JP5190443B2 - 2ピースクリップ - Google Patents

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本発明は、グロメットとピンとを備え、取付孔に挿入されて固定状態と解除状態をとりうる2ピースクリップに関する。
例えば、車両の車体パネル等の被取付部材には、内外装部品等の取付部材が、着脱可能に取付けられることがある。このように一方の部材に他方の部材を着脱可能に取付ける際には、グロメットとピンとを備え、取付孔に挿入されて取付部材と被取付部材を固定する固定状態と、取付部材と被取付部材の固定を解除する解除状態をとりうる2ピースクリップが用いられることがある。
従来のこの種の2ピースクリップとしては、下記特許文献1に、取り外し、即ち固定状態から解除状態への移行を、ピンの押し込みのみにより行なわせる2ピースクリップが開示される。この特許文献1に記載の2ピースクリップでは、固定状態から解除状態への移行を、ピンの押し込みのみにより行なわせるため、固定状態ではピンの押し込みストローク分、ピンがグロメットのフランジから突出する。そして、その突出したピンを隠すためにグロメットのフランジ部を厚くしており、取付面からの突出量が多く見映えが悪い。また、仮保持状態から固定状態に移行する際も押し込みにより行なわせているため、操作者が仮保持状態から固定状態にするためピンを押し込む際、押し込みすぎて不用意に解除へ移行してしまうおそれがある。
そこで、下記特許文献2では、仮保持状態から固定状態からの移行をピンの押し込みにより行なわせるとともに、固定状態から解除状態への移行をグロメットに対しピンを回転させることで行なわせている。これにより、操作者が仮保持状態から固定状態にピンを押し込む際、不用意に解除されるのを防止している。
特開2007−56895号公報 実用新案登録2584429号公報
しかしながら、特許文献2に記載の2ピースクリップでは、固定状態から解除状態への移行をピンの回転のみにより行なわせているため、不用意に解除状態へ移行してしまうおそれはないものの大きな回転力が必要となる。このため、ピンの頭部側面をグロメットのフランジ部から露出させ且つ滑り止めを設けてピンを回しやすくしており、固定状態における見映えが悪い。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、仮保持状態から固定状態にする際の不用意な解除を防止しつつ、取付面からの突出量を低くして固定状態における見映えの良い2ピースクリップを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の2ピースクリップの一態様は、
グロメットと該グロメットに挿入されるピンとを備え、被取付部材に形成された取付孔に挿入されて固定状態と解除状態をとりうる2ピースクリップであって、
前記グロメットは、フランジ部と、該フランジ部の裏面から伸びて複数に分割され内部が縮径した弾性脚部とを有し、前記フランジ部は、その表面には、前記ピンが挿入される挿入孔と、該挿入孔より外側に少なくとも2つのガイド溝が形成され、前記弾性脚部には、内周面に係合部と係止部が形成され、
前記ピンは、板状の頭部と、この頭部の裏面から延出されて前記挿入孔に挿入される軸部とを有し、前記頭部の裏面には、前記固定状態で前記フランジ表面に当接し、前記解除状態で前記ガイド溝に収容される少なくとも2つの突部が形成され、前記軸部の外周面には、前記固定状態で前記弾性脚部を拡径させて前記係合部に係合する被係合部と、前記係止部と当接して前記ピンの回転を規制する回転規制部と、前記被係合部に周方向で隣接し前記解除状態で前記係合部を収納して前記弾性脚部を縮径させる収納凹部と、が形成され、
前記ガイド溝と前記突部の少なくとも一方には、第1テーパ面が形成され、
前記係止部と前記回転規制部の少なくとも一方には、第2テーパ面が形成され、
前記突部と前記ガイド溝との位相を合わせるように前記固定状態から前記ピンを前記グロメットに対して回転させることにより、前記突部と前記ガイド溝との摺接部が前記第1テーパ面に沿って移動して前記突部が前記ガイド溝に収容されるとともに、前記係止部と前記回転規制部との当接部が前記第2テーパ面に沿って移動して前記係止部が前記回転規制部を乗り越え、前記係合部が前記収納凹部に収納されて前記解除状態に移行することを特徴とする。
本発明の2ピースクリップによれば、固定状態から解除状態への移行は、最初に突部とガイド溝との位相を合わせるようにピンをグロメットに対して回転させるため、不用意な解除を防止することができる。また、ガイド溝と突部の少なくとも一方の摺接面には第1テーパ面が形成されるとともに、係止部と回転規制部の少なくとも一方の当接面には第2テーパ面が形成されるため、最初に突部とガイド溝との位相を合わせるようにピンをグロメットに対して回転させることで、突部とガイド溝との摺接部が第1テーパ面に沿って移動して突部がガイド溝に進入するとともに、係止部と回転規制部との当接部が第2テーパ面に沿って斜めに移動して係止部が回転規制部を乗り越え、係合部が収納凹部に収容されて解除状態に移行するので、突部とガイド溝とが摺接した後は操作者はピンを押し回すことになる。言い換えると、第1テーパ面により押圧力を回転方向に変換でき、また、第1テーパ面に沿って突部がガイド溝に進入することにより、当接部は第2テーパ面を斜めに乗り越えることになり、テーパ角度を緩くしたと同様の効果を得ることができる。これにより、ピンの回転力を低減することができ、また、ピンをグロメットのフランジ部から露出させる必要はなく、2ピースクリップの取付面からの突出量を低くすることができ、固定状態での見映えが良くなる。
本発明に係る2ピースクリップの仮保持状態の斜視図であり、(a)は2ピースクリップを斜め上方から見た図、(b)は2ピースクリップを斜め下方から見た図である。 グロメットを表す図であり、(a)は上方から見た図、(b)は側方から見た図、(c)は下方から見た図、(d)は(b)のB−B線矢視図、(e)は(a)のC−C線矢視図、(f)は(a)のA−A線矢視図である。 ピンを表す図であり、(a)は上方から見た図、(b)は側方から見た図、(c)は下方から見た図、(d)は(b)から周方向に90°回転した位置から見た図、(e)は(b)のA−A線矢視図、(f)は(b)のB−B線矢視図、(g)は(b)のC−C線矢視図である。 仮保持状態における2ピースクリップの図であり、(a)は図1(a)のA−A線矢視図、(b)は図1(a)のB−B線矢視図である、(c)は下方から見た図である。 固定状態の2ピースクリップの側面図である。 固定状態における2ピースクリップの図であり、(a)は図1(a)のA−A線矢視図、(b)は図1(a)のB−B線矢視図、(c)は下から見た図、(d)は被係合部の拡大斜視図である。 解除途中の2ピースクリップの側面図である。 解除途中における2ピースクリップの図であり、(a)は下から見た図、(b)は被係合部の拡大斜視図である。 解除状態の2ピースクリップの側面図である。 解除途中における2ピースクリップの図であり、(a)は下から見た図、(b)は(a)のB−B線矢視図、(c)は(a)のC−C線矢視図である。 ピンの回転に伴う各構成部分間のタイミングを説明する図であり、(a)は突部とガイド溝を示す図、 (b)は係合突部と回転規制部を示す図、(c)は上方側ヒンジ部とスリット開口部を示す図である。
以下、図1〜11を参照して本発明の2ピースクリップの一実施形態について説明する。 この実施形態の2ピースクリップ10(以下、「クリップ10」という)は、車両内部に配置された車体パネル等の被取付部材1に形成された丸孔状の取付孔3に挿入されて、内外装部品等の取付部材2を、着脱可能に取付けるものである。
図1に示すように、このクリップ10は、グロメット20と、該グロメット20に挿入されて組付けられるピン50とを有している。ピン50はグロメット20に対し軸心Pに沿って移動可能、且つ、この軸心Pを中心として図1中矢印Qで示した方向に回転可能に構成され、クリップ10は後述する仮保持状態、固定状態、解除状態をとりうる。
先ず、グロメット20について、図1及び図2を参照して説明すると、このグロメット20は、フランジ部22と、該フランジ部22の裏面から伸びる弾性脚部30とを有している。フランジ部22は、環状をなし、その表面側の周縁から所定高さで周壁24が立設しており、その内側が凹部26をなしている。凹部26の底面中央には、後述するピン50の軸部54が挿入される挿入孔27が形成されている。また、挿入孔27の外側には、軸心Pに対し対極位置に凹部26を貫通する2つのガイド溝28が形成されている。
このフランジ部22は、グロメット20を被取付部材1に形成された挿入孔3に取り付けた状態において、取付孔3の表側周縁に当接する。
弾性脚部30は、フランジ部22の裏面側の内周縁から、周方向に均等に配置されて軸方向に伸びる4つのスリット37を介して4片に分割された弾性係止片36から構成されている。各弾性係止片36は、内外に撓み可能とされており、ピン50を挿入したとき、ピン50の軸部54を囲むように配置される。また、各弾性係止片36の先端側には、内方に向けて突出する縮径部38が形成され、該縮径部38からはさらに内方に向けて突出する係合突部39が形成されている。また、各弾性係止片36の先端外周面は、次第に縮径するテーパ面41をなしており、取付孔3に挿入しやすくなっている。
次に図1及び図3を参照して、上記グロメット20に挿入されて組付けられるピン50について説明する。このピン50は、グロメット20のフランジ部22に形成された凹部26内に収容される円板状の頭部52と、該頭部52の裏面中央から延出され、前記挿入孔27に挿入されると共に、4片の弾性係止片36の内側に入り込む、軸部54とを有している。
頭部52の表面は、中央部が僅かに突出するように湾曲し、該表面にはピン50の回転を容易にする不図示のシボが形成される。なお、シボ加工により形成されるシボのパターンは、皮シボ等適宜選択することができる。
頭部52の裏面には、ピン50を押し下げることにより凹部26の底面に当接する2つの突部56が形成されている。該突部56は、グロメット20のフランジ部22に形成されたガイド溝28と軸心Pから等しい径方向位置に設けられ、ピン50の回転により突部56と凹部26が同位相になると、突部56がガイド溝28に収容される。
ここで、図11(a)を参照して、頭部52の裏面に形成された突部56とフランジ部22の凹部26に形成されたガイド溝28について説明する。突部56とガイド溝28は、ピン50が回転して突部56がガイド溝28に進入した際に摺接する摺接面が互いにテーパ面をなしている。より具体的に説明すると、ピン50の回転方向Qを基準にして、突部56の後方端面が、頭部52から下方に離れるに従って突部56の周方向長さが次第に短くなるような突部テーパ面56aをなすとともに、ガイド溝28の後方端面も凹部26からフランジ部22の裏面に向かうに従ってガイド溝28の周方向長さが短くなるようなガイド溝テーパ面28aをなしている。これにより、ピン50の回転に伴ってピン50を押し下げることができる。
図3(a)〜(e)に戻って、頭部52の裏面中央には、円柱状の軸部54が突設されている。軸部54は、中心軸から径方向に板厚分だけ互いにオフセットして径方向反対側に伸びる一対のヒンジ壁57と、軸心Pから板厚分だけ互いにオフセットした位置から径方向反対側に伸びて該ヒンジ壁57と直交する一対の突片60と、が形成され、これらのヒンジ壁57と突片60が軸方向に対して垂直な断面で見たときに略十字形状をなしている。ヒンジ壁57と突片60の先端部には、外周面が次第に縮径するテーパ面55が形成されると共に、テーパ面55の基端側には抜け止め突部61が設けられている。更に、一対のヒンジ壁57には、頭部52との接続部にヒンジ壁57を貫通する上方側貫通孔58aが形成されて径方向に伸縮するように構成された上方側ヒンジ部59aと、抜け止め突部61との接続部にヒンジ壁57を貫通する下方側貫通孔58bが形成されて径方向に伸縮するように構成された下方側ヒンジ部59bが形成される。下方側ヒンジ部59bには、下方側貫通孔58bの軸方向略中央部で外側に膨らむ押さえ部62が形成される。なお、符号63は、軸部54に形成された凹部である。
ここで、図11(c)を参照して、ピン50の軸部54が挿入されるグロメット20の挿入孔27について説明する。挿入孔27の周縁には、突片60が挿入され嵌合するスリット開口部27aと、ヒンジ壁57が挿入され嵌合するスリット開口部27bとが略90°間隔で交互に形成される。スリット開口部27a、27bは、周方向両端部が周方向で隣り合う弾性係止片36の基部により構成されるストッパー壁27eで画成される。なお、スリット開口部27a、27bにそれぞれ突片60とヒンジ壁57の位相を合わせてピン50を挿入孔27に挿入することで、ピン50を所定量だけ回転すると、突部56がガイド溝28に進入可能となるように、突部56とガイド溝28とが位置決めされている。
スリット開口部27aは、挿入された突片60の回転方向Q側に空間が形成され、回転方向Qと反対側にストッパー壁27e が近接するため、突片60の回転方向Q側への回転のみが許容される。一方、スリット開口部27bは、挿入されたヒンジ壁57の回転方向Q側に円弧状の回り止め部27cが形成され、回転方向Qとは反対側にストッパー壁27eが近接するため、突片60の回転方向Q側への回転も回り止め部27cにより規制される。また、スリット開口部27bには、回り止め部27cの回転方向Q側に、軸心Pからの径方向寸法がヒンジ壁57の径方向長さより僅かに短い開口摺接部27dが形成される。なお、スリット開口部27bに挿入されるヒンジ壁57は、ピン50の回転によって上方側ヒンジ部59aが内側に撓むことで回り止め部27cを乗り越えて開口摺接部27dに沿って摺動できるようになっている。
さらに、対極位置にあるスリット開口部27b間距離t1(図2(a)参照)は、ヒンジ壁57間距離t2(図3(b)参照)より僅かに長く、ヒンジ壁57の押さえ部62間距離t3(図3(b)参照)より僅かに短く設定される。従って、図4(b)に示すように、ピン50の軸部54をグロメット20の挿入孔27に途中まで挿入した仮保持状態のとき、抜け止め突部61と押さえ部62との間に、スリット開口部27bが嵌合して、ピン50をグロメット20に仮保持できるようになっている。
再び図3(a)〜(e)に戻るとともに図8(b)も参照して、軸部54の軸方向先端には、ヒンジ壁57と突片60との間にピン50の回転方向Qに沿って被係合部70と収納凹部65とがこの順に隣接して配置される。被係合部70は、軸部54の外周面から窪んだ略矩形状の凹状湾曲面71をなして、仮保持状態からさらにピン50を押し込んだ際に、グロメット20の弾性係止片36に形成された係合突部39と係合し、弾性係止片36が外方に撓んだ状態、即ち拡径した状態を保持する(固定状態)。被係合部70には、収納凹部65との境界であって凹状湾曲面71の下方に凹状湾曲面71から外側に突出する回転規制部72が形成される。この回転規制部72は、断面が台形形状を有し、上底面を挟んで周方向両側がテーパ面をなしている。なお、以下の説明において、回転規制部72の収納凹部65とは反対側のテーパ面を、回転規制部テーパ面73と呼ぶ。
回転規制部72は、固定状態では係合突部39と係合せず、ピン50が回転して突部56とガイド溝28が摺接すると同時に、係合突部39が回転規制部テーパ面73と当接するように設定されている。また、被係合部70には、回転規制部72の対角位置、即ち、回転規制部72の斜め上方に、凹状湾曲面71が回転規制部72と略等しい高さにガイド段部74が形成される。ガイド段部74は、固定状態では係合突部39をガイド段部74の下方に位置させ、固定状態から解除状態に移行する途中の状態では係合突部39がガイド段部74の側方に位置させるように係合突部39の動きを案内している。
収納凹部65は、被係合部70の凹状湾曲面71よりもさらに軸心P近傍まで窪んで、解除状態でピン50の弾性係止片36の縮径部38を収容する。
次に、上記構成からなるクリップ10の使用方法について説明する。
まず、図1(a)、(b)及び図4(a)〜(c)に示すように、グロメット20にピン50を途中まで挿入して、グロメット20にピン50を仮保持させる(仮保持状態)。すなわち、グロメット20の挿入孔27のスリット開口部27a、27bにそれぞれ突片60とヒンジ壁57の位相を合わせて挿入し途中まで押し込むことにより、ピン50の抜け止め突部61と押さえ部62との間に、グロメット20のスリット開口部27bが嵌合して、ピン50をグロメット20に仮保持させることができる。この状態では、グロメット20の弾性係止片36は閉じた状態となっている。
上記のように組付けられたクリップ10の脚部側を、被取付部材1の取付孔3に挿入していき、取付孔3の表側周縁にフランジ部22の裏面を当接させる。次いで、グロメット20に対してピン50を深く押し込んでいくと、ピン50の押さえ部62が内側に撓んでスリット開口部27bを乗り越え、頭部52の突部56がフランジ部22の凹部26に当接する。すると、図5及び図6(a)〜(d)に示すように、軸部54先端が、弾性係止片36の係合突部39に当接して、弾性係止片36の縮径部38を外径側に押し広げ、弾性係止片36の係合突部39が被係合部70の凹状湾曲面71に嵌入し、ガイド段部74の下方に位置する。これにより、弾性係止片36が拡径状態に保持されると共に、弾性係止片36が被取付部材1の取付孔3の裏側周縁に係合する。その結果、被取付部材1の取付孔3の周縁がフランジ部22と弾性係止片36とで挟持され、被取付部材1にクリップ10を取付けることができる(固定状態)。また、このとき頭部52の表面は、周縁がフランジ部22の周壁24と略等しい高さであって、湾曲した中央部が僅かに突出している。
この固定状態では、図11(a)に示すように、突部56と凹部26が凹部26上の位置A1で当接する。従って、この状態でピン50を押し下げても突部56が凹部26に押し付けられるため、これ以上ピン50をグロメット20に対し押し下げることはできない。これにより、操作者が仮保持状態から固定状態にするためピン50を押し込む際、不用意に解除されるのが防止される。このとき、弾性係止片36の係合突部39は、図11(b)に示す凹状湾曲面71上の位置A2に位置し、係合突部39と回転規制部72の回転規制部テーパ面73とは当接してしない。なお、図11(b)は、説明のため軸部54を基準に係合突部39と回転規制部72との関係を示している。また、ピン50のヒンジ壁57に形成された上方側ヒンジ部59aは、図11(c)に示すグロメット20の挿入孔27に形成されたスリット開口部27bの位置A3に位置し、ストッパー壁27eと回り止め部27cで位置決めされる。
また、車両のメンテナンス等の理由により、取付孔3からクリップ10を取り外したい場合には、先ず固定状態から、フランジ部22の周壁24から僅かに突出しシボが形成されたピン50の中央部を回転方向Q側に回転させる。これにより、突部56がガイド溝28に近づき、そして突部56の突部テーパ面56aがガイド溝28のガイド溝テーパ面28aに摺接し始める。この突部テーパ面56aとガイド溝テーパ面28aが摺接し始める位置を図11(a)に示す位置B1とすると、このとき、係合突部39は、図11(b)に示す位置B2で回転規制部テーパ面73と当接し始める。また、上方側ヒンジ部59aは、図11(c)に示す回り止め部27cを乗り越えた位置B3に位置する。従って、ピン50の回転により突部56が凹部26上を移動する間は、回り止め部27cが抵抗となるが、ヒンジ壁57の上方側ヒンジ部59aが内側に容易に撓むため、ピン50の回転力は小さくてすむ。また、係合突部39は回転規制部テーパ面73と摺接せず、回転規制部テーパ面73がピン50の回転力を増加させることはない。
突部56の突部テーパ面56aがガイド溝28のガイド溝テーパ面28aに当接した後は、突部テーパ面56aとガイド溝テーパ面28aが互いに摺接しながら、突部56がガイド溝28に進入する。従って、操作者はピン50の頭部52を軸方向に押しながら回転方向Q側に回すことになる。これに伴って、ピン50の頭部52の裏面が凹部26の底面に近づきながらピン50は回転方向Q側に回転し、ピン50の頭部52が凹部26と当接すると、突部56はガイド溝28の図11(a)に示す位置C1に至る。図7及び図8(a)、(b)は、この解除途中を示すものである。解除途中においては、ピン50が押し下げられるとともに回転方向Q側に回転するため、係合突部39がガイド段部74の下側から側方に移動し、回転規制部テーパ面73を斜めに乗り越えるように当接している。
突部56がガイド溝28の位置C1に至ると、弾性係止片36の係合突部39は、回転規制部テーパ面73を斜めに乗り越えて図11(b)に示す位置C2に至り、上方側ヒンジ部59aは、開口摺接部27d上を移動してストッパー壁27eと当接して図11(c)に示す位置C3に至る。図9及び図10(a)〜(c)はクリップ10の解除状態を示している。これにより、弾性係止片36の弾性復元力によって弾性係止片36は収納凹部65に収納され、各弾性係止片36が再び縮径する。各弾性係止片36の係合突部39が収納凹部65に収納されることにより、各弾性係止片36は縮径状態に維持される。したがって、この状態で、クリップ10を持ち上げることにより、取付孔3から弾性脚部30を引き抜いて、クリップ10を取外すことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、固定状態から解除状態への移行は、最初に突部56とガイド溝28との位相を合わせるようにピン50をグロメット20に対して回転させるため、操作者が仮保持状態から固定状態にするためにピン50を押し込む際、押し込みすぎて不用意に解除されることを防止することができる。
また、本実施形態によれば、ピン50がグロメット20に対して回転する間に摺接するガイド溝28と突部56には、ガイド溝テーパ面28aと突部テーパ面56aが形成され、ピン50がグロメット20に対して回転する間に当接する係合突部39と回転規制部72には、回転規制部72に回転規制部テーパ面73が形成され、突部56とガイド溝28との位相を合わせるように固定状態からピン50をグロメット20に対して回転させることにより、突部56とガイド溝28との摺接部がガイド溝テーパ面28aと突部テーパ面56aに沿って移動して突部56がガイド溝28に収容される。これにともなって、係合突部39と回転規制部72との当接部が回転規制部テーパ面73に沿って移動して係合突部39が回転規制部72を斜めに乗り越えて収納凹部65に収納され、解除状態に移行する。従って、突部56とガイド溝28とが摺接した後は操作者はピン50を押し回すことになる。言い換えると、ガイド溝テーパ面28aと突部テーパ面56aにより押圧力を回転方向に変換でき、また、ガイド溝テーパ面28aと突部テーパ面56aに沿って突部56がガイド溝28に進入することにより、係合突部39と回転規制部72との当接部は回転規制部テーパ面73を斜めに乗り越えることになり、回転規制部テーパ面73のテーパ角度を緩くしたと同様の効果を得ることができる。これにより、ピン50の回転力を低減することができる。また、ピン50をグロメット20のフランジ部22から露出させる必要はなく、クリップ10の取付面からの突出量を低くすることができ、見映えが向上する。
また、本実施形態によれば、ピン50のグロメット20に対する回転に伴って、突部56がガイド溝テーパ面28aと突部テーパ面56a上でガイド溝28に摺接すると同時に、係合突部39が回転規制部72と回転規制部テーパ面73上で当接し始めるので、ピン50の回転力を低減することができる。
また、本実施形態によれば、ピン50のグロメット20に対する回転に伴って、上方側ヒンジ部59aが内側に撓んで回り止め部27cを乗り越えるので、ピン50の回転力を小さくすることができる。
また、本実施形態によれば、ピン50のグロメット20に対する回転に伴って、上方側ヒンジ部59aが回り止め部27cを乗り越えたと同時に、突部56がガイド溝テーパ面28aと突部テーパ面56a上でガイド溝28に摺接するので、固定状態では確実にピン50の回り止めがなされ、固定状態から解除状態への移行時にはピン50の回転力を低減することができる。
また、本実施形態によれば、ピン50の軸部54には、一対のヒンジ壁57と直交する位置に突片60が形成され、突片60が挿入されるスリット開口部27aにはピン50の回転方向に突片60の回転を許容する空間が設けられているので、ピン50の逆回転が規制されるとともに、固定状態で被取付部材1と取付部材2との間にせん断力が作用してもせん断方向の剛性を確保することができる。
また、本実施形態によれば、ピン50の回転力が小さいため頭部52の表面にシボを形成するだけでピン50を回転させることができる。これにより、頭部52の表面にプラスやマイナスの凹溝を形成する必要がないため、見映えをさらに向上させることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、上記実施形態においては、ガイド溝28は凹部26を貫通する孔としたが、これに限定されず、凹部26からさらに窪んで貫通しない凹部としてもよい。
また、上記実施形態においては、ピン50がグロメット20に対して回転する間に摺接するガイド溝28と突部56にそれぞれ、ガイド溝テーパ面28aと突部テーパ面56aを形成したが、これに限定されずいずれか一方にテーパ面を設ければよい。
また、上記実施形態においては、回転規制部72に回転規制部テーパ面73を形成したが、回転規制部72と当接する係合突部39にテーパ面を形成してもよい。
また、上記実施形態においては、回り止め部27cを円弧面としたが、テーパ面としてもよい。
さらに、上記実施形態において、クリップ10に誤挿入防止構造を設けることができる。
この誤挿入防止構造は、例えば、突片60の厚みをヒンジ壁57の厚みより大きくし、スリット開口部27a、27bにそれぞれ突片60とヒンジ壁57の位相を合わせてピン50を挿入孔27に挿入するところを、誤ってスリット開口部27a、27bにそれぞれヒンジ壁57と突片60の位相を合わせてピン50を挿入孔27に挿入してしまった場合、突片60がスリット開口部27bの回り止め部27cに干渉するように構成することで実現できる。
さらに、上記実施形態において、係合突部39は、被係合部70の凹状湾曲面71に係合する係合部と、凹状湾曲面71から突出する回転規制部72と当接する係止部の両方の機能を有するが、これに限定されるものではない。即ち、弾性係止片36には、係合突部39と異なる位置に別途係止部を設けるとともに、被係合部70の凹状湾曲面71には回転規制部72を設けずに、該係止部と係合する位置に回転規制部72を設けることで、係合部と係止部を独立した構成とすることができる。
10 2ピースクリップ
1 被取付部材
2 取付部材
3 取付孔
20 グロメット
22 フランジ部
24 周壁
26 凹部
27 挿入孔
27a スリット開口部(開口部)
27b スリット開口部
27c 回り止め部
27d 開口摺接部
27e ストッパー壁
28 ガイド溝
28a ガイド溝テーパ面(第1テーパ面)
30 弾性脚部
36 弾性係止片
37 スリット
38 縮径部
39 係合突部(係合部、係止部)
41 テーパ面
50 ピン
52 頭部
54 軸部
55 テーパ面
56 突部
56a 突部テーパ面(第1テーパ面)
57 ヒンジ壁
58a 上方側貫通孔
58b 下方側貫通孔
59a 上方側ヒンジ部
59b 下方側ヒンジ部
60 突片
61 抜け止め突部
62 押さえ部
63 凹部
65 収納凹部
70 被係合部
71 凹状湾曲面
72 回転規制部
73 回転規制部テーパ面(第2テーパ面)
74 ガイド段部

Claims (8)

  1. グロメットと該グロメットに挿入されるピンとを備え、被取付部材に形成された取付孔に挿入されて固定状態と解除状態をとりうる2ピースクリップであって、
    前記グロメットは、フランジ部と、該フランジ部の裏面から伸びて複数に分割され内部が縮径した弾性脚部とを有し、前記フランジ部は、その表面には、前記ピンが挿入される挿入孔と、該挿入孔より外側に少なくとも2つのガイド溝が形成され、前記弾性脚部には、内周面に係合部と係止部が形成され、
    前記ピンは、板状の頭部と、この頭部の裏面から延出されて前記挿入孔に挿入される軸部とを有し、前記頭部の裏面には、前記固定状態で前記フランジ表面に当接し、前記解除状態で前記ガイド溝に収容される少なくとも2つの突部が形成され、前記軸部の外周面には、前記固定状態で前記弾性脚部を拡径させて前記係合部に係合する被係合部と、前記係止部と当接して前記ピンの回転を規制する回転規制部と、前記被係合部に周方向で隣接し前記解除状態で前記係合部を収納して前記弾性脚部を縮径させる収納凹部と、が形成され、
    前記ガイド溝と前記突部の少なくとも一方には、第1テーパ面が形成され、
    前記係止部と前記回転規制部の少なくとも一方には、第2テーパ面が形成され、
    前記突部と前記ガイド溝との位相を合わせるように前記固定状態から前記ピンを前記グロメットに対して回転させることにより、前記突部と前記ガイド溝との摺接部が前記第1テーパ面に沿って移動して前記突部が前記ガイド溝に収容されるとともに、前記係止部と前記回転規制部との当接部が前記第2テーパ面に沿って移動して前記係止部が前記回転規制部を乗り越え、前記係合部が前記収納凹部に収納されて前記解除状態に移行することを特徴とする2ピースクリップ。
  2. 前記ピンの前記グロメットに対する回転に伴って、前記突部が前記ガイド溝と前記第1テーパ面上で摺接すると同時に、前記係止部が前記回転規制部と前記第2テーパ面上で当接し始めることを特徴とする請求項1に記載の2ピースクリップ。
  3. 前記軸部には、径方向に伸縮可能なヒンジ部を有するヒンジ壁が形成され、
    前記挿入孔の周縁には、前記固定状態で前記ヒンジ部と周方向で係合する回り止め部が形成され、
    前記ピンの前記グロメットに対する回転に伴って、前記ヒンジ部が径方向に撓んで前記回り止め部を乗り越えることを特徴とする請求項2に記載の2ピースクリップ。
  4. 前記回り止め部は、テーパ面又は円弧面からなることを特徴とする請求項3に記載の2ピースクリップ。
  5. 前記ピンの前記グロメットに対する回転に伴って、前記ヒンジ部が前記回り止め部を乗り越えたと同時に、前記突部が前記第1テーパ面上で前記ガイド溝に摺接することを特徴とする請求項3又は4に記載の2ピースクリップ。
  6. 前記軸部には、前記ヒンジ壁と交差する位置に突片が形成され、
    前記挿入孔の周縁には、前記突片が挿入され嵌合する開口部が形成され、
    前記開口部には、前記固定状態から前記解除状態に移行するための前記ピンの回転に伴う前記突片の回転を許容する空間が設けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の2ピースクリップ。
  7. 前記突片の厚みが前記ヒンジ壁の厚みより大きく、
    前記ヒンジ壁が前記突片と嵌合する前記開口部に誤って挿入されるとき、前記突片が前記回り止め部に干渉して誤挿入が防止されることを特徴とする請求項6に記載の2ピースクリップ。
  8. 前記頭部の表面には、シボが形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の2ピースクリップ。
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