JP3738568B2 - 回転式ポンプを備えたブレーキ装置 - Google Patents

回転式ポンプを備えたブレーキ装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体を吸入・吐出する回転式ポンプを備えたブレーキ装置に関し、特にトロコイドポンプ等の内接歯車ポンプを備えるブレーキ装置に適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】
内接型の回転式ポンプとして、トロコイドポンプがある。このトロコイドポンプを図4に示す。この図に示すように、トロコイドポンプは、外周に外歯部201aを備えたインナーロータ201、内周に内歯部202aを備えたアウターロータ202、及びこれらアウターロータ202とインナーロータ201を収納するケーシング204等から構成されている。インナーロータ201及びアウターロータ202は、内歯部202aと外歯部201aとが互いに噛み合わさり、これら互いの歯によって複数の空隙部203を形成した状態でケーシング204内に配置されている。
【0003】
アウターロータ202とインナーロータ201の両中心軸X′、Y′を通る線をポンプの中心線Z′とすると、この中心線Z′を挟んだ両側には、上記複数の空隙部203と連通する吸入口205や吐出口206が備えられている。ポンプ駆動時には、インナーロータ201は中心軸Y′を駆動軸として回転運動し、それに伴って外歯部201aと内歯部202aの噛合によりアウターロータ202も同方向へ回転する。このときに、それぞれの空隙部203の容積がアウターロータ202及びインナーロータ201が1回転する間に大小に変化して吸入口205からオイルを吸入し、吐出口206でオイルを吐き出すようになっている。
【0004】
このように動作するトロコイドポンプ等の内接型ギアポンプの問題として、アウターロータ202とインナーロータ201との隙間から生じるオイル洩れがある。これは、アウターロータ202とインナーロータ201とが噛み合ってできる複数の空隙部203のうち、体積が最大となる部分において、吐出圧と吸入圧との圧力差によってアウターロータ202がインナーロータ201から離れ、隙間が開いてしまうことから発生する。
【0005】
この体積が最大となる部分は、吸入口205と吐出口206のいずれにも連通していない閉じ込み部となっており、吸入圧と吐出圧の圧力差を保持して、ポンプによる吸入・吐出動作を円滑に行う上で重要な役割を果たしている所であるが、上記のようにオイル洩れが発生するとこの円滑なポンプ動作ができなくなってしまう。たとえば回転部のロック発生や高圧吐出の不可等の問題が発生する。
【0006】
このため、実開平5−6170号公報では、アウターロータ202とインナーロータ201との隙間をなくし、この隙間からのオイル洩れを防止するようにしている。
具体的には、閉じ込み部近傍におけるアウターロータ202とケーシング204との間隙L1を、閉じ込み部の反対側におけるアウターロータ202とケーシング204との間隙L2よりも小さくすることによって、ケーシング204内面のうち紙面右側の部分(点P)にアウターロータ202を押しつけると共に、アウターロータ202を紙面下側に移動させて、閉じ込み部におけるアウターロータ202とインナーロータ201の隙間が塞がるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、アウターロータ202やインナーロータ201は、製造段階で製造誤差が発生するため、アウターロータ202における内歯部202aの高さ(径方向の長さ)やインナーロータ201における外歯部201aの高さ(径方向の長さ)はそれぞれ異なった状態となる。このため、駆動軸、インナーロータ201、アウターロータ202及びケーシング204相互間のクリアランスの設定は、例えば内歯部202aのうち最大の高さのものと外歯部201aのうち最大の高さのものとを一致させた状態で設定する等の方法で行われる。
【0008】
しかしながら、上述したように、各内歯部202aと各外歯部201aの高さが異なっているため、クリアランスを設定した時よりも内歯部202aや外歯部201aの高さが低いものが閉じ込み部に位置するときに、内歯部202aと外歯部201aの間に隙間が開いてしまい、この隙間からオイル洩れが発生してしまうという問題が発生する。
【0009】
また、吐出圧が高圧となったときには、ケーシング204内面のうち紙面右側の部分(点P付近)にアウターロータ202を押しつける力が大きくなり、ポンプ駆動が円滑に行われなくなったり、さらにアウターロータ202及びインナーロータ201がケーシングに対してロックしてしまってポンプ駆動が行えなくなるという問題がある。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みて成され、ブレーキ装置で用いられ高圧吐出を行う回転式ポンプにおいて、吐出漏れを無くして高圧吐出を可能とするとともに吐出圧が高圧なときにもポンプ駆動が安定して行える回転式ポンプを備えたブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1に記載の発明においては、アウターロータ(51)の中心軸(X)とインナーロータ(52)の中心軸(Y)とを結んでできる線(Z)上に内歯部(51a)と外歯部(52a)の先端同士が位置するときに、第1の閉じ込み部(53a)におけるアウターロータとインナーロータとの間隙(L2)が零になる状態で、アウターロータの外周のうち第1の閉じ込み部が形成されている側における該アウターロータとケーシングとの間隙(L1)と、第2の閉じ込み部が形成されている側における該アウターロータとケーシングとの間隙(L4)とが同等の間隔空くように組付けられていることを特徴としている。
【0012】
このような構成とすることにより、アウターロータの外周とケーシングの内周壁とがインナーロータの中心軸よりも第2の閉じ込み部側で接触するようできる。このため、高圧吐出時においてもアウターロータがインナーロータとケーシングとの間に挟まれてロックすることもないため、ポンプ駆動が安定して行える回転式ポンプとすることができる。さらに、インナーロータが伝達するトルクによって第1の閉じ込み部の隙間を縮小する方向にアウターロータを移動させるので、第1の閉じ込み部における外歯部と内歯部の間におけるオイル洩れが防止できる。
【0013】
なお、請求項2に示すように、第1の閉じ込み部が形成されている側におけるインナーロータと駆動軸との間隙(L3)は、インナーロータと駆動軸との間隙の平均値となるように組付けられればよい。
請求項3に記載の発明においては、内歯部のうち最も高さが高い部分(d1max)と外歯部のうち最も高さが高い部分(d2max)がアウターロータの中心軸とインナーロータの中心軸とを結んでできる線上で、かつ第1の閉じ込み部が形成されている側に位置するときに組付けられていることを特徴としている。
【0014】
このような構成とすることにより、例えば、アウターロータの中心軸とインナーロータの中心軸とを結んでできる線上で、かつ第1の閉じ込み部が形成されている側に、作動中は組付け時の内歯部や外歯部ゆおりも高さが必ず低い歯がくるので、アウターロータの外周とケーシングの内周壁とはアウターロータの中心軸よりも第2の閉じ込み部側で接触するようにでき、高圧吐出時においてもアウターロータがインナーロータとケーシングとの間に挟まれてロックすることもなく、安定してポンプ駆動が行える回転式ポンプとすることができる。
【0015】
また、請求項4に示すように、ケーシングに、吸入口(60)側におけるアウターロータの外周と吸入口とを連通する低圧側導通経路(71b)と、吐出口(61)側におけるアウターロータの外周と吐出口とを連通する高圧側導通経路(71c)とを備えることにより、アウターロータの吐出側の外周と内周(歯面側)の圧力、及びアウターロータの吸入口側の外周と内周(歯面側)の圧力をバランスさせることができ、それにより、アウターロータが油圧力によりケーシングに接触する力を低減し、摺動抵抗を減らすことが可能となり、ロックせず、かつモータ回転数の低下も少なく、安定して良好なポンプ性能が得られる。
【0016】
請求項5に記載の発明においては、高圧側導通経路と低圧側導通経路の間におけるアウターロータの外周のうち、第1、第2の閉じ込み部が形成されている側には、それぞれの間における流体の流動を抑制する第1、第2のシール手段(80、90)が備えられていることを特徴としてる。
このように、アウターロータの外周の高圧な部分と低圧な部分とをシールする第1、第2のシール部材を備えることにより、アウターロータの外周の高圧な部分から低圧な部分への流体洩れを防止することができ、アウターロータの外周の高圧な部分から低圧な部分への流体洩れを防止することができる。これにより、ポンプの容積効率を向上させると同時に、請求項4と同様の効果をより一層大きくできる。つまり、洩れを防止することでアウターロータの外周と内周(歯面側)の圧力をより一層バランスさせることができる。
【0017】
なお、本ブレーキ装置においては、、吸入口をブレーキ液圧発生手段側に向け、吐出口を制動力発生手段側に向けて補助管路に回転式ポンプを設けることができる。また、吸入口を主管路(A)のブレーキ液圧発生手段(3)、例えばマスタシリンダシリンダにつなげるか、またはマスタシリンダのリザーバ(3a)の直接つなげることもできる。
【0018】
このような構成を有するブレーキ装置においては、踏力に基づき発生したブレーキ液圧によって補助管路内のブレーキ液圧は高圧となる。しかしながら、上述したように、高圧吐出時においても、第1の閉じ込み部におけるオイル洩が発生したり、アウターロータがインナーロータとケーシングとの間に挟まってロックしたりせず安定したポンプ動作が行えるため、高圧なブレーキ液圧が印加されるブレーキ装置用のポンプに用いても良好なポンプ動作が可能である。これにより、上記回転式ポンプを用いてブレーキ動作を良好に行えるブレーキ装置とすることができる。
【0019】
なお、請求項6に記載の如く、アウターロータが中央プレートの内周面において、アウターロータの中心軸(X)を通る吸入口と吐出口との中心を結ぶ直線上における吐出口近傍で接触するように、すなわち、図3中の紙面右側略水平方向において、アウターロータが中央プレートに接触するようにしている。これにより、回転式ポンプのロックが極力防止でき円滑動作を確保できる。
【0021】
なお、このようなアウターロータと中央プレートとの接触点となるようにする具体的な手法として、請求項8〜10に記載の内容を付加することが有効である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施形態について説明する。
図1に、回転式ポンプとしてトロコイドポンプを適用したブレーキ装置のブレーキ配管概略図を示す。以下、ブレーキ装置の基本構成を、図1に基づいて説明する。本例では前輪駆動の4輪車において、右前輪−左後輪、左前輪−右後輪の各配管系統を備えるX配管の油圧回路を構成する車両に本発明によるブレーキ装置を適用した例について説明する。
【0023】
図1に示すように、ブレーキペダル1は倍力装置2と接続されており、この倍力装置2によりブレーキ踏力等が倍力される。
そして、倍力装置2は、倍力された踏力をマスタシリンダ3に伝達するブッシュロッド等を有しており、このブッシュロッドがマスタシリンダ3に配設されたマスタピストンを押圧することによりマスタシリンダ圧が発生する。なお、これらブレーキペダル1、倍力装置2及びマスタシリンダ3がブレーキ液圧発生手段に相当する。
【0024】
また、このマスタシリンダ3には、マスタシリンダ3内にブレーキ液を供給したり、マスタシリンダ3内の余剰ブレーキ液を貯留するマスタリザーバ3aが接続されている。
そして、マスタシリンダ圧は、アンチロックブレーキ装置(以下、ABSという)の機能を有するブレーキアシスト系を介して右前輪FR用のホイールシリンダ4及び左後輪RL用のホイールシリンダ5へ伝達されている。以下の説明は、右前輪FR及び左後輪RL側について説明するが、第2の配管系統である左前輪FL及び右後輪RR側についても全く同様であるため、説明は省略する。
【0025】
そして、このブレーキ装置はマスタシリンダ3に接続する管路(主管路)Aを備えており、この管路Aには比例制御弁(PV:プロポーショニングバルブ)22が備えられている。そして、この比例制御弁22によって管路Aは2部位に分けられている。すなわち管路Aは、マスタシリンダ3から比例制御弁22までの間の管路A1と、比例制御弁22から各ホイールシリンダ4、5までの間の管路A2に分けられる。
【0026】
この比例制御弁22は、通常、正方向( 本実施例ではホイールシリンダ側からマスタシリンダ側が正方向)にブレーキ液が流動する際には、ブレーキ液の基準圧を所定の減衰比率をもって下流側に伝達する作用を有している。そして、図1に示すように、比例制御弁22を逆接続することにより、管路A2側が基準圧となる。よって、ホイールシリンダ側からマスタシリンダ側への比例制御弁22を介するブレーキ液の流動は、比例制御弁22に設定されている周知の折れ点圧力よりもホイールシリンダ圧及びマスタシリンダ圧が高い場合には所定比率にて圧力減衰のもとに行われる。なお、このような作用を実現する比例制御弁22はマスタシリンダ3とホイールシリンダ4,5側との間の差圧を、ホイールシリンダ側の方が高くなるように保持する差圧制御弁として構成されている。
【0027】
また、管路A2において、管路Aは2つに分岐しており、開口する一方にはホイールシリンダ4へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁30が備えられ、他方にはホイールシリンダ5へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁31が備えられている。
これら増圧制御弁30、31は、電子制御装置(以下、ECUという)により連通・遮断状態を制御できる2位置弁として構成されている。そして、この2位置弁が連通状態に制御されているときには、マスタシリンダ圧あるいはポンプのブレーキ液の吐出によるブレーキ液圧を各ホイールシリンダ4、5に加えることができる。
【0028】
なお、ホイールシリンダ圧の減圧が実行されていない時等ECUによるホイールシリンダ圧制御が行われていないノーマルブレーキ時には、これら第1、第2の増圧制御弁30、31は常時連通状態に制御されている。なお、増圧制御弁30、31には、それぞれ安全弁30a、31aが並列に設けられており、ブレーキ踏み込みを止めてABS制御が終了したとき等においてホイールシリンダ4、5側からブレーキ液を迅速に排除するようになっている。
【0029】
また、第1、第2の増圧制御弁30、31と各ホイールシリンダ4、5との間における管路Aとリザーバ20のリザーバ孔20aとを結ぶ管路Bには、ECUにより連通・遮断状態を制御できる減圧制御弁32、33がそれぞれ配設されている。これらの減圧制御弁32、33はノーマルブレーキ状態では、常時遮断状態とされている。
【0030】
管路Aの比例制御弁22と増圧制御弁30、31とリザーバ20のリザーバ孔20aとを結ぶ管路Cには回転式ポンプ10が安全弁10a、10bに挟まれて配設されている。なお、安全弁10a、10bは回転式ポンプ10に内蔵されるようにしてもよい。また、この回転式ポンプ10にはモータ11が接続されており、このモータ11によって回転式ポンプ10は駆動される。なお、この回転式ポンプ10についての詳細な説明は後述する。
【0031】
また、回転式ポンプ10が吐出したブレーキ液の脈動を緩和するために、管路Cのうち回転式ポンプ10の吐出側にはダンパ12が配設されている。そして、リザーバ20と回転式ポンプ10の間と、マスタシリンダ3とを接続するように管路(補助管路)Dが設けられており、回転式ポンプ10はこの管路Dを介して管路A1のブレーキ液を汲み取り、管路A2へ吐出することによってホイールシリンダ4、5におけるホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧よりも高くして車輪制動力を高める。
【0032】
そして、この管路Dには制御弁34が設けられており、この制御弁34はノーマルブレーキ時には常時遮断状態とされている。
なお、このときの管路Dから伝えられる液圧により、管路Cからリザーバ20へ逆流しないように管路C及び管路Dの接続部とリザーバ20の間には逆止弁21が配設されている。
【0033】
また、制御弁40は通常は連通状態であるが、マスタシリンダ圧が所定圧よりも低いときすなわち比例制御弁22の折れ点圧力よりもマスタシリンダ圧が低い時にホイールシリンダ4、5に急ブレーキをかける時、或いはTRC時に遮断されマスタシリンダ側とホイールシリンダ側との差圧を保つようになっている。なお、この制御弁40が遮断されて急ブレーキをかける時の具体的な例として、たとえば倍力装置2の倍力機能が低下あるいは失陥した場合のブレーキ時を上げることができる。
【0034】
次に、図2(a)に回転式ポンプ10の模式図を示し、また図2(b)に図2(a)のA−O−B矢視断面図を示す。まず、図2(a)、(b)に基づき回転式ポンプ10の構造について説明する。
この回転式ポンプ10におけるケーシング50のロータ室50a内には、アウターロータ51及びインナーロータ52が、それぞれの中心軸(図中の点Xと点Y)が偏心した状態で組付けられて収納されている。また、アウターロータ51は内周に内歯部51aを備えており、インナーロータ52は外周に外歯部52aを備えている。そして、これらアウターロータ51とインナーロータ52が互いの歯部によって複数の空隙部53を形成して、噛合面Sにて噛み合わさっている。なおインナーロータ52の歯部52aは、通常のトロコイド平行曲線とは異なり、凸側が円弧状のR形状を成している。
【0035】
なお、図2(a)からも判るように、本実施形態の回転式ポンプ10は、アウターロータ51の内歯部51aとインナーロータ52の外歯部52aとで空隙部53を形成する、仕切り板(クレセント)なしの多数歯トロコイドタイプのポンプである。また、インナーロータ52の回転トルクを伝えるために、インナーロータ52とアウターロータ51とは噛合面Sにて複数の接触点( すなわち接触面)を有している。
【0036】
図2(b)に示されるように、ケーシング50は、両ロータ51、52を両側から挟むように配置される第1のサイドプレート部71及び第2のサイドプレート部72と、これら第1、第2のサイドプレート部71、72間に配設され、アウターロータ51及びインナーロータ52を収容する孔が設けられた中央プレート部73とから構成されており、これらによってロータ室50aが形成される。
【0037】
また、第1、第2のサイドプレート71、72の中心部には、ロータ室50a内と連通する中心孔71a、72aが形成されており、これら中心孔71a、72aにはインナーロータ52に配設された駆動軸54が嵌入されている。この駆動軸54にはキー54aが備えられており、このキー54aを介して駆動力が伝達されるようになっている。そして、アウターロータ51及びインナーロータ52は、中央プレート部73の孔内において回転自在に配設されている。つまり、アウターロータ51及びインナーロータ52で構成される回転部は、ケーシング50のロータ室50a内を回転自在に組み込まれ、アウターロータ51は点Xを軸として回転し、インナーロータ52は点Yを軸として回転することになる。
【0038】
さらに、アウターロータ51及びインナーロータ52のそれぞれの回転軸となる点Xと点Yを通る線を回転式ポンプ10の中心線Zとすると、第1のサイドプレート部71のうち中心線Zを挟んだ左右には、ロータ室50aへ連通する吸入口60と吐出口61が形成されている。この吸入口60及び吐出口61は、複数の空隙部53に連通する位置に配設されている。そして、吸入口60を介して外部からのブレーキ液を空隙部53内に吸入し、吐出口61を介して空隙部53内のブレーキ液を外部へ吐出することができるようになっている。
【0039】
複数の空隙部53のうち、体積が最大となる閉じ込み部53aおよび体積が最小となる綴じ込み部53bは、実質的に吸入口60及び吐出口61のいずれにも連通しないようになっており、この閉じ込み部53aによって吸入口60における吸入圧と吐出口61における吐出圧との差圧を保持している。
第1のサイドプレート部71には、アウターロータ51の外周と吸入口60とを連通する導通経路71bと、アウターロータ51の外周と吐出口61とを連通する導通経路71cが設けられている。導通経路71bは、アウターロータ51の回転軸となる点Xを中心として中心線Zから吸入口60方向へ約90度の位置に配設されている。また、導通経路71cは、吐出口61と連通する複数の空隙部53のうち、最も閉じ込み部53aに近い空隙部53とアウターロータ51の外周とを連通するように形成されており、点Xを中心として中心線Zから吐出口61方向へ約22.5度の位置に配設されている。
【0040】
そして、中央プレート73の孔を形成する中央プレート73の壁面であって、アウターロータ51の回転軸となる点Xを中心として中心線Zから吸入口60方向へ約45度の位置と約135度の位置には、それぞれ凹部73a、73bが形成されている。これら凹部73a、73b内には、アウターロータ51の外周におけるブレーキ液の流動を抑制するためのシール部材80、90が備えられている。具体的には、シール部材80、90は、導通経路71bと導通経路71cの間のそれぞれに配設されており、アウターロータ51と中央プレート73との間のクリアランスにおいてブレーキ液圧が低圧になる部分と高圧になる部分をシールするように低圧側の吸入口側に配置されている。なお、本実施例では、アウターロータ51の円筒外周面部分ではないサイドプレート71、72と接触する側の両平面では、第1、第2のサイドプレート71、72とインナーロータ52およびアウターロータ51との間のシール性が十分確保されているものとする。なおこの面におけるシール性の確保は、インナーロータ52およびアウターロータ51と各サイドプレート71、72との間のクリアランスを極力縮小したりあるいは別途シール部材を入れるようにしてもよい。
【0041】
これらシール部材80、90は、略円筒状をしたゴム部材80a、90aと、直方体形状をしたテフロン製の樹脂部材80b、90bとから構成されている。そして、樹脂部材80b、90bはゴム部材80a、90aによって押されて、アウターロータ51に接するようになっている。すなわち、製造誤差等によってアウターロータ51の大きさに若干の誤差分が生じるため、この誤差分を弾性力を有するゴム部材80a、90aによって吸収できるようにしている。
【0042】
樹脂部材80bの幅は、凹部73a内に樹脂部材80bを配置したときに、ある程度隙間が空く程度になっている。つまり、樹脂部材80bの幅を凹部73aの幅と同等に形成すると、ポンプ駆動時におけるブレーキ液圧の流動によって樹脂部材80bが凹部73a内に入り込んだときに出てきにくくなるため、多少隙間が空く程度の大きさで樹脂部材80bを形成することで樹脂部材80bの上部にブレーキ液が入り込むようにして、このブレーキ液の圧力によって樹脂部材80bが凹部73a内から出てき易いようにしている。
【0043】
このような構造を有する回転式ポンプ10は、図3に示すような配置関係で組付けられている。この配置関係について、回転式ポンプ10の組付けと共に説明する。
回転式ポンプ10は、駆動軸54とインナーロータ52及びアウターロータ51とを中央プレート73の孔内に配置した( インナーロータ52→アウターロータ51の順に配置)のち、中央プレート73を第1、第2のサイドプレートと固定することによって組付けられる。この固定の方法は中央プレートと各サイドプレートとの間のネジ締め固定あるいは中央プレートと各サイドプレートとの外周面においてレーザー溶接等により実行すればよい。
【0044】
このとき、中央プレート73内で駆動軸54、インナーロータ52及びアウターロータ51は互いに多少隙間( クリアランス) をもって配置されている。
具体的には、図3に示すように、中心線Z上における紙面上側(閉じ込み室53aの近傍)におけるアウターロータ51と中央プレート73との隙間を間隔L1、アウターロータ51とインナーロータ52との歯先先端間の隙間を間隔L2、駆動軸54とインナーロータ52との隙間を間隔L3とし、紙面下側(閉じ込み室53aの反対側)におけるアウターロータ51と中央プレート73との隙間を間隔L4とすると、本実施形態では中心線Z の直線上において、間隔L2が零になるようにし、L3をインナーロータ52の内径と駆動軸54の外径との差の平均値に設定して、間隔L1、L4を略同等の間隔になるよう組付けている。つまり、間隔L1と間隔L4とを略同等の間隔だけ空けることで、アウターロータ51の外周壁が中央プレート73の内周壁の紙面上で上部と下部には接しないようにしている。
【0045】
だだし、アウターロータ51に形成された内歯部51aの高さ(径方向の長さ)d1やインナーロータに形成された外歯部52aの高さ(径方向の長さ)d2は、製造誤差によって異なる場合があるため、内歯部51aのうち最も高さが大きいものd1maxと外歯部52aのうち最も高さが大きいものd2maxとを閉じ込み部53aの位置(中心線Z上)に配置した状態で上記配置関係が満たされるようにする。
【0046】
つまり、駆動軸の中心(インナーロータの中心)を原点(0,0)と考え、中心線ZをY軸と見なすと、紙面上方において中心線Zと交わる中央プレート73の内周壁のY座標Pyは、次式1のように示される。
【0047】
【数1】
Py=d3+S/2+d2max+0+d1max+G/2
但し、数式1では、外周クリアランス(中央プレート73の内周壁の径−アウターロータ51の外径)をG、インナーロータ52の内径クリアランス(インナーロータ52の内径−駆動軸54の外径)をSとしている。なお、この式の右辺におけるS/2はL3の設定値に該当し、0(零)はL2の設定値に該当し、G/2はL1の設定値に該当する。
【0048】
ここで、外周クリアランスGは、以下のように設定されている。
アウターロータ51の移動量は、内歯部51aの製造誤差や外歯部52aの製造誤差に依存している。具体的に、アウターロータ51の紙面下側への移動量の最大値を考えてみると、内歯部51aのd1maxと外歯部52aのd2maxとが中心線Z上の閉じ込み部53aの側に位置する時に最も紙面上側にアウターロータ51が位置し、内歯部51aの高さが最小となるd1minと外歯部52aの高さが最小となるd2minとが中心線Z上の閉じ込み部53aの側に位置する時に最も紙面下側にアウターロータ51が位置することから、これらの差分がアウターロータ51の移動量の最大値となる。
【0049】
従って、アウターロータ51が中央プレート73の内周壁の半分より紙面上側で接しないように、アウターロータ51の移動量の最大値を見込んで外周クリアランスGを設定する必要がある。このため、本実施形態では、製造誤差によるアウターロータ51の移動を見込んで、間隔L1と間隔L4をアウターロータ51の移動量の最大値以上、つまり外周クリアランスGをアウターロータ51の移動量の2倍以上に設定している。
【0050】
なお、内歯部51aのうち最も高さが大きいものd1maxと外歯部52aのうち最も高さが大きいものd2max以外のものを閉じ込み部53aの位置に配置した状態で上記配置関係を満たすように設定した場合、設定したときよりも内歯部51aの高さと外歯部52aの高さの和が大きくなったときに、その分だけアウターロータ51が持ち上がってしまうが、上記配置関係で組付けることによりこれを防止することができる。
【0051】
なお、アウターロータ51の内歯部51aやインナーロータ52の外歯部52aの製造誤差によって、閉じ込み部53a以外の部分で先に内歯部51aと外歯部52aとが接して、閉じ込み部53aにおいて隙間が発生してしまう可能性があるが、上述したように、インナーロータ52の外歯部52aの凸側はR形状となっているため、製造誤差による影響をほぼ受けないようにでき、閉じ込み部53aにおいて隙間が発生しないようにできる。
【0052】
次に、このように構成されたブレーキ装置及び回転式ポンプ10の作動について説明する。
ブレーキ装置に備えられた制御弁34は、大きな制動力を必要とする場合、例えばブレーキ踏力に対応した制動力が得られない場合やブレーキペダル1の操作量が大きいとき等に適宜連通状態にされる。そして、管路Dを通じてブレーキペダル1の踏み込みによって発生している高圧なマスタシリンダ圧が回転式ポンプ10にかかる。
【0053】
一方、回転式ポンプ10は、モータ11の駆動により駆動軸54の回転に応じてインナーロータ52が回転運動し、それに伴って内歯部51aと外歯部52aの噛合によりアウターロータ51も同方向へ回転する。このとき、それぞれの空隙部53の容積がアウターロータ51及びインナーロータ52が1回転する間に大小に変化するため、吸入口60からブレーキ液を吸入し、吐出口61から管路A2に向けてブレーキ液を吐き出す。この吐出されたブレーキ液によってホイールシリンダ圧を増圧する。
【0054】
このように、本回転式ポンプ10はロータ51、52が回転することによって吸入口60からブレーキ液を吸入し、吐出口61からブレーキ液を吐出するという基本的なポンプ動作を行うことができる。
このとき、回転式ポンプ10を上記構成とし、さらに間隔L1、L2、L3、L4を上記関係としているため、ブレーキ液の圧力及びインナーロータ52からのトルク伝達が以下のように作用する。
【0055】
まず、吸入口60及び吐出口61はそれぞれ、低圧な吸入圧と高圧な吐出圧のブレーキ液で満たされる。なお、低圧な吸入圧とはマスタシリンダ圧である。また、アウターロータ51の外周のうち吸入口60側は導通経路71bを通じて連通されるブレーキ液によって吸入圧とされ、アウターロータ51の外周のうち吐出口61側は導通経路71cを通じて連通されるブレーキ液によって吐出圧とされる。
【0056】
このため、中心線Zを中心とした紙面右側において、アウターロータ51の外周面内周面(歯面側)は共に高圧となる。また、中心線Zを中心とした紙面左側において、アウターロータ51の外周面及び内周面(歯面側)は共に低圧となる。これらの圧力関係によってアウターロータ51は紙面縦方向、横方向にほぼ釣り合った状態となり、油圧により移動させられる力はあまり受けなくなる。このため、アウタロータ51における紙面縦方向、横方向の圧力がバランスされて、アウターロータ51の外周と中央プレート73の内周との摩擦による摺動抵抗が小さくなり、回転式ポンプ51を安定してバランス良く駆動できるようになっている。なお紙面縦方向のバランスは、シール部材の各々80,90が吐出口および吸入口に対してバランスされて配置されていることにより達成されている。ただし、実際には、噛合面Sに作用するインナーロータ52によるアウターロータ51を回転するための作用力が紙面略左斜め下側に作用するため、ポンプ動作中においては中央プレート73とアウターロータ51との間の隙間は紙面下側の方が小さくなる可能性がある。
【0057】
そして、インナーロータ52のトルクは、インナーロータ52とアウターロータ51とが噛み合っている場所の接線に対して垂直な方向、つまり図3の矢印で示すように紙面左下方向へ作用する。
このため、内歯部51aの高さと外歯部の高さ52aとが製造誤差によって変動しても、紙面左下に作用するトルクがアウターロータ51を紙面下方に移動させるように作用し、間隔L2を縮小させる。
【0058】
従って、アウターロータ51とインナーロータ52とが形成する閉じ込み部53aにおける隙間をなくすことができ、この隙間を通じて吐出口61から吸入口60へブレーキ液が洩れるのを防止することができる。
また、本実施形態では、連通経路71b、71cを設けていることから、上述したように、アウターロータ51の外周において低圧な部分と高圧な部分が生じるため、アウターロータ51の外周の隙間を通じて高圧な部分から低圧な部分へブレーキ液が洩れる可能性がある。これを導通経路71bと導通経路71dの間に形成したシール部材80、90によって防止している。
【0059】
すなわち、シール部材80、90によって、アウターロータ51の外周の低圧な部分と高圧な部分をシールして分離しているため、アウターロータ51の外周を通じて吐出口61側の高圧部分から吸入口50側の低圧部分に向けてオイル洩れが発生しないようになっている。このため、アウターロータ51の内外における圧力バランスが保持され、ポンプ駆動を安定して行えるようになっている。
【0060】
また、図4に示す上記従来公報におけるトロコイドポンプでは、吐出圧が低圧の際にはポンプ駆動が行えるが、吐出圧が高圧の際にはアウターロータとインナーロータとがロックして回転しなくなってしまいポンプ駆動が行えなくなるという問題もあった。
これは、高圧吐出時に吐出口203の圧力が高くなり、さらにアウターロータ202の外周の吸入口60側の圧力が吐出口203から外周への洩れにより高圧になってしまうために、アウターロータ202は紙面右方向に強く押され、かつアウターロータ202とケーシング204は、ケーシング中心より上部(点P付近)で接触する位置関係になっているためアウターロータ202には、強い紙面下向きの力が働いてしまう。つまり、アウターロータ202は、ケーシング204のP点付近から受ける紙面下向きの力とインナーロータ201の紙面上部から受ける紙面上向きの力とにより挟み込まれた状態となり、インナーロータ201及びアウターロータ202が回転しなくなってロックしてしまうのである。
【0061】
この点について本実施形態の回転式ポンプ10においては、アウターロータ51の外周とケーシング50の内周壁とがアウターロータ51の中心軸よりも第2の閉じ込み部53b側で接触するようになっていることと、さらにアウターロータ51の内外における圧力バランスが保持されているためアウターロータ51とケーシング50との摺動抵抗が小さくなるという2つのから、高圧吐出時(20〜30MPa)にでもロックせず安定して良好な性能が得られる。
【0062】
なお、上述までの実施例では、L2=0として組み付けるものの、インナーロータ52およびアウターロータ51における内歯部52aおよび外歯部51aの高さにおいて各歯には製造誤差が存在することを前提としていたが、この製造誤差を極力無くすことができ、仮に各歯の高さが皆同じであったとすれば、図3において説明したポンプ10では、アウターロータ51は、紙面右側すなわち吐出口61と吸入口60との各々の略中心を結ぶ直線上で吐出口61側で中央プレート73の内周面と接触することとなる。しかしながら、製造誤差が発生する場合、この製造誤差が大きければ大きいほど、アウターロータ51とインナーロータ52との接触点は紙面下側、すなわち吐出口61と吸入口60との各々の略中心を結ぶ直線上付近の吐出口側の位置から最小空隙部側に製造誤差分移動することとなる。なお、製造誤差が存在しないとしても、前述の如く噛合面Sにおける作用力(押圧力)が紙面下側を向いているため、アウタロータ51と中央プレート73の接触点は紙面下側すなわち最小空隙部53b側に押圧力による変形分ずれると考えられる。
【0063】
なお、上述までに説明したブレーキ装置では、ブレーキアシストを行う機能を備えているが、このブレーキアシストとは、パニック時等に急ブレーキ操作が成された際に、乗員によるブレーキ操作力に比例するブレーキ力よりも高いブレーキ力すなわちマスタシリンダ圧よりも高いホイールシリンダ圧を発揮するものである。具体的には、車体減速度が一定値( たとえば0.4G以上)になった際、ブレーキペダルの踏込みストロークや踏込み速度、加速度が一定値以上である際等に回転式ポンプの駆動と共に実行される。なお、前述の比例制御弁22の代わりにリニア差圧制御弁あるいは増圧制御弁30等と同等の2位置弁を用いてホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧より高く保持するようにしてもよい。すなわち、比例制御弁22を省いて制御弁40のみとしてもよい。
【0064】
また、制御弁34を無くすることも可能である。この際にはアンチスキッド制御の実行等によってリザーバ20内にブレーキ液が流入した際には回転式ポンプ10はこのリザーバ20内からブレーキ液を吸引してリザーバ20内のブレーキ液を排出するようにし、リザーバ20内のブレーキ液が所定値以下( 実質的に存在しない際)の時のみマスタシリンダ3側からブレーキ液を吸引するような機構をリザーバ20等に設けるようにすればよい。
【0065】
また、前述までの実施例では、シール部材80、90は吐出口61の略中心と吸入口60の略中心を結ぶ直線に対して略対称位置に配置されていて、アウターロータ51と中央プレート73との間のクリアランス内における圧力バランスを保つようにしていたが、たとえば、ポンプ回転と逆方向( 図3における反時計周り)に双方のシール部材とも数度程度角度をずらして配置するようにしてもよい。この場合には、アウターロータ51と中央プレート73との間のクリアランス内における圧力バランスが崩れ、図3紙面左下側にアウターロータ51を押す力がかかり、アウターロータ51の中央プレート73への接触点が、吐出口61および吸入口60の略中心を結ぶ直線よりも最小空隙部側に一層もってくることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転式ポンプ10を適用したブレーキ装置の概略図である。
【図2】(a)は回転式ポンプ10の概略図であり、(b)は(a)のA−O−B矢視断面図である。
【図3】図2に示す回転式ポンプ10の組付けを説明するための図である。
【図4】従来の回転式ポンプの概略図である。
【符号の説明】
10…回転式ポンプ、11…モータ、50…ケーシング、
51…アウターロータ、52…インナーロータ、53…空隙部、54…駆動軸、
60…吸入口、61…吐出口、71、72…第1、第2のサイドプレート、
71a…中心孔、71b〜71c…導通経路、80…シール部材、
80a…ゴム部材、80b…樹脂部材、90…シール部材。

Claims (8)

  1. 踏力に基づいてブレーキ液圧を発生させるブレーキ液圧発生手段(1〜3)と、
    前記ブレーキ液圧に基づいて車輪に制動力を発生させる制動力発生手段(4、5)と、
    前記ブレーキ液圧発生手段に接続され、前記制動力発生手段に前記ブレーキ液圧を伝達する主管路(A)と、
    前記ブレーキ液圧発生手段に接続され、前記制動力発生手段が発生させる制動力を高めるために、前記主管路側にブレーキ液を供給する補助管路(D)と、
    前記ブレーキ液圧発生手段と前記制動力発生手段との間において、前記補助管路に設けられ、該補助管路にてブレーキ液を吸入し、このブレーキ液を前記主管路側に吐出する回転式ポンプ(10)とを備え、
    前記ブレーキ液圧発生手段に発生させられたブレーキ液圧が前記回転式ポンプにかかるように構成されたブレーキ装置において、
    前記回転式ポンプは、
    内周に複数の内歯部(51a)を有するアウターロータ(51)と、複数の外歯部(52a)を有すると共に駆動軸(54)を軸として回転運動するインナーロータ(52)とを備え、前記複数の内歯部と前記複数の外歯部とを噛み合わせることによって複数の空隙部(53)を形成するように組付けて構成した回転部と、
    前記駆動軸を嵌入する開口部(50a)を有すると共に、前記回転部に流体を吸入する吸入口(60)及び前記回転部の前記流体を吐出する吐出口(61)とを有し、前記回転部を覆うケーシング(50)とを有し、
    前記複数の空隙部のうち、体積が最大となる第1の閉じ込み部(53a)と体積が最小となる第2の閉じ込み部(53b)にて前記吸入口と前記吐出口との圧力差を保持しつつ、前記回転部の回転運動によって前記吸入口から前記流体を吸入し、前記吐出口を通じて前記流体を吐出するようになっており、
    該回転式ポンプの組み付けのときに、前記アウターロータの中心軸(X)と前記インナーロータの中心軸(Y)とを結んでできる線(Z)上に前記内歯部と前記外歯部の先端同士が位置するときに、前記第1の閉じ込み部における前記アウターロータと前記インナーロータとの間隙(L2)が零になる状態で、前記アウターロータの外周のうち前記第1の閉じ込み部が形成されている側における該アウターロータと前記ケーシングとの間隙(L1)と、前記第2の閉じ込み部が形成されている側における該アウターロータと前記ケーシングとの間隙(L4)とが同等の間隔空くように組付けられていることを特徴とする回転式ポンプを用いたブレーキ装置。
  2. 前記第1の閉じ込み部が形成されている側における前記インナーロータと前記駆動軸との間隙(L3)が、前記インナーロータと前記駆動軸との間隙の平均値となるように組付けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転式ポンプを用いたブレーキ装置。
  3. 前記内歯部のうち最も高さが高い部分(d1max)と前記外歯部のうち最も高さが高い部分(d2max)が前記アウターロータの中心軸(X)と前記インナーロータの中心軸(Y)とを結んでできる線(Z)上で、かつ前記第1の閉じ込み部が形成されている側に位置するときに組付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転式ポンプを用いたブレーキ装置。
  4. 前記ケーシングには、前記吸入口側における前記アウターロータの外周と前記吸入口とを連通する低圧側導通経路(71b)と、前記吐出口側におけるアウターロータの外周と前記吐出口とを連通する高圧側導通経路(71c)とが備えられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の回転式ポンプを用いたブレーキ装置。
  5. 前記高圧側導通経路と前記低圧側導通経路の間における前記アウターロータの外周のうち、前記第1、第2の閉じ込み部が形成されている側には、それぞれの間における前記流体の流動を抑制する第1、第2のシール手段(80、90)が備えられていることを特徴とする請求項4に記載の回転式ポンプを用いたブレーキ装置。
  6. 乗員による制動操作に伴ってマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダと、
    このマスタシリンダ圧を受けて車輪制動力を発生するホイールシリンダと、
    前記マスタシリンダとホイールシリンダとを連通する主管路と、
    前記油管路において、ホイールシリンダ側のブレーキ液圧をマスタシリンダ圧よりも高く保持可能とするために圧力差を形成する差圧制御弁(22)と、
    前記差圧制御弁よりもマスタシリンダ側からブレーキ液を吸引し、ホイールシリンダに向けて吐出する回転ポンプと、を備え、
    前記マスタシリンダに発生させられたマスタシリンダ圧が前記回転式ポンプにかかるように構成されたブレーキ装置において、
    前記回転式ポンプは、
    内周に複数の内歯部を有する回転可能なアウターロータと、該アウターロータ内において内歯部とかみ合うように外周に複数の外歯部を有し、前記アウターロータに対して偏芯して配置されることにより内歯部と外歯部との間で最大空隙部と最小空隙部とを形成すると共に駆動軸により回転駆動されるインナーロータと、を有する回転部と、
    前記回転部の側面を覆うとともに前記マスタシリンダ側からブレーキ液を吸引を行う吸入口とホイールシリンダ側への吐出を行う吐出口とが形成されたサイドプレートと、前記回転部を収納するように外円周を覆う中央プレートとを備えるケーシングと、を備え、
    当該回転式ポンプの駆動時における吸入口と吐出口との間の圧力差によって、前記ホイールシリンダ側のブレーキ液圧を前記マスタシリンダ圧よりも高めるように前記回転部に作用力が加わった際に、前記アウターロータの外周面が前記中央プレートの内周面において前記吸入口と前記吐出口との中心を結ぶ直線上における吐出口側で接触するようにしたことを特徴とする回転式ポンプを用いたブレーキ装置。
  7. 前記アウターロータの外周と前記中央プレートの内周との間には所定のクリアランスが存在し、このクリアランス内を前記吐出口から高圧ブレーキ油が満たす際に、前記吸入口側における前記アウターロータの外周と前記中央プレートの内周との間において、前記吸入口の中心を中心として当該ポンプの回転方向に所定量移動した非対称位置に2つのシールが配置されたことを特徴とする請求項6に記載の回転式ポンプを用いたブレーキ装置。
  8. ブレーキアシスト機能を有するブレーキ装置であって、ブレーキアシストの際のアシスト圧を発生するために回転式ポンプを用いるブレーキ装置における回転式ポンプの組み付け方法において、
    前記回転式ポンプは、
    駆動軸に対して、外歯部を有するインナーロータを組み付け、
    前記インナーロータの外歯部と噛み合うようにアウターロータにおける内歯部位置を固定する際に、前記外歯部の高さの形成誤差の最大のものがインナーロータとアウターロータとの中心を結ぶ直線上の最大空隙部を作る側にくるようにして、
    且つ、前記アウターロータの外円周を覆うケーシングの中央プレートを、最大空隙部側および最小空隙部側の双方における前記アウターロータと前記中央プレートとの間のクリアランスが同等となるように組み付けることを特徴とする回転式ポンプを用いたブレーキ装置における回転式ポンプの組み付け方法。
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