JP2003326844A - 新聞印刷用インクジェット記録用紙及びその製造方法 - Google Patents
新聞印刷用インクジェット記録用紙及びその製造方法Info
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Abstract
顔料インクを用いた新聞印刷用紙及びその校正用のイン
クジェット記録用紙を提供すること。 【解決手段】少なくとも色材顔料、水を含んでなる顔料
インクを用いて記録する新聞印刷もしくはその校正に用
いるインクジェット記録用紙において、インク受理層を
設けず、メカニカルパルプ及び/又は脱墨古紙パルプを
50%以上含有してなり、水溶性多価金属塩を含有する
新聞印刷用インクジェット記録用紙。オフセット印刷用
新聞用紙との間の色差ΔE*が5以下であることが好ま
しい。
Description
方式を利用した、新聞印刷用もしくは新聞印刷校正用に
最適化されたインクジェット記録用紙及びその製造方法
に関するものである。
ッターの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高
精細な画像が容易に得られるようになってきた。
理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シー
トに付着させ、画像・文字等の記録を行なうものであ
る。インクジェットプリンターやプロッターはコンピュ
ーターにより作成した文字や各種図形等の画像情報のハ
ードコピー作成装置として、種々の用途に於いて近年急
速に普及している。特に多色インクジェット方式により
形成されるカラー画像は製版方式による多色印刷やカラ
ー写真方式による印画に比較しても遜色のない記録を得
ることが可能であり、更に作成部数が少ない用途に於い
ては、印刷技術や写真技術によるよりも安価で済むこと
から広く応用されつつある。
ターやPOPアート、製図用途に使用されることが多く
なってきている。これら用途ではインクジェットの高鮮
鋭性を活かせ、色彩性も優れていることから、良好な画
像を得ることが可能であり、宣伝効果が大きいものとな
る。これらへの適用はパーソナルコンピュータレベル
で、鮮鋭性や色彩性といった画像再現性や色再現性に優
れた画像を簡単に得ることが可能であるためであり、イ
ンクジェット記録用紙を多用する理由ともなっている。
や用途の多様化により、インクジェット記録に対するニ
ーズは高まっており、その結果記録装置或いは用紙に求
められる特性も要求もかなり高度になってきている。例
えば、大判ポスターやPOPアート、また写真画像を出
力する用途の場合、その用途が屋内外の展示や個人の記
録保存といったものであるため、従来以上に画像の耐候
性、画像保存性が求められるようになっている。このよ
うな要望に対し、インク及び用紙の改良が進んでおり、
従来よりはかなり良好な保存性が得られるようになって
きている。しかしながら、特に耐光性に関しては未だ銀
塩写真のレベルには到達しておらず、要求が満たされて
いないのが現状である。
顔料タイプのインクが使用されるようになってきてい
る。顔料インクは光劣化も少なく、水によって再溶解し
ないため、染料タイプのインクよりも耐候性、画像保存
性が向上することが知られている。しかし、インク中の
色材顔料は染料と異なり媒体に不溶であるため、インク
中の色材顔料を安定に分散させる必要があり、インク中
の色材顔料の比率を容易に上げられない。また、染料イ
ンクのように着色効率が高くなく、鮮明な発色を得にく
い。よって画像形成に使用されるインク量は染料インク
に比べて多くなる傾向にあり、特にインク量の多い重色
部間の境界滲み(ブリーディング)が発生する。
まってきている。顔料インクの吸収性を向上させる方法
として、支持体上に塗設するインク受理層を厚くするこ
とが考えられる。この方法でインク吸収性は改善される
が、インクが原紙方向に深く浸透するため、発色性が低
下する。前述したように顔料インクの場合、染料インク
と比較して鮮明な発色を得にくいため、インクが深く浸
透すると発色性は著しく低下してしまう。さらにインク
受理層を有しない用紙ではさらにその低下は著しい。
ク定着剤と呼ばれるカチオン性ポリマーを使用すること
も考えられるが、染料インクの場合とは異なり、十分な
定着効果を得られず、結果として良好な発色性及びブリ
ーディングの向上を得ることは難しい。
やすい新聞を目指し、文字の拡大化と共に紙面のカラー
ページ増化が著しい。これに伴い、新聞印刷用のカラー
校正システムとして顔料インクによるインクジェット方
式によるものが、コストや表現の近似性から導入されて
きている。最近ではプリンターとカラーマネージメント
システムと一体化させた印刷色校正用専用機も上市され
ている。さらには新聞印刷に掛かるコストの低減を目指
して、またユーザ個別の要望に応え随時紙面内容を変更
してより細かな情報に対応して掲載するためにインクジ
ェット方式を応用したオンデマンド印刷タイプの新聞発
行システムの提案もなされている。これらに用いる材料
としては現行の「新聞」と同等もしくは出来るだけ近似
していることが求められる。これは現行の「新聞紙」の
イメージが既に定着しているため、新聞としての価値観
から同じ風合や質感が求められるためである。従って、
オフセット印刷のインキと同様な色材という観点から顔
料インクを選択され、用紙としてはまさに「新聞紙」そ
のものの風合い、質感でかつ顔料インクに対する適性を
兼ね備えるものが必要となる。
紙は脱墨古紙パルプを含有していることもあり白さが低
い特徴のある色合いを有していることで、既存のインク
ジェット記録用紙を新聞紙印刷用及びその校正用として
利用するには明度、色度が大きく異なっていた。また支
持体(原紙)上にインク受理層を設けるため、新聞用紙
との質感の違いが大きな問題となっていた。さらに、印
刷校正用として利用した場合には印刷仕上がりを再現す
るものではなかった。これは、既存のインクジェット用
紙は、インク吸収性、色彩再現性などを要求されるた
め、インク受理層を支持体上に設け、使用する顔料や接
着剤及び各種添加剤に工夫がなされており、顔料として
は吸収性を得るために多孔性の合成顔料を使用すること
が多く、しかもインクジェット画像の色彩性を鮮明にす
るために、その色合いは独特の白さのものとなるためで
ある。
水性顔料インクを用いたインクジェット印字をすること
も試みられているが、これらの用紙はもちろん水性顔料
インクの受理性能を有していないため、画像の滲みはひ
どく、また印字濃度も低く再現されるため、実際のオフ
セット印刷の画像再現と大きく異なり昨今の新聞発行に
おける画像高精細化に対応出来なかった。
紙の色調及び風合い、質感に近似し、かつ水性顔料イン
クを用いた新聞印刷用紙及びその校正用のインクジェッ
ト記録用紙を提供することにある。
ンクジェット記録用紙をそのまま新聞紙印刷及びその校
正用に利用すると印刷用紙との質感の違いが大きく適さ
ないため、インクジェット記録用紙と対象となるオフセ
ット印刷用新聞用紙との種々の物性について鋭意検討し
た結果、インクジェット記録に適したインク受理層を設
けず、対象とする新聞用紙の明度、色度及び質感を類似
し、新聞印刷及びその校正用に適したインクジェット記
録用紙を作製出来ることを見出した。
る顔料インクを用いて記録する新聞印刷もしくはその校
正に用いるインクジェット記録用紙において、メカニカ
ルパルプ及び/または脱墨古紙パルプを50%以上含有
してなり、水溶性多価金属塩を含有する新聞印刷用イン
クジェット記録用紙である。
(g/m2)が、対象とするオフセット印刷用新聞用紙
の坪量に対して―10%〜+50%の範囲であり、対象
とするオフセット印刷用新聞用紙との間の色差(ΔE*)
が、下記数2により算出されるJIS―Z8730規定
の色差でΔE*≦5の範囲であればより効果的である。
+(b1 *−b2 *)2}0.5 L1 *、L2 *、a1 *、a2 *、b1 *、b2 *は、JIS−Z8
722で規定される測定方法に従い測定したJIS−Z
8729で規定される下記指数を表す。 L1 * :該インクジェット記録用紙の明度指数L* L2 * :対象とするオフセット印刷用新聞用紙の明度指
数L* a1 * :該インクジェット記録用紙の知覚色度指数a* a2 * :対象とするオフセット印刷用新聞用紙の知覚色
度指数a* b1 * :該インクジェット記録用紙の知覚色度指数b* b2 * :対象とするオフセット印刷用新聞用紙の知覚色
度指数b*
l、Caから選ばれる少なくとも1種以上の塩を含有す
る事により更に効果的な物となる。
古紙パルプを50%以上含有してなる原紙に、水溶性多
価金属塩を塗工により付与する製造方法を適用したもの
は、水溶性多価金属塩が原紙の表面付近に集中して存在
するため、顔料インクの定着効果が高く、発色性がより
良好となる。
録用紙を詳細に説明する。
て、対象とするオフセット印刷用新聞用紙とは、現在新
聞に使用されている用紙を指し、例えばJIS P30
01に規定されている新聞巻取紙や、「新聞印刷ハンド
ブック」(1997年、日本新聞協会発行)の163〜
177ページに詳細に記載されている。新聞紙該インク
ジェット記録用紙表面と対象の新聞紙表面との色差(Δ
E*)をΔE*≦5の範囲内になるようにするためには、
メカニカルパルプと脱墨古紙パルプを単独もしくは混合
して50%以上とし、必要に応じてその他の天然パルプ
の配合とし、さらに必要に応じて各種着色剤を添加する
ことで達成される。
2、並びにJIS−Z8720で規定される色の測定方
法及び測定光源に従って測定され、JIS−Z8729
で規定される明度指数(L*)及び知覚色度指数(a*、
b*)の値と、校正対象の印刷用紙の明度指数(L*)及
び知覚色度指数(a*、b*)の値から、JIS−Z87
30で規定される色差(ΔE*)を計算したものであ
る。更に具体的には、測定条件はD-n P、(JIS
−Z8722中の6.3.2参照)、光源を標準の光C
(またはD65)を用いて行っている。
れるメカニカルパルプは、機械的に摩砕して作ったパル
プを示し、具体例としては、TMP(サーモメカニカル
パルプ)、PGW(プレッシャライズドグランドパル
プ)、RGP(リファイナーグランドパルプ)、GP
(グランドパルプ)、CGP(ケミカルグランドパル
プ)等が挙げられる。
いられる脱墨古紙パルプは、原料となる古紙を、離解し
印刷インキ等の着色成分を除去(脱墨)して再度パルプ
としたものである。その原料となる古紙としては、
(財)古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に示
されている、上白、罫白、クリーム白、カード、特白、
中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上
切、新聞、雑誌などが挙げられる。さらに具体例として
は、情報関連記録用紙である非塗工コンピュータ記録用
紙、感熱紙、感圧紙などのプリンター記録用紙、および
PPC記録用紙などのOA古紙、アート紙、コート紙、
微塗工紙、マット紙などの塗工紙、あるいは上質紙、色
上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中
質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白
ロール紙、ミルクカートンなどの非塗工紙などの紙や板
紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含有紙など
が使用されるが、印字、複写、印刷、非印刷を問わず特
に限定されるものではない。
のパルプ以外にも、次の天然パルプ類も混合することが
可能である。例えば、LBKP、NBKPなどの化学パ
ルプ、またはケナフ、バガス、コットンなどの非木材パ
ルプ等が挙げられる。
法としては、上述のようなメカニカルパルプ及び/また
は脱墨古紙パルプを主成分として、その他天然パルプや
公知の白色顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留
向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤、調色染料などの各
種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄
紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置を用いて製
造する。この抄紙段階で後述する水溶性金属塩を含有さ
せるべく混合することも可能であり、このように製造し
た原紙をそのままインクジェット記録用紙として用いて
も良い。より好ましくは、一旦このように原紙にした後
に後述の如く水溶性金属塩を塗工して付与する。またさ
らには平坦化をコントロールするために、マシンカレン
ダー、TGカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレン
ダー装置を用いて物理的形状の加工を施しても良いも良
い。
れる着色剤としては、染料系着色剤および顔料系着色剤
を使用可能であるが、記録用紙の色調の保存性の観点か
ら顔料系着色剤を使用することが特に好ましい。
化合物(ジチゾン、ホルマザン)、キノン系(ナフトキ
ノン、アントラキノン、アクリドン、アントアントロ
ン、インダントレン、ピレンジオン、ビオラントロ
ン)、キノンイミン(アジン、オキサジン、チアジ
ン)、インジゴ染料(インジルビン、オキシインジゴ、
チオインジゴ)、硫化染料、ジフェニルメタン、トリフ
ェニルメタン(フルオラン、フルオレセイン、ローダミ
ン)、フェロセン、フルオレノン、フルギド、ペリレ
ン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン(カロテ
ン、マレイン酸誘導体、ピロラゾン、スチルベン、スチ
リル)、ポリメチン(シアニン、ピリジニウム、ピリリ
ウム、キノリニウム、ローダニン)、キサンテン、アリ
ザリン、アクリジン、アクリジノン、カルボスチリル、
クマリン、ジフェニルアミン、キナクリドン、キノフタ
ロン、フェノキサジン、フタロペリノン、ポルフィン、
クロロフィル、フタロシアニン、クラウン化合物、スク
アリリウム、チアフルバレン、チアゾール、ニトロ染
料、ニトロソ染料、発色後のロイコ染料などの染料系着
色剤、またはチタンブラック、チタニウムイエロー、群
青、紺青、コバルト青、カーボンブラック、鉄黒、酸化
亜鉛、酸化コバルト、酸化珪素、水酸化アルミニウム、
アゾ顔料、フタロシアニン顔料、染色レーキ、澱粉、尿
素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂などの合成樹脂粒
子、シリコーン粒子などの顔料系着色剤およびスチルベ
ン系、ジスチルベン系、ベンゾオキサゾール系、クマリ
ン系、イミダゾール系、ベンゾイミダゾール系、ピラゾ
リン系などの蛍光染料が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
上併用することもできる。また、染料と顔料の混合比率
は、色むらが生じない限り、いかなる比率で用いても良
い。
るものであれば、いかなる濃度で用いてもよいが、該イ
ンクジェット用紙中に添加する場合、パルプに対して通
常0.001〜1重量%使用される。
しては、対象とする新聞用紙の坪量−10%〜坪量+5
0%の範囲であるに入るように選択されることが好まし
い。水性顔料インクで画像を印刷するとインクジェット
記録用紙が多量のインク溶媒を含むことになり、印刷物
の腰が無くなったり、コックリングを起こすなどしてオ
フセット印刷とは異なる印象を与える。インクジェット
記録用紙を、新聞用紙との坪量差を少なくするか、むし
ろ厚めにしておくことが好ましい。
のブリーディングを向上させる方法としてインク受理層
を厚く設ける事が考えられているが、吸収性向上に伴う
インク自体の受理層中への浸透が発生し、鮮明な発色が
得られなくなり、受理層自体の強度低下も発生する。さ
らにインク受理層を設けることでは、対象となる新聞用
紙と質感が異なることになる。
発色の向上は、インクジェット記録用紙中に含有する多
価金属塩が、顔料インク中の色材顔料分散剤に作用する
ことで、インク中の色材顔料成分を表面近傍に定着さ
せ、インク溶媒分と濾別し、濾別された溶媒分が吸収さ
れることにより達成される。従って多価金属塩はインク
ジェット記録用紙の厚み方向の中央部よりも表面にあっ
た方が発色性、印字濃度の向上が図られる。このため特
に原紙に塗工により多価金属塩を付与した場合には、原
紙表面近傍(即ち印字面)に多価金属塩を局在化させる
ことが可能となり、より有効に効果を発揮する。
多価金属塩である。2価以上の水溶性金属塩であれば特
に問題なく使用できるが、これがNaやKといった1価
金属塩の場合、顔料インクへの作用が低く、多価金属塩
と同等の効果を引き出すためには多量に使用する必要が
あり、結果としてインクジェット記録用紙としての特性
に影響をもたらすため現実的でない。
金属塩は、2価以上の水溶性金属塩であれば、顔料イン
クへの作用が見られることを確認しているが、Pb塩や
Ni塩、Co塩等の毒性が強い金属塩に比べ、毒性が低
く、取り扱いやすいMg、Zn、Al、Caから選ばれ
る少なくとも1種以上の塩であることが好ましい。これ
ら多価金属塩は、単独で使用しても2種以上を併用して
もかまわない。この場合、異なる金属塩同士でも良い
し、同金属の硫酸塩と塩化物のような組合せでもかまわ
ない。
発現させるために必要とされる量については、該水溶性
多価金属塩が、該インクジェット記録用紙中或いは少な
くとも片面に0.1g/m2以上含有することで顔料イ
ンクに対する効果を安定して発現させることが出来るこ
とを見いだした。さらに発色性を考慮すると0.3g/
m2以上付与するのがより好ましい。ここで、該金属塩
が0.1g/m2未満であると顔料インクに対する作用
が弱く、インク吸収性の改良に及ぼす影響が弱くなる。
さらに該金属塩を3g/m2より多く付与すると顔料イ
ンク中の色剤顔料が塗層表面で凝集し、インク吸収性を
悪化させることがあるので、該金属塩は、0.3g/m
2以上3g/m2以下の付与量であることが最も望まし
い。
与方法は、内添、塗工のいずれでも良いが内添では付与
量の調整が困難であり、歩留まりが悪くなるし、該水溶
性多価金属塩が遍在することになる。上述の理由から該
水溶性多価金属塩の水溶液を塗工することによる付与方
法が表面に該水溶性多価金属塩を局在化させることが出
来、最も好ましい。塗工方法としては例えば、従来公知
のエアナイフコーター、カーテンコーター、ダイコータ
ー、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコ
ーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレー
ドコーター、ショートドエルブレードコーター、キャス
トコーター、インクラインドサイズプレス、トランスフ
ァーロールコーター、タブサイズ、ロッドコーター、シ
ムサイザーなどの各種装置をオンマシン或いはオフマシ
ンで用いることができる。もちろん両面に塗工すること
も可能であり、片面逐次あるいは両面同時でも良い。
あるいは含浸させる時に、該水溶性多価金属塩を含有す
る塗工液には、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エス
テル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘
導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアル
コール、またはシリル変性ポリビニルアルコールなどの
ポリビニルアルコール誘導体;ポリビニルピロリドン、
無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、
メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役
ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステルおよ
びメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などの
アクリル系共重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共
重合体などのビニル系共重合体ラテックス;あるいはこ
れらの各種共重合体のカルボキシ基などの官能基含有単
量体による官能基変性共重合体ラテックス;メラミン樹
脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性接着剤;
ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステル、
メタクリル酸エステルの重合体または共重合体樹脂ラテ
ックス;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラ
ール、アルキッド樹脂ラテックス等の水性高分子バイン
ダーを1種以上使用してしてもよい。
液には、前記の記録用紙の色相を調整する着色剤や、そ
の他の添加剤として、界面活性剤、硬膜剤、可塑剤、増
粘剤、流動性改良剤、粘度安定剤、pH調節剤、消泡
剤、抑泡剤、発泡剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、サイズ剤、耐水化
剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合する
こともできる。
クジェットプリンターで用いられており、色材顔料、水
性媒体、分散剤その他の添加剤からなる記録液体であ
り、添加剤に関しては、インクの目的である記録性に悪
影響を及ぼさない範囲で適宜選択される。前記色材顔料
のうち、ブラックインクとして用いられる色材顔料とし
ては、C.I.PigmentBlack7(カーボンブラック) 等、シア
ンインクとして用いられる色材顔料としては、C.I.Pigm
entBlue1、C.I.PigmentBlue2、C.I.PigmentBlue15:3、C.I.
PigmentBlue16等、マゼンタインクとして用いられる色
材顔料としては、C.I.PigmentRed5、C.I.PigmentRed48:
2、C.I.PigmentRed57:1、C.I.PigmentRed112、C.I.Pigment
Red122等、イエローインクとして用いられる色材顔料と
しては、C.I.PigmentYellow1、C.I.PigmentYellow3、C.I.
PigmentYellow13、C.I.PigmentYellow83等が代表例であ
るが、水性インクを形成し得る色材顔料であれば特に限
定されない。
び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、
エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、 sec−ブチル
アルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアル
コールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド類;アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトンま
たはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキ
サンなどのエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘ
キサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリ
コール、ジエチレングリコールなどのアルキレン基が2
〜6個のアルキレングリコール類;グリセリン、エチレ
ングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメ
チル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコー
ルモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アル
キルエーテル類などが挙げられる。
分散可能で有ればよいが、ほとんどの顔料は自己分散能
を有さないため、一般的に分散剤が用いられる。分散剤
としてはイオン性を有する両親媒性のポリマータイプの
もの、なかでもアニオン性を有する分散剤が用いられ
る。
節剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整
剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、および防錆
剤などが挙げられる。
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
又、実施例に於いて示す「部」および「%」は、特に明
示しない限り固形分あるいは実質成分の質量部及び質量
%を示す。
ルプ43部、グランドパルプ10部、脱墨古紙パルプ4
0部、針葉樹クラフトパルプ7部の割合で混合して水中
に離解し、硫酸バンドを対乾燥パルプあたり固形分とし
て1%、さらに歩留まり向上剤(ハイモロック/ハイモ
社製)を対乾燥パルプあたり固形分として0.02%添
加して、固形分濃度が0.5%となるように希釈して基
材の原料を調製し、坪量45g/m2で抄造し、基材1
を得た。また、基材1の材料に加え、MgSO4を2g
/m2 となるように内添して抄造したものを基材2とし
て得た。
50部、脱墨古紙パルプ40部、針葉樹クラフトパルプ
10部の割合で混合して水中に離解し、硫酸バンド0.
5部、着色染料として乾燥パルプ10kgに対してアイ
ゼンメチレンブルーBHコンク(保土ヶ谷化学工業)1
0mg、アイゼンメチルバイオレット(保土ヶ谷化学工
業)100mg、カヤフェクトイエロー(日本化薬)2
gを添加し調整後、坪量45g/m2で抄造し、基材3
を得た。
針葉樹クラフトパルプ40部の割合で混合して水中に離
解し、硫酸バンド0.5部、着色染料として乾燥パルプ
10kgに対してアイゼンメチルバイオレット(保土ヶ
谷化学工業)200mg、カヤフェクトイエロー(日本
化薬)2.5gを添加し調整後、坪量50g/m2で抄
造し、基材4を得た。このようにして得られた基材を以
下に述べる実施例及び比較例に用いた。
基材1〜4及び市販の古紙100%含有用紙(三菱製紙
製PPC用紙Re100、坪量64g/m2、以下基材
5と表記する)に、それぞれ表1に示す水溶性多価金属
塩等を溶解した塗工液(10%水溶液)をエアナイフコ
ータで付与、乾燥して実施例1〜16及び比較例1、2
のインクジェット記録用紙を得た。比較例3、4の内容
も表1に示す。
多価金属塩/市販酸化澱粉=2/1の割合で調整したサ
イズプレス液(6%水溶液)をインクラインドサイズプ
レスで表1に示す付与量で付与、乾燥して実施例17の
インクジェット記録用紙を得た。
記録用紙について下記の評価方法に従って評価した。
尚、対象とするオフセット印刷用新聞用紙として、朝日
新聞、読売新聞、日本経済新聞の朝刊各面それぞれの未
印刷部分(余白部分)の平均を取って色差及び風合いの
比較に用いた(平均坪量43g/m2)。
ェットプリンター(MC−10000)を用い、作製し
たインクジェット記録用紙にブラック(Bk)、シアン
(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各単色及
び、ブラックインクを除く他の3色インクでの2重色
(レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(Bl))の
計7色のベタパターンを、2cm×2cmで横一列に隣
接して記録するという方法で、ベタ印字を行い、これを
以下の評価に用いた。
24時間経過後に各色の境界の滲みとベタ印字部の印字
むらについて、以下の基準で目視評価した。 ◎:各色の境界の滲み及びベタ印字部の印字むらが全く
見られない。 ○:ややベタ印字部の印字むらが見られるが実用上問題
ない。 △:重色において境界の滲みもしくはベタ印字部の印字
むらのどちらかが見られる。 ×:単色においても境界の滲みもしくはベタ印字部の印
字むらが見られる。
730規定の色差であり、市販の色彩色差計(Spec
troEye:GretagMacbeth社製)を使
用して、得られた各インクジェット記録用紙の下記数3
の各指数を測定し、算出して評価を行った。
+(b1 *−b2 *)2}0.5 L1 *、L2 *、a1 *、a2 *、b1 *、b2 *は、JIS−Z8
722で規定される測定方法に従い測定したJIS−Z
8729で規定される下記指数を表す。 L1 * :該インクジェット記録用紙の明度指数L* L2 * :対象とするオフセット印刷用新聞用紙の明度指
数L* a1 * :該インクジェット記録用紙の知覚色度指数a* a2 * :対象とするオフセット印刷用新聞用紙の知覚色
度指数a* b1 * :該インクジェット記録用紙の知覚色度指数b* b2 * :対象とするオフセット印刷用新聞用紙の知覚色
度指数b*
た。尚、評価では、対象の新聞用紙との感覚的違いが極
めて少ないものを○、感覚的にあまり違和感なく受け入
れられるものを△、違いが感じられるものを×とした。
価した。尚、評価では、裏抜けが全く見られないものを
◎、2重色のいずれか1つのみが裏抜けしているものを
○、2重色のいずれも裏抜けがみられるものを△、すべ
ての色において裏抜けが見られるものを×とした。
示される水溶性多価金属塩を含有させた対象とするオフ
セット印刷用新聞用紙の色相、風合いに極めて近いイン
クジェット記録用紙は、顔料インクの吸収性に優れた品
質を示し、インクジェット方式を用いた新聞用紙および
その校正用紙として有効である。
性多価金属塩を使用しない場合や比較例2のように1価
の水溶性金属塩を用いる場合、吸収性や裏抜け性が劣る
し、比較例3、4のように、色差が大きい場合、見た目
に色調が大きく異なり新聞用紙としての風合いとかけ離
れ、好ましくない。
とにより、新聞印刷用途において、少なくとも色材顔料
と水を含んでなる顔料インクによる画像記録を施して
も、現行の新聞用紙と極めて近似した色調及び風合いで
違和感なく、また顔料インク印字による滲みもない、発
色の良い記録画像が得られ、現行と違和感のない新聞が
得られるし、新聞印刷における校正用途に適用した場合
には、構成対象となる新聞用紙と極めて近似させること
が可能となる秀逸なる効果が得られる。
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも色材顔料と水を含んでなる顔
料インクを用いて記録する新聞印刷もしくはその校正に
用いるインクジェット記録用紙において、メカニカルパ
ルプ及び/または脱墨古紙パルプを50%以上含有して
なり、水溶性多価金属塩を含有することを特徴とする新
聞印刷用インクジェット記録用紙。 - 【請求項2】 該インクジェット記録用紙の坪量が(g
/m2)が、対象とするオフセット印刷用新聞用紙の坪
量に対して―10%〜+50%の範囲であり、対象とす
るオフセット印刷用新聞用紙との間の色差(ΔE*)
が、下記数1により算出されるJIS―Z8730規定
の色差でΔE*≦5の範囲であることを特徴とする請求
項1記載の新聞印刷用インクジェット記録用紙。 【数1】ΔE*={(L1 *−L2 *)2+(a1 *−a2 *)2
+(b1 *−b2 *)2}0.5 L1 *、L2 *、a1 *、a2 *、b1 *、b2 *は、JIS−Z8
722で規定される測定方法に従い測定したJIS−Z
8729で規定される下記指数を表す。 L1 * :該インクジェット記録用紙の明度指数L* L2 * :対象とするオフセット印刷用新聞用紙の明度指
数L* a1 * :該インクジェット記録用紙の知覚色度指数a* a2 * :対象とするオフセット印刷用新聞用紙の知覚色
度指数a* b1 * :該インクジェット記録用紙の知覚色度指数b* b2 * :対象とするオフセット印刷用新聞用紙の知覚色
度指数b* - 【請求項3】 該水溶性多価金属塩が、Mg、Zn、A
l、Caから選ばれる少なくとも1種以上の塩であるこ
とを特徴とする請求項1、2のいずれか一項記載の新聞
印刷用インクジェット記録用紙。 - 【請求項4】 該水溶性多価金属塩を塗工により0.1
g/m2〜3g/m2の範囲で付与されたことを特徴とす
る請求項1〜3のいずれか一項記載の新聞印刷用インク
ジェット記録用紙。 - 【請求項5】 少なくとも色材顔料と水を含んでなる顔
料インクを用いて記録する新聞印刷もしくはその校正に
用いるインクジェット記録用紙の製造方法において、メ
カニカルパルプ及び/または脱墨古紙パルプを50%以
上含有してなる原紙に、水溶性多価金属塩を塗工により
0.1g/m2〜3g/m2の範囲で付与することを特徴
とする新聞印刷用インクジェット記録用紙の製造方法。
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Applications Claiming Priority (3)
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JP2002-60920 | 2002-03-06 | ||
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010516524A (ja) * | 2007-01-31 | 2010-05-20 | ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. | インクジェット印刷用の新聞印刷媒体 |
JP2010531251A (ja) * | 2007-06-25 | 2010-09-24 | テクノチェル デコール ゲー エム ベー ハー ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト | インクジェット印刷適性のある化粧紙 |
US7883200B2 (en) | 2003-06-16 | 2011-02-08 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Recording sheet and image recording method using the same |
JP2016028889A (ja) * | 2014-07-17 | 2016-03-03 | 王子ホールディングス株式会社 | 新聞印刷用インクジェット記録用紙 |
-
2002
- 2002-06-04 JP JP2002162413A patent/JP4034597B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US8075962B2 (en) | 2007-01-31 | 2011-12-13 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Newsprint media for inkjet printing |
TWI475143B (zh) * | 2007-01-31 | 2015-03-01 | Hewlett Packard Development Co | 用於噴墨列印之新聞紙介質 |
JP2010531251A (ja) * | 2007-06-25 | 2010-09-24 | テクノチェル デコール ゲー エム ベー ハー ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト | インクジェット印刷適性のある化粧紙 |
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