JP2000038370A - 新規フッ素化剤及びその製法と使用 - Google Patents

新規フッ素化剤及びその製法と使用

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JP2000038370A JP22133098A JP22133098A JP2000038370A JP 2000038370 A JP2000038370 A JP 2000038370A JP 22133098 A JP22133098 A JP 22133098A JP 22133098 A JP22133098 A JP 22133098A JP 2000038370 A JP2000038370 A JP 2000038370A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素含有官能基を有する化合物のフッ素化に
極めて有効なフッ素化剤およびその製造方法、ならびに
その利用した各種フッ素化化合物の製造する方法を提供
すること。 【解決手段】 一般式(1): 【化1】 (式中、R1 〜R4 は、置換または無置換の飽和または
不飽和のアルキル基、置換または無置換のアリ−ル基を
表し、同一でも異なっていてもよい。また、R1
2 ,R3 とR4 が結合して窒素原子、または窒素原子
と他のヘテロ原子を含む環を構成してもよい。または、
1 とR3 が結合して、窒素原子、または窒素原子と他
のヘテロ原子を含む環を構成してもよい。)で表される
フッ素化剤、例えば、 【化2】 で表されるフッ素化剤を酸素含有官能基を有する各種化
合物と反応させてフッ素化合物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なフッ素化剤
及びその製造方法と使用に関する。
【0002】
【先行技術】フッ素化反応で従来から使用されているフ
ッ素化剤として、フッ素、フッ化水素、四フッ化硫黄等
があるが、これら従来のフッ素化剤は、毒性、腐食性、
反応時における爆発危険性等のために取扱が難しく、そ
のために特殊な装置や技術が必要である。また、反応に
おいて、必要とするフッ素結合の選択性が良くないこと
等の問題がある。一方、フッ素化合物を利用した新製品
の開発は、機能材料や生理活性物質をはじめ、様々の分
野で行われており、これに合わせて近年各種のフッ素化
剤が開発されつつある。
【0003】例えば、水酸基及びカルボキシル基等の酸
素含有官能基のフッ素化剤として今日開発されている代
表的なものとして、米国特許NO.3,976,691
号公報に記載されているDAST(ジエチルアミノサル
ファートリフルオリド)がある。DASTは、アルコー
ル性水酸基やカルボニル基酸素の優れたフッ素化剤とし
て紹介されているが、そのDASTの製造方法は−78
℃から−60℃という低温で、危険性の高い四フッ化硫
黄とジエチルアミノトリメチルシランを反応させて製造
しており、特殊な製造設備が必要である。また安全性に
おいては、DASTの製造と使用において爆発があった
という報告がある。〔J.Fluorine Che
m.,42 137(1989)〕。
【0004】また、WO96/04297号公報にテト
ラアルキル−フルオロホルムアミジニウム=ヘキサフル
オロホスフェートが、カルボキシル基の優れたフッ素化
剤として記載されている。この物質の製造方法は、対応
するテトラアルキル−クロロホルムアミジニウム=クロ
リドとポタシウムヘキサフルオロホスフェートを反応さ
せてテトラアルキル−クロロホルムアミジニウム=ヘキ
サフルオロホスフェートを合成し、これとフッ化カリウ
ムを反応させてテトラアルキル−フルオロホルムアミジ
ニウム−ヘキサフルオロホスフェートを得ている。ポタ
シウムヘキサフルオロホスフェートを必要とする分、原
料費と製造工程が増えて非経済的となっている。
【0005】また、カルボキシル基のフッ素化試剤とし
ては優れていると記載されているものの、水酸基からフ
ッ素への置換反応については記載が無い。そこで、本発
明者等は、WO96/04297に記載されている製造
法に従って合成した1,3−ジメチル−2−フルオロイ
ミダゾリニウム=ヘキサフルオロホスフェートを使用し
て、ベンジルアルコール及び、n−オクタノールそれぞ
れの水酸基のフッ素への置換反応を行ったがいずれも目
的物の生成は認められなかった。このように、酸素含有
官能基のフッ素化剤としては、その製造方法、反応の選
択性及び収率、経済性などからみて、いまだ工業的に使
用可能なフッ素化剤の開発は充分になされているとは言
いがたい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の先行技術の問題点を解消して、技術的かつ経済的に一
段と改善された工業的方法で製造可能であり、かつ反応
性、経済性に優れた有機化合物のフッ素化剤、及びその
製造方法、ならびにこれらを用いて各種有機化合物をフ
ッ素化した化合物の製造方法を提供することである。本
発明者等は、これらの課題を解決するために鋭意検討を
行った結果、一般式(1):
【化31】 (式中、R1 〜R4 は、置換または無置換の飽和または
不飽和のアルキル基、置換または無置換のアリール基を
表し、同一でも異なっていてもよい。また、R1
2 ,R3 とR4 が結合して窒素原子、または窒素原子
と他のヘテロ原子を含む環を構成してもよい。または、
1 とR3 が結合して、窒素原子、または窒素原子と他
のヘテロ原子を含む環を構成してもよい。)で表される
化合物が、水酸基、カルボキシル基、ホルミル基または
ケトン基等の酸素含有官能基の選択的な、新規フッ素化
剤として優れていること、更にフッ素化反応における使
用が、なんら特殊な装置や技術を必要とすることなく、
極めて安全、かつ容易に行えることを見出した。
【0007】更には、一般式(1)で表される化合物
は、一般式(14)
【化32】 (式中、X2 およびX3 は、塩素又は臭素原子を示し、
同一でも異なってもよく、R1 〜R4 は同一または異な
って、置換または無置換の飽和または不飽和のアルキル
基、置換または無置換のアリール基を表し、また、R1
とR2 ,R3 とR 4 が結合して窒素原子、または窒素原
子と他のヘテロ原子を含む環を構成してもよい。また
は、R1 とR3 が結合して、窒素原子、または窒素原子
と他のヘテロ原子を含む環を構成してもよい。)で表さ
れる化合物から、ハロゲン交換反応により得ることがで
きるので、なんら特殊な装置や技術を必要とすることな
く、安全に、工業的に製造可能であることを見出した。
また、一般式(1)で表されるフッ素化剤はフッ素化反
応後には一般式(14)の製造原料であるウレアとして
回収、再利用できるために経済的であることも見出し
た。
【0008】即ち、本発明は以下の(1)から(20)
に示す通りである。 (1)一般式(1):
【化33】 (式中、R1 〜R4 は、置換または無置換の飽和または
不飽和のアルキル基、置換または無置換のアリ−ル基を
表し、同一でも異なっていてもよい。また、R1
2 ,R3 とR4 が結合して窒素原子、または窒素原子
と他のヘテロ原子を含む環を構成してもよい。または、
1 とR3 が結合して、窒素原子、または窒素原子と他
のヘテロ原子を含む環を構成してもよい。)で表される
フッ素化剤、
【0009】(2)一般式(1)で表されるフッ素化剤
が、一般式(2):
【化34】 (式中、aは2または3の整数、R5 およびR6 は炭素
数1〜6の置換又は無置換の飽和または不飽和の低級ア
ルキル基であり、同一でも異なっていてもよい。)で表
される前記(1)のフッ素化剤、
【0010】(3)一般式(2)で表されるフッ素化剤
が、式(3):
【化35】 で表される2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチルイミ
ダゾリジンである前記(2)記載のフッ素化剤、
【0011】(4)一般式(2)で表されるフッ素化剤
が、式(4):
【化36】 で表される2,2−ジフルオロ−1,3−ジブチルイミ
ダゾリジンである前記(2)記載のフッ素化剤、
【0012】(5)一般式(1)で表されるフッ素化剤
が、一般式(5):
【化37】 (式中、R7 〜R10が炭素数1〜6の置換または無置換
の飽和または不飽和の低級アルキル基であり、同一でも
異なっていてもよい。また、R7 とR8 ,R9 とR10
結合して窒素原子、または窒素原子と他のヘテロ原子を
含む環を構成してもよい。または、R7 とR9 が結合し
て、窒素原子、または窒素原子と他のヘテロ原子を含む
環を構成してもよい。)で表される前記(1)記載のフ
ッ素化剤、
【0013】(6)一般式(5)で表されるフッ素化剤
が、式(6):
【化38】 で表されるビス−ジメチルアミノ−ジフルオロメタンで
ある前記(5)記載のフッ素化剤、
【0014】(7)一般式(5)で表されるフッ素化剤
が、式(7):
【化39】 で表されるビス−ジ−n−ブチルアミノ−ジフルオロメ
タンである前記(5)記載のフッ素化剤、
【0015】(8)一般式(8):
【化40】 (式中、R11は置換または無置換のアルキル基を示す。
またアルキル基の中に不飽和基を含んでいてもよい。)
で表されるアルコ−ル性水酸基を有する化合物と一般式
(1)で表される前記フッ素化剤を反応させることを特
徴とする一般式(8−1):
【化41】 (式中、R11は一般式(8)の場合と同じである。)で
表されるフッ素化合物の製造方法、
【0016】(9)一般式(9)
【化42】 (式中、Qは酸素または硫黄原子を表し、cは1〜5の
整数であり、Y1 は電子吸引性の置換基を表し、bは1
〜5の整数であり、b+c≦6である。)で表されるフ
ェノ−ル類またはチオフェノ−ル類化合物と一般式
(1)で表される前記フッ素化剤を反応させることを特
徴とする一般式(9−1):
【化43】 (式中、Y1 、bおよびcは一般式(9)の場合と同じ
である)で表されるフェノ−ル類フッ素化合物の製造方
法、
【0017】(10)一般式(10)
【化44】 (式中、R12は置換または無置換の、飽和または不飽和
のアルキル基または、置換または無置換のアリール基を
表す。)で表されるアルデヒド基を有する化合物と一般
式(1)で表される前記フッ素化剤を反応させることを
特徴とする一般式(10−1):
【化45】 (式中、R12は一般式(10)の場合と同じである)で
表されるフッ素化合物の製造方法、
【0018】(11)一般式(11)
【化46】 (式中、R13およびR14は同一または異なって、置換ま
たは無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール
基を示す。またアルキル基の中に不飽和基を含んでいて
もよく、R13とR14が結合して環を構成していてもよ
い。)で表されるケトン基を有する化合物と一般式
(1)で表されるフッ素化剤を反応させることを特徴と
する一般式(11−1):
【化47】 (式中、R13およびR14は、前記一般式(11−1)の
場合と同じである)で表されるフッ素化合物の製造方
法、
【0019】(12)一般式(12)
【化48】 (式中、R15は置換または無置換の、飽和または不飽和
のアルキル基または、置換または無置換のアリール基を
表す。)で表されるカルボン酸基を有する化合物と一般
式(1)で表されるフッ素化剤を反応させることを特徴
とする一般式(12−1):
【化49】 (式中、R15は一般式(12)の場合と同じである)で
表される酸フルオリド類の製造方法、
【0020】(13)一般式(13)
【化50】 (式中、X1 はフッ素以外のハロゲン原子を表し、dは
1〜5の整数であり、またY1 は電子吸引性の置換基を
表し、bは1〜5の整数であり、b+d≦6である。)
で表されるフッ素以外のハロゲン原子を有する芳香族化
合物と一般式(1)で表されるフッ素化剤を反応させる
ことを特徴とする一般式(13−1):
【化51】 (式中、Y1 、bおよびdは、一般式(13)の場合と
同じである)で表されるフッ素化合物の製造方法、
【0021】(14)一般式(24):
【化52】 (式中、R15〜R17は、水素原子または炭素原子数1〜
3の低級アルキル基を示し、互いに同一でも、異なって
いてもよい。また、Xは
【化53】 を示す。これらの基中、Yは、−CH2 −基を示し、n
は0または1〜5の整数である)で表されるオレフィン
類と一般式(1)で表されるフッ素化剤を反応させるこ
とを特徴とする一般式(25)
【化54】 (式中、R15〜R17は、水素原子または炭素原子数1〜
3の低級アルキル基を示し、互いに同一でも、異なって
いてもよい。また、Zは
【化55】 これらの基中、Yは、−CH2 −基を示し、nは0また
は1〜5の整数である)で表されるフッ素含有オレフィ
ン類の製造方法。
【0022】(15)フッ素化剤が、前記一般式(2)
で表されるフッ素化剤である前記8〜14記載の方法、
【0023】(16)一般式(2)
【化56】 (式中、aは2または3の整数、R5 およびR6 は炭素
数1〜6の置換又は無置換の飽和または不飽和の低級ア
ルキル基であり、同一でも異なっていてもよい。)で表
される化合物、
【0024】(17)一般式(2)が、式(3):
【化57】 の2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリジ
ンである化合物、
【0025】(18)一般式(2)が式(4)
【化58】 の2,2−ジフルオロ−1,3−ジ−n−ブチルイミダ
ゾリジンである化合物、
【0026】(19)一般式(5)が、式(7):
【化59】 のビス−ジ−n−ブチルアミノ−ジフルオロメタンであ
る化合物、
【0027】(20)一般式(14)
【化60】 (式中、X2 およびX3 は、塩素又は臭素原子を示し、
1 〜R4 は、置換または無置換の飽和または不飽和の
アルキル基、置換または無置換のアリ−ル基を表し、同
一でも異なっていてもよい。また、R1 とR2 ,R3
4 が結合して窒素原子、または窒素原子と他のヘテロ
原子を含む環を構成してもよい。または、R1 とR3
結合して、窒素原子、または窒素原子と他のヘテロ原子
を含む環を構成してもよい。)で表される化合物とフッ
素原子のアルカリ金属塩を無反応性の溶媒中でハロゲン
交換反応を行わせることを特徴とする前記(1)の一般
式(1)で表されるフッ素化剤の製造方法、
【0028】(21)一般式(14)の化合物に対して
半等量のフッ化ナトリウムを反応させた後、濾過分別し
て、次にフッ化カリウムと反応させることを特徴とする
前記(20)のフッ素化剤の製造方法、
【0029】(22)一般式(1)で表されるフッ素化
剤が、一般式(2):
【化61】 (式中、aは2または3の整数、R5 およびR6 は炭素
数1〜6の置換又は無置換の飽和または不飽和の低級ア
ルキル基であり、同一でも異なっていてもよい。)であ
る前記(20)のフッ素化剤の製造方法。
【0030】(23)一般式(1)で表されるフッ素化
剤が、一般式(5):
【化62】 (式中、R7 〜R10が炭素数1〜6の置換または無置換
の飽和または不飽和の低級アルキル基であり同一でも異
なっていてもよい。また、R7 とR8 ,R9 とR 10が結
合して窒素原子、または窒素原子と他のヘテロ原子を含
む環を構成してもよい。または、R7 とR9 が結合し
て、窒素原子、または窒素原子と他のヘテロ原子を含む
環を構成してもよい。)である前記20のフッ素化剤の
製造方法。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明のフッ素化剤は、前記の一
般式(1)
【化63】 (式中、R1 〜R4 は前記の通りである。)で表される
化合物である。これらの一般式において、R1 〜R4
同一又は異なって、置換または無置換の飽和または不飽
和のアルキル基、置換または無置換のアリ−ル基を表
し、またR1 とR2 ,R3 とR4 が結合して窒素原子を
含む環、または窒素原子とその他のヘテロ原子を含む環
を構成してもよい。または、R1 とR3 が結合して、窒
素原子を含む環、または窒素原子とその他のヘテロ原子
を含む環を構成してもよい。好ましくは炭素数1〜6の
アルキル基又はアリール基であり、アルキル基は直鎖状
または分岐状であってもよい。すなわち、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、アリル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、ブテニル基、n−ヘキシル基、フェニル
基等であり、同一でも異なっていてもよい。又、R1
2 、R3 とR4 がそれぞれ結合して、窒素原子を含む
炭素数3〜5のヘテロ環を構成していてもよい。このよ
うな環の例としては、ピロリジン環、ピぺリジン環が挙
げられる。更には、R1 とR3 が結合して、2個の窒素
原子を含んでなるヘテロ5員環または6員環を構成して
もよい。このような環の例としては、イミダソリジン
環、イミダソリジノン環、ピリミジン環、ピリミジノン
環が挙げられる。
【0032】一般式(1)で表されるフッ素化剤として
の化合物は、好ましい具体例として、以下の化合物を挙
げることができるが、本発明はここに示した例に制限さ
れるものではない。 (1)化合物の例 ビス−ジメチルアミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジエ
チルアミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジ−n−プロピ
ルアミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジイソプロピルア
ミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジ−アリルアミノ−ジ
フルオロメタン、ビス−ジ−n−ブチルアミノ−ジフル
オロメタン、ビス−ジ−n−ヘキシルアミノ−ジフルオ
ロメタン、ビス(1−ピロリジル)−ジフルオロメタ
ン、ビス(1−ピペリジル)ジフルオロメタン、2,2
−ジフルオロ−1,3−ジメチル−イミダゾリジン、
2,2−ジフルオロ−1,3−ジエチル−イミダゾリジ
ン、2,2−ジフルオロ−1,3−ジ−n−プロピル−
イミダゾリジン、2,2−ジフルオロ−1,3−ジイソ
プロピル−イミダゾリジン、2,2−ジフルオロ−1,
3−ジアリル−イミダゾリジン、2,2−ジフルオロ−
1,3−ジ−n−ブチル−イミダゾリジン、ビス(N−
メチル−N−フェニル)ジフルオロメタン、2,2−ジ
フルオロ−1,3−ジメチル−イミダゾリジン−4,5
−ジオン、2,2−ジフルオロ−1,3−ジ−n−ブチ
ル−イミダゾリジン−4,5−ジオン、2,2−ジフル
オロ−1,3−ジメチルピリミジン等が挙げられる。と
くに好ましくは、一般式(3)で表される2,2−ジフ
ルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリジン、一般式
(4)で表される2,2−ジフルオロ−1,3−ジ−n
−ブチルイミダゾリジン、一般式(6)で表されるビス
−ジメチルアミノジフルオロメタンおよび一般式(7)
で表されるビス−ジ−n−ブチルアミノジフルオロメタ
ンである。
【0033】本発明の一般式(1)で表されるフッ素化
剤は、次の方法で製造できる。すなわち、一般式(1
4)
【化64】 (式中、X2 及びX3 は塩素又は臭素原子を示し、同一
でも異なっていてもよく、式中、R1 〜R4 は、置換ま
たは無置換の飽和または不飽和のアルキル基、置換また
は無置換のアリ−ル基を表し、同一でも異なっていても
よい。またR1 とR2 ,R3 とR4 が結合して窒素原
子、または窒素原子と他のヘテロ原子を含む環を構成し
てもよい。または、R1 とR3 が結合して、窒素原子、
または窒素原子と他のヘテロ原子を含む環を構成しても
よい。)で表される化合物とフッ素のアルカリ金属塩を
無反応性の溶媒中でハロゲン交換反応を行わせることに
よって安全に、かつ容易に得ることができる。
【0034】フッ素のアルカリ金属塩として、フッ化セ
シウム、フッ化ルビジウム、フッ化カリウム、フッ化ナ
トリウム等が使用可能であり、好ましくは経済的、反応
効率的にも有利なフッ素化反応用のスプレードライ品の
フッ化カリウムが良い。一般式(14)で表される化合
物は、通常、X2 及びX3 が塩素原子である化合物を使
用するが、臭素原子である化合物を使用してもよい。具
体的には、テトラアルキルクロルホルムアミジニウム=
クロリド、2−クロル−1,3−ジアルキルアミジニウ
ム=クロリド、テトラアルキルブロムホルムアミジニウ
ム=ブロミド、2−ブロム−1,3−ジアルキルアミジ
ニウム=ブロミド等である。
【0035】一般式(1)で表される化合物を製造する
原料として用いられる一般式(14)で表される化合物
は、例えば、テトラアルキル尿素、テトラアルキルチオ
尿素、N,N’−ジアルキルイミダゾリジノン、N,
N’−ジアルキルイミダゾリチノン等をホスゲンまた
は、チオニルクロライド、チオニルブロマイド、三塩化
燐、三臭化燐等のハロゲン化剤でハロゲン化することに
よって製造することができる。例えば、2−クロロ−
1,3−ジメチルイミダゾリニウム=クロリドの製造
は、特開昭59−25375号公報に記載されている方
法で容易に製造することができる。例えば、1,3−ジ
メチルイミダゾリジノンにオキザリルクロライドを四塩
化炭素等の溶媒に溶かした溶液を滴下して室温〜60℃
で数時間〜数十時間反応させる。
【0036】本発明の一般式(1)で表されるフッ素化
剤の製造において、ハロゲン交換反応で使用するフッ素
のアルカリ金属塩の使用量は、テトラアルキル−ハロホ
ルムアミジニウム=ハライドに対して、好ましくは2当
量以上、更に好ましくは2〜5当量である。2当量未満
では未交換のハライドが残存し、5当量を超えて用いて
も反応成績は大きくは向上しない。ハロゲン交換反応の
反応溶媒は、テトラアルキル−ハロホルムアミジニウム
=ハライド、及び生成する化合物と反応しない溶媒であ
れば特に制限はない、好ましくはアセトニトリル、ジメ
チルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン、ジクロロメタン、エチレンジクロリド等であ
る。反応溶媒量は特に限定されるものではないが、反応
効率及び操作性から、好ましくは反応基質に対して1か
ら10重量倍である。反応温度は反応速度と生成物の安
定性の面から、好ましくは−20℃〜150℃、特に好
ましくは0℃〜100℃の範囲である。
【0037】本発明のフッ素化剤の製造におけるハロゲ
ン交換反応は、四級アルキルアンモニウム塩や四級アル
キルホスホニウム塩等の相間移動触媒を共存させて行う
ことも可能である。得られた一般式(1)で表されるフ
ッ素化剤はハロゲン交換反応液のまま次のフッ素化反応
に使用することもできるし、あるいは無機塩を濾別して
反応溶媒を留去した後、次のフッ素化反応に使用するこ
ともできるし、または蒸留によって単離して使用するこ
ともできる。本発明のフッ素化剤を使用するフッ素化反
応は、極めて容易であり、通常の反応装置を使用して行
うことができる。例えば、カルボン酸基のフッ素化反応
を行う場合は、ハロゲン交換反応終了後の反応液にカル
ボン酸類を装入して、室温で数時間反応させると、高収
率で対応するカルボン酸フルオライドを得ることができ
る。また、アルコール類のフッ素化反応のフッ素化剤と
して使用する場合は、ハロゲン交換終了後の反応マスに
アルコール類を直接装入して数時間反応させると高収率
で対応するフルオライドを得ることができる。
【0038】以下、本発明のフッ素化剤を用いるフッ素
化反応を詳しく説明する。 (1)従来、アルコール性水酸基のフッ素基への直接的
な変換は、モノフルオロ化合物の合成法の中でも汎用性
の高い魅力ある方法である。この変換反応に有効なフッ
素化試剤としては、酸性反応剤であるフッ化水素やピリ
ジン−(HF)n、フルオロアルキルアミンのYaro
venko試薬やジエチルアミン−ヘキサフルオロプロ
ペン付加物(以下、PPDAと略記する)、4価硫黄化
合物のSF 4 や三フッ化ジエチルアミノ硫黄(以下、D
ASTと略記する)および5価リン化合物のPhPF4
が挙げられる。フッ化水素は、先にも述べたように、毒
性、腐食性、反応時における爆発危険性等のために取り
扱いが難しいこと、特殊な装置や技術が必要であること
等の欠点がある。ピリジン−(HF)nのフッ素化力は
フッ化水素自身よりも優れているが、他のフッ素化試剤
と比較してそれほど高くない。フルオロアルキルアミン
のYarovenko試薬は、クロロトリフルオロエテ
ンにジエチルアミンを付加して得られるフッ素化試剤で
あり、多くの第一級および第二級アルコールを溶媒中温
和な条件下でフッ素化するが、それ自身の安定性が低い
(密閉し冷暗所で数日間の保存が可能)〔J.Gen.
Che.USSR,19,2125(1959)〕。
【0039】これより安定で取り扱いやすく同等の反応
性を有するものとしてPPDAが多用されている。最近
では、フルオロアミン系の新しいタイプのフッ素化試剤
としてN,N−ジイソプロピル−α−フルオロエナミン
が報告されている。〔Tetrahedron Let
t.,30,3077(1989)〕。これらの試薬は
アルコール性水酸基のフッ素化試剤として有用である
が、その合成の煩雑さと経済性の面から工業的に実施す
るのは困難である。その他DAST等はアルコール性水
酸基のフッ素基への置換においても、前記と同様の問題
点がある。本発明のフッ素化剤は安全で取り扱い容易で
あり、フッ素化反応において、高選択性でフッ素化物が
得られる。本発明のフッ素化剤を使用すると、従来のフ
ッ素化剤の問題点を解消したアルコール性水酸基のフッ
素化反応を行うことができる。
【0040】本発明のフッ素化剤を用いて、アルコール
性水酸基を有する化合物からフッ素化合物の製造は次の
通りである。すなわち、一般式(8):
【化65】 (式中、R11は前記の通りである。)で表されるアルコ
−ル性水酸基を有する化合物を、本発明のフッ素化剤と
反応させて一般式(8−1):
【化66】 (式中、R11は前記の通りである。)で表されるフッ素
化合物を製造する。
【0041】フッ素化される水酸基を有するアルコール
としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチ
ルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、n−アミ
ルアルコール、ネオアミルアルコール、イソアミルアル
コール、n−ヘキシルアルコール、2−メチル−1−ペ
ンタノール、2−エチル−1−ブタノール、n−ヘプチ
ルアルコール、n−オクチルアルコール、2−エチルヘ
キシルアルコール、n−ノニルアルコール、3,5,5
−トリメチル−1−ヘキサノール、n−デシルアルコー
ル、n−ウンデシルアルコール、n−ドデシルアルコー
ル、アリルアルコール、メタリルアルコール、クロチル
アルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコー
ル、シンナミルアルコール、プロパギルアルコール等の
第一級アルコール;およびイソプロピルアルコール、s
ec−ブチルアルコール、sec−アミルアルコール、
sec−イソアミルアルコール、1−エチル−1−プロ
パノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−メチル
ヘキシルアルコール、1−エチルペンチルアルコール、
1−メチルヘプチルアルコール、シクロヘキシルアルコ
ール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシク
ロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、se
c−フェネチルアルコール等の第二級アルコール;およ
びtert−ブチルアルコール、tert−アミルアル
コール、1−メチルシクロヘキサノール、α−テルピネ
オール等の第三級アルコール等のアルコールが挙げられ
る。しかし、これらに限定されるものではない。
【0042】これらの一般式(8)で表されるアルコー
ル類から、それぞれ対応する一般式(8−1)で表され
るフッ素化合物であるアルキルフルオリド類を得ること
ができる。フッ素化剤の使用量はアルコールの水酸基に
対して通常1当量以上あればよい。反応で発生するフッ
化水素は三級アミン等の塩基を使用して捕捉することが
できる。反応溶媒は、フッ素化剤及び、アルコールがフ
ッ素化されて生成するフッ素化合物が反応しない溶媒で
あれば特に制限はないが、好ましくはアセトニトリル、
ジクロロメタン、エチレンジクロリド、ジメチルホルム
アミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等で
ある。反応温度は、反応溶媒およびアルコール類の水酸
基の反応性によって左右されるが、反応速度とテトラア
ルキル−フルオロホルムアミジウム=フルオリドの安定
性の面から、通常、好ましくは−40℃〜150℃、特
に好ましくは−20℃〜80℃の範囲である。ただし、
生成するフッ素化合物が低沸点であったり、また、脱フ
ッ化水素を起こしやすい構造を有している場合は、でき
るだけ反応温度を抑える必要がある。反応により生成し
たフッ素化合物は、蒸留等により反応混合物から容易に
取り出すことができる。
【0043】(2)フェノール性水酸基のフッ素基への
変換反応には、従来から知られているフッ化水素、ピリ
ジン−(HF)n、フルオロアルキルアミンのYaro
venko試薬、PPDA、4価硫黄化合物のSF4
DASTまたは5価リン化合物のPhPF4 等のフッ素
化剤が適用可能であろうと考えられる。しかしながら、
これらのフッ素化剤をこの変換反応に用いられた例は見
当たらず、また、これらのフッ素化剤を用いたとして
も、前記の問題点はこの反応でも同様である。本発明の
フッ素化剤は、フェノール性水酸基のフッ素化反応に好
適に用いることができる。また、チオフェノ−ルのフッ
素化反応も可能である。しかし、この反応では、スルフ
ィド又はジスルフィド化合物の副生を伴う傾向がある。
また、このフェノール性水酸基のフッ素化反応により、
芳香環に位置選択的にフッ素原子を導入し芳香族フッ素
化合物を製造できる。その反応方法は次のようである。
【0044】すなわち、一般式(9):
【化67】 (式中、Q、Y1 、bおよびcは前記の通りである。)
で表されるフェノ−ル類またはチオフェノ−ル類化合物
を、本発明のフッ素化剤と反応させて、一般式(9−
1):
【化68】 (式中、Y1 、bおよびcは一般式(9)の場合と同じ
である)で表されるフェノ−ル類フッ素化合物を製造す
る。
【0045】フッ素化されるフェノール性化合物として
は、同芳香環に少なくとも1個以上の吸電子性置換基
(例えば、−NO2 ,−CN,−CF3 ,−CHO,−
COOH,−CO−等)を有するものである。好ましい
例としては、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノ
ール、o−シアノフェノール、、p−シアノフェノー
ル、p−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド、o−ヒドロキ
シ−ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシ−トリフルオロ
メチルベンゼン、o−ヒドロキシ−トリフルオロメチル
ベンゼン、4,4’−ジ−ヒドロキシ−ベンゾフェノ
ン、p−ヒドロキシ−安息香酸、o−ニトロチオフェノ
−ル、p−ニトロチオフェノ−ル等が挙げられる。しか
し、これらに限定されるものではない。これらの一般式
(9)で表されるフェノール類またはチオフェノール類
から対応する一般式(9−1)で表されるフッ素化合物
が得られる。
【0046】フッ素化剤の使用量は、フェノールの水酸
基に対して通常1当量以上あればよい。反応で発生する
フッ化水素は、三級アミン等の塩基を使用して捕捉する
ことができる。反応溶媒は、フッ素化剤及び、フェノー
ルがフッ素化されて生成するフッ素化合物が反応しない
溶媒であれば特に制限はないが、好ましくはアセトニト
リル、ジクロロメタン、エチレンジクロリド、ジメチル
ホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン等である。反応温度は、反応溶媒およびフェノール類
の水酸基の反応性によって左右されるが、反応速度とテ
トラアルキル−フルオロホルムアミジウム=フルオリド
の安定性の面から、好ましくは0℃〜150℃、特に好
ましくは20℃〜110℃の範囲である。反応により生
成したフッ素化合物は、蒸留等により反応混合物から容
易に取り出すことができる。
【0047】(3)ホルミル基の酸素のフッ素基への直
接的な変換もまた、フッ素化合物の合成法の中で有用な
方法である。前記公知フッ素化剤の中、ホルミル基やケ
トンのカルボニル基の直接のフッ素化反応についてはS
4 及びDASTが用いられている例がある。しかしな
がら、これらのフッ素化剤は前述したような理由から、
その使用に制限が大きいために十分であるとは言い難
い。本発明のフッ素化剤によりケトン類のフッ素化が、
効果的に達成できる。その方法は以下の通りである。
【0048】すなわち、一般式(10):
【化69】 (式中、R12は置換または無置換の、飽和または不飽和
のアルキル基または、置換または無置換のアリ−ル基を
表す。)で表されるアルデヒド基を有する化合物と本発
明のフッ素化剤を反応させて一般式(10−1):
【化70】 (式中、R12は一般式(10)の場合と同じである)で
表されるフッ素化合物を製造する。このように、本発明
のフッ素化剤を使用して、ホルミル基の酸素の直接的フ
ッ素化が効果的に達成できる。
【0049】ホルミル基がフッ素化される化合物として
は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイ
ン、メタクロレイン、プロピオンアルデヒド、ブチルア
ルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、
イソバレルアルデヒド、ヘキサアルデヒド、ヘプトアル
デヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシ
ルアルデヒド等の脂肪族アルデヒド;ベンズアルデヒ
ド、p−ニトロベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、
フタルアルデヒド等の芳香族アルデヒド;シクロヘキサ
ンカルボキシアルデヒド等の脂環式アルデヒド;1−ナ
フトアルデヒド、ニコチンアルデヒド、フルフラール等
の複素環式アルデヒド等が挙げられる。しかし、これら
に限定されるものではない。これらのアルデヒド類に対
応する一般式(10−1)で表されるフッ素化合物が得
られる。
【0050】フッ素化剤の使用量はホルミル基に対して
1当量以上が好ましい。反応溶媒は、フッ素化剤及び、
ホルミル基を有する化合物および反応生成物と反応しな
い溶媒であれば特に制限はないが、好ましくはアセトニ
トリル、ジクロロメタン、クロロホルム、エチレンジク
ロリド、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、N−メチルピロリジノン、ジメ
チルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン等である。反応温度は、好ましくは0〜150
℃、特に好ましくは20℃〜110℃の範囲である。反
応により生成したフッ素化合物は、蒸留等により反応混
合物から容易に取り出すことができ、またビス−ジアル
キルアミノ−ジフルオロメタンは反応終了後には、テト
ラアルキルウレアとして回収可能である。
【0051】(4)ケトンの酸素のフッ素への直接的な
変換は、その方法が効果的なものであれば、フッ素化合
物の製造の中でも有用な方法である。すなわち、一般式
(11):
【化71】 (式中、R13およびR14は前記の通りである。)で表さ
れるケトン基を有する化合物を本発明のフッ素化剤と反
応させて一般式(11−1):
【化72】 (式中、R13およびR14は、前記一般式(11−1)の
場合と同じである)で表で表されるフッ素化合物を得る
ことができる。
【0052】フッ素化反応に用いられるケトン類として
は、分子中にケトンを有する化合物であればよい。例え
ば、アリールケトン類、アルキルケトン類等である。し
かし、これらに限定されるものではない。フッ素化剤と
してのビス−ジアルキルアミノ−ジフルオロメタンの使
用量は、ケトンに対して1当量以上あればよい。反応溶
媒は、フッ素化剤及びケトン類、及び反応生成物と反応
しない溶媒であれば特に制限はない。好ましくはアセト
ニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、エチレンジ
クロリド、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、N−メチルピロリジノン、ジ
メチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン等である。 反応により生成したフッ素化合物
は、蒸留等により反応混合物から容易に取り出すことが
でき、また使用したフッ素化剤は反応終了後には、対応
するウレアとして回収可能である。
【0053】(5)ケトン類化合物であるベンゾフェノ
ンのフッ素化反応で製造されるフッ素置換ベンゾフェノ
ンは、耐熱性、電気絶縁性、擢動性、耐薬品性等に優れ
るスーパーエンジニアリングプスチックであるポリエー
テルエーテルケトンを始めとするポリエーテルケトン類
の原料として一般的に使用される。また、難燃剤、鎮痛
剤、血小板凝結防止剤、血栓症防止剤又はその中間体と
しても使用され、農医薬として有用な化合物である。本
発明のフッ素化剤を用いることにより、下記式(1
5):
【化73】 (式中、mおよびnは、0または1〜5の整数であり、
ともに0ではない。)で表されるハイドロキシベンゾフ
ェノンのハイドロオキシ基を直接フッ素化して下記式
(16):
【化74】 (式中、mおよびnは、前記の通りである)で表される
フッ素置換ベンゾフェノンが得られる。
【0054】この方法で用いるハイドロオキシ基置換ベ
ンゾフェノンは、2−ハイドロオキシベンゾフェノン、
4−ハイドロオキシベンゾフェノン、及びフェニル基が
2−ハイドロオキシフェニル基、4−ハイドロオキシフ
ェニル基、2,4−ジハイドロオキシフェニル基、2,
6−ジハイドロオキシフェニル基、2,4,6−トリハ
イドロオキシフェニル基の内から任意の2つのフェニル
基を選んだベンゾフェノンである。
【0055】フッ素化剤の使用量は、ハイドロオキシ基
に対して好ましくは1当量以上でよい。但し、反応効率
を考えると1〜10当量が望ましい。1当量未満では未
反応のハイドロオキシ基が残存する。反応溶媒は、フッ
素化剤及びハイドロオキシ基置換ベンゾフェノン化合
物、及び反応生成物であるフッ素置換ベンゾフェノン化
合物と反応しない溶媒であれば特に制限はないが、好ま
しくはアセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホル
ム、エチレンジクロリド、グライム、ジグライム、N−
メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等である。反
応温度は、好ましくは0〜150℃、特に好ましくは2
0℃〜110℃の範囲である。0℃未満の温度では、反
応速度が遅くなり、又操作が煩雑となる。150℃を超
えるとフッ素化剤の安定性が下がり、又ケトン基がジフ
ルオロ化した副生成物が生じやすくなる。しかし、ビス
−フッ素置換フェニル−ジフルオロメタンは加水分解に
より容易にフッ素置換ベンゾフェノンへ戻すことができ
る。反応により生成したフッ素化合物は、蒸留や抽出操
作等により反応混合物から容易に取り出すことが出来、
又、使用したフッ素化剤は反応終了後には、対応するウ
レアとして回収可能である。
【0056】(6)従来、カルボン酸からカルボン酸フ
ルオリドへの変換反応に用いられるフッ素化試剤として
は、4価硫黄化合物であるSF4 や三フッ化ジエチルア
ミノ硫黄(以下、DASTと略記する)が用いられてい
た。SF4 は、カルボキシ基を直接トリフルオロメチル
基にまで変換できるが、この変換反応は加圧下高温を要
すること、最適条件の選択が微妙であること、収率が必
ずしも高くないこと等の欠点がある〔Org.Reac
t.,21,1(1974)〕。また、SF4 自身毒
性、腐食性を有しており、反応時における爆発の危険性
等の問題点もある。さらにDASTはカルボキシル基を
効率的にフッ素化してカルボン酸フルオリドを与えるの
みならず、第一、第二および第三級アルコールの水酸
基、カルボニル基等の酸素含有官能基のフッ素化試剤と
し有用ではあるが、特殊な製造設備が必要なこと、DA
STが高価であること、爆発の危険性が高い等の問題点
がある。本発明のフッ素化剤を用いればこれらの問題点
はなく、カルボン酸のフッ素化反応が可能である。得ら
れる含フツ素化合物は医薬および農薬等のライフサイエ
ンスの分野において、または機能材料物質として近年、
非常に注目を集めている化合物である。
【0057】本発明のフッ素化剤を用いるカルボン酸フ
ルオリドの製造は次のようである。すなわち、一般式
(12):
【化75】 (式中、R15は前記の通りである。)で表されるカルボ
ン酸基を有する化合物を本発明のフッ素化剤と反応させ
て一般式(12−1):
【化76】 (式中、R15は前記の通りである。)で表される酸フル
オリド類を製造する。
【0058】フッ素化反応に用いるカルボン酸類は、例
えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソブタ
ン酸、ペンタン酸、3−メチルブタン酸、ビバリン酸、
ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、フェニル酢酸、ジフェニル酢酸、アセト酢
酸、フェニルプロピオン酸、ケイ皮酸、シュウ酸、マロ
ン酸、コハク酸、メチルコハク酸、1,5−ペンタンジ
カルボン酸、アジピン酸、1,7−ヘプタンジカルボン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、エイコサン二酸等の脂肪族モノカルボン酸および
ジカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸、1−メチル
−1−シクロヘキサンカルボン酸、2−メチル−1−シ
クロヘキサンカルボン酸、3−メチル−1−シクロヘキ
サンカルボン酸、1,3−ジシクロヘキサンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式モ
ノカルボン酸およびジカルボン酸;安息香酸、o−トル
イル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、4−イソプ
ロピル安息香酸、4−tert−ブチル安息香酸、o−
メトキシ安息香酸、m−メトキシ安息香酸、p−メトキ
シ安息香酸、ジメトキシ安息香酸、トリメトキシ安息香
酸、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニ
トロ安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸
等の芳香族モノカルボン酸およびジカルボン酸;インド
ール−2−カルボン酸、インドール−3−カルボン酸、
ニコチン酸等の複素環式カルボン酸等が挙げられる。し
かし、これらに限定されるものではない。これらのカル
ボン酸類からそれぞれ対応する一般式(12−1)で表
される酸フルオリド類が得られる。
【0059】フッ素化剤の使用量は、カルボキシル基に
対して、通常、1当量以上あればよい。反応は、通常、
反応溶媒中で行われ、用いられる反応溶媒は、使用する
フッ素化剤、及び生成するカルボン酸フルオリドが反応
しない溶媒であれば特に制限はないが、好ましくはアセ
トニトリル、ジクロロメタン、エチレンジクロリド、ジ
メチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン等である。反応温度は、反応溶媒およびカルボ
キシル基の反応性によって左右されるが、反応速度、副
生成物の生成を抑制するために、好ましくは−40℃〜
100℃、特に好ましくは−20℃〜80℃の範囲であ
る。反応により生成したカルボン酸フルオリドは、蒸留
等により反応混合物から容易に取り出すことができる。
【0060】(7)ハロゲン交換反応によるフッ素化 金属フッ素化物を使用して、フッ素以外のハロゲン化物
から、ハロゲン交換反応によりフッ素化合物を合成する
方法は古くから行われている方法である。他にもテトラ
ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)やTBAF
・HF、70%HF−ピリジン、トリス(ジメチルアミ
ノ)スルホニウム−ジフルオロトリメチルシリケ−ト
(TASF)等が使用されている。但し、TBAFは吸
湿性であることや高温で分解するので注意が必要であ
る。また、TASFは高価であること等の問題がある。
本発明のフッ素化剤を使用することにより、ハロゲン交
換反応によるフッ素化物の合成を効果的に行うことがで
きる。この反応は、ハロゲン基含有化合物のハロゲン基
を本発明のフッ素化剤を用いてフッ素基に交換する方法
である。フッ素化反応の対象となる化合物は、ハロゲン
基がフッ素以外のハロゲン基を有するものであれば、脂
肪族または芳香族化合物のいずれでもよい。但し、芳香
環に直接結合したハロゲン基を本発明のフッ素化剤でフ
ッ素化する場合は、少なくとも1個以上の吸電子性の置
換基(例えばニトロ基、カルボニル基、シアノ基、トリ
フルオロメチル基、カルボキシ基等である)が同芳香環
に直接結合している方が効率的である。
【0061】この交換反応の好ましい例は、一般式(1
3):
【化77】 (式中、X1 はフッ素以外のハロゲン原子を表し、dは
1〜5の整数であり、またY1 は電子吸引性の置換基を
表し、bは1〜5の整数であり、b+d≦6である。)
で表されるフッ素以外のハロゲン原子を有する芳香族化
合物を本発明のフッ素化剤と反応させて一般式(13−
1):
【化78】 (式中、Y1 、bおよびdは、一般式(13)の場合と
同じである)で表されるフッ素化合物を製造する方法で
ある。
【0062】ハロゲン基がフッ素基に置換される化合物
としては、2,4−ジニトロクロルベンゼン、4−クロ
ルニトロベンゼン、2−クロルニトロベンゼン、2,
3,4,5,6−ヘプタクロル−ニトロベンゼン、3,
4,5,6−テトラクロル−無水フタル酸、3,4,
5,6−テトラクロル−フタル酸クロライド、4,4’
−ジクロル−3、3’−ジニトロベンゾフェノン、4−
クロル−トリフルオロメチルベンゼン、4−クロル−シ
アノベンゼン、4−ブロム−ベンズアルデヒド等があげ
られるが。しかし、これらに限定されるものではない。
これらのフッ素化合物にそれぞれ対応する一般式(13
−1)で表されるフッ素化合物が得られる。
【0063】フッ素化剤の使用量は、フッ素に交換使用
とするハロゲン基に対して1当量以上が好ましく、特に
好ましくは、1〜10等量である。反応溶媒は、フッ素
化剤及び、ハロゲン基を有する化合物および反応生成物
と反応しない溶媒であれば特に制限はないが、好ましく
は、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、
エチレンジクロリド、1,2−ジメトキシエタン、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、N−メチルピロリ
ジノン、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン等である。反応温度は、好ましく
は、0〜150℃、特に好ましくは、20℃〜110℃
の範囲である。反応により生成したフッ素化合物は、蒸
留等により反応混合物から容易に取り出すことができ、
またフッ素化剤は加水分解後に対応するウレアとして回
収可能である。
【0064】(8)本発明のフッ素化剤は、フッ素含有
オレフィンの製造に好ましく利用できる。すなわち、一
般式(1)で表されるフッ素化剤と、一般式(24)
【化79】 (式中、R15〜R17は、水素原子または炭素原子数1〜
3の低級アルキル基を示し、互いに同一でも、異なって
いてもよい。また、Xは
【化80】 を示す。これらの基中、Yは、−CH2−基を示し、n
は0または1〜5の整数である)で表されるオレフィン
類とを反応させることを特徴とする、
【0065】一般式(25)
【化81】 (式中、R15〜R17は、水素原子または炭素原子数1〜
3の低級アルキル基を示し、互いに同一でも、異なって
いてもよい。また、Zは
【化82】 これらの基中、Yは、−CH2−基を示し、nは0また
は1〜5の整数である)で表されるフッ素含有オレフィ
ン類の製造できる。
【0066】使用するオレフィン類は、とくに制限はな
いが、次があげられる。すなわち、分子末端にアルデヒ
ド基を有するオレフィン類(一般式19)、分子末端に
ヒドロキシメチレン基を有するオレフィン類(一般式2
0または21)である。
【化83】
【化84】
【化85】 (式中、R15〜R17およびYは、前記のとおりである)
【0067】これらのオレフィン類は、それぞれ−CH
O基が−CHF2基に、また−CH2OH基が−CH2
にフッ素化されて、それぞれ対応する前記一般式(1
9)、(20)または(21)に対応するフッ素含有オ
レフィン類が得られる。一般式(1)で表されるフッ素
化剤と一般式(19)で表されるアルデヒド基を有する
オレフィン類のフッ素化反応を行う場合、ビス−ジアル
キルアミノ−ジフルオロメタンの使用量は、アルデヒド
基に対して1当量以上が好ましい。また、一般式(2
0)または一般式(21)で表される水酸基を有するオ
レフィン類のフッ素化反応を行う場合には、ビス−ジア
ルキルアミノ−ジフルオロメタンの使用量は、水酸基に
対して1当量以上が好ましい。反応溶媒としては、ビス
−ジアルキルアミノ−ジフルオロメタン及びアルデヒド
基を有するオレフィン類または水酸基を有するオレフィ
ン類と反応しない無反応性の溶媒であれば特に制限はな
い。好ましくは、アセトニトリル、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、エチレンジクロリド、グライム、ジグライ
ム、N−メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミドお
よび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等であ
る。反応溶媒の量は、特に限定されるものではないが、
反応効率及び操作性から、好ましくは、反応基質に対し
て1から10重量倍である。
【0068】反応に際しては、好ましくは、三級アミン
のような塩基を生成するフッ化水素酸の捕捉剤とした用
いるのが好ましい。反応温度に特に制限はないが、アル
デヒド基を有するオレフィン類の場合、反応速度と生成
物の安定性の面からして、好ましくは0〜150℃、特
に好ましくは20〜110℃の範囲である。水酸基を有
するオレフィン類の場合は好ましくは−40〜100
℃、特に好ましくは−20〜80℃の範囲である。但
し、フッ化水素酸の脱離が競争反応となる場合にはでき
るだけ低温で反応を行う方が望ましい。反応により生成
したフッ素化合物は、蒸留等により反応混合物から容易
に取り除くことができ、またビス−ジアルキルアミノ−
ジフルオロメタンは反応終了後には、テトラアルキルウ
レアとして回収可能である。
【0069】(9)また、本発明のフッ素化剤は、ポリ
イミドのモノマーとして有用なフッ素含有ジアミノベン
ゾフェノンやフッ素含有ジアミノジフェニルメタンの製
造のためのフッ素化剤として利用できる。すなわち、工
業的に入手容易な3,3’−ジニトロ−4,4’−ジク
ロロベンゾフェノンを原料として、下記の化合物を製造
可能である。
【化86】 本発明のフッ素化剤を使用することによつて、フッ素化
の条件を所望のフッ素化化合物の製造に適した条件を採
用して製造できる。
【0070】上記に示すように(a)の3,3’−ジニ
トロ−4,4’−ジクロロベンゾフェノンを原料とし
て、4−クロロ−4’−フルオロ−3,3’−ジニトロ
ベンゾフェノン(b)、ビス(3−ニトロ−4−クロロ
フェニル)ジフルオロメタン(c)、3,3’−ジニト
ロ−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(d)、4−
クロロ−4’−フルオロ−3,3’−ジニトロベジフル
オロメタン(e)、ビス(3−ニトロ−4−フルオロフ
ェニル)ジフルオロメタンが得られる。3,3’−ジニ
トロ−4,4’−ジクロロベンゾフェノンに対するフッ
素化剤の使用モル比を高くするにしたがって、置換フッ
素基数の多い化合物を得ることができる。また、フッ素
基数の少ないフッ素化合物を製造し、さらにこの化合物
にフッ素化剤を反応させて、フッ素基数の多いフッ素化
合物を製造することもできる。
【0071】例えば、原料化合物(a)に対して、フッ
素化剤を2当量以上用いるとフッ素化合物(f)を製造
できる。この反応は、前記(4)のケトンの酸素のフッ
素への直接変換、および前記(7)の芳香環に置換した
ハロゲンの交換反応によるフッ素化反応が、本願発明の
フッ素化剤により容易に進行することを示すものであ
り、反応溶媒、反応温度やその他の条件は前記(4)お
よび(7)の反応条件に準じる。この(8)に記載の反
応は、本発明のフッ素化剤がケトン基やハロゲンを有す
る化合物のフッ素化剤として、好ましい利用態様の一つ
である。
【0072】以下、実施例により本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例1中のアセトニトリル溶液中の2,2−ジフ
ルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリジン(以下DFI
と略す)濃度はDFIをアニリンと反応させて誘導体化
した後、高速液体クロマトグラフィー法(以下HPLC
法と略す)によって測定した。また、フッ素イオン(以
下F− と略す)の濃度測定はアリザリンコンプレキソ
ン試薬を用いる吸光光度分析法によって行った。
【0073】実施例1 2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチル−イミダゾリジ
ン(DFI)の合成 2−クロロ−1,3−ジメチル−イミダゾリニウム=ク
ロリドの76.4g(0.452mol)とスプレード
ライ品のフッ化カリウム105.2g(1.810mo
l)とアセトニトリル320mlを500ml四つ口反
応フラスコに装入して窒素雰囲気下、80℃にて17時
間反応させた。反応液を25℃まで冷却した後、反応液
から無機塩を分別してDFI(MW.136.15)の
アセトニトリル溶液414.2gを得た。溶液中DFI
濃度11.4%,収率77%。この反応液の減圧蒸留を
行い、DFI 32g(純度 97.8%)を得た。物
性値は以下の通りである。 沸点 47.0℃/37mmHg、EIMS:136
(M+ )、117(M+−F+ )、IR(neat)c
-1:1486,1385,1295,1242,10
85,966,711、F分析:計算値 27.9%、
実測値 27.7%、 1H−NMR(δ,ppm,CD
Cl3 ,TMS基準):2.52(s,6H,−CH3
×2)、3.05(s,4H,−CH2 CH2 −)、1
3C NMR(δ,ppm,CDCl3 ,−45℃,C
DCl3 基準):31.4(s,−CH3 ×2)、4
7.6(s,−CH2 CH2 −)、128.5(t,J
=230Hz,=CF2 )、19F NMR(δ,pp
m,CDCl3 ,−45℃,CFCl3 基準):−7
0.9(s,=CF2 )。 IRスペクトル図を図1に示す。
【0074】実施例2 ビス−ジメチルアミノ−ジフルオロメタン(以後TMF
と略す)の合成 テトラ−メチル−クロロホルムアミジニウム=クロリド
33.32g(0.224mol)のアセトニトリル
(107.82g)溶液に、スプレ−ドライフッ化カリ
ウム(52.06g、0.896mol)およびアセト
ニトリル33.66gを加え、85℃で52時間反応を
行った。この後、反応マスを濾過してTMFのアセトニ
トリル溶液を得た。このアセトニトリル溶液を使用して
TMFの物性を測定した。物性値は以下の通りである。 EIMS:138(M+ )、119(M−F)+ 、F分
析:実測値12.1%、計算値12.4%、 1H−NM
R(δ,ppm,CH3 CN溶媒,CH3 CN基準,2
4℃):2.44(s,−CH3 )、13C NMR
(δ,ppm,CH3 CN溶媒,24℃,DMSO−d
6基準):36.1(s,−CH3 ×4)、128.6
(t,=CF2 )。
【0075】実施例3 ビス−ジ−n−ブチルアミノ−ジフルオロメタン(以後
TBFと略す)の合成テトラ−n−ブチル−クロロホル
ムアミジニウム=クロリド74.36g(0.2129
mol)のアセトニトリル(181.45g)溶液に、
スプレ−ドライフッ化カリウム(50.92g,0.8
864mol)およびアセトニトリル7.86gを加
え、85℃で35時間反応を行った。この後、反応マス
を濾過ししたところ、得られた濾液は二層に分離した。
濾液の二層を合わせて減圧蒸留によりアセトニトリルを
留去してTBFを蒸留釜残として得た。この釜残につい
て物性を測定した。物性値は以下の通りである。 EIMS:306(M+ )、287(M−F)+ 、F分
析:実測値12.1%、計算値12.4%、 1H−NM
R(δ,ppm,溶媒希釈なし,CH3 CN基準,24
℃):1.04(tj=〜8Hz,CH 2 CH3 ),
1.41(m,j=〜8Hz,CH 2 CH2 CH3
1.59(quint.,j=〜8Hz,CH 2 CH2
CH2 ,2.92(t、j=〜8Hz,NCH2
2 ),、13CNMR(δ,ppm,溶媒希釈なし,
24℃,DMSO−d6基準):12.8(CH 2 CH
3 ),19.6(CH 2 CH2 CH3 ),30.2(C
2 CH 2 CH2 )、46.3(NCH2 CH2 )、1
28.2(t,j=248Hz,CF2 )。
【0076】実施例4 2,2−ジフルオロ−1,3−ジ−n−ブチルイミダゾ
リジン(以後DFBと略す)の合成 2−クロロ−1,3−ジ−n−ブチル−イミダゾリジニ
ウム=クロリド51.7g(純度90%,0.184m
ol)とアセトニトリル174gとスプレ−ドライフッ
化カリウム64.3g(1.11mol)を反応容器に
入れて、窒素微加圧化で、85℃で25時間反応を行っ
た。冷却後、反応マスを濾過してDBFのアセトニトリ
ル溶液を得た。これを使用して物性を測定した。物性値
は以下の通りである。1 H−NMR(δ,ppm,CDCl3 ,TMS基準,
25℃):0.93(tj=〜8Hz,CH 2 CH
3 )、1.40(m,j=〜8Hz,CH 2 CH2
3 )1.56(quint.,j=〜8Hz,CH 2
CH2 CH2.)、2.95(t,j=〜8H,NCH2
CH2 ),3.24(S、NCH 2 CH2 N)、13C
NMR(δ,ppm,CDCl3 ,−65℃,CDC
3 基準):13.4(S,CH 2 CH3 ),19.4
(S,CH 2 CH2 CH3 )、29.1(S, CH 2
2 CH2 )、45.1(S, CH2 CH2
2 )、45.5(S, NCH 2 CH2 N)、128.
9(t, j=228Hz, CF2 ).
【0077】実施例5 ベンゾイルフルオリドの合成 実施例1と同様に行って得たDFIの11.4%アセト
ニトリル溶液23.89g(0.02mol)と安息香
酸2.44g(0.02mol)とアセトニトリル8m
lを反応容器に入れ、窒素雰囲気下、25℃、4時間反
応させた。反応終了後、反応液の一部を取りGC−MS
測定を行ったところ安息香酸フルオリドの生成(親イオ
ン、124)を確認した。また、GC分析の結果反応収
率は98%であった。
【0078】実施例6 ベンジルフルオリドの合成 実施例1と同様に行って得たDFIの11.4%アセト
ニトリル溶液1.783g(1.50mmol)とベン
ジルアルコール0.162g(1.50mmol)とア
セトニトリル6mlを反応容器にいれ、窒素雰囲気下、
25℃、4時間反応させた。反応終了後、反応液のGC
−MS測定によりベンジルフルオリドの生成(親イオ
ン、110)を確認した。また、GC分析により反応収
率は83%であった。
【0079】比較例1 ベンジルフルオリドの合成 WO96/04297号公報に記載されている製造法に
従って得た、2−フルオロ−1,3−ジメチル−イミダ
ゾリニウム=ヘキサフルオロホスフェート0.40g
(1.5mmol)とベンジルアルコール0.162g
(1.5mmol)とアセトニトリル6mlを反応器に
装入して窒素雰囲気下、25℃で4時間反応を行った。
このあと反応液のGC分析を行ったところ、ベンジルフ
ルオリドは不検出であった。
【0080】実施例7 n−オクチルフルオリドの合成 実施例1と同様に行って得たDFIの11.4%アセト
ニトリル溶液、1.79g(1.50mmol)とn−
オクチルアルコール0.195g(1.50mmol)
とアセトニトリル、4mlを反応容器に入れ、窒素雰囲
気下、25℃、4時間反応させた。反応終了後、反応液
のGC−MS測定により、n−オクチルフルオリドの生
成(親イオン,132)を確認した。反応収率は80%
であった。
【0081】実施例8 n−オクチルフルオリドの合成 実施例2で合成したTMFの17.56%アセトニトリ
ル溶液、4.15g(5.29mmol)とn−オクチ
ルアルコール0.275g(2.55mmol)とアセ
トニトリル、を反応容器に入れ、窒素雰囲気下、25
℃、4時間反応させた。反応終了後、反応液のGC−M
S測定により、n−オクチルフルオリドの生成(親イオ
ン,132)を確認した。GC分析による反応収率は9
6%であった。
【0082】実施例9 n−オクチルフルオリドの合成 実施例3で合成したTBF,0.9g(純度91%,
2.9mmol)とn−オクチルアルコール0.15g
(1.15mmol)とアセトニトリル,6mlを反応
容器に入れ、窒素雰囲気下、25℃、4時間反応させ
た。反応終了後、反応液のGC−MS測定により、n−
オクチルフルオリドの生成(親イオン,132)を確認
した。GC分析による反応収率は98.2%であった。
【0083】実施例10 n−オクチルフルオリドの合成 実施例4で合成したDFB,1.61g(純度13%,
0.77mmol)とn−オクチルアルコール0.12
g(0.77mmol)とアセトニトリル,2mlを反
応容器に入れ、窒素雰囲気下、25℃、1時間反応させ
た。反応終了後、反応液のGC−MS測定により、n−
オクチルフルオリドの生成(親イオン,132)を確認
した。GC分析による反応収率は90%であった。
【0084】比較例2 n−オクチルフルオリドの合成 WO96/04297号公報に記載されている製造法に
従って得た、2−フルオロ−1,3−ジメチル−イミダ
ゾリニウム=ヘキサフルオロホスフェート0.40g
(1.5mmol)とn−オクチルアルコール0.19
5g(1.5mmol)とアセトニトリル6mlを反応
器に装入して窒素雰囲気下、25℃で4時間反応を行っ
た。このあと反応液のGC分析を行ったところ、n−オ
クチルフルオリドは不検出であった。
【0085】実施例11 t−アミルフルオリドの合成 実施例1と同様に行って得たDFI の11.4%アセ
トニトリル溶液、7.74g(6.48mmol)とt
−アミルアルコール0.285g(3.24mmol)
を反応容器に入れ、窒素雰囲気下、25℃、1時間反応
させた。反応終了後、反応液のGC−MS測定により、
t−アミルフルオリドの生成(親イオン,90)を確認
した。反応収率は62%であった。
【0086】実施例12 1,3−ジフルオロブタンの合成 実施例1と同様に行って得たDFIの11.4%アセト
ニトリル溶液、7.74g(6.48mmol)と1,
3−ブタンジオ−ル0.29g(3.24mmol)を
反応容器に入れ、窒素雰囲気下、25℃、1時間反応さ
せた。反応終了後、反応液のGC−MS測定により、
1,3−ジフルオロブタンの生成(親イオン−H,9
3)を確認した。GC分析値から、反応収率は61%で
あった。
【0087】実施例13 ジフルオロジフェニルメタンの合成 実施例1と同様に行って得たDFIの2.43g(1
7.8mmol)とベンゾフェノンの1.63g(8.
9mol)とアセトニトリル20mlを反応容器に入
れ、窒素雰囲気下、84℃、28時間反応させた。反応
終了後、反応液のGC−MS測定によりジフルオロジフ
ェニルメタンの生成(親イオン、204,ベースピーク
127)を確認した。また、GC分析値から反応収率は
45%であった。
【0088】実施例14 1,1−ジフルオロヘキサン及び、1−フルオロ−1−
シクロヘキセンの合成実施例1と同様に行って得たDF
Iの1.99g(11.7mmol)とシクロヘキサノ
ンの0.85g(8.6mmol)と1 ,2 −ジメ
トキシエタンの8.5g、及び25%発煙硫酸の0.1
5gを反応容器に入れ、窒素雰囲気下、20〜25℃、
96時間反応させた。反応終了後、反応液のGC−MS
測定により、1 ,1 −ジフルオロヘキサン(親イオ
ン、120)の生成と1−フルオロ−1−シクロヘキセ
ン(親イオン、100)の生成を確認した。また、GC
分析によりそれぞれの反応収率は1,1−ジフルオロヘ
キサン(15%)、1−フルオロ−1−シクロヘキセン
(77%)であった。
【0089】実施例15 4,4’−ジクロロ−ジフルオロジフェニルメタンの合
成 実施例1と同様に行って得たDFIのアセトニトリル溶
液12.2g(DFI,10.2mmol)と4,4’
−ジクロロ−ベンゾフェノン1.26g(5.04mm
ol)を反応容器に入れて84℃で24時間反応させ
た。反応終了後、反応液のGC−MS測定により、4,
4’−ジクロロ−ジフルオロジフェニルメタン(親イオ
ン、272)の生成を確認した。また、GC分析より
4,4 ’−ジクロロ−ジフルオロジフェニルメタンの
反応収率は90%であった。
【0090】実施例16 α,α−ジフルオロトルエンの合成 実施例1と同様に行って得たDFI2.43g(17.
8mmol)とベンズアルデヒド0.93g(8.8m
mol)とアセトニトリル25mlを反応容器に入れ、
窒素雰囲気下、80℃、8時間反応させた。反応終了
後、反応液のGC−MS測定によりα,α−ジフルオロ
トルエンの生成(親イオン、128)を確認した。ま
た、GC分析値から反応収率は80%であった。
【0091】実施例17 4,4’−ジフルオロベンゾフェノンの合成 実施例1と同様に行って得たDFI4.08g(30.
00mmol)と4,4’−ジハイドロオキシベンゾフ
ェノン1.07g(5.00mmol)とアセトニトリ
ル50mlを反応容器に入れ、窒素雰囲気下、84℃、
2時間反応させた。反応終了後、反応液のGC−MS測
定により4,4’−ジフルオロベンゾフェノンの生成
(親イオン、218,ベースピーク123)を確認し
た。又、GC分析値から反応収率は20%であった。
【0092】実施例18 メタリルフルオリドの合成 実施例1と同様に行って得たDFIの11.4%アセト
ニトリル溶液1.783g(1.50mmol)とメタ
リルアルコール0.108g(1.50mmol)とア
セトニトリル6mlを反応容器に入れ、窒素雰囲気下、
25℃、4時間反応させた。反応終了後、反応液のGC
−MS測定によりメタリルフルオリドの生成(親イオ
ン、74)を碓認した。また、GC分析により反応収率
は95%であった。
【0093】実施例19 シクロヘキシルフルオリドの合成 実施例1と同様に行って得たDFIの11.4%アセト
ニトリル溶液1.783g(1.50mmol)とシク
ロヘキサノール0.150g(1.50mmol)とア
セトニトリル6mlを反応容器に入れ、窒素雰囲気下、
25℃4時間反応させた。反応終了後、反応液のGC−
MS測定によりシクロヘキシルフルオリド(親イオン、
102)およびシクロヘキセン(親イオン、82)の生
成を確認した。また、GC分析により反応収率はシクロ
ヘキシルフルオリド10%、シクロヘキセン90%であ
った。
【0094】実施例20 イソプロピルフルオリドの合成 実施例1と同様に行って得たDFIの11.4%アセト
ニトリル溶液1.783g(1.50mmol)とイソ
プロピルアルコール0.09g(1.50mmol)と
アセトニトリル6mlを反応容器に入れ、窒素雰囲気
下、25℃、4時間反応させた。反応終了後、反応液の
GC−MS測定によりイソプロピルフルオリド(親イオ
ン、62)およびプロピレン(親イオン、42)の生成
を確認した。また、GC分析により反応収率はイソプロ
ピルフルオリド80%、プロピレン20%であった。
【0095】実施例21 p−フルオロニトロベンゼンの合成 DFIの13.6%アセトニトリル溶液41.g(4
0.8mmol)とp−ニトロフェノール2.84g
(20.4mmol)とトリエチルアミン2.03g
(20.1mmol)を反応容器に入れ、窒素雰囲気
下、84℃で15時間反応させた。反応終了後、反応液
のGC−MS測定によりp−フルオロニトロベンゼンの
生成(親イオン、141)を確認した。また、GC分析
により反応収率は60%であった。
【0096】実施例22 p−フルオロニトロベンゼンの合成 DFIの10.7%アセトニトリル溶液20.00g
(16.0mmol)とp−ニトロチオフェノール1.
256g(8.10mmol)を反応容器に入れ、窒素
雰囲気下、84℃で16時間反応させた。反応終了後、
反応マスを飽和重曹水20mlに排出してDFIを加水
分解した後、concHClでPH2以下として、ジク
ロルメタン50mlで抽出した。この抽出液のGC−M
S測定によりp−フルオロニトロベンゼンの生成(親イ
オン、141)を確認した。また、GC分析によりp−
フルオロニトロベンゼンの生成率率は20%であった。
【0097】実施例23 4,4’−ジクロロ−3,3’−ジニトロベンゾフェノ
ン 2.39g(7.01mmol)とDFI1.91
g(14.00mmol)とアセトニトリル20mlを
反応容器に入れ、窒素雰囲気下、84℃、8時間反応さ
せた。反応終了後、反応液のGC−MS測定によりビス
(4−クロロ−3−ニトロフェニル)ジフルオロメタン
の生成(親イオン362、ベースピーク362)及びG
C分析値から反応収率は4.0%、4−クロロ−3−ニ
トロフェニル−4’−フルオロ−3’−ニトロフェニル
ジフルオロメタンの生成(親イオン346、ベースピー
ク346)及びGC分析値から反応収率は8.1%、ビ
ス(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)ジフルオロメ
タンの生成(親イオン330、ベースピーク330)及
びGC分析値から反応収率は1.4%、4−クロロ−
4’−フルオロ−3,3’−ジニトロベンゾフェノンの
生成(親イオン324、ベースピーク168)及びGC
分析値から反応収率は30.5%、4,4’−ジフルオ
ロ−3,3’−ジニトロベンゾフェノンの生成(親イオ
ン308、ベースピーク168)及びGC分析値から反
応収率は4.1%を確認した。
【0098】実施例24 4,4’−ジフルオロ−3,3’−ジニトロベンゾフェ
ノンの合成 2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム=クロ
リドの10.45g(61.81mmol)とスプレー
ドライ品の弗化カリウム14.03g(241.48m
mol)とアセトニトリル50mlを100ml四つ口
反応フラスコに装入し、窒素雰囲気下、80℃で20時
間反応させた。その反応マスへ4,4’−ジクロロ−
3,3’−ジニトロベンゾフェノン3.24g(9.5
0mmol)を挿入し、窒素雰囲気下、84℃、20時
間反応させた。反応結果は、4,4’−ジフルオロ−
3,3’−ジニトロベンゾフェノンが主生成物であり、
GC分析値から収率は92.8%であった。
【0099】実施例25 2,4−ジニトロフルオロベンゼンの合成 2,4−ジニトロクロロベンゼン1.64g(8.10
mmol)とDFI2.21g(16.23mmol)
とアセトニトリル25mlを反応容器に入れ、窒素雰囲
気下、84℃、7時間反応させた。反応終了後、反応液
のGC−MS測定により2,4−ジニトロフルオロベン
ゼンの生成(親イオン186、ベースピーク94)を確
認した。又、GC分析値から反応収率は96.0%であ
った。
【0100】実施例26 ペンタクロロニトロベンゼン0.74g(2.50mm
ol)とDFI1.77g(13.00mmol)とア
セトニトリル25mlを反応容器に入れ、窒素雰囲気
下、84℃、2時間反応させた。反応終了後、反応液の
GC−MS測定によりジクロロ−トリフルオロニトロベ
ンゼンの生成(親イオン245、親イオン+2 24
7、親イオン+4 249、ベースピーク245)確認
及びGC分析値から反応収率は28.0%、トリクロロ
−ジフルオロニトロベンゼンの生成(親イオン261、
親イオン+2 263、親イオン+4 265、ベース
ピーク205)確認及びGC分析値から反応収率は1
1.9%、テトラクロロ−フルオロニトロベンゼンの生
成(親イオン277、親イオン+2 279、親イオン
+4 281、親イオン+6 283、ベースピーク2
21)確認及びGC分析値から反応収率は9.0%であ
った。
【0101】実施例27 安息香酸フルオリドの合成 安息香酸クロリド1.41g(10.03mmol)と
DFI1.63g(11.97mmol)とアセトニト
リル25mlを反応容器に入れ、窒素雰囲気下、84
℃、2時間反応させた。反応終了後、反応液のGC−M
S測定により安息香酸フルオリドの生成(親イオン12
4、ベースピーク124)を確認した。又、GC分析値
から反応収率は71.0%であった。
【0102】実施例28 3,3−ジフルオロ−2−メチルプロペンの合成 300ml容のオートクレーブにメタクロレインの1.
70g(24.3mmol)とアセトニトリルの55g
とDFIの6.61g(48.6mmol)とトリエチ
ルアミン10g(99mmol)を仕込み、系内を窒素
で置換した後密閉して、100℃、5時間反応させた。
この間、内圧は1.96×105 Paまで昇圧した。冷
却後、反応マスに少量の水を添加した後、GC測定及
び、GC−MS測定を行った。この結果、3,3−ジフ
ルオロ−2−メチルプロペン(親イオン,92)の生成
90%と未反応メタクロレイン(親イオン,70)10
%を確認した。
【0103】実施例29 3,3−ジフルオロ−プロペンの合成 300ml容のオートクレーブにアクロレインの1.4
0g(25.mmol)とアセトニトリルの55gとD
FIの6.61g(48.6mmol)とトリエチルア
ミン10g(99mmol)を仕込み、系内を窒素で置
換した後密閉して、100℃、5時間反応させた。この
間、内圧は1.96×105 Paまで昇圧した。冷却
後、反応マスに少量の水を添加した後、GC測定及び、
GC−MS測定を行った。この結果、3,3−ジフルオ
ロ−プロペン(親イオン,78)の生成88%と未反応
メタクロレイン(親イオン,56)12%を確認した。
【0104】実施例30 3−フルオロプロペンの合成 DFIの11.%アセトニトリル溶液5g(4.40m
mol)とアリルアルコ−ル0.255g(4.40m
mol)を反応容器に入れ、窒素雰囲気下、25℃,4
時間反応させた。反応終了後に反応液のGC−MS測定
を行い3−フルオロプロペン(親イオン,60)の生成
を確認した。GC測定から、反応収率は98%であっ
た。
【0105】実施例31 2−フルオロエチル−メタクリレートの合成 DFIの9.25%アセトニトリル溶液8g(6.48
mmol)と2−ヒドロキシエチル−メタクリレートの
0.842g(6.48mmol)を反応容器に入れ、
窒素雰囲気下、25℃,2時間反応させた。反応終了後
に反応液のGC−MS測定を行い2−フルオロエチル−
メタクリレート(親イオン,132)の生成を確認し
た。GC測定から、反応収率は94%であった。
【0106】
【発明の効果】本発明のフッ素化剤に係る化合物は、ヒ
ドロキシル基およびカルボキシル基等、酸素含有官能基
を有する化合物に対して、安全で取扱が容易な、高選択
性のフッ素化剤である。また、本発明のフッ素化剤の製
造は、特殊な設備も技術も必要とせず経済的に製造可能
である。本願発明のフッ素化剤は、化合物そのものの製
造が、従来技術の問題点を解消した工業的な方法で製造
可能であり、また有機化合物、特に酸素含有官能基を有
する化合物のフッ素化剤として優れた効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で製造した2,2−ジフルオロ−
1.3−ジメチル−イミダゾリジンのIRスペクトル図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 21/18 C07C 21/18 22/08 22/08 23/10 23/10 25/13 25/13 45/63 45/63 49/813 49/813 51/60 51/60 53/38 53/38 63/10 63/10 67/287 67/287 69/653 69/653 205/12 205/12 209/68 209/68 C07D 233/02 C07D 233/02 (31)優先権主張番号 特願平9−245182 (32)優先日 平成9年9月10日(1997.9.10) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平9−245183 (32)優先日 平成9年9月10日(1997.9.10) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平9−318386 (32)優先日 平成9年11月19日(1997.11.19) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平9−321399 (32)優先日 平成9年11月21日(1997.11.21) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平9−324910 (32)優先日 平成9年11月26日(1997.11.26) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平9−349755 (32)優先日 平成9年12月18日(1997.12.18) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平9−353394 (32)優先日 平成9年12月22日(1997.12.22) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−73930 (32)優先日 平成10年3月23日(1998.3.23) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−116539 (32)優先日 平成10年4月27日(1998.4.27) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−137145 (32)優先日 平成10年5月19日(1998.5.19) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−137146 (32)優先日 平成10年5月19日(1998.5.19) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−138954 (32)優先日 平成10年5月20日(1998.5.20) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−138955 (32)優先日 平成10年5月20日(1998.5.20) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−138956 (32)優先日 平成10年5月20日(1998.5.20) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 高橋 章 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 林 秀俊 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 高野 安広 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 福村 考記 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 永田 輝幸 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AA03 AB81 AC30 AC47 BJ50 BS10 BS30 BS90 EA02 EA21

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、R1 〜R4 は、置換または無置換の飽和または
    不飽和のアルキル基、置換または無置換のアリ−ル基を
    表し、同一でも異なっていてもよい。また、R1
    2 ,R3 とR4 が結合して窒素原子、または窒素原子
    と他のヘテロ原子を含む環を構成してもよい。または、
    1 とR3 が結合して、窒素原子、または窒素原子と他
    のヘテロ原子を含む環を構成してもよい。)で表される
    フッ素化剤。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるフッ素化剤が一
    般式(2): 【化2】 (式中、aは2または3の整数、R5 およびR6 は炭素
    数1〜6の置換又は無置換の飽和または不飽和の低級ア
    ルキル基であり、同一でも異なっていてもよい。)で表
    される請求項1記載のフッ素化剤。
  3. 【請求項3】 一般式(2)で表されるフッ素化剤が、
    式(3): 【化3】 で表される2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチルイミ
    ダゾリジンである請求項2記載のフッ素化剤。
  4. 【請求項4】 一般式(2)で表されるフッ素化剤が、
    式(4): 【化4】 で表される2,2−ジフルオロ−1,3−ジ−n−ブチ
    ルイミダゾリジンである請求項2記載のフッ素化剤。
  5. 【請求項5】 一般式(1)で表されるフッ素化剤が、
    一般式(5): 【化5】 (式中、R7 〜R10が炭素数1〜6の置換または無置換
    の飽和または不飽和の低級アルキル基であり同一でも異
    なっていてもよい。また、R7 とR8 ,R9 とR 10が結
    合して窒素原子、または窒素原子と他のヘテロ原子を含
    む環を構成してもよい。または、R7 とR9 が結合し
    て、窒素原子、または窒素原子と他のヘテロ原子を含む
    環を構成してもよい。)で表される請求項1記載のフッ
    素化剤。
  6. 【請求項6】 一般式(5)で表されるフッ素化剤が、
    式(6): 【化6】 で表されるビス−ジメチルアミノ−ジフルオロメタンで
    ある請求項5記載のフッ素化剤。
  7. 【請求項7】 一般式(5)で表されるフッ素化剤が、
    式(7): 【化7】 で表されるビス−ジ−n−ブチルアミノ−ジフルオロメ
    タンである請求項5記載のフッ素化剤。
  8. 【請求項8】 一般式(8): 【化8】 (式中、R11は置換または無置換のアルキル基を示す。
    またアルキル基の中に不飽和基を含んでいてもよい。)
    で表されるアルコ−ル性水酸基を有する化合物と一般式
    (1)で表される前記フッ素化剤を反応させることを特
    徴とする一般式(8−1): 【化9】 (式中、R11は一般式(8)の場合と同じである。)で
    表されるフッ素化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 一般式(9) 【化10】 (式中、Qは酸素または硫黄原子を表し、cは1〜5の
    整数であり、Y1 は電子吸引性の置換基を表し、bは1
    〜5の整数であり、b+c≦6である。)で表されるフ
    ェノ−ル類またはチオフェノ−ル類化合物と一般式
    (1)で表される前記フッ素化剤を反応させることを特
    徴とする一般式(9−1): 【化11】 (式中、Y1 、bおよびcは一般式(9)の場合と同じ
    である)で表されるフェノ−ル類フッ素化合物の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 一般式(10) 【化12】 (式中、R12は置換または無置換の、飽和または不飽和
    のアルキル基または、置換または無置換のアリ−ル基を
    表す。)で表されるアルデヒド基を有する化合物と一般
    式(1)で表される前記フッ素化剤を反応させることを
    特徴とする一般式(10−1): 【化13】 (式中、R12は一般式(10)の場合と同じである)で
    表されるフッ素化合物の製造方法。
  11. 【請求項11】 一般式(11) 【化14】 (式中、R13およびR14は同一または異なって、置換ま
    たは無置換のアルキル基、置換または無置換のアリ−ル
    基を示す。またアルキル鎖の中に不飽和基を含んでいて
    もよく、R13とR14が結合して環を構成していてもよ
    い。)で表されるケトン基を有する化合物と一般式
    (1)で表されるフッ素化剤を反応させることを特徴と
    する一般式(11−1): 【化15】 (式中、R13およびR14は、一般式(11)の場合と同
    じである)で表されるフッ素化合物の製造方法。
  12. 【請求項12】 一般式(12) 【化16】 (式中、R15は置換または無置換の、飽和または不飽和
    のアルキル基または、置換または無置換のアリ−ル基を
    表す。)で表されるカルボン酸基を有する化合物と一般
    式(1)で表されるフッ素化剤を反応させることを特徴
    とする一般式(12−1): 【化17】 (式中、R15は一般式(12)の場合と同じである)で
    表される酸フルオリド類の製造方法。
  13. 【請求項13】 一般式(13) 【化18】 (式中、X1 はフッ素以外のハロゲン原子を表し、dは
    1〜5の整数であり、またY1 は電子吸引性の置換基を
    表し、bは1〜5の整数であり、b+d≦6である。)
    で表されるフッ素以外のハロゲン原子を有する芳香族化
    合物と一般式(1)で表されるフッ素化剤を反応させる
    ことを特徴とする一般式(13−1): 【化19】 (式中、Y1 、bおよびdは、一般式(13)の場合と
    同じである)で表されるフッ素化合物の製造方法。
  14. 【請求項14】 一般式(17): 【化20】 (式中、R15〜R17は、水素原子または炭素原子数1〜
    3の低級アルキル基を示し、互いに同一でも、異なって
    いてもよい。また、Xは 【化21】 を示す。これらの基中、Yは、−CH2−基を示し、n
    は0または1〜5の整数である)で表されるオレフィン
    類と一般式(1)で表されるフッ素化剤を反応させるこ
    とを特徴とする一般式(18) 【化22】 (式中、R15〜R17は、水素原子または炭素原子数1〜
    3の低級アルキル基を示し、互いに同一でも、異なって
    いてもよい。また、Zは 【化23】 これらの基中、Yは、−CH2−基を示し、nは0また
    は1〜5の整数である)で表されるフッ素含有オレフィ
    ン類の製造方法。
  15. 【請求項15】 フッ素化剤が、前記一般式(2)で表
    されるフッ素化剤である請求項8乃至14記載の方法。
  16. 【請求項16】 一般式(2) 【化24】 (式中、aは2または3の整数、R5 およびR6 は炭素
    数1〜6の置換または無置換の飽和または不飽和の低級
    アルキル基であり、同一でも異なっていてもよい。)で
    表される化合物。
  17. 【請求項17】 一般式(2)が、式(3): 【化25】 の2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリジ
    ンである化合物。
  18. 【請求項18】 一般式(2)が、式(4) 【化26】 の2,2−ジフルオロ−1,3−ジ−n−ブチルイミダ
    ゾリジンである化合物。
  19. 【請求項19】 一般式(5)が、式(7): 【化27】 のビス−ジ−n−ブチルアミノ−ジフルオロメタンであ
    る化合物。
  20. 【請求項20】 一般式(14) 【化28】 (式中、X2 およびX3 は、塩素または臭素原子を示
    し、R1 〜R4 は、置換または無置換の飽和または不飽
    和のアルキル基、置換または無置換のアリ−ル基を表
    し、同一でも異なっていてもよい。また、R1 とR2
    3 とR4 が結合して窒素原子、または窒素原子と他の
    ヘテロ原子を含む環を構成してもよい。または、R1
    3 が結合して、窒素原子、または窒素原子と他のヘテ
    ロ原子を含む環を構成してもよい。)で表される化合物
    とフッ素原子のアルカリ金属塩を無反応性の溶媒中でハ
    ロゲン交換反応を行わせることを特徴とする請求項1記
    載の一般式(1)で表されるフッ素化剤の製造方法。
  21. 【請求項21】 一般式(14)の化合物に対して半等
    量のフッ化ナトリウムを反応させた後、濾過分別して、
    次にフッ化カリウムと反応させることを特徴とする請求
    項20記載のフッ素化剤の製造方法。
  22. 【請求項22】 一般式(1)で表されるフッ素化剤
    が、一般式(2): 【化29】 (式中、aは2または3の整数、R5 およびR6 は炭素
    数1〜6の置換又は無置換の飽和または不飽和の低級ア
    ルキル基であり、同一でも異なっていてもよい。)であ
    る請求項20記載のフッ素化剤の製造方法。
  23. 【請求項23】 一般式(1)で表されるフッ素化剤
    が、一般式(5): 【化30】 (式中、R7 〜R10が炭素数1〜6の置換または無置換
    の飽和または不飽和の低級アルキル基であり同一でも異
    なっていてもよい。また、R7 とR8 ,R9 とR 10が結
    合して窒素原子、または窒素原子と他のヘテロ原子を含
    む環を構成してもよい。または、R7 とR9 が結合し
    て、窒素原子、または窒素原子と他のヘテロ原子を含む
    環を構成してもよい。)である請求項20記載のフッ素
    化剤の製造方法。
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