JPH07214894A - 転写用シート - Google Patents

転写用シート

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JPH07214894A
JPH07214894A JP6012734A JP1273494A JPH07214894A JP H07214894 A JPH07214894 A JP H07214894A JP 6012734 A JP6012734 A JP 6012734A JP 1273494 A JP1273494 A JP 1273494A JP H07214894 A JPH07214894 A JP H07214894A
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JP
Japan
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paper
sheet
sizing agent
size
transfer sheet
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JP6012734A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Kamozawa
龍男 鴨沢
Takeo Sugiyama
武夫 杉山
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録用紙および電子写真用転
写紙として共用できる保存性に優れた転写用シートを提
供することにある。 【構成】 内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤を含
有し、サイズ定着剤としてのアルミニウム多価金属化合
物を添加し、表面サイズ剤として少なくとも分子量10
0万以上のポリアクリルアミド系樹脂水溶液とアルカリ
性塩を0.01〜0.15部配合したサイズプレス液を
用い、シート坪量に対するサイズプレス液の吸液量の比
(吸液係数)が0.47以上、かつコッブサイズ度が1
3±3g/m2 である転写用シートである。さらには、
シートの冷水抽出pHが6.0〜9.0であることを特
徴とする転写用シートである。 【効果】 印字部分のブロンズ化現象の少ないインクジ
ェット適性、トナー定着性、走行性、カールの良好な電
子写真適性を持ち、且つ保存性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、保存性に優れ、インク
ジェットの画像適性を改良した中性紙のインクジェット
記録用紙および電子写真用転写紙に共用できる転写用シ
ートに関するものである。更に詳しくは、直接染料を配
合した水性インクを用いるインクジェット記録方式によ
り印字を行なった場合でも、高濃度の印字物が得られ、
かつ印字部分のブロンズ化現象の少ないインクジェット
記録用紙および電子写真用転写紙に共用できる保存性に
優れた転写シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】水性インクを用いるインクジェット記録
方式は、記録時の騒音の発生が少なく、高集積のヘッド
を使用することにより、機械的には高解像の記録画像が
高速で得られるという利点を有している。一方、用紙の
面から見た場合、高品位の画像を得るには、主としてパ
ルプよりなる記録用紙の上に付着したインクがその表面
上に不規則に広がることなく、かつ速やかに吸収される
ことが必要である。このためインクの吸収性および乾燥
性を改良する目的では、従来から酸性紙をベースとし
て、無サイズ紙のように水の吸収性の大きい用紙を用い
たり、シリカのような吸収性被覆層を設ける事が提案さ
れ(特公昭60−27588号公報、および特公昭63
−65037号公報)ている。
【0003】一方、社会的には電子写真複写機の普及に
伴い、一般の事務用紙や印刷用紙としての電子写真用転
写紙の役割は拡大を続け、インクジェット記録方式にも
電子写真複写方式にも共用できる用紙の開発が求められ
ている。電子写真用転写紙については、既に数多くの特
許が出願されているが、現在は保存性および画像適性の
面から内添填料として炭酸カルシウムを主体とした、ア
ルキルケテンダイマーやアルケニルコハク酸無水物等
の、いわゆる中性サイズ剤を配合した中性紙(特公昭6
3−40312号公報、および特公平2−54543号
公報)が主流になりつつある。
【0004】しかしながら実際は、サイズ性を十分に発
現させるためにはある程度の割合で硫酸バンド等のアル
ミニウム多価金属化合物を添加する抄造方法を採用して
いるのが現状であり、また中性抄造に際してしばしば問
題とされているアルキルケテンダイマーやアルケニルコ
ハク酸無水物等の内添サイズ剤に起因する抄紙系内ロー
ル汚れ防止の対策として使用されている例もある。これ
らの中性紙は保存性及び白色度は優れているものの、イ
ンクジェット記録方式においては印字濃度が低下した
り、色調が変化する等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の様な塗
工型インクジェット用紙は、シリカを主成分とする塗工
層を表面に持つため用紙の自然感を損なうこと、またコ
ストが高いことから、一般の事務用紙や印刷用紙として
用いられる上質紙(非塗工紙)に対しては、鮮明な画像
および印字を得る技術への要求が高まっている。また、
従来の塗工型インクジェット用紙は他分野での共用につ
いて考慮されておらず、シリカを主成分とする塗工層を
表面に持つため、電子写真用転写紙として使用した場合
には感光ドラムを傷めるだけでなく、トナーの定着性や
複写機での走行性など、電子写真用適性は殆ど無かっ
た。
【0006】逆に、普通紙として中性の電子写真用転写
紙を、インクジェット記録用紙として用いた場合、サイ
ズ性が高い紙では最大の問題として、印字後、紙上の染
料が内部まで染み込みにくくなるため、紙の繊維間に浸
透するよりも先に水分や溶剤が蒸発するにつれ紙上で染
料同士が会合してしまい、さらに蒸発が進につれ、染料
の結晶が紙上に析出して金属光沢を放つようないわゆる
ブロンズ化現象が起こり、色調も大きく変わるという問
題があった。また、サイズ性の低い紙では、インクの紙
中への沈み込みが大きく、かつその表面上に不規則に広
がることから、印字濃度の低下とともにドットの広がり
やフェザリングと呼ばれるひげ状のにじみが発生すると
いう問題があった。
【0007】本発明者らは、上記の課題を解決すべく、
従来のシリカのような顔料を含む水性インク受容性被覆
層を持たない、上質紙のインクジェット記録用紙および
電子写真用転写紙として共用できる転写用シートについ
て検討した。この結果、内添サイズ剤として中性ロジン
サイズ剤を用い、サイズプレスで特定の量以上のサイズ
プレス液の吸液量を持たせ、かつ特定のコッブサイズ度
と冷水抽出pHを規定した場合、インクジェット適性
は、公知の技術では予測できないほど改良しうることを
見出し、本発明に到達した。
【0008】従って、本発明の目的は、直接染料が配合
された水性インクを用いるインクジェット記録方式によ
り印字を行なった場合、印字部分のブロンズ化現象やフ
ェザリンクが少なくかつ高濃度の印字が得られるインク
ジェット適性、並びにトナー定着性・走行性・及びカー
ルの良好な電子写真適性に優れた転写用シートを提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録用紙および電子写真用転写紙に共用可能な転写用シ
ートは、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤を含有
し、サイズ定着剤としてのアルミニウム多価金属化合物
を添加し、表面サイズ剤として少なくとも分子量100
万以上のポリアクリルアミド系樹脂水溶液とアルカリ性
塩を0.01〜0.15部配合したサイズプレス液を用
い、シート坪量に対するサイズプレス液の吸液量の比
(吸液係数)が0.47以上、かつコッブサイズ度が1
3±3g/m2 である転写用シートであることを特徴と
する。さらなには、シートの冷水抽出pHが6.0〜
9.0であることを特徴としたものである。
【0010】本発明で用いる中性ロジンサイズ剤とは、
pH6〜9の中性領域において使用される、各種界面活
性剤もしくは水溶性高分子で乳化してなるエマルジョン
型ロジンサイズ剤である。ここで、ロジン物質として
は、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、水素
化ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、アルデヒド変成
ロジン、ロジンエステルなどのロジン類、更には該ロジ
ン類とアクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタ
コン酸などのα、β−不飽和カルボン酸との加熱反応物
を例示できるが、中性領域でのロジン物質の溶出を抑え
る目的で重合、耐水化等の不溶化処理を行なうことがで
きる。具体的に、中性ロジンサイズの添加量はパルプ固
形分に対して0.01〜2.0重量%、好ましくは0.
1〜0.7重量部用いられる。
【0011】上記中性ロジンサイズ剤のイオン性は、乳
化時に用いる各種界面活性剤もしくは水溶性高分子によ
りアニオン性、カチオン性の選択は可能であるが、本発
明ではイオン性は問わない。
【0012】本発明では、さらに中性ロジンサイズ剤の
サイズ性を発現させる目的で、アルミニウムの多価金属
化合物(例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、
ポリアルミニウムシリケートサルファイト、アルミン酸
ソーダなど)を配合するものである。具体的には上記中
性ロジンサイズ添加量範囲の中でパルプ固形分に対して
0.03〜5.0重量%、好ましくは0.1〜1.0重
量%用いて所望の特性が得られる。
【0013】本発明では、上記の目的に適う方法につい
て鋭意検討を重ねた結果、水性インクを用いるインクジ
ェット記録方式の印字適性と用紙のサイズ性、および、
ブロンズ化現象とシートの吸液係数についても、強い相
関があることが認められた。この結果、本発明ではシー
ト坪量に対するサイズプレス液の付着量の比を表わす吸
液係数を0.47以上に規定するとともに、JIS P
−8140に示すコッブサイズ度を13±3g/m2
規定することで印字適性を最適化できることを見出した
ものである。
【0014】因みに、吸液係数が0.47以下では直接
染料を配合した水性インクによるインクジェット記録方
式において、印字部分のブロンズ化現象が顕著となり所
望の効果が期待できない。また、コッブサイズ度が16
g/m2 以上では、水性インクを用いるインクジェット
記録方式により印字を行なった場合、インクの紙中への
浸透が大き過ぎることからインクが沈み込んでしまい、
印字濃度が低下するだけでなく、ドットの不規則な広が
りやインクがパルプ繊維に沿ってひげ状ににじむ現象
(以下、フェザリングと表現)が発生するという問題が
出る。さらに、コッブサイズ度が10g/m2 以下にな
ると、インクの乾燥が遅くなると共にインクのブロンズ
化現象を引き起こし易いという問題がある。
【0015】サイズプレスにおけるサイズプレス液の吸
液係数を増加させる手段としては、内添サイズ剤やサイ
ズプレス液の配合量を変化させる他に、シートのパルプ
ろ水度を粗くする方法、プレス圧を低下させる方法、サ
イズプレス前のシート水分を低下させる方法、サイズプ
レス液の液温を高める方法、サイズプレス液に界面活性
剤を添加する方法などの内、1種あるいは2種以上を適
宜組み合わせて使用することができる。
【0016】インクジェット記録方式における水性イン
クの浸透性を制御する手段としては、内添サイズ剤の配
合量を変化させる方法、サイズプレス液にアクリル酸
系、α−オレフィン系、スチレン−マレイン酸系等の表
面サイズ剤を添加する方法、サイズプレス液に界面活性
剤を添加する方法などを用いることができる。
【0017】本発明ではサイズプレス液組成についても
鋭意検討した結果、所望の結果を得るためには、分子量
が100万以上、好ましくは300万前後のポリアクリ
ルアミド系樹脂水溶液を主体としたサイズプレス液を用
いることにより、インクジェット適性および電子写真適
性に優れ、かつ操業性上安定したものが得られることを
見いだした。従来のポリアクリルアミド系樹脂の分子量
は約35万程度であるが、従来品では直接染料が配合さ
れた水性インクを用いるインクジェット記録方式により
印字を行なった場合、ドットの広がりやフェザリング、
および印字部分のブロンズ化現象を十分に改良すること
はできない。一方、分子量が500万を超え極度に高粘
度のものにすると、サイズプレスでの安定操業ができな
くなる他、フェザリングとブロンズ化の特性のバランス
が崩れるため好ましくない。
【0018】ポリアクリルアミド系樹脂の具体的な重合
方法としては、従来公知の重合反応によって製造するこ
とができる。例えば、モノマーとして所定量のジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミド又はその4級化
物、イタコン酸又はその塩類およびアクリルアミド、さ
らには必要に応じて他のモノマーを仕込んだ水溶液に、
イソプロピルアルコール、アリルアルコール、次亜リン
酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等の連鎖移
動剤を適宜使用し、pH3〜6に調整してから過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等に過
硫酸塩からなる重合開始剤、あるいはこれらの過硫酸塩
と亜硫酸水素ナトリウムの如き還元剤との組み合せから
なる重合開始剤を加え、上記のモノマー濃度を5〜30
重量%とし、35〜95℃で1〜10時間加温攪拌する
ことにより得られる。また、この他に『高分子凝集剤』
(大森英三著)に示されているように高濃度のモノマー
水溶液に少量のレドックス系触媒を添加して、比較的低
温で重合させて得る、あるいは微量のビスアクリルアミ
ドを添加して重合を行なわせる等によって製造すること
ができる。
【0019】本発明では、サイズプレス液に先に述べた
手法を施した他に、アルカリ性塩をサイズプレス液に対
し0.01〜0.15重量%、好ましくは0.03〜
0.07重量%添加することによってブロンズ化現象を
更に改良することを見いだした。これらの理由はよくは
分からないが、アルカリ性塩をこの範囲内にすることに
よって紙中の水酸基イオンが染料の結晶化を適度に抑え
るためと思われる。アルカリ性塩については水酸化ナト
リウム、炭酸ナトリウム等の強アルカリ性物質の使用が
考えられるが、四硼酸ナトリウム、四硼酸カリウム、ケ
イ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム等の弱アルカリ性塩のうち1種あるいは2種以上
適宜組み合せることもできる。
【0020】本発明では、転写用シートの冷水抽出pH
を6.0〜9.0の範囲にすることによって、紙質適性
および保存性のバランスを保持できるものである。即
ち、冷水抽出pHが6.0未満の場合には使用するアル
カリ金属塩の量が所定の範囲を越えてしまい、インクの
ブロンズ化現象を引き起こしやすくなるばかりではなく
シートの保存性の問題が生じてくる。一方、冷水抽出p
Hが9.0を越えてくるとインク印字濃度が低下するば
かりではなく、カラー印字を行った際には発色性が変化
したり、経時によって色調が変ったりする。具体的に、
冷水抽出pHは填料配合・アルカリ金属塩の添加及びそ
の他の添加剤等によって適宣変えることとができる。
【0021】サイズプレス液をサイズプレス工程で塗抹
する方式としては、コンベンショナルサイズプレス、ゲ
ートロールサイズプレス、あるいはフィルムトランスフ
ァー方式のサイズプレス、ロッドコーター、ビルブレー
ド、ショートドウェルコーター等の装置を用いることが
できるが、吸液係数の観点からはコンベンショナルサイ
ズプレスが好ましい。更に、同時に、澱粉、ポリビニー
ルアルコール等のバインダー、無水マレイン酸系、α−
オレフィン系、スチレン−アクリル酸系等の各種の表面
サイズ剤、エチレン−尿素樹脂等の寸法安定化剤、塩化
ナトリウム、塩化カリウム等の無機導電剤、有機導電
剤、界面活性剤、顔料、染料を塗抹することは勿論可能
である。
【0022】また、本発明に使用されるパルプとして
は、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、
TMPなどの他に古紙パルプが挙げられる。使用に当た
っては、それらを数種類目的に応じた比率で混合して用
いる。本発明で用いる填料としては、石灰石・貝殻・白
亜等の粉砕により得られる重質炭酸カルシウムおよび沈
降性炭酸カルシウム、タルク、カオリン、二酸化チタン
等の一般的な無機顔料や有機顔料を用いることができ、
これらを2種以上併用してもかまわないが、冷水抽出p
Hを6.0〜9.0とすることができる範囲内で使用す
る必要がある。本発明では粒子形状および粒子径につい
ては特に限定されるものではない。また、填料は通常、
紙中に4〜17重量%、好ましくは6〜12重量%添加
される。
【0023】紙料中にはこの他に、本発明の所望の効果
を損なわない範囲で従来から使用されている各種のアニ
オン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留り
向上剤、ろ水向上剤、紙力向上剤や内添サイズ剤等の抄
紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用される。
例えばFe、Sn、Zn等の多価金属化合物、および各
種澱粉、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポ
リアミン、ポリアミド・ポリアミン、尿素ホルマリン樹
脂、メラミンホルマリン樹脂、植物ガム、ポリビニール
アルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、ポ
リアミド樹脂、親水性架橋ポリマー粒子分散物等および
これらの誘導体あるいは変成物などやコロイダルシリ
カ、ベントナイト等の化合物の内の1種あるいは2種以
上が適宜組み合わされて使用される。
【0024】なお、染料、pH調節剤、消泡剤、ピッチ
コントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内
添助剤を目的に応じて適宜添加することも可能である。
【0025】本発明の抄紙方法については、抄紙pHが
6.5〜9.0付近である中性抄紙が好ましいが、抄紙
機は長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーシ
ョン抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機等を適宜使用
できる。
【0026】
【作用】本発明で規定したように、中性ロジンサイズ剤
は、従来から使用されている中性サイズ剤であるアルキ
ルケテンダイマーやアルケニルコハク酸無水物等に比較
して、直接染料を配合した水性インクの浸透性の制御領
域が広い。さらに、コッブサイズ度を規定したシートに
対してサイズプレス液の吸液係数を上げて行くことを組
み合わせると、サイズプレス工程での吸液量増加により
サイズプレス液によるパルプ繊維、および填料に対する
被覆性が向上する。特に高分子量のポリアクリルアミド
系樹脂水溶液を用いた場合には、被覆性の向上が顕著
で、インクの縦方向の適度な浸透と、横方向の拡散が防
げるため、結果として印字濃度を低下させる事無く、ブ
ロンズ化現象の原因とされているインクの結晶化を抑制
するものと推定される。さらには、アルカリ性塩の添加
量と冷水抽出pHを規定することによって、インクジェ
ット記録方式において、印字の際の色調の変化を防止で
きるものである。
【0027】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明はこれに限定されるものではない。以
下における部、%はすべて重量によるものである。
【0028】実施例1 1.原紙配合; LBKP(ろ水度 350ml、c.s.f) 70部 NBKP(ろ水度 400ml、c.s.f) 30部 炭酸カルシウム(奥多摩工業社製 TP−121) 10部 中性ロジンサイズ剤(ハリマ化成製、NeuSize 770) 0.7部 硫酸バンド 1部 両性澱粉(王子ナショナル社製 Cato3210) 1部 炭酸ナトリウム 0.4部 歩留り向上剤(ハイモ社製 NR−11LS) 0.02部 上記配合のスラリーを抄幅1,300mm、抄紙速度1
50m/min.の長網抄紙機により64g/m2 の原
紙の抄造を行ない、この原紙に以下の配合とガラス棒を
用いて、吸液係数が0.63となるようにサイズプレス
処理を行った。次に、これを乾燥し20℃・65%RH
の恒温恒湿の部屋に一昼夜放置した後、コッブサイズ度
と抽出pHを測定したところ各々13.1g/m2
7.5であった。こうしてインクジェット記録用紙と電
子写真用転写紙に共用できる転写用シートを得た。 2.サイズプレス液配合; ホ゜リアクリルアミト゛ 系樹脂水溶液 (分子量300万) 1部 塩化ナトリウム 0.05部スチレン -アクリル酸系表面サイズ剤(荒川化学社製、ホ゜リマロン1308S) 0.30部 水酸化ナトリウム 0.05部 水 98.6部
【0029】吸液係数(K)の測定は、テーブルにてサ
イズプレス処理を行うに際し、サイズプレス処理前と直
後のシート重量を測定することにより、以下の式1によ
り算出した。
【0030】
【式1】K=(W2−W1)/W1 但し、ここでW1はサイズプレス処理前の転写用シート
原紙の重量(g)、W2はサイズプレス処理直後の転写
用シートの重量(g)である。
【0031】又、上記インクジェット記録用紙、および
電子写真用転写紙に共用できる転写用シートの代表特性
として、コッブサイズ度はJIS P−8140に準じ
て測定されるが、水との接触時間は10秒とした。又、
冷水抽出pHはJIS P−8133に準じて測定し
た。
【0032】インクジェット適性の評価は、上記のイン
クジェット記録用紙および電子写真用転写紙に共用でき
る転写用シートをA4判にカットし、20℃、65%R
Hの条件の恒温恒湿室にて24時間以上調湿を行なった
後、キヤノン製インクジェットプリンターであるBJ−
10Vを用いて以下の方法にて行なった。 1.ベタ濃度 A4判の紙の上下2箇所、左右3箇所に印字したベタ印
刷部をマクベス反射型濃度計(Macbeth社製、R
D−918)にて12点の測定を行ない、この平均値を
ベタ濃度とした。 2.フェザリング A4判の紙に横罫線のパターン、およびアルファベット
文字を印字し、目視にて線の太りを5段階で評価した。
フェザリングの判定は、5段階評価とし、5・・良い、
1・・悪い、の順で記入した。 3.ブロンズ 1.の項にて印字したベタ部分の色差値(L、a、b)
を色彩色差計(ミノルタ社製、CR−100)を用いて
測定し、a値の平均値で評価した。
【0033】上記インクジェット記録用紙、電子写真用
転写紙として共用できる転写用シートの電子写真適性は
シャープ社製の電子写真式複写機(SF−9400)を
用いてA4判縦目のサンプルで以下の方法にて評価を行
なった。 1.トナー定着性 上記複写機にて複写した光学濃度が約1.4の画像部
に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ(ニチバン社
製、セロテープ)を300g/cmの線圧で貼り付け、
1cm/sec.の速度で剥離した際の、剥離前の画像
濃度に対する剥離後の画像濃度の比(以下、OD比と略
す)を指標として評価した。OD比=剥離後の画像濃度
/剥離前の画像濃度電子写真用転写紙としては、OD比
で0.7以上のトナー定着性が必要とされている。な
お、画像濃度の測定にはマクベス反射型濃度計(Mac
beth社製、RD−918)を使用した。 2.カール A4判の紙をCD方向に通紙して片面複写をした後、カ
ール面を上にして平らな台の上に置き、四隅の中で台の
面より最も高い値を測定した。 3.走行性(重送) A4判の紙を抄紙と直角方向(CD方向)に2,500
枚片面通紙した時の、重送の発生枚数で評価した。
【0034】実施例2 実施例1で吸液係数が0.78となるようにサイズプレ
ス処理を行った以外は同様にしてサンプルを調整し、実
施例2とした。
【0035】実施例3 実施例1でLBKPの濾水度を400ml(csf)、
NBKPの濾水度を450ml(csf)とした以外は
同様にしてサンプルを調整し、実施例3とした。
【0036】実施例4 実施例1で原紙の中性ロジンサイズ剤を1.0部とした
以外は同様にしてサンプルを調整し、実施例4とした。
【0037】実施例5 実施例1でポリアクリルアミド系樹脂水溶液の分子量を
100万とした以外は同様にしてサンプルを調整し、実
施例5とした。
【0038】実施例6 実施例1でポリアクリルアミド系樹脂水溶液の分子量を
500万とした以外は同様にしてサンプルを調整し、実
施例6とした。
【0039】実施例7 実施例1でサイズプレス液配合の水酸化ナトリウムを
0.01部添加し、水を98.64部とした以外は同様
にしてサンプルを調整し、実施例7とした。
【0040】実施例8 実施例1でサイズプレス液配合の水酸化ナトリウムを
0.15部添加し、水を98.50部とした以外は同様
にしてサンプルを調整し、実施例8とした。
【0041】比較例1 実施例1で原紙の中性ロジンサイズ剤を1.5部とした
以外は同様にしてサンプルを調整し、比較例1とした。
【0042】比較例2 実施例1で原紙の中性ロジンサイズ剤を1.2部とした
以外は同様にしてサンプルを調整し、比較例2とした。
【0043】比較例3 実施例1で原紙の中性ロジンサイズ剤を0.5部とした
以外は同様にしてサンプルを調整し、比較例3とした。
【0044】比較例4 実施例1で原紙の中性ロジンサイズ剤を添加せず、代わ
りにアルキルケテンダイマーを0.10部とした以外は
同様にしてサンプルを調整し、比較例4とした。
【0045】比較例5 実施例1でサイズプレス液配合の水酸化ナトリウムを添
加せず、水を98.65部とした以外は同様にしてサン
プルを調整し、比較例5とした。
【0046】比較例6 実施例1でサイズプレス液配合の水酸化ナトリウムを
0.20部添加し、水を98.45部とした以外は同様
にしてサンプルを調整し、比較例6とした。
【0047】比較例7 実施例1で原紙のインドネシアクレ−を添加せす、炭酸
カルシウムを10部とした以外は同様にしてサンプルを
調整し、比較例7とした。
【0048】比較例8 実施例1でサイズプレス液のポリアクリルアミド系樹脂
水溶液を添加せず、代わりに酸化澱粉(日本食品加工社
製、MS−3800)を5部添加した以外は同様にして
サンプルを調整し、比較例8とした。
【0049】比較例9 実施例1でポリアクリルアミド系樹脂水溶液の分子量を
35万とした以外は同様にしてサンプルを調整し、比較
例9とした。
【0050】これらの得られたサンプルを実施例1と同
様に評価し、結果を表1および2にまとめて示した。判
定は、総合評価として◎・○は合格とし、△・×は不合
格とした。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】表1及び2からも明らかな様に、本発明
により、内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤とアル
ミニウム多価金属化合物をを用い、サイズプレスで特定
の量以上のサイズプレス液の吸液量を持たせ、かつ特定
のコッブサイズ度・アルカリ性塩の配合量及び抽出pH
を規定することにより、ベタ印字濃度が高く、ブロンズ
化現象の少ないインクジェット記録用紙、および電子写
真用転写紙として共用できる保存性に優れた転写用シー
トを製造する事が可能になる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内添サイズ剤として中性ロジンサイズ剤
    を含有し、サイズ定着剤としてのアルミニウム多価金属
    化合物を添加し、表面サイズ剤として少なくとも分子量
    100万以上のポリアクリルアミド系樹脂水溶液とアル
    カリ性塩を0.01〜0.15部配合したサイズプレス
    液を用い、シート坪量に対するサイズプレス液の吸液量
    の比(以下、吸液係数と表示)が0.47以上、かつコ
    ッブサイズ度が13±3g/m2 である転写用シートで
    あって、該転写用シートの冷水抽出pHが6.0〜9.
    0であることを特徴とする転写用シート。
JP6012734A 1994-02-04 1994-02-04 転写用シート Pending JPH07214894A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014123045A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Nippon Paper Industries Co Ltd 電子写真用転写紙および画像形成方法
JP2014186145A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Nippon Paper Industries Co Ltd 電子写真用転写紙およびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014123045A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Nippon Paper Industries Co Ltd 電子写真用転写紙および画像形成方法
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