JP2884001B2 - 4輪駆動用駆動連結装置 - Google Patents

4輪駆動用駆動連結装置

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JP2884001B2 JP14965190A JP14965190A JP2884001B2 JP 2884001 B2 JP2884001 B2 JP 2884001B2 JP 14965190 A JP14965190 A JP 14965190A JP 14965190 A JP14965190 A JP 14965190A JP 2884001 B2 JP2884001 B2 JP 2884001B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、前,後輪間に介装された油圧ポンプが両輪
間の回転速度差に応じて発生する油圧を媒介として4輪
駆動状態を実現する4輪駆動用駆動連結装置に関する。
〔従来の技術〕
エンジンの駆動力を前,後輪双方に伝達して走行する
4輪駆動車は、路面状況,天候等の自然条件及び走行状
態の如何に拘わらず安定した走行を実現し得るものとし
て脚光を浴びている。近年においては、前,後輪間に回
転速度差が生じたとき、両輪への駆動力配分をこの回転
速度差に応じて変更する動作をなす駆動連結装置を備
え、実質的に常時4輪駆動状態が得られるようになし
た、所謂フルタイム4輪駆動車が主流となっており、こ
のような4輪駆動用駆動連結装置の一つとして、前,後
輪間に介装された油圧ポンプの発生油圧を利用するもの
が知られている。これは、前,後輪の一方への伝動軸に
連動連結されたロータを他方への伝動軸に連動連結され
たケーシング内に収納して油圧ポンプ(一般的にはベー
タポンプ)を構成し、両伝動軸間の回転速度差、即ち
前,後輪間の回転速度差に対応する相対回転をロータと
ケーシングとの間に生ぜしめ、このとき両者間に形成さ
れたポンプ室内に発生する油圧を媒介として前記両伝動
軸間での駆動力伝達が行われるようになしたものであ
る。この際、前記相対回転の大小、即ち前,後輪間に生
じている回転速度差の大小に対応して発生する油圧は、
ロータとケーシングとの間に前記相対回転を抑止すべく
作用するから、この油圧を媒介として前,後輪の一方か
ら他方へ、両輪間の回転速度差に応じた駆動力が伝達さ
れることになり、所望の4輪駆動状態が実現される。
さて4輪駆動車においては、旋回走行に伴うタイトコ
ーナブレーキング現象の発生防止を重視すると、前,後
輪間にルーズな連結状態が得られていることが望まし
く、また高速での直進走行時の安定性向上を重視する
と、逆にリジッドな連結状態が得られていることが望ま
しいことから、前記駆動連結装置においては、操舵の有
無,車速の高低等、走行状態に応じて伝動特性を変更す
ることが要求される。油圧ポンプの発生圧力を駆動力の
伝達媒介とする駆動連結装置においては、該油圧ポンプ
の圧力特性の変更により伝動特性の変更が可能であり、
この圧力特性は油圧ポンプの吐出側の通油抵抗の大小に
依存することから、吐出油路の中途に可変絞りを配し、
これの絞り開度を走行状態に応じて調節するという簡略
な構成により前述した要求に応え得る。ところが前記油
圧ポンプにおいては、ロータのみならずケーシングも回
転しており、外部に固定的に設けた油タンクから作動油
を供給することが困難であるため、ケーシングの外側に
薄肉の筒体を嵌着して該ケーシングと一体的に回転する
油タンクを形成し、この油タンクに封入された作動油を
ケーシングに形成された吸込油路及び吐出油路を介して
循環使用する構成が一般的に採用されている。従って前
述の要求に応えるためには、回転するケーシングに形成
された吐出油路の中途に外部から開度調節が可能な可変
絞りを設けねばならず、この配設に困難を伴うという難
点があった。
本願出願人は、この難点を解消し得る駆動連結装置の
構造を既に提案している。その1つは、油タンク形成用
の前記筒体を固定し、この筒体の内部に前記ケーシング
を同軸回動自在に支承させると共に、ケーシングに形成
された吐出油路をこの筒体の外側にまで延設して、この
延設端部に絞り部材及びこれの駆動用のソレノイドを固
設したものである。また、特開平2−106438号において
提案した他の1つは、前記ケーシングとこれに対応する
伝動軸とを両側に連結フランジを備えた連結部材を介し
て連結し、両連結フランジ間の筒状部の軸心位置に絞り
部材及びこれの一側に連設された鉄心を軸長方向への摺
動自在に収納すると共に、適宜位置に固定された励磁コ
イルを前記筒状部の外側に臨ませて周設し、該励磁コイ
ルと前記鉄心とにより絞り部材駆動用のソレノイドを構
成して、前記励磁コイルへの通電により筒状部内側に形
成される磁界の作用により、前記鉄心と共に絞り部材を
摺動させ、該絞り部材の配設位置にまで延設された吐出
油路の通油面積を調節するようになしたものである。前
者は、駆動連結装置の配設位置に半径方向の余裕がある
場合に、また後者は、同じく軸長方向の余裕がある場合
に夫々採用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
さて後者の構成においては、励磁コイルへの通電によ
り生じる磁束を前記鉄心の配設位置に集中させ、絞り部
材の摺動を確実に行わしめるため、前記筒状部への漏洩
磁束を遮断することが必要であり、前記特開平2−1064
38号においては、前記筒状部の中途に非磁性体製のリン
グを溶接し、該リングにて筒状部の漏洩磁束を遮断する
ことにより鉄心への集中を実現している。ところが、磁
性体と非磁性体との間にて行われる前記溶接には十分な
接合強度を保証し得ず、筒状部に大きい伝動トルクが負
荷されたとき、この接合部分が破断する虞があった。
また、前記励磁コイルは車体の適宜部分に固定されて
いるのに対し、前記鉄心を収納する筒状部は駆動連結装
置と共に回転しており、走行中の車体の振動により励磁
コイルに対して鉄心の半径方向の相対位置が変動するこ
とが避けられず、該鉄心の配設位置における磁界強度が
不安定となり、絞り部材の摺動位置が変動して所望の伝
動特性が得られなくなる虞があり、更に前記振動が大き
い場合、筒状部との衝突により前記励磁コイルが損傷す
る虞さえあった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、絞
り部材の保持部材への漏洩磁束を該保持部材の強度不足
を招来することなく遮断し、また、絞り部材と一体的に
構成された鉄心と励磁コイルとの相対位置の変動を確実
に防止して、絞り部材の移動及びこれにより実現される
伝動特性の変更を確実に行わせ得る4輪駆動用駆動連結
装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る4輪駆動用駆動連結装置は、前,後輪夫
々への伝動軸に各別に連動連結され、同軸上にて相対回
転するロータとケーシングとを備えた油圧ポンプの吐出
側油路の中途に、ソレノイドにて駆動される絞り部材を
配し、前記油圧ポンプ内部の発生油圧を媒介とする前記
両伝動軸への伝動特性を、前記ソレノイドへの通電に応
じて生じる前記絞り部材の移動により変更する4輪駆動
用駆動連結装置において、一対の連結フランジ間に、両
者に架け渡した固定ボルトにて挾持固定され、これらと
共に前記ロータ又は前記ケーシングと夫々に対応する伝
動軸との間に同軸的に介装してあり、その内側に前記絞
り部材を、軸心上での摺動自在に保持する非磁性体製の
保持筒と、非回転状態に拘束してあり、その内側に前記
保持筒を、同軸回動自在に支承する支承筒とを備え、前
記ソレノイドの鉄心は、前記絞り部材と一体的に連設し
てあり、また励磁コイルは、前記保持筒の周壁を介して
前記鉄心の外側を囲繞する態様にて前記支承筒の内側に
固設してあることを特徴とする。
〔作用〕
本発明においては、非磁性体製の保持筒内に絞り部材
及びソレノイドの鉄心の摺動自在に保持させ、この保持
筒を、内側にソレノイドの励磁コイルを固設してある支
承筒内に同軸回動自在に支承させ、更に前記保持筒の一
対の連結フランジ間に両者に架け渡された固定ボルトに
て挾持固定して、これらをロータ又はケーシングと夫々
に対応する伝動軸との間に同軸的に介装し、前記連結フ
ランジにて夫々に固定すると共に、適宜の固定部分との
係合により前記支承筒の回転を拘束する。これにより、
保持筒及びこれに保持された鉄心は、支承筒及びこれに
固設された励磁コイルと一体的に振動し両者間に相対位
置変動は生じない。また、保持筒に負荷される伝動トル
クに対する強度は、該保持筒と前記固定ボルトとにより
保証される。
〔実施例〕
以下本発明をその実施例を示す図面に基づいて詳述す
る。第1図は本発明に係る4輪駆動用駆動連結装置(以
下本発明装置という)の縦断面図である。
本発明装置は、前,後輪の一方と連動回転する入力軸
1と他方と連動回転する出力軸2との間に、両軸1,2間
の回転速度差、即ち前,後輪間の回転速度差に応じて油
圧を発生する油圧ポンプ(ベーンポンプ3)を構成して
なり、該ベーンポンプ3の発生油圧を媒介として入力軸
1から出力軸2へ駆動力を伝達するものである。
ベーンポンプ3の短寸円筒形をなすロータ30は、外周
面から半径方向に所定の深さを有する複数の溝を周方向
に等配に形成し、これらの溝夫々に矩形平板状のベーン
30a,30a…を半径方向への進退自在に収納した公知の構
成を有する。ベーン30a,30a…の基端部と夫々の収納溝
の底部との間には、これらを外向きに付勢するコイルば
ね30b,30b…が介装してある。またベーンポンプ3のケ
ーシングは、ロータ30と略同長の偏肉筒形をなすカムリ
ング31と、厚肉の中抜き円板であるプレッシャプレート
32と、共に中抜き円板の内周側に同軸的に連設された円
筒部を有するサイドプレート33及び押え板34とを備え、
サイドプレート33の円筒部に押え板34の円筒部を外嵌し
て両者を同軸上にて一体化させ、これらとプレッシャプ
レート32とをカムリング31の両側に同軸的に位置決め
し、これら全てを、押え板34及びサイドプレート33の円
板部とカムリング31とを厚さ方向に貫通してプレッシャ
プレート32に螺合する複数本の固定ボルト35,35…にて
一体的に結合した構成となっている。この構成によりカ
ムリング31の内側には、プレッシャプレート32とサイド
プレート33とにて両側を囲繞された空洞部が形成され、
前記ロータ30はこの空洞部内に収納されている。ロータ
30の回転軸であるロータ軸4は、サイドプレート33の円
筒部及びプレッシャプレート32の中抜き部にサイドプレ
ート33側から挿入され、図示の如くカムリング31の両側
において、プレッシャプレート32側の玉軸受とサイドプ
レート33側の針状ころ軸受とにより支承してある。ロー
タ30は、これらの支承位置間にてロータ軸4にスプライ
ン結合され、カムリング31の内側にこれと同軸をなして
位置しており、ロータ軸4の回転に伴い、前記ベーン30
a,30a…の先端をカムリング31の内周に押付けつつ回転
する。カムリング31の内周は、円形の周囲に複数個所の
凹所を形成してなる軸断面形状を有しており、これらの
凹所の形成位置にロータ30の外周とにて囲まれた複数の
ポンプ室が形成されている。
前記入力軸1は、サイドプレート33側に突出するロー
タ軸4の端部に連結しており、また前記出力軸2は、後
述の如く構成された連結部材5を介してプレッシャプレ
ート32の外側面に連結してある。これによりロータ30
は、入力軸1の回転に連動して回転し、プレッシャプレ
ート32をその一部とするケーシングは、出力軸2の回転
の連動して回転するから、ロータ30とカムリング31との
間には、入力軸1と出力軸2との間、即ち前,後輪間の
回転速度差に相当する相対回転が生じる。
ケーシングの外側には薄肉の筒体36が嵌着してあり、
ベーンポンプ3の作動油は、この筒体36とケーシング外
周との間に環状をなして形成された油タンクTの内部に
封入されている。ベーンポンプ3の各ポンプ室は、押え
板34及びサイドプレート33の円板部を厚さ方向に貫通
し、前記ポンプ室への流入のみを許容するチェック弁を
その中途に嵌装してなる各別の吸込油路40,40…(1つ
のみ図示)により、前記油タンクTに連通せしめてあ
る。プレッシャプレート32には、各ポンプ室内にその一
端を開口させ、半径方向内側に折返して前記ベーン30a,
30a…の収納溝の底部に連なり、各ポンプ室からの流出
のみを許容するチェック弁をその中途に嵌装してなる各
別の吐出油路41,41…(1つのみ図示)が形成してあ
る。またプレッシャプレート32には、これを厚さ方向に
貫通する導油孔42と、同じく半径方向に貫通する還流孔
43が形成してある。導油孔42は、プレッシャプレート32
内側面の前記収納溝の底部に相当する半径方向位置に一
端を開口させ、他端をプレッシャプレート32の外側面の
内周に周設された環状溝37内に開口させて、前記収納溝
の底部を環状溝37内に連通しており、また還流孔43は、
プレッシャプレート32の中抜き部を油タンクTに連通し
ている。
第2図は、本発明の特徴部分の拡大断面図である。前
記連結部材5は、プレッシャプレート32と出力軸2との
間に介装されて両者を連結する機能を果たすと共に、前
記ポンプ室からの吐出側油路の中途に後述の如く配され
る絞り部材6を保持するものであり、第1図及び第2図
に示す如く、絞り部材6を保持する非磁性体製の保持筒
50の両側に、プレッシャプレート32及び出力軸2との連
結のための各別の連結フランジ51,52を同軸的に位置決
めし、これらを、連結フランジ52を厚さ方向に貫通し、
更に保持筒50の周壁を長手方向に貫通して、連結フラン
ジ51に螺合する複数本の固定ボルト53,53…により一体
的に結合した構成となっている。この構成により連結部
材5は、プレッシャプレート32から出力軸2への伝動ト
ルクを、保持筒50と共に固定ボルト53,53…によって余
裕をもって負担し得る。プレッシャプレート32の外側面
に固定される連結フランジ51は、これの軸心部を貫通す
る円孔51aを備えた中抜き円板形の部材であり、保持筒5
0との一体化によりこの円孔51aは、保持筒50の内側に正
しく整合して連通するようになしてある。絞り部材6
は、磁性体製の円筒形の部材であり、前記円孔51aを経
て保持筒50に内嵌されて、これらの軸心上にて摺動自在
となっている。また出力軸2側の連結フランジ52は、軸
心位置に円形断面の突出部52aを備え、保持筒50に所定
長内嵌されたこの突出部52aの端面と前記絞り部材6と
の間には、該絞り部材6を図の左方向、即ちプレッシャ
プレート32側に向けて付勢する付勢ばね60が介装されて
いる。前記円孔51aのプレッシャプレート32側の開口端
近傍内周には止め輪61が係着してあり、絞り部材6の摺
動範囲は、この止め輪61と前記突出部52aとの間に限定
される。
絞り部材6のプレッシャプレート32側の外周面には、
絞り溝63が環状をなして形成してあり、この絞り溝63
は、周壁を貫通する連通孔64を介して該絞り部材6の内
側に連通させてある、また連結フランジ51の円孔51aの
内周には、絞り溝54が環状をなして形成してあり、この
絞り溝54は、連結フランジ51の固定により、プレッシャ
プレート32の外側面に形成された前記環状溝37に連通孔
55を介して連通される。この絞り溝54と絞り溝63とは、
絞り部材6が前述の摺動範囲内にて摺動する間において
は常時連通するようになしてある一方、環状溝37は前述
の如く、導油孔42、ベーン30a,30a…の収納溝、及び吐
出油路41,41…を介してベーンポンプ3の各ポンプ室に
連通されており、また絞り部材6の内側は、プレッシャ
プレート32の中抜き部及び前記還流孔43を介して油タン
クTに連通されている。従って絞り部材6は、前記各ポ
ンプ室の吐出側を油タンクTに連通する吐出側油路の中
途に配されたことになり、絞り溝54と絞り溝63と間に絞
り部材6の摺動に応じて生じる連通面積の変化により絞
り作用をなす。なおこの絞り面積は、付勢ばね60のばね
力により絞り部材6が止め輪61に押付けられていると
き、第1図に示す如く最大となり、絞り部材6が付勢ば
ね60のばね力に抗して摺動し、突出部52aの端面に当接
した摺動位置にあるとき、第2図に示す如く最小とな
る。
絞り部材6は、保持筒50の外側を囲繞する態様にて配
設されて駆動コイル7が形成する磁界の作用により、自
身を鉄心とするソレノイドにて駆動される。駆動コイル
7は、円筒状をなす支承筒8の内側中央に嵌着してあ
り、この支承筒8は、駆動コイル7の両側に内嵌固定さ
れた一対の玉軸受80,81を介して、その内側に前記保持
筒50を同軸回動自在に支承すると共に、硬質ゴム等の弾
性に富む材料からなる連結部材9を介して車体の一部に
固定され、非回転状態に拘束されている。この構成によ
り駆動コイル7は、保持筒50の外側に、これの外周面に
近接して周設されるが、保持筒50の支承筒8に対する相
対位置が玉軸受80,81を介して一定に保たれることか
ら、保持筒50及びこれの内部の絞り部材6に対する駆動
コイル7の相対位置が走行中の車体の振動等に起因して
変動する虞はなく、更に保持筒50と駆動コイル7とが衝
突する虞もない。而して駆動コイル7への通電がなされ
た場合、これに伴って発生する磁界の作用により、前記
絞り部材6には付勢ばね60の付勢力に抗する向きの力が
加わり、絞り部材6は図の右方に摺動して絞り面積が減
少する。このとき、絞り部材6に対する駆動コイル7の
相対位置が前述の如く不変であること、また絞り部材6
を収納する保持筒50が非磁性体製であり、該保持筒50へ
の磁束の漏洩が生じないことから、駆動コイル7による
発生磁束が絞り部材6が配してある保持筒50の軸心位置
に集中し、該絞り部材6の摺動及びそれに伴う絞り面積
の変化は確実にしかも安定的に生じる。なお前記磁束の
漏洩は、保持筒50を連結フランジ51,52間に挾持固定す
る固定ボルト53,53…にも生じるが、この漏洩は、非磁
性体であるステンレス製の固定ボルト53,53…を用いる
こと、更には第1図及び第2図に示す如く、連結フラン
ジ52における固定ボルト53,53…の貫通部に非磁性体製
のカラー53a,53a…を夫々嵌着することにより解消でき
る。
以上の如く構成された本発明装置においては、入力軸
1と出力軸2との間に回転速度差が生じた場合、この回
転速度差に相当する速度での相対回転がベーンポンプ3
のロータ30とカムリング31との間に生じ、油タンクT内
の作動油は、各ポンプ室内に、夫々の相対回転方向上流
側に開口する吸込油路40を経て導入され、互いに相隣す
る2枚のベーン30a,30a間に封止されてロータ30と共に
回転せしめられて昇圧し、前記相対回転の速度、即ち入
力軸1と出力軸2との間の回転速度差に相当する油圧が
各ポンプ室内に発生する。この油圧は、ロータ30とカム
リング31との間にこれらの相対回転を抑止すべく作用す
るから、入力軸1から出力軸2へ、即ち、前,後輪の一
方から他方へ、両者の回転速度差に対応する駆動力が伝
達されて4輪駆動状態が実現される。各ポンプ室内にて
昇圧された油は、相対回転方向下流側に開口する吐出油
路41を経てベーン30a,30a…の底部に導入され、各ベー
ン30a,30a…を外向きに押圧する作用をなした後、前記
導油孔42、環状溝37及び連通孔55を経て絞り溝54内に導
入され、前述の如く絞り部材6の摺動位置に応じた面積
を有して形成される連通部を経て絞り溝63内に流入し、
更に連通孔64及び絞り部材6の内側空洞を経てプレッシ
ャプレート32の中抜き部に導入され、還流孔43を経て油
タンクTに還流する。なおこの還流油は、ベーンポンプ
3の各ポンプ室に再度吸込まれて循環使用される。
以上の如き動作において、各ポンプ室内の油圧は、前
述の循環に際しての通油抵抗、主として吐出側での通油
抵抗に抗して発生し、回転速度差の変化に対する発生油
圧の変化率は通油抵抗の増大に伴って増大する一方、駆
動コイル7への通電により絞り部材6を摺動させ、絞り
溝54と絞り溝63との連通面積を減少させた場合、前記通
油抵抗は増大するから、各ポンプ室の発生油圧を媒介と
して行われる出力軸2への伝動特性を駆動コイル7への
通電電流の調節により自在に変更できる。
第3図は本発明装置により実現される伝動特性の一例
を示すグラフであり、図の横軸は前,後輪間の回転速度
差、また縦軸は出力軸2への伝達トルクである。図中の
実線は、駆動コイル7への通電により絞り部材6が第2
図に示す摺動位置にあって、絞り溝54と絞り溝63との連
通面積が最小である場合の特性を、また破線は、駆動コ
イル7への通電がなされず絞り部材6が第1図に示す摺
動位置にあって、前記連通面積が最大である場合の特性
を夫々示している。前者の特性が得られた場合、入力軸
1と出力軸2との間にはリジッドな連結状態が実現さ
れ、前,後輪の一方に生じたわずかな滑りに応じて、他
方へ大きい駆動力が伝達されることになり、雪道、砂利
道等の滑り易い路面での安定した走行が可能となる。ま
た後者の特性が得られた場合、入力軸1と出力軸2との
間にはルーズな連結状態が得られ、低速での旋回走行時
において前,後輪間の旋回軌跡の差により発生する両輪
の回転速度差を無理なく吸収でき、タイトコーナブレー
キング現象の発生防止に有効である。また駆動コイル7
への通電電流を連続的に変化せしめ、絞り部材6の摺動
位置を適宜に設定することにより、第3図における実線
と破線との間の伝動特性を選択することも可能であり、
車速の高低、操舵の有無等の走行状態の如何、又は運転
者の好みに応じて適正な伝動特性を選択することもでき
る。そしてこのとき本発明装置においては、駆動コイル
7への通電に伴う絞り部材6の摺動が、前述した如く確
実にしかも安定して生じるから、所望の伝動特性が確実
に実現される。
なお本実施例においては、駆動力の伝達媒介となる油
圧を発生する油圧ポンプとしてベーンポンプ3を用いて
いるが、トロコイドポンプ等の他の形式の油圧ポンプを
用いてもよく、また本実施例においては、保持筒50を備
えた連結部材5をケーシングと出力軸2との間に配した
が、ロータ30の回転軸であるロータ軸4と入力軸1との
間に配してもよい。
〔効果〕
以上詳述した如く本発明装置においては、絞り部材及
びこれと一体化された鉄心とを非磁性体製の保持筒内に
保持させ、この保持筒を一対の連結フランジ間に架け渡
した固定ボルトにて挾持固定し、ケーシング又はロータ
と対応する伝動軸との間に介装して、前記絞り部材をケ
ーシングの軸心上に配する一方、この保持筒を同軸回動
自在に支承する支承筒に駆動コイルを固設し、この支承
筒を非回転状態に拘束してあるから、連結部材としても
機能する前記保持筒の強度低下を招来することなく該保
持筒への磁束漏洩を確実に防止でき、また駆動コイルに
対する鉄心の相対位置を不変に保つことができ、駆動コ
イルの発生磁界が鉄心及び絞り部材の配設位置に集中
し、この磁界の作用により生じる絞り部材の移動及びこ
れにより実現される伝動特性の変更を確実にしかも安定
的に行わせることができる等、本発明は優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の縦断面図、第2図は要部の拡大断
面図、第3図は本発明装置により得られる伝動特性の一
例を示すグラフである。 1…入力軸、2…出力軸、3…ベーンポンプ、4…ロー
タ軸、5…連結部材、6…絞り部材、7…駆動コイル、
8…支承筒、30…ロータ、31…カムリング、50…保持
筒、51,52…連結フランジ、53…固定ボルト、54,63…絞
り溝

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前,後輪夫々への伝動軸に各別に連動連結
    され、同軸上にて相対回転するロータとケーシングとを
    備えた油圧ポンプの吐出側油路の中途に、ソレノイドに
    て駆動される絞り部材を配し、前記油圧ポンプ内部の発
    生油圧を媒介とする前記両伝動軸への伝動特性を、前記
    ソレノイドへの通電に応じて生じる前記絞り部材の移動
    により変更する4輪駆動用駆動連結装置において、 一対の連結フランジ間に、両者に架け渡した固定ボルト
    にて挾持固定され、これらと共に前記ロータ又は前記ケ
    ーシングと夫々に対応する伝動軸との間に同軸的に介装
    してあり、その内側に前記絞り部材を、軸心上での摺動
    自在に保持する非磁性体製の保持筒と、 非回転状態に拘束してあり、その内側に前記保持筒を、
    同軸回動自在に支承する支承筒とを備え、 前記ソレノイドの鉄心は、前記絞り部材と一体的に連設
    してあり、また励磁コイルは、前記保持筒の周壁を介し
    て前記鉄心の外側を囲繞する態様にて前記支承筒の内側
    に固設してあることを特徴とする4輪駆動用駆動連結装
    置。
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