JP3855547B2 - 回転式ポンプ及び回転式ポンプを備えたブレーキ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体を吸入・吐出する回転式ポンプ及び回転式ポンプを用いたブレーキ装置に関し、特にトロコイドポンプ等の内接歯車ポンプに適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】
トロコイドポンプ等の内接歯車型の回転式ポンプは、外周に外歯部を備えたインナーロータ、内周に内歯部を備えたアウターロータ、及びこれらアウターロータとインナーロータを収納するケーシング等から構成されている。インナーロータ及びアウターロータは、内歯部と外歯部とが互いに噛み合わさり、これら互いの歯によって複数の空隙部を形成した状態でケーシング内に配置されている。
【0003】
インナーロータとアウターロータの両中心軸を通る線をポンプの中心線とすると、この中心線を挟んだ両側には、上記複数の空隙部と連通する吸入口や吐出口が備えられている。ポンプ駆動時には、インナーロータの中心軸を駆動軸として、この駆動軸を介してインナーロータが回転運動し、それに伴って外歯部と内歯部の噛合によりアウターロータも同方向へ回転する。このときに、それぞれの空隙部の容積がアウターロータ及びインナーロータが1回転する間に大小に変化して吸入口からオイルを吸入し、吐出口でオイルを吐き出すようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のポンプ装置では、ポンプ駆動を実行するに際し、吐出口の圧力(以下、吐出圧という)が吸入口の圧力(以下、吸入圧という)に比して高圧になることから、高圧側から低圧側に向けてオイル洩れが発生するという問題がある。
【0005】
具体的には、アウターロータとインナーロータの軸方向端面とケーシングとの間の隙間を介して、高圧な吐出口内のオイルが低圧な吸入口や駆動軸とインナーロータとの間隙部に洩れる。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みて成され、アウターロータとインナーロータの軸方向端面とケーシングとの間の隙間を介して、高圧な吐出口側から低圧な吸入口側に向けて発生する洩れを抑制することを目的とする。
また、アウターロータの外周の間隙を通じて高圧な吐出口側のオイルが低圧な吸入口側に洩れる。さらには、アウターロータとインナーロータの噛み合い部分を押し広げてできる歯先隙間を通じて吐出口内のオイルが吸入口側に洩れたりする。
本発明では、このような洩れについても鑑みて、高圧な吐出口側から低圧な吸入口側に向けて発生する洩れを抑制することを他の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記オイル洩れのうち、アウターロータとインナーロータの軸方向端面とケーシングとの間の隙間を介して発生する洩れについては、この洩れを解決する手段として、インナーロータ及びアウターロータの軸方向端面とケーシングとの間隔を狭くする方法、若しくは間隔をなくしてインナーロータ及びアウターロータとケーシングとを接触させる方法がある。
【0008】
しかし、前者のように間隔を狭くしたとしてもその間からオイル洩れが必ず発生するし、後者のように間隔をなくすとケーシングの接触抵抗によって機械損失が大きくなるという問題を生じさせる。
【0009】
このため、インナーロータ及びアウターロータの軸方向端面とケーシングとの間の全面に、シール部材を配置することによって上記差圧によるオイル洩れを防止することが考えられる。
【0010】
しかしながら、このようにインナーロータ及びアウターロータとケーシングとの間の全面にシール部材を配置したのでは、まだシール部材の接触抵抗による機械損失が大きいという問題がある。
【0011】
そこで、本発明においては、アウターロータとインナーロータの軸方向端面とケーシングとの間の隙間を介して、高圧な吐出口内のオイルが低圧な吸入口や駆動軸とインナーロータとの間隙部に洩れることを防止すると共に、インナーロータ及びアウターロータとケーシングとの間のシール部材の接触抵抗を小さくする。
【0012】
一方、アウターロータの外周を通じての洩れについては、アウターロータを収容するケーシングの内壁面に凹部を形成すると共に、この凹部内にシール部材を配置することによって、アウターロータの外周とケーシングとの間の間隙をシールするようにすることが考えられる。
【0013】
この場合、シール部材の厚み(アウターロータ及びインナーロータの軸方向の厚み)を、ケーシングの収容部の厚みと同等にすることになるが、成形誤差や切削誤差等によってシール部材に寸法誤差が発生する可能性がある。このような寸法誤差が発生すると、ケーシングとシール部材との間に隙間が生じ、この隙間からオイル洩れするという問題がある。
【0014】
そこで、本発明においては、アウターロータの外周に配置するシール部材とケーシングとの間からのオイル洩れを抑制する。
【0015】
上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
【0016】
請求項1に記載の発明においては、インナーロータ(52)及びアウターロータ(51)の軸方向端面と、ケーシング(50)との間の間隙部において、吐出口(61)と駆動軸(54)との間を通ると共に第1、第2の閉じ込み部(53a、53b)を通ってアウターロータの外周まで至るシール手段(100、101)を備え、シール手段は、円環状で構成され、その円環状の内周側に駆動軸が配置されると共に外周側に吐出口が配置されることで、前記間隙部を通じて、吐出口側に位置するアウターロータの外周と吐出口に連通する空隙部とを高圧部として連通させると共に、駆動軸とインナーロータとの間と吸入口に連通する空隙部とを低圧部として連通させ、高圧部と低圧部との間をシールするように構成されていることを特徴としている。
【0017】
このように、吐出口と駆動軸との間を通ると共に第1、第2の閉じ込み部を通ってアウターロータの外周まで至るシール手段を備えることにより、高圧側と低圧側とをシールするために必要とされる部位にシール手段を配置することができる。そして、間隙部を通じて、吐出口側に位置するアウターロータの外周と吐出口に連通する空隙部とが連通され、駆動軸とインナーロータとの間と吸入口に連通する空隙部とが連通される形状でシール手段を構成することによって、シールの必要がない部位にはシール手段が極力配置されないようにできる。
【0018】
これにより、アウターロータとインナーロータの軸方向端面とケーシングとの間の隙間を介して、高圧な吐出口内のオイルが低圧な吸入口や駆動軸とインナーロータとの間隙部に洩れないようにできると共に、インナーロータ及びアウターロータとケーシングとの間のシール部材の接触抵抗を小さくすることができる。
【0019】
また、請求項2では、第1のシール手段は、円環状で構成され、その円環状の内周側に駆動軸および吸入口が配置されると共に外周側に吐出口が配置されることで、間隙部を通じて、吐出口側に位置するアウターロータの外周と吐出口に連通する空隙部とを高圧部として連通させると共に、吸入口に連通する空隙部を低圧部として、高圧部と低圧部との間をシールするように構成されるようにしている。
【0020】
このように、吸入口側に位置するアウターロータの外周と吸入口に連通する空隙部とが連通されるようにしてもよい。
【0021】
具体的には、請求項3に示すように、回転部を収容する孔を有する中央プレート(73)と、中央プレートを挟み込む第1、第2のサイドプレート(71、72)とを備えたケーシングのうち、第1、第2のサイドプレートに、吐出口と駆動軸との間を通ると共に、第1、第2の閉じ込み部を通過してアウターロータの外周まで至る溝部(71b、72b)を形成し、該溝部内にシール手段を配置するようにできる。
【0022】
請求項4に記載の発明においては、シール手段は、弾性体で構成されていると共に溝部の底側に配置された第1のシール部材(100a、101a)と、該第1のシール部材よりも溝部の開孔側に配置された第2のシール部材(100b、101b)とを有しており、第1のシール部材の弾性力によって第1のシール部材がインナーロータ及びアウターロータに接するようになっていることを特徴としている。
【0023】
このように、弾性体で構成された第1のシール部材にて、第2のシール部材を押圧することによって、第2のシール部材がインナーロータ及びアウターロータに接して、シール機能を果たすようにできる。
【0024】
具体的には、請求項14に示すように、溝部を円環状にすると共に駆動軸に対して偏心した配置とし、第1のシール部材をOリング、第2のシール部材を円環状の樹脂部材で構成することができる。
【0025】
請求項5に記載の発明においては、第2のシール部材のうち、インナーロータ及びアウターロータと接する面の面積は、第1のシール部材に押圧されている部分の面積よりも小さくなっていることを特徴としている。
【0026】
このように、第2のシール部材のうちインナーロータ及びアウターロータと接する面の面積を、第1のシール部材に押圧されている部分の面積よりも小さくなるようにすることにより、面積が小さくされた部分においてアウターロータに向かう側への油圧力を相殺することができる。このため、インナーロータ及びアウターロータと第2のシール部材との接触部における接触抵抗をより低減することができる。
【0027】
例えば、請求項6に示すように、第2のシール部材のインナーロータ及びアウターロータと接する面側に、段差部を設けることによって、第2のシール部材のうちインナーロータ及びアウターロータと接する面の面積を、第1のシール部材に押圧されている部分の面積よりも小さくなるようにすることができる。
【0028】
請求項7に記載の発明においては、第2のシール部材は、駆動軸の軸方向から見て、吐出口に連通する空隙部とオーバラップするように構成されており、吐出口に連通する空隙部より駆動軸側においては、第2のシール部材がインナーロータに接するように構成され、該空隙部においては段差部によって該空隙部のそれぞれがアウターロータの外周部と連通するように構成されていることを特徴としている。
【0029】
このように、第2のシール部材に段差部を構成し、第2のシール部材のうち空隙部よりも駆動軸側がインナーロータと接触し、空隙部はアウターロータの外周と連通させるようにすることができる。
【0030】
請求項8に記載の発明においては、第2のシール部材のインナーロータ及びアウターロータと接する面のうち、第1のシール部材がオーバラップしている部分における溝部の幅方向の長さは、第1のシール部材がオーバラップしていない部分における溝部の幅方向の長さと同等になっていることを特徴としている。
【0031】
このように、第1のシール部材がオーバラップしている部分における溝部の幅方向の長さと、第1のシール部材がオーバラップしていない部分における溝部の幅方向の長さとが同等になるようにすれば、第1のシール部材の押圧力と流体の圧力とが均等な力で相殺しあうため、インナーロータ及びアウターロータと第2のシール部材との接触部における接触抵抗をほぼ零にすることができる。これにより、シール手段による接触抵抗をさらに低減することができる。
【0032】
請求項9に記載の発明においては、第2のシール部材を、第1、第2の閉じ込み部を密閉するようにアウターロータ及びインナーロータと接触するように構成すれば、閉じ込み部に導入されたブレーキ液がアウターロータ及びインナーロータと第1、第2のサイドプレートとの間を通じて洩れることを防止することができる。
【0033】
また、請求項10に記載されるように、第2のシール部材を、第1の閉じ込み部及びこれに隣接する空隙部を含む2つ以上の空隙部を密閉するように、アウターロータ及びインナーロータと接触するように構成すれば、これら2つ以上の空隙部において請求項9と同様の効果が得られる。
【0034】
請求項11に記載の発明においては、アウターロータ及びインナーロータは、第1の閉じ込み部をブレーキ液が通過する際に、該ブレーキ液が圧縮されて通過するように設定されていることを特徴としている。
【0035】
このように、第1の閉じ込み部をブレーキ液が圧縮されて通過するようにすれば、内歯部と外歯部とにかかる荷重を緩和することができ、内歯部と外歯部の摩耗劣化を抑制することができる。
【0036】
同様に、請求項12に示すように、第1の閉じ込み部及びこれに隣接する空隙部を含む2つ以上の空隙部において、ブレーキ液が圧縮されて通過されるようにしてもよい。この場合、第2のシール部材によって広い範囲で第1の閉じ込み部近傍を密閉できるため、ロータの精度、組付け精度により内歯部と外歯部との接触点(シール点)がばらついてもシール性を確保することができる。
【0037】
請求項13に示す発明においては、第2のシール部材は、第2の閉じ込み部及び該第1の閉じ込み部に隣接する空隙部を含み少なくとも2つ以上の空隙部を密閉するように、アウターロータ及びインナーロータと接触するように構成されていることを特徴としている。
【0038】
このような構成とすることで、第2のシール部材によって広い範囲で第2の閉じ込み部近傍を密閉できるため、ロータの精度、組付け精度により内歯部と外歯部とのトルク伝達点がばらついてもシール性を確保することができる。
【0039】
請求項15に記載の発明においては、中央プレートの孔の内壁には、吐出口側に位置するアウターロータの外周と吸入口側に位置するアウターロータの外周との間において2つの凹部(73d、73e)が形成され、一方が第1の閉じ込み部側に形成されていると共に、他方が第2の閉じ込み部側に形成されており、2つの凹部のそれぞれに、アウターロータの外周におけるブレーキ液の流動をシールする第2のシール手段を備えていることを特徴としている。
【0040】
このように、アウターロータの外周をシールすることによって、アウターロータの外周のうち吐出口と連通される高圧な部位から吸入口と連通される低圧な部位へのブレーキ液洩れを防止することができる。
【0041】
請求項16に記載の発明においては、2つの凹部は、第1、第2の閉じ込み部を結んでできる線よりも吸入口側に配置されていることを特徴としている。
【0042】
このように、上記線よりも吸入口側に配置されていれば、第1、第2の閉じ込み部が形成されている位置においては、アウターロータの外周が高圧にすることができる。これにより、上記線方向においてアウターロータの両側に高圧がかかり、アウターロータが縮まる方向に作用し、内歯部と外歯部との歯先隙間からのブレーキ液洩れを防止することができる。
【0043】
請求項17に示すように、第1のシール手段が、駆動軸の軸方向からみて第2のシール手段とオーバラップするように構成されていれば、アウターロータ及びインナーロータの軸方向端面と第1のシール手段との間の間隙を通じてのブレーキ液洩れが防止できると共に、アウターロータの外周を通じてのブレーキ液洩れを防止することができる。
【0044】
そして、請求項18に示すように、第2のシール手段を、凹部の底側に配置された弾性部材(80a、81a)と、凹部の開孔側に配置された樹脂部材とを有して構成する場合、駆動軸の軸方向における樹脂部材の幅を、中央プレートの厚みよりも大きくすれば、第1のシール手段によって軸方向に荷重がかかるようにすることができる。これにより、樹脂部材と第1のシール手段との間に隙間が発生することを防止でき、その間からのブレーキ液洩れを防止することができる。
【0046】
なお、本発明における回転式ポンプは、請求項19に示すように、ブレーキ液圧発生手段(1〜3)が発生させるブレーキ液圧を制動力発生手段(4、5)に伝達する主管路(A)と、制動力発生手段が発生させる制動力を高めるために、主管路側にブレーキ液を供給する補助管路(D)と、を有するブレーキ装置において、吸入口が補助管路を通じてブレーキ液圧発生手段側のブレーキ液を吸入でき、吐出口が主管路を通じて制動力発生手段に向けてブレーキ液を吐出できるように配置される。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施形態について説明する。
【0048】
図1に、回転式ポンプとしてトロコイドポンプを適用したブレーキ装置のブレーキ配管概略図を示す。以下、ブレーキ装置の基本構成を、図1に基づいて説明する。本例では前輪駆動の4輪車において、右前輪−左後輪、左前輪−右後輪の各配管系統を備えるX配管の油圧回路を構成する車両に本発明によるブレーキ装置を適用した例について説明する。
【0049】
図1に示すように、ブレーキペダル1は倍力装置2と接続されており、この倍力装置2によりブレーキ踏力等が倍力される。
【0050】
そして、倍力装置2は、倍力された踏力をマスタシリンダ3に伝達するブッシュロッド等を有しており、このブッシュロッドがマスタシリンダ3に配設されたマスタピストンを押圧することによりマスタシリンダ圧が発生する。なお、これらブレーキペダル1、倍力装置2及びマスタシリンダ3がブレーキ液圧発生手段に相当する。
【0051】
また、このマスタシリンダ3には、マスタシリンダ3内にブレーキ液を供給したり、マスタシリンダ3内の余剰ブレーキ液を貯留するマスタリザーバ3aが接続されている。
【0052】
そして、マスタシリンダ圧は、アンチロックブレーキ装置(以下、ABSという)を介して右前輪FR用のホイールシリンダ4及び左後輪RL用のホイールシリンダ5へ伝達されている。以下の説明は、右前輪FR及び左後輪RL側について説明するが、第2の配管系統である左前輪FL及び右後輪RR側についても全く同様であるため、説明は省略する。
【0053】
そして、このブレーキ装置はマスタシリンダ3に接続する管路(主管路)Aを備えており、この管路Aには比例制御弁(PV:プロポーショニングバルブ)22が備えられている。そして、この比例制御弁22によって管路Aは2部位に分けられている。すなわち管路Aは、マスタシリンダ3から比例制御弁22までの間においてマスタシリンダ圧を受ける管路A1と、比例制御弁22から各ホイールシリンダ4、5までの間の管路A2に分けられる。
【0054】
この比例制御弁22は、通常、正方向にブレーキ液が流動する際には、ブレーキ液の基準圧を所定の減衰比率をもって下流側に伝達する作用を有している。そして、図1に示すように、比例制御弁22を逆接続することにより、管路A2側が基準圧となる。
【0055】
また、管路A2において、管路Aは2つに分岐しており、開口する一方にはホイールシリンダ4へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁30が備えられ、他方にはホイールシリンダ5へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁31が備えられている。
【0056】
これら増圧制御弁30、31は、ABS用の電子制御装置(以下、ECUという)により連通・遮断状態を制御できる2位置弁として構成されている。そして、この2位置弁が連通状態に制御されているときには、マスタシリンダ圧あるいはポンプのブレーキ液の吐出によるブレーキ液圧を各ホイールシリンダ4、5に加えることができる。
【0057】
なお、ABS制御が実行されていないノーマルブレーキ時には、これら第1、第2の増圧制御弁30、31は常時連通状態に制御されている。なお、増圧制御弁30、31には、それぞれ安全弁30a、31aが並列に設けられており、ブレーキ踏み込みを止めてABS制御が終了したときにおいてホイールシリンダ4、5側からブレーキ液を排除するようになっている。
【0058】
また、第1、第2の増圧制御弁30、31と各ホイールシリンダ4、5との間における管路Aとリザーバ20のリザーバ孔20aとを結ぶ管路Bには、ABS用のECUにより連通・遮断状態を制御できる減圧制御弁32、33がそれぞれ配設されている。これらの減圧制御弁32、33はノーマルブレーキ状態(ABS非作動時)では、常時遮断状態とされている。
【0059】
管路Aの比例制御弁22と増圧制御弁30、31とリザーバ20のリザーバ孔20aとを結ぶ管路Cには回転式ポンプ10が安全弁10a、10bに挟まれて配設されている。また、この回転式ポンプ10にはモータ11が接続されており、このモータ11によって回転式ポンプ10は駆動される。なお、この回転式ポンプ10についての詳細な説明は後述する。
【0060】
また、回転式ポンプ10が吐出したブレーキ液の脈動を緩和するために、管路Cのうち回転式ポンプ10の吐出側にはダンパ12が配設されている。そして、リザーバ20と回転式ポンプ10の間と、マスタシリンダ3とを接続するように管路(補助管路)Dが設けられており、回転式ポンプ10はこの管路Dを介して管路A1のブレーキ液を汲み取り、管路A2へ吐出することによってホイールシリンダ4、5におけるホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧よりも高くして車輪制動力を高める。なお、比例制御弁22はこの際のマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧を保持する。
【0061】
そして、この管路Dには制御弁34が設けられており、この制御弁34はノーマルブレーキ時には常時遮断状態とされている。
【0062】
なお、このときの管路Dから伝えられる液圧により、管路Cからリザーバ20へ逆流しないように管路C及び管路Dの接続部とリザーバ20の間には逆止弁21が配設されている。
【0063】
なお、制御弁40は通常は連通状態にされている2位置弁であり、マスタシリンダ圧が所定圧よりも低いときにホイールシリンダ4、5に急ブレーキをかける時、或いはTRC時に遮断されマスタシリンダ側とホイールシリンダ側との差圧を保つようになっている。
【0064】
次に、図2(a)に回転式ポンプ10の模式図を示し、また図2(b)に図2(a)のA−A矢視断面図を示す。まず、図2(a)、(b)に基づき回転式ポンプ10の構造について説明する。
【0065】
この回転式ポンプ10におけるケーシング50のロータ室50a内には、アウターロータ51及びインナーロータ52がそれぞれの中心軸(図中の点Xと点Y)が偏心した状態で組付けられて収納されている。アウターロータ51は内周に内歯部51aを備えており、インナーロータ52は外周に外歯部52aを備えている。そして、これらアウターロータ51とインナーロータ52とが互いの歯部51a、52aによって複数の空隙部53を形成して噛み合わさっている。なお、図2(a)からも判るように、本実施形態の回転式ポンプ10は、アウターロータ51の内歯部51aとインナーロータ52の外歯部52aとで空隙部53を形成する、仕切り板(クレセント)なしの多数歯トロコイドタイプのポンプである。また、インナーロータ52の回転トルクを伝えるために、インナーロータ52とアウターロータ51とは複数の接触点を有している。
【0066】
図2(b)に示されるように、ケーシング50は、両ロータ51、52を両側から挟むように配置される第1のサイドプレート部71及び第2のサイドプレート部72と、これら第1、第2のサイドプレート部71、72間に配設され、アウターロータ51及びインナーロータ52を収容する孔が設けられた中央プレート部73とから構成されており、これらによってロータ室50aが形成される。
【0067】
また、第1、第2のサイドプレート71、72の中心部には、ロータ室50a内と連通する中心孔71a、72aが形成されており、これら中心孔71a、72aにはインナーロータ52に配設された駆動軸54が嵌入されている。そして、アウターロータ51及びインナーロータ52は、中央プレート部73の孔内において回転自在に配設される。つまり、アウターロータ51及びインナーロータ52で構成される回転部は、ケーシング50のロータ室50a内を回転自在に組み込まれ、アウターロータ51は点Xを軸として回転し、インナーロータ52は点Yを軸として回転することになる。
【0068】
さらに、アウターロータ51及びインナーロータ52のそれぞれの回転軸となる点Xと点Yを通る線を回転式ポンプ10の中心線Zとすると、第1のサイドプレート部71のうち中心線Zを挟んだ左右には、ロータ室50aへ連通する吸入口60と吐出口61が形成されている。この吸入口60及び吐出口61は、複数の空隙部53に連通する位置に配設されている。そして、吸入口60を介して外部からのブレーキ液を空隙部53内に吸入して、吐出口61を介して空隙部53内のブレーキ液を外部へ吐出することができるようになっている。
【0069】
複数の空隙部53のうち、体積が最大となる側の閉じ込み部53a、及び体積が最小となる側の閉じ込み部53bは、吸入口60及び吐出口61のいずれにも連通しないようになっており、この閉じ込み部53aによって吸入口60における吸入圧と吐出口61における吐出圧との差圧を保持している。
【0070】
第1のサイドプレート部71には、アウターロータ51の外周と吸引口60とを連通する導通経路73a、さらにアウターロータ51の外周と吐出口61とを連通する導通経路73b、73cが設けられている。導通経路73aは、アウターロータ51の回転軸となる点Xを中心として中心線Zから吸引口60方向へ約90度の位置に配設されている。また、導通経路73bは、吐出口61と連通する複数の空隙部53のうち、最も閉じ込み部53aに近い空隙部53とアウターロータ51の外周とを連通するように形成されており、また、導通経路73cは、吐出口61と連通する複数の空隙部53のうち、最も閉じ込み部53bに近い空隙部53とアウターロータ51の外周とを連通するように形成されている。そして、これら導通経路73bと導通経路73cは、それぞれ点Xを中心として中心線Zから吐出口61方向へ約22.5度の位置に配設されている。
【0071】
また、中央プレート73の孔を形成する中央プレート73の壁面であって、アウターロータ51の回転軸となる点Xを中心として中心線Zから吸引口60方向へ約45度の位置には、それぞれ凹部73dと凹部73eが形成されており、これら凹部73d、73e内にアウターロータ51の外周におけるブレーキ液の流動を抑制するためのシール部材80、81が備えられている。具体的には、シール部材80は導通経路73a、と導通経路73bの間に、シール部材81は導通経路73aと導通経路73cの間に、それぞれ配設されており、アウターロータ51の外周においてブレーキ液圧が低圧になる部分と高圧になる部分をシールするようになっている。
【0072】
シール部材80は、球状若しくは略円筒状をしたゴム部材80aと、直方体形状をした樹脂部材80bとから構成されている。樹脂部材80bとしては、PTFE、カーボン繊維入りのPTFE、若しくはグラファイト入りのPTFEを用いている。そして、樹脂部材80bはゴム部材80aによって押されて、アウターロータ51に接するようになっている。すなわち、製造誤差等によってアウターロータ51の大きさに若干の誤差分が生じるため、この誤差分を弾性力を有するゴム部材80aによって吸収できるようにしている。
【0073】
樹脂部材80bの幅(アウターロータ51の回転方向の幅)は、凹部73d内に樹脂部材80bを配置したときに、ある程度隙間が空く程度になっている。つまり、樹脂部材80bの幅を凹部73dの幅と同等に形成すると、ポンプ駆動時におけるブレーキ液圧の流動によって樹脂部材80bが凹部73d内に入り込んだときに出てきにくくなるため、多少隙間が空く程度の大きさで樹脂部材80bを形成することで樹脂部材80bのゴム部材80a側にブレーキ液が入り込むようにして、このブレーキ液の圧力によって樹脂部材80bが凹部73d内から出てき易いようにしている。なお、シール部材81の構成はシール部材80と同様であるため説明は省略する。
【0074】
さらに、図2(b)に示されるように、第1、第2のサイドプレート部71、72には溝部71b、72bが形成されている。この溝部71b、72bは、図2(a)の二点鎖線で示されるように、駆動軸54を囲むように円環状で構成されている。具体的には、溝部71b、72bの中心は、駆動軸54の軸中心に対して吸入口60側(紙面左側)に偏心した状態となっている。これにより、溝部71b、72bは、吐出口61と駆動軸54の間を通って、閉じ込み部53a、53b、シール部材80、81がアウターロータ51をシールしている部分を通過するような配置となる。
【0075】
そして、この溝部71b、72bの中には、それぞれシール部材100、101が配置されている。シール部材100、101は、Oリング100a、101aと、円環状の樹脂からなる樹脂部材100b、101bとによって構成されている。樹脂部材100b、101bは、インナーロータ52、アウターロータ51及び中央プレート73に接するように配置され、樹脂部材100b、101bよりも溝部71b、72bの底側に配置されたOリング100a、101aによって押圧されてシール機能を果たすように構成されている。この樹脂部材100b、101bは、上述した樹脂部材80b、81bよりも硬いPEEK、若しくはカーボン入りのPEEKを用いている。
【0076】
このように配置されたシール部材100、101によって、インナーロータ52及びアウターロータ51の軸方向端面と第1、第2のサイドプレート部71、72の間における隙間において、高圧な吐出口61と、低圧な駆動軸54とインナーロータ52との間の間隙部及び吸入口60とをシールすることができる。
【0077】
また、インナーロータ52及びアウターロータ51の軸方向端面と第1、第2のサイドプレート部71、72の間における隙間において、高圧な部分と低圧な部分とをシールするためには、シール部材100、101が、吐出口61と駆動軸54との間及び閉じ込み部53a、53b(吸入口60と吐出口61との間)を通過し、アウターロータ51の外周まで達していることが必要とされる。これに対して、本実施形態においては、シール部材100、101のうち、シール部材80から駆動軸54と吐出口61との間を通過してシール部材81に至るまでの領域が、高圧な部分と低圧な部分とをシールするために必要とされる領域になり、シールが必要とされないその他の領域でインナーロータ52及びアウターロータ51に接している部分は無視できる程度に少ない。このため、シール部材100、101による接触抵抗を少なくすることができ、機械損失を低減することができる。
【0078】
次に、このように構成されたブレーキ装置及び回転式ポンプ10の作動について説明する。
【0079】
ブレーキ装置に備えられた制御弁34は、大きな制動力を必要とする場合、例えばブレーキ踏力に対応した制動力が得られない場合やブレーキペダル1の操作量が大きいとき等に適宜連通状態にされる。そして、管路Dを通じてブレーキペダル1の踏み込みによって発生している高圧なマスタシリンダ圧が回転式ポンプ10にかかる。
【0080】
一方、回転式ポンプ10は、モータ11の駆動により駆動軸54の回転に応じてインナーロータ52が回転運動し、それに伴って内歯部51aと外歯部52aの噛合によりアウターロータ51も同方向へ回転する。このとき、それぞれの空隙部53の容積がアウターロータ51及びインナーロータ52が1回転する間に大小に変化するため、吸入口60からブレーキ液を吸入し、吐出口61から管路A2に向けてブレーキ液を吐き出す。この吐出されたブレーキ液によってホイールシリンダ圧を増圧する。
【0081】
このように、本回転式ポンプ10はロータ51、52が回転することによって吸入口60からブレーキ液を吸入し、吐出口61からブレーキ液を吐出するという基本的なポンプ動作を行うことができる。
【0082】
このポンプ動作中において、アウターロータ51の外周のうち吸入口60側は導通経路73aを通じて吸入されるブレーキ液によって吸入圧とされ、アウターロータ51の外周のうち吐出口61側は導通経路73b、73cを通じて押し出されるブレーキ液によって吐出圧とされる。このため、アウターロータ51の外周において低圧な部分と高圧な部分が生じる。そして、インナーロータ52及びアウターロータ51の軸方向端面と第1、第2のサイドプレート部71、72との間の隙間においても、低圧な吐出口60及び駆動軸54とインナーロータ52との間の間隙と、高圧な吐出口61とによって、低圧な部分と高圧な部分が生じる。
【0083】
しかしながら、上述したように、シール部材80、81によって、アウターロータ51の外周の低圧な部分と高圧な部分をシールして分離しているため、アウターロータ51の外周を通じて吐出口61側の高圧部分から吸入口50側の低圧部分に向けてブレーキ液洩れが発生しない。また、シール部材100、101によって、インナーロータ52及びアウターロータ51の軸方向端面と第1、第2のサイドプレート部71、72との間の隙間の低圧な部分と高圧な部分とをシールしているため、高圧な部分から低圧な部分に向けてブレーキ液洩れが発生しない。そして、シール部材100、101がシール部材80、81を通過するように形成されているため、シール部材100、101とシール部材80、81との間において隙間が生じないため、この間からもブレーキ液洩れが発生することはない。
【0084】
さらに、シール部材80、81により、アウターロータ51の外周のうちの吸入口60側は低圧となって、吸入口60と連通する空隙部53と同様の圧力となり、アウターロータ51の外周のうちの吐出口61側は高圧となって、吐出口61と連通する空隙部53と同様の圧力となる。このため、アウターロータ51の内外における圧力バランスが保持され、ポンプ駆動を安定して行うようにすることができる。
【0085】
また、本実施形態に示す回転式ポンプでは、シール部材80、81が吸入口60側に位置しているため、アウターロータ51の外周のうち閉じ込み部53a、53bを囲む位置まで高圧な吐出圧とされる。
【0086】
このため、アウターロータ51が紙面上下方向に押圧され、閉じ込み部53aにおいてアウターロータ51の内歯部51aとインナーロータ52の外歯部52aとの歯先隙間が縮まる方向に荷重がかけられ、内歯部51aと外歯部52aとの歯先隙間が縮むように作用する。
【0087】
これにより、アウターロータ51の内歯部51aとインナーロータ52の外歯部52aとの歯先隙間を通じて発生するブレーキ液洩れを防止することができる。
【0088】
(第2実施形態)
本実施形態は、第1実施形態に対してシール部材100、101の構成を変更したものである。本実施形態におけるシール部材100の拡大図を図3に示す。なお、シール部材101については、シール部材100と同様の構成であるため省略する。
【0089】
本実施形態では、図3に示すように、第1実施形態におけるシール部材100(図2参照)に対して、Oリング100aの大きさを小さくすると共に、Oリング100aの内周側に樹脂部材100cを配置している。
【0090】
これにより、Oリング100aによって樹脂部材100bが押圧される面積を小さくすることができる。このため、樹脂部材100bがインナーロータ52及びアウターロータ51を押圧する領域が少なくなり、シール部材100による接触抵抗を小さくすることができる。また、同様の構成を有するシール部材101についても、シール部材101による接触抵抗を小さくすることができる。これにより、機械損失をより少なくすることができる。
【0091】
なお、本実施形態では、樹脂部材100cを単独の部材として構成しているが、樹脂部材100bと一体で構成してもよく、また第1、第2のサイドプレート部71、72と一体で構成してもよい。
【0092】
(第3実施形態)
本実施形態は、第1実施形態に対してシール部材100、101の構成を変更したものである。本実施形態におけるシール部材100の拡大図を図4に示す。なお、シール部材101については、シール部材100と同様の構成であるため省略する。
【0093】
本実施形態では、図4に示すように、第1実施形態におけるシール部材100(図2参照)に対して、樹脂部材100bに段差部を形成している。この段差部は、樹脂部材100bの外周側に形成されている。
【0094】
このような段差部が樹脂部材100bに形成されているため、高圧な吐出口側では、図の矢印で示されるように、高圧なブレーキ液によって段差部において樹脂部材100bが紙面上側へ押圧される。この段差部における紙面上側の押圧力は、Oリング100aによる紙面下側への押圧力と相殺され、この段差部が形成された領域において樹脂部材100bがインナーロータ52及びアウターロータ51を押圧することがなくなる。このため、シール部材100による接触抵抗をより小さくすることができる。また、同様の構成を有するシール部材101についても、シール部材101による接触抵抗を小さくすることができる。これにより、機械損失をより小さくすることができる。
【0095】
(第4実施形態)
本実施形態は、第2実施形態に対してシール部材100、101の構成を変更したものである。本実施形態におけるシール部材100の拡大図を図5に示す。なお、シール部材101については、シール部材100と同様の構成であるため省略する。
【0096】
本実施形態では、図5に示すように、第2実施形態におけるシール部材100(図3参照)に対して、樹脂部材100bの形状が以下の条件を満たすような形状に段差部を形成している。つまり、図5(b)に示す樹脂部材100bの模式図のように、樹脂部材100bのうちインナーロータ52やアウターロータ51と接触する面において、Oリング100aによって押圧される領域の長さS1とOリング100aによって押圧されない領域の長さS2とが一致するような形状としている。
【0097】
このような形状を成すシール部材100による作用について図5(b)を参照して説明する。
【0098】
まず、Oリング100aによって樹脂部材100bが紙面下方向に押圧される。このOリング100aによる押圧力は、上述したように、段差部が形成された領域において相殺されるため、相殺されない部分の圧力分布が図中紙面上方に示された四角形状の斜線部のような分布となる。
【0099】
一方、樹脂部材100bの両側は、それぞれ高圧な吐出口61側(紙面右側)と低圧な吸入口60側(紙面左側)となっているため、樹脂部材100bのうちインナーロータ52やアウターロータ51と接触する面においてかかる圧力分布は、図中紙面下方に示された三角形状の斜線部のように、紙面右側において最も大きく、紙面左側に行くにつれて小さくなる。そして、このような圧力分布のブレーキ液圧で樹脂部材100bは紙面上方向に押圧される。
【0100】
ここで、上述したように、長さS1=長さS2としているため、四角形状の斜線部の面積と、三角形状の斜線部の面積とが一致する。このため、Oリング100aによる紙面上方向の押圧力とブレーキ液圧による紙面上方向の押圧力が全て相殺され、シール部材100による接触抵抗を最も小さくすることができる。また、同様の構成を有するシール部材101についても、シール部材101による接触抵抗を小さくすることができる。これにより、機械損失をさらに小さくすることができる。
【0101】
なお、本実施形態では長さS1=長さS2としているが、これらの長さS1、S2の比を変更することによって、適宜、シール部材100による接触力を調整することも可能である。
(第5実施形態)
本実施形態に用いられる回転式ポンプの全体構成を示す概略図を図6(a)に示す。また、図6(a)のB−O−B矢視断面図を図6(b)に示す。なお、図6(a)中において、シール部材100、101を点線で示してある。
【0102】
上記第1実施形態では、シール部材100、101を幅が等しくされた円環形状で構成しているが、本実施形態では、シール部材100、101の幅を部分的に変化させて、第3、第4実施形態に示した効果を得つつ、最適部位がシールされるようにしている。
【0103】
具体的には、シール部材100、101のうちの樹脂部材100b、101bの幅を部分的に広くしている。そして、図6(a)の点線で示されるように、吐出口61と連通する空隙部53がすべて樹脂部材100b、101bに覆われるようにしている。
【0104】
ただし、図6(b)の断面図に示されるように、樹脂部材100b、101bは、アウターロータ51又はインナーロータ52側の接触面に凹凸(段差部)が形成されており、必要な部位についてのみ樹脂部材100b、101bがアウターロータ51又はインナーロータ52等と接触するように構成されている。なお、図中に樹脂部材100b、101bの接触部位(凸形状部分)を点斜線で示す。
【0105】
まず、樹脂部材100b、101bのうち、吐出口61と駆動軸54との間に配置される部分は、樹脂部材100b、101bがインナーロータ52と接するように構成されている。これにより、高圧な吐出口61側と、低圧なインナーロータ52と駆動軸54との間及び吸入口60側とがシールされるようになっている。
【0106】
しかし、吐出口61と連通する空隙部53上においては、樹脂部材100b、101bが凹まされており、吐出口61と連通する空隙部53が樹脂部材100b、101bによって密閉されないようになっている。そして、図6(b)に示すように、吐出口61と連通する空隙部53がアウターロータ51の外周と連通するように構成されている。つまり、吐出口61と連通する空隙部53上において樹脂部材100b、101bを凹ませることにより、該空隙部53とアウターロータ51の外周とを連通させるポートを樹脂部材100b、101bに形成している。これにより、アウターロータ51の外周部が高圧な吐出圧となるように構成されている。
【0107】
また、閉じ込み部53a、53b上においては、樹脂部材100b、101bがアウターロータ51及びインナーロータ52と接触するように構成されている。これにより、閉じ込み部53a、53bが密閉されるようになっている。
【0108】
そして、樹脂部材100b、101bは、シール部材80、81を通過して、吸入口60側のアウターロータ51よりも外側に至るように構成されている。これにより、アウターロータ51及びインナーロータ52の端面と第1、第2のサイドプレート71、72の間の間隙においては、シール部材100b、101bによって高圧な吐出圧側と低圧な吸入圧側とが分離され、アウターロータ51の外周においては、シール部材80、81によって高圧な吐出圧側と低圧な吸入圧側とが分離される。なお、樹脂部材100b、101bの内周側の端面は、吸入口60側におけるアウターロータ51の外周よりも外側に位置するように配置されているため、吸入口60側におけるアウターロータ51は吸入口60と同等の圧力とされる。
【0109】
このように、シール部材100b、101bとアウターロータ51及びインナーロータ52との接触部位を最適化することによって、必要な部位においてのみシールが成されるようにできる。
【0110】
さらに、本実施形態では、閉じ込み部53aの外周部においてシール部材100b、101bがアウターロータ51及びインナーロータ52と接するように構成されていると共に、ポンプ駆動時にブレーキ液が閉じ込み部53aを通過する際に、ブレーキ液が閉じ込み部53aを圧縮で通過するように、つまり、閉じ込み部53a内で圧縮されるようにアウターロータ51とインナーロータ52とを組付けている。
【0111】
上述したように、このように構成された回転式ポンプでは、アウターロータ51の外周のうち閉じ込み部53a、53bを囲む位置まで、高圧な吐出圧とされるため、アウターロータ51が紙面上下方向に押圧されるようになっている。このため、閉じ込み部53aにおいて、アウターロータ51の内歯部51aとインナーロータ52の外歯部52aとの歯先隙間が縮まる方向に荷重がかけられる。
【0112】
しかしながら、この荷重が大きすぎると、内歯部51aと外歯部52aとが摩耗劣化してしまう。
【0113】
このため、ブレーキ液が閉じ込み部53aを圧縮で通過するようにすることにより、アウターロータ51を紙面上下方向に広げるように力が作用し、上記荷重を緩和することができる。これにより、内歯部51aと外歯部52aの摩耗劣化を抑制することができる。
(第6実施形態)
上記実施形態では、シール部材100、101によってインナーロータ52の端面と第1、第2のサイドプレート71、72との間の間隙からのブレーキ液洩れを抑制しているが、本実施形態では、アウターロータ51の外周と中央プレート73との間の間隙を通じてブレーキ液洩れが発生することを防止する。
【0114】
本実施形態に用いられる回転式ポンプの部分断面図を図7に示す。この図は、図6(b)の紙面左半分の断面に相当する。以下、図6に基づいて本実施形態の回転式ポンプについて説明する。なお、上記第1〜第4実施形態では、シール部材100、101がシール部材80、81と接するような場合を示したが、本実施形態では、シール部材100、101がない状態、つまりシール部材80(81)が直接第1、第2のサイドプレート71、72で挟まれる場合について説明する。
【0115】
上記第1〜第4実施形態では、中央プレート73の内周面に凹部を形成し、この凹部内にシール部材を配置することによって、アウターロータ51の外周と中央プレート73との間の間隙を通じてのブレーキ液洩れを抑制している。この場合、シール部材の厚み(駆動軸54の軸方向の長さ)が第1のサイドプレート71から第2のサイドプレート71までの間隔と同じにすればよいと考えられる。
【0116】
しかしながら、上述したようにシール部材の寸法誤差によって、シール部材と第1、第2のサイドプレート71、72との間に隙間が生じ、この隙間からブレーキ液洩れが発生する可能性がある。
【0117】
そこで、本実施形態では、図7の点線で示すように、組付け前には、シール部材80(81)の樹脂部材80b(81b)の厚みが第1のサイドプレート71から第2のサイドプレート72までの間隔(中央プレート73の厚み)よりも大きくなるように設定し、組付け後に、第1、第2のサイドプレート71、72によって、樹脂部材80b(81b)が押し潰されるようにしている。
【0118】
このように、組付け前に、樹脂部材80b(81b)の厚みが第1のサイドプレート71から第2のサイドプレート72までの間隔(中央プレート73の厚み)よりも大きくなるように設定することにより、シール部材80、81と第1、第2のサイドプレート71、72との間においてもシールされ、これらの間からのブレーキ液洩れを防止することができる。
(第7実施形態)
第6実施形態では、第1、第2のサイドプレート71、72によってシール部材80、81が挟まれる場合を説明したが、本実施形態では、第1〜第4実施形態と同様に、シール部材80、81がシール部材100、101によって挟まれる場合について説明する。図8に、本実施形態に用いられる回転式ポンプの断面図を示す。以下、図8に基づいて本実施形態の回転式ポンプについて説明する。
【0119】
図8に示すように、シール部材100、101によってシール部材80(81)が挟まれるように構成されている。この場合においても、寸法誤差によって樹脂部材80b(81b)の厚みが薄くなると、樹脂部材80b(81b)と樹脂部材100b(101b)との間に隙間が生じることとなる。
【0120】
このため、本実施形態では、第5実施形態と同様に、組付け前において樹脂部材80b(81b)の厚みが中央プレート73の厚み(樹脂部材100bから樹脂部材101bまでの間隔)よりも大きくなるようにし、樹脂部材80b(81b)が樹脂部材100b、101bと常に接するようにしている。
【0121】
そして、さらに、本実施形態では、駆動軸54の軸方向において、弾性部材100a(101a)と樹脂部材100b(101b)とを重ねた厚みが溝部71b(72b)の深さよりも大きくなるようにしている。これにより、樹脂部材100b、101bにによって、樹脂部材80b(81b)を挟み込む方向に荷重が加えられるようにしている。この荷重によって、図中点線で示される厚みを有していた樹脂部材80b(81b)を押し潰し、樹脂部材80b(81b)が樹脂部材100b、101bとより確実に接触するように構成している。
【0122】
このように、弾性部材100a、101aの弾性力によって、樹脂部材80b(81b)を挟み込む方向に荷重を掛けることができるため、樹脂部材80b(81b)と樹脂部材100b、101bとが接触するように構成でき、かつ樹脂部材100b、101bと中央プレート73が接触するようにできる。これにより、樹脂部材80b(81b)と樹脂部材100b、101bとの接触部からのブレーキ液洩れを低減できると共に、樹脂部材100b、101bとアウターロータ51及び樹脂部材100b、101bとインナーロータ52との間のブレーキ液洩れも低減することができる。
(第8実施形態)
図9(a)に本実施形態に用いられる回転式ポンプの断面構成を示す。また、図9(b)に、図9(a)の弾性部材100a、101aの全体図を示す。
【0123】
図9(a)、(b)に示すように、本実施形態では、弾性部材100a、101aをOリングで構成すると共に、シール部材80、81が配置される場所のみ、突起部100c、101cを設け、駆動軸54の軸方向における弾性部材100a、101aの厚みがOリングで構成された部分よりも大きくなるようにしている。具体的には、荷重がかけられる前の状態では、弾性部材100a、101aは、図中の点線で示される断面形状を成している。
【0124】
このように、突起部100c、101cを設けることにより、樹脂部材80b(81b)を押し潰すための荷重をより大きくすることができる。これにより、第7実施形態と同様の効果が得られる。
【0125】
このように、シール部材80、81が配置される場所のみ厚みを大きくしても、第6実施形態と同様に、樹脂部材100b、101bと樹脂部材80b(81b)との間におけるブレーキ液洩れを防止することができる。
(第9実施形態)
図10に本実施形態に用いられる回転式ポンプの断面構成を示す。
【0126】
図10に示すように、本実施形態では、樹脂部材100bを挟んで樹脂部材80b(81b)の反対側、及び樹脂部材101bを挟んで樹脂部材80b(81b)の反対側のそれぞれに、弾性部材100a、101aとは別構成となる樹脂部材100d、101dを配置している。図示していないが、溝部71b、72bは、樹脂部材100d、101dが配置される場所においてのみ、幅広形成されており、この幅広とされたスペースに収容されるように構成されている。
【0127】
この樹脂部材100d、101dの厚みは、図中点線で示されるように、樹脂部材100d(101d)と樹脂部材100b(101b)とを合わせた厚みが溝部71a(72a)の深さよりも大きくなるように設定されている。
【0128】
このように、樹脂部材100d、101dを配置すると、組付け時に加えられる荷重によって樹脂部材100d、101d及び樹脂部材80b(81b)が押し潰され、樹脂部材100b、101bと樹脂部材80b(81b)とが接触するようにでき、かつ樹脂部材100b、101bと中央プレート73が接触するようになっている。これにより、第7実施形態と同様の効果が得られる。
(第10実施形態)
図11に本実施形態に用いられる回転式ポンプの断面構成を示す。
【0129】
第8実施形態では、樹脂部材100d、101dによって樹脂部材100b、101bと樹脂部材80b(81b)とが接触するようにしているが、本実施形態では、金属バネ100e、101eを配置することにより、金属バネ100e、101eの弾性力に基づいて樹脂部材100b、101bが樹脂部材80b(81b)を挟む方向に荷重がかかるようにしている。
【0130】
このように、金属バネ100e、101eを配置することによっても第7実施形態と同様の効果が得られる。
(第11実施形態)
図12に本実施形態に用いられる回転式ポンプの断面構成を示す。
【0131】
第8実施形態では、樹脂部材100b、101bとは別構成の樹脂部材100d、101dを配置したが、樹脂部材100b、101bを部分的に突出させることにより、この突出した部分が図中点線部から押し潰され、樹脂部材100d、101dが樹脂部材80b(81b)を挟み込む方向に荷重を加えるように構成されている。
【0132】
このように、樹脂部材100b、101bを部分的に突出させることによって、樹脂部材100d、101dの役割を果たすことができ、第7実施形態と同様の効果が得られる。
(第12実施形態)
図13に本実施形態に用いられる回転式ポンプの断面構成を示す。
【0133】
第10実施形態では、樹脂部材100b、101bの突出部分を押し潰すことによって、樹脂部材100b、101bが樹脂部材80b(81b)を挟み込む方向に荷重がかけれるように構成されているが、本実施形態では、突出部分でバネを構成し、このばね力によって樹脂部材100b、101bに荷重ががけられるようにしている。
【0134】
このように、樹脂部材100b、101bの一部をバネ構成とすることによっても第7実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第13実施形態)
図14に本実施形態に用いられる回転式ポンプの断面構成を示す。
【0135】
第8実施形態では、樹脂部材100b、101bとは別構成の樹脂部材100d、101dを配置したが、溝部71b、72bの幅を所定深さの位置で狭くすることによって、溝部71b、72bの底において第1、第2のサイドプレート71、72を部分的に膨らませ、この膨らみによって樹脂部材100b、101bに荷重がかけられるようにしている。
【0136】
このように、第1、第2のサイドプレート71、72溝部71b、72bの
樹脂部材100b、101bを部分的に突出させることによっても、第7実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第14実施形態)
図15に本実施形態に用いられる回転式ポンプの断面構成を示す。
【0137】
本実施形態では、第12実施形態に対して、溝部71b、72bの底部において第1、第2のサイドプレート71、72を膨らませるだけでなく、さらに樹脂部材100b、101bに切欠きを設けることにより、樹脂部材100b、101bにバネ力を発生させている。
【0138】
これにより、樹脂部材100b、101bが樹脂部材80b(81b)を挟み込めるようにでき、第7実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第15実施形態)
上記第9〜第14実施形態では、駆動軸54の軸方向に樹脂部材80b(81b)の形状を変化させようとしている。
【0139】
図16に本実施形態に用いられる回転式ポンプの断面構成を示す。
【0140】
図16に示すように、本実施形態では、樹脂部材80b(81b)に切欠きを設け、駆動軸54の軸方向において樹脂部材80b(81b)を押し潰しやすいように構成している。
【0141】
このように構成することにより、樹脂部材80b(81b)の厚みが樹脂部材100bから樹脂部材101bまでの間隔よりも大きく設定されていても、樹脂部材80b(81b)に設けられた切欠きにより、樹脂部材80b(81b)がより押し潰されやすく、樹脂部材100b、101bが樹脂部材80b(81b)を確実に接触するようにでき、かつ、樹脂部材100b、101bと中央プレート73が確実に接触するようにできる。
【0142】
これにより、第7実施形態と同様の効果をえることができる。
(第16実施形態)
図17に本実施形態に用いられる回転式ポンプの断面構成を示す。
【0143】
本実施形態では、第7実施形態に対して、弾性部材100aと樹脂部材100bとを接着固定等によって一体とし、弾性部材101aと樹脂部材101bとを接着固定等によって一体としている。
【0144】
このように、弾性部材100a、101aと樹脂部材100b、101bとを一体とすることにより、第7実施形態と同様の効果が得られると共に、これらを溝71b、72b内に組付けるのが容易に行えるようにできる。
(第17実施形態)
本実施形態では、上記各実施形態(図2、図6参照)に対してシール部材80、81の形状変更を行う。
【0145】
図18に本実施形態に用いられるシール部材80の近傍の部分拡大図を示す。なお、シール部材81については、シール部材80と同様の形状であるため省略する。
【0146】
この図に示されるように、樹脂部材80b(81b)のうち、凹部73d(73e)の底側に位置する面をテーパ形状にしてテーパ面を形成している。具体的には、アウターロータ51の外周のうち、シール部材80(81)よりも紙面左側が吸入口60と連通する低圧側、紙面右側が吐出口61と連通する高圧側であるとすると、高圧側において樹脂部材80b(81b)の角部を落とした形状としている。そして、このテーパ面と溝部73d(73e)との間に弾性部材80a、81aを配置した構成としている。
【0147】
このような構成つとすることにより、弾性部材80a(81a)の弾性力によって樹脂部材80b(81b)がアウターロータ51の外周に押圧されると共に、アウターロータ51の外周の低圧側において樹脂部材80b(81b)が凹部73d(73e)の端面に接するようにできる。
(第18実施形態)
図19に本実施形態に用いられるシール部材80の部分拡大図を示す。
【0148】
この図に示されるように、本実施形態では、第17実施形態と同様に樹脂部材80b(81b)にテーパ面を形成し、さらに、弾性部材80a(81a)のうち樹脂部材80b(81b)のテーパ面と接する部分を平面としている。そして、この弾性部材80a(81a)の平面部分と、樹脂部材80b(81b)のテーパ面とを接着剤等によって接着し、弾性部材80a(81a)と樹脂部材80b(81b)とが一体となるようにしている。
【0149】
このように、弾性部材80a(81a)と樹脂部材80b(81b)とを一体とすることにより、シール部材80、81を溝部73d(73e)の中へ組付ける際の組付性を向上させることができる。
(第19実施形態)
上記第17実施形態のシール部材80(81)では、弾性部材80a(81a)によって樹脂部材80b(81b)を所定方向に押圧するように構成していたが、本実施形態では、凹部73d(73e)の底によって押圧するようにする。
【0150】
具体的には、図20に示すように、凹部73d(73e)のうち、樹脂部材80b(81b)のテーパ面に対向する部分をテーパ状とし、このテーパ部分によって樹脂部材80b(81b)を押圧するようにしている。このとき、図中の点線部分に示すように、樹脂部材80b(81b)の一部が押し潰される程度の押圧力を発生させるようにしている。
【0151】
このように、第17実施形態における弾性部材80a(81a)をなくし、凹部73d(73e)の底によって樹脂部材80b(81b)を押圧するようにすることによっても、第17実施形態と同様の方向に樹脂部材80b(81b)を押圧することができる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、シール部材100、101を円環状に構成しているが、このような形状以外でもよい。すなわち、シール部材100、101が、吐出口61と駆動軸54との間及び閉じ込み部53a、53bを通過し、アウターロータ51の外周まで達していればどの様な形状であってもよい。ただし、シールする必要がない部分、例えば、吐出口61、吸入口60、これら吐出口61や吸入口60と同等の圧力にしたいアウターロータ51の外周等をシール部材で覆う量を少なくすることによって接触抵抗を低減することが可能である。
【0152】
また、上記実施形態に示すように、シール部材100、101を円環状とした場合、シール部材100、101の径方向の幅によっては、閉じ込み部53a、53bがシール部材100、101で完全に覆われなくなる場合がある。
【0153】
この場合、各ロータ51、52の回転により、低圧であった閉じ込み部53aが高圧な吐出口61と連通したとき、若しくは吐出口61と連通していた閉じ込み部53bが吐出口61から離れる迄の間には、閉じ込み部53a、53bの内部のブレーキ液が高圧化しているため、シール部材100、101に覆われていない隙間からブレーキ液洩れが発生することが考えられる。このため、閉じ込み部53a、53bが形成された領域においてシール部材100、101の幅を広くし、閉じ込み部53a、53bがシール部材100、101で完全に覆われるようにすれば、上記ブレーキ液洩れを防止することができる。
【0154】
また、上記第5実施形態では、閉じ込み部53a、53b上においては、樹脂部材100b、101bがアウターロータ51及びインナーロータ52と接触するように構成している。これにより、閉じ込み部53a、53bが密閉されるようにしている。これに対し、図21に示すように樹脂部材100b、101bの形状を変更することも可能である。なお、樹脂部材100b、101bのうちアウターロータ51及びインナーロータ52等に接する部分を図中に点斜線で示す。
【0155】
図21に示す回転式ポンプは、図6に示した回転式ポンプに対して樹脂部材100b、101bの形状を変えたものである。なお、図21に示す回転式ポンプでは、シール部材80、81として図18に示すものを用いている。
【0156】
具体的には、図6に示す回転式ポンプでは、閉じ込み部53a及び閉じ込み部53bが位置する部位において樹脂部材100b、101bがアウターロータ51及びインナーロータ52と接するように構成されている。これに対して、図21では、閉じ込み部53a及び閉じ込み部53bに加えて、閉じ込み部53a及び閉じ込み部53bに隣接する空隙部53であって吐出口61側に位置するものが位置する部位においても樹脂部材100b、101bがアウターロータ51及びインナーロータ52と接するように構成している。つまり、樹脂部材100b、101bの点斜線部分を広くし、閉じ込み部53a側と閉じ込み部53b側のそれぞれにおいて2つ以上の空隙部53が点斜線部分によって覆われるようにしている。これにより、閉じ込み部53a、53bに隣接する空隙部53も密閉されるようにしている。
【0157】
そして、ポンプ駆動時にブレーキ液が閉じ込み部53a及びこれに隣接する空隙部53を通過する際に、ブレーキ液が閉じ込み部53a及びこれに隣接する空隙部53を圧縮で通過するように、つまり、閉じ込み部53a及びこれに隣接する空隙部53内で圧縮されるようにアウターロータ51とインナーロータ52とを組付けている。これにより、第5実施形態と同様の効果が得られる。
【0158】
さらに、閉じ込み部53a側と閉じ込み部53b側のそれぞれにおいて2つ以上の空隙部53が樹脂部材100b、101bによって密閉されるようにしているため、ロータの精度、組付け精度により、閉じ込み部53a近傍における内歯部51aと外歯部52aとの接触点(シール点)や、閉じ込み部53b近傍におけるトルク伝達点がばらついてもシール性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における回転式ポンプを備えたブレーキ装置の管路構成図である。
【図2】図1における回転式ポンプの具体的構成を示す図である。
【図3】第2実施形態におけるシール部材の拡大図である。
【図4】第3実施形態におけるシール部材の拡大図である。
【図5】(a)は第4実施形態におけるシール部材の拡大図、(b)は(a)の具体的構成を説明するための模式図である。
【図6】第5実施形態における回転式ポンプの具体的構成を示す図である。
【図7】第6実施形態における回転式ポンプの具体的構成を示す図である。
【図8】第7実施形態における回転式ポンプの具体的構成を示す図である。
【図9】第8実施形態における回転式ポンプの具体的構成を示す図である。
【図10】第9実施形態における回転式ポンプの具体的構成を示す図である。
【図11】第10実施形態における回転式ポンプの具体的構成を示す図である。
【図12】第11実施形態における回転式ポンプの具体的構成を示す図である。
【図13】第12実施形態における回転式ポンプの具体的構成を示す図である。
【図14】第13実施形態における回転式ポンプの具体的構成を示す図である。
【図15】第14実施形態における回転式ポンプの具体的構成を示す図である。
【図16】第15実施形態における回転式ポンプの具体的構成を示す図である。
【図17】第16実施形態における回転式ポンプの具体的構成を示す図である。
【図18】第17実施形態におけるシール部材80(81)の近傍の部分拡大図である。
【図19】第18実施形態におけるシール部材80(81)の近傍の部分拡大図である。
【図20】第19実施形態におけるシール部材80(81)の近傍の部分拡大図である。
【図21】他の実施形態における回転式ポンプの具体的構成を示す図である。
【符号の説明】
51…アウターロータ、51a…内歯部、52…インナーロータ、
52a…外歯部、53…空隙部、53a、53b…閉じ込み部、
54…駆動軸、60…吸入口、61…吐出口、71…第1のサイドプレート、
72…第2のサイドプレート、71a、72a…中心孔、
71b、72b…溝部、73…中央プレート、
73a、73b、73c…連通通路、80、81…シール部材、
100、101…シール部材、100a、101a…Oリング、
100b、101b…樹脂部材、100c、101c…樹脂部材。
Claims (19)
- マスタシリンダに発生しているブレーキ液圧よりもホイールシリンダに発生させるブレーキ液圧を高めるために、ホイールシリンダに向けてブレーキ液を供給する回転式ポンプを備えたブレーキ装置において、
内周に内歯部(51a)を有するアウターロータ(51)と、
外歯部(52a)を有すると共に駆動軸(54)を軸として回転運動するインナーロータ(52)とを備え、
前記内歯部と前記外歯部とを噛み合わせることによって複数の空隙部(53)を形成するように組み付けて構成した回転部と、前記駆動軸を嵌入する開口部(71a、72a)を有すると共に、前記回転部に流体を吸入する吸入口(60)及び前記回転部から前記流体を吐出する吐出口(61)とを有し、前記回転部を覆うケーシング(50)とを有し、
前記複数の空隙部のうち、体積が最大となる側の第1の閉じ込み部(53a)と体積が最小となる側の第2の閉じ込み部(53b)にて前記吸入口と前記吐出口との圧力差を保持しつつ、前記回転部の回転運動によって前記吸入口から前記流体を吸入し、前記吐出口を通じて前記流体を吐出するように構成されていると共に、
前記アウターロータの外周と前記ケーシングとの間と前記吐出口とが連通通路(73b、73c)を通じて連通された構成とされており、
前記インナーロータ及び前記アウターロータの軸方向端面と、前記ケーシングとの間の間隙部において、前記吐出口と前記駆動軸との間を通ると共に前記第1、第2の閉じ込み部を密閉して前記アウターロータの外周まで至る第1のシール手段(100、101)が備えられ、
前記第1のシール手段は、円環状で構成され、その円環状の内周側に前記駆動軸が配置されると共に外周側に前記吐出口が配置されることで、前記間隙部を通じて、前記吐出口側に位置する前記アウターロータの外周と前記吐出口に連通する前記空隙部とを高圧部として連通させると共に、前記駆動軸と前記インナーロータとの間と前記吸入口に連通する前記空隙部とを低圧部として連通させ、前記高圧部と前記低圧部との間をシールするように構成されている回転式ポンプ、を有していることを特徴とするブレーキ装置。 - マスタシリンダに発生しているブレーキ液圧よりもホイールシリンダに発生させるブレーキ液圧を高めるために、ホイールシリンダに向けてブレーキ液を供給する回転式ポンプを備えたブレーキ装置において、
内周に内歯部(51a)を有するアウターロータ(51)と、
外歯部(52a)を有すると共に駆動軸(54)を軸として回転運動するインナーロータ(52)とを備え、前記内歯部と前記外歯部とを噛み合わせることによって複数の空隙部(53)を形成するように組み付けて構成した回転部と、
前記駆動軸を嵌入する開口部(71a、72a)を有すると共に、前記回転部に流体を吸入する吸入口(60)及び前記回転部から前記流体を吐出する吐出口(61)とを有し、前記回転部を覆うケーシング(50)とを有し、
前記複数の空隙部のうち、体積が最大となる側の第1の閉じ込み部(53a)と体積が最小となる側の第2の閉じ込み部(53b)にて前記吸入口と前記吐出口との圧力差を保持しつつ、前記回転部の回転運動によって前記吸入口から前記流体を吸入し、前記吐出口を通じて前記流体を吐出するように構成されていると共に、
前記アウターロータの外周と前記ケーシングとの間と前記吐出口とが連通通路(73b、73c)を通じて連通された構成とされており、
前記インナーロータ及び前記アウターロータの軸方向端面と、前記ケーシングとの間の間隙部において、前記吐出口と前記駆動軸との間を通ると共に前記第1、第2の閉じ込み部を密閉して前記アウターロータの外周まで至る第1のシール手段(100、101)が備えられ、
前記第1のシール手段は、円環状で構成され、その円環状の内周側に前記駆動軸および前記吸入口が配置されると共に外周側に前記吐出口が配置されることで、前記間隙部を通じて、前記吐出口側に位置する前記アウターロータの外周と前記吐出口に連通する前記空隙部とを高圧部として連通させると共に、前記吸入口に連通する前記空隙部を低圧部として、前記高圧部と前記低圧部との間をシールするように構成されている回転式ポンプ、を有していることを特徴とするブレーキ装置。 - 前記ケーシングは、
前記回転部を収容する孔を有する中央プレート(73)と、
前記駆動軸が嵌入される孔(71a、72a)を有し、
前記中央プレートを挟み込む第1、第2のサイドプレート(71、72)とを備えており、前記第1、第2のサイドプレートには、前記吐出口と前記駆動軸との間を通ると共に、前記第1、第2の閉じ込み部を通過して前記アウターロータの外周まで至る溝部(71b、72b)が形成され、該溝部内に前記シール手段が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のブレーキ装置。 - 前記第1のシール手段は、
弾性体で構成されていると共に前記溝部の底側に配置された第1のシール部材(100a、101a)と、
該第1のシール部材よりも前記溝部の開孔側に配置された第2のシール部材(100b、101b)とを有しており、
前記第1のシール部材の弾性力によって前記第2のシール部材が前記インナーロータ及び前記アウターロータに接するようになっていることを特徴とする請求項3に記載のブレーキ装置。 - 前記第2のシール部材のうち、前記インナーロータ及び前記アウターロータと接する面の面積は、前記第1のシール部材に押圧される側の面積よりも小さくなっていることを特徴とする請求項4に記載のブレーキ装置。
- 前記第2のシール部材の前記インナーロータ及び前記アウターロータと接する面側には、段差部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のブレーキ装置。
- 前記第2のシール部材は、前記吐出口に連通する前記空隙部より前記駆動軸側においては、前記第2のシール部材が前記インナーロータに接するように構成され、該空隙部においては前記段差部によって該空隙部のそれぞれが前記アウターロータの外周部と連通するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載のブレーキ装置。
- 前記第2のシール部材の前記インナーロータ及び前記アウターロータと接する面のうち、前記第1のシール部材によって押圧される領域の長さ(S1)は、前記第1のシール部材によって押圧されない領域の長さ(S2)と一致していることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
- 前記第2のシール部材は、前記第1の閉じ込み部を密閉するように前記アウターロータ及び前記インナーロータと接触するように構成されていることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
- 前記第2のシール部材は、前記第1の閉じ込み部及び該第1の閉じ込み部に隣接する前記空隙部を含む少なくとも2つ以上の前記空隙部を密閉するように、前記アウターロータ及び前記インナーロータと接触するように構成されていることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
- 前記アウターロータ及び前記インナーロータは、前記第1の閉じ込み部をブレーキ液が通過する際に、該ブレーキ液が圧縮されて通過するように設定されていることを特徴とする請求項9又は10に記載のブレーキ装置。
- 前記アウターロータ及び前記インナーロータは、前記第1の閉じ込み部及び該第1の閉じ込み部に隣接する前記空隙部をブレーキ液が通過する際に、該ブレーキ液が圧縮されて通過するように設定されていることを特徴とする請求項10に記載のブレーキ装置。
- 前記第2のシール部材は、前記第2の閉じ込み部及び該第1の閉じ込み部に隣接する前記空隙部を含み少なくとも2つ以上の前記空隙部を密閉するように、前記アウターロータ及び前記インナーロータと接触するように構成されていることを特徴とする請求項4乃至12のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
- 前記溝部は円環状を成すと共に、前記駆動軸に対して偏心した配置となっており、前記第1のシール部材はOリングで構成され、前記第2のシール部材は円環状の樹脂部材で構成されていることを特徴とする請求項4乃至13のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
- 前記中央プレートの孔の内壁には、前記吐出口側に位置する前記アウターロータの外周と前記吸入口側に位置する前記アウターロータの外周との間において2つの凹部(73d、73e)が形成され、一方が前記第1の閉じ込み部側に形成されていると共に、他方が前記第2の閉じ込み部側に形成されており、前記2つの凹部のそれぞれに、前記アウターロータの外周におけるブレーキ液の流動をシールする第2のシール手段(80、81)を備えていることを特徴とする請求項3乃至14のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
- 前記2つの凹部は、前記第1、第2の閉じ込み部を結んでできる線よりも前記吸入口側に配置されていることを特徴とする請求項15に記載のブレーキ装置。
- 前記第1のシール手段は、前記駆動軸の軸方向からみて前記第2のシール手段と接して設けられるように構成されていることを特徴とする請求項15又は16に記載のブレーキ装置。
- 前記第2のシール手段は、前記凹部の底側に配置された弾性部材(80a、81a)と、前記凹部の開孔側に配置された樹脂部材(80b、81b)とを有しており、前記駆動軸の軸方向における前記樹脂部材の幅は、前記中央プレートの厚みよりも大きくされており、前記第1のシール手段によって前記軸方向に荷重がかかるように構成されていることを特徴とする請求項17に記載のブレーキ装置。
- 踏力に基づいてブレーキ液圧を発生させるブレーキ液圧発生手段(1〜3)と、
前記ブレーキ液圧に基づいて車輪に制動力を発生させる制動力発生手段(4、5)と、
前記ブレーキ液圧発生手段に接続され、前記制動力発生手段に前記ブレーキ液圧を伝達する主管路(A)と、
前記ブレーキ液圧発生手段に接続され、前記制動力発生手段が発生させる制動力を高めるために、前記主管路側にブレーキ液を供給する補助管路(D)と、を有し、
前記回転式ポンプが、前記吸入口が前記補助管路を通じて前記ブレーキ液圧発生手段側のブレーキ液を吸入でき、前記吐出口が前記主管路を通じて前記制動力発生手段に向けてブレーキ液を吐出できるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
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