JP2000063337A - アルデヒド化合物とその製造方法 - Google Patents

アルデヒド化合物とその製造方法

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Masaomi Sasaki
正臣 佐々木
Kazukiyo Nagai
一清 永井
Shinichi Kawamura
慎一 河村
Koukoku Ri
洪国 李
Susumu Suzuka
進 鈴鹿
Katsuhiro Morooka
勝宏 諸岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電荷輸送材料のための合成原料として有
用な新規なアルデヒド化合物の提供。 【解決手段】 下記式(1) 【化1】 (式中、Ar1、Ar2、Ar4、Ar5は置換もしくは無
置換のアリレン基を表し、それぞれ同一でも異なってい
てもよい。Ar3、Ar6は置換もしくは無置換のアリー
ル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。X
は−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、
−CH2CH2−、C4〜C12の直鎖状または分岐状、環
状のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリレン基を
表す。)で表わされるアルデヒド化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体な
どに用いられる高分子型電荷輸送材料用モノマーの原料
として有用な新規アルデヒド化合物とその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式において使用される
感光体の有機光導電性素材としては、例えば、ポリ−N
−ビニルカルバゾール、トリフェニルアミン化合物(米
国特許第3,180,730)、ベンジジン化合物(米
国特許第3,265,496、特公昭39−11546
号公報、特開昭53−27033号公報)、スチルベン
化合物(特開昭58−198425、58−19804
3、58−189145、58−190953号公報)
等のような数多くの提案がなされている。
【0003】ここにいう「電子写真方式」とは、一般に
光導電性の感光体を先ず暗所で例えば放電などにより帯
電せしめ、次いで画像状露光を行なって露光部の電荷を
選択的に放電させることにより静電潜像を得、さらにこ
の潜像部をトナーなどを用いた現像手段で可視化して画
像を形成するようにした画像形成法の一つである。この
ような電子写真方式における感光体に要求される基本的
な特性としては、 1)暗所において適当な電位に帯電されること 2)暗所における電荷の放電が少ないこと 3)光照射により速やかに電荷を放電することなどが挙
げられる。
【0004】しかしながら、従来の光導電性有機材料
は、これらの要求を必ずしも満足していないのが実状で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基本
的な電子写真特性をすべて満足する高分子型電荷輸送材
料用モノマーを製造するための原料として有用な新規な
アルデヒド化合物とその製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式(1)、(2)および(3)で表されるアルデヒド
化合物とその製造方法が提供される。
【0007】
【化10】
【0008】(上式中、Ar1、Ar2、Ar4、Ar5
置換もしくは無置換のアリレン基を表し、それぞれ同一
でも異なっていてもよい。Ar3、Ar6は置換もしくは
無置換のアリール基を表し、それぞれ同一でも異なって
いてもよい。R1、R2、R3、R4、R5、R6は水素原
子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無
置換のアルコキシ基を表し、それぞれ同一でも異なって
いてもよい。Xは−O−、−S−、−SO−、−SO2
−、−CO−、−CH2CH2−、C4〜C12の直鎖状ま
たは分岐状、環状のアルキレン基、置換もしくは無置換
のアリレン基を表す。) 前記一般式(1)、(2)、(3)において、R1及び
2、R3、R4、R5、R6のアルキル基としてはメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの低級アルキ
ル基が、またアルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基などの低級アルコキシ基が挙げら
れる。更にアルキル基における置換基としては、フェニ
ル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基
などが挙げられる。
【0009】本発明に係る前記一般式(1)で示される
アルデヒド化合物は、新規物質であり、前記一般式
(4)で表されるジアミン化合物とヴィルスマイヤー試
薬を反応させてインモニウム塩中間体を生成させた後に
加水分解することにより製造される。
【0010】この場合、使用するヴィルスマイヤー試薬
は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メ
チルホルムアニリド(MFA)などのアミド類と塩化ホ
スホリル、臭化ホスホリル、塩化オキサリル、ホスゲ
ン、塩化チオニル、トリフェニルホスフィン−臭素、ヘ
キサクロロトリホスファザトリエンなどの酸ハライド類
を当モル反応させる公知の方法により得ることができ
る。また、一般式(4)のジアミン化合物に対してヴィ
ルスマイヤー試薬の使用量は理論量用いればよいが、望
ましくは、2倍モル当量以上が用いられる。
【0011】本発明方法は、あらかじめ調整したヴィル
スマイヤー試薬と一般式(4)のジアミン化合物を適当
な溶媒中で反応させる方法、又は一般式(4)のジアミ
ン化合物と前記のアミド類の溶液中に酸ハライド類を滴
下してヴィルスマイヤー試薬を生成させながら反応させ
る方法のいずれかが用いられる。
【0012】反応溶媒には、ベンゼンなどの不活性な芳
香族炭化水素やクロロホルム、ジクロロエタン、o−ジ
クロロベンゼンなどの他に前記のアミド類をそのまま溶
媒として用いることもできる。
【0013】反応温度は、一般に0〜150℃であるが
特に20〜80℃の間で反応が好適である。
【0014】一般式(4)のジアミン化合物とヴィルス
マイヤー試薬により生成したインモニウム塩は水または
アルカリ水溶液で加水分解されて、本発明の式(1)で
表されるアルデヒド化合物に誘導される。アルカリ水溶
液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム
水溶液、酢酸ナトリウム水溶液、酢酸カリウム水溶液な
どが用いられる。
【0015】このようにして得られる本発明の前記式1
で表されるアルデヒド化合物のとくに好ましいものを以
下の表1に例示する。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により詳細
に説明する。
【0018】実施例1 窒素気流下、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
100mlにオキシ塩化リン77.28g(504.0
mmol)を氷冷下3〜6℃で20分かけて滴下し、ヴ
ィルスマイヤー試薬を生成させた。これに下記式(7)
【0019】
【化11】
【0020】で表されるジアミン化合物54.67g
(105.0mmol)をDMF300mlを用いて溶
液とし、6℃で30分かけて滴下した。撹拌しながら3
0分かけて室温に戻し、更に86℃で3時間撹拌した。
次に反応液を室温まで放冷した後、氷水2000mlに
注ぎ、20%水酸化ナトリウム水溶液を加えアルカリ性
として、室温で2時間撹拌を行った。こうして生成した
黄色沈殿物を酢酸エチルを用いて抽出し、さらに抽出し
た有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥を行っ
た。この酢酸エチル溶液を減圧下留去して黄黒色油状物
を得た。これをシリカゲルカラムクロマト処理(溶離
液;トルエン/酢酸エチル=20/1vol)を行い、
例示化合物No.13の黄色結晶47.16g(収率7
7.9%)を得た。融点は155.5−157.5℃、
元素分析値はC382822Sとして下記の通りであっ
た。
【0021】 また、赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図1に示
す。
【0022】実施例2〜3 実施例1において上記式(7)で表されるジアミン化合
物の代わりに下記表2に示す原料を用いるほかは、実施
例1と同様に操作して本発明のアルデヒド化合物を得
た。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るアル
デヒド化合物は新規物質であり、電荷輸送材料の原料と
して有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で合成されたアルデヒド化合物のIR
スペクトル。
【図2】実施例2で合成されたアルデヒド化合物のIR
スペクトル。
【図3】実施例3で合成されたアルデヒド化合物のIR
スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 323/35 C07C 323/35 G03G 5/06 312 G03G 5/06 312 (72)発明者 佐々木 正臣 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 永井 一清 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 河村 慎一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 李 洪国 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 鈴鹿 進 神奈川県川崎市幸区堀川町66番2 保土谷 化学工業株式会社内 (72)発明者 諸岡 勝宏 神奈川県川崎市幸区堀川町66番2 保土谷 化学工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、Ar1、Ar2、Ar4、Ar5は置換もしくは無
    置換のアリレン基を表し、それぞれ同一でも異なってい
    てもよい。Ar3、Ar6は置換もしくは無置換のアリー
    ル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。X
    は−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、
    −CH2CH2−、C4〜C12の直鎖状または分岐状、環
    状のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリレン基を
    表す。)で表わされるアルデヒド化合物。
  2. 【請求項2】 下記式(2) 【化2】 (式中、Ar3、Ar6は置換もしくは無置換のアリール
    基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
    1、R2、R3、R4は水素原子、置換もしくは無置換の
    アルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基を表
    し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Xは−O
    −、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CH2
    CH2−、C4〜C12の直鎖状または分岐状、環状のアル
    キレン基、置換もしくは無置換のアリレン基を表す。)
    で表わされるアルデヒド化合物。
  3. 【請求項3】 下記式(3) 【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は水素原子、置
    換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の
    アルコキシル基を表し、それぞれ同一でも異なっていて
    もよい。Xは−O−、−S−、−SO−、−SO2−、
    −CO−、−CH2CH2−、C4〜C12の直鎖状または
    分岐状、環状のアルキレン基、置換もしくは無置換のア
    リレン基を表す。)で表わされるアルデヒド化合物。
  4. 【請求項4】 下記式(4) 【化4】 (式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6
    Xは請求項1の定義と同一である。)で表わされるジア
    ミン化合物をホルミル化することを特徴とする下記式
    (1) 【化5】 (式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6
    Xは請求項1の定義と同一である。)で表わされるアル
    デヒド化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 下記式(5) 【化6】 (式中、Ar3、Ar6、R1、R2、R3、R4、Xは請求
    項2の定義と同一である。)で表わされるジアミン化合
    物をホルミル化することを特徴とする下記式(2) 【化7】 (式中、Ar3、Ar6、R1、R2、R3、R4、Xは請求
    項2の定義と同一である。)で表わされるアルデヒド化
    合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 下記式(6) 【化8】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、Xは請求項3
    の定義と同一である。)で表わされるジアミン化合物を
    ホルミル化することを特徴とする下記式(3) 【化9】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、Xは請求項3
    の定義と同一である。)で表わされるアルデヒド化合物
    の製造方法。
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