JP2003321569A - 変性ポリエチレン製微多孔膜 - Google Patents

変性ポリエチレン製微多孔膜

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた溶融強度と低いヒューズ温度を合わせ
持つ、電池用セパレーターに適した微多孔膜の提供。 【解決手段】 ゲル分率が1〜90%であることを特徴
とする、反応性モノマー変性ポリエチレン製微多孔膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエチレン製微多
孔膜に関するものであって、より詳しくは、透過性、機
械的強度に優れるとともに、ヒューズ温度が低く、かつ
高温での膜強度が強く、きわめて安全性に優れたリチウ
ム電池用のセパレータに好適なポリエチレン製微多孔膜
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン製微多孔膜は精密濾過膜、
電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ等に使用
されている。特に近年では厚さ20μm程度のポリエチ
レン製微多孔膜がリチウムイオン二次電池用セパレータ
に使用されている。リチウムイオン二次電池用セパレー
タには電池の高性能化に伴いその要求特性も高レベル化
しており、特に最近では電池安全性を向上させる微多孔
膜が要求されている。
【0003】電池安全性とは、電池内部が過熱した際に
セパレータが溶融して電極を覆う被膜となり、電流を遮
断する「ヒューズ効果」によって電池の安全性を確保す
る性能である。このヒューズ温度は電池の暴走反応など
を阻止するためにより低温であることが好ましい。もう
一つの重要な安全性の要素は、ヒューズ後の高い耐熱性
である。上記ヒューズ効果により電池反応が停止して
も、温度上昇が急激な場合にはヒューズ後もさらに電池
温度が上昇し、結果的に前記被膜が破れて電流が復帰し
てしまうことがあり安全性に問題が起こる。このような
過酷な条件下でも電池の安全性を確保できるような高い
溶融強度を持った微多孔膜も望まれている。
【0004】ヒューズ温度を下げる技術としては、例え
ば特開平5−25305号公報、特開平2−21559
号公報に高分子量ポリエチレンと分岐状低密度ポリエチ
レンや直鎖状低密度ポリエチレンをブレンドすることに
よってヒューズ温度を下げる方法が開示されている。か
かる方法によればヒューズ温度の低下は期待されるが、
これらの分子量は低く、溶融状態での強度はかえって弱
くなってしまい、基本特性である機械強度が低下するば
かりか、結晶化度が低下するため孔が形成しづらく、透
過性の低下も避けられない。
【0005】溶融強度を向上させる技術としては、例え
ば特開平3−105851号公報にあるような超高分子
量ポリエチレンを高分子量ポリエチレンにブレンドする
手法がある。超高分子量ポリエチレンは溶融後もかなり
の粘度を有するため、高温での強度はある程度高まる
が、過酷な条件では破膜してしまう。また、粘度が上が
るため溶融時の孔閉塞に時間を要し、結果的にヒューズ
温度が上昇し本質的な解決にならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透過性、機
械強度等を損ねることなく、ヒューズ温度が低く、かつ
溶融後の膜強度が強く、電池用セパレータとして電池の
安全性を向上させることができるポリエチレン製微多孔
膜を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題に対
して鋭意研究を重ねた結果、特定の分子構造を有するポ
リエチレンよりなる微多孔膜セパレータが、上記課題を
克服する上で、著しく寄与することを見出し、本発明を
なすに至った。
【0008】すなわち、本発明は下記の通りである。 (1)ゲル分率が1〜90%であることを特徴とする、
反応性モノマー変性ポリエチレン製微多孔膜。 (2)反応性モノマーが、マレイン酸であることを特徴
とする上記(1)記載のポリエチレン製微多孔膜。 (3)マレイン酸の変性率が0.1〜5wt%である上
記(2)記載の微多孔膜。 (4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の微多孔膜
を用いた電池用セパレータ。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、その好ま
しい態様を中心に、詳細に説明する。本発明の微多孔膜
は、構成するポリエチレンが、無水マレイン酸でグラフ
ト変性されていて、かつゲル分率が1〜90%を有する
ことを特徴とする。変性することができるポリエチレン
の粘度平均分子量は、変性による高温での高強度化の観
点から10万以上であり、変性反応時のポリマーの劣化
の観点から500万以下が好ましい。より好ましくは2
0万〜100万である。
【0010】ポリエチレンの種類は高密度、中密度、低
密度のいずれでもよく、また重合触媒がチーグラー系触
媒、クロム系触媒、メタロセン触媒などいずれから重合
されたポリマーであって良いが、高密度ポリエチレンが
結晶化度や成形加工性の観点から好ましい。また、変性
するポリエチレンは、成形性をより良くする等の目的
で、分子量や密度の違う複数のポリエチレンをブレンド
したものでもかまわない。さらに、変性したポリエチレ
ンに、ヒューズ温度等を調整するために、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等の通常のポ
リオレフィンをブレンドしてもよい。その範囲は変性ポ
リエチレンの低いヒューズ温度と高い高温強度を維持す
るという観点から、45wt%未満であることが好まし
い。
【0011】反応性モノマーとは、カルボキシル基、カ
ルボニル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、アミド基、
アミノ基等を分子内に有するオレフィン系モノマーであ
って、具体的にはアクリル酸およびその誘導体、メタク
リル酸およびその誘導体、マレイン酸およびその誘導体
等が挙げられ、好ましくは無水マレイン酸である。
【0012】微多孔膜の無水マレイン酸またはマレイン
酸変性率は、高温強度の観点から0.1wt%以上が好
ましく、変性ポリエチレンの結晶化度の観点から5.0
wt%以下であることが好ましい。より好ましくは0.
3〜2.0wt%である。微多孔膜のゲル分率は、AS
TM D2765に準拠した測定法によって評価できる
が、本発明におけるゲル分率は1〜90%、好ましくは
5〜85%、さらに好ましくは10〜80%である。1
%未満では溶融時の強度が不足し、十分な電池安全性向
上は望めず、90%を超えるとヒューズ温度が上昇し好
ましくない。
【0013】本発明の微多孔膜の気孔率は、リチウムイ
オン透過性の観点から20%以上が好ましく、機械的強
度の観点から80%以下が好ましい。さらに好ましくは
30〜70%である。また突刺強度は0.1N/μm以
上が好ましい。電池構成時に正負極の短絡を防ぐ観点か
ら0.2N/μm以上がより好ましい。本発明の微多孔
膜のヒューズ温度は140℃未満が好ましい。電池の暴
走反応制御の観点から140℃未満が好ましい。また、
135℃以下がさらに好ましい。
【0014】溶融時の強度は、160℃での突刺強度で
表され、本発明の微多孔膜は電池の安全性の観点から
0.005N/μm以上が好ましい。より好ましくは
0.01N/μmである。このような微多孔膜は、通常
の電池特性を損なうことなく、ヒューズ温度が低く、か
つ溶融時の耐熱性が高い。これは、変性反応特有の結晶
化度をある程度維持したまま融点が低下する点と、変性
後の無水マレイン酸基どおしの相互作用によりゲル分率
を有する架橋構造が形成される結果、溶融後の耐応力が
増すためと考えられる。
【0015】次に本発明の微多孔膜の製法について説明
する。本発明の微多孔膜の製法は、ポリエチレンと無水
マレイン酸を含む樹脂組成物を二軸押出機で溶融混練
し、その後、加熱処理することによってゲル分率が1%
以上の無水マレイン酸変性ポリエチレン化する工程を含
むことが好ましい。用いる反応性モノマーは無水マレイ
ン酸100%のものでもよいが、無水物化していないマ
レイン酸を1〜50%、残りを主として無水マレイン酸
としたものを用いると、高ゲル分率が得られる観点から
さらに好ましい。
【0016】変性反応をこのような工程とすることで、
変性前のポリエチレンの良好な成形性を維持したまま反
応成形することができ、かつゲル分率1%以上を効率よ
く付加させることができるので好ましい。例えば、ポリ
エチレンと無水マレイン酸、溶剤を二軸押出機で溶融混
練および変性反応させたのち、Tダイまたはサーキュラ
ーダイにてゲルシートに成形し、これを加熱処理したの
ち一軸または二軸のフラット延伸、またはバブル延伸に
よって薄化および高強度化したのち、溶剤を抽出するこ
とによって得られる。
【0017】この加熱処理は、加熱ロール、圧延装置な
どを用いてもよいし、Tダイまたはサーキュラーダイの
温度を調整することでも可能である。加熱温度は180
〜250℃、好ましくは190〜240℃である。加熱
時間は組成比などにもよるが、1秒〜600秒が好まし
い。本発明において、ゲル分率をにコントロールするた
めの方法としては、上記したような特定の加熱処理を用
いる方法が最も優れている。
【0018】また、溶剤を使用しない場合でも、ポリエ
チレンと反応性モノマーを二軸押出機で溶融混練および
変性反応させたのち、Tダイまたはサーキュラーダイに
てシートに成形し、これを加熱処理したのち一軸または
二軸のフラット延伸、またはバブル延伸によって薄化お
よび高強度化したのち、この無孔性フィルムをオーブン
または熱溶媒中で加熱して、非晶部や一部の結晶を溶融
再結晶させ開孔する加熱開孔法もある。
【0019】何れの製法の場合でも、反応時に有機過酸
化物を併用すると変性反応が効率よく行われ好ましい。
使用できる過酸化物としては、例えばジクミルパーオキ
サイド、1,3−ビス(ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、1,3ジ(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゾエートなど、比較的高温で使用される過
酸化物が好ましい。変性ポリエチレンと他のポリマーを
ブレンドする場合は、二軸押出機内で上記手法の変性反
応後にブレンドポリマーを供給するか、第二の押出機で
新たにブレンドの後、加熱処理をするとよい。
【0020】ここで、製法の一例として相分離法につい
て詳しく説明する。ここでいう溶剤とは、沸点以下の温
度でポリオレフィンと均一な溶液を形成しうる有機化合
物の事であり、具体的にはデカリン、キシレン、ジオク
チルフタレート、ジブチルフタレート、ステアリルアル
コール、オレイルアルコール、デシルアルコール、ノニ
ルアルコール、ジフェニルエーテル、n−デカン、n−
ドデカン、パラフィン油等が挙げられる。このうちパラ
フィン油、ジオクチルフタレートが好ましい。溶剤の割
合は特に限定されないが、得られる膜の気孔率の観点か
ら20wt%以上が好ましく、粘度の観点から90wt
%以下が好ましい。より好ましくは50wt%から70
wt%である。
【0021】延伸はテンター法による同時2軸延伸が好
ましい。延伸温度は常温からポリオレフィンの融点の間
が好ましく、より好ましくは80〜150℃、さらに好
ましくは100〜140℃である。延伸倍率は面積倍率
で、セパレーターとしての強度の観点から4倍以上が好
ましく、気孔率の観点から400倍以下が好ましい。よ
り好ましくは8〜200倍、さらに好ましくは16〜1
00倍である。溶剤の抽出方法としては特に限定されな
いが、パラフィン油やジオクチルフタレートを使用する
場合はメチルエチルケトン(MEK)等の有機溶媒で抽
出したあと、乾燥することにより除去する事が出来る。
また、可塑剤にデカリン等の低沸点化合物を使用する場
合は加熱乾燥する事により除去する事ができる。いずれ
の場合も膜の収縮による物性低下を防ぐため、膜を拘束
する事が好ましい。
【0022】また、無孔性フィルムの加熱開孔法として
の一例も説明する。ポリオレフィン樹脂の非晶性部分を
選択的に溶解または溶融する液体(a)中で、ポリオレ
フィン樹脂組成物を熱処理したあと、液体(a)と相溶
性がありポリオレフィン樹脂を溶解しない液体(b)で
ポリオレフィン樹脂組成物を洗浄して液体(a)を除去
したあと乾燥することにより、ポリオレフィン樹脂を多
孔化することができる。液体(a)としては、パラフィ
ンオイルなどの炭化水素、低級脂肪族アルコール、低級
脂肪族ケトン、窒素含有有機化合物、エーテル、グリコ
ール、低級脂肪族エステル、シリコンオイルなどから単
独あるいは組み合わせて用いることができる。好ましい
熱処理温度は、ポリオレフィン樹脂や液体(a)の種類
によるが、例えばポリエチレン樹脂の場合は、100℃
ないし140℃の温度が好ましい。
【0023】熱処理時間は処理温度が高ければ短く出
来、多孔化された後の樹脂の強度を維持するために、処
理時間は短い方が好ましい。液体(b)としては、ヘキ
サンなどの低沸点炭化水素、ハイドロフロロエーテルや
ハイドロフロロカーボンなどの非塩素含有フッ素系有機
溶剤やメチルエーテルケトンなどのケトン類を用いるこ
とができる。このようにして作成された微多孔膜は、特
にリチウム電池用セパレータとして用いた場合、成形加
工性が良好であり、低いヒューズ温度を維持しつつ、溶
融時の強度も高く、驚くべきことに電解液の濡れ性、保
持性が著しく良好であり、電池の生産性や性能を向上さ
せることができる。
【0024】次に実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。ここで、部はすべて質量部を表す。実施例に
おいて示される試験方法は次の通りである。 (1)膜厚 ダイヤルゲージ(尾崎製作所:「PEACOCK N
o.25」(商標))にて測定した。 (2)気孔率 20cm角のサンプルをとり、その体積と質量から次式
を用いて計算した。 気孔率(%)=(体積(cm3)−質量(g)/ポリマ
ー組成物の密度)/体積(cm3)×100 (3)突刺強度 カトーテック製「KES−G5ハンディー圧縮試験器」
(商標)を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突き
刺し速度2mm/secの条件で突き刺し試験を行い、
最大突き刺し荷重(N)を測定した。測定値に1/膜厚
(μm)を乗じることによって1μm換算突き刺し強度
(N)とした。
【0025】(4)溶融突刺強度 ポリエチレン製微多孔膜を内径13mm、外径25mm
のステンレス製ワッシャ2枚で挟み込み、周囲4点をク
リップで止めた後160℃のシリコンオイル(信越化学
工業:「KF−96−10CS」(商標))に浸漬し、
30秒後に(3)と同様の手法で突き刺し強度を測定し
た。 (5)ゲル分率 ASTM D2765に基づき一定の大きさに切り取っ
た微多孔膜のサンプルの沸騰パラキシレン中での12時
間可溶分抽出後の質量変化より、抽出前の試料の質量に
対する抽出後の残存質量の比として次式により求めた。 ゲル分率(wt%)=100×残存質量(g)/試料質
量(g)
【0026】(6)ヒューズ温度 図1にヒューズ温度の測定装置の概略図を示す。1は微
多孔膜であり、2A及び2Bは厚さ10μmのニッケル
箔、3A及び3Bはガラス板である。4は電気抵抗測定
装置(安藤電気製LCRメーター「AG−4311」
(商標))でありニッケル箔2A、2Bと接続されてい
る。5は熱電対であり温度計6と接続されている。7は
データーコレクターであり、電気抵抗装置4及び温度計
6と接続されている。8はオーブンであり、微多孔膜を
加熱する。
【0027】さらに詳細に説明すると、図2に示すよう
にニッケル箔2A上に微多孔膜1を膜の縦方向(MD方
向)が図の縦方向になるように重ねて、「テフロン」
(商標)テープ(図の斜線部)でニッケル箔2Aに固定
する。微多孔膜1には電解液として1mol/リットル
のホウフッ化リチウム溶液(溶媒:プロピレンカーボネ
ート/エチレンカーボネート/γ−ブチルラクトン=1
/1/2)が含浸されている。ニッケル箔2B上には図
3に示すように「テフロン」(商標)テープ(図の斜線
部)を貼り合わせ、箔2Bの中央部分に15mm×10
mmの窓の部分を残してマスキングしてある。
【0028】ニッケル箔2Aとニッケル箔2Bを微多孔
膜1をはさむような形で重ね合わせ、さらにその両側か
らガラス板3A、3Bによって2枚のニッケル箔をはさ
みこむ。このとき、箔2Bの窓の部分と、多孔膜1が相
対する位置に来るようになっている。2枚のガラス板は
市販のダブルクリップではさむことにより固定する。熱
電対5は「テフロン」(商標)テープでガラス板に固定
する。このような装置で連続的に温度と電気抵抗を測定
する。なお、温度は25℃から200℃まで2℃/mi
nの速度にて昇温させ、電気抵抗値は1kHzの交流に
て測定する。ヒューズ温度とは微多孔膜の電気抵抗値が
103Ωに達するときの温度と定義する。
【0029】(7)無水マレイン酸またはマレイン酸変
性率 反応性モノマーとして無水マレイン酸またはマレイン酸
が用いられているときの無水マレイン酸またはマレイン
酸変性率を以下のように定める。微多孔膜のフィルムを
130℃の熱キシレンに溶解した後、アセトン中に再沈
させ試料を濾過、洗浄して未反応無水マレイン酸、マレ
イン酸を除去し、100℃で減圧乾燥した。これを熱キ
シレンに溶解し、0.05規定のKOH/メタノール溶
液を加えグラフト変性している無水マレイン酸およびマ
レイン酸をケン化したのち、チモールブルーを指示薬と
して加え0.05規定のHClで過剰のKOHを逆滴定
して変性量を求めた。本願ではポリエチレンに対する反
応した無水マレイン酸およびマレイン酸の重量分率を変
性率(wt%)とした。
【0030】(8)粘度平均分子量 微多孔膜を135℃のデカリン溶液に溶解して、極限粘
度[η]を測定し、次式により粘度平均分子量(Mv)
を算出した。また、極限粘度は「高分子分析ハンドブッ
ク」(P58)に従い粘度法により決定した。 [η]=6.77×10-4Mv0.67 (9)透気度 JIS P−8117準拠のガーレー式透気度計にて測
定した。
【0031】
【実施例1】高密度ポリエチレン(密度0.954、粘
度平均分子量28万)40質量部(以下、部と略記す
る)、パラフィンオイル60部、無水マレイン酸0.5
部、1,3−ビス(ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン(「パーブチルP」(商標)、日本油脂(株))
0.01部を200℃で「ラボプラストミル」(商標、
(株)東洋精機製)で混練し、得られた混練物を熱プレ
スで240℃で加熱処理および成形して、厚さ1mmの
ゲルシートを作成した。このゲルシートを125℃で同
時二軸延伸機で7×7倍に延伸した後、MEKでパラフ
ィンオイルを抽出して微多孔膜を得た。得られた膜の物
性を表1に示した。
【0032】
【実施例2】高密度ポリエチレン(密度0.954、粘
度平均分子量28万)40部、パラフィンオイル60
部、無水マレイン酸0.5部、1,3−ビス(ブチルパ
ーオキシイソプロピル)ベンゼン(「パーブチルP」
(商標)、日本油脂(株))0.01部を200℃で二
軸押出機を用いて混練し、押出機先端に設置したTダイ
およびキャストロールで240℃で加熱処理および成形
して、厚さ1mmのゲルシートを作成した。このゲルシ
ートを125℃で同時二軸延伸機で7×7倍に延伸した
後、MEKでパラフィンオイルを抽出して微多孔膜を得
た。得られた膜の物性を表1に示した。
【0033】
【実施例3】高密度ポリエチレン(密度0.952、粘
度平均分子量100万)40部、パラフィンオイル60
部、無水マレイン酸0.5部、1,3−ビス(ブチルパ
ーオキシイソプロピル)ベンゼン(「パーブチルP」、
日本油脂(株))0.01部を200℃で二軸押出機を
用いて混練し、押出機先端に設置したTダイおよびキャ
ストロールで240℃で加熱処理および成形して、厚さ
1mmのゲルシートを作成した。このゲルシートを12
5℃で同時二軸延伸機で7×7倍に延伸した後、MEK
でパラフィンオイルを抽出して微多孔膜を得た。得られ
た膜の物性を表1に示した。
【0034】
【実施例4】高密度ポリエチレン(密度0.952、粘
度平均分子量100万)100部、無水マレイン酸0.
3部、1,3−ビス(ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼン(「パーブチルP」、日本油脂(株))0.0
1部を200℃で二軸押出機を用いて混練し、押出機先
端に設置したTダイおよびキャストロールで240℃で
加熱処理および成形して、厚さ0.5mmのシートを作
成した。このシートを135℃で同時二軸延伸機で7×
7倍に延伸した後、この延伸フィルムを130℃のパラ
フィン油に2分間浸漬し、続いてMEKで洗浄すること
により微多孔膜を得た。得られた膜の物性を表1に示し
た。
【0035】
【比較例1】実施例1で、無水マレイン酸およびパーブ
チルPを添加しなかった以外は同様の手法で微多孔膜を
得た。得られた膜の物性を表1に示した。
【0036】
【比較例2】実施例1で、加熱処理を行わなかった以外
は同様の手法で微多孔膜を得た。得られた膜の物性を表
1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の微多孔膜は、優れた溶融強度と
低いヒューズ温度を合わせ持ち、特にリチウム電池用セ
パレーターに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒューズ温度及びショート温度の測定装置の概
略図。
【図2】ヒューズ温度及びショート温度の測定装置の部
分を示す平面図。
【図3】ヒューズ温度及びショート温度の測定装置の部
分を示す平面図。
【符号の説明】
1 微多孔膜 2A ニッケル箔 2B ニッケル箔 3A ガラス板 3B ガラス板 4 電気抵抗測定装置 5 熱伝対 6 温度計 7 データ−コレクター 8 オーブン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA40 CA01 CB16 CB31 CB43 CC02 CC29 DA04 DA08 DA24 DA49 5H021 CC00 EE04 HH01 5H029 AJ11 AJ12 DJ04 DJ13 EJ12 HJ01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲル分率が1〜90%であることを特徴
    とする、反応性モノマー変性ポリエチレン製微多孔膜。
  2. 【請求項2】 反応性モノマーが、無水マレイン酸また
    はマレイン酸であることを特徴とする請求項1記載のポ
    リエチレン製微多孔膜。
  3. 【請求項3】 無水マレイン酸またはマレイン酸変性率
    が0.1〜5.0wt%である請求項2記載の微多孔
    膜。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の微多孔
    膜を用いた電池用セパレータ。
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