JP2000002107A - 内燃機関のオイルパンのドレン構造 - Google Patents

内燃機関のオイルパンのドレン構造

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JP2000002107A JP16806298A JP16806298A JP2000002107A JP 2000002107 A JP2000002107 A JP 2000002107A JP 16806298 A JP16806298 A JP 16806298A JP 16806298 A JP16806298 A JP 16806298A JP 2000002107 A JP2000002107 A JP 2000002107A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドレンコック24から排出される潤滑油が広
範囲に飛散されることを防止する。 【解決手段】 オイルパン10の深底部14における底
壁部18と側壁部20とのコーナー部をオイルパン10
内方へ凹ませて傾斜壁部22を形成し、この傾斜壁部2
2にドレンコック24を取り付ける。底壁部18に内側
へ向けて凸となったドレン用ビード28をドレンコック
24を囲むように形成する。このドレン用ビード28
は、その両端28aが底壁部18と傾斜壁部22との稜
線26近傍に位置するまで延ばされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関の底部
に取り付けられるオイルパンのドレン構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用内燃機関に代表される多くの内
燃機関では、シリンダブロック下面に浅底部と深底部と
を有するオイルパンが取り付けられており、ここに潤滑
油を貯留するとともに、オイルポンプにて吸い上げて各
部へ圧送する構成となっている。また、オイルパンの底
部にはドレンコックが設けられており、オイル交換等の
際には、このドレンコックを介してオイルパン内部の潤
滑油を外部へ排出するようになっている。
【0003】ここで、オイルパンは、路面干渉を回避す
るために所定の地上高を確保するといったレイアウト上
の制約から、所定の上下方向寸法に制限される。従っ
て、仮にドレンコックがオイルパンの底壁部より下方へ
突出していると、この突出分だけオイルパン自体の底上
げが必要となる。この結果、オイルパンの内部容量が減
少し、オイル交換のインターバルが短縮されてしまう。
【0004】そこで、近年では、ドレンコックをオイル
パンの底壁部よりも上方位置に取り付けた構造が提案さ
れている。例えば特開平7−293327号公報では、
オイルパンの底壁部と側壁部とのコーナー部を内側へ凹
ませて傾斜壁部を形成し、そこへドレンコックを取り付
けた構造が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにドレンコックがオイルパンの底壁部よりも上方位
置で斜めに取り付けられている場合、ドレンコックから
排出される潤滑油が、傾斜壁部を伝って底壁部の表面を
任意の方向へ広範囲にわたって流れてしまう。この結
果、オイルパン下方の広範囲にわたって潤滑油が飛散し
てしまい、排出油の回収作業が煩雑になるとともに、底
壁部の広範囲にわたって潤滑油の付着によるにじみが生
じる虞がある。
【0006】また、オイルパンの下方にアンダーカバー
が設けられている場合、このアンダーカバーには潤滑油
排出用の開口部が形成されることとなるが、上記のよう
に広範囲に潤滑油が飛散すると、この潤滑油が開口部か
ら外部へ排出されずにアンダーカバーの内面に付着する
虞がある。しかしながら、開口部をあまり大きく形成す
ると、アンダーカバー本来の保護機能や遮音性能を損ね
てしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1の発明
は、内燃機関の底部に取り付けられるオイルパンの底壁
部と側壁部とのコーナー部をオイルパン内方へ凹ませて
傾斜壁部を形成し、この傾斜壁部にドレンコックを取り
付けた内燃機関のオイルパンのドレン構造であって、上
記底壁部に、上記ドレンコックを囲むようにビードを形
成し、このビードの両端を上記底壁部と上記傾斜壁部と
の稜線近傍まで延ばしたことを特徴としている。
【0008】請求項1の発明によれば、ドレンコックか
ら排出される潤滑油が、仮に傾斜壁部を伝って底壁部の
表面を流れたとしても、ビードの部分で確実かつ速やか
に滴下される。
【0009】上記ビードは、好ましくは請求項2の発明
のように、オイルパンの内側へ向けて凸となっている。
【0010】この場合、ビードがオイルパンの底壁部よ
り下方へ突出することはないので、オイルパン自体の上
下方向寸法並びに地上高寸法に影響を与えることはな
い。
【0011】より好ましくは、上記ビードは、例えば請
求項3の発明のように上記ドレンコックを中心とする略
半円弧状に延在しており、あるいは請求項4の発明のよ
うに、上記ドレンコック側へ向けて広がる略V字状に延
在している。
【0012】また、請求項5の発明は、上記オイルパン
の下方にアンダーカバーが上記オイルパンの底壁部と所
定の間隙を介して設けられており、このアンダーカバー
には、上記ドレンコック並びに上記ビードの鉛直下方領
域を含む所定範囲に開口部が形成されていることを特徴
としている。
【0013】この場合、オイルパンから滴下する潤滑油
が、アンダーカバーの内面に付着することなく、確実に
開口部から外部へ排出されるようになる。
【0014】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ビードによっ
て潤滑油が伝わる底壁部の範囲が効果的に制限されるた
め、従来のように潤滑油が広範囲にわたって飛散してし
まうようなことはなく、排出油の回収作業が容易になる
とともに、にじみが生じる範囲を最小限に抑制すること
ができる。
【0015】また、請求項2の発明によれば、ビードが
オイルパン自体の上下方向寸法並びに地上高寸法に影響
を与えることはないので、ビードの形成に伴うオイルパ
ンの内部容量の低下を最小限に抑制することができる。
【0016】更に、請求項5の発明によれば、アンダー
カバーの開口部をビードに対応した必要最小限の大きさ
に容易に形成できるため、開口部によるアンダーカバー
本来の保護機能並びに遮音機能の低下を最小限に抑制す
ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の具体的な実施の
形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】図1,2は、この発明の第1実施例を示し
ている。オイルパン10は、図示せぬシリンダブロック
の下面に取り付けられるものであって、アルミニウムダ
イキャストからなる平坦な浅底部12と、金属板をプレ
ス成形してなる深底部14とから構成されており、この
深底部14に潤滑油が貯留されるようになっている。な
お、図1は、深底部14を単体で上から見た平面図であ
る。
【0019】深底部14は、上部が開口する箱形をなし
ており、その上面に形成されたフランジ部16で浅底部
12の下面に形成されたフランジ部と図示せぬボルトを
介して固定され、浅底部12と一体となっている。
【0020】ここで、深底部14には、略水平面に沿う
底壁部18と、この底壁部18の外周部から略垂直に折
曲する側壁部20とのコーナー部分をオイルパン10内
方へ凹ませるようにして、これら底壁部18並びに側壁
部20に対して傾斜する傾斜壁部22を形成し、この傾
斜壁部22に、潤滑油排出用のドレンコック24を取り
付けている。
【0021】すなわちドレンコック24は、図2に示す
ように、外側から見て部分的に内側へ凹んだ部分に実質
的に収容される形で取り付けられている。より具体的に
は、ドレンコック24は、そのボルト24aの下端が底
壁部18と略同じ高さに設定されており、全体として底
壁部18よりも上方位置に取り付けられている。これに
より、オイルパン10の内部容積の低下を最小限に抑制
しつつ、ドレンコック24がオイルパン10の外壁面か
ら外側へ張り出さないレイアウトとなっている。
【0022】また、ドレンコック24は、その中心線L
が底壁部18と直交する方向に対して傾斜した姿勢で取
り付けられている。これによって、ドレンコック24か
ら排出されずに深底部14内に残留する潤滑油の残量を
効果的に低減するようになっている。
【0023】そして本実施例では、深底部14の底壁部
18に、オイルパン10の内側へ向けて凸となったドレ
ン用ビード28を形成している。このドレン用ビード2
8は、ドレンコック24を中心とした略半円弧状をな
し、その両端28aが底壁部18と傾斜壁部22との稜
線26の近傍に位置するように延在している。
【0024】従って、図2にも示すように、ドレンコッ
ク24から排出された潤滑油が、仮に傾斜壁部22から
底壁部18へ伝ってきたとしても、ビード28の部分で
確実かつ速やかに滴下されるようになり、それ以上の範
囲(図2でビード28より右方向の範囲)に流れてしま
うことが抑制される。この結果、従来のように潤滑油が
広範囲にわたって飛散してしまうようなことはなく、排
出油の回収作業が容易になるとともに、潤滑油のにじみ
が生じる範囲を最小限に抑制することができる。
【0025】ここで、ビード28は、オイルパン10の
内側へ向かって凸な形状となっており、底壁部18より
も下方へ突出することはないので、オイルパン自体の上
下方向寸法並びに地上高寸法に影響を与えることはな
い。
【0026】なお、底壁部18には、上記のドレン用ビ
ード28とは別に、複数本(この実施例では3本)の補
強用ビード30が形成されている。これらのビード30
は、やはりオイルパン10自体の鉛直方向寸法に影響を
与えることのないように、オイルパン10の内側へ向か
って凸となった略矩形の断面形状をなし、かつ、同一の
高さで底壁部18の全幅にわたって直線状に延在してい
る。
【0027】また、このような構造のオイルパン10の
下方には、平板状のアンダーカバー32が底壁部18と
所定の間隙Dを介した所定の地上高さ位置で、略水平方
向に延在している。このアンダーカバー32は、車体底
部側の保護機能並びに遮音機能を備えている。
【0028】このようなアンダーカバー32には、潤滑
油排出用の開口部34が形成されており、この開口部3
4を介してドレンコック24のボルト24aを外し、ド
レンコック24を介して潤滑油を外部へ排出するように
なっている。
【0029】ここで、開口部34は、ドレンコック24
並びにドレン用ビード28の鉛直下方領域を含む所定範
囲に形成されている。つまり、開口部34は、オイルパ
ン10から潤滑油が滴下される必要最小限の所定範囲に
形成されている。従って、オイルパン10から滴下する
潤滑油は、アンダーカバー32の内面に付着することな
く、確実に開口部34を通って下方へ滴下されるように
なる。また、開口部34を小さくできるので、アンダー
カバー32本来の保護機能や遮音性能を損ねる虞はな
い。
【0030】図3は本発明の第2実施例を示しており、
オイルパン10の底壁部18には、やはりオイルパン1
0内方へ向けて凸となったドレン用ビード36がドレン
コック24を囲うように形成され、その両端36aが稜
線26の近傍に位置するようになっている。ここで、こ
の第2実施例に係るドレン用ビード36は、ドレンコッ
ク24側へ向けて広がる略V字状に延在しており、その
頂部36bが図3に示す平面視でドレンコック24の中
心線L上に設定されている。なお、このビード36以外
の構造は上記第1実施例と同様であり、重複する説明を
適宜省略する。
【0031】このような第2実施例によれば、上記第1
実施例の効果に加え、ドレン用ビード36を伝う潤滑油
に頂部36bへ向かう方向の指向性が与えられ、潤滑油
の排出方向並びに滴下位置のばらつきをより効果的に抑
制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係るオイルパンのドレ
ン構造を示す平面図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】この発明の第2実施例に係るオイルパンのドレ
ン構造を示す下面図。
【符号の説明】
10…オイルパン 18…底壁部 20…側壁部 22…傾斜壁部 24…ドレンコック 26…稜線 28,36…ドレン用ビード 32…アンダーカバー 34…開口部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の底部に取り付けられるオイル
    パンの底壁部と側壁部とのコーナー部をオイルパン内方
    へ凹ませて傾斜壁部を形成し、この傾斜壁部にドレンコ
    ックを取り付けた内燃機関のオイルパンのドレン構造で
    あって、 上記底壁部に、上記ドレンコックを囲むようにビードを
    形成し、このビードの両端を上記底壁部と上記傾斜壁部
    との稜線近傍まで延ばしたことを特徴とする内燃機関の
    オイルパンのドレン構造。
  2. 【請求項2】 上記ビードは、オイルパンの内側へ向け
    て凸となっていることを特徴とする請求項1に記載の内
    燃機関のオイルパンのドレン構造。
  3. 【請求項3】 上記ビードは、上記ドレンコックを中心
    とする略半円弧状に延在していることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の内燃機関のオイルパンのドレン構
    造。
  4. 【請求項4】 上記ビードは、上記ドレンコック側へ向
    けて広がる略V字状に延在していることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の内燃機関のオイルパンのドレン構
    造。
  5. 【請求項5】 上記オイルパンの下方にアンダーカバー
    が上記オイルパンの底壁部と所定の間隙を介して設けら
    れており、このアンダーカバーには、上記ドレンコック
    並びに上記ビードの鉛直下方領域を含む所定範囲に開口
    部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の内燃機関のオイルパンのドレン構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008072416A1 (ja) * 2006-12-15 2008-06-19 Honda Motor Co., Ltd. エンジンのオイルパン構造
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JP2012136986A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Daihatsu Motor Co Ltd 液だれ誘導構造

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