JP2000018280A - 回転速度差感応型継手 - Google Patents

回転速度差感応型継手

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JP2000018280A
JP2000018280A JP10205857A JP20585798A JP2000018280A JP 2000018280 A JP2000018280 A JP 2000018280A JP 10205857 A JP10205857 A JP 10205857A JP 20585798 A JP20585798 A JP 20585798A JP 2000018280 A JP2000018280 A JP 2000018280A
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rotor
valve
hole
housing
spool
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JP10205857A
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Takashi Okubo
孝 大久保
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Original Assignee
Zexel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハウジングとロータとの相対回転を禁止する
ことができる回転速度差感応型継手を提供する。 【解決手段】 ロータの円板部51には、電磁開閉弁の
スプール弁部60を設ける。このスプール弁部60は、
流出路16を横断するスプール孔61と、このスプール
孔61に摺動自在に設けられた弁体62とを有してい
る。弁体62は、電磁開閉弁の電磁アクチュエータ部の
電磁ソレノイド(図示せず)に通電すると、閉位置に移
動して流出路16を閉じる。電磁ソレノイドに対する通
電を停止すると、開位置に移動して流出路16を開く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、相対回転する二
軸間に設けられ、高速回転する一方の軸から低速回転す
る他方の軸へ相対回転速度差に対応した大きさのトルク
を伝達する回転速度差感応型継手に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、回転速度差感応型継手は、相対
回転可能なハウジングおよびロータを備えており、ロー
タには複数のシリンダ孔が形成され、各シリンダ孔には
プランジャが摺動自在に設けられている。プランジャ
は、ハウジングとロータとが相対回転すると、それに追
随して往復動する。プランジャの往動時には、シリンダ
孔内の作動油が流出路を通って流出する。流出路にはオ
リフィス(流通抵抗発生部)が設けられているので、作
動油の流通量に対応した流通抵抗が発生する。したがっ
て、ハウジングとロータとが相対回転すると、回転速度
差に応じた大きさのトルクが高速回転するハウジングま
たはロータから低速回転するロータまたはハウジングに
伝達される。一方、プランジャの復動時には、作動油が
流入路を通ってシリンダ孔に流入する(特開平2−15
9423号公報参照)。
【0003】ところで、回転速度差感応型継手を車両に
用いる場合には、ハウジングとロータとの相対回転を禁
止することができるものであることが望ましいことがあ
る。例えば、回転速度差感応型継手をセンターデフとフ
ロントデフまたはリアデフとの間に設置した車両におい
ては、悪路を長時間にわたって走行すると、ハウジング
とロータとが相対回転し続ける結果、作動油がオリフィ
スを通過する際の発熱によって高温に加熱され、その高
温によってシール部材が早期に劣化することがある。そ
のような場合には、ハウジングとロータとの相対回転を
一時的に禁止することにより、作動油の温度を低下させ
ることができるからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
回転速度差感応型継手は、ハウジングとロータとの相対
回転を禁止することができなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、請求項1に係る発明は、相対回転可能なハウジン
グおよびロータを備え、上記ロータには、プランジャを
摺動自在に収容するシリンダ孔と、このシリンダ孔内の
作動油をシリンダ孔から流出させる流出路と、上記シリ
ンダ孔内に作動油を流入させる流入路とが形成され、上
記流出路には作動油の流通量に対応した流通抵抗を発生
する流通抵抗発生部が設けられた回転速度差感応型継手
において、上記流出路に電磁開閉弁を設けたことを特徴
としている。
【0006】この場合、上記電磁開閉弁が、スプール弁
部と電磁アクチュエータ部とを備えており、上記スプー
ル弁部が、上記ロータに形成され、上記流出路を上流側
部分と下流側に分断するスプール孔と、このスプール孔
に、上記流出路の上流側部分と下流側部分とを連通させ
る開位置と、上流側部分と下流側部分とを遮断する閉位
置との間を摺動自在に設けられた弁体と、この弁体を上
記開位置と上記閉位置とのいずれか一方の位置側へ向か
って付勢する付勢手段とを有し、上記電磁アクチュエー
タ部が、電磁力により上記弁体を上記付勢手段の付勢力
に抗して上記開位置と上記閉位置とのいずれか他方の位
置に移動させるものであることが望ましい。
【0007】上記スプール孔が上記回転軸線と平行に配
置されており、上記電磁アクチュエータ部が、上記ハウ
ジングおよびロータに対して相対回転可能に設けられ、
電磁ソレノイドの磁力により上記回転軸線方向へ移動さ
せられるアーマチュアと、上記ロータに設けられ、上記
アーマチュアの移動を上記弁体に伝達する押圧部材とを
備えていることが望ましい。
【0008】上記アーマチュアとこれに接触する押圧部
材との間にスラスト軸受が設けられていることが望まし
い。
【0009】上記ハウジングの回転軸線方向における両
端部に上記ロータがそれぞれ設けられ、この二つのロー
タが互いに相対回転可能であることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態に
ついて図1〜図6を参照して説明する。なお、この実施
の形態は、この発明の回転速度差感応型継手を、エンジ
ンの駆動力を左右の車輪に伝達するための動力伝達装置
に組み込んだものである。
【0011】図1に示すように、動力伝達装置1は、回
転軸線Lを中心として回転駆動されるハウジング2と、
このハウジング2に回転軸線Lを中心として相対回転可
能に設けられた一対のロータ5A,5Bとを備えてい
る。
【0012】ハウジング2は、両端が開口した円筒状を
なす本体3と、この本体3の両端開口部に溶接等によっ
て固定され端板4A,4Bとから構成されている。端板
4A,4Bの外側の端面の中央部には、ジャーナル部4
1,41がそれぞれ形成されている。各ジャーナル部4
1,41は、車両に取り付けられたデフキャリアCに軸
受J,Jを介して回転自在に支持されている。
【0013】本体3の外周面には、フランジ部31が形
成されている。このフランジ部31には、リングギヤ
(図示せず)が固定され、このリングギヤを介してハウ
ジング2が回転駆動される。また、本体3の内周面中央
部には、環状の隔壁部32が形成されている。この隔壁
部32の両端面には、回転軸線Lを中心として環状に延
びるカム面33,33が形成されている。各カム面3
3,33と対向する端板4A,4Bの内側の各端面に
は、カム面33,33と対をなすカム面42,42がそ
れぞれ形成されている。
【0014】次に、上記ロータ5A,5Bであるが、ロ
ータ5A,5Bは、一部を除き隔壁32を中心として左
右対称に構成されている。そこで、ここではロータ5A
およびそれに関連する構成についてのみ説明することと
し、ロータ5Bおよびそれに関連する構成については、
ロータ5Aおよびそれに関連する構成と異なる部分だけ
を説明し、同様な部分には同一符号を付してその説明を
省略する。
【0015】ロータ5Aは、円板部51と、この円板部
51の外側の端面中央部に形成された外側軸部52と、
円板部51の内側の端面中央部に形成された内側軸部5
3とから構成されている。円板部51は、隔壁32によ
って区分される本体3の一端部と他端部とのうちの一端
部(図1において左側端部)に回転自在に収容されてい
る。外側軸部52は、端板4Aの支持孔43に回転自在
に嵌合するとともに、これを貫通している。内側軸部5
3は、隔壁部32の内周面に回転自在に嵌合している。
なお、符号S1は、外側軸部52の外周面と端板4Aの
内周面との間を密封するシール部材である。
【0016】ロータ5Aの中央部には、その一端面から
他端面まで貫通する貫通孔54が形成されている。この
貫通孔54の中央部には、車軸(出力軸)がスプライン
嵌合等によって回転不能に嵌合される。この車軸は、左
右の車輪の一方に連結される。貫通孔54の内側の端部
には、ロータ5Bの内側軸部53が回転自在に嵌合され
ている。
【0017】ロータ5Aの円板部51には、これを回転
軸線Lと平行に貫通する複数(通常3つ以上)のシリン
ダ孔55が形成されている。各シリンダ孔55は、回転
軸線Lを中心とする円周上に周方向へ等間隔に配置され
ている。シリンダ孔55の一端部と他端部とには、プラ
ンジャ6,6が摺動自在に設けられている。プランジャ
6,6は、それらの間に配置されたコイルばね等の付勢
手段11によってカム面33,42に押し付けられてい
る。したがって、ハウジング2とロータ5Aとが相対回
転すると、プランジャ6,6が接近、離間移動する。
【0018】プランジャ6,6が接近移動する際には、
プランジャ6,6間のシリンダ孔55内に充填された作
動油が後述する流出路16を通ってシリンダ孔55から
流出する。プランジャ6,6が離間移動する際には、作
動油が後述する流入路21を通ってシリンダ孔55内に
流入する。
【0019】図2〜図4に示すように、円板部51の外
周面には、切欠き56が形成されている。この切欠き5
6は、扇状をなしており、その外周側部分がハウジング
2の本体3によって密閉され、その両端側部分が端板4
Aと隔壁部32によって密閉されている。これにより、
切欠き56の内部に油溜まり室12が形成されている。
各油溜まり室12は、本体3の内周面に形成された環状
溝34を介して互いに連通している。
【0020】図2に示すように、切欠き56の一方の側
面には、シリンダ孔55まで延びる流出孔57が形成さ
れている。同側面には、それぞれ板状をなす弁部材13
およびリーフ弁14が順次重ねられ、それぞれの基端部
がボルト15によって固定されている。弁部材13およ
びリーフ弁14の先端部は、流出孔57と対向してい
る。
【0021】弁部材13の先端部には、流出孔57と連
通したオリフィス13aが形成されている。このオリフ
ィス13aと流出孔57とによって流出路16が構成さ
れている。したがって、プランジャ6,6が接近移動す
る際には、シリンダ孔55内の作動油がオリフィス13
aを通って油溜まり室12に流出する。よって、ハウジ
ング2とロータ5A,5Bとが相対回転すると、回転速
度差に応じた大きさのトルクが高速回転するハウジング
2またはロータ5A,5Bから低速回転するロータ5
A,5Bまたはハウジング2に伝達される。ただし、こ
の回転伝達装置1では、ハウジング2が回転駆動される
ので、実際にはロータ5A,5Bがハウジング2より低
速回転すると、ハウジング2からロータ5A,5Bにト
ルクが伝達される。
【0022】リーフ弁14の先端部は、シリンダ孔55
内の作動油の圧力が所定の開弁圧に達するまでは、それ
自体の弾性力により弁部材13に押圧接触してオリフィ
ス13aを閉じている。その一方、シリンダ孔55内の
作動油の圧力が開弁圧を越えると、作動油の押圧力によ
り、先端部が弁部材13から浮き上がるように弾性変形
し、オリフィス13aを開く。したがって、この回転伝
達装置1では、ハウジング2とロータ5A,5Bとが相
対回転し始めると同時に、シリンダ孔55内の作動油の
圧力が開弁圧に上昇し、開弁圧に対応する大きさのトル
クがロータ5A,5Bに伝達される。その後は、通常の
回転速度差感応型継手と同様に、伝達トルクの大きさが
回転速度差の増大に伴って増大する。
【0023】上記弁部材13の先端部は、シリンダ孔5
5内の作動油の圧力が所定のリリーフ圧(>開弁圧)に
達するまでは、それ自体およびリーフ弁14の弾性力に
より切欠き56の側面に押圧接触し流出孔57を閉じて
いる。その一方、シリンダ孔55内の作動油の圧力がリ
リーフ圧を越えると、作動油の押圧力により切欠き16
の側面から浮き上がるように弾性変形し、流出孔57を
開く。したがって、シリンダ孔55内の作動油の圧力が
リリーフ圧を越えると、シリンダ孔55内の作動油が切
欠き56の側面と弁部材13との間を通って油溜まり室
12に流出する。よって、従来の回転速度差感応型継手
ではハウジングとロータとの間に伝達されるトルクが回
転速度差の2乗に比例して急激に増大するが、この実施
の形態では、ハウジング2とロータ5A,5Bとの回転
速度差がリリーフ圧に対応する速度差を越えると緩やか
に増大し、その後はほぼ一定になる。
【0024】図1に示すように、ロータ5Aの貫通孔5
4の内側の端部には仕切り板17が設けられており、ロ
ータ5Bの貫通孔54の内側の端部にはピストン18が
摺動自在に設けられている。仕切り板17およびピスト
ン18により、貫通孔54,54の内部に作動油を収容
する作動油収容室19が形成されている。この作動油収
容室19は、図1および図4に示すように、ロータ5B
の内側軸部53の外周面に形成された溝53a、ロータ
5Aの内側軸部53の先端面とロータ5Bの円板部51
との間に形成された環状の隙間S、ロータ5Aの内側軸
部53の外周面に形成された溝53b、および隔壁部3
2と対向するロータ5Aの円板部51の端面に形成され
た溝51c(図4参照)を介して油溜まり室12に連通
している。
【0025】ピストン18は、コイルばね等からなる付
勢手段20により仕切り板17に向かって付勢されてい
る。つまり、作動油収容室19の容積を小さくする方向
に向かって付勢されている。したがって、作動油の温度
が上昇してその体積が増大した場合には、ピストン18
が付勢手段20の付勢力に抗して作動油収容室19の容
積を増大させるように移動する。逆に、作動油の温度が
低下してその体積が減少した場合には、ピストン18が
付勢手段20の付勢力により作動油収容室19の容積を
減少させるように移動する。これにより、作動油の圧力
がほぼ一定の圧力に維持されている。
【0026】図2に示すように、上記円板部51には、
油溜まり12とシリンダ孔55とを連通させる流入孔
(流入路)21が形成されている。この流入孔21に
は、逆止弁22が設けられている。この逆止弁22は、
シリンダ孔55内の作動油が油溜まり室12に流出する
のを阻止する一方、油溜まり室12内の作動油がシリン
ダ孔55内に流入するのを許容する。したがって、プラ
ンジャ6,6が接近移動するときにシリンダ孔55内の
作動油が流入孔21を通って流出することはないが、プ
ランジャ6,6が離間移動するときには、油溜まり室1
2内の作動油が流入孔21を通ってシリンダ孔55内に
流入する。
【0027】上記流出孔57は、電磁開閉弁Vによって
開閉されるようになっている。電磁開閉弁Vは、スプー
ル弁部60(図2および図6参照)と電磁アクチュエー
タ部70(図1、図3および図5参照)とを有してい
る。
【0028】スプール弁部60は、流出孔57を開閉す
るためのものであり、図1および図6に示すように、円
板部51に回転軸線Lと平行に延びる止まり孔として形
成されたスプール孔61と、このスプール孔61に摺動
自在に設けられた弁体62と、この弁体62をスプール
孔61の開口部側へ付勢するコイルばね等からなる付勢
手段63とを有している。スプール孔61は、流出孔5
7をシリンダ孔55側の上流側部分と、油溜まり室12
側の下流側部分とに分断している。弁体62の外周面に
は、環状溝62aが形成されている。この環状溝62a
は、弁体62がスプール孔61の底面に突き当たってい
るとき(以下、このときの弁体62の位置を閉位置とい
う。)には、流出孔57に対して離間しており、流出孔
57の上流側部分と下流側部分とが、弁体62によって
遮断されている。一方、弁体62がスプール孔61の中
央部に位置しているとき(以下、このときの弁体25の
位置を開位置という。)には、環状溝62aが流出孔5
7の上流側部分と下流側部分とを連通させる。
【0029】電磁アクチュエータ部70は、上記付勢手
段63と協働して上記弁体62を開位置と閉位置との間
で移動させるためのものであり、次のように構成されて
いる。すなわち、図1に示すように、デフケースCの端
面には、ケーシング71が設けられており、デフケース
Cとケーシング71との間に収容空間72が形成されて
いる。この収容空間72に臨むデフケースCの端面に
は、回転軸線Lを中心とする環状の電磁ソレノイド73
が設けられている。また、収容空間72内には、電磁ソ
レノイド73と対向する環状のアーマチュア74が回転
軸線L方向へ移動自在に配置されている。このアーマチ
ュア74は、デフケースCに対しては回転不能である一
方、ハウジング2およびロータ5Aに対しては相対回転
可能である。
【0030】図1および図5に示すように、上記ハウジ
ング2の端板4Aのジャーナル部41には、その先端面
から回転軸線Lと平行に延びる第1収容孔43、および
この第1収容孔43の底面から端板4Aの内側の端面ま
で回転軸線Lと平行に延びる第2収容孔44が形成され
ている。第1,第2収容孔43,44には、ロッド(中
間部材)75,76がそれぞれ移動自在に挿入されてい
る。ロッド75の一端部はスラスト軸受77を介してア
ーマチュア74に突き当たっている。したがって、アー
マチュア74がソレノイド73によって移動させられる
と、それに追随してロッド75が移動する。ロッド76
は、ロッド75に突き当たっている。したがって、アー
マチュア74が移動すると、ロッド76も移動する。
【0031】図1および図3に示すように、ロータ5A
(5B)の円板部51の外側の端面には、回転軸線Lを
中心とする環状凹部51aが形成されている。この環状
凹部51aには、押しリング(中間部材)78が回転軸
線L方向へ移動自在に挿入されている。この押しリング
78には、上記ロータ76が突き当たっている。したが
って、押しリング78もアーマチュア74の移動に追随
して移動する。押しリング78の外周面には、その径方
向に突出するアーム78aが形成されている。このアー
ム78aは、円板部51の外側の端面に形成された、環
状凹部51aからスプール孔61まで延びる溝51bに
回転軸線L方向へ移動自在に挿入されており、その先端
部は弁体62に突き当たっている。
【0032】したがって、電磁ソレノイド73に通電す
ると、その磁力によってアーマチュア74が引き寄せら
れる。それに伴って、ロッド75,76、押しリング7
8が図1において右方へ移動し、押しリング78のアー
ム77aが弁体62を付勢手段63の付勢力に閉位置ま
で移動させる。これによって、スプール弁部60が閉状
態になり、流出孔57が閉じられる。その一方、電磁ソ
レノイド73に対する通電を停止すると、付勢手段63
の付勢力により、弁体62が開位置まで移動させられ
る。これにより、スプール弁部60が開状態になり、流
出孔57が開かれる。また、弁体62の移動に伴って押
しリング78、ロッド76,75およびアーマチュア7
4が図1に示す元の位置まで左方へ移動させられる。
【0033】上記構成の動力伝達装置1において、いま
電磁ソレノイド73,73に対する通電を停止している
ものとする。この状態では、スプール弁部60が流出孔
57(流出路16)を開いている。したがって、ハウジ
ング2とロータ5A、およびハウジング2とロータ5B
とは、それぞれ通常の回転速度差感応型継手として機能
する。つまり、ロータ5A,5Bがハウジング2より低
速回転すると、その回転速度差に対応した大きさのトル
クがロータ5A,5Bに伝達される。
【0034】一方、電磁ソレノイド73,73に通電す
ると、スプール弁部60が流出路16を閉じる。したが
って、作動油がオリフィス13aを通過することもな
く、そこでの熱の発生もない。よって、作動油が高温に
加熱されるのを防止することができる。また、流出路1
6が閉じられると、シリンダ孔55内の作動油が流出不
能になるので、プランジャ6,6が油圧ロックされる。
この結果、ハウジング2とロータ5A,5Bとが相対回
転不能になる。つまり、ロータ5A,5Bがハウジング
2と一体に回転するようになる。したがって、車両の直
進時には、電磁ソレノイド73,73に対する通電をす
ることにより、直進性能を向上させることができる。
【0035】また、一方の電磁ソレノイド73に通電
し、他方の電磁ソレノイド73に対する通電を停止する
と、一方のロータ5A(5B)がハウジング2と一体に
回転し、他方のロータ5B(5A)はハウジング2に対
して相対回転可能になる。したがって、車両が旋回する
場合には、外側の車輪が連結されたロータ5A(5B)
をハウジング2と一体に回転させ、内側の車輪が連結さ
れたロータ5B(5A)を相対回転可能にすることがで
き、それによって車両の旋回を円滑に行わせることがで
きる。
【0036】さらに、この実施の形態の動力伝達装置1
では、スプール孔61を回転軸線Lと平行に形成して、
弁体62を回転軸線Lと平行に移動させるようにしてい
るので、電磁ソレノイド73およびアーマチュア74を
回転軸線Lの周囲に配置することができ、しかもロッド
75,76および押しリング78を回転軸線Lと平行
に、かつ回転軸線Lの周囲に配置することができる。し
たがって、電磁アクチュエータ部70をコンパクトに構
成することができ、ひいては動力伝達装置1全体を小型
化することができる。
【0037】また、アーマチュア74がデフケースCに
回転不能に設けられる一方、ロッド75がハウジング2
と一緒に回転するように設けられているので、ハウジン
グ2が回転すると、アーマチュア74とロッド75とが
相対回転するが、アーマチュア74とロッド75との間
にスラスト軸受77が配置されているので、それらの間
の摩擦抵抗を小さくすることができ、摩擦による熱の発
生を防止することができるとともに、ハウジング2を円
滑に回転させることができる。
【0038】なお、この発明は、上記の実施の形態に限
定されるものでなく、適宜変更可能である。例えば、上
記の実施の形態においては、ハウジング2に二つのロー
タ5A,5Bを設けているが、一つのロータだけを設け
てもよい。また、シリンダ孔55を回転軸線Lと平行に
形成しているが、回転軸線Lと直交する方向に向けて形
成し、各シリンダ孔を放射状に配置してもよい。さら
に、シリンダ孔55には、プランジャ6を一つだけ設け
てもよい。
【0039】また、電磁開閉弁Vの弁部としてスプール
弁部6を用いているが、他のタイプの弁を用いてもよ
い。スプール弁6のスプール孔61は、回転軸線Lと平
行に形成することなく、回転軸線Lと直交する方向に向
けて形成してもよい。ただし、スプール孔61を回転軸
線Lと平行に形成した場合には、ロータ5A,5Bの回
転による遠心力が弁体62の移動方向に作用することが
ないので、ロータ5A,5Bが回転しているときと、回
転していないときとで、弁体62を一定の力で移動させ
ることができ、しかも開位置または閉位置に位置してい
る弁体62が遠心力によって閉位置側または開位置側へ
移動させられることもない。したがって、スプール孔6
1は、回転軸線Lと平行に形成するのが望ましい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、ハウジングとロータとの相対回転を随時禁
止することができ、それによって例えば作動油が高温に
加熱されるのを防止することができるという効果が得ら
れる。請求項3に係る発明によれば、装置全体を小型化
することができるという効果が得られる。請求項4に係
る発明によれば、アーマチュアと押圧部材との間の摩擦
抵抗を極力小さくすることができ、それによって摩擦熱
の発生を防止することができるとともに、ハウジングを
円滑に回転させることができるという効果が得られる。
請求項5に係る発明によれば、この発明に係る回転速度
差感応型継手を車両の直進性能、旋回性能を向上させる
ことができる動力伝達装置として用いることができると
いう効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す図であって、図
2のX−X線に沿う断面図である。
【図2】図1のX−X線に沿う断面図である。
【図3】図1のY−Y線に沿う断面図である。
【図4】図1のZ−Z線に沿う断面図である。
【図5】図1のA−A線に沿う断面図である
【図6】ロータの図2におけるY−Y線に沿う断面図で
ある。
【符号の説明】
L 回転軸線 V 電磁開閉弁 1 動力伝達装置 2 ハウジング 5A ロータ 5B ロータ 6 プランジャ 13a オリフィス 16 流出路 21 流入孔(流入路) 55 シリンダ孔 60 スプール弁部 61 スプール孔 62 弁体 63 付勢手段 70 電磁アクチュエータ部 73 電磁ソレノイド 74 アーマチュア 75 ロッド(中間部材) 76 ロッド(中間部材) 77 スラスト軸受 78 押しリング(中間部材)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対回転可能なハウジングおよびロータ
    を備え、上記ロータには、プランジャを摺動自在に収容
    するシリンダ孔と、このシリンダ孔内の作動油をシリン
    ダ孔から流出させる流出路と、上記シリンダ孔内に作動
    油を流入させる流入路とが形成され、上記流出路には作
    動油の流通量に対応した流通抵抗を発生する流通抵抗発
    生部が設けられた回転速度差感応型継手において、上記
    流出路に電磁開閉弁を設けたことを特徴とする回転速度
    差感応型継手。
  2. 【請求項2】 上記電磁開閉弁が、スプール弁部と電磁
    アクチュエータ部とを備えており、上記スプール弁部
    が、上記ロータに形成され、上記流出路を上流側部分と
    下流側に分断するスプール孔と、このスプール孔に、上
    記流出路の上流側部分と下流側部分とを連通させる開位
    置と、上流側部分と下流側部分とを遮断する閉位置との
    間を摺動自在に設けられた弁体と、この弁体を上記開位
    置と上記閉位置とのいずれか一方の位置側へ向かって付
    勢する付勢手段とを有し、上記電磁アクチュエータ部
    が、電磁力により上記弁体を上記付勢手段の付勢力に抗
    して上記開位置と上記閉位置とのいずれか他方の位置に
    移動させることを特徴とする請求項1に記載の回転速度
    差感応型継手。
  3. 【請求項3】 上記スプール孔が上記回転軸線と平行に
    配置されており、上記電磁アクチュエータ部が、上記ハ
    ウジングおよびロータに対して相対回転可能に設けら
    れ、電磁ソレノイドの磁力により上記回転軸線方向へ移
    動させられるアーマチュアと、上記ロータに設けられ、
    上記アーマチュアの移動を上記弁体に伝達する押圧部材
    とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の回転
    速度差感応型継手。
  4. 【請求項4】 上記アーマチュアとこれに接触する押圧
    部材との間にスラスト軸受が設けられていることを特徴
    とする請求項3に記載の回転速度差感応型継手。
  5. 【請求項5】 上記ハウジングの回転軸線方向における
    両端部に上記ロータがそれぞれ設けられ、この二つのロ
    ータが互いに相対回転可能であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の回転速度差感応型継手。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113685463A (zh) * 2021-08-27 2021-11-23 张丽 一种机械设计用转轴锁定机构

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