JPH0721935Y2 - 4輪駆動用駆動連結装置 - Google Patents

4輪駆動用駆動連結装置

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JPH0721935Y2
JPH0721935Y2 JP1989031601U JP3160189U JPH0721935Y2 JP H0721935 Y2 JPH0721935 Y2 JP H0721935Y2 JP 1989031601 U JP1989031601 U JP 1989031601U JP 3160189 U JP3160189 U JP 3160189U JP H0721935 Y2 JPH0721935 Y2 JP H0721935Y2
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oil passage
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oil
rotor
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善明 浜崎
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Koyo Seiko Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、前,後輪の一方側から他方側への駆動力の伝
達を、両者間に介装した油圧ポンプの発生油圧により行
わせて4輪駆動状態を実現する4輪駆動用駆動連結装置
に関する。
〔従来技術〕
エンジンの駆動力を前,後輪双方に伝達して走行する4
輪駆動車は、路面状況,天候等の自然条件及び走行状態
の如何に拘わらず高い走行安定性が得られ、快適な走行
を実現できるものとして脚光を浴びている。近年の4輪
駆動車は、前,後輪間に生じる回転速度差に応じて駆動
力を配分する駆動用駆動連結装置を両輪間に介装し、実
質的に常時4輪駆動状態を得るべく構成された、所謂フ
ルタイム4輪駆動車が主流となっており、前記駆動連結
装置の一つとして、油圧ポンプ、特に小型軽量化が容易
であると共に耐久性に優れたベーンポンプの発生油圧を
利用するものが開発されている。
ベーンポンプを用いてなるこの駆動連結装置は、短寸の
偏肉筒状をなすカムリングの両側をサイドプレートにて
夫々閉塞し、これらにて囲繞された空洞部をその内部に
有するケーシングと、平板状のベーン複数枚を半径方向
への進退自在に装着してあり、前記ケーシングの一部に
同軸回動自在に支承されて前記空洞部内に位置する短寸
円筒形のロータとを備え、該ロータの外周面と前記カム
リングの外周面との間に、これらと両サイドプレートの
側面とにて囲繞された複数のポンプ室を形成した構成と
なっており、前,後輪の一方に前記ロータを、また他方
に前記ケーシングを作動的に連結せしめて前,後輪間に
介装されている。而して、この駆動連結装置において
は、前,後輪間に回転速度差が生じた場合、この回転速
度差に相当する相対回転が前記ロータとケーシングとの
間に生じ、各ポンプ室内の作動油は互いに相隣する前記
ベーン間に封止されて回転せしめられて昇圧し、各ポン
プ室の内部に、前記回転速度差の大小に応じて高低とな
る油圧が発生し、ロータとケーシングとの間に前記相対
回転を抑止すべく作用するこの油圧を媒介として、前,
後輪の一方から他方へ、両輪間に生じる回転速度差の大
小に対応する駆動力が伝達される。
さて、このような駆動連結装置においては、施回走行時
に前,後輪の旋回半径の相違に起因して生じるタイトコ
ーナブレーキング現象を抑制するために、旋回時に生じ
ると予想される比較的小さい回転速度差範囲においては
可及的に小なる駆動力の伝達がなされる一方、例えば、
前,後輪の一方が空転状態にあるときに空転側での十分
な駆動力を確保するために、大きい回転速度差範囲にお
いては可及的に大なる駆動力の伝達がなれるような駆動
力の伝達特性を有することが切望される。油圧ポンプを
用いてなる前述の駆動連結装置においては、駆動力伝達
の媒介となる油圧ポンプ内部の油圧は、回転速度差に応
じた量の吐出油が低圧部に還流するまでの間における油
路の通流抵抗に抗して発生するものであり、本願出願人
はこのことに着目し、前述の如き所望の特性が得られる
4輪駆動用駆動連結装置を、特願昭63−277020号におい
て提案した。第5図及び第6図は、この4輪駆動用駆動
連結装置の特徴部分の構成を示す要部拡大断面図であ
る。
この4輪駆動用駆動連結装置は、油圧ポンプの吐出側を
低圧部にバイパスするバイパス油路48を設け、このバイ
パス油路48の中途に、吐出圧を受圧して移動するスプー
ル60、及び該スプール60の移動を制限する制限部材61,6
2を備えてなる絞り手段6を配設してなる。図の下方は
油圧ポンプの吐出側であり、上方は略大気圧状態に維持
された低圧部であって、図示の如く、バイパス油路48は
低圧部側が大径となっており、前記絞り手段6はこの大
径部内に構成されている。一方の制限部材61は、前記吐
出側に位置してこの大径部に圧入固定され、これの軸心
位置に立設された案内杆61aに有底円筒状をなすスプー
ル60が摺動自在に内嵌されており、該スプール60は、制
限部材61の軸心を貫通する導圧孔61bを経て内側底面に
作用する油圧ポンプの発生油圧により、前記低圧部に向
けて押圧されている。また他方の制限部材62は、前記大
径部の低圧部側に内嵌され、止め輪63にて固定されてお
り、該制限部材62とスプール60の開口側に周設されたば
ね受け部60aとの間には、該スプール60を前記吐出側に
向けて付勢するコイルばね64が介装させてある。スプー
ル60は、これの周壁を内外に貫通する通油孔60bを有
し、この通油孔60bは、スプール60が案内杆61aの基部に
至るまで嵌入された際に、通油孔61dを介して前記導圧
孔61bに連通する前記案内杆60a外周の環状溝61cに整合
するようになっている。
而して絞り手段6においては、スプール60の摺動位置
が、油圧ポンプの発生油圧とコイルばね64の付勢力との
バランスにより定まり、前,後輪間の回転速度差が小さ
く、前記発生油圧が低い場合、第5図に示す如く、スプ
ール60はコイルばね64の付勢力により制限部材61に押付
けられて前記通油孔60bは全開状態となる一方、前,後
輪間の回転速度差が大きく、前記発生油圧が高い場合、
第6図に示す如く、スプール60はこれの底面に作用する
油圧により制限部材62に押付けられ、前記通油孔60bは
全閉状態となる。油圧ポンプの吐出側の通流抵抗は、正
規の吐出油路における通流抵抗と、前記バイパス油路48
の通流抵抗との和であり、油圧ポンプの発生圧力はこの
通流抵抗に抗して生じるが、バイパス油路48の通流抵抗
は、前述の如きスプール60の移動に応じて変化する前記
通油孔60bの開口面積に依存する。従って、この絞り手
段6を備えた4輪駆動用駆動連結装置においては、第7
図に示す如く、前,後輪間の回転速度差が小さく、油圧
ポンプの発生圧力がコイルばね64の付勢力を下回る範囲
においては、回転速度差の増大に対し緩やかに増大する
駆動力の伝達特性(第1の漸増部)が得られ、また、発
生圧力がコイルばね64の付勢力を超えてスプール60が摺
動を開始した後においては、これが制限部材62に当接す
るまでの間、回転速度差の増大に伴う発生圧力の増加に
より通油孔60bの開口面積が減少する結果、これによる
バイパス油路48側の通流抵抗の増加により発生圧力の増
加が促進されることになり、回転速度差の増大に対し急
激に増大する駆動力の伝達特性(急増部)が得られ、更
に、前記当接が生じ、通油孔60bが全閉状態となった後
においては、油圧ポンプの吐出油は正規の吐出油路のみ
を通流し、該油路の通流抵抗により定まる油圧が発生す
る結果、回転速度の増大に対し比較的緩やかに増大する
駆動力の伝達特性(第2の漸増部)が得られる。このよ
うな特性が駆動連結装置における所望の特性であること
は前述した如くである。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところがこのような絞り手段6においては、スプール60
が第6図に示す如き摺動位置にあり通油孔60bが全閉状
態にある場合、スプール60の外側には、これと制限部材
62とにて囲繞された環状空間Aが、またスプール60の内
側には、これの底面と制限部材61の案内杆61aの先端面
とにて囲繞された柱状空間Bが夫々生じ、これらは略完
全な封止状態にあるために、通油孔60bが開放される
側、即ち第5図に示す位置にスプール60が復帰動作しよ
うとする際に、前記環状空間A及び柱状空間B内の封止
油によりこの動作が阻害されるという難点がある。この
ことにより、スプール60の復帰動作中において得られる
駆動力の伝達特性を示す曲線は、第7図中に破線にて示
すように、本来の伝達特性を示す曲線を回転速度差が小
なる側へ遷移させた形状となり、伝達特性中にスプール
60の移動方向の相違に伴うヒステリシスが現出して、前
記駆動連結装置を備えた4輪駆動車にあっては、走行中
にこのヒステリシスに起因する違和感を招来するという
不都合があった。
本考案は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、実開
昭63-277020号において提案した4輪駆動用駆動連結装
置を更に発展させ、絞り手段におけるスプールの移動方
向の如何に拘わらず前述した所望の伝達特性を得ること
が可能な4輪駆動用駆動連結装置を提供することを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案に係る4輪駆動用駆動連結装置は、前,後輪間の
回転速度差に応じた油圧を発生して両輪を連結する油圧
ポンプの吐出口と低圧部とを連通する吐出油路に並列に
接続されたバイパス油路の中途に、前記油圧を受圧して
移動するスプール及びこの移動を制限する制限部材を備
えてなり、前記移動に応じて前記バイパス油路を開閉す
る絞り手段を配してある4輪駆動用駆動連結装置であっ
て、前記絞り手段の全閉時に前記スプールと前記制限部
材とにて囲繞される空間を前記低圧部に連通する連通路
を、前記スプール又は制限部材の一部に具備することを
特徴とする。
〔作用〕
本考案においては、スプールとこれの動作を制限する部
材との間の囲繞空間には、該スプール又は制限部材に形
成された連通路を経ての油の流入又は流出が常に生じ、
前記スプールの閉止状態から開方向への移動が阻害され
ることがない。
〔実施例〕
以下本考案をその実施例を示す図面に基づいて詳述す
る。第1図は本考案に係る4輪駆動用駆動連結装置(以
下本案装置という)の縦断面図である。
図中1は、前,後輪の一方と連動回転する入力軸であ
り、また2は、他方と連動回転する出力軸である。本案
装置は、入力軸1と出力軸2との間に生じる回転速度
差、即ち前,後輪間に生じる回転速度差に応じた駆動力
を、両軸1,2間に介装された油圧ポンプの発生圧力を媒
介として、入力軸1側から出力軸2側へ伝達する動作を
なすものであり、前記油圧ポンプとしては、例えば、図
示の如きベーンポンプ3が用いられる。
ベーンポンプ3は、短寸円筒形のロータ30、並びに、該
ロータ30を同軸的に収納するカムリング31及びこれの両
側を挾持するサイドプレート32,33等にて構成されたケ
ーシングを備えてなる。ロータ30の外周面には、半径方
向に所定の深さを有する収納溝複数本が、周方向に略等
配をなして形成され、これらの夫々に矩形平板状をなす
ベーン30a,30a…が半径方向への摺動自在に内挿されて
いる。各ベーン30aとこれの収納溝の底部との間には、
幅方向に並列する一対のコイルばね30b,30bが介装して
あり、これらによって各ベーン30aは半径方向外向きに
付勢されている。一方、ケーシングの構成部材であるカ
ムリング31は、ロータ30の外径よりも若干大きい円の周
方向に3個所の凸部を等配してなる内周と、円形の外周
とを有する偏肉筒形の部材であり、同じくサイドプレー
ト32は、カムリング31と略等しい外径を有する中抜き円
板の内周側に短寸の円筒部を同軸的に連設してなる部材
であり、更にサイドプレート33は、カムリング31の外径
よりもやや大径の部分を有し、厚肉の中抜き円板状をな
す部材である。第1図に示す如くサイドプレート32,33
は、カムリング31の軸長方向両側にこれと夫々同軸をな
して位置決めされ、サイドプレート32の円筒部にその一
部を外嵌させてなる押え部材34と共に、該押え部材34、
サイドプレート32及びカムリング31を、夫々の厚さ方向
にこの順に貫通し、サイドプレート33に形成された図示
しないねじ孔に螺合する複数本の固定ボルト35にて一体
的に結合されている。サイドプレート33の外側面には、
出力軸2の端部に形成された連結フランジ20が、周方向
に等配された複数本の固定ボルト21,21…により同軸的
に固着されており、前記ケーシングは、出力軸2の回転
に連動して、その軸心回りに回転するようになってい
る。
ケーシングの外側には、サイドプレート33の外周及び押
え部材34の円筒部外周にその一部を夫々外嵌せしめて、
薄肉筒状をなす囲繞部材36が図示の如く装着してあり、
ベーンポンプ3の作動油は、この囲繞部材36とケーシン
グ外周面との間に環状をなして形成された油タンクT内
に封入されている。
また前記ケーシングには、ロータ30の回転軸であるロー
タ軸4が、サイドプレート32側から内挿され、サイドプ
レート32の円筒部に内嵌固定された針状ころ軸受とサイ
ドプレート33の中抜き部に内嵌固定された玉軸受とによ
り同軸的に支承されている。前記ロータ30は、カムリン
グ31の内周面とサイドプレート32,33の対向面間に形成
される空洞部内にこれらと同軸的に収納してあり、前記
ロータ軸4に前記支承位置間にて外嵌されてスプライン
結合されている。サイドプレート32側へ突出するロータ
軸4の端部には、円板状をなす連結フランジ4aが形成し
てあり、これは、入力軸1の端部に形成された連結フラ
ンジ10に、複数本の固定ボルト11,11…にて同軸的に固
定されている。而してロータ30は、ロータ軸4を介して
入力軸1に同軸的に連結されることになり、該入力軸1
の回転に連動して軸心回りに回転するから、前述した如
く出力軸2と連動回転するケーシングと該ロータ30との
間には、前,後輪間の回転速度差に相当する相対回転が
生じる。
ロータ30の外周面とカムリング31の内周面との間には、
前記凸部の形成位置夫々に対応して、三日月形の横断面
形状をなし、前記相対回転に応じてその内部に油圧を発
生するポンプ室が形成されており、各ポンプ室の周方向
両端には、サイドプレート32側に開口する一対の吸込口
41,41と、サイドプレート33側に開口する一対の吐出口4
2,42とが夫々形成されている。各吸込口41は、サイドプ
レート32の円板部及び押え部材34の円板部を厚さ方向に
貫通し、その中途にポンプ室への流入のみを許容する吸
込チェック弁43を嵌着してなる吸込孔44により、前記油
タンクTに連通させてあり、また吐出口42は、半径方向
内側へ向けて逆く字状に折返す態様にてサイドプレート
33に形成され、その中途にポンプ室からの流出のみを許
容する吐出チェック弁46を嵌着してなる折返し孔45によ
り、ロータ30における各ベーン30a,30a…の収納溝底部
に連通されている。これらの収納溝の底部は、ロータ30
の両側面とサイドプレート32,33の内側面との間のわず
かな間隙を介してサイドプレート32,33の中抜き部に連
通しており、またこれらの中抜き部は、サイドプレート
33を半径方向外向きに貫通する図示しない還流孔にて油
タンクTに連通されている。本案装置は、ベーンポンプ
3の吐出側に、前記折返し孔45、ベーン30a,30a…の収
納溝の底部、ロータ30両側の間隙、サイドプレート32,3
3の中抜き部、及び前記還流孔を経て低圧部たる油タン
クTに連なる吐出油路を備えると共に、該吐出油路と別
個に構成されたバイパス油路48を備えている。このバイ
パス油路48は、前記吐出油路の一部をなすベーン30a,30
a…の収納溝の底部を油タンクTにバイパスするもので
あり、図示の如く、サイドプレート33の内側面のロータ
30の収納溝底部に対応する位置から厚さ方向に適宜の深
さを有して形成された第1の部分と、サイドプレート33
の外周面から半径方向内向きに形成され、第1の部分の
底部と略直角をなして交叉する第2の部分とからなる。
バイパス油路48の第2の部分は、サイドプレート33の外
径側において適宜深さの大径部を有しており、本考案の
特徴たる絞り手段5は、この大径部内に構成されてい
る。
第2図及び第3図は絞り手段5の構成を示す要部拡大縦
断面図、第4図は第3図のIV-IV線による矢視図であ
る。
絞り手段5は、ベーンポンプ3の発生圧力を受圧して移
動するスプール50、及びこれの移動を制限する制限部材
51,52を備えている。スプール50は有底円筒状をなし、
開口側に半径方向外向きに突出するばね受け部50aを周
設してなる部材であり、該スプール50には、長手方向所
定位置にて周壁を表裏に貫通する通油孔50bが形成さ
れ、また、底面の略中央部にこれを表裏に貫通する態様
にて、本考案の特徴たる小径の連通孔50cが形成されて
いる。更にスプール50の開口側端面には、第4図に示す
如く、該スプール50の内外を連通する複数本の油溝50d,
50d…が、スプール50の軸心位置から放射状をなして形
成されている。
また一方の制限部材51は、短寸の大径円柱状をなす本体
部の一側に、小径円柱状をなす案内杆51aを同軸上に立
設してなる部材であり、これの軸心位置には、前記本体
部及び案内杆51aを長手方向に貫通する導圧孔51bが形成
されている。案内杆51aの外周面上の所定位置には、矩
形断面をなす環状溝51cが開設されており、これは案内
杆51aを半径方向に貫通する通油孔51cにて前記導圧孔51
bに連通させてある。第2図及び第3図に示す如く、こ
の制限部材51は、案内杆51aの先端を油タンクT側(図
の上側)に向けた状態にて、前記バイパス油路48の大径
部に内嵌固定してあり、スプール50は、前記案内杆51a
に摺動自在に外嵌されている。第2図に示す如く、スプ
ール50の吐出側(図の下側)への摺動は、これの開口側
端面と制限部材51の本体部との当接により制限され、こ
のとき前記通油孔50bはスプール50内面側にて案内杆51a
外周の環状溝51c内に全面的に開口し、油タンクT側へ
のスプール50の摺動に伴ってこの開口面積が縮小する。
更に他方の制限部材52は、短寸薄肉の有底円筒状をなす
部材であり、該制限部材52の軸心位置には通油孔52a
が、また該通油孔52aの外側には本考案の特徴たる小径
の連通孔52b,52bが、底板を表裏に貫通する態様にて夫
々形成されている。油タンクT側へのスプール50の摺動
を制限するこの制限部材52は、バイパス油路48の大径部
における油タンクT側の端部近傍に、この端部側にその
底面を向けた態様にて内嵌され、前記大径部内周に係着
されたスナップリング53にて油タンクT側への移動を拘
束されており、該制限部材52とスプール50のばね受け部
50aとの間には、両者を互いに離隔する向きに付勢する
コイルばね54が介装されている。而してスプール50は、
これの内側にバイパス油路48を介して導入され底面に作
用する油圧と、前記コイルばね54の付勢力との釣り合い
に応じて摺動し、前記油圧が十分に低く、スプール50が
第2図に示す摺動位置にある場合、通油孔50bの開口面
積は最大となり、前記油圧が十分に高く、スプール50が
制限部材52に当接した状態、即ち第3図に示す摺動位置
にある場合、通油孔50bは案内杆51aの外周面にて閉止さ
れ、該通油孔50bの開口面積は略0となる。更に、両位
置間における前記開口面積は、前記油圧の上昇に伴って
スプール50が油タンクT側へ摺動する従って縮小する。
以上の如く構成された本案装置においては、前述した如
く、前,後輪間に回転速度差が生じた場合、ベーンポン
プ3のケーシングとロータ30との間にこの回転速度差に
対応する速度での相対回転が生じる。ロータ30の各ベー
ン30aは、コイルばね30b,30bの付勢力にてカムリング31
の内周面に押付けられており、前記相対回転が生じた場
合、各ポンプ室内部の作動油は、互いに相隣するベーン
30a,30a間に封止された状態にて、ロータ30の回転に伴
って回転せしめられる。油タンクT内の作動油は、前記
吸込油路44及びこれの中途の吸込チェック弁43を経て、
相対回転方向上流側に開口する吸込口41から各ポンプ案
内に導入され、前述の如く回転せしめられる間に昇圧
し、相対回転方向下流側に開口する吐出口42から送出さ
れる。この送出油は、折返し孔45及びこれの中途の吐出
チェック弁46を経てベーン30a,30a…の収納溝底部に導
入され、これらのベーン30a,30aを半径方向外向きに押
圧する作用をなした後、その一部は、ロータ30両側の間
隙を経てサイドプレート32,33の中抜き部に漏れ出し、
前記還流孔を経て油タンクTに還流し、残部はバイパス
油路48内に導入され、これの中途の絞り手段5を経て油
タンクTに還流する。さて、ポンプ室内部の昇圧過程に
おいて、ベーン30a,30a間に封止された油の一部は、各
ベーン30a,30a…に形成された極小径の絞り孔30c(第1
図参照)を通過し、低圧側(相対回転方向上流側)の同
様の封止空間内に漏出すようになっており、各ポンプ室
内部の油圧は、この絞り孔30cにおける通流抵抗、及び
前記吐出油路又はバイパス油路48を経て油タンクTに還
流するまでの間における通流抵抗に抗して発生する。油
の通流抵抗は、相対回転速度の増大に伴い、ポンプ室へ
の導入油量及びポンプ室からの送出油量が増大するに従
って増大するから、ロータ30とケーシングとの間に前記
相対回転を抑止する方向に作用するこの油圧を媒介とし
て、前者から後者、即ち入力軸1から出力軸2へ前記回
転速度差に対応する駆動力の伝達がなされる。
このように発生する油圧は、バイパス油路48を経て油タ
ンクTに還流する過程において、前記絞り手段5のスプ
ール50に作用し、該スプール50はこの受圧に応じて前述
した如く摺動する。ポンプ室内部の発生油圧が低く、こ
の受圧によりスプール50に作用する力がコイルばね54の
付勢力を下回っている間にあっては、該スプール50は第
2図に示す摺動位置にあり、通油孔50bは全開状態にあ
って、バイパス油路48における通油面積は大きい状態に
保たれ、該油路48側の通流抵抗が小さいから、回転速度
差の増大に伴う伝達駆動力の増大割合は小さく維持され
て、第7図の第1の漸増部が得られる。また、回転速度
差の増大に伴って発生油圧が上昇し、これが前記コイル
ばね54の付勢力を上回った場合、スプール50が摺動を開
始し、前記通油孔50bの開口面積が縮小する結果、バイ
パス油路48の通油面積が減少し、該油路48側の通流抵抗
が増大して、これに応じて前記発生油圧が更に増大する
現象が生じる。従って、スプール50が制限部材52に当接
し、通油孔50bが完全に閉塞された状態にてスプール50
の摺動が抑止されるまでの間においては、回転速度差の
増大に対する伝達駆動力の増大割合が非常に大きく、回
転速度差の増大に伴い伝達駆動力が急増する特性、第7
図における急増部が得られる。更に、スプール50の摺動
が抑止された後は、バイパス油路48の通油面積はスプー
ル50底面の前記連通孔50cに限定され、ポンプ室内部の
発生圧力は、該連通孔50c及び前記絞り孔30cにおける通
流抵抗、並びに吐出油路における通流抵抗により定まる
増大態様を示し、第7図における第2の漸増部が得られ
る。
さて、本案装置の特徴たるスプール50における連通孔50
c及び制限部材52における連通孔52b,52bは、通油孔50b
が閉止された際にスプール50と制限部材51又は制限部材
52との間にて囲繞される部分を、低圧部たる油タンクT
に連通すべく設けられたものであり、前記閉止状態を示
す第3図に明らかな如く、前者、即ち連通孔50cは、ス
プール50と制限部材51との間の囲繞空間を、また後者、
即ち連通孔52b,52bは、スプール50と制限部材52との間
の囲繞空間を油タンクTに夫々連通させている。前,後
輪間に生じる回転速度差が十分に大きい状態から減少傾
向を示した場合、これに伴うポンプ室内部の発生圧力の
低下に応じて、スプール50は第3図に示す位置から第2
図に示す位置に復帰動作する。この際、前者の囲繞空間
内に封止された油は、スプール50の底面と案内杆51aの
端面との間にてダンパとして作用するが、本案装置にお
いては、前記空間内の油がスプール50の移動に伴い前記
連通孔50cを経て油タンクT側に流出する結果、前記ダ
ンパ作用は大幅に弱化し、スプール50の移動が阻害され
る虞がない。またスプール50の復帰動作の際、後者の囲
繞空間内には、前記連通孔52b,52bを経て油タンク内の
作動油が流入し、スプール50の移動に伴い該空間が負圧
化することがなく、この負圧によりスプール50の移動が
阻害される虞がない。このように、本案装置において
は、前記連通孔50c及び連通孔52b,52bを経ての油の流れ
によって、通油孔50bの閉止状態から開口状態へのスプ
ール50の移動に際しての動作阻害要因が排除されるか
ら、スプール50の移動は正逆方向に略同等に生じ、伝達
特性中にスプール50の移動方向の相違に起因するヒステ
リシスが現出することがなく、スプール50の移動方向の
如何に拘わらず第7図中に実線にて示す如き特性のみが
得られる。
また、スプール50の開口側端面に形成された油溝50d,50
d…は、前記端面と制限部材51の本体部端面との間に油
を常時導入し、両面間の密着状態を緩和する作用をな
す。前記両面の密着は、スプール50へ作用する油圧が高
まりコイルばね54の付勢力を上回った際における該スプ
ール50の移動開始を抑止する要因となり、前記油溝50d,
50d…の形成により前記移動開始位置を安定化させるこ
とができ、第7図に示す特性曲線中の第1の漸増部から
急増部への立ち上がり位置が略一定化する効果が得られ
る。
なお絞り手段5の構成は本実施例中に示すものに限ら
ず、また該絞り手段5及びバイパス油路の配設状態もま
た本実施例に示すものに限定されないことは言うまでも
ない。
〔効果〕
以上詳述した如く本案装置においては、油圧ポンプの吐
出側を低圧部にバイパスするバイパス油路の中途に配さ
れ、該油圧ポンプの発生油圧を受圧して移動するスプー
ルを備えた絞り手段の動作により、回転速度差が小さい
範囲における小なる伝達駆動力と、回転速度差が大きい
範囲における大なる伝達駆動力とを得ることが可能な所
望の伝達特性が得られて油圧ポンプの損傷を防止出来て
信頼性が高められ、また前記スプール又はこれの制限部
材に形成された連通孔を通過する油の流れにより、スプ
ールの移動を阻害する要因が排除されるから、前記伝達
特性中にスプールの移動方向の相違によるヒステリシス
が現出することがなく、前述の所望の伝達特性が常時得
られ、走行中に前記ヒステリシスに起因する違和感が生
じることがない等、本考案は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本案装置の縦断面図、第2図及び第3図は本案
装置の要部拡大縦断面図、第4図は第3図のIV-IV線に
よる矢視図、第5図及び第6図は従来の4輪駆動用駆動
連結装置の要部拡大縦断面図、第7図は駆動力の伝達特
性を示すグラフである。 1……入力軸、2……出力軸、3……ベーンポンプ、5
……絞り手段、30……ロータ、31……カムリング、32,3
3……サイドプレート、48……バイパス油路、50……ス
プール、51,52……制限部材、50c,52b……連通孔、T…
…油タンク

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】前,後輪間の回転速度差に応じた油圧を発
    生して両輪を連結する油圧ポンプの吐出口と低圧部とを
    連通する吐出油路に並列に設けたバイパス油路の中途
    に、前記油圧を受圧して移動するスプール及びこの移動
    を制限する制限部材を備えてなり、前記スプールの移動
    に応じて前記バイパス油路を開閉する絞り手段を配して
    ある4輪駆動用駆動連結装置であって、 前記絞り手段の全閉時に前記スプールと前記制限部材と
    にて囲繞される空間を前記低圧部に連通する連通路を、
    前記スプール又は制限部材の一部に具備することを特徴
    とする4輪駆動用駆動連結装置。
JP1989031601U 1989-03-20 1989-03-20 4輪駆動用駆動連結装置 Expired - Lifetime JPH0721935Y2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1989031601U JPH0721935Y2 (ja) 1989-03-20 1989-03-20 4輪駆動用駆動連結装置
US07/495,852 US5074825A (en) 1989-03-20 1990-03-19 Hydraulic transmission coupling apparatus
EP90105202A EP0388876B1 (en) 1989-03-20 1990-03-20 Hydraulic transmission coupling apparatus
DE69009254T DE69009254T2 (de) 1989-03-20 1990-03-20 Hydraulische Kupplung.

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JPH0246122U (ja) * 1988-09-27 1990-03-29

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JPH02122228U (ja) 1990-10-05

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