JPH11302204A - 含フッ素化合物の製造方法 - Google Patents

含フッ素化合物の製造方法

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JPH11302204A
JPH11302204A JP10763298A JP10763298A JPH11302204A JP H11302204 A JPH11302204 A JP H11302204A JP 10763298 A JP10763298 A JP 10763298A JP 10763298 A JP10763298 A JP 10763298A JP H11302204 A JPH11302204 A JP H11302204A
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JP10763298A
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Inventor
Akira Takahashi
章 高橋
Hiroshi Sonoda
寛 園田
Kazunari Okada
一成 岡田
Takanori Fukumura
考記 福村
Hidetoshi Hayashi
秀俊 林
Teruyuki Nagata
輝幸 永田
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊な設備も必要とせず、容易に経済的に、
含フッ素化合物を製造する工業的に有用な製造方法を提
供するものである。 【解決手段】 一般式(1) (式中、R1、R2は、同一又は異なっていてもよい水素
原子、置換又は無置換アルキル基、置換又は無置換アラ
ルキル基、置換又は無置換アリール基、置換又は無置換
複素環基を示す。)で表される化合物に、一般式(2) (式中、R3、R4、R5、R6は、同一又は異なっていて
もよい炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を
示す。又、R3とR4は結合して5員環又は6員環を構成
していてもよく、R3とR4又はR5とR6が結合して1個
又は2個の複素環を構成してもよい。)で表される化合
物を反応させることを特徴とする含フッ素化合物の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ基のフッ
素化反応により、含フッ素化合物を製造する方法に関す
る。含フッ素化合物は、医薬および農薬等のライフサイ
エンスの分野において、あるいは機能性材料物質とし
て、近年注目を集めている非常に重要な化合物である。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】フッ
素化合物を製造するために、従来、反応で使用されるフ
ッ素化試剤には、フッ素ガス、フッ化水素、四フッ化硫
黄ガス等がある。これら従来のフッ素化試剤は、毒性、
腐食性、反応時における爆発危険性等のために取り扱い
が難しいこと、特殊な装置や技術が必要であること、ま
た、反応において必要とするフッ素結合の選択性が良く
ないこと、経済的でない等の問題があり、これらの問題
を解決すべく近年各種のフッ素化試剤が開発されつつあ
る。
【0003】エポキシ基のフッ素化試剤として今日用い
られるものにDAST(ジエチルアミノサルファートリ
フルオリド)がある。DASTはアルコール類、ケトン
類、カルボン酸類等、酸素含有化合物を温和な条件下で
効率よくフッ素置換する有用なフッ素化試剤として知ら
れている(米国特許第3976691号明細書)。しか
しながら、DASTは−78℃から−60℃という低温
で、危険性の高いSF4とジエチルアミノトリメチルシ
ランを反応させて製造されており、特殊な製造設備が必
要である。また、安全性においては、DASTの製造と
使用において爆発があったという報告がある[(J.F
luorine Chem.,42,137(198
9)]。
【0004】このように、エポキシ基のフッ素化試剤と
しては、その製造方法、反応の選択性および収率、経済
性などからみて、いまだ工業的に使用可能なフッ素化試
剤の開発は十分になされていないのが現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これらの
課題を解決するために鋭意検討を行った結果、一般式
(2)
【化6】
【0006】(式中、R3、R4、R5、R6は、同一又は
異なっていてもよい炭素原子数1〜6のアルキル基又は
アリール基を示す。又、R3とR5は結合して5員環又は
6員環を構成していてもよく、R3とR4又はR5とR6
結合して1個又は2個の複素環を構成してもよい。)で
表される化合物、例えば、ビス−ジアルキルアミノ−ジ
フルオロメタン類が、エポキシ基のフッ素化試剤として
優れていること、及びその製造からフッ素化反応におけ
る使用までが何ら特殊な装置や技術を必要とすることな
く、極めて安全かつ容易に行えること、更にはフッ素化
反応後には元々の原料であるテトラアルキルウレア等と
して回収して、再度フッ素化試剤として再生利用できる
為に経済的であること等を見出して本発明を完成させる
に至った。
【0007】即ち、本発明は一般式(1)
【化7】 (式中、R1、R2は、同一又は異なっていてもよい水素
原子、置換又は無置換アルキル基、置換又は無置換アラ
ルキル基、置換又は無置換アリール基、置換又は無置換
複素環基を示す。)で表される化合物に、一般式(2)
【0008】
【化8】 (式中、R3、R4、R5、R6は、前記と同じ意味を示
す。)で表される化合物を反応させることを特徴とす
る、一般式(3)
【0009】
【化9】 (式中、R1、R2は、前記と同じ意味を示す。)で表さ
れる含フッ素化合物、及び/又は一般式(4)
【0010】
【化10】 (式中、R1、R2は、前記と同じ意味を示す。)で表さ
れる含フッ素化合物の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では一般式(2)で表される化合物をフッ素化試
剤として用いる。一般式(2)中、R3〜R6は、同一又
は異なっていてもよい炭素原子数1〜6のアルキル基又
はアリール基であり、例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、メチ
ルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基
等が挙げられる。
【0012】又、R3とR5が結合して5員環又は6員環
を構成していてもよく、又、R3とR4又はR5とR6が結
合して炭素原子数2〜5の1個又は2個の複素環を構成
してもよい。すなわち、本発明において、一般式(2)
において異なる窒素原子に置換したアルキル基が結合し
て環を形成してもよく、又同一の窒素原子に置換したア
ルキル基が結合して、1個又は2個の環を形成してもよ
い。
【0013】一般式(2)で表される化合物は、具体例
として、ビス−ジメチルアミノ−ジフルオロメタン、ビ
ス−ジエチルアミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジプロ
ピルアミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジ(i−プロピ
ル)アミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジ(n−ブチ
ル)アミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジ(i−ブチ
ル)アミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジ(t−ブチ
ル)アミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジ(n−ペンチ
ル)アミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジ(n−ヘキシ
ル)アミノ−ジフルオロメタン、N,N−ジメチルアミ
ノ−N’−メチル−N’−フェニルアミノ−ジフルオロ
メタン、ビス−ピペリジノ−ジフルオロメタン等のビス
−ジアルキルアミノ−ジフルオロメタンや、2,2−ジ
フルオロ−1,3−ジメチル−イミダゾリジン、2,2
−ジフルオロ−1−エチル−3−メチル−イミダゾリジ
ン、2,2−ジフルオロ−1,3−ジエチル−イミダゾ
リジン、2,2−ジフルオロ−1,3−ジ(n−プロピ
ル)イミダゾリジン、2,2−ジフルオロ−1,3−ジ
(i−プロピル)イミダゾリジン、2,2−ジフルオロ
−1,3−ジ(n−ブチル)イミダゾリジン等を挙げる
ことができるが、本発明はこれらの例示化合物に制限さ
れるものではない。特に好ましいのは、下記式(5)
【0014】
【化11】 で表される2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチル−イ
ミダゾリジンである。
【0015】これらの化合物の製造は、一般式(6)
【化12】
【0016】(式中、R3〜R6は、前記と同じ意味を示
す。)で表されるクロロホルムアミジニウム−クロリド
とフッ素のアルカリ金属塩を無反応性の溶媒、例えばア
セトニトリルや1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン等の溶媒中でハロゲン交換反応を行わせることによっ
て、安全に且つ容易に得ることができる。尚、無反応性
溶媒とは、化合物の製造において影響を与えない、原料
及び生成物等と反応しない溶媒のことである。
【0017】フッ素のアルカリ金属塩の具体例として
は、例えば、フッ化セシウム、フッ化ルビジウム、フッ
化カリウム、フッ化ナトリウム等が挙げられ、好ましく
は経済的、反応効率的にも有利なフッ素化反応用のスプ
レードライフッ化カリウムを用いる。
【0018】一般式(2)で表される化合物を製造する
原料として用いられる一般式(6)で表されるクロロホ
ルムアミジニウム−クロリドは、テトラアルキル尿素、
テトラアルキルチオ尿素、1,3−ジアルキルイミダゾ
リジノン、1,3−ジアルキルイミダゾリジン−2−チ
オン等をホスゲン、塩化チオニル等の塩素化剤で塩素化
することによって製造することができる。例えば、2−
クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム−クロリド
の製造は、特開昭59−25375号公報に記載されて
いる方法で容易に製造することができる。
【0019】本発明の一般式(2)で表される化合物の
製造において、ハロゲン交換反応で使用するフッ素のア
ルカリ金属塩の使用量は一般式(6)で表される化合物
に対して通常2倍モル以上、好ましくは2〜5倍モルで
ある。2倍モル未満では未交換のクロリドが残存し不十
分であり、5倍モルを超えて用いても反応成績は大きく
向上しない。
【0020】ハロゲン交換反応の反応溶媒は、一般式
(6)で表されるクロロホルムアミジニウム−クロリド
および生成物である一般式(2)で表される化合物と反
応しない溶媒であれば特に制限はない。好ましくはアセ
トニトリル、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン、ジクロロメタン、エチレンジ
クロリド等である。溶媒量は特に限定されるものではな
いが、反応効率および操作性から、好ましくは反応基質
に対して通常1から10重量倍である。
【0021】反応温度は特に制限はないが、反応速度と
生成物の安定性の面から通常−20〜150℃、好まし
くは0〜100℃の範囲である。
【0022】ハロゲン交換反応は四級アルキルアンモニ
ウム塩や四級アルキルホスホニウム塩等の相関移動触媒
を共存させて行なうことも可能である。得られた一般式
(2)で表される化合物はハロゲン交換反応液のまま次
のフッ素化反応に使用することもできるし、又、無機塩
を濾別した後、蒸留によって単離して使用することもで
きる。
【0023】本発明方法における原料の一般式(1)で
表される化合物のR1およびR2は、同一又は異なってい
てもよい水素原子、置換又は無置換アルキル基、置換又
は無置換アラルキル基、置換又は無置換アリール基、置
換又は無置換複素環基を示す。
【0024】R1及びR2で示される置換基の具体例とし
て、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブ
チル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキ
シル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、メトキシメ
チル基、メトキシエチル基、プロポキシプロピル基、フ
ェノキシメチル基、アセトキシメチル基、メトキシカル
ボニルメチル基、アミノメチル基、ニトロメチル基等の
置換又は無置換アルキル基、ベンジル基、2−フェニル
エチル基、3−フェニルプロピル基、2−フェニルプロ
ピル基、ジフェニルメチル基、メチル置換ベンジル基、
メトキシ置換ベンジル基、ニトロ置換ベンジル基、ハロ
ゲン化ベンジル基、アミノ置換ベンジル基、フェノキシ
ベンジル基、ベンゾイルベンジル基等の置換又は無置換
アラルキル基、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニ
ル基、ジメチルフェニル基、メトキシフェニル基、エト
キシフェニル基、ジメトキシフェニル基、ニトロフェニ
ル基、アミノフェニル基、ハロゲン化フェニル基等の置
換又は無置換アリール基、ピロール基、イミダゾリル
基、フリル基、モルホリノ基、ピリジル基、ピリミジル
基、インドール基、キノリン基、イソキノリン基、イミ
ダゾリニル基等の置換又は無置換複素環基が挙げられる
が、本発明はこれらの例示化合物に制限されるものでは
ない。尚、ハロゲン化反応及びハロゲン交換反応が起き
ても構わないものであれば、上記化合物中に、アルコー
ル基、ケトン基、アルデヒド基、チオール基、チオケト
ン基、カルボン酸基、酸無水物基、ハロゲン等が含まれ
ていてもよい。
【0025】一般式(1)で表されるエポキシ基を有す
る化合物を一般式(2)で表される化合物でフッ素化反
応を行う場合、ビス−ジアルキルアミノ−ジフルオロメ
タンの使用量は、エポキシ基に対して通常1当量以上、
好ましくは1〜5当量、更に好ましくは1〜2当量あれ
ばよい。
【0026】本発明方法に使用する反応溶媒としては、
ビス−ジアルキルアミノ−ジフルオロメタンおよびエポ
キシ基を有する化合物と反応しない溶媒であれば特に制
限はない。また、溶媒を用いずに、一般式(1)で表さ
れるエポキシ基を有する化合物と一般式(2)で表され
る化合物とを直接反応させてもよい。溶媒を使用する場
合は、好ましいものとして、アセトニトリル、ジクロロ
メタン、クロロホルム、エチレンジクロリド、エチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、N−メチルピロリジノン、ジメチルホ
ルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
等が挙げられる。
【0027】反応溶媒の量は、特に限定されるものでは
ないが、反応効率及び操作性から、好ましくは反応基質
に対して通常0〜10重量倍、好ましくは0〜5重量倍
である。更に、反応に際して、一般式(1)で表される
化合物、および生成する含フッ素化合物を得る反応に悪
影響を与えないものであれば、フッ化水素補足剤、塩
基、酸、触媒等を添加しても構わない。
【0028】又、フッ素化反応の反応温度は、通常−2
0℃〜150℃、好ましくは−10℃〜90℃の範囲で
ある。−20℃未満の温度では、反応速度が遅くなる傾
向にあり、又操作が煩雑となる。150℃を越えると一
般式(2)で表される化合物の安定性が低下するので、
あまり好ましくない。尚、反応を室温下でおこなう場合
は、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表
される化合物は通常同量生成し、より高温で反応をおこ
なうと、一般式(3)で表される化合物の比率が高く生
成する傾向にある。
【0029】反応により生成したフッ素化合物は、蒸留
などにより反応混合物から容易に取り出すことができ、
又一般式(2)で表される化合物は反応終了後には、ウ
レア類として回収可能である。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、合成例1中のアセトニトリル溶液中の2,2−ジフ
ルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリジン(以下DFI
と略記する)濃度はDFIをアニリンと反応させて誘導
化した後、高速液体クロマトグラフィー法(以下HPL
Cと略記する)により測定した。又、フッ素イオン(以
下F-と略記する)の濃度測定はランタン−アリザリン
コンプレキソン試薬を用いる吸光光度分析法により行っ
た。
【0031】合成例12,2−ジフルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリジン
(DFI)の合成 2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム−クロ
リドの80.0g(0.452mol)とスプレードラ
イ品のフッ化カリウム105.1g(1.810mo
l)とアセトニトリル320mlを500ml四つ口反
応フラスコに装入し、窒素雰囲気下、80℃で17時間
反応させた。反応液を25℃まで冷却したあと反応液か
ら無機塩を分別してDFI(MW136.14)のアセ
トニトリル溶液414.2gを得た。溶液中DFI濃度
11.4重量%、収率77%。 この反応液の減圧蒸留
を行い、DFI32g(純度 97.8%)を得た。
【0032】物性値は以下の通りである。 沸点 47.0℃/37mmHg、EIMS:136
(M+),117[(M−F)+]、 IR(neat)cm-1:1486、1385、129
5、1242、1085、966、 F分析:計算値 27.9%、実測値 27.7%、1 H−NMR(δ,ppm,CDCl3,TMS基準):
2.52(s,6H,−CH3×2),3.05(s,
4H,−CH2CH2−)、13 C NMR(δ,ppm,CDCl3,−45℃,C
DCl3基準):31.4(s,−CH3×2),47.
6(s,−CH2CH2−),128.5(t,J=23
0Hz,=CF2)、19 F−NMR(δ,ppm,CDCl3,−45℃,C
FCl3基準):−70.9(s,=CF2)。
【0033】実施例1シクロペンテンオキシドのフッ素化反応 シクロペンテンオキシド7.15g(85.0mmo
l)とDFI11.8g(86.7mmol)を反応容
器に入れ、窒素雰囲気下、60℃で15時間反応させ
た。反応終了後、反応液に20mlの水を添加し、軽く
振り混ぜた後、20mlのジクロロメタンを加えて振り
混ぜた。次に分液した下層を取り出し、蒸留によってシ
ス−1,2−ジフルオロシクロペンタン(93℃/71
0mmHg)1.26g(収率14%)、およびビス
(2−フルオロシクロペンチル)エーテル(60〜80
℃/20mmHg)4.85g(収率30%)を単離し
た。各留分の元素分析結果、および1H−NMR測定結
果は下記のとおりであった。
【0034】シス−1,2−ジフルオロシクロペンタン
の元素分析値 C:56.5%、H:7.5%、F:3
5.7%、計算値 C:56.6%、H:7.6%、
F:35.8%1 H−NMR(δ,ppm,CDCl3,25℃,TMS
基準):4.91(m,−CHF×2),1.98
(m,−CH2−)。 ビス(2−フルオロシクロペンチル)エーテルの元素分
析値 C:63.0%、H:8.5%、F:19.6
%、計算値 C:63.1%、H:8.5%、F:2
0.0%。1 H−NMR(δ,ppm,CDCl3,25℃,TMS
基準):4.91(m,−CHF),3.99(m,−
CHO−),1.90(m,−CH2−)。
【0035】実施例2シクロヘキセンオキシドのフッ素化反応 シクロヘキセンオキシド9.87g(0.10mmo
l)とDFI15.0g(0.11mol)を反応容器
に入れ、窒素雰囲気下、60℃で20時間反応させた。
反応終了後、反応液に20mlの水を添加し、軽く振り
混ぜた後、20mlのジクロロメタンを加えて振り混ぜ
た。次に分液した下層を取り出し、蒸留によってシス−
1,2−ジフルオロシクロヘキサン(122℃/710
mHg、融点36℃)3.12g(収率26%)、およ
びビス(2−フルオロシクロヘキシル)エーテル(13
8℃/12mmHg)2.4g(収率11%)を単離し
た。各留分の元素分析結果、および1H−NMR測定結
果は下記のとおりであった。
【0036】シス−1,2−ジフルオロシクロヘキサン
の元素分析値 C:59.9%、H:8.5%、F:3
1.6%、計算値 C:60.0%、H:8.4%、
F:31.6%。1 H−NMR(δ,ppm,CDCl3,25℃,TMS
基準):4.67(m,−CHF×2),1.69
(m,−CH2−),1.44(m,−CH2−)。ビス
(2−フルオロシクロヘキシル)エーテルの元素分析値
C:65.9%、H:9.3%、F:17.3%、計
算値 C:66.0%、H:9.2%、F:17.4
%。1 H−NMR(δ,ppm,CDCl3,25℃,TMS
基準):4.38(m,−CHF),3.50(m,−
CHO−),1.69(m,−CH2−)。
【0037】実施例3スチレンオキシドのフッ素化反応 スチレンオキシド2.34g(19.5mmol)とD
FI2.86g(21.0mmol)とアセトニトリル
25mlを反応容器に入れ、窒素雰囲気下、55℃で5
時間反応させた。反応終了後に反応液のGC−MS測定
を行い、1,2−ジフルオロ−2−フェニルエタン(親
イオン、142)の生成を確認した。GC測定から、反
応収率は23%であった。
【0038】
【発明の効果】本発明は、エポキシ基に対する選択性が
高く且つ従来になく安全で取り扱いが容易なフッ素化反
応試剤であるビス−ジ置換アミノ−ジフルオロメタン化
合物を用いることにより、特殊な設備も必要とせず、容
易に経済的に、含フッ素化合物を製造する工業的に有用
な製造方法を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 43/192 C07C 43/192 (72)発明者 福村 考記 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 林 秀俊 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 永田 輝幸 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2は、同一又は異なっていてもよい水素
    原子、置換又は無置換アルキル基、置換又は無置換アラ
    ルキル基、置換又は無置換アリール基、置換又は無置換
    複素環基を示す。)で表される化合物に、一般式(2) 【化2】 (式中、R3、R4、R5、R6は、同一又は異なっていて
    もよい炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を
    示す。又、R3とR5は結合して5員環又は6員環を構成
    していてもよく、R3とR4又はR5とR6が結合して1個
    又は2個の複素環を構成してもよい。)で表される化合
    物を反応させることを特徴とする、一般式(3) 【化3】 (式中、R1、R2は、前記と同じ意味を示す。)で表さ
    れる含フッ素化合物、及び/又は一般式(4) 【化4】 (式中、R1、R2は、前記と同じ意味を示す。)で表さ
    れる含フッ素化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(2)で表される化合物が、式
    (5) 【化5】 で表される2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチル−イ
    ミダゾリジンである請求項1記載の含フッ素化合物の製
    造方法。
JP10763298A 1998-04-17 1998-04-17 含フッ素化合物の製造方法 Pending JPH11302204A (ja)

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