JP2665780B2 - 4輪駆動用駆動連結装置 - Google Patents

4輪駆動用駆動連結装置

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JP2665780B2
JP2665780B2 JP26021288A JP26021288A JP2665780B2 JP 2665780 B2 JP2665780 B2 JP 2665780B2 JP 26021288 A JP26021288 A JP 26021288A JP 26021288 A JP26021288 A JP 26021288A JP 2665780 B2 JP2665780 B2 JP 2665780B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、油圧ポンプの発生油圧により、前輪側から
後輪側へ、又は後輪側から前輪側へ駆動力を伝達し、4
輪駆動状態を実現する4輪駆動用駆動連結装置に関す
る。
〔従来技術〕
4輪駆動車は、雪道、砂利道等の特殊な路面状況にお
いて高い走行安定性が得られることは勿論、通常の路面
においても、加減速時及び高速時における走行安定性に
優れていることから、路面状況,天候等の自然条件及び
走行状態の如何に拘わらず快適な走行を実現できるもの
として、近年特に脚光を浴びている。このような4輪駆
動車としては、前,後輪間に生じる回転速度差に応じて
駆動力を配分する駆動連結装置を、前,後輪間の伝動軸
の中途に設けたものがその主流をなしており、このよう
な駆動連結装置の一つとして、油圧ポンプ、特に、小型
軽量化が容易であると共に、耐久性に優れたベーンポン
プの発生油圧を利用するものがある。
ベーンポンプは、公知の如く、偏肉環状をなすカムリ
ングの両側にサイドプレートを夫々装着し、これらに囲
繞された空間を内部に形成してなるケーシングと、平板
状のベーン複数枚を、周方向に略等配をなし半径方向へ
の進退自在に装着してなる短寸円筒形のロータとを備
え、該ロータを前記ケーシングの内部空間に同軸回動自
在に収納して、ロータの外周面とカムリングの内周面と
の間に、これらと両サイドプレートの側面とにより囲繞
されたポンプ室を形成して構成され、このポンプ室への
導入油を、互いに相隣するベーン間に封止し、ロータの
回転に応じて回転させて昇圧するものである。そして、
前記駆動連結装置は、前,後輪の一方に連なる軸体に前
記ロータを、また他方に連なる軸体に前記ケーシングを
夫々同軸的に固着し、両者間に前,後輪間の回転速度差
に相当する相対回転が生ずるようになし、前記ポンプ室
内部にこの相対回転に応じた油圧を発生させ、ロータと
ケーシングとの間にこの油圧に応じて発生する摩擦力に
より、前輪側から後輪側へ、又は後輪側から前輪側へ駆
動力を伝達する構成となっている。
さて、4輪駆動車においては、例えば、雪道,砂利道
等の悪路を走行する場合には、可及的にリジッドな連結
状態を得て安定した走行を可能とし、舗装路面を走行す
る場合には、比較的ルーズな連結状態を得てタイトコー
ナブレーキング現象の確実な防止を図るべく、前,後輪
間の駆動力の伝達特性を変更し得ることが望ましく、ま
た、このような路面状況の如何のみならず、車速の高
低,操舵角の大小,制御の有無等、走行状態に応じて前
記伝達特性を変更し得ることが望ましい。また、油圧ポ
ンプを用いてなる前記駆動連結装置においては、前,後
輪間における駆動力の伝達は、油圧ポンプ内に発生する
油圧を介して行われ、伝達駆動力の大小は該油圧の高低
に対応する一方、この駆動連結装置は、前述した如くそ
の全体が回転するため、油圧ポンプの作動油は、これの
外側を囲繞する態様にて形成され、大きさが限定された
油タンク内に封入してあり、これが循環使用される結
果、運転中に作動油の温度が上昇することが避けられ
ず、これに伴う粘性の低下により油圧ポンプ内部の発生
油圧が低下し、前,後輪間における駆動力の伝達特性が
変化することがあり、両輪の回転速度差に応じた十分な
駆動力の伝達が行えない虞があった。
そこで、本願出願人は、走行状態に応じての駆動力の
伝達特性の変更、及び油温の変化に伴う伝達特性変化の
補正が可能な駆動連結装置を特願昭62−120382号におい
て提案した。これは、前記油圧ポンプの吐出側油路の中
途に、電気的に又は油圧により駆動される可変絞りを配
し、これの絞り開度を変更し、吐出油路における流路抵
抗を変化せしめることにより、油圧ポンプの圧力特性を
変更し得る構成とし、車速,操舵角等の検出結果に応じ
て前記開度の変更を行うことにより、走行状態に応じた
伝達特性が得られ、また、作動油温の検出結果に応じて
前記開度の変更を行うことにより、油温の上昇に伴う伝
達特性変化の補正が行え、常時所望の伝達特性が得られ
るようにしたものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、前記可変絞りは、これが電気的に駆動され
る場合には駆動源への配線が、また油圧により駆動され
る場合には駆動源への油圧配管が夫々必要であるため
に、前述の如く回転する駆動連結装置本体に固設するこ
とは難しく、該本体近傍の非回転部分に固設されてい
る。従って、前記油圧ポンプの吐出油路は、回転してい
る駆動連結装置本体から非回転部分に配設された可変絞
りに至り、更に該可変絞りから駆動連結装置本体に戻る
複雑な構成とせざるを得ず、例えば、前記特願昭62−12
0382号においては、油圧ポンプの吐出油は、ロータの回
転軸の軸心に形成された油路に駆動連結装置内部におい
て一旦導入され、駆動連結装置外部におけるこの回転軸
の支承位置近傍にて非回転部分に導出され、該部分に固
設された可変絞りを通過後、ケーシングの支承位置近傍
にて該ケーシングの一部に形成された油路に導入され、
油タンクに還流されるようになしてある。このように、
駆動力の伝達特性を変更可能に構成された従来の駆動連
結装置においては、複雑な構成の吐出油路が必要であ
り、該油路の形成に多大の加工工数を要する上、組立て
の際、前記各部に形成された油路を相互に整合させる煩
わしさがあった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、駆
動力の伝達特性の変更が可能な4輪駆動用駆動連結装置
を、簡略な吐出油路の構成により提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る4輪駆動用駆動連結装置は、前,後輪の
一方と連動回転するロータを他方と連動回転するケーシ
ング内に収納して油圧ポンプを構成し、これの内部に
前,後輪間の回転速度差に応じて発生する油圧により
前,後輪を連結する4輪駆動用駆動連結装置において、
前記ロータ及びケーシングの軸心上に、これらの一方と
の連動回転、及び前記軸心に沿っての移動自在に配設さ
れ、前記油圧ポンプの吐出側油路の面積を、前記移動に
応じて変更する絞り部材と、該絞り部材に同軸的に連結
された鉄心、及び該鉄心に周設され非回転状態に支持さ
れたコイルを備え、該コイルの励磁に伴う前記鉄心の移
動により、前記絞り部材を駆動する駆動部とを具備する
ことを特徴とする。
〔作用〕
本発明においては、ロータ又はケーシングの回転に伴
って回転する絞り部材が、これに同軸的に連結された鉄
心と共に、該鉄心に周設され、非回転状態に支持された
コイルが発生する磁界の作用により移動し、油圧ポンプ
の吐出油路の面積が変化して、駆動力の伝達特性が変更
される。
〔実施例〕
以下本発明をその実施例を示す図面に基づいて詳述す
る。第1図は本発明に係る4輪駆動用駆動連結装置(以
下本発明装置という)の縦断面図である。
図において1は、前,後輪の内、駆動源たるエンジン
から直接的に駆動力の伝達を受ける方と連動回転する入
力軸であり、また2は、他方と連動回転する出力軸であ
る。本発明装置は、この入力軸1と出力軸2との間に介
装されたベーンポンプ3の発生圧力により、両軸の回転
速度差、即ち、前,後輪間に生じる回転速度差に応じ
て、入力軸1から出力軸2へ、即ち、前,後輪の一方か
ら他方へ駆動力の伝達を行うものである。
ベーンポンプ3は、その周方向に略等配をなして形成
された複数本の収納溝の夫々に、薄肉の矩形平板状をな
す各別のベーン30a,30a…を、半径方向への摺動自在に
内挿してなる短寸円筒状のロータ30と、該ロータ30を同
軸的に収納するカムリング31、及びこれの両側に後述す
る如く固着されるサイドプレート32,33等を備えてなる
ケーシングとを主たる構成要素とする。
カムリング31は、ロータ30の外径よりもやや大なる直
径の円に周方向に等配をなして複数の凹所を形成してな
る空洞部を、その軸心位置に備え、ロータ30と略等しい
軸長寸法を有する偏肉筒形の部材であり、また、サイド
プレート32,33は、後述するロータ軸4の支承孔をその
軸心位置に夫々有し、前者は薄肉の、後者は厚肉の中抜
き円板状をなす部材である。サイドプレート32,33は、
前記カムリング31の両側に、これを挾持する態様にて同
軸的に位置決めされ、中抜き円板の一側に短寸の円筒を
連設してなり、サイドプレート32の他側にこれらと同軸
的に位置決めされた軸封部材34と共に、該軸封部材34の
円板部、サイドプレート32及びカムリング31を、厚さ方
向にこの順に貫通し、サイドプレート33に形成された図
示しない各別のねじ孔に螺合する複数本の固定ボルト3
5,35…により一体的に結合され、ベーンポンプ3のケー
シングを構成している。該ケーシングの外側には、サイ
ドプレート33の外周及び軸封部材34の円筒部外周にその
一部を外嵌せしめて、薄肉筒状をなす囲繞部材36が装着
されており、ベーンポンプ3の作動油は、該囲繞部材36
と、ケーシングの外周との間に環状をなして形成された
油タンクT内に封入してある。
また図中5は、後述する如き形状の空洞部をその軸心
位置に有する円筒の両側に、これと同軸的に円板形の連
結フランジ5a,5bを備えてなるスペーサであり、ベーン
ポンプ3のケーシングと出力軸2との間に介装され、一
方の連結フランジ5aを前記出力軸2の端部に形成された
連結フランジ2aに、また他方の連結フランジ5bを前記サ
イドプレート33の他側面に夫々固着せしめ、前記ケーシ
ングと出力軸2とを同軸的に連結している。
一方、前記ロータ30は、カムリング31の空洞部とサイ
ドプレート32,33とにて囲繞された空間に内挿されてお
り、サイドプレート32,33の中抜き部に夫々内嵌固定さ
れた針状ころ軸受32a及び玉軸受33aにて支承されたロー
タ軸4に、両支承位置間にて外嵌され、これとスプライ
ン結合されている。前記ロータ軸4は、軸封部材34の円
筒部内周に装着されたオイルシールとXリングとにより
その外周を封止させ、サイドプレート32側に適長突出さ
せてあり、この突出端部に同心的に形成された連結フラ
ンジ4aを、前記入力軸1の端部に形成された円板形フラ
ンジ1aに固着せしめ、入力軸1と同軸的に連結されてい
る。
即ち、ベーンポンプ3のケーシングは、スペーサ5を
介して出力軸2に連結され、該出力軸2の回転に連動し
てその軸心回りに回転する一方、ロータ30は、ロータ軸
4を介して入力軸1に連結されており、該入力軸1の回
転に連動してその軸心回りに回転するから、ロータ30と
ケーシングとの間には、入力軸1と出力軸2との間、即
ち、前,後輪間の回転速度差に相当する相対回転が生じ
ることになる。
このようにケーシングに内挿されたロータ30の外周面
と、カムリング31の空洞部の内周面との間には、前記凹
所の形成位置に、前記両面とサイドプレート32,33の側
面とにて囲繞された空間(ポンプ室)が形成されてお
り、夫々のポンプ室には、ロータ30の回転方向両端に夫
々位置し、サイドプレート32側に開口する各一対の吸込
口40,40と、サイドプレート33側に開口する各一対の吐
出口41,41とが形成されている。各吸込口40は、これら
の形成位置に対応させてサイドプレート32の円板部に固
設され、前記ポンプ室への流入のみを許容する各別の吸
込チェック弁42、及び軸封部材34の円板部を厚さ方向に
貫通して形成された各別の吸込油路44により、油タンク
Tに連通させてある。一方、各吐出口41は、半径方向内
側に折り返す態様にてサイドプレート33に形成された各
別の吐出油路45、及び該油路45の中途に固着され、前記
ポンプ室からの流出のみを許容する各別の吐出チェック
弁46を介して、ベーン30a,30a…夫々の収納溝の底部を
相互に連通する態様にてロータ30の側面に形成された環
状溝47に連通させてあり、また、前記吐出油路45、及び
該油路45の中途にてこれと分岐する分岐油路45aを介し
て、スペーサ5の固着側におけるサイドプレート33の前
記支承孔周縁に環状をなして形成された切欠部37に連通
させてある。更に、サイドプレート32の支承孔とロータ
軸4との間の環状空間は、軸封部材34の円筒部を内外に
貫通する連通孔48により、また、サイドプレート33の支
承孔とロータ軸4との間の環状空間は、該サイドプレー
ト33を半径方向に貫通する連通孔49により、油タンクT
に夫々連通させてあり、両環状空間は、油タンクTと略
等圧状態に維持されている。
第2図は、ベーンポンプ3のケーシングと出力軸2と
の間に介装されたスペーサ5の一部拡大断面図である。
スペーサ5は、連結フランジ5b側の一部がサイドプレー
ト33の前記支承孔に内嵌され、前記玉軸受33aの外輪側
面にその端面が当接せしめられて、該玉軸受33aの押え
部材としての作用をなしている。また、スペーサ5の軸
心位置には、連結フランジ5b側、即ちサイドプレート33
との固着側の大径部51、連結フランジ5a側、即ち出力軸
2との固着側の大径部52及びこれらを連結する小径部か
らなる円形断面の空洞部が、軸長方向全長に亘って形成
してあり、大径部51の内周には、これの開口端部近傍に
位置して、矩形断面を有する環状溝53が形成されてい
る。この環状溝53は、これの内部に一端を開口させ、サ
イドプレート33との嵌合部分を半径方向に貫通して形成
された導油孔54により、サイドプレート33の支承孔周縁
に形成された前記切欠部37に連通させてある。
このような大径部51には、矩形断面の環状溝61をその
一側端部近傍の外周に形成してなる円筒状の絞り部材60
が、軸長方向への摺動自在に内嵌されており、前記環状
溝61は、大径部51内周の前記環状溝53に連通させてあ
る。また、第2図のIII−III線による拡大矢視図である
第3図に示す如く、前記環状溝61は、周方向複数個所
(第3図においては4個所)を矩形に切欠いて形成され
た切欠溝62,62…により、絞り部材60の前記一側、即
ち、サイドプレート33の支承孔内部の環状空間に連通さ
せてある。従って、ボーンポンプ3の各吐出口41は、吐
出油路45及びこれの中途にて分岐された分岐油路45aか
ら、切欠部37,導油孔54,環状溝53,61及び切欠溝62を経
て、サイドプレート33の支承孔内部の低圧状態に維持さ
れた環状空間に連通されており、この油路の面積は、大
径部51に沿う絞り部材60の摺動に伴って生じる環状溝53
と環状溝61との間の連通面積の変化に応じて変化する。
第1図は、絞り部材60がサイドプレート33から離隔した
位置にあり、前記連通面積が大きい状態を示しており、
第2図は、絞り部材60がサイドプレート33に近付いた位
置にあり、前記連通面積が小さい状態を示している。
一方、連結フランジ5a側の大径部52には、鉄心63が内
挿されている。鉄心63は、後述する駆動コイル7が発生
する磁界の作用を受け易いように、一側にテーパ状の縮
径部を設けてなる短寸円柱形をなしており、縮形側の端
部には、前記小径部を経て他側の大径部51内に延びる丸
棒状の連結杆64が、同軸的に連設されている。この鉄心
63は、前記小径部及び大径部52の内周に夫々圧入固定さ
れた滑りブッシュ55及び同56により、空洞部の軸心に沿
って摺動自在に支承されており、前記連結杆64は、大径
部51内において、絞り部材60の軸心に挿通せしめられ、
先端部に螺合された固定ナット66により該絞り部材60と
一体的に固定されている。また、前記絞り部材60は、大
径部51と小径部との間の肩部との間に、図示の如く介装
されたコイルばね65により、図の左方向、即ちサイドプ
レート33に近付く向きに付勢されている。即ち、絞り部
材60と鉄心63とは、連結杆64により同軸上に連結され、
コイルばね65の付勢力に抗する外力の作用に応じて、ス
ペーサ5の軸心、即ち、ベーンポンプ3のケーシング及
びロータ30の軸心に沿って移動する。
以上の如く、絞り部材60及びこれに連結された鉄心63
等を内蔵してなるスペーサ5の円筒部の外側には、これ
の外周面に近接して駆動コイル7が周設してある。第1
図に示す如く、駆動コイル7は、これのハウジング70の
一部に突設された支持脚71をベーンポンプ3近傍の車体
の一部に固定せしめ、非回転状態に支持されており、こ
れへの通電がなされた場合、これに伴いスペーサ5の軸
心に沿って発生する磁界の作用により、鉄心63にコイル
ばね65の付勢力に抗する向きの力が加わるようになして
ある。駆動コイル7への通電がなされていない場合、絞
り部材60にはコイルばね65の付勢力のみが作用するか
ら、該絞り部材60は第2図に示す位置にあり、環状溝61
と環状溝53の連通面積は小さいが、駆動コイル7への通
電がなされた場合、前記鉄心63に、この通電量に対応す
る磁気力がコイルばね65の付勢力と逆向きに加わるか
ら、該鉄心63と連結された絞り部材60は、前記磁気力と
コイルばね65の付勢力とが釣り合う位置に移動し、前記
連通面積は増大する。この連通面積の増大量は絞り部材
60の移動量に対応し、この移動量は駆動コイル7への通
電量に対応するから、駆動コイル7への通電を制御する
ことにより、環状溝61と環状溝53の連通面積、即ち、ベ
ーンポンプ3の吐出口41から、吐出油路45,分岐油路45
a,切欠部37,導油路54,環状溝53,環状溝61及び切欠溝62
を経てサイドプレート33の支承孔内部に連なる油路の面
積を変更することができる。なお、絞り部材60の移動範
囲は、大径部52の開口端部にねじ込み固定された押え部
材67により制限されており、絞り部材60は、第1図に示
すように、鉄心63の端部が押え部材67に当接する位置ま
で移動可能である。また、駆動コイル7の通電により発
生する磁束をスペーサ5の軸心位置に集中させ、鉄心63
の移動を確実に行わせるため、スペーサ5の円筒部に
は、その中途に非磁性体製のリング5cが介装されてい
る。
以上の如く構成された本発明装置において、入力軸1
と出力軸2との間に回転速度差が生じていない場合、前
者と連動回転するロータ30と後者と連動回転するカムリ
ング31との間には相対回転が生じず、前記ポンプ室内の
油は、ロータ30及びカムリング31の回転に伴って回転す
るのみであり、油圧の発生はなく、入力軸1から出力軸
2への駆動力の伝達は行われない。これは、一定速度に
て理想的な直進走行が行われている場合に相当するが、
実際の走行の際、このような状態が生じることは稀であ
り、入力軸1と出力軸2との間には、常時ある程度の回
転速度差が生じている。特に、前,後輪の一方が空転状
態にある場合、又は加減速時等、前,後輪の一方に大き
い荷重が作用する場合には大きい回転速度差が生じる。
このように前,後輪間に回転速度差が生じた場合、ロー
タ30とカムリング31との間には、この回転速度差に相当
する相対回転が生じ、油タンクT内の作動油は、吸込油
路44及び吸込チェック弁42を経て、相対回転方向上流側
に開口する吸込口40から前記ポンプ室内部に導入され
る。ロータ30のベーン30a,30a…は、夫々の収納溝の底
部との間に介装された各一対のコイルばね30b,30bの付
勢力、及び後述する如く各収納溝の底部に導入される圧
油の作用により、その先端をカムリング31の空洞部内周
面に押付けられた状態で、ロータ30の回転に伴って回転
しており、前述の如く各ポンプ室内部に導入される油
は、互いに相隣する2枚のベーン30a,30a間に封止さ
れ、ロータ30の回転に伴って回転せしめられて昇圧し、
各ポンプ室内部に油圧が発生する。この油圧は、ロータ
30とカムリング31との間に、前記相対回転を抑止すべく
作用するから、入力軸1から出力軸2へ、即ち前,後輪
の一方から他方へ駆動力の伝達がなされ、4輪駆動状態
が実現される。
さて、各ポンプ室内部にて昇圧された油は、相対回転
方向下流側に開口する吐出口41から送出され、その大部
分が、吐出油路45,分岐油路45a,切欠部37,導油孔54を経
て、前記大径部51内周に環状溝53内に導入された後、該
溝53と絞り部材60外周の環状溝61との間の連通部を通過
し、更に切欠溝62,62…を経てサイドプレート33の支承
孔内に導入される。このとき、環状溝53内に導入される
圧油の一部は、絞り部材60外周と大径部51内周との間の
わずかな間隙を通過し、コイルばね65の配設空間内に漏
れ出すが、この漏出油は、連結杆64の軸心に形成された
還流油路68内を通過し、サイドプレート33の支承孔内に
導入される。また、吐出口41からの送出油のの残部は、
吐出油路45,吐出チェック弁46及び環状溝47を経て前記
収納溝の底部に導入され、ベーン30a,30aを半径方向外
向きに押圧する作用をなした後、ロータ30の両側面とサ
イドプレート32,33の側面との間のわずかな間隙を通過
して、サイドプレート32,33の支承孔内部に漏れ出す。
以上の如く、サイドプレート32,33の支承孔内に導入さ
れた油は、針状ころ軸受32a,玉軸受33aの潤滑作用をな
した後、連通孔48,49を経て油タンクTに還流し、再度
ベーンポンプ3内に吸込まれて循環使用される。
このように、ベーンポンプ3の各ポンプ室内部の油圧
は、主として、吐出油路45からの環状溝53と環状溝61と
の連通部を経てサイドプレート33の支承孔に至る油路の
通路抵抗に抗して発生し、この油圧に応じた駆動力が
前,後輪間に伝達されるが、本発明装置においては、前
述した如く、駆動コイル7の励磁に応じて絞り部材60が
移動し、この移動に応じて環状溝53と環状溝61との間の
連通面積が変化するから、駆動コイル7への通電量を変
更することにより、前記通流抵抗を変更し、ベーンポン
プ3の発生圧力特性、換言すれば、前,後輪間における
駆動力の伝達特性を変更することが可能である。第4図
は、本発明装置により実現される駆動力の伝達特性の一
例を示すグラフであり、図の横軸は前,後輪間に生じる
回転速度差を、また縦軸は両輪間の伝達トルクを夫々示
している。図中の実線は、駆動コイル7に最大の励磁電
流が通電され、絞り部材60が第1図に示す位置にあっ
て、前記連通面積が最大である場合の特性を、また、破
線は、駆動コイル7が非励磁状態にあり、絞り部材60が
第2図に示す位置にあって、前記連通面積が最小である
場合の特性を夫々示しており、本発明装置によれば、駆
動コイル7の励磁電流の変更により両特性間の適宜の特
性を選択的に実現することが可能である。
駆動コイル7への励磁電流制御を、走行状態に応じて
行った場合、あらゆる走行状態に対し最適な4輪駆動状
態が実現される。例えば、エンジン回転数と車速とを検
出し、両者間に所定の対応関係が得られない場合、駆動
コイル7の励磁電流を減少させ、前,後輪をよりリジッ
ドに連結することにより、例えば、雪道,砂利道等の滑
りやすい路面における安定した走行が実現され、また、
操舵角を検出し、これが大きい場合に駆動コイル7への
通電量を増大させ、ルーズな結合状態を実現することに
より、急旋回時におけるタイトコーナブレーキング現象
を確実に防止できる。更には、制動又は加速中であるか
否かにより前記励磁電流を制御することにより、安定し
た制動及び加速が実現される。
また、油タンクT内の油温の高低に応じて、励磁電流
を大小に変更することにより、作動油の粘性変化に伴う
ベーンポンプ3の発生圧力特性の変化を補正し、作動油
の温度変化に拘わらず、常時一定の駆動力の伝達特性を
維持せしめることが可能となる。
なお本実施例においては、入力軸1と出力軸2との間
に介装されたベーンポンプ3の発生油圧により、両軸間
に駆動力を伝達する構成としたが、ベーンポンプ3に換
えて、トロコイドポンプ、内接ギヤポンプ等の他の油圧
ポンプを用いてもよい。
また本実施例においては、ベーンポンプ3のケーシン
グと出力軸2との間にスペーサ5を介装し、これの軸心
位置に絞り部材60及び鉄心63を配したが、両者の配設位
置はこれに限るものではなく、例えば、スペーサ5を設
けることなく、ケーシングを出力軸2との連結部に向け
て延長し、この延長部に両者を配してもよく、また、ケ
ーシング側ではなく、ロータ30と連動回転する部分に両
者を配することも可能である。
〔効果〕
以上詳述した如く本発明装置においては、ロータ及び
ケーシングの軸心上に配設され、これらの一方と連動回
転する絞り部材の移動に応じて油圧ポンプ吐出側の油路
の面積が変更されるから、該絞り部材に連なる前記油路
の構成が大幅に簡略化され、該油路の加工及び装置全体
の組立てに要する工数が大幅に削減される。また、前記
絞り部材の移動は、これに同軸的に連結された鉄心と周
設され、非回転状態に支持されたコイルの励磁に応じて
行われるから、該コイルへの配線は容易である。このよ
うに本発明は、駆動力の伝達特性の変更が可能な4輪駆
動用駆動連結装置を簡略な構成にて実現できる等、優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の縦断面図、第2図は第1図の要部
拡大断面図、第3図は第2図のIII−III線による拡大矢
視図、第4図は本発明装置により実現される前,後輪間
の駆動力の伝達特性を示すグラフである。 1……入力軸、2……出力軸、3……ベーンポンプ、4
……ロータ軸、5……スペーサ、7……駆動コイル、30
……ロータ、31……カムリング 32,33……サイドプレート、41……吐出口 45……吐出油路、45a……分岐油路、51,52……大径部 53……環状溝、54……導油孔、60……絞り部材 63……鉄心、64……連結杆、65……コイルばね

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前,後輪の一方と連動回転するロータを、
    他方と連動回転するケーシング内に収納して油圧ポンプ
    を構成し、これの内部に前,後輪間の回転速度差に応じ
    て発生する油圧により前,後輪を連結する4輪駆動用駆
    動連結装置において、 前記ロータ及びケーシングの軸心上に、これらの一方と
    の連動回転、及び前記軸心に沿っての移動自在に配設さ
    れ、前記油圧ポンプの吐出側油路の面積を、前記移動に
    応じて変更する絞り部材と、 該絞り部材に同軸的に連結された鉄心、及び該鉄心に周
    設され非回転状態に支持されたコイルを備え、該コイル
    の励磁に伴う前記鉄心の移動により、前記絞り部材を駆
    動する駆動部と を具備することを特徴とする4輪駆動用駆動連結装置。
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