JP2000006784A - Absアクチュエ―タ - Google Patents

Absアクチュエ―タ

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JP2000006784A JP11102813A JP10281399A JP2000006784A JP 2000006784 A JP2000006784 A JP 2000006784A JP 11102813 A JP11102813 A JP 11102813A JP 10281399 A JP10281399 A JP 10281399A JP 2000006784 A JP2000006784 A JP 2000006784A
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reservoirs
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ABSアクチュエータの更なる小型化を図
る。 【解決手段】 2つのダンパ(11、12)を、ハウジ
ングのうち2つのリザーバ9、10が配置された面の反
対側の面に配置する。つまり、モータ13の駆動軸16
に対して対向する面に、2つのリザーバ9、10と2つ
のダンパ11、12を配置する。 このように、モータ
13の駆動軸16に対して2つのリザーバ9、10が配
置されている面と対向する面に2つのダンパ11、12
を配置するようにすれば、リザーバ9、10とダンパ1
1、12を並べて配置する必要がなくなるため、これら
リザーバ9、10とダンパ11、12全てを一面側に配
置する場合に比して、ABSアクチュエータの更なる小
型化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両におけるブレ
ーキ液圧を制御するABSアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】ABSアクチュエータは、ホイールシリ
ンダの圧力(以下、W/C圧という)を増減制御し、車
輪のロック傾向の回避等を行う装置である。従来におけ
るABSアクチュエータとして、例えば米国特許第52
44262号明細書に示されるものがある。この従来の
ABSアクチュエータを図6に示す。この図に示される
ように、ABSアクチュエータは、ホイールシリンダに
おけるブレーキ液を逃がすリザーバ101、102、マ
スタシリンダとホイールシリンダとの連通・遮断を制御
するための増圧制御弁103、106、107、110
やホイールシリンダとリザーバ101、102との連通
・遮断を制御するための減圧制御弁104、105、1
08、109等の各種制御弁、リザーバ101、102
に貯留されたブレーキ液をマスタシリンダに向けて吐出
するためのプランジャポンプ111、112、このポン
プ111、112が吐出したブレーキ液の脈動を緩和す
るためのダンパ113、114がハウジング115内で
一体となって構成されている。
【0003】このように構成されるABSアクチュエー
タにおいては、各構成要素の配置関係の選択によってス
ペースの有効活用を図り、もってABSアクチュエータ
の全体的な小型化を図っている。具体的には、上記従来
のものでは、プランジャポンプ111、112の軸線1
16を境として、一方側に増圧制御弁103、106、
107、110及び減圧制御弁104、105、10
8、109を配置し、他方側にリザーバ101、102
とダンパ113、114とを4つ並べて配置することに
より、スペースの有効活用を図るようにしている。
【0004】しかしながら、上記従来のものでは、2つ
のリザーバ101、102及び2つのダンパ113、1
14を並列(一列)に並べているため、ハウジング11
5の幅がこれら4つの幅の総和以上になるようにしなけ
ればならず、小型化が十分ではなかった。そのため、米
国特許第5658056号明細書において、ABSアク
チュエータの更なる小型化を達成している。このABS
アクチュエータの断面図を図7(a)に示し、図7
(a)の底面図を図7(b)に示す。
【0005】図7(a)、(b)に示されるように、2
つのリザーバ121、122の長手方向軸及び2つのダ
ンパ123、124の長手方向軸中心を結ぶと4角形が
構成されるようにリザーバ121、122及びダンパ1
23、124を2列に配置するようにしている。つま
り、ハウジング125の幅をリザーバ121、122と
ダンパ123、124それぞれ1つずつ並べた幅にする
ことで、更なる小型化を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示されるABSアクチュエータにおいても、ハウジング
125の幅として、リザーバ121、122とダンパ1
23、124それぞれ1つずつ並べた幅以上が必要とな
るため、小型化が十分とは言えず、ABSアクチュエー
タの更なる小型化の要望に沿うことができない。
【0007】本発明は上記点に鑑みて成され、ABSア
クチュエータの更なる小型化を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以下の検
討を行った。米国特許第5244262号及び第565
8056号明細書に示されたABSアクチュエータで
は、共にリザーバ及びダンパを全てハウジングの一面側
に配置している。このため、リザーバ及びダンパを全て
一面側に配置できるようなスペース(面積)が必要とさ
れ、それ以上の小型化を実現することができなくなって
いるのである。
【0009】そこで、本発明は上記目的を達成するた
め、以下の技術的手段を採用する。請求項1に記載の発
明においては、前記2つのダンパは、前記ハウジングの
前記駆動軸を挟んで、前記2つのリザーバが配置される
面と対向する面に配置されることを特徴としている。こ
のように、モータの駆動軸に対して2つのリザーバが配
置されている面と対向する面に2つのダンパを配置する
ようにすれば、リザーバとダンパを並べて配置する必要
がなくなるため、これらリザーバとダンパを1つずつ並
べた幅にする必要がなくなり、ABSアクチュエータの
更なる小型化を図ることができる。
【0010】請求項2に記載の発明においては、略6面
体からなるハウジング(15)において、第2の所定面
に2つのリザーバ(9、10)が配置され、この第2の
所定面の反対側の第3の所定面に2つのダンパ(11、
12)が配置されていることを特徴としている。このよ
うに、リザーバとダンパを反対側の面に配置することに
より、これらの配置スペースをそれぞれに設ければよい
ため、ABSアクチュエータの更なる小型化を図ること
ができる。
【0011】請求項3に記載の発明においては、第2の
所定面に2つのリザーバ(9、10)を配置すると共
に、この第2の所定面とは異なる第3の所定面に2つの
ダンパ(11、12)を配置しており、第2の所定面と
第3の所定面とが略平行な関係をなしていることを特徴
としている。このように、略平行な関係となっている第
2の所定面と第3の所定面とにリザーバとダンパをそれ
ぞれ配置するようにしても、ABSアクチュエータの小
型化を図ることができる。
【0012】請求項4に記載の発明においては、第2の
所定面の法線から2つのリザーバと2つのダンパを見た
ときに、2つのリザーバの一方と2つのダンパの一方が
オーバラップして配置されており、2つのリザーバの他
方と2つのダンパの他方がオーバラップして配置されて
いることを特徴としている。このように、リザーバとダ
ンパをオーバラップさせるようにすれば、よりABSア
クチュエータの小型化を図ることができる。
【0013】請求項5に記載の発明においては、第2の
所定面の法線から2つのリザーバと2つのダンパを見た
ときに、2つのリザーバと2つのダンパのうち、オーバ
ラップしているもの同士の軸から軸までの距離は、該リ
ザーバの径及び該ダンパの径のうちいずれか小さい方よ
りも短くなっていることを特徴としている。このよう
に、リザーバとダンパとのオーバラップ量を多くすれ
ば、よりABSアクチュエータの小型化を図ることがで
きる。
【0014】なお、請求項6に示すように、2つのリザ
ーバと2つのダンパのうち、オーバラップしているもの
同士の軸が一致するように配置すれば、最もオーバラッ
プ量を多くすることができる。請求項7に記載の発明に
おいては、ハウジングの第4の所定面に複数の制御弁
(1〜8)が備えられており、複数の制御弁が配置され
る第4の所定面は、モータが配置される第1の所定面と
対向する面であることを特徴としている。
【0015】このように、複数の制御弁をモータが配置
された第1の所定面と対向する第4の所定面に配置する
ことができる。例えば、4つずつ2列に並べられて配置
された8つの制御弁を含んだ複数の制御弁の場合には、
請求項8に示すように、ハウジングのうち駆動軸に対し
てダンパが形成されている側寄りに、第3の所定面と平
行な方向に4つずつ並べて複数の制御弁を配置すること
ができる。
【0016】請求項9に記載の発明においては、2つの
ダンパ(11、12)が配置された第3の所定面とリザ
ーバ(9、10)が配置された第2の所定面とが対向し
た面となっていると共に、ハウジング(15)の駆動軸
(16)を挟んで、2つのリザーバの反対側に2つのダ
ンパが配置されており、複数の制御弁(1〜8)は、第
4の所定面において、駆動軸よりもダンパが配置されて
いる側に配置されていることを特徴としている。
【0017】ダンパはリザーバよりも形状を任意に設定
することができる。このため、第4の所定面のうち、駆
動軸よりもダンパが配置されている側寄りに、複数の制
御弁を配置すれば、ダンパ形状を任意に設定することに
より、駆動軸の軸方向において複数の制御弁が配置され
るスペースを形成することができる。これにより、ハウ
ジングの容積効率を向上させることができる。
【0018】また、請求項11においては、前記電磁弁
孔は、前記ピストンポンプよりも前記ダンパ孔が設けら
れる側に形成され、複数の電磁弁孔のうちの少なくとも
一部は前記電磁弁孔の軸方向から見て、ダンパ孔と重な
る部分があるようにした。このように略6面体のABS
アクチュエータを形成する際、電磁弁を含めて考慮する
ようにし、かつピストンポンプに対してリザーバ、ダン
パの配置および電磁弁の配置位置を工夫すれば、ABS
アクチュエータ全体として小型化が可能となる。
【0019】なお、上記した括弧内の符号は、後述する
実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものであ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。図1に本発明にかかわるABSアク
チュエータ100の断面模式図を示す。また、図2に図
1のA−A矢視断面図を示し、図3に図1の上面図を示
す。図1〜図3に示すABSアクチュエータ100は、
車両ブレーキにおけるマスタシリンダとホイールシリン
ダとの間に組付けられ、車輪ロック傾向を回避するもの
である。このABSアクチュエータ100は、図1、図
2のH方向(紙面上下方向)が車両天地方向になるよう
に配置される。
【0021】図1〜図3に示すように、ABSアクチュ
エータ100は、複数の制御弁1〜8、2つのリザーバ
9、10、2つのダンパ11、12、2つのプランジャ
ポンプ13、23、及びプランジャポンプ13、23を
駆動するモータ14を備えており、これらがハウジング
15によって一体とされている。ハウジング15は、略
6面体で構成されており、紙面上側の面を上面とし、下
側の面を底面とし、他の面を側面として構成されてい
る。
【0022】ハウジング15の側面の一面にはこの一面
に対して垂直な駆動軸16(図2参照)を有するモータ
14が組付けられており、このモータ14が組付けられ
た面と対向する面に各種制御弁1〜8が配置されてい
る。この各種制御弁1〜8は、これらが組付けられる側
面のうち、駆動軸16よりも紙面上側に配置されてい
る。なお、図示しないが、この各種制御弁1〜8が備え
られた側面のうち、駆動軸16よりも紙面下側には、各
種制御弁1〜8のソレノイドやモータ14と駆動用電源
との接続配線を構成するバスバーが配置されている。
【0023】なお、17は、カバーであり、各種制御弁
1〜8の駆動を行うソレノイド1a〜8aや各種電気配
線18及びバスバー等を防水するためのものである。ま
た、ハウジング15の側面のうち、モータ14が配置さ
れた面と各種制御弁1〜8が配置された面の間の面に
は、プランジャポンプ13、23が配置されている。な
お、このプランジャポンプ13、23はモータ駆動軸と
略垂直設けられており、モータの駆動軸とは略垂直方向
に往復運動してブレーキ液の吐出吸引作動を行なう。
【0024】さらに、ハウジング15の底面には、この
底面の法線を軸とする2つのリザーバ9、10が配置さ
れており、駆動軸16に対して対称配置となるようにハ
ウジング15の上面には、この上面の法線を軸とする2
つのダンパ11、12が配置されている。これらリザー
バ9、10とダンパ11、12とは、アクチュエータ機
能としてABSのみの場合には、ほぼ同等の容量が必要
とされるが、リザーバ9、10の径がダンパ11、12
の径よりも大きくなるように設定し、H方向(軸方向)
においてリザーバ9、10よりもダンパ11、12の方
が長くなるように設定している。
【0025】このように、略6面体のそれぞれの面に各
構成要素が配置されている。このように略6面体で構成
されたハウジング15について、図1に示す紙面上下方
向をH方向とし、紙面左右方向をL方向とし、紙面法線
をW方向として以下の説明を行う。なお、H方向はリザ
ーバ9、10及びダンパ11、12の軸方向に相当し、
L方向はモータ14の駆動軸16の軸方向に相当してい
る。
【0026】なお、モータの駆動軸16とプランジャポ
ンプ13,23で規定される面を基準にすると、リザー
バ9,10とダンパ11,12はこの基準面に対して互
いに異なる側のハウジング部位に設けられている。ハウ
ジング15には複数の管路19が形成されており、その
管路19によってABSアクチュエータ100の構成要
素が接続されて、ABSアクチュエータ100における
油圧回路が構成されている。そして、この管路19の一
部は前記ダンパ11,12が形成される孔と電磁弁1〜
8が配置される電磁弁用の孔との間に設けられる。これ
は、後述するように、ダンパ11,12の孔がリザーバ
9,10用の孔よりも径が小さく形成されるためであ
り、ダンパ11,12と電磁弁用の孔との間に管路19
用のスペースができるためである。なお、紙面上面に形
成された開口部20には各ホイールシリンダへの配管が
接続され、紙面右面(モータ14が取り付けられている
側の面)に形成された開口部21にはマスタシリンダか
らの配管が接続されるようになっている。
【0027】開口部21は、ハウジング15の紙面上面
に形成されていても良く、開口部20はハウジング15
の側面に形成されていても良い。図2において、ABS
アクチュエータ100の外形を成すハウジング15のほ
ぼ中央に、モータ14駆動軸16によって偏心回転され
るカム22が備えられている。そして、このカム22の
両側にプランジャポンプ13、23が配置されて、カム
22の偏心回転によりピストン運動を行うようになって
いる。
【0028】また、プランジャポンプ13、23に対し
て紙面上方には8つの制御弁1〜8が上下に4つずつ並
列して配置されている。これらのうち、上側の4つがマ
スタシリンダとホイールシリンダとの連通・遮断を行う
増圧制御弁1〜4であり、下側の4つがホイールシリン
ダとリザーバ9、10との連通・遮断を行う減圧制御弁
5〜8である。
【0029】図1及び図3に示すように、リザーバ9
(10)は、ハウジング15の底面から垂直方向に延設
された略円筒状の凹部をリザーバ室9aとして、このリ
ザーバ室9a内にリザーバピストン9bとリザーバピス
トン9bを押し戻すためのスプリング9c及びスプリン
グ9cを固定するための円形状のカバー9dを内蔵し、
カバー9dをハウジング15にかしめ固定することによ
って形成されている。そして、リザーバピストン9bが
リザーバ室9aの深さ方向に摺動することで、リザーバ
9はリザーバ動作を行うようになっている。なお、リザ
ーバ10も上記と同様の構成となっている。
【0030】ダンパ11、12は、ハウジング15の上
面から垂直方向に延設された略円筒状の凹部で構成され
ている。このダンパ11、12は、プランジャポンプ1
3、23が吐出したブレーキ液の脈動を緩和する役割を
果たす。これらリザーバ9、10とダンパ11、12は
2配管系統からなるブレーキ装置に対応するように2つ
ずつ備えられており、上述したように、2つのリザーバ
9、10がハウジング15の底面に、また2つのダンパ
11、12がハウジング15の上面に配置されている。
【0031】そして、これら2つのリザーバ9、10と
2つのダンパ11、12は、図3に示すように、ABS
アクチュエータ100を上面から見たときに、一方のリ
ザーバ9が一方のダンパ11とオーバラップし、他方の
リザーバ10が他方のダンパ12とオーバラップするよ
うに配置されている。より詳しくは、略円筒状をしたダ
ンパ11、12の中心軸が略円筒形状をしたリザーバ
9、10の径の内側に位置するようにすると共に、また
リザーバ9、10の中心軸がダンパ11、12の径の内
側に位置するようにして、リザーバ9、10とダンパ1
1、12のオーバラップ量が多くなるようにしている。
【0032】このように、リザーバ9、10の径方向断
面とダンパ11、12の径方向断面とをオーバラップさ
せることで、L方向におけるABSアクチュエータ10
0の小型化を図ることができる。そして、リザーバ9、
10とダンパ11、12のオーバラップ量を多くするこ
とにより、さらにABSアクチュエータ100の小型化
を図ることができる。
【0033】一方、図3に示すように、リザーバ9、1
0とダンパ11、12はそれぞれ2つずつW方向に並列
して配置されている。しかしながら、この場合にもハウ
ジング15の上面及び下面においてW方向に2つしか配
置されないためW方向における小型化も図ることができ
る。H方向については、リザーバ9、10の軸方向の長
さとダンパ11、12の軸方向の長さ以上にする必要が
あるため、小型化に貢献しないとも考えられるが、各種
制御弁1〜8を配置するスペースをハウジング15のど
こかに設けなければならないことを考えれば、H方向に
ついてABSアクチュエータ100を大型化させること
はない。
【0034】ここで、上述したように、リザーバ9(1
0)の配置のための孔の径がダンパ11(12)のため
の孔の径よりも大きくなるようにしているが、これは以
下に示す理由による。第1にダンパ11(12)はピス
トン形式のプランジャポンプの吐出脈動を抑制するため
に設けられているものであるので、単にハウジングに対
して孔を設け蓋をすればよい構造であるが、リザーバ9
(10)はABSにおけるホイールシリンダ減圧分のブ
レーキ液を貯留およびマスタシリンダ側への排出をしな
ければならないため機械的な構成がリザーバ用の孔に配
置されることになる。よって、リザーバとダンパが同等
の容積を必要とする場合でもリザーバ用の孔は大きくな
る。
【0035】また、第2に先に説明したように、リザー
バ9はリザーバ室9a内においてリザーバピストン9b
が摺動することによってブレーキ液の排出動作を行なう
ため、リザーバピストン9bが良好に摺動運動するとい
うことが要求されるが、リザーバ9の径が小さいと、リ
ザーバピストン9bの摺動距離が増えリザーバピストン
9bが揺動してしまい、この摺動運動が良好に行なわれ
なくなる。しかしながら、ダンパ11の場合、ブレーキ
液の脈動緩和を果たすように、プランジャポンプ13が
吐出したブレーキ液を一旦収容できれさえすればよく、
形状は制限されないため、リザーバ9のように所定長さ
の径が必要とされず、径を小さくすることができるので
ある。このため、本実施形態では、ダンパ11、12の
径とリザーバ9、10の径が上記関係となるように設定
している。
【0036】このように構成されたABSアクチュエー
タ100は、ABS制御時にホイールシリンダ内のブレ
ーキ液をリザーバ9、10内に逃がし、リザーバ9、1
0内に逃がされたブレーキ液をプランジャポンプ13、
23によって吸入すると共にこの吸入したブレーキ液を
ダンパ11、12に吐出し、ブレーキ液の脈動を緩和し
てマスタシリンダに戻すという作動を行う。
【0037】このとき、上述したように、リザーバ9、
10とダンパ11、12とをモータ14の駆動軸16に
対して対称配置となるようにしているため、モータ14
の駆動軸16に対してブレーキ液圧による応力が均等に
負荷されるようすることもできる。このように、リザー
バ9、10とダンパ11、12を駆動軸16に対して対
向し合う面に配置することにより、ハウジング15に対
するABSアクチュエータ100の構成要素の容積率を
大きくすることができ、ABSアクチュエータ100の
小型化を図ることができる。
【0038】また、本実施形態では、上述したように、
リザーバ9、10用の孔径がダンパ11、12用の孔径
よりも大きくなるように、つまりダンパ11、12の径
がリザーバ9、10よりも小さくなるようにしている。
このため、ハウジング15のうち、ダンパ11、12が
配置されている側(紙面上側)では、リザーバ9、10
が配置されている側(紙面下側)と比較して、ダンパ1
1、12を配置するために紙面L方向に必要とされるス
ペースが少なく、紙面L方向において空間的に余裕があ
る。このようなスペースに各種制御弁1〜8を配置する
ようにしているため、特にハウジング15の容積効率を
良くすることができる。
【0039】(他の実施形態)上記実施形態に示す図3
では、リザーバ9、10の軸とダンパ11、12の軸と
がずらしたものを示したが、図4に示すようにリザーバ
9、10の軸とダンパ11、12の軸が一致するように
配置してもよい。また、上記実施形態では、ABSアク
チュエータとして説明を行ったが、ABS機能を備えた
TRCや横滑り防止装置といった高機能アクチュエータ
としてもよい。つまり、ABS機能を備えたアクチュエ
ータであれば、他に機能が付加されていても本発明を適
用してもよい。例えば、図5にABS機能に加えてTR
C機能や横滑り防止機能を備えたアクチュエータを示
す。図5に示されるTRCは、図1に示すABSアクチ
ュエータに制御弁25〜27等を付加したものである。
これら制御弁25〜27は、TRC制御や横滑り防止制
御を行うとき等に用いられ、8つの制御弁1〜8よりも
紙面下方に配置された構成となっている。制御弁25、
27は、TRC制御や横滑り防止制御時等にマスタシリ
ンダとホイールシリンダとの間を遮断するものであり、
制御弁24、25はマスタシリンダにおけるブレーキ液
がプランジャポンプ13、23へ導かれるように制御す
るものである。なお、制御弁24〜27の配置は例示で
あり、例えば制御弁24、27と制御弁25、26との
配置を変更してもよい。なお、このようにABS機能に
付加的にTRCや横滑り機能等を備えるものでは、リザ
ーバ容量に対してダンパ11,12の容量は大きくされ
る。また制御弁24,25の位置にABS用の電磁弁1
〜8のうちのいずれかを配置することも可能であるが、
いずれにせよ、これら電磁弁1〜8および制御弁25〜
27はプランジャポンプ13,23および駆動軸16よ
りもH方向においてダンパ側(図6における紙面上側)
に配置される。
【0040】さらに、上記実施形態ではプランジャタイ
プのポンプを用いた実施形態で説明を行ったが、トロコ
イドポンプ等の回転式ポンプを用いてもよい。この際に
は駆動軸16の軸方向にトロコイドポンプが設けられる
こととなる。また、上記実施形態では、8つの制御弁1
〜8を備えた8solタイプのASBSアクチュエータ
について説明を行ったが、6つの制御弁を備えた6so
lタイプのABSアクチュエータにも本発明を適用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかわるABSアクチュ
エータ100の模式図である。
【図2】図1に示すABSアクチュエータ100のA−
A断面図である。
【図3】図1に示すABSアクチュエータ100の上面
図である。
【図4】他の実施形態にかかるABSアクチュエータ1
00の模式図である。
【図5】他の実施形態にかかるTRCや横滑り防止装置
といった高機能アクチュエータの模式図である。
【図6】従来におけるABSアクチュエータを説明する
ための図である。
【図7】従来におけるABSアクチュエータを説明する
ための図である。
【符号の説明】
1〜8、24〜27…制御弁、9、10…リザーバ、1
1、12…ダンパ、13、23…プランジャポンプ、1
4…モータ、15…ハウジング、16…駆動軸、17…
カバー、18…電気配線、19…配管、20、21…開
口部、22…カム。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング(15)と、 前記ハウジングの第1の所定面に組み付けられ、該第1
    の所定面の法線に略平行な駆動軸(16)を有するモー
    タ(14)と、 前記ハウジングに組付けられ、前記モータに駆動されて
    流体の吸入、吐出を行うポンプ(13)と、 前記ハウジングの、前記モータが組付けられる面とは異
    なる第2の所定面に配置され、該第2の所定面の法線と
    略平行な軸を有する2つのリザーバ(9、10)と、 前記ハウジングの、前記リザーバが配置された面とは異
    なる第3の所定面に配置され、該第3の所定面の法線と
    略平行な軸を有し、前記ポンプが吐出した流体の脈動を
    緩和する2つのダンパ(11、12)と、を備えてな
    り、 前記2つのダンパは、前記ハウジングの前記駆動軸を挟
    んで、前記2つのリザーバが配置される面と対向する面
    に配置されることを特徴とするABSアクチュエータ。
  2. 【請求項2】 略6面体からなるハウジング(15)
    と、 前記ハウジングの第1の所定面に組み付けられ、該第1
    の所定面の法線に略平行な駆動軸(16)を有するモー
    タ(14)と、 前記ハウジングに組付けられ、前記モータに駆動されて
    流体の吸入、吐出を行うポンプ(13)と、 前記ハウジングのうち、前記モータが組付けられた面と
    隣合う第2の所定面に配置され、該第2の所定面の法線
    と略平行な軸を有する2つのリザーバ(9、10)と、 前記ハウジングのうち、前記リザーバが配置された面の
    反対側の第3の所定面に配置され、該第3の所定面の法
    線と略平行な軸を有し、前記ポンプが吐出した流体の脈
    動を緩和する2つのダンパ(11、12)と、を備えて
    いることを特徴とするABSアクチュエータ。
  3. 【請求項3】 ハウジング(15)と、 前記ハウジングの第1の所定面に組み付けられ、該第1
    の所定面の法線に略平行な駆動軸(16)を有するモー
    タ(14)と、 前記ハウジングに組付けられ、前記モータに駆動されて
    流体の吸入、吐出を行うポンプ(13)と、 前記ハウジングを第2の所定面から略円筒形状に凹ませ
    た凹部をリザーバ室とし、前記第2の所定面の法線と略
    平行な軸を有する2つのリザーバ(9、10)と、 前記ハウジングを第3の所定面から略円筒形状に凹ませ
    て形成され、前記第3の所定面の法線と略平行な軸を有
    する2つのダンパ(11、12)と、を備え、 前記第2の所定面と前記第3の所定面とは異なる面であ
    り、前記第2の所定面と前記第3の所定面とが略平行な
    関係をなしていることを特徴とするABSアクチュエー
    タ。
  4. 【請求項4】 前記第2の所定面の法線方向から前記2
    つのリザーバと前記2つのダンパを見たときに、前記2
    つのリザーバの一方と前記2つのダンパの一方がオーバ
    ラップして配置されており、前記2つのリザーバの他方
    と前記2つのダンパの他方がオーバラップして配置され
    ていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つ
    に記載のABSアクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記第2の所定面の法線方向から前記2
    つのリザーバと前記2つのダンパを見たときに、前記2
    つのリザーバと前記2つのダンパのうち、オーバラップ
    しているもの同士の軸から軸までの距離は、該リザーバ
    の径及び該ダンパの径のうちいずれか小さい方よりも短
    くなっていることを特徴とする請求項4に記載のABS
    アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 前記2つのリザーバと前記2つのダンパ
    のうち、オーバラップしているもの同士の軸が一致する
    ように配置されていることを特徴とする請求項5に記載
    のABSアクチュエータ。
  7. 【請求項7】 前記ハウジングの第4の所定面に組付け
    られ、ブレーキ液の流動を制御する複数の制御弁(1〜
    8)を備えており、 前記複数の制御弁が配置される前記第4の所定面は、前
    記モータが配置される第1の所定面と対向する面である
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載
    のABSアクチュエータ。
  8. 【請求項8】 前記複数の制御弁は、4つずつ2列に並
    べられて配置された8つの制御弁を含んでおり、 この8つの制御弁は、前記ハウジングのうち前記駆動軸
    に対して前記ダンパが形成されている側寄りに、前記第
    3の所定面と平行な方向に4つずつ並べられて配置され
    ていることを特徴とする請求項7に記載のABSアクチ
    ュエータ。
  9. 【請求項9】 ハウジング(15)と、 前記ハウジングの第1の所定面に組付けられ、該第1の
    所定面の方線に略平行な駆動軸(16)を有するモータ
    (14)と、 前記ハウジングに組付けられ、前記モータに駆動されて
    流体の吸入、吐出を行なうポンプ(13)と、 前記ハウジングのうち、前記モータが組付けられる面と
    は異なる第2の所定面に配置され、該第2の所定面の法
    線と略平行な軸を有する2つのリザーバ(9、10)
    と、 前記ハウジングのうち、前記リザーバが配置された面と
    は異なる第3の所定面に配置され、該第3の所定面の法
    線と略平行な軸を有し、前記ポンプが吐出した流体の脈
    動を緩和する2つのダンパ(11、12)と、 前記ハウジングのうち、前記第1の所定面と対向する第
    4の所定面に配置され、前記ブレーキ液の流動を制御す
    る複数の制御弁(1〜8)と、備えてなり、 前記2つのダンパが配置された第3の所定面と前記リザ
    ーバが配置された第2の所定面とが対向した面となって
    いると共に、前記ハウジングの前記駆動軸を挟んで、前
    記2つのリザーバの反対側に前記2つのダンパが配置さ
    れており、 前記複数の制御弁は、前記第4の所定面において、前記
    駆動軸および前記ポンプよりも前記ダンパが配置されて
    いる側に配置されていることを特徴とするABSアクチ
    ュエータ。
  10. 【請求項10】 前記ダンパは前記第3の所定面の垂直
    方向に前記ハウジングを開口させたダンパ室を有してお
    り、 前記リザーバは前記第2の所定面の垂直方向に前記ハウ
    ジングを開口させたリザーバ室を有しており、 前記ハウジングにおいて、前記ダンパ室が形成されるダ
    ンパ孔の軸方向長さが前記リザーバ室が設けられるリザ
    ーバ孔の軸方向の長さよりも長くされていることを特徴
    とする請求項9に記載のABSアクチュエータ。
  11. 【請求項11】 略6面体のハウジング(15)と、 前記ハウジングに取り付けられ、往復運動によりポンプ
    作動をなすピストンポンプ(13)を駆動するモータ
    (14)と、 前記ピストンポンプに対して略垂直に設けられた2つの
    リザーバ孔に配置されるリザーバ(9,10)と、 前記ピストンポンプに対して、前記リザーバ孔が設けれ
    らた側とは反対側に設けられる2つのダンパ孔により形
    成されるダンパ(11,12)と、 前記ハウジングにおいて前記モータが取り付けられる面
    と対向する面に設けられた複数の電磁弁孔に配置される
    電磁弁と、 を備え、 前記電磁弁孔は、前記ピストンポンプよりも前記ダンパ
    孔が設けられる側に形成され、複数の電磁弁孔のうちの
    少なくとも一部は前記電磁弁孔の軸方向から見て、ダン
    パ孔と重なる部分があることを特徴とするABSアクチ
    ュエータ。
  12. 【請求項12】 前記ダンパ孔は前記リザーバ孔と比較
    して小径に形成されていることを特徴とする請求項12
    に記載のABSアクチュエータ。
  13. 【請求項13】 前記電磁弁から延びる管路の一部は、
    前記ダンパと前記電磁弁孔との間に配置されることを特
    徴とする請求項12に記載のABSアクチュエータ。
  14. 【請求項14】 6面体のハウジング(15)と、 前記ハウジングに取り付けられ、往復運動によりポンプ
    作動をなすピストンポンプ(13)を駆動する駆動軸
    (16)を有するモータ(14)と、 前記ピストンポンプの移動方向と前記駆動軸とにより規
    定される面に対して一方側のハウジング部位に設けられ
    た2つのリザーバ孔に配置されるリザーバ(9,10)
    と、 前記ハウジングにおいて、前記ピストンポンプの移動方
    向と前記駆動軸とにより規定される面より、前記リザー
    バ孔が設けれらた側とは反対側のハウジング部位に設け
    られる2つのダンパ孔により形成されるダンパ(11,
    12)と、 前記ハウジングにおいて、前記ピストンポンプの移動方
    向と前記駆動軸とにより規定される面より前記ダンパが
    配置される側のハウジング部位に設けられる複数の電磁
    弁孔に配置される電磁弁と、 を備えることを特徴とするABSアクチュエータ。
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