JP2003320745A - インクジェット記録用紙 - Google Patents
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Abstract
に優れ、かつ注目性、誘目性といった特性に優れた非塗
工紙の風合いや色彩を有するインクジェット記録用紙を
提供する。 【解決手段】 本発明に係るインクジェット記録用紙
は、模様紙もしくは色含浸塗工紙または混抄紙の少なく
とも原紙の一方の面に、スチレン−アクリル酸共重合体
であるアニオン性ポリマーとポリアミンであるカチオン
性ポリマーとを含有しているエマルジョンタイプのカチ
オン性樹脂を塗布し、かつ、その塗工量が0.1〜7.
0g/m2の範囲にあることを特徴とする。
Description
用紙に関し、特に、原紙の風合いや色相を損なうことな
く、インクジェット記録特性に優れた記録用紙に関す
る。
滴を吐出し、記録紙上に付着させることによりドットを
形成し記録を行う方式である。近年、インクジェットプ
リンター、インク、記録媒体の技術的進歩により、印字
品質の高い記録が可能になってきている。
ェット記録方式のプリンターの高性能化に伴って、被記
録用紙に対しても高吸収性、忠実なドット再現性、耐水
性等の特性的な要求がなされるようになり、インク受容
層を原紙上に設けたコート紙が開発されてきている。
の高性能化のほかに、デジタルカメラやスキャナーとい
った周辺機器の充実化と普及化に伴って、記録媒体であ
るインクジェット記録紙には更なる性能の向上が要求さ
れてきている。すなわち、インクジェット記録の高速
化、記録画像の高精細化、フルカラー化といった用途が
広範化する現在、良好なインクジェット記録の印字適性
の他に、優れた外観を有するインクジェット記録用紙が
要求されてきている。例えば、光沢感、色相、手触り
感、風合い等が挙げられ、銀塩写真の印画紙や印刷用紙
又は和紙に類似させることが念頭に置かれる場合もあ
る。
ためには、多孔質合成シリカといった高いインク吸収性
を有した無機顔料と、酢酸ビニルやポリビニルアルコー
ルのような有機バインダーを基本的な組み合わせとし
て、インク定着性を付与させるために、カチオン性高分
子電解質を含有した塗料を原紙に塗工したものがコート
紙タイプのインクジェット記録用紙となっている。
インクジェット記録用紙においては、充分な画質を確保
するためにはある程度の塗工量を必要とし、それゆえ
に、原紙の風合いや色相を損ねるケースが多かった。
表面積が高い多孔質無機顔料を使用することが一般的で
あるが故に、塗料自体の隠ぺい力が高くなり、塗工層側
の概観は、原紙の風合いや色相を忠実に再現することは
困難であった。
録用紙が市場にあるが、このインクジェット用塗料は、
一般的に無機顔料を使用せず、バインダーを含めた高分
子樹脂材料のみでインクジェット記録層を形成させる。
この場合、無機顔料を使用した場合に比較し、原紙の色
相は再現するが、インク吸収能力が充分でなくなるばか
りか、樹脂特有の光沢感が発現し、原紙の風合いを損ね
てしまう。そして、樹脂の耐水性が劣る場合、高湿度状
況下では、樹脂層であるインク受容層の変質と、記録画
像の劣化が懸念される。また、記録品質についてフェザ
ーリングは良好ではあるものの、コート紙タイプのもの
に比べ劣る。
紙が、色相として白色あるいは、それに近いような淡い
色味付けがされているものが市販品として一般的であ
り、色紙タイプのインクジェット記録用紙はほとんど無
かった。仮に、商用の色紙にインクジェット印字を行う
と、フェザーリングやインク滲みが発生し、実用的とは
言い難い。しかしながら、広告用に色味付けされたイン
クジェット記録用紙が要求されてきている。この色味付
け効果は、注目性、誘目性といった特性に優れ、商用と
しては有為なるものである。
記録用紙の場合、色味付けを塗料側で行おうとすると、
色材薬品は大量に必要となる。色顔料の場合、その中に
含有されている分散剤などの影響で、はじきや塗り斑と
いった塗工適性を損なう場合が出てくる。また、染料で
あっても、塗工が不均一であると、塗り斑が色の濃淡で
出てしまうため、塗工品が欠陥になる率が高くなってし
まう。従って、従来技術によってはコート紙タイプのも
のは、薄い色のインクジェット記録用紙しか作れなかっ
た。そして、塗料にカチオン性物質が入っていると、色
顔料や色染料が多くの場合、アニオン性であるため、p
Hによるショックを起こして、塗料の調液に支障をきた
すことさえある。
インクジェット記録用紙も、無地のものよりは、模様が
有るほうが好ましい。このようなインクジェット記録用
紙は、広告用インクジェット記録用紙としても有為であ
る。
ェット記録用紙はほとんどなかった。仮に、塗工原紙に
模様があっても、合成シリカ等の無機顔料を使用してい
る塗料を塗工すると、その隠蔽性故に、模様が充分に再
現されない。また、原紙固有の平滑度や光沢度が大きく
変化するので、原紙の風合いを維持できなくなってしま
う。反対に、塗工量を下げた場合、塗工原紙の模様は再
現できても、原紙の平滑度や光沢度の変化があり、風合
いも維持したとは言い難くかつ、充分なインク吸収性が
確保できない。また、微塗工でも、塗料中の無機顔料の
存在によって、塗膜表面の状態が塗工紙に似てしまい、
原紙の風合いが維持できなくなってしまう。それゆえ
に、従来は模様紙のようなインクジェット記録用紙のう
ちでも、良好な記録画像部が得られるものはほとんど無
かったのが現状である。
優れ、かつ注目性、誘目性といった特性に優れた非塗工
紙の風合いや色彩を有するインクジェット記録用紙を提
供する。
けされた色含浸紙もしくは木材パルプ繊維以外の繊維を
混抄した原紙またはエンボス加工、透かし加工、フェル
トマークが施された模様紙の少なくとも片面に、スチレ
ン−アクリル酸共重合体であるアニオン性ポリマーとポ
リアミンであるカチオン性ポリマーとを含有しているエ
マルジョンタイプのカチオン性樹脂を塗布することを特
徴とするインクジェット記録用紙である。
使用する塗工原紙は、色味付け、木材パルプ以外の繊維
を混抄した原紙、エンボス加工等の模様紙といった原紙
等である。
黒色、灰色、青色、紫色、赤色、黄色、ピンク色、オレ
ンジ色、緑色、各種蛍光色などの色に任意に染色でき
る。商用に使用が可能なものは、全色である。
いることができる繊維は、レーヨン繊維、PET繊維、
ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、各種植物繊維で
あり、以上の繊維は適宜染色しても良い。
ク加工された原紙は染料で着色されていても良く、ま
た、エンボスパターンもどのようなパターンでも適宜使
用可能である。
ョンタイプのカチオン性樹脂である。このカチオン性樹
脂は、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとを作
用させ、凝集体を形成させた後に、この凝集をほどくこ
とによって得られるものである。これはエマルジョンタ
イプであるが、成膜時でもポーラスな構造を形成させる
ため、非エマルジョンタイプのものと比較し、インク吸
収性に優れ、かつ平滑度もあまり高くならないで、非塗
工紙の風合いを達成できる。また、カチオン性である
と、インクの定着性も優れたものとなる。
は、スチレン−アクリル酸共重合体であるアニオン性ポ
リマーとポリアミンであるカチオン性ポリマーとを含有
しているエマルジョンタイプのものであるが、その利点
として、乾燥後に成膜した場合、樹脂特有の光沢感が発
現しないために、塗工原紙の風合いを損なうことが無
い。そして、このエマルジョンタイプの樹脂を用いれ
ば、原紙の風合いが保持できるばかりでなく、紙のこし
といった物性も変化させることなくインクジェット記録
用紙を作成することができる。さらに、乾燥後、成膜し
た状態において、透明な塗膜面が得られる為、下地の色
相を忠実に再現することができる。その他の添加剤とし
ては、必要に応じて消泡剤、潤滑剤、分散剤、湿潤剤等
を使用できる。
してはエアーナイフ、ロールコーター、バーコーター、
コンマコーター、ブレードコーター等が公知の塗工機が
用いられる。塗工量は固形分換算で0.1〜7.0g/
m2、好ましくは1〜5g/m2の範囲が好ましい。塗
工量が7g/m2を超えると塗工紙表面強度の劣化や塗
工原紙表面の性状の確保が困難となる。反対に、塗工量
が0.1g/m2より少ない場合にはインク吸収性が劣
るようになる。
材パルプ繊維で構成される上質紙、中質紙、白板紙等の
紙基材が用いられる。燃料としてリサイクルされる場合
を考慮し原料パルプとしては塩素含有量の少ないECF
パルプまたはTCFパルプの使用が望ましい。
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、実施例において示す「部」及び「%」は特に明示し
ない限り固形重量部および固形重量%を示す。
説明する。 <原紙の作成> 原紙1. 木材パルプ繊維で構成された原紙に含浸法に
て、色顔料で各色に染色した。本発明では緑色(L:5
5.66、a:−16.20、b:19.88)に着色
したサンプルを使用した。
を混抄し、原紙2を得た。 原紙3. 木材パルプ繊維とカカオ豆を混抄し、原紙3
を得た。 原紙4. 木材パルプ繊維としょうゆ粕を混抄し、原紙
4を得た。 原紙5. 木材パルプ繊維構成された原紙にエンボス加
工をし、原紙5を得た。 原紙6. 木材パルプ繊維構成された原紙に透かし加工
をし、原紙6を得た。 原紙7. 木材パルプ繊維構成された原紙にフェルトマ
ーク加工をし、原紙7を得た。
ジョンタイプのカチオン性樹脂をエアーナイフコーター
で所定の絶乾塗工量となるように塗工、その後エアード
ライヤーにて乾燥し、インク受容層を得た。
72、御国色素社製)を絶乾塗工量5g/m2となるよ
うに塗工してインクジェット記録用紙を得た。
た以外は実施例1に準ずる。
脂をCW−6(御国色素社製)に変更した以外は実施例
1に準ずる。
脂をCW−6に変更した以外は実施例1に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
に準ずる。
した以外は実施例1に準ずる。
した以外は実施例1に準ずる。
した以外は実施例1に準ずる。
した以外は実施例1に準ずる。
した以外は実施例5に準ずる。
した以外は実施例5に準ずる。
した以外は実施例7に準ずる。
した以外は実施例7に準ずる。
した以外は実施例9に準ずる。
した以外は実施例9に準ずる。
更した以外は実施例11に準ずる。
更した以外は実施例11に準ずる。
更した以外は実施例13に準ずる。
更した以外は実施例13に準ずる。
更した以外は実施例15に準ずる。
更した以外は実施例15に準ずる。
更した以外は実施例17に準ずる。
更した以外は実施例17に準ずる。
更した以外は実施例19に準ずる。
更した以外は実施例19に準ずる。
更した以外は実施例21に準ずる。
更した以外は実施例21に準ずる。
更した以外は実施例23に準ずる。
更した以外は実施例23に準ずる。
更した以外は実施例25に準ずる。
更した以外は実施例25に準ずる。
更した以外は実施例27に準ずる。
更した以外は実施例27に準ずる。
トクヤマ社製)100部とバインダー(PVA−23
5、クラレ社製)40部、インク定着剤(スミレーズレ
ジンSR−1001、住友化学工業社製)20部を構成
内容とする塗料を3.0g/m2となるように塗工して
インクジェット記録用紙を得た。
た以外は比較例29に準ずる。
較例29に準ずる。
較例30に準ずる。
較例29に準ずる。
較例30に準ずる。
較例29に準ずる。
較例30に準ずる。
較例29に準ずる。
較例30に準ずる。
較例29に準ずる。
較例30に準ずる。
較例29に準ずる。
較例30に準ずる。
(スミレーズレジンSR−1001、住友化学工業社
製)を5g/m2となるように塗工してインクジェット
記録用紙を得た。
001、住友化学工業社製)を0.3g/m2となるよ
うに塗工してインクジェット記録用紙を得た。
較例99に準ずる。
較例100に準ずる。
較例99に準ずる。
較例100に準ずる。
較例99に準ずる。
較例100に準ずる。
較例99に準ずる。
較例100に準ずる。
較例99に準ずる。
較例100に準ずる。
較例99に準ずる。
較例100に準ずる。
インクジェット記録用紙につき、塗工原紙の風合いや色
の再現性、そして、インクジェット記録適性を下記方法
により評価した。その結果を、表1(実施例1〜28)、
表2(比較例1〜32)、表3(比較例33〜65)に示
す。
より判定した。また、目視評価と併せて、塗工原紙と塗
工紙の平滑度差(ΔS)と光沢度差(ΔG)を測定値よ
り算出した。なお、光沢度差は、20°(G20)、6
0°(G60)、75°(G75)の光沢度の値を用
い、 ΔG=(√(G20−G20 ´)2+(G60−G
60´)2+(G75−G 75´)2) 但し、G20は20°での原紙に塗布後のインクジェッ
ト記録用紙の光沢値、G 60は60°での原紙に塗布後
のインクジェット記録用紙の光沢値、G75は75°で
の原紙に塗布後のインクジェット記録用紙の光沢値を表
わす。G20 ´は20°での原紙の光沢値、G60´
は60°での原紙の光沢値、G75´は75°での原紙
の光沢値を表わす。上式により原紙の風合いの再現性を
評価した。その結果を表2にまとめて示す。
「PM−800DC」を用い印字した。そして、記録画
像部のフェザーリングを目視にて評価した。
「MC−2000」を用い印字した。そして、記録画像
部のフェザーリングを目視にて評価した。
「PM−800DC」を用い印字した。そして、記録画
像部に水滴を滴下し、インク滲みを目視にて評価した。
「MC−2000」を用い印字した。そして、記録画像
部に水滴を滴下し、インク滲みを目視にて評価した。
よるインクジェット記録用紙は、印字品質、耐水性、フ
ェザーリング等で実用上、充分なものであった。さら
に、非塗工紙の風合いを有していたり、鮮やかな色彩の
インクジェット記録用紙であることから、注目性や誘目
性にも優れる。しかしながら、比較例のサンプルについ
ては、必要特性を満足させられるものはなかった。
発明のインクジェット記録用紙は優れたインクジェット
記録特性を有しているとともに、塗工量の多いインクジ
ェット記録用紙にはない原紙の風合いや色相を忠実に再
現しているものである。それゆえに注目性や誘目性とい
った性質にも優れている。
Claims (5)
- 【請求項1】 模様紙もしくは色含浸塗工紙または混
抄紙の少なくとも原紙の一方の面に、スチレン−アクリ
ル酸共重合体であるアニオン性ポリマーとポリアミンで
あるカチオン性ポリマーとを含有しているエマルジョン
タイプのカチオン性樹脂を塗布し、かつ、その塗工量が
0.1〜7.0g/m2の範囲にあることを特徴とする
インクジェット記録用紙。 - 【請求項2】 原紙に木材パルプ繊維以外の繊維が混
抄されていることを特徴とする請求項1記載のインクジ
ェット記録用紙。 - 【請求項3】 原紙において、模様紙として、エンボ
ス加工、透かし加工、フェルトマーク加工されたことを
特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録
用紙。 - 【請求項4】 原紙と該原紙に塗布後のインクジェッ
ト記録用紙との平滑度の差が70秒以内であることを特
徴とする請求項1、2または3記載のインクジェット記
録用紙。 - 【請求項5】 原紙と該原紙に塗布後のインクジェッ
ト記録用紙との光沢度において、下記数式にて規定され
る光沢度差が0≦ΔG≦3の範囲であることを特徴とす
る請求項1、2、3または4記載のインクジェット記録
用紙。 ΔG=(√(G20−G20 ´)2+(G60−G
60´)2+(G75−G 75´)2) 但し、G20は20°での原紙に塗布後のインクジェッ
ト記録用紙の光沢値、G 60は60°での原紙に塗布後
のインクジェット記録用紙の光沢値、G75は75°で
の原紙に塗布後のインクジェット記録用紙の光沢値を表
わす。G20 ´は20°での原紙の光沢値、G60´
は60°での原紙の光沢値、G75´は75°での原紙
の光沢値を表わす。
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