社製;CatoSize 270) 7.5部 カチオン性高分子定着剤(里田化工社製;シ゛ェットフィックス30) 2.5部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 pH調節剤(炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム=1/1) 0.04部 水 89.86部
【0117】実施例25 実施例24のサイズプレス液11配合でpH調節剤の量
を0.12部、水を89.78部とした以外は同様にし
て実施例25のインクジェット記録用紙を作製した。こ
の時のサイズプレス液のpHは、8.0であった。
【0118】実施例26 上記で作製した原紙11に、以下の配合でサイズプレス
を行ない、固形分付着量3.0g/m2のインクジェッ
ト記録用紙を得、実施例26のインクジェット記録用紙
とした。この時の原紙11の灰分は7.6%、コッブサ
イズ度は12.0g/m2、サイズプレス液12配合の
pHは6.2であった。 <サイズプレス液12配合> 燐酸エステル化澱粉(日本食品化工社製;MS-4600) 7.5部 カチオン性高分子定着剤(里田化工社製;シ゛ェットフィックス30) 2.5部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 pH調節剤(炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム=1/1) 0.04部 水 89.86部
【0119】実施例27 実施例26のサイズプレス液12配合でpH調節剤の量
を0.12部、水を89.78部とした以外は同様にし
て実施例27のインクジェット記録用紙を作製した。こ
の時のサイズプレス液のpHは、8.1であった。
【0120】実施例28 上記で作製した原紙12に、以下の配合でサイズプレス
を行ない、固形分付着量3.0g/m2のインクジェッ
ト記録用紙を得、実施例28のインクジェット記録用紙
とした。この時の原紙12の灰分は9.1%、コッブサ
イズ度は12.8g/m2、サイズプレス液11配合の
pHは6.1であった。 <サイズプレス液11配合> カチオン澱粉(日本NSC社製;CatoSize 270) 7.5部 カチオン性高分子定着剤(里田化工社製;シ゛ェットフィックス30) 2.5部 カチオン表面サイス゛剤(BASF社製;ハ゛ソフ゜ラスト 265D) 0.10部 pH調節剤(炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム=1/1) 0.04部 水 89.86部
【0121】実施例29 実施例28のサイズプレス液11配合でpH調節剤の量
を0.12部、水を89.78部とした以外は同様にし
て実施例29のインクジェット記録用紙を作製した。こ
の時のサイズプレス液のpHは、8.0であった。
【0122】上記により作製した実施例15〜29の記
録用紙について、透気度について測定した。この結果を
表4に示す。
【0123】1)透気度 測定試料は20℃、65%RHの環境下に24時間調湿
後、JIS P−8117に従って東洋精機社製ガーレ
ーデンソメーターを用いて透気度を測定した。
【0124】また、インクジェット適性については、次
に記載した評価方法によって評価を行った。この結果を
表5に示す。
【0125】1)画像耐水性 文字及び罫線をキャノン社製インクジェットプリンター
BJ−220JSで印字し、印字した部分に、蒸留水を
No.15の注射針で1滴滴下し、放置乾燥後、滲みの程度
を目視で評価した。なお、評価基準としては、A:特性
が良好、B:実用上問題ない範囲で良好、C:実用上問
題有り、D:特性が不良で示した。
【0126】2)印字ムラ キャノン社製インクジェットプリンターBJ−420J
を用いて、シアン及びグリーンのベタパターンを印字
し、放置乾燥後、ムラの程度を目視で評価した。なお、
評価基準としては、A:特性が良好、B:実用上問題な
い範囲で良好、C:実用上問題有り、D:特性が不良で
示した。
【0127】3)裏抜け キャノン社製インクジェットプリンターBJ−220J
Sでベタパターンを印字し、放置乾燥後、裏面へのイン
クの抜けを目視で評価した。評価基準としては、○:裏
抜けが目視で認識出来ないレベル、△:裏抜けが目視で
若干認識出来るレベル、×:裏抜けが目視で明らかに認
識出来るレベルとした。
【0128】4)インク乾燥性 キャノン社製インクジェットプリンターBJ−220J
Sでベタパターンを印字し、プリンターから排出された
後、印字した部分の光沢感が無くなるまでの時間を測定
した。実用上、10秒以下であれば問題ないとされてい
る。
【0129】5)印字濃度 インクジェット記録装置(BJC−220JS:キャノ
ン製)を用いて、ブラックインクでベタパターンを印字
し、印字部をマクベスRD−918により、光学反射濃
度を測定した。実用上、印字濃度は1.2以上あること
が望ましい。
【0130】6)フェザリング 文字及び罫線をキャノン社製インクジェットプリンター
BJ−220JSで印字し、印字した部分のインクの滲
み具合(ギザギザの度合い)を目視で評価した。なお、
評価基準としては、A:特性が良好、B:実用上問題な
い範囲で良好、C:実用上問題有り、D:特性が不良で
示した。
【0131】7)ブロンズ化 キャノン社製インクジェットプリンターBJ−220J
Sでベタパターンを印字し、印字 した部分を色彩色差
計(商品名:CR−200、ミノルタ社製)で、L**
*を測定した。ブロンズ化の度合いは、クロマティク
ネス指数a*により表現した。通常、一見して変色(赤
み)を感じるのは、a*が2.5以上であり、2.5未満は
実用上問題のない事を示す。
【0132】
【表4】
【0133】
【表5】
【0134】上記の評価結果を考察すると、実施例15
〜23で明らかなように、JISP−8140に規定さ
れたコッブ法による30秒サイズ度が20g/m2以下
である原紙に、水溶性バインダー及びカチオン性高分子
定着剤を主成分とする塗工液を塗工し、塗工された紙の
JIS P−8117に規定される透気度が40秒以下
であることと、塗工液の水溶性バインダー及びカチオン
性高分子定着剤の混合比が2:1〜5:1の範囲にある
こと、並びに塗工液のpHを6.5〜7.5の範囲に入
れる事を組み合わせる事により、良好なブロンズ適性が
得られる事がわかる。実施例25,27,29のように
pHが7.5を越えるとクロマティクネス指数a*
2.5以下になり、ブロンズ化は向上するが、文字品位
の代表特性であるフェザリングが大きく悪化してしま
う。また、実施例24,26,28のようにpHが6.
5以下であると、クロマティクネス指数a*の増加によ
るブロンズの悪化と共に、ブロンズ化による印字濃度の
低下が明確になる。
【0135】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用紙は、木
材パルプを主原料とし、これに内添サイズ剤として中性
ロジンサイズ剤、及び填料として炭酸カルシウムを用い
て抄紙され、灰化処理を500℃、4時間とした以外は
JIS P−8126に準じた原紙灰分が15%以下、
かつJIS P−8140に規定されたコッブ法による
30秒サイズ度が20g/m2以下である原紙に、水溶
性バインダー及びカチオン性高分子定着剤を主成分とす
る塗工液を塗工したインクジェット記録用紙であり、か
つ、塗工された紙のJIS P−8117に規定される
透気度が40秒以下であることを特徴とする。これら条
件を満たすことで、繊維表面において浸透性の高いイン
クに対して適度な耐水性を示し、同時に特定条件下で弱
酸性〜弱アルカリ性を示す水溶性バインダー及びカチオ
ン性高分子定着剤を主成分とする塗工液を用いることで
インクの紙層内への吸収も助けることができる。その結
果、印字濃度が高く、「ブロンズ化」が少なく、フェザ
リングが無い印字特性に優れたインクジェット記録用紙
を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材パルプを主原料とし、これに内添サ
    イズ剤として中性ロジンサイズ剤、及び填料として炭酸
    カルシウムを用いて抄紙され、灰化処理を500℃、4
    時間とした以外はJIS P−8126に準じた原紙灰
    分が15%以下、かつJIS P−8140に規定され
    たコッブ法による30秒サイズ度が20g/m2以下で
    ある原紙に、水溶性バインダー及びカチオン性高分子定
    着剤を主成分とする塗工液を塗工したインクジェット記
    録用紙であり、かつ、塗工された紙のJIS P−81
    17に規定される透気度が40秒以下であることを特徴
    とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 前記塗工液の水溶性バインダーとカチオ
    ン性高分子定着剤の混合比が2:1〜5:1の範囲にあ
    ることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録
    用紙。
  3. 【請求項3】 塗工液のpHが6.5〜7.5であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット
    記録用紙。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000003878A1 (fr) * 1998-07-16 2000-01-27 Mitsubishi Paper Mills Limited Papier utilise dans un enregistrement par jet d'encre et dans un enregistrement electrophotographique
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JP2019043053A (ja) * 2017-09-04 2019-03-22 王子ホールディングス株式会社 熱転写紙用原紙および熱転写紙

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