JP2017134041A - 多孔質体、及びこれを用いたモノリス型アフィニティクロマトグラフィ用担体、モノリス型樹脂ビーズ、モノリス型リアクター担体、並びに多孔質体の製造方法 - Google Patents

多孔質体、及びこれを用いたモノリス型アフィニティクロマトグラフィ用担体、モノリス型樹脂ビーズ、モノリス型リアクター担体、並びに多孔質体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抗体などの精製を高速、低コストで行える多孔質体を提供する。
【解決手段】多孔質体は、孔径が1−100μmである連続孔を有し、空隙率が50%以上であり、表面にタンパク質と結合可能な官能基を有する高分子樹脂から成る。官能基にリガンドとしてプロテインAを結合させた多孔質体は、通水性、耐圧性に優れるので、高流速下で、特定物質を吸着できる。高分子基材をエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体とすることで、官能基としてのエポキシ基を表面に導入するのが容易になり、したがって、リガンドとしてプロテインAを結合させるのも容易になる。リガンドを結合させた多孔質体を担体としてカラムに充填した分離装置は、IgGなどの抗体の精製を、高速、低コストで行うことができる。
【選択図】 図2

Description

特定物質、特に抗体などのタンパク質に対する吸着性を備える多孔質体、及びこれを用いる応用物、並びに、多孔質体の製造方法に関する。
本明細書において「モノリス型」とは、粒子充填型のアフィニティクロマトグラフィ用担体に対応する用語であり、三次元網目状に連続した細孔より構成される骨格相からなる共連続構造を意味する。クロマトグラフィ用担体としては、柱状の形態、通常は、円柱状の形態で用いられるのが一般的である。
高速液体クロマトグラフー(HPLC)等の液相分離におけるこれまでの分離材開発では、分離性能のみが重視され、材料の微細化、高機能化が求められてきた(特許文献1)。また医薬品分野のみならず、環境分野、合成化学分野においても、分析検体数の増加に伴い、作業時間の短縮と低コスト化が求められている。
医薬品開発においては、抗体医薬品が世界的売り上げの6割以上を占めている。生合成から得られる抗体医薬品の製造は、精製過程が煩雑である。現在の抗体精製では、プロテインA等のタンパク質をリガンドとするアフィニティゲルが必須である。しかし、一般にアフィニティゲルは、50−100μm程度の粒子径を有する軟性ゲルであるため、耐圧性が低く、高流速下での使用に制限があり、2−3mL/分程度の流速しか得られていない。このため、抗体精製の高速化が難しくなっている。この問題を解決するための技術も従来提案されているが(特許文献2)、充分な成果を挙げているとは言えない。その結果、アフィニティゲルを用いた抗体精製には、多大なコストと時間とを要しているのが現状である。
特許第5722098号公報 特開2014−194425号公報
本発明は、従来のアフィニティゲルを用いた精製技術における低速、高コストの問題を解決することを目的とする。そのために、工場レベルで合成されている汎用材料に着目し、多孔性高分子樹脂から成る多孔質体を新規分離材として提供し、それによって、高速・高選択性と低コスト・低環境負荷を実現することを目的とする。
前記目的を達成するための請求項1に係る本発明は、基体が高分子樹脂からなり、孔径が1−100μmである連続孔を有し、空隙率が50%以上である多孔質体であって、少なくとも基体の表面にタンパク質と結合可能な官能基を有することを特徴とする多孔質体である。
この発明は、多孔質体の形成後に官能基を導入する態様と、官能基を予め有する高分子樹脂を用いて多孔質体を形成する態様の両方を含む。
請求項2に係る本発明は、前記基体が、タンパク質と結合可能な前記官能基を構成要素とする高分子樹脂からなる請求項1に記載の多孔質体である。
この発明は、官能基を予め有する高分子樹脂で多孔質体を形成する態様に対応するものである。官能基を有するモノマーを重合させる態様の外、基体の形成後に官能基をグラフト重合によって導入する態様や、予め官能基がグラフト重合された高分子成分を用いて重合体を形成する態様を含んでいる。
請求項3に係る本発明は、前記高分子樹脂が、タンパク質と結合可能な前記官能基を含む成分とその他の成分との共重合体である請求項2に記載の多孔質体である。
この発明における官能基を含む成分とは、たとえばグリシジルメタクリレート(GMA)であり、その他の成分とはたとえばオレフィンである。
請求項4に係る本発明は、前記官能基がエポキシ基である請求項1〜3のいずれか1つに記載の多孔質体である。
請求項5に係る本発明は、前記その他の成分がオレフィン類である請求項3または4に記載の多孔質体である。
請求項6に係る本発明は、前記高分子樹脂が、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体である請求項2〜5のいずれか1に記載の多孔質体である。
請求項7に係る本発明は、前記基体が弾性変形可能である請求項1〜6のいずれか1に記載の多孔質体である。
請求項8に係る本発明は、タンパク質と結合可能な官能基を介してリガンドが結合された請求項1〜7のいずれか1に記載の多孔質体からなることを特徴とするモノリス型アフィニティクロマトグラフィ用担体である。
請求項9に係る本発明は、前記リガンドが、プロテインA、G、Lからなる群より選択される1または2以上のタンパク質よりなる請求項8に記載のモノリス型アフィニティクロマトグラフィ用担体である。
請求項10に係る本発明は、タンパク質と結合可能な官能基を介してリガンドが結合された請求項1〜7のいずれか1に記載の多孔質体からなることを特徴とするモノリス型樹脂ビーズである。
請求項11に係る本発明は、タンパク質と結合可能な官能基を介して酵素が結合された請求項1〜7のいずれか1に記載の多孔質体からなることを特徴とするモノリス型リアクター担体である。
請求項12に係る本発明は、タンパク質と結合可能な官能基を有する高分子樹脂に、1〜100μmの粒子径を有する水系溶媒に溶解可能な形孔剤を混練して成形する工程、
得られた成形物の少なくとも一部を、前記高分子樹脂の融点よりも高い温度の液体に浸漬する工程、および
水系溶媒で前記形孔剤を溶出して連続孔を有する多孔質体を得る工程
を含むことを特徴とする多孔質体の製造方法である。
請求項1の本発明に係る多孔質体は、基体が高分子樹脂からなり、孔径が1−100μmである連続孔を有し、空隙率が50%以上であるので、通水性に優れる。よって、従来のアフィニティゲルでは得るのが困難な、5mL/分さらには10mL/分以上の流速を実現できる。また、少なくとも基体の表面に官能基を有するので、この官能基にリガンドなどを結合させることによって、抗体などの特定物質の吸着機能を付与することが可能である。従来のアフィニティゲルの孔径はnm(ナノメートル)サイズであるのに対し、本発明の多孔質体の孔径は1―100μmと大きいので、特に抗体のような巨大分子を効率よく捕捉するのに好適であり、微量抗体の濃縮にも有利である。
請求項2の本発明に係る多孔質体は、基体の高分子樹脂が、タンパク質と結合可能な官能基を構成要素とするものであり、官能基を予め有する高分子から成形できるので、成形後に官能基を導入する工程が不要である。
また、予め所定割合で官能基を導入した高分子から形成するため、細孔構造形成後に官能基を導入するのと異なり、均一な分布の官能基の導入が可能である。
請求項3の本発明に係る多孔質体は、タンパク質と結合可能な官能基を含む成分を構成要素とする共重合体であるから、官能基を予め有する成分から成形できるので、成形後に官能基を導入する工程が不要である。
請求項4の本発明に係る多孔質体は、官能基がエポキシ基なので、リガンドなどのタンパク質を固定するのが容易である。またエポキシ基自体を、共重合体の構成要素とすることができる。
請求項5の本発明に係る多孔質体は、共重合体を構成するその他の成分がオレフィン類であるので、エポキシ基との共重合体を形成しやすい。また使用するオレフィンの種類を適宜選択することによって、多孔質体に種々の特性を付与することが可能である。
請求項6の本発明に係る多孔質体は、高分子樹脂が、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体であるので、予めタンパク質との結合が可能なエポキシ基を備えているため、簡便にタンパク質の固定を行ない得る。また、材料コストが低く、耐酸性、耐アルカリ性にも優れる。
請求項7の本発明に係る多孔質体は弾性変形可能であるので、圧縮変形させることにより、カラムなどへの充填が容易になる、また、弾性を備えることにより、耐圧性能が向上する。
請求項8の本発明に係る担体は、リガンドを含むので、特定物質を吸着することが可能である。また、この担体を充填したカラムを用いてアフィニティクロマトグラフィを行えば、クロマトグラフィ効率が向上する。また、抗体などの精製工程における煩雑な前処理の簡略化を図ることができ、精製工程の簡便化・高速化をもたらす。回収率および再現性が向上し、コスト削減を達成できる。
請求項9の本発明に係る担体は、リガンドタンパク質がプロテインA、GまたはLであるので、IgGなどの特定の抗体を吸着することができる。
請求項10の本発明に係る樹脂ビーズは、リガンドを含むので、特定物質を吸着することが可能である。またこの樹脂ビーズをシリンジなどに充填して製作したカラムは、分析物質の濃縮など、前処理を行うのに適している。
請求項11の本発明に係るリアクター担体は、酵素を含むので、所望の酵素活性を発揮させることができる。
請求項12の本発明に係る多孔質体の製造方法は、簡便な方法により、本発明の多孔質体を効率よく製造することを可能にする。
本発明に係る多孔質体の細孔径分布を水銀圧入法によって測定した結果を示すグラフである。 本発明に係る多孔質体をカラムに充填する手順を説明する図面である。 本発明に係る多孔質体のプロテインAの固定化前および固定化後のSEM画像である。 本発明に係る多孔質体カラムを用いた牛血清アルブミン(BSA)を試料とした疎水的な非特異的吸着の有無の結果を示すグラフであって、実線が本発明に係るプロテインAを固定した多孔質体カラムによるもの、破線が未修飾多孔質体カラムによるものである。 本発明に係るプロテインAを固定化した多孔質体カラムを用いたHPLCにより、IgGの選択的分離試験を行った結果を示すグラフであって、IgG抗体標準品を試料とし、pH制御によるグラジエント分析を行ったものである。 本発明に係るプロテインAを固定化した多孔質体カラムに対するIgGの負荷量とピーク面積との関係を示すグラフである。 本発明の別態様に係るアビジンを固定化した多孔質体カラムを用いたHPLCによるイミノビオチンの選択的分離試験の結果を示すグラフであって、FITCで標識したイミノビオチンを試料とし、pH制御によるグラジエント分析を行ったものである。 流速変化に伴うIgG抗体の保持挙動変化について、本発明に係るプロテインAを固定化した多孔質体カラムと、市販のプロテインA固定化カラム(MAbPac ProteinA:サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)とを比較したグラフである。 高流速下(9.0mL/分)での非結合IgG/結合IgGの保持挙動変化について、本発明に係るプロテインAを固定化した多孔質体カラムと、市販のプロテインA固定化カラム(MAbPac ProteinA:サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)とを比較したグラフである。 酵素(ペプシン)を固定化した多孔質体カラム(エポキシ基材)を用いたHPLCによる還元IgGのペプシン消化後のマスクロマトグラムであって、還元抗体をペプシン修飾多孔質体カラムに通液して得た消化試料をHPLC分析したものである。比較は、ペプシン溶液のみ、還元抗体試料のみ(ペプシン消化なし)、溶液中で抗体消化を実施したものである。 微粒子を複合化した多孔質体のSEM画像である。 シリンジに充填した樹脂ビーズの圧縮前後を示す写真である。
本発明に係る多孔質体は、基体が高分子樹脂からなり、孔径が1−100μmの連続孔を有する。また、空隙率が50%以上、好ましくは50−80%であり、少なくとも基体の表面にタンパク質と結合可能な官能基を有するものである。なお「孔径が1−100μmの連続孔を有する」とは、多孔質体の空隙全体の体積のうち、1−100μmの孔径を有する孔の体積の総計の占める割合が90%以上であることをいう。また、通常の粒子型の材料では、メソ孔(孔径10ナノメートル未満)を有しているのに対し、本発明の材料はメソ孔が存在しない。このことは、通常の多孔質材料では、ガス吸着による細孔分布測定法にてメソ孔由来の細孔径分布が見られるのが一般的であるのに対し、本発明の多孔質体は、ガス吸着が観察されないことから理解される。
基体は、弾性変形可能な高分子樹脂で形成されることが望ましい。また、高分子樹脂として熱可塑性樹脂を用いると、連続孔の孔径や空隙率の調整が容易になる。このような高分子樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(PEVA)や、エチレンーグリシジルメタクリレート共重合体(PEGM)が好適である。特にPEGMは、PEVAと比較して、官能基としてのエポキシ基を表面に導入するのが容易であるので、より好ましい。
基体の少なくとも表面に官能基を存在させるには、多孔質体の形成後に官能基を導入する手法、および、官能基を予め有する高分子樹脂を用いて多孔質体を形成する手法が考えられる。官能基を予め有する高分子樹脂で多孔質体を形成する場合、官能基を有するモノマーを重合させる手法、基体の形成後に官能基をグラフト重合によって導入する手法、あるいは、予め官能基がグラフト重合された高分子成分を用いて重合体を形成する手法が考えられる。さらに、高分子樹脂が共重合体の場合、官能基を含む成分とその他の成分との共重合体とすることが考えられる。
官能基としては、タンパク質と結合可能な官能基であれば、特に制限されないが、エポキシ基、アミノ基、アルデヒド基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホ基、N−ヒドロキシサクシンイミド基などが好適に用いられる。
高分子樹脂としてPEGMを用いる場合、共重合組成に由来するエポキシ基が基体の表面に顕在する構成が得られる。したがって、ポリエチレン成分とグリシジルメタクリレート(GMA)成分との配合比(重合比)を調整することにより、基材表面におけるエポキシ基密度を制御することができる。PEGMで多孔質体の基体を形成する場合のポリエチレン成分とGMA成分との配合比は、GMAが5−25重量%の範囲が好ましく、より好ましくはGMAが10−18重量%の範囲である。また、ポリエチレン成分とGMA成分とを共重合させる際の融解温度が高すぎるとクロマトグラフィ担体に成形できず、低すぎるとクロマトグラフィの作動温度が制限される。この観点から、好ましい融解温度は60―150℃であり、より好ましくは80−120℃である。
共重合体を形成する際、適宜の可塑剤や充填剤(フィラー)などの添加物を、必要に応じ配合してもよい。また、この添加物を、エポキシ基等の官能基を含む微粒子とすることによって、基体に官能基を導入することも可能である。
基体を構成する高分子樹脂としてPEVAを用いた場合、アセチル基の加水分解後,直接的なエポキシ基の導入や、ビニル基を介したGMAのグラフト重合が可能であり、エポキシ基以外の官能基の導入も可能である。PEVAは比較的融点が低いため、混練や成形などを比較的容易に行えるという利点がある。また、酢酸ビニルの含有量によって、多孔質体の硬度、反発弾性率、強度などを調節することが可能である。
本発明に係る多孔質体の製造方法は、
(1)タンパク質と結合可能な官能基を有する高分子樹脂に、1〜100μmの粒子径を有する水系溶媒に溶解可能な形孔剤を混練して成形する工程、
(2)得られた成形物の少なくとも一部を、前記高分子樹脂の融点よりも高い温度の液体に浸漬する工程、および
(3)水系溶媒で前記形孔剤を溶出して連続孔を有する多孔質体を得る工程
を含む。
工程(1)は、例えば熱可塑性の高分子樹脂と水系溶媒に溶解可能な形孔剤とを混連して均一化したのち、これを成形して、所定形状の多孔質体を形成する工程である。高分子樹脂に混練される形孔剤は、高分子樹脂には溶解しないが、水系溶媒には溶解する粒子状の物質である。これには、水溶性の有機物、例えばペンタエリスリトールなどの水溶性樹脂の使用が好ましい。
形孔剤の高分子樹脂に対する配合量は特に限定されないが、高分子樹脂100重量部に対し100〜600重量部が好ましい。また、形孔剤の粒形および配合量を調整することによって、多孔質体の孔径および空隙率を制御することができる。本発明では、空隙率を50%以上に設定する。また配合する形孔剤の粒子径を例えば1−100μmとすることによって、多孔質体に形成する連続孔の孔径を1−100μmとすることができる、形孔剤の粒子径は1−100μmが望ましく、5−50μmがより好ましい。
高分子樹脂と形孔剤とを混練する温度および時間は、特に限定されず、使用する高分子樹脂の種類に応じ適宜設定される。通常、130〜180℃、5−20分間で行われる。
高分子樹脂と形孔剤とを混連して得られる材料を所定形状に成形する成形方法は特に限定されず、圧縮成形法、押出成形法、射出成形法などが使用される。本発明の多孔質体は、円柱状に成形することが好ましく、この場合、押出成形法によるのが望ましい。
工程(2)は、得られた成形物の少なくとも一部を、高分子樹脂の融点よりも高い温度の液体に浸漬することによって、成形物の表面処理を行う工程である。この工程により、成形物の三次元の樹脂骨格構造が皮膜のない枝木状となり、内部全体の連通性が向上する。なお、液体の温度と浸漬時間とを調節することにより、連通性の程度を制御可能である。
成形物が浸漬される液体としては、多価アルコールの単量体(エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなど)または多価アルコールの重合体(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールなど)を使用できる。
成形物を浸漬する液体の温度は、高分子樹脂の融点よりも高い温度に設定され、好ましくは、融点よりも10〜70℃、より望ましくは、融点よりも30℃〜50℃高い温度とされる。なお成形物を液体に浸漬したのち、液体を所定温度まで加温する方法を採用してもよい。
工程(3)は、工程(2)で得られた成形物中の形孔剤を除去することにより、目的とする連続孔を有する多孔質体を得る工程である。形孔剤を溶出するための水系溶媒としては、水、温水、水可溶性低級脂肪族アルコール、稀酸水、稀アルカリ水等が用いられ、通常、水または温水が使用される。
こうして得られた多孔質体は、表面の官能基を介してリガンドを結合し、モノリス型アフィニティクロマトグラフィ用担体として使用することができる。この場合、リガンドとしては、プロテインA、GまたはLのうちから選ばれる1または2以上のタンパク質とすることができる。あるいは、この多孔質体を、官能基を介してリガンドを結合させたモノリス型樹脂ビーズとして使用することができる。さらには、官能基を介して酵素を結合させることにより、この多孔質体をモノリス型リアクター担体として使用することも可能である。
アフィニティクロマトグラフィ用担体として用いる場合、図2に示すようにモノリス型の場合は、多孔質体(スポンジモノリス)を所定の形状、例えば円柱状に成型し、熱収縮チューブ内に挿入した後、カラム材料を損ねない程度の温度で加熱し、チューブを収縮させてモノリス多孔質体を一体化させたカラムを成形することができる。
モノリス型樹脂ビーズとして用いる場合は、例えば通常の高速液体クロマトグラフィ用のカラム容器に樹脂ビーズを充填させて使用することができる。
前記のようにして得られた本発明の多孔質体を用いるアフィニティクロマトグラフィ用カラムは、カラム内にリガンド溶液を充填し、所要時間インキュベート(恒温保持)することによって、リガンドを、多孔質体に固定化することができる。例えば、多孔質体がPEGMからなり、リガンドとしてプロテインAなどのタンパク質を用いた場合、多孔質体表面のエポキシ基と、タンパク質内の塩基性アミノ酸に由来するアミノ基とが容易に反応するから、液中において結合反応が速やかに進行する。タンパク質の固定量は、0.1−50nmol/gが好ましく、さらに好ましくは、1.0−10.0nmol/gである。
このようにしてリガンドを表面に結合させた多孔質体の充填カラムを用いて製作した分離装置は、HPLCと同様の手法によって、特定の物質を、選択的に吸脱着することにより、効率よく回収することが可能である。本発明の多孔質体は、通水性および耐圧性に優れるので、高流速下で目的物質の吸着が可能であり、高速精製を実現できる。したがって、本発明の多孔質体は、アフィニティクロマトグラフィカラムとして用いた場合に、低い非特異吸着能を発揮する。
従来の分離装置では、通液時にある程度の圧力(負荷圧・圧損)がかかることが見込まれているため、材料の変形は致命的な欠点となり、機械的強度の確保が必須であるとされてきた。これに対し本発明では、材料に1−100μmの孔径を有し、空隙率50%以上(例えば75%)の多孔質体を用いることにより、高い通水性と柔軟性とを有するので、クロマトグラフィカラムとして用いる場合の最適な圧損を実現することを可能にした。ここで、クロマトグラフィカラムとして用いる場合のカラムの圧損は、カラムの形状、移動相の溶媒の粘度、流速等のクロマトグラフィの条件によって変動するが、圧損が低いほど望ましい。例えばカラムサイズが内径4.0mm×長さ30mmであり、水を移動相として使用し、流速が5.0mL/minの場合は、2.0MPa未満であることが望ましい。
本発明の多孔質体と、現状用いられている粒子型のアフィニティ樹脂との性能を比較した場合、透過度・通水性の点からは、粒子のサイズ、形状にも依存するが、粒子型に比べ孔径が制御されたモノリス型が優れており、クロマトグラフィの高速化、大容量化が可能である。また、粒子型は、カラムに充填する必要があるが、モノリス型はカラムとして一体成型できるので、使用時の操作性・生産コストの点でも粒子型に比べて優れている。
以上の特性より、本発明の多孔質体は医薬品精製、特に抗体医薬などのバイオ医薬品の精製の高速化と低コスト化をもたらすものと期待できる。
本発明の多孔質体は、実施の対象に応じて、任意の官能基あるいはリガンドを固定化することができる。高分子基材をPEVAとし、その表面修飾によりイオン交換基を導入することで、低濃度のリン酸化核酸塩基のオンライン濃縮が可能である。
[実施例1]
多孔質体
多孔質体の材料には、エポキシ基を含む高分子であるPEGMを用いる。
多孔質体の形成は、熱可塑性のPEGMポリマー(住友化学社製、ボンドファーストCG5001、GMA比率19重量%)100重量部と、形孔剤として水溶性樹脂である粒子径20〜50μmペンタエリスリトール240重量部とを熱混練によって均一化した後、これを円柱状に押し出し成形する。その後、水溶性のペンタエリスルトールを水洗浄によって成形体から取り除くことによって、多孔性の多孔質体を得る。得られた多孔質体は、孔径が平均10μmで空隙率が75%のスポンジ状基材である(スポンジモノリスとも言う)。
なお、多孔質体の平均孔径は水銀圧入法による細孔分布測定により求めた。この水銀圧入法による測定結果を、図1に示す。図1のグラフによれば、細孔径分布は、約10μmをピークとして、その付近に集中している。メソ孔については、窒素ガス吸着量測定装置によりガス吸着法で孔径10nm以下のメソ孔の存在を確認したところ、本発明の多孔質体には窒素ガスの吸着が観察されず、メソ孔が存在しないことが確認された。
空隙率については、紫外線吸収を有するマーカーを含む液体を所定の流速でカラムに成形した多孔質体に通過せしめ、反対方向からマーカーが検出される時間を測定することによって、多孔質体内を通過した溶液量を算定することにより求めた。
カラム作製
図2に示すように、円柱状に成形した多孔質体(スポンジモノリス)は、のり、グリセリンなどの潤滑剤を用いることにより、または熱収縮チューブを用いることにより、極めて簡便にカラム化できる。そして、このカラム化されたPEGM基材の多孔質体を、HPLC用カラム(例えば、内径4.6mm長さ100mm)に装填し、図示のように不要部分を切除する。これをHPLC装置に適用することにより、特定物質の分離装置とすることが可能である。
アフィニティ樹脂合成
上記で得られた多孔質体カラムを、メタノール/水を溶媒として、送液ポンプを用いて洗浄する。次に、プロテインA溶液(1mg/mL、リン酸塩緩衝液pH7.0)でカラムを完全に満たした後、40℃で24時間反応させた。反応後のカラムを水、メタノールで洗浄し、プロテインA固定化カラムを得た。タンパク質の固定量は4nmol/g程度である。
同様にして、アビジン固定化カラムも作製した。
参考までに、本実施例の多孔質体の、プロテインA固定前および固定後の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を、図3に示す。
プロテインA固定化カラムの評価では、未修飾多孔質体カラムを比較対照として、牛血清アルブミン(BSA)を試料としたHPLC分析を行い、疎水的な非特異的吸着を評価した。結果を図4に示す。
次に、IgG抗体標準品を試料として、pH制御によるグラジエント分析を行い、特異的な保持挙動について評価を行った。結果を図5に示す。
結果および考察
以前までの研究において得られていたEVAを基材とする多孔質体では、比較的疎水的な溶質に対する保持が見られていたため、基本的に水を溶媒として用いるアフィニティ分離への適用に対しては、親水化が必須であると予想されていた。EVAの表面処理では、アセチル基の加水分解にともなう親水性の付与が確認されたが、他の基材による多孔質体の作製を検討した結果、グリシジル基を含むPEGMが最適であることが分かった。
一方で、PEGMについても、その高分子骨格にはEVAと同じくポリエチレンが含まれており、ポリグリシジルメタクリレートも比較的疎水性の高い高分子であることから、やはり疎水的な保持が予想された。
そこで、まず疎水的な非特異吸着性を評価するために、BSAを試料として、未修飾のPEGM多孔質体における保持を確認した。その結果、移動相溶媒として緩衝液を用いた場合には、BSAの吸着が極めて強く、溶出が確認できなかった。そのため、移動相にアセトニトリル(MeCN)を加えるクラジエントを用いて溶出挙動を評価した。移動相Aに0.1% トリフルオロ酢酸水溶液、移動相Bに0.1% トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル溶液を用いて、0〜20分で100%移動相A〜100%移動相Bの線形グラジエントを使用した結果、図4に示すとおり、ブロードなピークではあるがBSAの溶出を確認した。
これに対して、同様の移動相条件を用いてプロテインA固定化カラムを評価したところ、BSAは全く保持されず、溶媒ピークとともに溶出することが分かった。通常、メソ孔を含む分離媒体の表面修飾では、疎水基材の疎水性は表面修飾後も維持される。ところが、本発明の多孔質体では、メソ孔が存在しないために、巨大分子であるプロテインAによって基材表面が親水化されたと考えられる。
同じく巨大分子であるBSAについては、多孔質体の細孔表面との相互作用が阻害されたため、保持の急激な低下が見られたと予想される。
結果的に、疎水性であったPEGM多孔質体は、プロテインAによって親水化され、アフィニティ樹脂としての要件である親水性を得ることが可能となったと考えられる。
プロテインAの固定化によって、効率的な親水性化が進行したことが確認できたので、次に、標的タンパク質であるIgG抗体を用いた評価を行った。一般的に、プロテインAとIgG抗体の相互作用は、中性付近のpHでは極めて強く発現するのに対して、酸性付近ではその結合定数が著しく低下することから、市販のプロテインAカラムにおいては単純なpHスイッチングによって、抗体分離を行っている。本発明においても同様の手法を用いて、評価を行った。
図5に、プロテインA固定化カラムを用いた時のIgG抗体の保持挙動を示した。移動相Aに50mMリン酸緩衝液(pH7.5)、移動相Bに50mMリン酸緩衝液(pH2.5)を用いて、0〜20分で100%移動相A〜100%移動相Bの線形グラジエントを使用した条件において、中性から酸性に移動相を変化させることにより、IgG抗体のピークを得ることができた。中性条件でpHスイッチングをしない場合には、強い相互作用によってIgGの溶出は見られず、また、BSAを試料に用いた場合には先の結果と同じく、溶媒ピークと同時間に溶出することから、プロテインAとIgG抗体の特異的な相互作用が発現したと考えられる。
次に、作製したプロテインA固定化カラムの実用性を評価するため、試料負荷量の違いによる回収率変化、および高流速下における回収率について合わせて評価を行った。図6には、試料負荷量が異なるときのHPLCにおけるIgGのピーク面積を示した。図に示すとおり、1−250μgの範囲では良好な直線性を示し、アフィニティ樹脂としての有用性が示された。
さらに表1に、移動相送液の流速を変えたときのIgG抗体回収率を示す。
Figure 2017134041
[表1:流速とIgG結合量との関係]
表1の結果から、5mL/分を適用した場合にも定量的な回収率が得られており、また、このときのカラム圧損は2MPa未満であった。通常、市販のプロテインA固定化樹脂では、樹脂の機械的強度や回収率の確保の立場から、適用流速が0.5〜2.0mL/分程度に制限されているのに対して、本発明の多孔質体では、はるかに高い流速下でも高い回収率が得られたことから、市販品を上回る性能を有していると言える。
前記PEGM多孔質体カラムの一般性を見いだすために、同様の手法によってタンパク質を固定化した他のカラムについても評価を行った。アビジンは、ビオチンと非常に強く結合することが知られているが、イミノ基を有するイミノビオチンは、pH条件によってその結合定数が変化することが知られている。そこで、アビジンを固定化した多孔質体に対して、FITC(Fluorescein isothiocyanate)で標識したイミノビオチンを試料として選択的保持の評価を行った。塩基性条件でイミノビオチンと結合させ、中性条件での溶離を試みた。その結果を図7に示す。
図7のクロマトグラフの結果から、ピークはブロードであるが、pHスイッチングによってイミノビオチンが溶出していることが分かる。同様の試験を未修飾モノリスを用いて行った場合には、溶媒ピーク付近の未反応FITCのピークしか見られず、イミノビオチンも保持されずに溶出したと考えられる。以上の結果から、アビジンをリガンドに用いた場合にも、アフィニティ分離が達成されたと考えられる。
以上説明したように、本発明は、医薬品精製、特にバイオ医薬品精製の高速化を目的として、スポンジ状の基材を用いてアフィニティカラムを作製し、エポキシ基を有する新規多孔質体に対しタンパク質をアミノ基を介して結合させることによって、対応するターゲット物質との効率的な結合を実現した。実験として行った、プロテインAとIgG抗体との反応、およびアビジンとイミノビオチンとの反応のいずれの場合においても、従来品と同等の選択的吸脱着能が見られ、かつ、従来品では不可能な高流速下条件での吸脱着能を確認することができた。
[実施例2]
実施例1と同様に、4mm内径30mm長のカラムを用いて、市販ProteinAカラム(MAbPac ProteinA:サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)と、本発明多孔質体にProteinAを結合させたものを用いて作成したカラムとを準備し、両者について、流速に対する圧損の変化を比較した。結果を表2に示す。表2から、本実施例の多孔質体は、従来型の粒子型カラム(MAbPac ProteinA)に比べ、流速に対して示す圧損が低いことが分かる。
Figure 2017134041
[表2:市販ProteinAカラムと本実施例ProteinA固定化カラムの流速と圧損の比較]
さらに,同時に溶質として用いたIgG抗体の回収率を測定した。結果を、図8,9および表3に示す。
市販のプロテインAカラムでは、高流速下での回収率の低下が見られるのに対し、本実施例の多孔質体カラムでは、流速に依存する保持性能の低下が無く、高流速下でも保持機能が確保される。これは、本実施例の多孔質体は、メソ孔が存在しないために、高流速下での微細孔による保持力低下がおこらないためと推測される。
Figure 2017134041
[表3:市販ProteinAカラムと本実施例ProteinA固定化カラムとの結合IgG量%比較]
なお試験条件は下記の通りである。
カラム温度:40℃
移動相A:50mM リン酸塩緩衝液,150mM NaCl, pH7.5
移動相B:50mM リン酸塩緩衝液,150mM NaCl, pH2.5
グラジエント:(Time/B%)=(0/0),(2.4/0),(2.41/100),(9.6/100),(9.61/0),(24/0)[流速に応じて変更]
試料:1mg/mL IgG
注入量:10μL
検出波長:280nm
本実施例の試験に使用した液体クロマトグラフ装置は,LC−20シリーズ(島津製作所製)である。
追加のデータとして、酵素を固定化した多孔質体(同じくエポキシ基材)において,オンラインでのタンパク質の消化を確認した。室温状態において、還元抗体をペプシン修飾多孔質体カラムにシリンジスポンジポンプにて通液し、消化試料を得た、流速は、100mL/hとしてサンプリングし、HPLCにて分析を行った。またコントロールとして、ペプシン溶液のみ、還元抗体試料のみ(ペプシン消化なし)、溶液中での抗体消化(25℃、1分間、150分間)を実施した。結果を図10に示す。図10のグラフから、本発明の酵素固定化多孔質体が、酵素活性を示すことが確認できる。
以上述べた試験結果から、本発明に係る多孔質体が、特にバイオ医薬品精製における精製の高速化を支援するツールとして極めて有用であり、品質管理における精密分析、精製過程における大量試料精製に対しても有効であることが示される。
[その他の実施例]
本発明の多孔質体は、微粒子との複合化も可能である(Kubo,T.et al.Anal.Sci. 29,2013,417−421参照)。図11に、微粒子を複合化した多孔質体のSEM写真を示す。微粒子にエポキシ基等の官能基を含ませることにより、多孔質体に、特異的アフィニティを付与することが可能である。
図12に示すように、本発明の多孔質体は、弾性が高く、圧縮可能なモノリス型樹脂ビーズとしての利用も可能であり、シリンジなどに充填して使用することができる。このビーズは特に、前処理用サンプルとしての使用が好適である。
具体的には、予め目的物質に対するリガンドを固定したモノリス型樹脂ビーズを充填したシリンジを準備する。次に分析したい目的物質を含む試料を供与すると、モノリス型樹脂ビーズに目的物質がリガンドを介して吸着される。その後、溶出用の溶液を供与し、シリンジで充填したビーズを圧縮することで、目的物質が濃縮された試料の溶出液が提供される。ビーズを圧縮することで目的物質の溶出が可能であるため、従来法に比べて溶出液が少量で済み、分析のための試料の濃縮が可能となる。
本発明は、バイオ医薬品の精製工程において、前処理の煩雑性や、分離分析の低回収率・低再現性・高コストなどの諸問題を解決し、簡便化・高速化をもたらす。本発明に基づく多孔質体は、化学的表面修飾法による高速送液型アフィニティ樹脂であり、これと汎用の検出器とを組み合わせることにより、新規オンライン医薬品精製システムの構築が可能となる。
また、例えばインスリン精製過程で用いられるような大型カラム(内径1m、長さ2m)への応用も可能で、医薬品の低コスト化への貢献も期待できる。さらに本発明は、医薬品精製に留まらず、液相分離技術全般において、有用性を発揮できる。

Claims (12)

  1. 基体が高分子樹脂からなり、孔径が1−100μmである連続孔を有し、空隙率が50%以上である多孔質体であって、少なくとも基体の表面にタンパク質と結合可能な官能基を有することを特徴とする多孔質体。
  2. 前記基体が、タンパク質と結合可能な前記官能基を構成要素とする高分子樹脂からなる請求項1に記載の多孔質体。
  3. 前記高分子樹脂が、タンパク質と結合可能な前記官能基を含む成分とその他の成分との共重合体である請求項2に記載の多孔質体。
  4. 前記官能基がエポキシ基である請求項1〜3のいずれか1つに記載の多孔質体。
  5. 前記その他の成分がオレフィン類である請求項3または4に記載の多孔質体。
  6. 前記高分子樹脂が、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体である請求項2〜5のいずれか1に記載の多孔質体。
  7. 前記基体が弾性変形可能である請求項1〜6のいずれか1に記載の多孔質体。
  8. タンパク質と結合可能な官能基を介してリガンドが結合された請求項1〜7のいずれか1に記載の多孔質体からなることを特徴とするモノリス型アフィニティクロマトグラフィ用担体。
  9. 前記リガンドが、プロテインA、G、Lからなる群より選択される1または2以上のタンパク質よりなる請求項8に記載のモノリス型アフィニティクロマトグラフィ用担体。
  10. タンパク質と結合可能な官能基を介してリガンドが結合された請求項1〜7のいずれか1に記載の多孔質体からなることを特徴とするモノリス型樹脂ビーズ。
  11. タンパク質と結合可能な官能基を介して酵素が結合された請求項1〜7のいずれか1に記載の多孔質体からなることを特徴とするモノリス型リアクター担体。
  12. タンパク質と結合可能な官能基を有する高分子樹脂に、1〜100μmの粒子径を有する水系溶媒に溶解可能な形孔剤を混練して成形する工程、
    得られた成形物の少なくとも一部を、前記高分子樹脂の融点よりも高い温度の液体に浸漬する工程、および
    水系溶媒で前記形孔剤を溶出して連続孔を有する多孔質体を得る工程
    を含むことを特徴とする多孔質体の製造方法。
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