JP3975857B2 - 回転式ポンプ及びその回転式ポンプを備えたブレーキ装置 - Google Patents

回転式ポンプ及びその回転式ポンプを備えたブレーキ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体を吸入・吐出する回転式ポンプ及び回転式ポンプを用いたブレーキ装置に関し、特にトロコイドポンプ等の内接歯車ポンプに適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、トロコイドポンプ等の内接歯車型の回転式ポンプとして、特開平2000−179466号公報に示されるものがある。この回転式ポンプは、外周に外歯部を備えたインナーロータ、内周に内歯部を備えたアウターロータ、及びこれらアウターロータとインナーロータを収納するケーシング等から構成されている。インナーロータ及びアウターロータは、内歯部と外歯部とが互いに噛み合わさり、これら互いの歯によって複数の空隙部を形成した状態でケーシング内に配置されている。
【0003】
インナーロータとアウターロータの両中心軸を通る線をポンプの中心線とすると、この中心線を挟んだ両側には、上記複数の空隙部と連通する吸入口や吐出口が備えられている。ポンプ駆動時には、インナーロータの中心軸を駆動軸として、この駆動軸を介してインナーロータが回転運動し、それに伴って外歯部と内歯部の噛合によりアウターロータも同方向へ回転する。このときに、それぞれの空隙部の容積がアウターロータ及びインナーロータが1回転する間に大小に変化して吸入口からオイルを吸入し、吐出口でオイルを吐き出すようになっている。
【0004】
そして、この回転式ポンプにおける軸方向端面のシールは、両面ともに、樹脂からなる樹脂部材で行われており、この樹脂部材がゴムなどの弾性体からなる弾性部材によって押圧されてシール機構を果たす機構となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報のように、軸方向の両端面共に樹脂製のシール手段を用いたシール方法を採用することはコストアップの要因となる。このため、一端面側のみを樹脂製のシール手段にてシールし、他端面側はインナーロータ及びアウターロータを第2のサイドプレートヘ直接押し当てるメカニカルシールとすることで、コスト削減を図ることが考えられる。
【0006】
このメカニカルシールは金属製のインナーロータ及びアウターロータを金属製のサイドプレートにシール材の弾性力等により強く押し当ててシールする構造である。よって、アウターロータ、インナーロータ、およびサイドプレートの摺動面の損失トルクが大きいとポンプ吐出能力に影響を与え、モータ体格を大きくしなければならない等の弊害を生じる。
【0007】
また、アウターロータ、インナーロータとサイドプレート間の摺動面において回転の損失トルクが大きい部分と小さい部分とが生じる場合、ポンプの高速あるいは長時間の回転に伴って損失トルクが大きい部分で発熱を生じ、この発熱部分が膨張することによるポンプ吐出能力への弊害も考えられる。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みて成され、インナーロータ及びアウターロータとケーシング(サイドプレート)端面との接触による損失トルクを低減した、あるいは/および損失トルクを均一化した回転式ポンプ及びそれを用いたブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
従来では、アウターロータ、インナーロータ、サイドプレートの対面する軸方向端面の双方に、平研研磨による直線状の研磨筋、あるいは円周状研磨筋が施されている。このような仕上げ面である場合において、上述したメカニカルシール機能を得るべく、金属製のアウターロータ及びインナーロータを金属製のサイドプレートに高圧で押し当ててシールする構造とすれば、摺動面に損失トルク大の部位ができて、損失トルクが非常に大きくなってしまう場合がある。
【0010】
たとえば、直線状の研磨筋がサイドプレートに図9に示す如く吐出口から吸引口の方向に全面に残るように研磨し、且つアウターロータおよびインナーロータにおいても全面に至って直線状の研磨筋が残るように研磨をした場合、アウターロータにおける最大閉じ込み部、最小閉じこみ部の紙面上側・下側にはアウターロータの軸方向端面を空隙部により途切れることなく一直線状に研磨筋が残ることとなる。よって、この部分への潤滑用の油の空隙部等からの流入は、アウターロータの研磨筋を介しては実現されることができない。たとえば、アウターロータおよびインナーロータが回転してアウターロータの研磨筋方向と第2のサイドプレートに残る研磨筋方向とが一致した場合には、空隙部により途切れることなく一直線状に研磨筋が残るアウターロータの部位はアウターロータの研磨筋および第2のサイドプレートの研磨筋のどちらによっても空隙部に繋がることがない状態となる。また、アウターロータの研磨筋とサイドプレートの研磨筋とが交わる回転状態において、第2のサイドプレート側の研磨筋がアウターロータにおける空隙部により途切れることなく一直線状に研磨筋が残る部位に対して空隙部側から外周方向に存在する場合においても、アウターロータ側の研磨筋によって、サイドプレート側の研磨筋を通ろうとする潤滑用の油の流動が妨げられることになり、上述の最大閉じ込み部、最小閉じこみ部の紙面上側・下側の部分は潤滑が不十分な部分となり得る。よって図9に示す如くトルク損失大の部分となり得る。
【0011】
逆に図9のトルク損失小の部分は研磨筋が、インナーロータとアウターロータとの間の油が流動する部分といかなる回転状態においても繋がっているため、最もトルク損失が小さい部分となる。
【0012】
また、アウターロータおよびインナーロータとサイドプレートとが対面する軸方向端面の双方ともに円周状の研磨筋が残る場合には、アウターロータおよびインナーロータ共に、空隙部と研磨筋が繋がらない部分が大半となり、全体的に潤滑用の油が流動する確立が低くなりトルク損失が大きくなる。
【0013】
上述のようなトルク損失大小部分の特定等は、本発明者らの鋭意実験によって確認されている。すなわち、トルク損失が大と特定した部分はポンプを回転した際に発熱が大きい部分であり、トルク損失が小と考えた部分は発熱が小さい部分である。これは、アウターロータおよびインナーロータとサイドプレートとの間の潤滑用の油の流動の多い部分は摩擦抵抗が小さく、流動の少ない部分は摩擦抵抗が大きいため、摩擦熱が発生したと考えるのが妥当である。
【0014】
そして、このことに基づき、本発明者らは、アウターロータ、インナーロータ、サイドプレートの軸方向端面の研磨筋を放射状とすることによりインナーロータおよびアウターロータの回転による遠心力により効率的に潤滑を行うことを考え出した。また直線状あるいは円周状の研磨筋が残る場合においても、部分的に損失トルクが高くなる場合にはこの損失トルクが高くなる部位に損失トルクを低減する構成を考え出した。あるいはアウターロータおよびインナーロータの研磨筋とサイドプレートの研磨筋との方向の組合せにより、従来における最も損失トルクが大きかった部位相当の損失トルクよりも損失トルクを低減することを考え出した。
【0015】
そこで、上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1に記載の発明では、回転部のうち駆動軸(54)の軸方向の一方側では、第1のサイドプレート(71)に備えられたシール手段(100)により、アウターロータ及びインナーロータにおける軸方向端面と第1のサイドプレートにおける軸方向端面との間がシールされ、回転部のうち軸方向の他方側では、アウターロータ(51)及びインナーロータ(52)が第2のサイドプレート(72)に押し付けられることで、アウターロータ及びインナーロータにおける軸方向端面(51b、52b)と第2のサイドプレートにおける軸方向端面(72b)との間がメカニカルシールされており、メカニカルシールが成される前記インナーロータ、前記アウターロータ、及び前記第2のサイドプレートの軸方向端面が放射状の研磨筋を有することを特徴としている。
【0016】
このように、メカニカルシールが成されるインナーロータ、アウターロータ、及び第2のサイドプレートの軸方向端面に放射状の研磨筋を施すことで、遠心力により摺動面への油の供給を促進させることができ、摺動面の摩擦係数を減少させられると共に、回転式ポンプの損失トルクを低減することが可能となる。
【0017】
請求項2に記載の発明では、第2のサイドプレートにおける軸方向端面が共に吐出口から前記吸入口へ向かう直線状の研磨筋を有しており、またアウターロータ、インナーロータの軸方向端面にも直線状の研磨筋が施されており、第2のサイドプレートには、アウターロータに対抗する部位であって第1の閉じ込み部および第2の閉じ込み部の近傍に油溝(72c)が形成されていることを特徴とする。
【0018】
前述の如く損失トルクが最も大きい部位に本発明による油溝を設けることで摩擦抵抗の大きい部位を減少することができ、損失トルクを低減することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、メカニカルシールが成されるインナーロータ及びアウターロータの軸方向端面と第2のサイドプレートの軸方向端面のいずれか一方が放射状の研磨筋を有し、他方の仕上げ面が円周状の研磨筋を有することを特徴とする。
【0020】
このようにすると、前述の如く従来における最も損失トルクが大であった部分をなくすことができ、損失トルクを低減することができる。また、アウターロータおよびインナーロータの研磨筋と、サイドプレートの研磨筋との方向が一致することを無くすることができることによって、アウターロータおよびインナーロータとサイドプレートとの対向面の一回転あたりの実際の接触面積が最も小さくできる。これによっても、アウターロータおよびインナーロータとサイドプレートとの対向面間の摩擦抵抗を低減することができる。すなわち、図9において前述したトルク損失大であった部分相当の接触抵抗を有する部位は無くすことができるものである。
【0021】
請求項4に記載の発明では、放射状の研磨筋は直線で形成されている。この際には遠心力による潤滑用の油が最も効率よく研磨筋に沿って流動する。
【0022】
請求項5に記載の発明では、放射状の研磨筋が曲線で形成されている。これは、砥石あるいは/およびアウターロータ、インナーロータおよびサイドプレートを、研磨する際に小さい曲率半径で移動させた場合にできる研磨筋である。
【0023】
請求項6に記載の発明では、アウターロータおよびインナーロータ側の研磨筋の曲率方向と、サイドプレート側の研磨筋の曲率方向が逆にされている。この場合、アウターロータおよびインナーロータ側の研磨筋とサイドプレート側の研磨筋とが回転中に一致することがなく、対向面間の摩擦抵抗を低減することが可能であり、遠心力による効果に加えた効果を発揮することができる。請求項7に記載の発明では、アウターロータおよびインナーロータ側の研磨筋と、サイドプレート側の研磨筋との一方が直線放射状であって、他方の研磨筋は曲線放射状であることを特徴とする。この場合にも請求項6に記載の発明と同様の作用効果を発揮することができる。請求項8に記載の発明では、アウターロータおよびインナーロータ側の研磨筋およびサイドプレート側の研磨筋の双方ともが曲線放射状であって、アウターロータおよびインナーロータ側の曲線放射状の研磨筋の中心位置と、サイドプレート側の曲線放射状の研磨筋の中心位置とがずれていることを特徴とする。この場合にも請求項6に記載の発明と同様の作用効果を発揮することができる。
【0024】
請求項9に示すように、第2のサイドプレートおよびアウターロータの軸方向端面が全面に至って直線状の研磨筋を備えており、第2のサイドプレートとアウターロータとの対向面双方における研磨筋の方向が一致する際に、アウターロータの軸方向端面の研磨筋のうち当該アウターロータの外周から外周へ途切れずに研磨筋が存在する部位、あるいはこの部位と対向する第2のサイドプレートの部位のいずれかに油溝(72c)が形成するようにしてもよい。すなわち、アウターロータおよびインナーロータは回転するが、第2のサイドプレートは回転しない。この場合、第2のサイドプレートにおいて直線状の研磨筋が残る方向により図9におけるトルク損失大の部位が変わることとなる。よって、この第2のサイドプレートにおける研磨筋方向に応じて油溝(72c)の形成部位を当該発明の如く可変すれば、請求項2に記載の発明と同等の作用効果を得ることができる。
【0029】
なお、本発明における回転式ポンプは、請求項10に示すように、踏力に基づいてブレーキ液圧を発生させるブレーキ液圧発生手段(1〜3)と、ブレーキ液圧に基づいて車輪に制動力を発生させる制動力発生手段(4、5)と、ブレーキ液圧発生手段に接続され、制動力発生手段にブレーキ液圧を伝達する主管路(A)と、ブレーキ液圧発生手段に接続され、制動力発生手段が発生させる制動力を高めるために、主管路側にブレーキ液を供給する補助管路(D)とを有するブレーキ装置において、吸入口が補助管路を通じてブレーキ液圧発生手段側のブレーキ液を吸入でき、吐出口が主管路を通じて制動力発生手段に向けてブレーキ液を吐出できるように配置される。
【0030】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図に示す実施形態について説明する。図1に、回転式ポンプとしてトロコイドポンプを適用したブレーキ装置のブレーキ配管概略図を示す。以下、ブレーキ装置の基本構成を、図1に基づいて説明する。本実施形態では、前輪駆動の4輪車において、右前輪−左後輪、左前輪−右後輪の各配管系統を備えるX配管の油圧回路を構成する車両に、本発明によるブレーキ装置を適用した例について説明する。
【0032】
図1に示すように、ブレーキペダル1は倍力装置2と接続されており、この倍力装置2によりブレーキ踏力等が倍力される。そして、倍力装置2は、倍力された踏力をマスタシリンダ3に伝達するプッシュロッド等を有しており、このプッシュロッドがマスタシリンダ3に配設されたマスタピストンを押圧することによりマスタシリンダ圧が発生する。なお、これらブレーキペダル1、倍力装置2及びマスタシリンダ3がブレーキ液圧発生手段に相当する。
【0033】
また、このマスタシリンダ3には、マスタシリンダ3内にブレーキ液を供給したり、マスタシリンダ3内の余剰ブレーキ液を貯留するマスタリザーバ3aが接続されている。
【0034】
そして、マスタシリンダ圧は、アンチロックブレーキ装置(以下、ABSという)を介して右前輪FR用のホイールシリンダ4及び左後輪RL用のホイールシリンダ5へ伝達されている。以下の説明は、右前輪FR及び左後輪RL側について説明するが、第2の配管系統である左前輪FL及び右後輪RR側についても全く同様であるため、説明は省略する。
【0035】
そして、このブレーキ装置はマスタシリンダ3に接続する管路(主管路)Aを備えており、この管路Aには比例制御弁(PV:プロポーショニングバルブ)22が備えられている。そして、この比例制御弁22によって管路Aは2部位に分けられている。すなわち管路Aは、マスタシリンダ3から比例制御弁22までの間においてマスタシリンダ圧を受ける管路A1と、比例制御弁22から各ホイールシリンダ4、5までの間の管路A2に分けられる。
【0036】
この比例制御弁22は、通常、正方向にブレーキ液が流動する際には、ブレーキ液の基準圧を所定の減衰比率をもって下流側に伝達する作用を有している。そして、図1に示すように、比例制御弁22を逆接続することにより、管路A2側が基準圧となる。
【0037】
また、管路A2において、管路Aは2つに分岐しており、一方にはホイールシリンダ4へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁30が備えられ、他方にはホイールシリンダ5へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁31が備えられている。
【0038】
これら増圧制御弁30、31は、ABS用の電子制御装置(以下、ECUという)により連通・遮断状態を制御できる2位置弁として構成されている。そして、この2位置弁が連通状態に制御されているときには、マスタシリンダ圧あるいはポンプのブレーキ液の吐出によるブレーキ液圧を各ホイールシリンダ4、5に加えられるようになっている。これら増圧制御弁30、31は、ABS制御が実行されていないノーマルブレーキ時には、常時連通状態に制御されている。
【0039】
なお、増圧制御弁30、31には、それぞれ安全弁30a、31aが並列に設けられており、ブレーキ踏み込みを止めてABS制御が終了したときにホイールシリンダ4、5側からブレーキ液を排除するようになっている。
【0040】
また、第1、第2の増圧制御弁30、31と各ホイールシリンダ4、5との間における管路Aとリザーバ20のリザーバ孔20aとを結ぶ管路Bには、ABS用のECUにより連通・遮断状態を制御できる減圧制御弁32、33がそれぞれ配設されている。これらの減圧制御弁32、33はノーマルブレーキ状態(ABS非作動時)では、常時遮断状態とされている。
【0041】
管路Aの比例制御弁22と増圧制御弁30、31とリザーバ20のリザーバ孔20aとを結ぶ管路Cには回転式ポンプ10が安全弁10a、10bに挟まれて配設されている。この回転式ポンプ10にはモータ11が接続されており、このモータ11によって回転式ポンプ10が駆動されるようになっている。なお、この回転式ポンプ10についての詳細な説明は後述する。
【0042】
また、回転式ポンプ10が吐出したブレーキ液の脈動を緩和するために、管路Cのうち回転式ポンプ10の吐出側にはダンパ12が配設されている。そして、リザーバ20と回転式ポンプ10の間と、マスタシリンダ3とを接続するように管路(補助管路)Dが設けられており、回転式ポンプ10はこの管路Dを介して管路A1のブレーキ液を吸入し、管路A2へ吐出することによってホイールシリンダ4、5におけるホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧よりも高くして車輪制動力を高める。なお、比例制御弁22は、この際のマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧を保持する。
【0043】
この管路Dには制御弁34が設けられており、この制御弁34はノーマルブレーキ時には常時遮断状態とされている。
【0044】
なお、このときの管路Dから伝えられる液圧により、管路Cからリザーバ20へ逆流しないように管路C及び管路Dの接続部とリザーバ20の間には逆止弁21が配設されている。
【0045】
さらに、管路Aのうち、管路Dとの接続点と比例制御弁22との間には、制御弁40が備えられている。この制御弁40は、通常は連通状態にされている2位置弁であり、マスタシリンダ圧が所定圧よりも低いときにホイールシリンダ4、5に急ブレーキをかける時、或いはTRC時に遮断され、マスタシリンダ側とホイールシリンダ側との差圧を保つようになっている。
【0046】
次に、図2(a)に回転式ポンプ10の模式図を示し、また図2(b)に図2(a)のA−A矢視断面図を示す。まず、図2(a)、(b)に基づき回転式ポンプ10の構造について説明する。
【0047】
この回転式ポンプ10におけるケーシング50のロータ室50a内には、アウターロータ51及びインナーロータ52がそれぞれの中心軸(図中の点Xと点Y)が偏心した状態で組付けられて収納されている。アウターロータ51は内周に内歯部51aを備えており、インナーロータ52は外周に外歯部52aを備えている。そして、これらアウターロータ51とインナーロータ52とが互いの歯部51a、52aによって複数の空隙部53を形成して噛み合わさっている。なお、図2(a)からも判るように、本実施形態の回転式ポンプ10は、アウターロータ51の内歯部51aとインナーロータ52の外歯部52aとで空隙部53を形成する、仕切り板(クレセント)なしの多数歯トロコイドタイプのポンプである。また、インナーロータ52の回転トルクを伝えるために、インナーロータ52とアウターロータ51とは複数の接触点を有している。
【0048】
図2(b)に示されるように、ケーシング50は、両ロータ51、52を両側から挟むように配置される第1のサイドプレート部71及び第2のサイドプレート部72と、これら第1、第2のサイドプレート部71、72間に配設され、アウターロータ51及びインナーロータ52を収容する孔が設けられた中央プレート部73とから構成されており、これらによってロータ室50aが形成されている。
【0049】
また、第1、第2のサイドプレート71、72の中心部には、ロータ室50a内と連通する中心孔71a、72aが形成されており、これら中心孔71aには駆動軸54が嵌入されている。そして、アウターロータ51及びインナーロータ52は、中央プレート部73の孔内において回転自在に配設される。つまり、アウターロータ51及びインナーロータ52で構成される回転部は、ケーシング50のロータ室50a内を回転自在に組み込まれ、アウターロータ51は点Xを軸として回転し、インナーロータ52は点Yを軸として回転することになる。
【0050】
さらに、アウターロータ51及びインナーロータ52のそれぞれの回転軸となる点Xと点Yを通る線を回転式ポンプ10の中心線Zとすると、第1のサイドプレート部71のうち中心線Zを挟んだ左右には、ロータ室50aへ連通する吸入口60と吐出口61が形成されている。この吸入口60及び吐出口61は、複数の空隙部53と連通する位置に配設されている。そして、吸入口60を介して外部からのブレーキ液を空隙部53内に吸入して、吐出口61を介して空隙部53内のブレーキ液を外部へ吐出することができるようになっている。
【0051】
複数の空隙部53のうち、体積が最大となる閉じ込み部53a、及び体積が最小となる閉じ込み部53bは、吸入口60及び吐出口61のいずれにも連通しないようになっており、この閉じ込み部53a、53bによって吸入口60における吸入圧と吐出口61における吐出圧との差圧を保持している。
【0052】
第1のサイドプレート部71には、アウターロータ51の外周と吸入口60とを連通する導通経路73a、さらにアウターロータ51の外周と吐出口61とを連通する導通経路73b、73cが設けられている。導通経路73aは、アウターロータ51の回転軸となる点Xを中心として中心線Zから吸入口60方向へ約90度の位置に配設されている。また、導通経路73bは、吐出口61と連通する複数の空隙部53のうち、最も、閉じ込み部53aに近い空隙部53とアウターロータ51の外周とを連通するように形成されており、また、導通経路73cは、吐出口61と連通する複数の空隙部53のうち、最も閉じ込み部53bに近い空隙部53とアウターロータ51の外周とを連通するように形成されている。そして、これら導通経路73bと導通経路73cは、それぞれ点Xを中心として中心線Zから吐出口61方向へ約22.5度の位置に配設されている。
【0053】
また、中央プレート73の孔を形成する中央プレート73の壁面であって、アウターロータ51の回転軸となる点Xを中心として中心線Zから吸引口60方向へ約45度の位置には、それぞれ凹部73dと凹部73eが形成されており、これら凹部73d、73e内にアウターロータ51の外周におけるブレーキ液の流動を抑制するためのシール部材80、81が備えられている。具体的には、シール部材80、81は、導通経路71bと導通経路71dの間に配設されており、アウターロータ51の外周において、ブレーキ液圧が低圧になる部分と高圧になる部分をシールするようになっている。
【0054】
シール部材80は、略円筒状をしたゴム部材80aと、直方体形状をしたテフロン製の樹脂部材80bとから構成されている。そして、樹脂部材80bはゴム部材80aによって押されて、アウターロータ51に接するようになっている。すなわち、製造誤差等によってアウターロータ51の大きさに若干の誤差分が生じるため、この誤差分を弾性力の有るゴム部材80aによって吸収できるようにしている。
【0055】
さらに、図2(b)に示されるように、第1サイドプレート部71には溝部71bが形成されている。この溝部71bは、図2(a)の二点鎖線で示されるように、駆動軸54を囲む円環状で構成されていると共に、所定領域において溝幅が広げられた構成となっている。具体的には、溝部71bの中心は、駆動軸54の軸中心に対して吸入口60側(紙面左側)に偏心した状態となっている。
【0056】
これにより、溝部71bは、吐出口61と駆動軸54の間を通って、閉じ込み部53a、53b、シール部材80、81がアウターロータ51をシールしている部分を通過するような配置となる。そして、溝部71bは、駆動軸54の軸と溝部71bの中心とを結んだ線を想定した時に、その線が吸入口60又は吐出口61と交差する位置において、インナーロータ51とアウターロータ52の両方とオーバラップするように溝幅が大きくされている。また、溝部71bは、閉じ込み部53a、53bとオーバラップする部分においても溝部71b、72bの溝幅が大きくされている。
【0057】
このような構成の溝部71bの中には、それぞれ溝部71bの形状と同様の形状を成すシール部材100が配置されている。これらシール部材100の模式図を図3に示す。この図に示されるように、シール部材100は、円環状の部材の所定領域が幅広に形成されて構成されている。
【0058】
幅広に形成された幅広部100Cと幅広部100Dは、それぞれ閉じ込み部53aと閉じ込み部53bを全面的に覆えるような幅で構成されており、主として閉じ込み部53a、53b内のブレーキ液の洩れを防止するシールとしての役割を果たす。また、これら幅広部100C及び幅広部100Dはアウターロータ51及びインナーロータ52の軸方向のずれをなくす役割も果たす。
【0059】
これらシール部材100は、ゴム等の弾性体からなる弾性部材100aと、樹脂からなる樹脂部材100bとによって構成されている。樹脂部材100bは、インナーロータ52、アウターロータ51及び中央プレート73に接するように配置され、樹脂部材100bよりも溝部71bの底側に配置された弾性部材100aと溝部71bに導入された吐出圧のブレーキ液により押圧されてシール機能を果たすように構成されている。なお、弾性部材100aおよび樹脂部材100bは、アウターロータ51を図2(a)紙面上方向に弾性力により押庄してアウタロータ51およびインナーロータ52をサイドプレート72に密着させている。
【0060】
このように配置されたシール部材100によって、インナーロータ52及びアウターロータ51の軸方向紙面下側端面と第1のサイドプレート部71の間における隙間において、高圧な吐出口61と、低圧な駆動軸54とインナーロータ52との間の間隙部及び吸入口60とをシールすることができる。
【0061】
また、インナーロータ52及びアウターロータ51の軸方向端面と第1のサイドプレート部71の間における隙間において、高圧な部分と低圧な部分とをシールするためには、シール部材100が、吐出口61と駆動軸54との間、及び吐出口61と吸入口60との間を通過し、アウターロータ51の外周まで達していることが必要とされる。これに対して、本実施形態においては、シール部材100のうち、シール部材80から駆動軸54と吐出口61との間を通過してシール部材81に至るまでの領域が、高圧な部分と低圧な部分とをシールするために必要とされる領域になる。よって、軸方向端面側において、閉じ込み部53a、53bおよびシール部材80、81の存在する部位が最もシール性を必要とされる部位であり、この部位において樹脂部材100bがサイドプレート72およびアウターロータ51、インナーロータ52に最も強く接触するように構成されている。言い換えれば、シールが必要とされないその他の領域でインナーロータ52及びアウターロータ51に接している部分は無視できる程度に少ない。このようにシール部材100により接触抵抗を少なくして、第1のサイドプレート71と両ロータ51、52との間の機械損失を低減している。
【0062】
一方、図2(b)に示すように、アウターロータ51及びインナーロータ52のうち、紙面上側に位置する軸方向端面51b、52bについては、これら各端面51b、52bが第2のサイドプレートの軸方向端面72bに逆サイドのシール部材100の弾性力等で高圧で押し付けられた状態で摺動し、高圧と低圧をシールするメカニカルシール構造となっている。
【0063】
このメカニカルシール機能を担うアウターロータ51、インナーロータ52および第2のサイドプレート72の各端面51b、52b、72bの加工面は、図4に示すような通常の直線状の研磨筋あるいは円周状の研磨筋ではなく、図5に示すような放射状の研磨筋が施されている。なお、この実施例では第2のサイドプレート72、アウターロータ51およびインナーロータ52における研磨筋は軸中心からのびる湾曲した曲線状の放射状筋とされている。
【0064】
ここで示した研磨筋は、砥石を用いて形成されるものであり、円形状の研磨面を有する砥石を回転させ、同時にワーク側も回転させることで得られる。なお、研磨筋の湾曲は砥石の外周の曲率に応じて形成されるものであり、砥石の曲率を小さくすれば小さくなる。
【0065】
なお、アウターロータ51およびインナーロータ52の研磨は、アウターロータ51とインナーロータ52とを組み合わせた一体化した状態で実施しても良いし、別々に実施しても良い。
【0066】
次に、このように構成されたブレーキ装置及び回転式ポンプ10の作動について説明する。
【0067】
ブレーキ装置に備えられた制御弁34は、大きな制動力を必要とする場合、例えばブレーキ踏力に対応した制動力が得られない場合やブレーキペダル1の操作量が大きいとき等に適宜連通状態にされる。そして、管路Dを通じてブレーキペダル1の踏み込みによって発生している高圧なマスタシリンダ圧が回転式ポンプ10にかかる。
【0068】
回転式ポンプ10は、モータ11の駆動により駆動軸54の回転に応じてインナーロータ52が回転運動し、それに伴って内歯部51aと外歯部52aの噛合によりアウターロータ51も同方向へ回転する。このとき、アウターロータ51及びインナーロータ52が1回転する間にそれぞれの空隙部53の容積が大小に変化するため、吸入口60からブレーキ液を吸入し、吐出口61から管路A2に向けてブレーキ液を吐き出す。
【0069】
このように、本回転式ポンプ10は、ロータ51、52が回転することによって吸入口60からブレーキ液を吸入し、吐出口61からブレーキ液を吐出するという基本的なポンプ動作を行い、この回転式ポンプ10によって吐出されたブレーキ液によってホイールシリンダ圧の増圧が成される。
【0070】
このポンプ動作において、アウターロータ51の外周のうち吸入口60側は導通経路73aを通じて吸入されるブレーキ液によって吸入圧とされ、アウターロータ51の外周のうち吐出口61側は導通経路73b、73cを通じて吸入されるブレーキ液によって吐出圧とされる。このため、アウターロータ51の外周において低圧な部分と高圧な部分が生じる。そして、インナーロータ52及びアウターロータ51の軸方向端面と第1、第2のサイドプレート部71、72との間の隙間においても、低圧な吐出口60及び駆動軸54とインナーロータ52との間の間隙と、高圧な吐出口61とによって、低圧な部分と高圧な部分が生じる。
【0071】
これに対し、シール部材80、81やシール部材100が備えられているため、アウターロータ51の外周、もしくはアウターロータ51及びインナーロータ52の軸方向端面と第1のサイドプレート71との間の隙間を通じて、高圧側から低圧側にオイル洩れが発生することを防止できる。なお、図2ではシール部材100はアウターロータ51及びインナーロータ52と接しないようにも見えるが吐出口61が高圧になるにつれてシール部材100がたわみ、アウターロータ51及びインナーロータ52に完全に接してシール機能を果たす。
【0072】
そして、アウターロータ51及びインナーロータ52の軸方向端面が第2のサイドプレート72へ直接押し当てられることで、メカニカルシール機構が構成される。このため、アウターロータ51及びインナーロータ52の軸方向端面が第2のサイドプレート2との間の隙間を通じて高圧側から低圧側にオイル洩れが発生することを防止できる。
【0073】
また、シール部材80、81により、アウターロータ51の外周のうちの吸入口60側は低圧となって、吸入口60と連通する空隙部53と同様の圧力となり、アウターロータ51の外周のうちの吐出口61側は高圧となって、吐出口61と連通する空隙部53と同様の圧力となる。このため、アウターロータ51の内外における圧力バランスが保持され、ポンプ駆動を安定して行うようにすることができる。
【0074】
さらに、本実施形態では、メカニカルシール機能を担うアウターロータ51、インナーロータ52、第2のサイドプレート72の各端面51b、52b、72bの仕上げ加工面に、通常の直線状あるいは円周状の研磨筋ではなく、放射状の研磨筋を施してある。
【0075】
このようにインナーロータ52、アウターロータ51の軸方向端面の研磨筋も放射状にすることで、中央プレート73の孔とアウターロータ51外周とで形成される空隙部50aとアウターロータ51とインナーロータ52により形成される空隙部53が研磨筋で形成される微小な溝で連通され、また、空隙部53とインナーロータ52のシャフト穴52bもまた微小な溝で連通される。このため、アウターロータ51及びインナーロータ52と第2のサイドプレート72との摺動面に油が供給・保持され、損失トルクが小さくなるようにできる。特に、本回転式ポンプ10の圧力分布が図7で表されることから、本回転式ポンプの構成では、微小な放射状の溝の両端部で圧力差が生じることになり、摺動面上で空隙部間を連通する微小な溝の存在効果が増幅される。
【0076】
さらに、研磨筋の微小な溝部に存在するブレーキ液には、ギヤが回転することによって半径方向に遠心力が働くので、研磨筋を放射状にすることで遠心力の方向と微小な溝の方向とが一致し、微小な溝に沿って油が摺動面に供給され易くなる。
【0077】
以上説明したように、メカニカルシール機能を担うアウターロータ51、インナーロータ52、第2のサイドプレート72の各端面51b、52b、72bに放射状の研磨筋を施すことで、摺動面への油の供給を促進させることができ、したがって摺動面の摩擦係数を減少させられ、回転式ポンプ10の損失トルクを低減することが可能となる。
【0078】
(第2の実施形態)
図8(a)に、本発明の第2実施形態における回転式ポンプの正面図を示し、図8(b)に図8(a)のA−A矢視断面図を示す。第1実施形態では、アウターロータ51、インナーロータ52及び第2のサイドプレート72の軸方向端面の仕上げ面に放射状の研磨筋を形成していた。これに対し、本実施形態では、図8(a)中の矢印で示すように、第2のサイドプレートの軸方向端面の仕上げ面を吐出口と吸入口とを結ぶ方向の通常の直線状研磨筋とし、第2のサイドプレートのうち、アウターロータ51及びインナーロータ52の研磨筋が第2のサイドプレート72の研磨筋に沿う位置に油溝72cを設置している。なお、この直線状の研磨筋はアウターロータ51、インナーロータ52では全面に至って一直線状に形成されており、また第2のサイドプレート72側でも、アウターロータ51が対向する部分を含み、この部分よりも広い範囲に全面に至って一直線状に形成されている。
【0079】
なお、第2のサイドプレート72においてアウターロータと対面する部分のうち油溝72Cが設けられる部位は、アウターロータ52の研磨筋と第2のサイドプレートの研磨筋とが同方向となる回転状態において、アウターロータ52の外周から外周を空隙部により途切らされることなく一直線にアウターロータ52に研磨筋が残る部分と対向する部位である。この部分は空隙部からの油の供給が少なくなるため最も損失トルクが高くなる部分である。よって、本実施形態の如くこの損失トルクが最も高くなる部分においてアウターロータ51と第2のサイドプレート72との接触面積が小さくなるように油溝72Cを設けると、接触摩擦抵抗を低減することができ、損失トルクを低減することが可能である。なお、この油溝72cを設けたことによって接触面積が小さくなるだけでなく、油溝72cに溜まった油が近傍の摺動面に供給されることにより損失トルクを低減する効果も奏する。
【0080】
なお、本実施例では第2のサイドプレート72における研磨筋が図8(a)の紙面左右方向を例としたが、第2のサイドプレート72における研磨筋が紙面縦方向等どのように可変しても油溝を設けるべき部位は特定できる。すなわち、アウターロータにおいて最も損失トルクが大きくなる部位の研磨筋方向と第2のサイドプレートにおける研磨筋方向とが一致する際に、この損失トルクが最大の部位と対向する第2のサイドプレートの部位が油溝を設けるべき部位である。
【0081】
また、油溝はアウターロータ51側に設けるようにしてもよい。この場合には第2のサイドプレートにおける研磨筋方向がどのようであっても、アウターロータ51において外周から外周を空隙部により途切らされることなく一直線に研磨筋が残る部位が最も損失トルクを生むところであるので、この部位に油溝を設けるようにすればよい。
【0082】
(第3の実施形態)
本実施形態では、第2のサイドプレート72の端面の仕上げ面を放射状の研磨筋に、アウターロータ51、インナーロータ52の各端面の仕上げ面を円周状の研磨筋にしている。
【0083】
この場合、第2のサイドプレート72の研磨筋とアウターロータ51、インナーロータ52の研磨筋は、回転中、全ての領域で略直角に交わることとなる。よって、研磨筋が交わることによって、第2のサイドプレート72の表面とアウターロータ51、インナーロータ52の表面との実際の接触面積は、研磨筋の凹凸により非異常に小さくなる。なお、この実施形態において、アウターロータ51の対向する面は、第2の実施形態における油溝72Cを設けた損失トルクが最大の部位の接触抵抗よりも必ず小さい。すなわち本実施形態の接触抵抗は、第2の実施形態における第2のサイドプレート72の研磨筋方向と回転したアウターロータ51の研磨筋方向が沿わない場合と同等である。なお、本実施形態における接触抵抗は、第2の実施形態において最も損失トルクが高いとして油溝72Cを形成した部分を除く部分と同等であるが、研磨による抵抗を鑑みた際に全面に至って同等の接触抵抗とできるというメリットを備えている。すなわち、研磨筋による抵抗が全面に至って同等の接触抵抗となると、回転に伴い接触抵抗が大きい部分すなわち余分な負荷がかかる部分がなくなり、摩擦による接触面の削れ等を抑えることができ、また摩擦熱による金属の膨張による性能低下を抑えることができ、ポンプ性能上有利である。
【0084】
なお、これとは反対に、第2のサイドプレート72の端面の仕上げ面を円周状の研磨筋にし、アウターロータ51及びインナーロータ52の各端面の仕上げ面を放射状の研磨筋にしても、上記と同様の効果を得ることができる。
【0085】
(第4の実施形態)
上記各実施形態について、第2のサイドプレート72の軸方向端面72bのうち、閉じ込み部53a、53bと対向する部位(シール部材100の幅広部100C、100Dに相当する部位)に、油溝を設けるようにしても良い。この部位は、シール部材100がアウターロータ51及びインナーロータ52に直接接触してシールしており、第2のサイドプレート72側の摺動も厳しくなる。このため、油溝を設置することで、潤滑を助けることができ、損失トルクを低減することができる。
【0086】
また、上記各実施形態に限らず、アウターロータ51及びインナーロータ52の軸方向端面51b、52bや第2のサイドプレート72の軸方向端面72bの研磨筋が直線状又は円周状とされた回転式ポンプ10に対しても、本実施形態のような油溝を設ければ、損失トルク低減の効果を得ることが可能である。
【0087】
また、第1の実施形態において、第2のサイドプレート72、アウターロータ51、インナーロータ52の軸方向端面に形成される研磨筋は湾曲した形状をしていたが、図10(a)(b)に示すように軸中心位置から直線で伸びる放射状としてもよい。この際には第1の実施の形態における遠心力による作用効果と同様の作用効果を発揮することができる。
【0088】
また、図11の(a)(b)に示すように、第2のサイドプレート72と、アウターロータ51、およびインナーロータ52のどちらか一方の軸方向端面を曲線の放射状研磨筋とし、他方を直線の放射状研磨筋とすることも可能である。この際にも第1の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。また第1の実施の形態の作用効果に加えて、第2のサイドプレート72の研磨筋とアウターロータ51およびインナーロータ52の研磨筋とが重なることが無く、必ず交差するため、軸方向端面同士の接触面積が研磨筋の凹凸により低減され、接触抵抗、損失トルクが低減される。また、図12に示すように第2のサイドプレート72における摺動面の曲線の放射状研磨筋と、アウターロータ51およびインナーロータ52の摺動面の曲線の放射状研磨筋とにおいて、曲線の曲率が逆方向を向くようにしても同様の作用効果を得ることができる。なお、図12における実線はアウターロータ51およびインナーロータ52における研磨筋を示し、点線は第2のサイドプレートにおける研磨筋を示す。また、図13に示すように、第2のサイドプレート72の摺動面における曲線の放射状研磨筋と、アウターロータ51およびインナーロータ52の摺動面における曲線の放射状研磨筋とにおいて、双方の放射状研磨筋の中心位置が重ならないようにずらすことによっても、同様の作用効果を得ることができる。なお、図13における実線はアウターロータ51およびインナーロータ52における研磨筋を示し、点線は第2のサイドプレートにおける研磨筋を示す。
【0089】
また、前述の実施例では油溝72cを、第2のサイドプレート72に施された直線状の研磨筋を鑑みて図8(a)にて示した位置等に形成したが、これに関わらず単に以下のようにアウターロータ51の軸方向端面と第2のサイドプレート72との間のメカニカルシール面における接触面積を低減することを目的として油溝72cを形成するようにしてもよい。
【0090】
すなわち、第2のサイドプレート72においてアウターロータ51の軸方向端面において内歯部51aと干渉しない部位が対向する第2のサイドプレート72の部位に油溝72cを設ける。この際、図7に示されるアウターロータの外円周に関する圧力分布において高圧部と低圧部とが存在するが、油溝72cはこの高圧部と低圧部とに跨らないように形成される。すなわち、この油溝72cを通って圧力差が解消されてしまわないようにするためである。
【0091】
なお、油溝72c第2のサイドプレート72側において、図7のアウタロータ外円周の高圧部に接する部位に設けることが好ましい。すなわち、低圧部側はたとえシール部材100、80、81でシールしたとしても100%完全シールすることはできず多少なりとも高圧部側から低圧部側へ油が流動し、これにより低圧部のメカニカルシール部分の潤滑が行われる可能性があるが、高圧部へは圧力差によるメカニカルシール部分への油の流動は期待できないからである。油溝72cをこのようにアウターロータの外円周の高圧部に対応して設ける際に、空隙部の高圧部の部位と半径方向で一致している範囲に設けてもよいし、空隙部は低圧部であり同半径方向のアウターロータ外円周部位は高圧部となっている範囲に設けるようにしても良い。前者のように油溝72cを設けた場合、メカニカルシール部分において圧力差により潤滑する率が最も小さい部位が、この油溝72cの面積分、接触面積が減少する。よって、減少した接触面積分、摩擦抵抗が減少できる。また、後者のように油溝72cを設けた場合、油溝72c分の接触面積を減少させるだけでなく、差圧作用によりメカニカルシール部分において最も潤滑が行われる部位に対し、油溝72cに溜まる油をもって油の流動をいっそう多くすることができ、全体の潤滑を高めることができる。
【0092】
なお、前述までの実施形態において、第1の閉じ込み部(53a)は、複数の空隙部のうち体積が最大となると規定しているが、ポンプの設計上、厳密には最大ではない場合もある。同様に第2の閉じ込み部(53b)は複数の空隙部のうち体積が最小となると規定しているが、ポンプの設計上、厳密には最小ではない場合もある。しかしながら、本発明においては、複数の空隙部を吸入側と吐出側とを分けるための空隙部が少なくとも2箇所あって、体積が最大となる付近の閉じ込み部を第1の閉じ込み部、体積が最小となる付近の閉じ込み部を第2の閉じ込み部と定義するものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における回転式ポンプを備えたブレーキ装置の管路構成図である。
【図2】図1における回転式ポンプ10の具体的構成を示す図である。
【図3】図2に示すシール部材100の模式図である。
【図4】直線状の研磨筋を示した図である。
【図5】図1における回転式ポンプ10のアウターロータ51及びインナーロータ52、第2のサイドプレート72の軸方向端面に施された研磨筋を示す図である。
【図6】アウターロータ51及びインナーロータ52と第2のサイドプレート72との摺動面を拡大した図である。
【図7】図1における回転式ポンプ10の圧力分布を示した図である。
【図8】本発明の第2実施形態における回転式ポンプ10の具体的構成を示す図である。
【図9】本発明者らが実験によって確認した回転式ポンプの損失トルクの分布を示した図である。
【図10】その他の実施形態におけるアウターロータ、インナーロータ、および第2のサイドプレートに施される研磨筋の概略図である。
【図11】その他の実施形態におけるアウターロータ、インナーロータ、および第2のサイドプレートに施される研磨筋の概略図である。
【図12】その他の実施形態におけるアウターロータ、インナーロータ、および第2のサイドプレートに施される研磨筋の概略図である。
【図13】その他の実施形態におけるアウターロータ、インナーロータ、および第2のサイドプレートに施される研磨筋の概略図である。
【符号の説明】
51…アウターロータ、51a…内歯部、52…インナーロータ、52a…卒外歯部、53…空隙部、53a、53b…閉じ込み部、54…駆動軸、60…吸入口、62…吐出口、71、72…第1、第2のサイドプレート、100…シール部材。

Claims (15)

  1. 内周に内歯部(51a)を有するアウターロータ(51)と、外周に外歯部(52a)を有すると共に駆動軸(54)を軸として回転運動するインナーロータ(52)とを備え、前記内歯部と前記外歯部とを噛み合わせることによって複数の空隙部(53)を形成するように組み付けて構成した回転部と、
    前記駆動軸を嵌入する開口部(71a、72a)を有すると共に、前記回転部に流体を吸入する吸入口(60)及び前記回転部から前記流体を吐出する吐出口(61)とを有し、前記回転部を覆うケーシング(50)とを備え、
    前記回転部の回転運動によって前記吸入口から前記流体を吸入し、前記吐出口から前記流体を吐出する回転式ポンプにおいて、
    前記ケーシングは、前記駆動軸の軸方向において前記アウターロータおよび前記インナーロータを挟み込む第1、第2のサイドプレート(71、72)を有して構成されており、
    前記回転部のうち前記駆動軸の軸方向の一方側では、前記第1のサイドプレート(71)に備えられたシール手段(100)により、前記アウターロータ及び前記インナーロータにおける軸方向端面と前記第1のサイドプレートにおける軸方向端面との間がシールされ、
    前記回転部のうち前記軸方向の他方側では、前記アウターロータ及び前記インナーロータが前記第2のサイドプレート(72)に押し付けられることで、前記アウターロータ及び前記インナーロータにおける軸方向端面(51b、52b)と前記第2のサイドプレートにおける軸方向端面(72b)との間がメカニカルシールされており、
    前記メカニカルシールが成される前記インナーロータ、前記アウターロータ、及び前記第2のサイドプレートの軸方向端面が放射状の研磨筋を有することを特徴とする回転式ポンプ。
  2. 内周に内歯部(51a)を有するアウターロータ(51)と、外周に外歯部(52a)を有すると共に駆動軸(54)を軸として回転運動するインナーロータ(52)とを備え、前記内歯部と前記外歯部とを噛み合わせることによって複数の空隙部(53)を形成するように組み付けて構成した回転部と、
    前記駆動軸を嵌入する開口部(71a、72a)を有すると共に、前記回転部に流体を吸入する吸入口(60)及び前記回転部から前記流体を吐出する吐出口(61)とを有し、前記回転部を覆うケーシング(50)とを備え、
    前記複数の空隙部のうち、体積が最大となる第1の閉じ込み部(53a)と体積が最小となる第2の閉じ込み部(53b)にて前記吸入口と前記吐出口との圧力差を保持しつつ、前記回転部の回転運動によって前記吸入口から前記流体を吸入し、前記吐出口から前記流体を吐出する回転式ポンプにおいて、
    前記ケーシングは、前記駆動軸の軸方向において前記アウターロータおよび前記インナーロータを挟み込む第1、第2のサイドプレート(71、72)を有して構成されており、
    前記回転部のうち前記駆動軸の軸方向の一方側では、前記第1のサイドプレート(71)に備えられたシール手段(100)により、前記アウターロータ及び前記インナーロータにおける軸方向端面と前記第1のサイドプレートにおける軸方向端面との間がシールされ、
    前記回転部のうち前記軸方向の他方側では、前記アウターロータ及び前記インナーロータが前記第2のサイドプレート(72)に押し付けられることで、前記アウターロータ及び前記インナーロータにおける軸方向端面(51b、52b)と前記第2のサイドプレートにおける軸方向端面(72b)との間がメカニカルシールされており、
    前記第2のサイドプレートにおける前記軸方向端面が共に前記吐出口から前記吸入口へ向かう直線状の研磨筋を有しており、またアウターロータ、インナーロータの軸方向端面にも直線状の研磨筋が施されており、
    前記第2のサイドプレートには、前記アウターロータに対抗する部位であって前記第1の閉じ込み部および第2の閉じ込み部の近傍に油溝(72c)が形成されていることを特徴とする回転式ポンプ。
  3. 内周に内歯部(51a)を有するアウターロータ(51)と、外周に外歯部(52a)を有すると共に駆動軸(54)を軸として回転運動するインナーロータ(52)とを備え、前記内歯部と前記外歯部とを噛み合わせることによって複数の空隙部(53)を形成するように組み付けて構成した回転部と、
    前記駆動軸を嵌入する開口部(71a、72a)を有すると共に、前記回転部に流体を吸入する吸入口(60)及び前記回転部から前記流体を吐出する吐出口(61)とを有し、前記回転部を覆うケーシング(50)とを備え、
    前記回転部の回転運動によって前記吸入口から前記流体を吸入し、前記吐出口から前記流体を吐出する回転式ポンプにおいて、
    前記ケーシングは、前記駆動軸の軸方向において前記アウターロータおよび前記インナーロータを挟み込む第1、第2のサイドプレート(71、72)を有して構成されており、
    前記回転部のうち前記駆動軸の軸方向の一方側では、前記第1のサイドプレート(71)に備えられたシール手段(100)により、前記アウターロータ及び前記インナーロータにおける軸方向端面と前記第1のサイドプレートにおける軸方向端面との間がシールされ、
    前記回転部のうち前記軸方向の他方側では、前記アウターロータ及び前記インナーロータが前記第2のサイドプレート(72)に押し付けられることで、前記アウターロータ及び前記インナーロータにおける軸方向端面(51b、52b)と前記第2のサイドプレートにおける軸方向端面(72b)との間がメカニカルシールされており、
    前記メカニカルシールが成される前記インナーロータ及び前記アウターロータの軸方向端面と前記第2のサイドプレートの軸方向端面のいずれか一方が放射状の研磨筋を有し、他方の仕上げ面が円周状の研磨筋を有することを特徴とする回転式ポンプ。
  4. 前記放射状の研磨筋は直線状であることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の回転式ポンプ。
  5. 前記放射状の研磨筋は曲線状であることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の回転式ポンプ。
  6. 前記放射状の研磨筋は曲線状であって、前記アウターロータおよびインナーロータにおける研磨筋の曲率方向と、前記サイドプレートにおける研磨筋の曲率方向とが逆方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転式ポンプ。
  7. 前記アウターロータおよびインナーロータ側の研磨筋と、前記サイドプレート側の研磨筋との一方が直線放射状であって、他方の研磨筋は曲線放射状であることを特徴とする請求項1に記載の回転式ポンプ。
  8. 前記アウターロータおよびインナーロータ側の研磨筋および前記サイドプレート側の研磨筋の双方ともが曲線放射状であって、前記アウターロータおよびインナーロータ側の曲線放射状の研磨筋の中心位置と、前記サイドプレート側の曲線放射状の研磨筋の中心位置とがずれていることを特徴とする請求項1に記載の回転式ポンプ。
  9. 内周に内歯部(51a)を有するアウターロータ(51)と、外周に外歯部(52a)を有すると共に駆動軸(54)を軸として回転運動するインナーロータ(52)とを備え、前記内歯部と前記外歯部とを噛み合わせることによって複数の空隙部(53)を形成するように組め付けて構成した回転部と、
    前記駆動軸を嵌入する開口部(71a、72a)を有すると共に、前記回転部に流体を吸入する吸入口(60)及び前記回転部から前記流体を吐出する吐出口(61)とを有し、前記回転部を覆うケーシング(50)とを備え、
    前記複数の空隙部のうち、体積が最大となる第1の閉じ込み部(53a)と体積が最小となる第2の閉じ込み部(53b)にて前記吸入口と前記吐出口との圧力差を保持しつつ、前記回転部の回転運動によって前記吸入口から前記流体を吸入し、前記吐出口から前記流体を吐出する回転式ポンプにおいて、
    前記ケーシングは、前記駆動軸の軸方向において前記アウターロータおよび前記インナーロータを挟み込む第1、第2のサイドプレート(71、72)を有して構成されており、
    前記回転部のうち前記駆動軸の軸方向の一方側では、前記第1のサイドプレート(71)に備えられたシール手段(100)により、前記アウターロータ及び前記インナーロータにおける軸方向端面と前記第1のサイドプレートにおける軸方向端面との間がシールされ、
    前記回転部のうち前記軸方向の他方側では、前記アウターロータ及び前記インナーロータが前記第2のサイドプレート(72)に押し付けられることで、前記アウターロータ及び前記インナーロータにおける軸方向端面(51b、52b)と前記第2のサイドプレートにおける軸方向端面(72b)との間がメカニカルシールされており、
    前記第2のサイドプレートおよび前記アウターロータの軸方向端面が全面に至って直線状の研磨筋を備えており、
    前記第2のサイドプレートと前記アウターロータとの対向面双方における研磨筋の方向が一致する際に、前記アウターロータの前記軸方向端面の研磨筋のうち当該アウターロータの外周から外周へ途切れずに研磨筋が存在する部位、あるいはこの部位と対向する前記第2のサイドプレートの部位のいずれかに油溝(72c)が形成されている事を特徴とする回転式ポンプ。
  10. 踏力に基づいてブレーキ液圧を発生させるブレーキ液圧発生手段(1〜3)と、
    前記ブレーキ液圧に基づいて車輪に制動力を発生させる制動力発生手段(4、5)と、
    前記ブレーキ液圧発生手段に接続され、前記制動力発生手段に前記ブレーキ液圧を伝達する主管路(A)と、
    前記ブレーキ液圧発生手段に接続され、前記制動力発生手段が発生させる制動力を高めるために、前記主管路側にブレーキ液を供給する補助管路(D)と、を有するブレーキ装置において、
    請求項1乃至9に記載の回転式ポンプは、前記吸入口が前記補助管路を通じて前記ブレーキ液圧発生手段側のブレーキ液を吸入でき、前記吐出口が前記主管路を通じて前記制動力発生手段に向けてブレーキ液を吐出できるように配置されていることを特徴とする回転式ポンプを備えたブレーキ装置。
  11. 内周に内歯部(51a)を有するアウターロータ(51)と、外周に外歯部(52a)を有すると共に駆動軸(54)を軸として回転運動するインナーロータ(52)とを備え、前記内歯部と前記外歯部とを噛み合わせることによって複数の空隙部(53)を形成するように組み付けて構成した回転部と、
    前記駆動軸を嵌入する開口部(71a、72a)を有すると共に、前記回転部に流体を吸入する吸入口(60)及び前記回転部から前記流体を吐出する吐出口(61)とを有し、前記回転部を覆うケーシング(50)とを備え、
    前記回転部の回転運動によって前記吸入口から前記流体を吸入し、前記吐出口から前記流体を吐出する回転式ポンプにおいて、
    前記ケーシングは、前記回転部を収容する孔が形成された中央プレート(73)と
    前記駆動軸の軸方向において前記アウターロータおよび前記インナーロータを挟み込む第1、第2のサイドプレート(71、72)と
    を有して構成されており、
    前記回転部のうち前記駆動軸の軸方向の一方側では、前記アウターロータ及び前記インナーロータが前記第2のサイドプレート(72)に押し付けられることで、前記アウターロータ及び前記インナーロータにおける軸方向端面(51b、52b)と前記第2のサイドプレートにおける軸方向端面(72b)との間がメカニカルシールされており、
    前記メカニカルシールが成される前記インナーロータ及び前記アウターロータの軸方向端面と前記第2のサイドプレートの軸方向端面のいずれか一方が放射状の研磨筋を有することを特徴とする回転式ポンプ。
  12. 前記放射状の研磨筋の中心は前記軸を中心に延びることを特徴とする請求項11に記載の回転式ポンプ。
  13. 中央プレートの前記孔と前記アウターロータの外周とで形成される空隙部(50a)と前記アウターロータと前記インナロータとで形成される空隙部(53)とが前記放射状の研磨筋で形成される溝で連通されることを特徴とする請求項11に記載の回転式ポンプ。
  14. 前記インナロータに形成され前記駆動軸を収容するシャフト穴と前記アウターロータと前記インナロータとで形成される空隙部(53)とが前記放射状の研磨筋で形成される溝で連通されることを特徴とする請求項11に記載の回転式ポンプ。
  15. 前記放射状の研磨筋は研磨面を有する砥石を回転させると同時にワーク側も回転させて得ることを特徴とする請求項11に記載の回転式ポンプの製造方法。
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