JP2000055020A - パネル状部品の固定用クリップ - Google Patents

パネル状部品の固定用クリップ

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JP2000055020A
JP2000055020A JP10227144A JP22714498A JP2000055020A JP 2000055020 A JP2000055020 A JP 2000055020A JP 10227144 A JP10227144 A JP 10227144A JP 22714498 A JP22714498 A JP 22714498A JP 2000055020 A JP2000055020 A JP 2000055020A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クリップを部品の長孔に仮止め固定して車体
パネル等の孔に挿入する際の位置合わせを容易にした固
定用クリップを提供する。 【構成】 第1パネル状部品の長孔に挿入可能で、回転
させることにより係止される第1フランジ部50と、首
部12を介して第1フランジ部50と平行に連結され、
第1フランジ部50との間に第1パネル状部品を挟持す
る第2フランジ部60と、第2フランジ部60の下面に
取付けられ、第1パネル状部品の孔に挿入されて係止さ
れる足部70とを有している。第1フランジ部50の下
面の対向する部分に、第1パネル状部品の長孔の対向す
る長辺の外側にそれぞれ形成されたストッパ突部に係合
する溝52が形成されている。また、第2フランジ部6
0の上面には、第1フランジ部50を長孔に対してほぼ
直交する角度に回転させたとき、長孔の内周に嵌入する
突部61が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用部
品を車体パネルに固定する場合などに好適なパネル状部
品の固定用クリップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内・外装材などの自動車部品
をクリップを介して固定するにあっては、クリップを予
め自動車部品側に仮止め固定した状態で、組立ライン上
を流れる車体パネルに対してそれぞれ部品を位置決め
し、押し付けることでワンタッチで固定できる構造が採
用されている。
【0003】図16、17には、このような従来のクリ
ップの一例が示されている。このクリップ10は、第1
パネル状部品(例えば自動車部品)20と、第2パネル
状部品(例えば車体パネル)30とを連結するもので、
第1パネル状部品20には、楕円形、長方形等の長孔2
1が形成されており、第2パネル状部品30には、正方
形、円形等の孔31が形成されている。
【0004】クリップ10は、頭部をなす第1フランジ
部11と、第1フランジ部11の下面中心から突出する
首部12と、この首部12を介して第1フランジ部11
と平行に取付けられた第2フランジ部13と、この第2
フランジ部13の下面中心から突出する足部14とで構
成されている。
【0005】第1フランジ部11は、全体として小判形
状をなし、第1パネル状部品20の長孔21と平行にし
て長孔21に下方から挿入でき、その状態で90°回動
させると長孔21に対して抜け止めされる形状をなして
いる。また、第1フランジ部11の上面中央には、ドラ
イバー挿入溝11aが形成されている。
【0006】第2フランジ部13は、長孔21を完全に
覆うような円形をなし、長孔21の下面に当接する。
【0007】足部14は、軸部15と、軸部15の下端
から左右上方に伸びる一対の弾性片部16とを有してい
る。弾性片部16は、第2パネル状部品30の孔31に
挿入されるときには、内側に撓んで縮径し、挿入が完了
すると外側に開いて、その先端の段部16aが孔31の
内周に係合するようになっている。
【0008】したがって、このクリップ10の使用に際
しては、まず、第1フランジ部11を第1パネル状部品
20の長孔21に下方から挿入して90°回転させるこ
とにより、第1フランジ部11と第2フランジ部13と
で長孔21の周辺を挟持させて、クリップ10を第1パ
ネル状部品20に仮止め固定する。
【0009】この状態で、足部14を、必要に応じてパ
ッキン32に通し、第2パネル状部品30の孔31に押
し込む。その結果、足14の弾性片部16が内側に撓ん
で縮径し、挿入が完了すると外側に開いて、その先端の
段部16aが孔31の内周に係合して抜け止めがなされ
る。こうして、第1パネル状部品20を第2パネル状部
品30に固定することができる。なお、パッキン32
は、必ずしも必要なものではないが、防水性を付与した
り、第2パネル状部品30の厚さ調整のために用いられ
る。
【0010】しかし、上記のような構造では、クリップ
10が長孔21に対して回転して外れたりすることがあ
り、特にクリップ10を第1パネル状部品20の長孔2
1に仮止め固定している間に外れやすいという問題点が
あった。
【0011】このような問題を解決するため、例えば、
実開平6−14085号や、実開平5−96524号に
は、クリップを長孔に対して回転させたとき、ほぼ90
°回転させた位置で長孔の内周に当接して回り止めされ
る構造を設けたものが開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開平
6−14085号や、実開平5−96524号に開示さ
れたクリップにおいても、クリップを部品の長孔に取付
けた状態で、クリップが長孔の長辺方向に沿って移動す
ることがあるため、例えばクリップを部品の長孔に仮止
めした状態で車体パネルの孔に挿入しようとするとき
に、クリップの位置がずれて挿入しにくくなるという問
題点があった。
【0013】したがって、本発明の目的は、クリップを
部品の長孔に取付けたとき、クリップが回り止めされて
外れることがなく、しかも長孔の長辺方向に移動するこ
ともなく、車体パネル等の孔に挿入する際の位置合わせ
が容易となるようにしたパネル状部品の固定用クリップ
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明の第1は、第1パネル状部品の長孔に
係止された状態で、第2パネル状部品の孔に挿入、係止
されることにより、第1パネル状部品と第2パネル状部
品とを連結するパネル状部品の固定用クリップにおい
て、前記第1パネル状部品の前記長孔の長さよりも短
く、前記長孔の幅よりも長い長径と、前記長孔の幅より
も短い短径とを有する第1フランジ部と、この第1フラ
ンジ部の中心から伸びる首部を介して、前記第1パネル
状部品の厚さに適合する距離をおいて連結された、前記
第1パネル状部品の前記長孔を通り抜けることができな
い外径を有する第2フランジ部と、前記第1フランジ部
又は前記第2フランジ部のほぼ中央から突出し、前記第
2パネル状部品の前記孔に挿入、係止される足部とを備
え、前記第1パネル状部品の前記長孔の長辺の外側に
は、対向する一対のストッパ突部が形成されており、前
記第1フランジ部の前記第1パネル状部品に当接する面
には、前記ストッパ突部を受け入れる、周方向に対向す
る一対の溝が形成され、前記第1フランジ部が前記長孔
に対してほぼ直交する角度となったときに、前記ストッ
パ突部が前記溝の内壁に係合して回り止めされるように
構成されており、かつ、前記第1フランジ部の前記溝の
内壁及び/又は前記首部外周に、前記長孔の幅方向に対
する移動を規制しつつ回転をガイドするガイド面が形成
されていることを特徴とする。
【0015】上記第1発明によれば、クリップの第1フ
ランジ部を第1パネル状部品の長孔と平行にして該長孔
に挿入し、その状態でクリップを長孔に対して所定方向
に回転させると、第1パネル状部品に設けたストッパ突
部が第1フランジ部の溝に挿入されて溝の内壁に係合
し、第1フランジ部が長孔に対してほぼ直交する角度と
なった状態で回り止めされる。
【0016】この場合、ストッパ突部は、長孔の長辺の
外側に対向して一対設けられているので、第1フランジ
部は、回り止めされるだけでなく、長孔の長辺方向への
移動も阻止され、仮止めされた状態で位置ずれを起こす
ことがなくなり、第2パネル状部品の孔へ挿入する際の
位置合わせが容易となる。
【0017】また、溝の内壁及び/又は首部外周に形成
されたガイド面によって、クリップを回動させるときに
クリップが長孔の幅方向にガタ付くことが規制されるの
で、ストッパ突部を第1フランジ部の溝に導入しやすく
なり、仮止め状態でクリップが長孔の幅方向に移動する
ことも防止される。
【0018】本発明の第2は、第1パネル状部品の長孔
に係止された状態で、第2パネル状部品の孔に挿入、係
止されることにより、第1パネル状部品と第2パネル状
部品とを連結するパネル状部品の固定用クリップにおい
て、前記第1パネル状部品の前記長孔の長さよりも短
く、前記長孔の幅よりも長い長径と、前記長孔の幅より
も短い短径とを有する第1フランジ部と、この第1フラ
ンジ部の中心から伸びる首部を介して、前記第1パネル
状部品の厚さに適合する距離をおいて連結された、前記
第1パネル状部品の前記長孔を通り抜けることができな
い外径を有する第2フランジ部と、前記第1フランジ部
又は前記第2フランジ部のほぼ中央から突出し、前記第
2パネル状部品の前記孔に挿入、係止される足部とを備
え、前記第2フランジ部の前記第1パネル状部品に当接
する面には、前記第1フランジ部が前記長孔とほぼ平行
なときには前記第1パネル状部品に圧接され、前記第1
フランジ部が前記長孔とほぼ直交する角度となったとき
に前記長孔の長手方向両端部内周に嵌入する少なくとも
一対の突部が形成されていることを特徴とする。
【0019】上記第2発明によれば、第1フランジ部が
前記長孔とほぼ直交する角度となったときに、第2フラ
ンジ部の突部が前記長孔の長手方向両端部内周に嵌入し
て、クリップが逆方向に戻り回転したり、長孔の長辺方
向に移動したりするのを防止し、クリップが第1パネル
状部品から外れることを防止できる。
【0020】本発明の第3は、前記第1又は第2の発明
において、前記第1フランジ部は、その短径方向に沿っ
た断面形状において、少なくとも回転方向側が前記第1
パネル状部品から離れるようにテーパ状に肉薄とされて
いる。
【0021】上記第3発明によれば、クリップの第1フ
ランジ部を第1パネル状部品の長孔と平行にして該長孔
に挿入し、その状態でクリップを長孔に対して所定方向
に回転させるとき、第1パネル状部品の長孔の開口縁部
や、第1発明の場合においてはストッパ突部が、第1フ
ランジ部の周縁に引っ掛かることなく、第1フランジ部
の下面にスムーズに導入される。
【0022】なお、前記溝の内壁に形成されたガイド面
は、前記第1パネル状部品に形成されたストッパ突部の
間隔にほぼ適合する距離をもって形成された断面円弧状
の対向壁部からなり、前記首部外周に形成されたガイド
面は、前記第1パネル状部品に形成された長孔の長辺内
周に適合する外径をもって形成された断面円弧状の対向
壁部からなることが好ましく、それによってクリップの
回動をガタ付きなくスムーズに行わせることができ、第
1パネル状部品のストッパ突部を第1フランジ部の溝に
確実に挿入し、係合させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1〜9には、本発明によるパネ
ル状部品の固定用クリップの一実施形態が示されてい
る。図1は平面図、図2は正面図、図3は側面図、図4
は底面図、図5は図2のV−V線に沿った断面図、図6
は斜視図、図7は第1フランジ部を裏面側から見た部分
斜視図、図8は第1フランジ部を第1パネル状部品の長
孔に挿入し、回転させてストッパ突部に係合させるとき
の状態を示す説明図、図9はこのクリップを用いてパネ
ル状部品を連結した状態を示す断面図である。
【0024】このクリップ40は、第1フランジ部50
と、この第1フランジ部50の下面中央から伸びる首部
12を介して、第1フランジ部50と平行に設けられた
第2フランジ部60と、この第2フランジ部60の下面
中央から伸びる足部70とで構成されている。
【0025】第1フランジ部50は、その上面中央にド
ライバー挿入溝51を有し、前記第1パネル状部品20
の長孔21に挿入でき、しかも長孔21に挿入した後に
回転させることによって、長孔21に係合できる形状を
なしている。すなわち、この実施形態では、長孔21の
長さよりも短く、長孔21の幅よりも長い長径と、長孔
21の幅よりも短い短径とを有する小判形をなしてい
る。
【0026】なお、第1パネル状部品20は、その長孔
21の対向する長辺の外側にそれぞれストッパ突部22
が形成されている。この実施形態の場合、ストッパ突部
22は、長孔21の幅方向を2分する中心線に対して左
右に対称的にずれているが、後述するように、それぞれ
が中心線上に配置されていてもよい。
【0027】特に図7に示すように、第1フランジ部5
0の裏面には、第1フランジ部50を長孔21に挿入し
て所定方向、この実施形態では図1中の矢印A方向に回
転させたとき、上記ストッパ突部22が挿入される一対
の溝52を有している。溝52は、第1フランジ部50
を回転させたとき、ストッパ突部22が通る経路に沿っ
て円弧状に形成されたガイド面52aと、このガイド面
52aの奥方において上記ストッパ突部22と係合する
ように半径方向に形成されたストッパ壁52bとを有し
ている。
【0028】対向する溝52のガイド面52aどうしの
距離B(図1参照)は、対向するストッパ突部22の距
離C(図8参照)よりもわずかに小さくされ、ストッパ
突部22がガイド面52aの外周に沿ってほぼ摺接しな
がら溝52に導入されるようになっている。なお、ガイ
ド面52aは、この実施形態では、円弧状をなしている
が、ガイド面52aの始端部(溝52の開口部)から終
端部(ストッパ壁52bにぶつかる部分)を直線状に結
んだ形状であってもよい。
【0029】また、第1フランジ部50は、特に図2に
示すように、幅方向の断面において中心部が最も厚く、
両側に向かうほど第2フランジ部60から離れるように
薄く形成されている。この場合、特に重要なのは、溝5
2が形成された方向(回転方向)を次第に肉薄にしたこ
とにあり、それによって第1パネル状部品20のストッ
パ突部22が溝52に導入されやすくしている。
【0030】第1フランジ部50の下面中心に連接され
た首部12は、特に図1及び図8に示すように、クリッ
プ40を回転させる際に、長孔21の内周面に摺接する
ような一対の円弧状のガイド面12aを有している。こ
れらのガイド面12aの端部は直線状をなしており、ク
リップ40の第1フランジ部50を長孔21に対してほ
ぼ直交する角度まで回転させた図8(c)に示す状態
で、それ以上は回動できないストッパ作用を与えてい
る。
【0031】第1フランジ部50の溝52のガイド面5
2aと、首部12のガイド面12aは、いずれも長孔2
1に対してクリップ40を回動させるときのガタ付きを
なくして回動をスムーズにさせ、ストッパ突部22が溝
52に確実に導入されるようにするものであるが、これ
らはいずれか一方だけ設けてもよい。
【0032】第2フランジ部60は、首部12を介して
第1フランジ部50と平行に連結されており、第1パネ
ル状部品20の長孔21全体を下面から覆う大きさの円
形をなしている。そして、第1フランジ部50の長手方
向と直交する方向に位置する外周部上面に、対向する一
対の突部61を有している。対向する突部61の外側面
どうしの距離D(図1参照)は、長孔21の長手方向の
内径よりもやや小さくされ、図8(c)に示すように、
第1フランジ部50が長孔21に対してほぼ直交する角
度となったとき、長孔21の長手方向の端部内周に嵌入
するようになっている。
【0033】足部70は、上記第2フランジ部60の下
面中心から下方に延出された軸部71と、この軸部71
の下端から第2フランジ部60の下面周縁に向けて錨形
状に延出された一対の弾性片部72で構成されている。
軸部71の基部には、第2パネル状部品30の孔31の
内周に挿入可能でかつ孔31内での回転も許容する外径
のリブ73が形成されている。一対の弾性片部72は、
図5に示すように、外側面の両側72aが面取りされた
台形状の断面を有し、その先端には第2パネル状部品3
0の孔31の開口縁に係合する段部74が形成されてい
る。
【0034】次に、このクリップ40の作用について説
明する。まず、図8(a)に示すように、第1フランジ
部50を第1パネル状部品20の下面側からその長孔2
1内に挿入する。このとき、第2フランジ部60の突部
61は、第1パネル状部品20の下面に当接している。
【0035】この状態で、図8(b)に示すように、ク
リップ40の足部70を把持して矢印A方向に回転す
る。このとき、軸部12のガイド面12aが長孔21の
長辺内周に摺接し、回転中にクリップ40がガタ付かな
いようにガイドする。また、長孔21の長辺の外側に形
成されたストッパ突部22が、溝52のガイド面52a
にガイドされて、溝52内に導入される。
【0036】また、上記第2フランジ部60の突部61
が第1パネル状部品20の下面に当接しているので、第
1フランジ部50は、第1パネル状部品20の上面に引
き寄せられる。しかし、第1フランジ部50が図2に示
したように、幅方向の断面において中心部が厚く両側に
向かうほど肉薄に形成されているので、ストッパ突部2
2が第1フランジ部50の下面に入りやすくなってい
る。
【0037】クリップ40を更に回転させると、図8
(c)に示すように、ストッパ突部22が溝52の奥方
に位置するストッパ壁52bに係合し、第1フランジ部
50が長孔21に対してほぼ直交した角度で停止する。
また、第2フランジ部60の突部61が長孔21の長手
方向の両端部内周に嵌入して、クリップ40が逆方向に
戻り回転したり、長孔21の長辺方向に移動したりする
のを防止し、クリップ40が第1パネル状部品20から
外れることが防止される。
【0038】なお、クリップ40を回転させたとき、ス
トッパ突部22のいずれか一方のみが溝52に導入され
たとしても、該ストッパ突部22が該溝52の奥方のス
トッパ壁52に当接すると、第1フランジ部50の他方
の端部が引き寄せられて、他方のストッパ突部22も他
方の溝52に導入される。したがって、第1フランジ部
50は、簡単な操作で常に長孔21の所定箇所、この実
施形態では長孔21の中央に位置決めされて固定され
る。
【0039】こうしてクリップ40が回転停止すると、
第1フランジ部50が第1パネル状部材20の上面に係
合し、第2フランジ部60が第1パネル状部材20の下
面に係合するので、クリップ40は第1パネル状部材2
0に仮止め固定される。
【0040】この状態で、図9に示すように、足部70
を、必要に応じてパッキン32に通し、第2パネル状部
品30の孔31に押し込む。その結果、足70の弾性片
部72が内側に撓んで縮径し、挿入が完了すると外側に
開いて、その先端の段部74が孔31の内周に係合して
抜け止めがなされる。こうして、第1パネル状部品20
を第2パネル状部品30に固定することができる。この
ように、クリップ40を第1パネル状部品20に仮止め
固定しておくことにより、クリップ40の足部を第2パ
ネル状部品30の孔31に押し込むだけで第1パネル状
部品20の取付けが完了し、製造ライン上の作業性が向
上する。
【0041】なお、上記実施形態において、第1フラン
ジ部50と第2フランジ部60の位置は逆転していても
よい。すなわち、第2フランジ部60を頭部に形成し、
第1フランジ部50を下部に形成して、足部70を第1
フランジ部50の下面中央に取付けてもよい。この場合
には、第1パネル状部品20のストッパ突部22は、第
1パネル状部品20の下面に形成し、第2フランジ部6
0の突部61は、第2フランジ部60の下面に形成する
必要がある。
【0042】図10は、本発明によるパネル状部品の固
定用クリップの他の実施形態を示す首部のところで切っ
て上方を見た断面図である。なお、前記実施形態と実質
的に同一部分には同符号を付してその説明を省略又は簡
略化する(以下の実施形態においても同様)。
【0043】この実施形態では、第1フランジ部50の
溝52が、幅方向を2分する中心線に対して片側全体に
形成され、溝52内壁のガイド面は省略されている。し
かし首部12に設けたガイド面12aが、第1パネル状
部品20の長孔21の長辺に当接して回転がガイドされ
るので、ストッパ突部22を溝52に導入させてそのス
トッパ壁52bに係合させることができる。
【0044】図11は、本発明によるパネル状部品の固
定用クリップの更に他の実施形態を示す首部のところで
切って上方を見た断面図である。
【0045】この実施形態では、第1パネル状部品20
のストッパ突部22が、長孔21の中心線上に位置し、
その代わりに溝52のストッパ壁52bが、ストッパ突
部22の半径分だけそれぞれ奥方に形成されている。そ
の結果、ストッパ壁52bにストッパ突部22が当接し
た状態で、第1フランジ部50が長孔21に対してほぼ
直交するようになっている。
【0046】図12は、本発明によるパネル状部品の固
定用クリップの更に他の実施形態を示す首部のところで
切って上方を見た断面図、図13は、同固定用クリップ
の第1フランジ部及び第2フランジ部を示す部分正面図
である。
【0047】この実施形態では、溝52が、第1フラン
ジ部50の下面において、短径方向を2分する中心線に
沿って所定の幅で形成されている。溝52は、図13に
示すように断面コ字状をなし、その両側壁がストッパ壁
52bをなしている。第1パネル状部品20のストッパ
突部22は、第1フランジ部50の下面に押圧された
後、溝52に嵌入し、そのストッパ壁52bに係合す
る。この結果、この実施形態では、クリップをどちらの
方向に回しても、ストッパ突部22を溝52に嵌入させ
ることができる。なお、回転ガイドは、前述したように
首部12のガイド面12aが長孔21の長辺に当接する
ことによって保持される。
【0048】図14、15は、本発明によるパネル状部
品の固定用クリップの更に他の実施形態を示す平面図で
あり、図14は第1フランジ部50を第1パネル状部品
20の長孔21に挿入した状態を示し、図15は第1フ
ランジ部50を長孔21に対して直交するように回動さ
せた状態を示す。
【0049】この実施形態では、第2フランジ部60の
上面に、4つの突部61が形成されている。そして、第
1フランジ部50を長孔21に対して直交するように回
動させると、上記4つの突部61が長孔21の内周4隅
に嵌入し、クリップの回転を阻止するようになってい
る。その結果、第1フランジ部50は、長孔21に対し
て直交する状態を維持され、クリップが仮止め状態で第
1パネル状部品20から外れることをより確実に防止で
きる。なお、第1フランジ部50の裏面の溝52等の構
造は、前記図1〜9に示した実施形態と同様である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1パネル状部品に設けたストッパ突部が第1フランジ
部の溝に挿入されて溝の内壁に係合し、第1フランジ部
が長孔に対してほぼ直交する角度となった状態で回り止
めされると共に、長孔の所定位置に取付けられて長辺方
向への移動が阻止されるので、仮止めされた状態で位置
ずれを起こすことがなくなり、第2パネル状部品の孔へ
挿入する際の位置合わせが容易となる。
【0051】また、溝の内壁及び/又は首部外周に形成
されたガイド面によって、クリップを回動させるときに
クリップが長孔の幅方向にガタ付くことが規制されるの
で、ストッパ突部を第1フランジ部の溝に導入しやすく
なり、仮止め状態でクリップが長孔の幅方向に移動する
ことも防止される。
【0052】また、第2フランジ部の第1パネル状部品
に当接する面に、第1フランジ部が長孔とほぼ平行なと
きには第1パネル状部品に圧接され、第1フランジ部が
長孔とほぼ直交する角度となったときに長孔の長手方向
両端部内周に嵌入する少なくとも一対の突部を形成した
場合には、クリップを第1パネル状部品に仮止め固定し
た状態で、クリップが逆方向に戻り回転したり、長孔の
長辺方向に移動したりするのを防止し、クリップが第1
パネル状部品から外れることをより確実に防止できる。
【0053】更に、第1フランジ部の短径方向に沿った
断面形状において、少なくとも回転方向側が第1パネル
状部品から離れるようにテーパ状に肉薄とされている場
合には、クリップを回転させるときに、第1パネル状部
品に設けたストッパ突部を第1フランジ部の下面にスム
ーズに導入させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパネル状部品の固定用クリップの
一実施形態を示す平面図
【図2】同固定用クリップの正面図
【図3】同固定用クリップの側面図
【図4】同固定用クリップの底面図
【図5】図2のV−V線に沿った断面図
【図6】同固定用クリップの斜視図
【図7】同固定用クリップの第1フランジ部を裏面側か
ら見た部分斜視図
【図8】同固定用クリップの第1フランジ部を第1パネ
ル状部品の長孔に挿入し、回転させてストッパ突部に係
合させるときの状態を示す説明図
【図9】同固定用クリップを用いてパネル状部品を連結
した状態を示す断面図
【図10】本発明によるパネル状部品の固定用クリップ
の他の実施形態を示す首部のところで切って上方を見た
断面図
【図11】本発明によるパネル状部品の固定用クリップ
の更に他の実施形態を示す首部のところで切って上方を
見た断面図
【図12】本発明によるパネル状部品の固定用クリップ
の更に他の実施形態を示す首部のところで切って上方を
見た断面図
【図13】同固定用クリップの第1フランジ部及び第2
フランジ部を示す部分正面図
【図14】本発明によるパネル状部品の固定用クリップ
の更に他の実施形態における第1フランジ部を長孔と平
行に挿入した状態を示す平面図
【図15】同固定用クリップの第1フランジ部を長孔と
直交させた状態を示す平面図
【図16】従来の固定用クリップの一例を示す斜視図
【図17】従来の固定用クリップを用いて一対のパネル
状部品を組み付ける構造を示す分解斜視図
【符号の説明】
12 首部 20 第1パネル状部品 21 長孔 22 ストッパ突部 30 第2パネル状部品 31 孔 40 パネル状部品の固定用クリップ 50 第1フランジ部 52 溝 52a ガイド面 52b ストッパ壁 60 第2フランジ部 61 突部 70 足部 71 軸部 72 弾性片部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1パネル状部品の長孔に係止された状
    態で、第2パネル状部品の孔に挿入、係止されることに
    より、第1パネル状部品と第2パネル状部品とを連結す
    るパネル状部品の固定用クリップにおいて、 前記第1パネル状部品の前記長孔の長さよりも短く、前
    記長孔の幅よりも長い長径と、前記長孔の幅よりも短い
    短径とを有する第1フランジ部と、 この第1フランジ部の中心から伸びる首部を介して、前
    記第1パネル状部品の厚さに適合する距離をおいて連結
    された、前記第1パネル状部品の前記長孔を通り抜ける
    ことができない外径を有する第2フランジ部と、 前記第1フランジ部又は前記第2フランジ部のほぼ中央
    から突出し、前記第2パネル状部品の前記孔に挿入、係
    止される足部とを備え、 前記第1パネル状部品の前記長孔の長辺の外側には、対
    向する一対のストッパ突部が形成されており、 前記第1フランジ部の前記第1パネル状部品に当接する
    面には、前記ストッパ突部を受け入れる、周方向に対向
    する一対の溝が形成され、前記第1フランジ部が前記長
    孔に対してほぼ直交する角度となったときに、前記スト
    ッパ突部が前記溝の内壁に係合して回り止めされるよう
    に構成されており、かつ、 前記第1フランジ部の前記溝の内壁及び/又は前記首部
    外周に、前記長孔の幅方向に対する移動を規制しつつ回
    転をガイドするガイド面が形成されていることを特徴と
    するパネル状部品の固定用クリップ。
  2. 【請求項2】 第1パネル状部品の長孔に係止された状
    態で、第2パネル状部品の孔に挿入、係止されることに
    より、第1パネル状部品と第2パネル状部品とを連結す
    るパネル状部品の固定用クリップにおいて、 前記第1パネル状部品の前記長孔の長さよりも短く、前
    記長孔の幅よりも長い長径と、前記長孔の幅よりも短い
    短径とを有する第1フランジ部と、 この第1フランジ部の中心から伸びる首部を介して、前
    記第1パネル状部品の厚さに適合する距離をおいて連結
    された、前記第1パネル状部品の前記長孔を通り抜ける
    ことができない外径を有する第2フランジ部と、 前記第1フランジ部又は前記第2フランジ部のほぼ中央
    から突出し、前記第2パネル状部品の前記孔に挿入、係
    止される足部とを備え、 前記第2フランジ部の前記第1パネル状部品に当接する
    面には、前記第1フランジ部が前記長孔とほぼ平行なと
    きには前記第1パネル状部品に圧接され、前記第1フラ
    ンジ部が前記長孔とほぼ直交する角度となったときに前
    記長孔の長手方向両端部内周に嵌入する少なくとも一対
    の突部が形成されていることを特徴とするパネル状部品
    の固定用クリップ。
  3. 【請求項3】 前記第1フランジ部は、その短径方向に
    沿った断面形状において、少なくとも回転方向側が前記
    第1パネル状部品から離れるようにテーパ状に肉薄とさ
    れている請求項1又は2記載のパネル状部品の固定用ク
    リップ。
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