JP2000007819A - 多孔性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

多孔性フィルムおよびその製造方法

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JP2000007819A
JP2000007819A JP10286817A JP28681798A JP2000007819A JP 2000007819 A JP2000007819 A JP 2000007819A JP 10286817 A JP10286817 A JP 10286817A JP 28681798 A JP28681798 A JP 28681798A JP 2000007819 A JP2000007819 A JP 2000007819A
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polyolefin resin
film
polysiloxane
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Hideki Umekawa
秀喜 梅川
Daisuke Ozaki
大介 尾崎
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】滑り性が良好であり、電池用セパレーターとし
て好適に使用できる多孔性フィルムを開発すること。 【解決手段】ポリオレフイン系樹脂にポリシロキサンの
分子鎖が化学結合した変性ポリオレフイン系樹脂を少な
くとも一部として含むポリオレフイン系樹脂80〜50
重量%と平均分子量100,000〜5,000,00
0のポリシロキサンガム20〜50重量%とからなるポ
リオレフィン系樹脂組成物をフィルム状物に成形し、該
フィルム状物中に微分散するポリシロキサンガムを有機
溶剤にて抽出して得られる、上記ポリオレフィン系樹脂
組成物よりなり、平均孔径が0.01〜3μmの連通孔
を有し且つ空隙率が20〜50%である多孔性フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔性フイルム、
詳しくは電池用セパレーターとして好適な多孔性フィル
ム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多数の微細な連通孔が形成された多孔性
フイルムは、液体やガスの分離や精製用膜,透析膜,イ
オン交換膜,ろ過膜,吸着フィルター,電池用セパレー
ターなどの各種分野で汎用されている。このような多孔
性フィルムは、例えば電池用セパレーターとして使用さ
れた場合には、正極と負極の間に配置されてこれらの短
絡を防止し、且つイオンを透過させる機能を有する。こ
うした多孔性フィルムとしては、電解液との反応性が低
くて機械的強度が強く、空孔が均一に生じているものが
好ましく、これらからポリオレフィン系樹脂をマトリッ
クスとするものが好適に使用されている。
【0003】ところが、ポリオレフィン系樹脂からなる
多孔性フィルムは、滑り性が十分ではなく、フイルム表
面が傷つきやすかったり、クラックが入りやすい問題が
あった。従って、例えば多孔性フィルムを上記電池用セ
パレーターに用いた場合には、製造される電池の品質や
製造時の作業性が今一歩十分ではなかった。例えば、電
池形態が円筒型の場合には、製造時において、電極と多
孔性フィルムを巻き付けた金属芯の引き抜き性が悪いと
いう大きな問題を引き起こしていた。即ち、上記円筒型
電池は、通常、電極と電池用セパレーターを重ね合わせ
た状態で金属芯にコイル状に巻き付け、これを円筒型電
池に組み込んだ後、該金属芯を引き抜くことで製造され
ているが、上記ポリオレフィン系樹脂製多孔性フィルム
のように滑り性が十分でないものを使用すると、この金
属芯の引き抜き性が悪く、芯が抜けなかったり巻きズレ
が生じたりすることが多々生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、ポリオレフィン
系樹脂製の多孔性フィルムにおいて、その滑り性を改良
する手段として、該樹脂にシリコーンオイルを配合する
ことが知られている。しかしながら、このような方法に
よって得られた多孔性フィルムは、電池用セパレーター
として用いた場合、シリコーンオイルが経時的に表面に
ブリードアウトし、このものが電池の電解液に溶解し
て、電池の充放電特性に悪影響を及ぼす恐れがあった。
【0005】従って、滑り性が良好であり、電池用セパ
レーターとして好適に使用できる多孔性フィルムを開発
することが望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討を続けてきた。その結果、多孔性フィル
ムを構成するポリオレフイン系樹脂として、ポリシロキ
サンの分子鎖が化学結合したものを用いることにより、
上記の課題が解決できることを見出し本発明を完成する
に至った。
【0007】即ち、本発明は、ポリオレフィン系樹脂に
ポリシロキサンの分子鎖が化学結合した変性ポリオレフ
ィン系樹脂を少なくとも一部として含むポリオレフィン
系樹脂よりなり、平均孔径が0.01〜3μmの連通孔
を有し且つ空隙率が20〜50%である多孔性フィルム
である。
【0008】本発明においてポリオレフィン系樹脂は、
公知のものが制限なく使用される。具体的には、エチレ
ン,プロピレン,ブテン−1,ペンテン−1,ヘキセン
−1,ヘプテン−1,オクテン−1,4−メチルペンテ
ン−1,3−メチルブテン−1等の好適には炭素数2〜
8、より好適には炭素数2〜4のα−オレフィンの単独
重合体やこれらの共重合体、更にはα−オレフィンと共
重合可能な他の単量体と上記α−オレフィンとの共重合
体を挙げることができる。α−オレフィンの共重合体
は、ランダム共重合体、又はブロック共重合体のいずれ
でも良い。プロピレン−エチレンランダム共重合体等の
ランダム共重合体の場合、主構成成分であるα−オレフ
ィン単位、即ち、上記プロピレン−エチレンランダム共
重合体でいえばプロピレン単位が80モル%以上、好ま
しくは85モル%以上であるのが、良好な通気性の多孔
性フィルムを得る点から好ましい。また、α−オレフィ
ンと共重合可能な他の単量体としては、酢酸ビニル;ア
クリル酸メチル,アクリル酸エチル,メタクリル酸メチ
ル,メタクリル酸エチル等のアクリル酸またはメタクリ
ル酸のエステル等を挙げることができる。
【0009】α−オレフィンと共重合可能な他の単量体
は、下記するような反応性基を有する単量体であっても
よい。これら反応性基は、本発明で用いる変性ポリオレ
フィン系樹脂を後述する製造方法により製造する際に、
有利に利用できる。反応性基としては具体的には、カル
ボキシル基,ヒドロキシ基,エポキシ基等を挙げること
ができる。
【0010】上記の反応性基を有する単量体としては、
例えば、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,イタ
コン酸,シトラコン酸,無水マレイン酸,無水イタコン
酸,無水シトラコン酸等のカルボキシル基またはその無
水物基を有する単量体;2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート,2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒ
ドロキシ基を有する単量体;グリシジルメタクリレート
等のエポキシ基を有する単量体を挙げることができる。
【0011】本発明においてポリオレフィン系樹脂は、
その少なくとも一部がポリシロキサンの分子鎖が化学結
合した変性体を含んでなる。そのため、本発明の多孔性
フィルムは、優れた滑り性を有している。そして、ポリ
シロキサンは、ポリオレフィン系樹脂に化学結合してい
るため、ブリードアウトすることがなく、多孔性フィル
ムを電池セパレーターとして使用しても電解液に溶出す
ることがない。
【0012】ここで、ポリシロキサンの分子鎖は、ポリ
オレフィン系樹脂の分子鎖に側鎖や架橋部位として結合
している。シロキサン単位を構成する珪素原子に結合し
ている基としては、特に制限されるものではないが、メ
チル基、エチル基、オクチル基等の好適には炭素数1〜
8のアルキル基,フェニル基等のアリール基等が好まし
い。具体的には、ジメチルシロキサン単位,ジエチルシ
ロキサン単位,ジオクチルシロキサン単位、メチルフェ
ニルシロキサン単位,ジフェニルシロキサン単位等の一
種または二種以上が繰り返して結合して形成された分子
鎖であるのが好ましい。特に、ジメチルシロキサン単位
を主とするものが好ましい。また、この分子鎖は、直鎖
状であっても良いし、分岐しているものでも良い。ま
た、分子鎖は、少量のビニル基を有していても良い。
【0013】このポリシロキサンの分子鎖の平均分子量
は、特に制限されるものではないが、後述する押出し機
内反応を充分進行させるために、2,000〜30,0
00、特に2,000〜10,000であることが好ま
しい。また、変性ポリオレフィン系樹脂における、ポリ
シロキサンの分子鎖の結合量は、本発明の効果や変性ポ
リオレフイン系樹脂の製造のしやすさ等を勘案すると、
ポリオレフィン系樹脂に対し1〜20重量%であるのが
好適である。
【0014】本発明において使用するポリオレフイン系
樹脂は、その全体が上記にポリシロキサンの分子鎖が化
学結合した変性体で構成されていても良いし、このもの
を未変性のポリオレフイン系樹脂で希釈したものであっ
ても良い。
【0015】得られる多孔性フィルムの滑り性の良好さ
や、後述する本発明での多孔性フィルムの好適な製造方
法におけるポリシロキサンガムの分散性の良好さ、さら
には変性ポリオレフイン系樹脂の製造のしやすさ等を勘
案すると、多孔性フィルムを構成する全ポリオレフィン
系樹脂成分におけるポリシロキサン分子鎖の含有量が1
〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%であるの
が好適である。
【0016】また、これらポリオレフィン系樹脂のメル
トフローレートは、ポリオレフィンの種類に応じて規定
されている測定温度(例えばポリプロピレンであれば2
30℃)において、変性ポリオレフィン系樹脂の場合1
〜100g/10分、好適には10〜80g/10分で
あるのが一般的であり、希釈用の未変性ポリオレフイン
系樹脂の場合、0.05〜50g/10分、好適には
0.1〜20g/10分であるのが一般的である。
【0017】本発明において、上記ポリオレフイン系樹
脂にポリシロキサンの分子鎖が化学結合した変性ポリオ
レフィン系樹脂は、公知の如何なる製造方法で製造して
も良く、例えばポリオレフィン系樹脂の分子鎖上でシロ
キサンを重合させても良い。好ましくは下記に示すよう
な反応性基を有するオレフィンの共重合体と、該反応性
基と反応する基を有するポリシロキサンとの反応による
方法が製造容易であり好適である。
【0018】反応性基を有するオレフィン共重合体とし
ては、前記したα−オレフィンと反応性基を有する単量
体との共重合体が用いられる。具体的には、エチレン−
アクリル酸共重合体,エチレン−メタクリル酸共重合
体,エチレン−ビニルアルコール共重合体,エチレン−
グリシジルメタクリレート共重合体,エチレン−2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート共重合体,エチレン−エ
チルアクリレート−無水マレイン酸共重合体,無水マレ
イン酸変性ポリエチレン,無水マレイン酸変性ポリプロ
ピレン、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重
合体等を挙げることができる。
【0019】ポリオレフィン系樹脂として、α−オレフ
ィンの単独重合体、またはα−オレフィンと共重合可能
な反応性基を有しない単量体とα−オレフィンとの共重
合体を採用した場合は、ポリシロキサンとの反応が可能
な反応性基を別途導入する必要がある。この場合は、一
般にマレイン酸もしくは無水マレイン酸等のカルボキシ
ル基またはその無水物基を有する単量体によって変性す
る公知の方法が採用される。カルボキシル基またはその
無水物基を有する単量体によるポリオレフィン系樹脂の
変性量は、所望するポリシロキサンの導入量に応じて適
宜決定すればよい。
【0020】他方、こうしたオレフィンの共重合体の反
応性基と反応する基を有するポリシロキサンとしては、
前記したようなシロキサン単位により構成されるものに
おいて、珪素原子に結合する基の一部が、アミノ基,エ
ポキシ基,ヒドロキシル基,メルカプト基,ハロゲン化
アルキル基,カルボキシル基,ビニル基,水酸基,水
素、ハロゲン等の反応性基で変性されたポリシロキサン
が挙げられる。これらの変性ポリシロキサンは、1種を
単独で用いても、また、2種以上を混合して用いても良
い。
【0021】なお、ポリシロキサンにおける反応性基の
数は、1個でも良いし複数個であっても良いが、架橋し
ているものの方が機械的強度の向上を図ることができ
る。しかし、あまり過度に架橋していても加工性が悪く
なることも考えられ、また得られた多孔性フイルムの表
面が粗面化され、表面粗さ(Ra)が本発明の好ましい
範囲外となることから、1分子中の平均数として1〜1
0個であることが好ましく、さらには1.5〜5個であ
ることが好ましく、特に1.5〜3個であるのが望まし
い。また、その結合位置は、主鎖の末端,側鎖のいずれ
でも、もしくは両方でも良い。
【0022】上記した2種のポリマーを混合し、反応性
基の反応が生じる温度、一般には100〜280℃の温
度に加熱することによって、本発明におけるポリシロキ
サンの分子鎖が化学結合してなる変性ポリオレフィン系
樹脂を得ることができる。加熱に際しては押出し機によ
り十分に混練することが反応を進行させる上で好まし
い。さらに、反応進行のために触媒を添加しても良い。
なお、押出し機により混練する際、押出し機のベント孔
を減圧にして、混練時発生する炭酸ガス,水蒸気等のガ
スを除去することが本発明の多孔性フイルムの品質を向
上させる上で好ましい。
【0023】また、ポリシロキサンの混合割合は、ポリ
オレフィン系樹脂の反応性基に相当する量よりも若干多
くした方が、反応をより円滑に進行させる上で好まし
い。過剰のポリシロキサンは、有機溶剤による抽出操作
によって容易に除去し得る。
【0024】以上のポリオレフイン系樹脂からなる本発
明の多孔性フィルムは、平均孔径が0.01〜3μm、
好適には0.05〜2μm、さらに好適には0.05〜
1μmの連通孔を有し、且つ空隙率が20〜50%、好
適には25〜48%の範囲である。平均孔径が上記範囲
より大きい場合、電池用セパレーターとして用いた際、
電極の微細な活物質の移動を防ぐことができず、ショー
トする恐れがある。他方、該平均孔径が上記範囲より小
さい場合、電池用セパレーターとして用いた際、電解液
の粘度変化によって電気抵抗が容易に変化しやすくなる
ため、使用上問題がある。また、空隙率が上記範囲より
大きい場合、機械的強度が低下する他、ピンホールが発
生する恐れがある。他方、該空隙率が上記範囲より小さ
い場合、十分に連通孔を有した膜を得ることが難しく、
電池用セパレーターとして用いた際、電解液の保持量が
十分でなくなり電気抵抗が高くなる。
【0025】また、電池セパレーターとして滑り性の良
いものにするためには、表面粗さ(Ra)が1.0μm
以下、好ましくは0.8μm以下であるのが好適であ
る。本発明の多孔性フイルムは滑り性に優れており、通
常、フイルム同士の動摩擦係数が0.40以下の良好な
滑り性を呈しているが、表面粗さ(Ra)が上記の如く
1.0μm以下であると、該動摩擦係数は一層向上し、
0.25以下、さらには0.15以下のものを得ること
が可能になる。
【0026】さらに、本発明の多孔性フイルムは、特に
限定されないが電池セパレーター等の使用用途を勘案す
ると厚みが10〜500μmの範囲であるのが好適であ
る。より好ましくは、10〜200μmの範囲、さらに
は10〜100μmの範囲であるのが好適である。ま
た、JIS P 8117に準じて測定した通気度が、1
00〜1700秒/100cm3であるのが好ましい。
【0027】こうした性状にある本発明の多孔性フィル
ムは、如何なる方法により製造したものであっても良
く、例えば、ポリオレフィン系樹脂に充填剤を配合して
シート状物に押出し成形し、次いでこれを延伸させる方
法や、ポリオレフィン系樹脂に流動パラフィン等の低分
子量物を配合してゲル状のシート状物に押出成形し、次
いで、延伸した後低分子量物を有機溶剤で抽出する方法
等により製造しても良い。 多孔性フィルムを電池用セ
パレーターとして用いる場合は、上記した製造方法の
内、前者の方法は、機械的に強度の弱いものになりやす
く、また、後者の方法等も、製膜や延伸操作が煩雑で、
非常に制御された条件でフィルムを製造することが必要
になるため、本発明では、以下の方法で製造することが
推奨される。
【0028】即ち、前記したポリオレフィン系樹脂にポ
リシロキサンの分子鎖が化学結合した変性ポリオレフイ
ン系樹脂を少なくとも一部として含むポリオレフイン系
樹脂80〜50重量%、好適には80〜60重量%と平
均分子量100,000〜5,000,000のポリシ
ロキサンガム20〜50重量%、好適には20〜40重
量%とからなるポリオレフィン系樹脂組成物をフィルム
状物に成形し、該フィルム状物中に微分散するポリシロ
キサンガムを有機溶剤にて抽出する方法により製造する
のが好ましい。
【0029】通常、ポリシロキサンガムは、ポリオレフ
ィン系樹脂に対して十分に微分散させることが困難であ
る。ところが、上記方法では、使用するポリオレフイン
系樹脂が、ポリシロキサンの分子鎖が化学結合した変性
体を含有しているため、両者の相溶性が大幅に向上し、
良好に該ポリシロキサンガムをポリオレフィン系樹脂中
に微分散させることが可能になる。そうして、このポリ
シロキサンガムが微分散されるポリオレフィン系樹脂組
成物は、製膜性や延伸性等も良好である。従って、容易
にフィルム状物に成形することができ、さらに、このよ
うにして成形されたフィルム状物中に微分散する上記ポ
リシロキサンガムは、有機溶剤により容易に抽出可能で
ある。よって、上記方法によれば、前記多孔性状を呈
し、電池セパレーターとして使用して良好に使用できる
多孔性フィルムを生産性よく製造することができる。
【0030】なお、この製造方法において、前記した表
面粗さ(Ra)が1.0μm以下である多孔性フィルム
を得るためには、変性ポリオレフイン系樹脂のベースと
なるポリオレフイン系樹脂として、α−オレフィンの単
独重合体、又は主構成成分のα−オレフィン単位を80
モル%以上、好ましくは85モル%以上含むα−オレフ
ィン同士のランダム共重合体を用いるのが好適である。
また、変性ポリオレフイン系樹脂を未変性のポリオレフ
イン系樹脂で希釈して用いる場合は、該希釈用の未変性
ポリオレフイン系樹脂として、上記ポリオレフィン系樹
脂であって、変性ポリオレフイン系樹脂のベースとなる
ポリオレフイン系樹脂と同種のα−オレフィンを主構成
単位としたものを用いるのが好ましい。例えば、変性ポ
リオレフイン系樹脂が、変性プロピレン単独重合体やプ
ロピレン単位が80モル%以上であるプロピレン−エチ
レンランダム共重合体の変性体であれば、未変性のポリ
オレフイン系樹脂としても、プロピレン単独重合体や上
記プロピレン単位の含有量のプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体を用いるのが好ましい。このようにすれ
ば、ポリオレフィン系樹脂がフィルムが平滑になり易い
種類のものであり、且つ変性ポリオレフイン系樹脂と希
釈用の未変性ポリオレフイン系樹脂とが同種で相溶性が
良好であるため、得られる多孔性フィルムの表面粗さ
(Ra)は小さくなる。
【0031】そして、多孔性フィルムの表面粗さ(R
a)を1.0μm以下にするためには、フィルム状に成
形する前のポリオレフイン系樹脂とポリシロキサンガム
とからなるポリオレフィン系樹脂組成物の230℃で測
定したメルトフローレートが、1〜50g/10分、好
ましくは3〜30g/10分となるように制御するのが
好ましい。このようにすれば、該ポリオレフィン系樹脂
組成物中のポリシロキサンガムの分散粒子径が小さくな
り易くなるため、得られる多孔性フィルムの平滑性はさ
らに増し、表面粗さ(Ra)が1.0μm以下の多孔性
フィルムが得られる。
【0032】上記製造方法において使用するポリシロキ
サンガムは、上記平均分子量のポリシロキサンである限
り特に制限されるものではない。シロキサン単位を構成
する珪素原子に結合している基としては、特に制限され
るものではないが、メチル基、エチル基、プロピル基、
オクチル基等の好適には炭素数1〜8のアルキル基,フ
ェニル基等のアリール基等が好適である。
【0033】こうしたポリシロキサンガムとしては、具
体的には、ポリジメチルシロキサン,ポリメチルプロピ
ルシロキサン,ポリジプロピルシロキサン,ポリメチル
オクチルシロキサン,ポリジオクチルシロキサン,ポリ
メチルフェニルシロキサン,ポリジフェニルシロキサン
等の公知のポリシロキサンが挙げられる。中でも、ポリ
ジメチルシロキサンが経済的な点から好ましく採用でき
る。こうしたポリシロキサンガムを構成するポリシロキ
サンの分子鎖は、直鎖状のものでも、分岐しているもの
でも良い。さらに、分散性、成形加工性において、特に
問題がない限り、分子内に若干の架橋構造を有していて
も良い。また、少量のビニル基等を有していても良い。
これらのポリシロキサンは、1種を単独で用いても、ま
た、2種以上を混合して用いても良い。
【0034】このポリシロキサンガムの平均分子量は、
100,000〜5,000,000であることが重要
であるが、ポリオレフィン系樹脂との混合を十分に行な
うために、好ましくは100,000〜2,000,0
00、より好ましくは200,000〜1,500,0
00の範囲のものが使用される。ポリシロキサンガムの
平均分子量が100,000未満であると、孔形成が十
分でなくなる他、押出し機のスクリューの空回りも起こ
りやすくなり成形加工性が低下する。他方、ポリシロキ
サンガムの平均分子量が5,000,000を越えると
粘度が高すぎるため、ポリオレフィン系樹脂との混合が
十分に行えなくなってしまうため好ましくない。
【0035】本発明において、前記ポリオレフイン系樹
脂とポリシロキサンガムの混合割合は、ポリオレフィン
系樹脂80〜50重量%に対してポリシロキサンガムが
20〜50重量%、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂
80〜60重量%に対してポリシロキサンガムが20〜
40重量%であることが必要である。ポリシロキサンガ
ムの混合割合が20重量%より少ないと、多孔化が十分
におこらず、他方、ポリシロキサンガムの混合割合が5
0重量%より多いと得られる多孔性フイルムの平均孔径
が3μm超え、また空隙率が50%を超え、本発明の多
孔性フイルムを得ることができなくなるばかりか、機械
的強度が極端に低下するため好ましくない。
【0036】ポリオレフィン系樹脂とポリシロキサンガ
ムの混合は、押出し機により混練することが、ポリシロ
キサンガムの分散性を向上させる点で好ましく、特に2
軸押出し機での混練が推奨される。また、該ポリオレフ
イン系樹脂に含まれる変性ポリオレフイン樹脂を前記し
た方法により製造する際において、反応性基を有するオ
レフィンの共重合体、及び該反応性基と反応する基を有
するポリシロキサンと共に、このポリシロキサンガムも
先に混合しておき、変性ポリオレフイン樹脂の製造と同
時に上記ポリオレフィン系樹脂組成物を得ても良い。こ
うした方法の採用により本発明の多孔性フィルムは、非
常に簡便で、且つ生産性よく、経済的に得ることができ
好ましい。
【0037】上記製造方法において、ポリオレフィン系
樹脂組成物のフイルム状物への成形は、公知の方法が何
ら制限なく採用される。例えば、Tダイ法、カレンダー
法やインフレーション法など公知の方法が採用される。
また、得られたフィルム状物は、少なくとも1方向に延
伸することが、該多孔性フイルムの機械的強度を向上さ
せる上で好ましい。延伸方法は公知の方法が何ら制限な
く採用でき、例えば、ロール1軸延伸,圧延,逐次2軸
延伸,同時2軸延伸,インフレーション法延伸等が挙げ
られ、延伸倍率は、面積倍率で1.1〜50倍の範囲が
好ましく採用できる。
【0038】次いで、得られたフィルム状物は、微分散
しているポリシロキサンガムが有機溶剤により抽出され
て多孔化される。有機溶剤としては、ポリシロキサンガ
ムの溶解性が高いものを適宜使用すればよい。具体的に
は、n−ペンタン,n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの
炭化水素類、三フッ化エタンなどのフッ化炭化水素、塩
化メチレン,クロロホルムなどの塩素系炭化水素、ジエ
チルエーテル,ジオキサンなどのエーテル類、メタノー
ル,エタノール,イソプロピルアルコールなどのアルコ
ール類、アセトン,メチルエチルケトンなどのケトン
類、酢酸メチルエステル,酢酸エチルエステルなどのエ
ステル類、トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素な
どが挙げられ、特に炭化水素類が好適に使用できる。こ
れらの溶剤は1種を単独で用いても、また、2種以上を
混合して用いても良い。抽出操作としては、多孔性フィ
ルムをこれらの有機溶剤浴に浸漬したり、多孔性フィル
ムにこれらの有機溶剤を吹き付ける方法等が採用され
る。
【0039】なお、多孔性フィルムが延伸されてなるも
のの場合、これらの有機溶剤によるポリシロキサンガム
の抽出操作は、上記延伸操作を行う前に実施しても良い
が、得られる多孔性フイルムの平均孔径が比較的大きな
ものになり易いため、平均孔径が小さめのフィルムを製
造することが所望されるときは、該延伸操作を終えた後
に、実施するのが好ましい。
【0040】このようにして多孔化されたフィルムは、
常法により乾燥すればよい。また、乾燥した多孔性フイ
ルムは、50℃〜融点の温度範囲内で熱固定することが
好ましい。
【0041】本発明の多孔性フイルムには、本発明の効
果を損なわない範囲で、熱可塑性樹脂に通常添加するこ
とが知られている種々の添加剤、例えば、酸化防止剤,
熱安定剤,塩素補足剤,結晶核剤,帯電防止剤,滑剤,
ブロッキング防止剤,充填剤,光安定剤,抗菌剤,鮮度
保持剤等を添加しても良い。
【0042】また、これらの方法により得られる本発明
の多孔性フイルムは、コロナ放電処理を施すこともでき
る。コロナ放電処理を行なう雰囲気は、特に制限される
ものではなく、例えば空気,窒素ガス,炭酸ガス,アル
ゴンガス等の雰囲気下で行なうことができる。通常は、
空気あるいは窒素ガス中で行うのが一般的である。さら
に、必要に応じてプラズマ処理,イオン交換基変性処理
等の親水化処理も適宜施すことができる。
【0043】本発明の多孔性フィルムは、如何なる用途
に使用しても良いが、特に、有機電解液や有機ゲル状電
解質が使用されるリチウムイオン電池やリチウム電池等
の電池用セパレーターに好適に使用し得る。その場合、
多孔性フィルムは、そのまま単層フィルムとして使用し
ても良いが、該多孔性フィルムの樹脂成分の異なる2種
以上のものを用い、少なくとも一層は連通孔の閉塞温度
が100〜140℃である層であり、且つ少なくとも一
層はフィルムの形状保持温度が145〜170℃である
層であるように積層した複層多孔性フィルムとして使用
するのがより好ましい。
【0044】即ち、電池は、外部短絡や誤接続などによ
り電池内部に異常電流が流れると、電池内部の温度が著
しく上昇し、電池を組み込んだ電子機器に熱的ダメージ
を与えたり、電池が破裂する危険性がある。そのため、
電池用セパレーターには、電池内部に異常電流による温
度上昇があった場合には、樹脂が溶融して多孔性フィル
ムの連通孔を閉塞させ、電気抵抗を増大させて電池反応
を停止させる機能が備わっていることが望ましい(シャ
ットダウン特性)。この連通孔の閉塞温度は、電池の実
使用上の温度条件等も考慮すれば、100〜140℃で
あるのが望ましい。
【0045】さらに、電池用セパレーターには、シャッ
トダウン特性により連通孔が閉塞した後でもフイルムの
形状を保持し、電極間の短絡を防ぐ特性も備わっている
ことも望まれる(高温形状保持特性)。そのため、本発
明の多孔性フィルムは、使用されるポリオレフィン系樹
脂の成形性等を考慮すると、フイルムの形状保持温度が
145〜170℃であることが望まれる。
【0046】このシャットダウン特性と高温形状保持特
性の各々の条件を満たす多孔性フィルムを単層フィルム
で実現することは困難であり、そのため本発明では、上
記構成の複層多孔性フィルムとして使用するのが好まし
い。特に、連通孔の閉塞温度が100〜140℃である
層を中心層とし、その両外層にフィルムの形状保持温度
が145〜170℃である層を積層した3層構造とする
のが好ましい。
【0047】また、このような複層多孔性フィルムであ
る場合、最外層を形成する多孔性フィルムは、表面粗さ
(Ra)を1.0μm以下のものにするのが好ましい。
特に、両最外層とも、かかる表面粗さ(Ra)のものに
するのが良好である。
【0048】ここで、連通孔の閉塞温度が100〜14
0℃である層は、融点が上記温度であるポリオレフィン
系樹脂を主成分としたものにより通常は構成される。こ
うしたポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエ
チレン,ポリブテン−1,エチレン−プロピレン共重合
体,エチレン−ブテン−1共重合体,プロピレン−ブテ
ン−1共重合体,エチレン−プロピレン−ブテン−1共
重合体,無水マレイン酸変性ポリエチレン等が挙げられ
る。
【0049】他方、フィルム形状保持温度が145〜1
70℃である層は、融点が上記温度であるポリオレフィ
ン系樹脂を主成分としたものにより通常は構成される。
こうしたポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリ
プロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,プロピレ
ン−ブテン−1共重合体,エチレン−プロピレン−ブテ
ン−1共重合体,無水マレイン酸変性ポリプロピレン等
が挙げられる。
【0050】なお、本発明において、フィルムの形状保
持温度とは、熱的機械特性分析Thermal Mechanical
Analysis(TMA)分析に基づき測定したものであ
り、TMA測定装置を用い、測定サンプル幅2mm,チ
ャック間距離5mm,昇温速度2℃/分,荷重2gの条
件で昇温した時において、測定サンプルが破断したとき
の温度をいうものである。
【0051】本発明において、上記複層多孔性フィルム
は、それぞれの層を構成するためのポリオレフィン系樹
脂組成物を、共押出し成形することにより製造しても良
いし、各々単層の多孔性フイルムとして製造されたもの
同士を貼り合わせて製造しても良い。また、この貼り合
わせは、フイルムを2方向に延伸する過程における、1
方向への延伸が終わった状態で実施しても良い。共押出
し成形により複層とする方法が、製造上簡便であり好ま
しく採用される。
【0052】なお、上記複層多孔性フィルムにおいて、
連通孔の閉塞温度が100〜140℃である層とフィル
ム形状保持温度が145〜170℃である層の厚みの比
は、特に制限されるものではなく、シャットダウン特性
と高温形状保持特性が発現し得る範囲内から適宜採択す
ればよい。
【0053】
【発明の効果】本発明の多孔性フィルムは、微細な孔径
の連通孔が十分な空隙率で形成されており多孔性状に優
れている。そして、表面の滑り性が非常に良好であり、
通常、フイルム同士の動摩擦係数が0.40以下、好ま
しくは0.25以下、さらに好ましくは0.15以下の
優れた値を有している。従って、このように多孔性状及
び滑り性に優れる本発明の多孔性フィルムは、電池用セ
パレーターとして用いた場合には、電気抵抗値等が小さ
く良好な電池特性を有するものになり、且つ製造時の金
属芯の引き抜き性、即ち、電極と電池用セパレーターを
重ね合わせた状態で金属芯にコイル状に巻き付け、これ
を円筒型電池に組み込んだ後、該金属芯を引き抜く時の
引き抜き性に優れたものになり製造上有利である。
【0054】また、本発明の多孔性フィルムは、ポリシ
ロキサン鎖による架橋構造を付与することも可能で、機
械的強度に優れたものが得られ、さらに、押出し機内反
応を利用することにより、非常に簡便で、且つ生産性よ
く、経済的に製造することができる。
【0055】その他、本発明の多孔性フイルムは、良好
な多孔性状を利用して、ガス分離膜,ガス富化膜,液体
分離膜,液体精製膜,ろ過膜,吸着フィルター、衣料用
(防水用品、スポーツウエアー、手術着、防塵服な
ど),合成紙,吸湿パック用,おむつ用,カイロ用,建
築資材用等としても好適に用いることができる。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0057】以下の実施例において用いた測定方法につ
いて説明する。
【0058】(1)ポリシロキサン含有量:予め、所定
量のポリシロキサンを含んだ樹脂を用い、蛍光X線分析
により、ポリシロキサン含有量の検量線を作成した。本
検量線を基に、蛍光X線分析によって、多孔性フィルム
に含有されるポリシロキサンの量を測定した。
【0059】(2)融点:示差熱量計にて測定し、得ら
れる融解曲線により、主ピークの温度を測定した。
【0060】(3)通気度(秒/100cm3):JI
S P 8117に準じて測定した。
【0061】(4)平均孔径(μm):水銀ポロシメー
ターにより、微細孔直径の分布を測定し、数平均を平均
孔径として求めた。なお、比較例1及び比較例3につい
ては、走査型顕微鏡により表面の孔径状を観察し、その
孔の長軸および短軸を測定し、平均長軸および平均短軸
の相乗平均を平均孔径として求めた。
【0062】(5)表面粗さ(Ra)(μm):表面粗
さ測定器(小坂研究所社製サーフコーダTDF−3A)
を用い、測定速度0.5mm/秒、測定力0.07g
f、触針2μm ダイヤモンド、カットオフ値0.8m
m,評価長さ4mm、縦倍率5000、横倍率100の
条件により、JIS B 0601に準じてサンプルの流
れ方向(MD)を測定した。
【0063】(6)空隙率(%):比重法により、次式
から求めた。空隙率=(空孔容積/無孔膜容積)×10
0 (7)連通孔の閉塞温度:オーブン中に多孔性フィルム
を入れ、2分間所定の温度で加熱後、通気度を測定し、
通気度が3000秒/100cm3となった温度を孔の
閉塞温度とした。
【0064】(8)フィルムの形状保持温度:セイコー
電子工業社製TMA/SS150C装置を用い、測定サ
ンプル幅2mm,チャック間距離5mm,昇温速度2℃
/分,荷重2gの条件で昇温試験を行い、測定サンプル
が破断したときの温度をフィルムの形状保持温度とし
た。
【0065】(9)電気抵抗値:プロピレンカーボネー
トと1,2−ジメトキシエタンの同容量ずつの混合液
に、電解質として過塩素酸リチウムを1モル/リットル
の濃度になるように溶解した電解液を用い、2室型セル
(有効膜面積1cm2、電極には白金電極を使用)に、多
孔性フィルムをはさみ電解液を含浸させ、LCRメータ
ーを用いて、25℃,1KHzの交流下で測定した。
【0066】(10)動摩擦係数:ASTM D 189
4に準じて測定した。 (11)引張破断強度(MD):流れ方向(MD)に1
0mmの短冊状に切り出し測定サンプルを得た。この測
定サンプルについて、オートグラフを用い、測定長さを
40mm,引張速度を300mm/分の条件で引張試験
を行い、破断時の強度を測定した。
【0067】実施例1 無水マレイン酸変性量0.7重量%,融点160℃,メ
ルトフローレイト(MFR)(230℃)37g/10
分の無水マレイン酸変性エチレン−プロピレンブロック
共重合体22重量%(プロピレン単位の含有量88モル
%)、平均分子量3,700,アミノ当量1,600の
アミノ変性ポリジメチルシロキサン(東芝シリコーン社
製TSF4706)5重量%、メルトフローレイト(M
FR)(230℃)1.5g/10分,融点163℃の
プロピレン単独重合体41重量%および平均分子量50
0,000のポリジメチルシロキサンガム32重量%の
混合物を2軸押出し機により190〜220℃で混練
し、ポリオレフィン系樹脂組成物を得た。このポリオレ
フィン系樹脂組成物のMFR(230℃)は7.0g/
10分であった。
【0068】得られたポリオレフィン系樹脂組成物をT
型ダイス押出し機により220℃の樹脂温度でシート状
に押出し、60℃に保った冷却ロールで引き取りながら
厚さ650μmのシートを得た。引き続き、得られたシ
ートを145℃に加熱したロール間でフィルムの流れ方
向(MD方向)に5倍延伸し、さらにテンターによって
163℃で上記と直角の方向(TD方向)に5倍に逐次
2軸延伸を行ない厚み25μmの2軸延伸フイルムを得
た。得られた2軸延伸フイルムをn−ヘキサン浴に浸漬
し、可溶成分を除去した。その後乾燥して、厚さ25μ
mの多孔性フイルムを得た。
【0069】得られた多孔性フイルムのIRスペクトル
を確認したところ、未反応のアミノ変性ポリジメチルシ
ロキサンのアミノ基に由来する3400cm-1付近の吸収
が消失しており、未反応のアミノ変性ポリジメチルシロ
キサンがほとんど残留していないことが確認された。ま
た、無水カルボン酸のカルボニル基に由来する1850
cm-1,1780cm-1付近の吸収も確認できなかったこと
から、未反応の無水マレイン酸基もほとんど残留してい
ないことを確認した。
【0070】得られた多孔性フイルムの物性を表1に示
した。
【0071】実施例2 実施例1において、ポリオレフィン系樹脂組成物を、無
水マレイン酸変性量0.7重量%,融点160℃,MF
R(230℃)37g/10分の無水マレイン酸変性エ
チレン−プロピレンブロック共重合体22重量%(プロ
ピレン単位の含有量88モル%)22重量%、平均分子
量2,600,アミノ当量2,500のアミノ変性ポリ
ジメチルシロキサン(東芝シリコーン社製TSF470
1)8重量%、MFR(230℃)1.5g/10分,
融点163℃のプロピレン単独重合体38重量%および
平均分子量500,000のポリジメチルシロキサンガ
ム32重量%を用いて得た以外は、実施例1と同様にし
て、厚さ25μmの多孔性フイルムを得た。なお、ポリ
オレフィン系樹脂組成物のMFR(230℃)は4.0
g/10分であった。
【0072】得られた多孔性フイルムの物性を表1に示
した。
【0073】実施例3 無水マレイン酸変性量0.7重量%,融点160℃,M
FR(230℃)37g/10分の無水マレイン酸変性
エチレン−プロピレンブロック共重合体22重量%(プ
ロピレン単位の含有量88モル%)、平均分子量3,7
00,アミノ当量1,600のアミノ変性ポリジメチル
シロキサン(東芝シリコーン社製TSF4706)5重
量%、MFR(230℃)1.5g/10分,融点16
3℃のプロピレン単独重合体31重量%および平均分子
量1,000,000のポリジメチルシロキサンガム4
2重量%からなる混合物を2軸押出し機により190〜
220℃で混練し、ポリオレフィン系樹脂組成物を得
た。このポリオレフィン系樹脂組成物のMFR(230
℃)は9.1g/10分であった。
【0074】得られたポリオレフィン系樹脂組成物をT
型ダイス押出し機により220℃の樹脂温度でシート状
に押出し、60℃に保った冷却ロールで引き取りながら
厚さ550μmのシートを得た。得られたシートを2軸
延伸機にセットして、温度146℃、延伸速度2m/分
で5倍×5倍に同時2軸延伸を行い、厚み25μmの2
軸延伸フイルムを得た。得られた2軸延伸フイルムをn
−ヘキサン浴に浸漬し、可溶成分を除去した。その後乾
燥して、厚さ25μmの多孔性フイルムを得た。 得ら
れた多孔性フイルムの物性を表1に示した。
【0075】実施例4 実施例3において、ポリオレフィン系樹脂組成物を、プ
ロピレン単独重合体の混合量が48重量%であり、ポリ
ジメチルシロキサンガムの混合量が25重量%であり、
無水マレイン酸変性エチレン−プロピレンブロック共重
合体とアミノ変性ポリジメチルシロキサンの混合量は変
更しないで得た以外は実施例3と同様にして厚さ25μ
mの多孔性フイルムを得た。なお、ポリオレフィン系樹
脂組成物のMFR(230℃)は4.2g/10分であ
った。
【0076】得られた多孔性フイルムの物性を表1に示
した。
【0077】実施例5 実施例3において、ポリオレフィン系樹脂組成物を、無
水マレイン酸変性量1.2重量%,融点160℃,MF
R(230℃)53g/10分の無水マレイン酸変性エ
チレン−プロピレンブロック共重合体(プロピレン単位
の含有量88モル%)48重量%、平均分子量3,70
0,アミノ当量1,600のアミノ変性ポリジメチルシ
ロキサン(東芝シリコーン社製TSF4706)7重量
%、平均分子量2,600,アミノ当量2,500のア
ミノ変性ポリジメチルシロキサン(東芝シリコーン社製
TSF4701)7重量%、MFR(230℃)1.5
g/10分,融点163℃のプロピレン単独重合体10
重量%および平均分子量500,000のポリジメチル
シロキサンガム28重量%を用いて得た以外は、実施例
3と同様にして、厚さ25μmの多孔性フイルムを得
た。なお、ポリオレフィン系樹脂組成物のMFR(23
0℃)は2.1g/10分であった。
【0078】得られた多孔性フイルムの物性を表1に示
した。
【0079】実施例6 実施例3において、ポリオレフィン系樹脂組成物を、無
水マレイン酸変性量0.7重量%,融点160℃,MF
R(230℃)37g/10分の無水マレイン酸変性エ
チレン−プロピレンブロック共重合体(プロピレン単位
の含有量88モル%)22重量%、平均分子量3,70
0,アミノ当量1,600のアミノ変性ポリジメチルシ
ロキサン(東芝シリコーン社製TSF4706)5重量
%、MFR(190℃)1g/10分,融点135℃の
高密度ポリエチレン43重量%および平均分子量50
0,000のポリジメチルシロキサンガム30重量%を
用いて得て、温度143℃で延伸した以外は、実施例3
と同様にして、厚さ25μmの多孔性フイルムを得た。
なお、ポリオレフィン系樹脂組成物のMFR(230
℃)は3.0g/10分であった。
【0080】得られた多孔性フイルムの物性を表1に示
した。
【0081】実施例7 実施例3において、ポリオレフィン系樹脂組成物を、無
水マレイン酸変性量0.7重量%,融点150℃,MF
R(230℃)61g/10分の無水マレイン酸変性エ
チレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン単位
の含有量96モル%)22重量%、平均分子量3,70
0,アミノ当量1,600のアミノ変性ポリジメチルシ
ロキサン(東芝シリコーン社製TSF4706)5重量
%、MFR(190℃)0.2g/10分,融点123
℃のブテン−1単独重合体41重量%および平均分子量
500,000のポリジメチルシロキサンガム32重量
%を用いて得て、温度134℃で延伸した以外は、実施
例3と同様にして、厚さ25μmの多孔性フイルムを得
た。なお、ポリオレフィン系樹脂組成物のMFR(23
0℃)は2.5g/10分であった。
【0082】得られた多孔性フイルムの物性を表1に示
した。
【0083】実施例8 実施例3において、ポリオレフィン系樹脂組成物を、無
水マレイン酸変性量0.7重量%,融点160℃,MF
R(230℃)37g/10分の無水マレイン酸変性エ
チレン−プロピレンブロック共重合体(プロピレン単位
の含有量88モル%)22重量%、平均分子量3,70
0,アミノ当量1,600のアミノ変性ポリジメチルシ
ロキサン(東芝シリコーン社製TSF4706)5重量
%、MFR(230℃)1.5g/10分,融点148
℃のエチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレ
ン単位の含有量96モル%)41重量%および平均分子
量500,000のポリジメチルシロキサンガム32重
量%を用いて得て、温度144℃で延伸した以外は、実
施例3と同様にして、厚さ25μmの多孔性フイルムを
得た。なお、ポリオレフィン系樹脂組成物のMFR(2
30℃)は8.0g/10分であった。
【0084】得られた多孔性フイルムの物性を表1に示
した。
【0085】実施例9 実施例6のポリオレフィン系樹脂組成物が中心層、実施
例1で得られたポリオレフィン系樹脂組成物が両外層と
なるように、樹脂温度200〜220℃で、3台の押出
し機による共押出しを行ない、60℃に保った冷却ロー
ルで引き取りながら層構成が1:1:1からなる厚み6
50μmの3層構造の複層シートを作成した。引き続
き、得られた複層シートを142℃に加熱したロール間
でMD方向に5倍延伸し、さらにテンターによって15
8℃でTD方向に5倍に逐次2軸延を行ない厚み25μ
mの2軸延伸フイルムを得た。得られた2軸延伸フイル
ムをn−ヘキサン浴に浸漬し、可溶成分を除去した。そ
の後乾燥して、厚さ25μmの複層多孔性フイルムを得
た。
【0086】得られた複層多孔性フイルムの物性を表1
に示した。
【0087】実施例10 実施例7のポリオレフィン系樹脂組成物が中心層、実施
例8で得られたポリオレフィン系樹脂組成物が両外層と
なるようにして複層シートを得、これを134℃でMD
方向に延伸し、148℃でTD方向に延伸した以外は、
実施例9と同様にして複層多孔性フイルムを得た。
【0088】得られた複層多孔性フイルムの物性を表1
に示した。
【0089】比較例1 実施例1において、ポリオレフィン系樹脂組成物とし
て、平均分子量3,700,アミノ当量1,600のア
ミノ変性ポリジメチルシロキサン5重量%、MFR(2
30℃)1.5g/10分,融点163℃のプロピレン
単独重合体70重量%および平均分子量500,000
のポリジメチルシロキサンガム25重量%からなるもの
を用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ25μm
の多孔性フイルムを得た。
【0090】得られた多孔性フイルムの物性を表1に示
した。
【0091】比較例2 実施例1において、ポリオレフィン樹脂組成物として、
無水マレイン酸変性量0.7重量%,融点160℃,M
FR(230℃)37g/10分の無水マレイン酸変性
エチレン−プロピレンブロック共重合体(プロピレン単
位の含有量88モル%)22重量%、平均分子量3,7
00,アミノ当量1,600のアミノ変性ポリジメチル
シロキサン5重量%およびMFR(230℃)1.5g
/10分,融点163℃のプロピレン単独重合体73重
量%からなるものを用いた以外は、実施例1と同様の操
作を行なって、厚さ25μmのフイルムを得た。
【0092】得られたフイルムの物性を表1に示した。
【0093】比較例3 実施例1において、ポリオレフィン系樹脂組成物とし
て、無水マレイン酸変性量0.7重量%,融点160
℃,MFR(230℃)37g/10分の無水マレイン
酸変性エチレン−プロピレンブロック共重合体(プロピ
レン単位の含有量88モル%)22重量%、MFR(2
30℃)1.5g/10分,融点163℃のプロピレン
単独重合体50重量%および平均分子量500,000
のポリジメチルシロキサンガム28重量%からなるもの
を用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ25μm
の多孔性フイルムを得た。
【0094】得られた多孔性フイルムの物性を表1に示
した。
【0095】
【表1】
【0096】実施例11 無水マレイン酸変性量0.6重量%,融点163℃,M
FR(230℃)33g/10分の無水マレイン酸変性
プロピレン単独重合体11重量%、平均分子量3,70
0,アミノ当量1,600のアミノ変性ポリジメチルシ
ロキサン(東芝シリコーン社製TSF4706)7重量
%、MFR(230℃)10g/10分,融点163℃
のプロピレン単独重合体50重量%および平均分子量5
00,000のポリジメチルシロキサンガム32重量%
の混合物を2軸押出し機により230℃で混練し、ポリ
オレフィン系樹脂組成物を得た。このポリオレフィン系
樹脂組成物のMFR(230℃)は13.2g/10分
であった。
【0097】得られたポリオレフィン系樹脂組成物をT
型ダイス押出し機により230℃の樹脂温度でシート状
に押出した以外は実施例1と同様にして厚み25μmの
2軸延伸フイルムを得た。
【0098】得られた多孔性フイルムの物性を表2に示
した。
【0099】実施例12 実施例11において、ポリオレフィン系樹脂組成物を、
無水マレイン酸変性量0.6重量%,融点163℃,M
FR(230℃)33g/10分の無水マレイン酸変性
プロピレン単独重合体11重量%、平均分子量2,60
0,アミノ当量2,500のアミノ変性ポリジメチルシ
ロキサン(東芝シリコーン社製TSF4701)3.5
重量%、平均分子量3,700,アミノ当量1,600
のアミノ変性ポリジメチルシロキサン(東芝シリコーン
社製TSF4706)3.5重量%、MFR(230
℃)10g/10分,融点163℃のプロピレン単独重
合体50重量%および平均分子量500,000のポリ
ジメチルシロキサンガム32重量%を用いて得た以外
は、実施例11と同様にして、厚さ25μmの多孔性フ
イルムを得た。なお、ポリオレフィン系樹脂組成物のM
FR(230℃)は11.2g/10分であった。
【0100】得られた多孔性フイルムの物性を表2に示
した。
【0101】実施例13 実施例11において、ポリオレフィン系樹脂組成物を、
無水マレイン酸変性量0.6重量%,融点163℃,M
FR(230℃)33g/10分の無水マレイン酸変性
プロピレン単独重合体11重量%、平均分子量3,70
0,アミノ当量1,600のアミノ変性ポリジメチルシ
ロキサン(東芝シリコーン社製TSF4706)7重量
%、MFR(230℃)1.5g/10分,融点163
℃のプロピレン単独重合体50重量%および平均分子量
500,000のポリジメチルシロキサンガム32重量
%を用いて得た以外は、実施例11と同様にして、厚さ
25μmの多孔性フイルムを得た。なお、ポリオレフィ
ン系樹脂組成物のMFR(230℃)は8.3g/10
分であった。
【0102】得られた多孔性フイルムの物性を表2に示
した。
【0103】実施例14 無水マレイン酸変性量0.7重量%,融点160℃,M
FR(230℃)37g/10分の無水マレイン酸変性
エチレン−プロピレンブロック共重合体(プロピレン単
位の含有量88モル%)6重量%、平均分子量3,70
0,アミノ当量1,600のアミノ変性ポリジメチルシ
ロキサン(東芝シリコーン社製TSF4706)7重量
%、MFR(190℃)1.1g/10分,融点131
℃のエチレン単独重合体55重量%および平均分子量5
00,000のポリジメチルシロキサンガム32重量%
の混合物を2軸押出し機により230℃で混練し、ポリ
オレフィン系樹脂組成物を得た。このポリオレフィン系
樹脂組成物のMFR(230℃)は3.9g/10分で
あった。
【0104】このポリオレフィン系樹脂組成物が中心
層、実施例11で得られたポリオレフィン系樹脂組成物
が両外層となるように、樹脂温度220〜260℃で、
3台の押出し機による共押出しを行ない、60℃に保っ
た冷却ロールで引き取りながら層構成が1:1:1から
なる厚み650μmの3層構造の複層シートを作成し
た。引き続き、得られた複層シートを140℃に加熱し
たロール間でMD方向に5倍延伸し、さらにテンターに
よって157℃でTD方向に5倍に逐次2軸延伸を行な
い厚み25μmの2軸延伸フイルムを得た以外は実施例
9と同様にして厚さ25μmの複層多孔性フイルムを得
た。
【0105】得られた複層多孔性フイルムの物性を表2
に示した。
【0106】実施例15 実施例11において、ポリオレフィン系樹脂組成物を、
無水マレイン酸変性量0.7重量%,融点160℃,M
FR(230℃)45g/10分の無水マレイン酸変性
エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン単
位の含有量99.5モル%)11重量%、平均分子量
3,700,アミノ当量1,600のアミノ変性ポリジ
メチルシロキサン(東芝シリコーン社製TSF470
6)7重量%、MFR(230℃)1.5g/10分,
融点163℃のプロピレン単独重合体50重量%および
平均分子量500,000のポリジメチルシロキサンガ
ム32重量%を用いて得た以外は、実施例11と同様に
して、厚さ25μmの多孔性フイルムを得た。なお、ポ
リオレフィン系樹脂組成物のMFR(230℃)は8.
8g/10分であった。
【0107】得られた多孔性フイルムの物性を表2に示
した。
【0108】実施例16 実施例15の延伸条件において、温度147℃、延伸速
度2m/分で5倍×5倍に同時2軸延伸を行った以外
は、実施例15と同様にして、厚さ25μmの多孔性フ
イルムを得た。
【0109】得られた多孔性フイルムの物性を表2に示
した。
【0110】実施例17 実施例11において、ポリオレフィン系樹脂組成物を、
無水マレイン酸変性量0.9重量%,融点163℃,M
FR(230℃)48g/10分の無水マレイン酸変性
プロピレン単独重合体44重量%、平均分子量3,70
0,アミノ当量1,600のアミノ変性ポリジメチルシ
ロキサン(東芝シリコーン社製TSF4706)16重
量%、MFR(230℃)10g/10分,融点163
℃のプロピレン単独重合体8重量%および平均分子量5
00,000のポリジメチルシロキサンガム32重量%
を用いて得た以外は、実施例11と同様にして、厚さ2
5μmの多孔性フイルムを得た。なお、ポリオレフィン
系樹脂組成物のMFR(230℃)は15.2g/10
分であった。
【0111】得られた多孔性フイルムの物性を表2に示
した。
【0112】比較例4 実施例11において、ポリオレフィン系樹脂組成物が、
MFR(230℃)10g/10分,融点163℃のプ
ロピレン単独重合体61重量%および平均分子量50
0,000のポリジメチルシロキサンガム39重量%で
あること以外は、実施例11と同様にして、厚さ25μ
mのフイルムを得た。
【0113】得られたフイルムの物性を表2に示した。
【0114】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83/04 C08L 83/04 H01M 2/16 H01M 2/16 P Fターム(参考) 4F074 AA16 AA16F AA17 AA22 AA23 AA24 AA25 AA26 AA28 AA90 AA94 AB01 CB03 CB17 CB28 CB34 CB43 CC02X CC04Z CC10Y CC22X CC28Z CC29Z CC32Z CC45 DA03 DA13 DA20 DA36 DA38 DA43 DA49 DA52 4F100 AK03A AK03B AK05 AK07 AK52 AK64 AL02 AL05A AL05B AL06 AL07 AL08A AL08B BA02 BA03 BA04 BA05 BA10A BA10B BA13 DD07A DD07B DJ00A DJ00B EJ38 GB07 GB41 GB56 GB87 JA20A JA20B JG04 JK01 JK16 YY00A YY00B 4J002 BB03W BB05W BB06W BB07W BB08W BB11W BB15W BB18W BB19W BB20X BP02W CP03Y CP17X FD170 GC00 GD00 GD05 GK01 GK03 5H021 BB04 BB13 CC00 CC02 CC04 EE04 EE15 HH01 HH02 HH03 HH06 HH07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂にポリシロキサンの
    分子鎖が化学結合した変性ポリオレフィン系樹脂を少な
    くとも一部として含むポリオレフィン系樹脂よりなり、
    平均孔径が0.01〜3μmの連通孔を有し且つ空隙率
    が20〜50%である多孔性フィルム。
  2. 【請求項2】表面粗さ(Ra)が1.0μm以下である
    請求項1記載の多孔性フィルム。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載の多孔性フィル
    ムからなる電池用セパレーター。
  4. 【請求項4】2種以上の請求項1又は請求項2記載の多
    孔性フイルムが積層されてなり、少なくとも一層は連通
    孔の閉塞温度が100〜140℃である多孔性フィルム
    からなり、且つ少なくとも一層はフィルムの形状保持温
    度が145〜170℃である多孔性フィルムからなる複
    層多孔性フィルムよりなる電池用セパレーター。
  5. 【請求項5】ポリオレフィン系樹脂にポリシロキサンの
    分子鎖が化学結合した変性ポリオレフイン系樹脂を少な
    くとも一部として含むポリオレフイン系樹脂80〜50
    重量%と平均分子量100,000〜5,000,00
    0のポリシロキサンガム20〜50重量%とからなるポ
    リオレフィン系樹脂組成物をフィルム状物に成形し、該
    フィルム状物中に微分散するポリシロキサンガムを有機
    溶剤にて抽出することを特徴とする請求項1記載の多孔
    性フイルムの製造方法。
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